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【個】『御蔵神社』弐【場】

155『御蔵神社』:2014/06/06(金) 05:01:53
>>154
「それは…ロマンチックですねっ。
でもうちの場合、家が家ですから…両の親から反対されて、駆け落ちで『神社』と言うのは何こう…」
「いやーでも解りませんよ?
お母様は何処の出身かも、私たち知りませんからね…凄い遠い所から、らしいですけど」

むーっと腕組みする二人。
団子はもう殆ど壊滅状態だ。

「ふむっ……まあ確かにお父様は料理も上手ですし優しいですし物知りですしねっ」
「イケメンじゃないですけど、男は愛嬌って言いますし、お母様と滅茶苦茶ラブいですしねっ」

巴の言葉に、鏡に写したみたいに同時にお茶を飲んでから、笑顔になる。
…どうやら出自や馴れ初めは解らなくても、よき両親であることは間違いないようだ。

「あ、お団子なくなってきちゃいましたね」
「巴さん、葛餅と水羊羹では、どっちがお好きですかっ?」

156巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/06(金) 21:12:40
>>155
「ロマンチックじゃない」

軽く手を振って否定する。

「トラック運転手が岡惚れした。跡取り“息子”に」

「攫って逃げたそうだ」

今なら誘拐沙汰。
どう誤魔化したのか未だに解らない。


「愛嬌は大事。可愛げがある方が――」

「――両方、はだめ?」

軽く首を傾げて聞き返した。

157『御蔵神社』:2014/06/06(金) 23:38:31
>>156
「いえいえ、ロマンチックですよ、『今まで』と『これから』、その全部を賭けてるんですから」
「その圧倒的行動力に心奪われちゃったんでしょうね…その気持ち、まさしく愛です!!」

巴の『お願い』に、親指を立てて応える。

「ついでにお茶の御代わりもお持ちしましょう!!」
「ちょっとこのまま、ここで涼んでてくださいねっ」

脚を手ぬぐいで拭くと、足袋と草履を履きなおし、じゃれあいながら駆け出していく二人の少女。
……木々をさわさわと揺らめく。
湖から吹く風は、湿気の多いじっとりとした暑さを涼やかに吹き払った。

158巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/07(土) 00:03:04
>>157
「親父も母さんの行動力に惚れてた」

今では家族でバーを経営していたりする。

「うん、お願い」
「気を遣ってもらって悪い」

        チャプン

盥に沈めた足を動かす。
ここはやはり落ち着く――

自然があるというのはいいものだ。
歴史があると実感できると場だと尚いい。

159『御蔵神社』:2014/06/07(土) 23:57:10
>>158
ややあってから、二人が揃って戻ってくる。
それぞれの手には茶碗の乗った盆と、小ぶりな盥があった。

「お待たせしましたっ」
「お代わりも、冷やし抹茶でよかったですか?緑茶とかも一応御持ちしましたけどっ」

茶碗の乗った盆を長椅子に置くと、相方が盥を地面に置く。
盥の中には……氷の間に、笹で蓋をされた細長い竹筒と、太い竹を小ぶりな缶詰ほどの大きさに切った竹の器が浮いていた。

「細長いのが水羊羹ですっ。笹をとって、反対側に刺さった栓を抜いてちゅーっと吸うと出てきますよ」
「太いほうが葛餅ですっ。オススメはきな粉ですねっ。黒蜜もありますけどっ」

160巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/09(月) 23:29:05
>>159

「抹茶でいい」

両手を合わせてから、葛餅からいただく。
二つももらえるとはなかなかに豪勢だ。

「これは手作り?」

盥の中から掬い上げつつ。
手製の品なら作り方を聞きたい。

161『御蔵神社』:2014/06/10(火) 23:16:20
>>160
「ふふふ勿論!御蔵神社の後継ぎは、神官としてだけでなく、優れた料理人でなくてはいけないのです!!」
「普段はこんな風にお澄まししてますけど、見えないところでジャージ姿で竹を切ったりタケノコ掘ったりしてるんですよこれが!!」

濡れている竹の器を拭くための手ぬぐいを渡しつつ、自慢げに胸を張る。

「そんなに難しくないですよ?
水羊羹は寒天をお湯で溶かして、ざらめを加えてさらに解いて、漉し餡か粒餡をお好みで混ぜて、後は冷やすだけですっ」
「葛餅も同じ様なものですよねっ。
くず粉と水と砂糖を混ぜて、火にかけて解いて、後は器に入れてから、これも冷やすだけですよ」

162巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/10(火) 23:54:58
>>161

「なるほど」

「あとは器?」

これこそ風情があって良い。
持って帰りたいものだが。

――さすがに気が引ける。

「あとでレシピ教えて」
「冷やすのは冷蔵庫でいい?」

163『御蔵神社』:2014/06/11(水) 00:14:33
>>162
「そうですねっ、私は抗菌作用と、後は爽やかさを追及したくて竹を選びましたけど……。
巴さん、あの子達に作ってあげるのなら、もっといいのがありますよ」
「100円ショップなんかでも手に入る…………クッキー用の型で、動物型の水羊羹とか作れちゃいます。
葛餅は柔らかすぎて使えない手ですけど、こっちのほうが良いかもですよ?」

巫女装束の袂から、スマホを出す。

「レシピですか?詳しくはwebで!!
うちの神社のHPから飛べる、私のブログへどうぞ!他にも色々レシピが乗ってますよ!!」
「冷蔵庫でもいいですよ?
ただ、氷水に浸けて冷やしたほうが透明感は出るみたいですねっ」

164巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/11(水) 00:34:11
>>163
「なるほどな」

遊びがてらに作るならいいかもしれない。
いいことを教えてもらった。帰りに寄ろう。

スマホでサイトを確認し、頷く。

「何から何まですまない」
「礼がしたいな」

団子では足りないほどだ。

165『御蔵神社』:2014/06/12(木) 00:30:49
>>164
「やっぱり料理は、一緒に作って、一緒に楽しいで、一緒に美味しいのが一番です!」
「んふふ、お礼なんか要りませんよ。また遊びに来てくれれば、それだけで充分です!!」

ゴクゴク

茶を飲み干し、茶碗をかつんとお盆に置く。

「私の名前に込められた想いは、『より良き『縁』をより多くの人と『組』めるように』」
「こういう一時こそが、私にとってはまさしく値千金なのです!!」

166巴 美弥『ヴァシュティ・バニアン』:2014/06/12(木) 01:30:05
>>165
「そうか」

「親御さんにも感謝する」

彼女の名前にも助けられたワケだ。
和菓子は食べ終わり、ごちそうさまと告げる。

「今日はこれで」

「今度、妹たちも連れてくる」
「本当にありがとう」

目礼すると、手を振って去った。

167『御蔵神社』:2014/06/15(日) 12:30:33
>>166
「んふふ、いずれその『縁』で私はこの世界を制してみせますよ!!」
「『可愛い』で『お金持ち』で『コネ』もある…負ける道理がありませんねっ!」

鏡に写した光景みたいに、綺麗にハイタッチを決める『巫女装束の少女』たち。

「何時でも遊びに来て下さい!」
「よければお土産に、これどうぞっ!」

残った竹筒入りの水羊羹を渡すと、盥の水を足でばちゃばちゃさせながら見送った。






「あっ冷たいじゃないですか!服が濡れちゃいましたよ!?えいっ!!」
「ひゃっ!お返しのつもりですか?んもう、風邪引いたら責任とってくださいね!!」

168ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/21(木) 00:23:09
強い日射しの照りつける神社の境内。

     クルルゥー
 クックルゥ    クグルルゥ

地面を灰色の絨毯のごとく覆う『鳩』の群れ。
その中央に、

  パラリ
       パラッ

ポケットからパン屑らしきものを取り出し撒いている、くすんだ灰色の髪の小学生ほどの少女。

169ようこそ、名無しの世界へ…:2014/08/21(木) 02:09:38
>>168
鳩にパンくずを撒いている少女。
が、ふと鳩の様子が変わった。

……理由を考える必要はない。
何故なら、『それ』はすぐにドクにも気付けたからだ。

――『悪臭』。
まるでドブ水が腐ったような臭いが、境内の林の向こうから漂っている。

        カツ

           カツ

境内の下へと続く階段から、足音が聞こえて来る。

170ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/21(木) 23:38:41
>>169
「………コイツラモ…『なかま』ジャ、ナイ……」

「食ベ物ヤラナイト…寄ッテキテモクレナイ……」

  「……おいらノ、『なかま』……
   本当ニ、イナイノカ……ドコニモ……?」

  ――

  「……クフルッ?」

異様な『匂い』に気づき、激しく頭を振って、

   「……クサイ……?」

        カツ

           カツ

   「ナン、ダ?」

膝を少しかがめて、『足音』の方に首を向ける。

171クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/21(木) 23:45:01
>>170
足音の方に意識を向け――、

  ガサガサッ

……だからこそ、唐突に聞こえてきた『茂みの音』に対応が遅れた。

           「だからよぉ、俺らみてーのがこういうとこに来ちゃいけねーと思うんだけどな……」
                「監督命令だし仕方ないだろ」   「こないだお世話になったらしいしな」
             「まー、野球人ゾンビなんだし、そこはこう、な?」 「っつか日光ヤベェ」

茂みの奥、ちょうど木陰になっているところから声が聞こえて来る。

   カツ カツ

        ・・・

足音の方は、聞こえなくなった。

「だ……」 「誰か」
「た、助けてくれ……」

……代わりに、声が聞こえてきた。

172ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 00:08:55
>>171
「!」

鳩の群れにうずまるように、体を低くする。

     … 

その背中には、髪と同じ色の、小さな一対の『翼』が付いている。
『翼』の大きさは、たたんでいれば後ろ髪に隠れてしまうほどで、
見えていても、普通の人なら「地味なコスプレ」程度にしか思わないだろう。

(人間…?)
(デモ…コンナクサイ人間、アンマリイナイゾ)

  「ダレ、ダ?」

   「ドーカ、シタノカ?」

低い態勢のまま、階段の方からの声に向けて呼びかける。
可能なら、地面に敷き詰められた玉砂利を一つかみ右手ですくい取りたい。

173クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 00:22:42
>>172
「あ、暑すぎて……」 「も、もう動けな……」

                         「あー……監督虚弱だしなー」 「だから参拝なんてやめとけって言ったのに」
                      「馬鹿だから仕方ないだろ」 「そこの嬢ちゃん、助けに行ってやってくんね?」
                             「俺たちは日光にアレルギーの体質だからな」
                                   「そういう言い方すると急にカリスマ出るな」 「出ねーよ」

『茂みの声』は何やらわちゃくちゃ言っている。
ともあれ、足音の主は暑さでへばって動けないようだ。

174ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 00:31:42
>>173
「コレ、暑イ」 カチャ

砂利を落とし、『翼』を無造作に取り外して地面に置いた。

「ダイジョウブカ?」

立ち上がって足音の主に向かって駆け寄り、その顔をのぞき込む。

175クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 00:36:52
>>174
「ああ……」 「水はあるんだ、水は」
「ただ疲れてな…………」

足音の主は、半ば階段に寝そべるようにしていた。
リュックを背負っているが、その手にはペットボトルがある。

「すまないがちょっと、助けてくれないか……」

ワカメみたいなぼさぼさ黒髪の白人女だ。
頬がこけており、腕も細い。確かに、これでは暑さでダウンしてしまうのも仕方なかろう。
コミカルなデザインの『ZOMBIE!』というタトゥーが二の腕に彫られているが、
それでもインドア派という印象の拭いきれない不健康さだった。

ちなみに、臭いはない。

176ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 00:47:39
>>175
「……???」

「アルノニ、ナンデ飲マナイ?」 「変ナ人間ダナ」

首をかしげる。
そばかすの目立つ活発そうな顔、
目は夕陽のように鮮やかなオレンジ色だが、それ以外はごく普通の子供だ。

「…助ケル?」

「ドウスレバイイ?」

177クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 00:51:46
>>176
「ああ、ちょっと助け起こしてくれれば、境内の陰になってるところにでも移動するから……」

見ると、ペットボトルの中身は明らかに減っている。
水分補給は怠っていないが、この暑さのせいで体力が奪われている。そういうことだろう。
この細さでは、そうなってしまうのも当然のことに思えた。

「ちょっともう、自力では歩けそうにない……。っていうか何で神社ってこんな階段長いんだ……」

178ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 00:59:42
>>177
「階段ガ嫌ナノニ、ナンデ登ッテクルンダ?」
「階段登ッタラ疲レル。おいらダッテワカル」

心底不可解というような表情。

「ワカッタ」

  グッ

女に肩を貸して、立ち上がるのを手伝う。

「アッチニ、水、アル」

「汲ンデコヨウカ?」

『手水舎』のあるほうを指差す。

179クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 01:12:12
>>178
「前に世話になった奴が、此処の神社の巫女をやっていてな……」

ということらしい。
その巫女に、挨拶に来たということなのだろう。

「水は良い。私が持ってるので十分だ」

流石に、顔から水を被るほど疲れてはいない。
ちなみに、女は肉がついてるのかと心配になるほど軽く、また骨張っていた。
日蔭についたら、そのまま大人しく腰を下ろす。

180ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 01:26:53
>>179
「ナーンダ」

「『コレ』デ、ブッカケテヤロウト思ッタノニ」

  ―― ズキュッ

いつの間にか、少女の左手に、よく使い込まれたような色合いの『グローブ』が嵌まっているのが、女の目の端に見えたかもしれない。

「ツメタイ水、オモイッキリ顔ニカブッタラ気持チイイゾ?」

 ニカッ

181クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 01:37:51
>>180
「…………ほう」

『グローブ』を発現したドクに、女の眼の色が変わる。

                                「ほう」  「ほう」 「ほほう」
                               「ほうほう」 「ほーう」 「ほう」
                                 「はう」  「ほうほうほう」 「ほほほう」
                                「今『はう』って言ったヤツ誰だ!?」

……正確には、『茂みの奥にいる連中』の眼の色も。

「野球、するのか?」

『精神の形』が野球の道具なのだから、当然野球をするものだと思っている。
自分自身野球はズブの素人なのに『ゾンビーズ』に目覚めたことは完全に棚に上げていた。

182ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/22(金) 01:55:12
>>181
「フフン」

鼻の下を人差し指でこする仕草。

「『打ツ』ノハ、ソコソコダケド」

「『守ル』ホウナラ、ケッコウイケルヨ」

「誰カ、ボール、持ッテル?」

「今日ハなかま探シニキタカラ、忘レチャッタンダ」

木陰の奴らの方にも呼びかけてみる。
「食いついて」くれたのだから、とりあえず匂いは気にしない。

183クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/22(金) 02:04:10
>>182
                          「ボールならあるぞ」
「あ、オイ待てそのボールって……」

     コロコロ

『茂みの連中』から、ボールが転がされてきた。
泥まみれでもない、綺麗なボールだ、が……、

         i/
       -i―          i|
       ノ! ヽ ツ   ー-,  !|
           シ イ ノ   ・

『蒸発した』。
灰の様に、ボールは一瞬にして消し飛んだ。

  ゴ
             ゴ
       ゴ             ゴ

「あー……だから言ったのに」

184ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/23(土) 01:13:29
>>183
ピクッ

グローブを構えるが、

 「………」

   「オイ」

   「バカニ、シテルノカ?」

    「子供ダカラッテ」

片方の眉が吊り上がる。


   「ヨーシ」

    「見セテヤルヨ」

クリスから少し離れ、階段の脇に落ちている白っぽいビー玉ほどの小石をひとつ、拾う。


   「『動クト、アブナイヨ』」

クリスにそう声をかけて、

    ヒ ュ ッ

宙に投げ上げられた小石は、

     ヒュ

       ウ
 
         ウ

『内野フライ』の軌道で、クリスの頭の『真上』に落下してきた。

185クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/25(月) 10:34:29
>>184
「は?」 「オイ待て話が通じてないぞ」
「そもそも私はあの馬鹿どもの行動を『止めて』だな……」
                                      「うわあ」 「流石に『それ』はな」
                            ギュ  オ !   「『ゾンビーズ』としちゃあ見逃せねーな」

女が慌ててドクに弁解しようとした、ちょうどその瞬間。
『茂みの連中』の方から、複数の小石が、降って来る小石に投げつけられた。
そのスピードは、まさしく『プロ野球選手の投球並』。
ふわりとしたスピードの小石に、その『数うちゃ当たる』とでもいうべき『投球の連弾』を躱しきれるはずもなく。

     バキャア!

一瞬にして、遥か彼方に粉砕され弾き飛ばされた。
                                      、 、、、 、、
「能力で他人にいたずらを吹っかけるもんじゃあないぞ、スタンド使い」

女は、自慢げにそう言う。
おそらく、『グローブ』が透けているからスタンド使いだということはバレバレだと言いたいのだろう。

「ついでに、察しも悪いぞスタンド使い。さっきから漂っているこの悪臭と、
 日光を浴びて灰になった道具を関連付けて考えるんだ。…………何か見えて来るだろう?」

生ごみと悪戯を咄嗟に結びつけることができたらソイツが名探偵であることは間違いないが、
それはともかくとして、この女は先程の現象に悪気はなかったと言いたいらしい。

186ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/25(月) 22:52:02
>>185
ヒュバババババ

     パキッ!

『メジャー級』のコントロールで、クリスの頭上に迫る小石を迎撃する数個の石。

  
   − − − −

 「『イタズラ』ナンテ、シテナイゾ」   
                      「言ッタロ? 『見セテヤル』ッテ」


教育者ぶって高説をはじめようとしたクリスは…目にするだろう。

少女が投げた石と、クリス自慢の『選手』たちが投げた全ての石が、宙で静止していることを。


  「おいら、野球ノるーる、アンマリ知ラナイケドサ」

  「球ガ、5個モ6個モ飛ンデクル野球ナンテ、聞イタコトナイゾ」

  「…デモ」


    ヒュゥ!
  ヒュゥ     ヒュヒュゥゥ

すべての石は、軌道を変え、投げた時そのままの球速で、少女が広げた『グローブ』めがけて飛び、

   
  「おいらダッタラ」

      ――――― パシィッ!

                      「『捕ル』ダケナラ、何個デモ問題ナイケドネ」

「吸い込まれる」かのように、同時に『グローブ』の中に収まった。


  「アンタノ、ちーむノ人?」

  「ナンデ隠レテルカ、知ラナイケド」

   「モウ一回、来テミル?」

      チョイチョイ

林の方に向かい、挑発するように人差し指をしゃくって見せる。

187クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/25(月) 23:38:55
>>186
「『ゾンビ野球』はアバウトだからな」

悪びれる様子もなく、女は答えた。

「そして『やめ』だ。本来は気の良い奴らなのさ。
 『監督』である私を慕ってる。だから自動的に迎撃したんだ」

『ゾンビ』。
そう、つまり、『悪臭を放ち』『太陽の光で消し飛ぶ』彼らは、
『ゾンビの野球選手』というわけだ。
そして、この女はその親玉――監督と呼ばれているが――だ。

「私は参拝に来たんだ。
 悪いが本調子の『ゾンビーズ』に挑みたいなら夜のネオンストリートを歩くことだな」

「しかし、これだけ騒いでも来ないということは、あのお嬢さんは留守かな……?」

そう言って、女はキョロキョロとあたりを見渡し始めた。

188『御蔵神社』:2014/08/25(月) 23:58:16
ぺたり ぺたり

『おうっ、なんだよ、さっきから騒がしいじゃねえかよ』

『お嬢さん』は来なかったが…。
代わりに、手ぬぐいで鉢巻をした『スイカ』がやってきた。

『この俺の縞が黒いうちは、ここの境内で騒ぎは……ってげえっ!いつぞやの姐さんッ…………!?』

189ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/26(火) 00:46:01
>>187>>188
「ゾンビ〜??」

「映画ジャ、昼間モフツーニ歩イテタゾ」

「タダノ『チキン』ナンジャナイノカ?」


  ピュゥー       ピュゥー
       パシッ       パシッ

憎まれ口を叩きつつ、
小石を一個ずつグローブから飛び出させ、何にもぶつけず同じ軌道で戻して受け取る――を繰り返す。

「『人間ノヤル野球』ハ、アンマリ興味ナイケド」

「ドーシテモッテイウナラ、行ッテヤラナイコトモ…」  チラッ

  「…」   チラッ


「ン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜???」

『スイカ』を思いっきり二度見した。

190クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/26(火) 00:59:04
>>189(ドク)
                「ああ?」 「ナマ言ってんじゃあねーぞクソガキ」
                  「テメーくらい喉元食い破るのは赤子の手を捻るより、」

                  ボシャアアア

                     「ぐわー!!」  「馬鹿! 日傘があっても日光は当たるんだぞ!」
                         「あんな見え見えの挑発に乗せられるなよ!」
                                         「九人で日傘さして寄せ集まるから効果があったのに……」

ドクの挑発に反応したのか、黒い日傘を差した『ゾンビーズ』の何人かが茂みから出て……
そして、日傘を差していようと関係なくあたる日光で腕を消し飛ばされていた。
すぐに茂みに戻ったが、ユニフォーム姿の『そいつら』は明らかにゾンビだった。

「馬鹿どもが……」

やれやれ、と言った風に首を振り、


>>188(デンスケ)
「おお、デンスケじゃあないか。
 お嬢さんはいないかね。この間の挨拶に来たんだが」

なんかゾンビの灰が舞飛ぶなかで、女は朗らかに問いかけた。

191『御蔵神社』:2014/08/26(火) 01:14:25
>>189(ドク)
『なんだよ、スイカが珍しいかよ、坊主』

睨み返した(眼はないが)。

>>190(クリス)
「お、おお、そういう事なら、ここには居ねえよ。
なんでも街のほうでパーティだかなんだかあってよ、それに行ってくるんだと。

ま………暗くなる前には戻ってくるんじゃあねえかな」

192ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/26(火) 01:36:21
>>190
「ア、怒ッター?」

「ゴメーン」

「イイ球投ゲルネー」

意外と殊勝に謝る。
そろそろ、壁以外のキャッチボールの相手が欲しくなってきたところだ。

>>191
「………」  ジュルリ

「チョードヨカッタ」

「ノド、渇イテタ」

  ダッ!

「スイカー! スイカー!」 「食ワセローーーーーー!」

盗塁並みの瞬発力でスイカめがけてダッシュ。

193クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/26(火) 02:16:40
>>191(デンスケ)
「そうか……」
「それなら仕方がないな。日を改めるか」

女は残念そうにしながらそう言った。
此処に留まるのは、体力的にも神社の迷惑的にも無理だ。

「ところでお前は神社に馴染んでいるようで安心したよ、と――」

そこで、スイカに向かうドクを見た。


>>192(ドク)
(人間の手足が生えたスイカでも良いのか……)

クリスだったら、そんなスイカは食べたくないが。

「おい、やめろ。そいつは生きてるんだぞ」

ともあれ、デンスケの事情を知っている以上、制止はしておこう。

194『御蔵神社』:2014/08/26(火) 21:09:15
>>192(ドク)
『ふっどこを見ている』

ダッシュしたドクの目の前で、『喋るスイカ』の縞模様が幻惑的にうねる!
朦朧とした瞬間、『スイカ』の姿は忽然と消え、数メートル先に現れた。

『悪いな……巫女の姉ちゃんのおかげで、この神社は俺のテリトリーそのものよッ!!』

パサッ

そしてドクの頭に、何か軽いものが落ちてくる。

>>193(クリス)
『なんだったらそっちに顔を出して見ちゃどうだい?
なんつってたかな…ダイ、ダイ……ダ○ソー、じゃなくて……………』

例の転移能力で、ドクをいなす『喋るスイカ』。

『まあな、日がな一日、使ってない井戸で地下水に浸かりながらラジオ聞いたりしてるぜ』

195ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/26(火) 21:58:56
>>193(クリス)
>>194(デンスケ)

「??? …コ、コノッ!」

何が起きたのか戸惑うが、瞬間移動したスイカをさらに追いかけようとする。

「クフルッ!?」

 「フフルルッ! ナ、ナンダァ!?」

頭を激しく振り、落ちてきたものを払いのけようとする。

196クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/26(火) 22:20:25
>>194-196
「おっと……よけいなお世話だったかな」

ドクの突撃をなんなく躱すデンスケに、女はふっと笑う。
なにか予想済みでしたよ的な余裕を漂わせているが、それはただのノリである。

「パーティはやめにしておこう。
 コイツら用の日傘も片付けないといけないしな」
                                「それにそっちに行ったらスポンジ状にえぐれてこの世から消えそう」
                             「いともたやすく行われる……」 「それ以上いけない」
                                         「だからメタネタはやめろとだな……」
『ゾンビーズ』達は相変わらず何を言っているのか分からないが、
とりあえずパーティに行く気はないということで一致しているらしい。
そんなこんなで、女はドクの方へ歩み寄る。

「やめておけ。アレは『スタンド使いのスイカ』なんだ。
 捕まえようとしてもああやって躱される。それに、ただでさえ此処は――」

あたりを見渡す。おそらく、デンスケの『能力』にとって格好のフィールドとなっていることだろう。

「――アイツの庭だ。
 下手なアウェーよりもよっぽど不利だぞ」

197『御蔵神社』:2014/08/26(火) 23:28:00
>>195-196(ドク、クリス)
ドクの頭の上に落ちてきたのは、紅白のカラフルな組紐だった。
よく見ると、あちこちの木に似たような紐が結び付けられている……。

『もしもの時に、ってな…一本一本手作りしてくれたんだ………『分身』も使ってたけど。
泣けるじゃあねえかおい…グスッ』

男泣きしているのだろうか…縞模様が僅かに揺れた気がした。

『まあともかくだ…俺を食いたいなら諦めなッ!素直にスーパーで買ってくるのをオススメするぜッ!!
……と、わざわざ足を運んでくれたのに悪かったな、姐さん。姐さんのことは俺の口から伝えとくよ』

198ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/26(火) 23:47:49
>>196-197
「……コレモ、『すたんど』ナノカ?」

「チェ、ナンダヨ」 「ソンナオ金、アルカヨ」

いろんな作り話はするが、『孤児』で家族や仲間がいないことは事実なのだ。

 「ジャア、アッチデ飲ムカ」

手水舎の柄杓を手に取り、ゴクゴクと喉を鳴らす。
本来、飲んではいけないのが作法……なんて事は知らないし気にしない。

 「プッハー」 「ココノ水、ウマイ」

組み紐を手近な木の枝に引っかけ、

 「オイラ、ド…ドm……ドミ…d…」

  「『ドク』ダ」

やたら言いづらそうに、近くに来たクリスに名乗った。

199クリス・クロス『アストロ・ゾンビーズ』:2014/08/27(水) 00:04:19
>>197-198
「いや、良い。タイミングが悪かったんだ。
 今度また行くよ。土産も持って行くから楽しみにしてくれと伝えておいてくれ」

デンスケにそう返し、

「よろしくドク。私はクリス。クリス=クロス――『アストロ・ゾンビーズ』の監督さ」

ドクに名乗り返す。
名前を名乗りづらそうにしているのは気になるが、ドクと名乗るのなら
女にとっての名前は『ドク』であり、そこに疑問を挟む必要性はない。
出会ったばかりの人間の素性を知りたがるほど、女は他人に興味を持つ性質ではなかった。

「それじゃあ、帰るとするかな……くだりは行きより楽だろうしな……」

そう言って、階段を下りていく。
『茂みの連中』――『ゾンビーズ』も、茂みの中を帰って行くようだった。
…………女はああ言っていたが、果たしてこの暑さの中無事に帰れるのだろうか……?
その結果は、多分神(『神様』ではない)のみぞ知る。

200ドク『ドリームキャッチャー』:2014/08/27(水) 00:40:59
>>199(クリス)
>>デンスケ

「監督ノクセニ、名刺モ持ッテナイノカヨ」

「マアイイヤ。アンタノちーむ、面白ソウダ」

「コンド、見ニ行クゾ」

去ってゆくクリスに手を振り、

     ビシィ!

「オイ、スイカ!」

「今日ノトコロハ見逃シテヤルケド」

「『背中』ニ、注意シロヨッ!」

『デンスケ』に捨て台詞を投げつけ、
腕をバタバタさせながら走り去った。


―――翼を忘れたのに気づくかどうかは、また後の話。

201『御蔵神社』:2014/08/27(水) 20:26:17
>>198-200(ドク、クリス)
『おいおい坊主、そこの水は手を洗うための………まァいいか、腹壊したりはしねえだろ…』

止めようとした時には既に遅し。

『おう、任せときな。途中でブッ倒れるなよ、坊主!姐さん!!
………へっ、何だか妙なやつらばっかり来るなァ、ここはよ。退屈しねえぜ』

自分のことは棚に上げつつ、茂みを抜けて湖のほうへと歩いていった。

202三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/09/29(月) 06:47:03


            ざ ざ ざ ざ…

草履の足音を鳴らしながら、御蔵神社の鳥居の前に来た。

「ここやねー」

ひとりごとだ。

彼女――金魚の髪飾りを着けた、妙齢の女の傍には誰もいない。

(……鳥居の前で、本殿に向かって一礼……やね。)

ひとまず、一礼する。

203『御蔵神社』:2014/10/01(水) 00:01:59
>>202
湖畔に程近く、木々が茂る林の中に、奥ゆかしく立つ社。
夏から秋へ、徐々に色づき始めた樹木に負けないほどに、鮮やかな朱の鳥居。

石畳の上を歩き、本殿へと一礼する。
街から離れていることもあり、子供たちが遊び場にするにはやや不適当なのだろう……境内には人影は無い。

    ○    ウォォォォォォ…!!
    ル =3

……頭を下げたその瞬間、視界の端を何かが駆け抜けていったような気がするが、恐らく気のせいだろう。
何故ならちらりと見えたそれは……『脚の生えたスイカ』だったからだ。

   ヒラ
                      ヒラ    ペタリ

と、顔をあげた三ツ矢の肩に、舞い落ちてきた『白い紙片』がくっつく………。

204三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/01(水) 00:54:25
>>203

    ○    ウォォォォォォ…!!
    ル =3


「……???」
「なんやろ」

理解し難い光景だった。
西瓜が走っていた(?)……のは、見えた、のだが。

(神さまなんかなぁー)

神の存在は信じてないでもない。
西瓜の神さま、なのだろうか? ご利益はあるのか?

……ともかく。

    ペタリ

「んんー」

肩についたそれを取ってみる。なんだろうか? 紙ふぶき?

(どっから来たんやろー)

ポイ捨てのゴミ、という雰囲気でもない……何なのか確かめてみよう。

205『御蔵神社』:2014/10/01(水) 01:36:39
>>204
天地万物に神が宿るとしても、あれが『スイカの神様』だとしたら、威厳も何もあったものではない。
気を取り直し、肩にくっついた紙片を剥がす。

ペリペリ

どうやらそれは、縦に半分に切った『御札』のようだ。
文字の書かれていない(なお文字は達筆すぎて何と書いてあるのか判読できなかった)裏面がシール状になっていて、どこでも貼れる様に処理してある。
社務所かどこかで売っているものが飛んできたのだろうか……。

    ヒュゥゥ   ペタリ

その時、手にしていた『御札』が風に煽られ、ぺたりと三ツ矢の手に『くっついた』。

206三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/01(水) 23:38:43
>>205

「お札やねー……」

(どっから来たんやろー?)

……と。

    ヒュゥゥ   ペタリ


「んー」

不思議そうに、手に貼り付いたそれを眺める。

「……あぁ、シールなんやねぇ。」
「便利やねえー」

……などと、能天気に呟きつつ、小さく首を動かし辺りを見渡す。

つまり、手水舎はあるだろうか?
あるならそちらへ。参道は端っこを通って。

207『御蔵神社』:2014/10/02(木) 23:06:37
>>206
『御札』を貼りたくても画鋲などで刺して穴を空けることに躊躇いのある人も居る。
そういう人に配慮した作り……なのだろうか。
(その割りに、二分割できるようになっているのが謎だが)

チョロチョロ…

辺りを見回すと、狐の像の飾られた手水舎が直に見つかる。
竹製の柄杓がいくつか、立てかけて並べられていた。

208三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/03(金) 07:09:17
>>207

謎なお札だが……元より、詳しいという事もない。

(飛んで来てもうたんやから、しゃあないよねえ)

こういうものか、と思っておく。
突っ込んだら負け、という感じ。

(……お札、洗ったりしてええんかなぁー?)
(ふやけたらいややなぁ)

手水舎へと向かう。
神社の作法に従うのだ……一種の誠意としても。

209『御蔵神社』:2014/10/04(土) 23:59:53
>>208
手水舎で手を洗う………いわゆる『禊』と言うやつだ。
ひんやりと水は冷たく、含むと澄んだ味がした。

『ゴゴゴゴゴゴゴ』

『御札』は意外にもしっかりとまだ張り付いている。防水加工してあるのだろうか、文字が滲む様子すらない。
改めて本殿に参拝しようと、柄杓を置いた時。

ガシッ

……三ツ矢の手が、突然握り締められた。

210三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/05(日) 00:05:17
>>209

「ええ水やねー」

思わず声に出たらしい。
手順通り、事を済ませる……

(やけど、取れへん。困ったシールやねー)

ちょっと感心する防水っぷり。
まあ別に、今剥がす理由も無いが。

……さて。

(次は……)   ガシッ
「!」「…………」

「……どなたさんやろ〜?」

賑やかで色鮮やかなスタンドを発現しつつ……振り向く。

211『御蔵神社』:2014/10/05(日) 00:26:40
>>210
自然がろ過することで生まれる清涼さ、そして添加される豊富なミネラル分。
やや寂れているとは言え、神域に相応しい『清水』と言えるだろう。

ぴったりと貼りついた『御札』。ここまでぴったりだと手が傷つくのを覚悟で引っかけば剥がれるかも知れないが……。

『ドドドドドドドド』

今はそれどころではない。
握られた手の先には誰も居ない……正確に言えば『手』だけがあった。
そして……………感じる。ここから東にかなり離れた場所に居る『誰か』の存在を。

            ,,...r―'''''''''ー-:、_
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     .l  .;;;'  ';;'    :;;;;,;:''`   :;::;;;;"   .:;; |
     ..l  ':;;,  :;;;,,   '::;;;;;'     ,,;;;;:    ';;;',!
      i, ;;;  .,;;;;:"   ,,;;;;;''    .;;:;;;;   _,,,,...!:        「うおおおおおおおそれだああああああああ!!」
      ゙i, ;;,   :;;    ,,;;;;;,,    .;.;.;.   ;.;.;.;
       ゙t;,  ;;;;   :.;.;.;.;.;    .;.;.;.;   .;.;.;
        ゙ヽ. '';;   ,,.;.;.;.    ;.;.;.;  .;.;.;.
          ゙''ー、;;   .;.;.;.;   .;.;.;.  ;.;.;
             `'' |  \         ヽ
               |   丶、      ヽ
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                |       '\   \  \
                 |       /   \   \_ 丶._
                  |       /    丶    }    丶
                   |       /        !          }
                ,'      /         |          /
               ,'     ;       j       /
                 /     ,' |       ,      /
           /      ! |       /      /
          /        | |        /     /
      _,.   ´       / 〈     ノ, , , / ,.ノ
  r'三´              }    / /// し'´
  匕二、__,,..  -―‐- ..,,__,.ノ   〈ノ-‐'´


そして同時に───『脚の生えたスイカ』が、慌てた様子で走って来て………急停止した。

「はッ……い、いかん、つい飛び出しちまった。
その『割符』……いやその前に!違うんだこれは……そう、俺は怪しいスイカじゃない!まずそれだけは解ってくれ!!」

…中々無理のある注文だったが、何やら必死さだけは伝わってくる。

212三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/05(日) 00:34:23
>>211

『ドドドドドドドド』


「……お手手やねー」
「ひゃー……なんやのー、もー。」

間延びした驚き表現。

手、いきなり。
……原因は、この札。絶対そう。

と、そこに。


「もーー、なんやのよーー」

走ってきたスイカ。
これにも、びっくりだ。まさか向こうから来るとは……

「……もー、なんやのー? 君の仕業なんかなー?」

しゃがみ込み、スイカに問う。
必死なのは分かるし、まあ話くらい聞いてみるのだ。

213『御蔵神社』:2014/10/05(日) 01:18:42
>>212
「あんまり驚かねえんだな!?むしろ俺が驚いたよ!?」

動じない三ツ矢の反応に、逆に突っ込む『脚の生えたスイカ』。

「ま、まあいいや……違うんだ、俺はさ、その…姐さんの手の、『割符』を預かってたんだよ。急な『来客』のためにさ…。
それをさっき、風で飛ばしちまって……。

…げほっげほっ、すまねえ、ちょっとそこの水を一杯かけてくれねえか?」

214三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/05(日) 11:00:32
>>213

「慣れとんのよー」

微笑む。

「姐さんー? ……この手え?」
「これ、割符言うんやねー」

謎の手と、自分の手の札を見る。
そして立ち上がって

            スィッ    ばしゃっ

……柄杓で水をすくい、スイカにかけてやる。

「君、どういう生き物なんー? おもろいなー」

微笑んでいる。

215『御蔵神社』:2014/10/05(日) 17:44:04
>>214
「助かったぜ……やっぱり水は天然ミネラル物に限るな!
そうそう、で、その『手』が、姐さんの掌にくっついてる『割り符』の本来の持ち主で………俺の『身元引受人』ってことになんのかな。

俺は『デンスケ』、一夏の奇跡が生み出した、心を持つスイカさ。宜しくな!!」

水を浴びて一息つけたのか、緑と黒の縞模様も鮮やかに挨拶する。

「とりあえず、その『手』をしっかり握って、こっちに来る『許可』をあげちゃくれねえか。
あっその前にその…俺が『割符』をなくしかけたことはナイショにしといてくれよ。その、姐さんがここに、用事があって来たってことで…頼む!!」

216三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/05(日) 23:24:53
>>215

「でんすけちゃん」
「んーん、姐さん言われんの、慣れへんなぁ。」

ぺらぺら喋るスイカに目を細める。
奇妙に慣れてはいる。しかしこれはなかなか……だ。

「うち、三ツ矢 星(みつや しょう)やよー」「よろしくやね」

『デンスケ』に微笑みつつ、頭を下げてみせる。

掌の札の正体は分かった。
……とくに問題はない。

「許可ってどうすん? 引っ張んの? 腕痛ぁならへんー?」

とりあえず、しっかり握る。

「思うだけでええんー? ……来てええでー?」

217『御蔵神社』:2014/10/06(月) 00:34:02
>>216
「でも、俺よか年上なんだろ。
年上の女の人はそう呼ぶもんなんじゃあねえの?」

やや困り気味の様子に、申し訳無さそうに問いかける。
口は達者だが、先の言葉が本当なら、まだ生まれたての子供のようなものなのだろう。
根本的に、語彙が少ないのだ。

「大丈夫だ、問題ないぜ。
許可さえすれば、後は…………」

グンッ

握り合った手に導かれるように、空中から伸びていた『手』の、さらにその向こう。
栗毛を両の側頭部で結ったツーサイドアップの、白衣と緋袴の上にエプロンをつけた『巫女装束の少女』が引寄せられてきた。

「こうやって、来れるからな!!」
「ただいま、デンスケさん。何かありましたか?」
「あ、ああ、まあな。その、そこの人がよ…………まあ、来客ってワケだ」

身体のラインが出ないゆったりした装束の上からでも解るスタイルの少女が、三ツ矢の方を向き、微笑んで頷く。
両手で両手を握り、軽く握手。

「そうでしたか…私はこの御蔵神社の祭司を務める久々宮家の一女、久々宮縁組(くぐみや えんぐみ)ですっ。
今日は当神社にご参拝いただき、ありがとうございますっ」

218三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/06(月) 00:58:10
>>217

「おねえさん、でええよー? といか、なんでもええんよー」

「これから言葉のおべんきょ、せなあかんねえ。せっかく生まれたんやもんねー」

呼び方はあまり重要ではない。
が、姐さんは流石にくすぐったい。

「問題ないん? よかったわぁ」

笑みを向けつつ――と。

「おっ」

      グンッ

「……わー、びっくりやねー」
「そーいうお呪いなんー? これ。」

掌のお札を見て。
が、すぐに巫女に視線を。

「……こんにちはー。うち、三ツ矢 星いいますー」
「まだ、参拝、し終わってないんやけどねー、ええ神社やねー」

……この女は、いつも微笑んでいるのかもしれない。

巫女、縁組に微笑む。
握手は、もちろん受け入れる。

219『御蔵神社』:2014/10/06(月) 02:18:29
>>218
「一応ラジオとかで勉強はしてんだぜこれでも。
巫女ねえちゃんも教えてくれてるしな」

掌の『割符』はその役目を果たしたためか、霞のように消えてゆく…。

「『携挙』の『割符』は時空を越えて二人を繋ぐ、霊験あらたかな御札…。
まあ、使えば消えてしまいますけどねっ。急な来客が来た時にはもってこいです!
星さんですね、んふふ、ありがとうございます。毎朝境内を綺麗に掃いていた甲斐がありました。

よかったら、お茶でもどうですかっ?」

嬉しそうに笑う『巫女装束の少女』が、手水舎の斜向かいあたりに、四人掛けの長椅子二つと、日よけの唐傘が丁度茶店の店先のように設えられた空間を差した。

「そ、そんじゃ俺はこれで!後は若いお二人にお任せして、デンスケはクールに去るぜ!!」

ぼろを出す前にと、『デンスケ』はそそくさとその場を立ち去って行く。

220三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/06(月) 23:41:16
>>219

「ああ、そうなんやねー。勉強熱心で偉いわー」

「またねぇー」

微笑んで、手を振って、去るデンスケを見送る。

……縁組に向き直る。

「いまどきのお札は、便利なんやねぇ。はじめて見たわー」

携挙の割符。
それが『何』なのかは、星の知るところではない。

「お茶ー? ええのー? 御言葉、甘えたいわぁー」

断る理由はない。
微笑み返す。

「お話、したかってんよー、神社の人と。会えて嬉しいわぁ。」

221『御蔵神社』:2014/10/07(火) 00:06:15
>>220
「どうぞどうぞ!
温かいのと冷たいの、どちらを御所望ですか?」

境内を横切ると、幅広の長椅子の一つを勧める。
(ttp://img.yaplog.jp/img/02/pc/y/u/k/yukalovediary/0/773.jpg)

「お茶の種類もほうじ茶、緑茶、抹茶…色々ありますけどっ。
…?何でしょう?責任者はお父様ですけど、次の当主として、ある程度の事は私が差配する権限もありますから…お話、聞かせてもらってもいいですか?」

222三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/08(水) 01:13:51
>>221

「んー、微妙な季節やねえ。今日は肌寒いし、あったかい……緑茶、お願いするわー」

「ありがとーなぁ。」

勧められた椅子に腰を降ろす。
スタンド、『フリーダム・サテライト』を発現する。

……下品でない程度に賑やかな色彩の、人型スタンドだ。

「あのなぁ、うちなぁ、『テキ屋』やねんよー」

微笑む。

「この町で、仕事したくてなぁ。」
「神社言うたら、ここやって聞いてなぁ。だから、来てんよー」

べつに、神社に常駐する存在でも無いだろうけども。

223『御蔵神社』:2014/10/08(水) 23:20:40
>>222
「了解ですっ。
ふむふむ……テキ屋さんですかっ。そう言えばそろそろ『秋祭り』の季節、手配をしなきゃと思っていた所なので、渡りに船ですね」

少し待っててくださいね、と三ツ矢の注文を受け、会釈して一度去っていった。
そして………。

「おまたせしましたっ」

ややあって…朱塗りのお盆に緑茶の湯のみと、木の匙のついたお椀を乗せて戻ってくる。

「緑茶と、今日の甘味は『薩摩芋と栗入り小豆粥』です!!
ベトナムのスイーツ、チェーを参考に、ベースのお粥はもち米で、牛乳で煮て作ってみました。
緑茶のカテキンは牛乳と一緒に取ることで効果が長持ちするんですよっ」

224三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/09(木) 00:02:40
>>223

「あ、ほんまにー? そうやねえ、もうそんな季節やねー」

目を細める。
季節の巡りは、早いものだ。

瞼の裏に、まだ夏の残像が見える気すら……する。

「待ってるねぇ。でも、あんま急がんでもええんよー」

と、一旦去った縁組。
……何をするでもなく、待つ。

「…………」

と、戻ってきた。

「お帰りぃ。……なんや、えらい、しゃれた……お料理、よう知ってはるんやねぇ。」
「美味しそうやわぁー」

微笑みを向ける。

225『御蔵神社』:2014/10/09(木) 00:28:58
>>224
「当神社の当主は代々神官であると同時に優れた料理人でなくてはいけませんから。
………それに、そういうのは別としても、甘いものを作るのって楽しいですよねっ!」

隣に掛けて、自分の分の湯呑みを手にする。

「それで、ええと……三ツ矢さんは、どういった店舗をお出しになるんですかっ?」

226三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/09(木) 00:36:42
>>225

「へぇー、そんなんあるんやぁ。珍しいんかなぁー?」

神社に詳しい訳ではない。
三ツ矢 星は、むしろ世間知らずだ。

「お料理は、まあーそうやねぇ、楽しいかもしれへんねぇー」

と、微笑んで。
自分の湯呑みを、手に取る。

「うちは、なんでもできるんよー」

「お祭りの屋台やったら、なーんでも出来るんよー」

微笑む。

227『御蔵神社』:2014/10/09(木) 01:02:41
>>226
「この御蔵神社の祭神は、食と穀物の神様ですから。
なんでも……ですかっ?」

小首を傾げる、『巫女装束の少女』。
大福帳をめくると、筆ペンで書きつけ始める。

「ふむっ。色々な屋台での経験あり、と……じゃあ、今回はどんな出店を?」

228三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/09(木) 01:14:53
>>227

「食と穀物……そら、ええ神様なんやねぇー」
「食べ物のこと、大切やもんねぇ」

微笑む。

「んー、せやねー、他の屋台にもよるやんねえ。」
「焼き鳥の屋台二つ、よりは、珍しい屋台のほうがええやろー」

「毎年で決まってるところとか、あるんー?」

思いつく限りのあらゆる屋台、それは三ツ矢 星の中にある。

「……食べてええー?」

粥を指して、である。

229『御蔵神社』:2014/10/09(木) 01:47:34
>>228
「そうですね、焼き鳥、焼き蕎麦、お好み焼き、タコ焼き、イカ焼き、綿飴、リンゴ飴、べっこう飴、ベビーカステラ、フランクフルト…。
定番とされるものは一通り来て貰ってますよ。
………季節柄も考えると、温かいものがいいですねっ」

神社の成り立ち上、屋台はほぼ食べるもので統一されているようだ。

「そうなると……。
………三ツ矢さん、この辺の、地元の人じゃないですよね?お国はどちらなんですかっ?

三ツ矢さんの地元のものなんか、逆にこの辺じゃ珍しくなるんじゃないでしょうか?」

粥をさす三ツ矢に、にこにこ笑顔で頷いて。

「勿論です、冷めないうちにおあがり下さい!!」

230三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/09(木) 02:19:05
>>229

「んー、たいがい……なんでもあるんやねぇー」

食の神社、という事なら、ある意味で当然か。
少し悩んだ様子で、微笑む。

「うちは、西の方から……たこ焼きとか、お好み焼きは、もうあるんやもんねぇー?」

つまり、その辺の出身らしい。
口調からも、なんとなく分かるかもしれないが。

「食べもん、なぁー」

「牛の串とか、どないやろー? べつに名物とかちゃうけどー」

焼き鳥の牛版。
屋台では……それなりに、目に出来る品だ。珍しいかは微妙。

「んー、難しいねぇ。まあ、とりあえず……」
「いただきますー」

粥を一掬い、息を吹きかけ、程よく冷ましてから、口へ。

231『御蔵神社』:2014/10/10(金) 00:16:40
>>230
「そうですね、西の食文化の結晶とも言える粉モノは同時に、縁日の華でもありますから………。
いえ、いいと思いますよ、牛串。とりあえず候補に入れておきましょうか」

腰に吊るした信玄袋からスマホを出すと、なれた手つきで操作する。

「ふむっ………。
軽く調べてみると、『とんぺい焼き』『たません』辺りがちょっと興味深いですね………。
この辺りも、三ツ矢さんは出せるんですか?」

柔らかく煮られたもち米、ミルク、小豆、栗、薩摩芋…。
砂糖は小豆を煮る時くらいで、後はそれぞれの素材の甘みのみ。
栗と薩摩芋は蒸した後、栗は荒く砕いて、薩摩芋は賽の目に切って薄く焦げ目がつく程度に焼いて香ばしさを。
隠し味のほんの微量に加えた塩麹が、甘みをきりっと引き立たせる。

………似たモノを挙げるとすると、栗と薩摩芋が入った、あっさり目の温かいクリームぜんざいと言ったところか。

232三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/10(金) 00:33:59
>>231

「上がっとらへんかったけど、焼きそばもあるやろー?」

無かったとして、自分に望まれているものではあるまい。

少し考え込む。
穏やかに微笑みながら。

「んー? たません、無いんや。意外やわー。たこせんもないんー?」

「出せるよー。うち、なんでも出せるんよー。」

嬉しそうに言いつつ、粥を口へ。
……一口、二口。

ゆっくりと咀嚼する。

「……ええ味やなぁー。やさしい甘さ。好きよー、こーいうの……」

ことさらに、穏やかな声色だった。

233『御蔵神社』:2014/10/10(金) 01:22:22
>>232
「勿論です!あのソースが鉄板で焦げる匂いはぐっと、こう…人をひきつける何かがありますよね!」

目を輝かせる『巫女装束の少女』(涎がちょっと出てる)。

「ないですね、たこせん?も無いですよ?
……んふふ、それならその辺りで攻めてみましょうか!!」

プランは立ったようだ。
大福帳にさらさらと、筆ペンで書き付けていく。

「小豆にもち米、薩摩芋に栗は身体を温める作用があるので、秋から冬へかけての寒い時期にはうってつけ!
………ちなみに冷たい牛乳で、アイスクリームも添えて、逆に身体を冷やす効果のあるマンゴーとかとあわせた元の『チェー』に近いスタイルに
すると、たちまち夏場のデザートの完成です!

ふむっ…でももう少し砂糖を増やして甘みを強めて、カロリーを増やしてもいいかもですねっ。カロリーは熱量、これまた身体を温めますから」

234三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/10(金) 01:33:19
>>233

「んー、そうやねぇ。うちも、あのにおい好きよー」

微笑む。
そして、スタンドを発現する。

下品でない賑やかな色彩の、人型のスタンド。

「たこせんはなー、たこ焼きをえびせんに挟むねんよー」

「たませんのお友達やねぇ。」
「うちは、そのへん出すわー」

スタンドが手を後ろに回す。
なにやら、秘密めかした動きだ。

「こんな、ええもん(粥のこと。)のお返しになるかは、分からへんけどー」

「たこせん、いるー? お試しに一枚ってことで。」

微笑みながら、縁組に尋ねる。

235『御蔵神社』:2014/10/10(金) 02:04:57
>>234
「なるほど………。
これ、非常に安価なのがいいですねっ。子供受けしそうな気がしますよ…!!」

書き留めると、ペンをしまって向き直る。

「???
なんですかなんですかっ?」

興味津々といった呈で、『巫女装束の少女』は三ツ矢の言葉にくいついてくる。
その視線はしっかりと、『フリーダム・サテライト』に向けられていた。

「勿論ですよっ!丁度食べてみたいと思ってた所ですから」

236三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/10(金) 02:16:26
>>235

微笑みを深めた。本当の微笑みかもしれなかった。

「見えるんやねぇ。うちの『憑きもの(スタンド)』が。巫女さんやもんねぇー」

それは縁組の視線に対してか。
あるいは、何らかの確信か。

己の精神の像が、見えているに違いないと。

「これやよ、たこせん。ほどほどに熱いから、気いつけてやー?」

像が、後ろから手を前に出す。
その手には『たこせん』があった。

半分に割ったえびせんで、たこ焼き二個とソース、マヨネーズを挟んでいる。

「うちの手ぇでも、作れるんやけどねー。便利な『力』やろー」

その言葉は全てが楽観という感じでは無かったが、口元には微笑み。

ソースの香りが、湯気が広がる。
……まだ出来たて、という感じだ。

縁組に差し出す。持つための包み紙も用意されている。

237『御蔵神社』:2014/10/10(金) 02:35:32
>>236
「はい、子供の頃から!
色んな『守護霊』や『悪霊』が、人の『傍に立つ』のを………!」

──それは、『巫女装束の少女』が、『神』と出会うよりもさらに前から。

「おおっ、これが…画像で見たのと同じ……………!
なるほど、『なんでも』と言うのはそういう意味でしたか……!!」

遠慮なくアツアツのたこせんを受け取り、食し始める。
心底、美味しいものを食べることが好きで好きで仕方の無い顔で。

「んん…ぱりぱりのエビ味の薄焼きお煎餅に、ソースとマヨネーズたっぷりのたこ焼きが…。
速く食べないとお煎餅がしけってしまう、典型的日本のファストフードにしてジャンクフード、けれどそれこそお祭の真髄………!!

……ふう、ごちそうさまでしたっ!これ、チーズか何かとあわせても面白そうですねっ」

一番美味しい時を逃すまいと、あっという間に食べ終えて、満足そうにお茶を一口、口にした。

238三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/10(金) 08:03:56
>>237

「うちといっしょやねぇ。うちも、よおさん見たよ。いろんなのを。」

子供の頃から、というところだ。
三ツ矢 星もまた、幼少期よりこれと共にあった。

……あるいは、生まれた時から。

「うちの『フリーダム・サテライト』は『出店』の権化よー」

「在るなら、出せる。食べものでもいきものでも……やねー」

微笑む。

「美味いやろー。プロの腕前、とはいかへんけどー」

そして、巫女がたこせんをたいらげるのを見守る。

「チーズ、ええねぇ。いろいろトッピング出来るよーに、してもええかもねぇ。」

お茶をすする。

239『御蔵神社』:2014/10/10(金) 23:21:38
>>238
「いえいえ、逆にお祭の時の軽食はプロ過ぎてはいけないんですよ。
大事なのは目の前で作るライブ感、見た目と匂いと音でひきつける、ようするに『ハッタリ』ですから」

ぱたぱたと手を叩いて、汚れを落とす。

「取り合えずお好み焼きやたこ焼きからは少し離れた位置に、出店は配置したほうがいいですねっ。
事前の準備が必要ないのは便利ですけど……ただ、目の前でいきなりどーんと出しちゃうのは悪目立ちしますから、設営の時には一番早く来て欲しいかもです。

あ、お茶の御代わり如何ですかっ?」

240三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/11(土) 00:25:27
>>239

「それやったら、うちが作ったほうがよさそーやねー?」

ライブ感。確かにその通りだ、と三ツ矢星は思った。

ソース。容器。調理器具。
この辺りは『出す』として、品自体は自分で作るべき、と。

「設営やねんけどー、うち、出店は自前で用意出来るねんよー」

「やけど、もつのが一日こっきりやからなー。設営って前日なんー?」

出店化の能力のこと。

「あ、もらってええー?」

空になった湯のみを返す。

241『御蔵神社』:2014/10/12(日) 00:29:04
>>240
「んふふ、それをオススメしますよ。
ソースが焼ける匂い、鉄板をヘラが叩く音、それらも立派な屋台の武器なんですから。
完成品が出てくるレストランじゃない、どうやってできるかが目の前で解る…そう、子供の頃、お母さんが料理していたのを近くでわくわくしながら見たあの感情ですよ!」

お茶を湯呑みに注ぐと拳を握り締めて力説する。

「前日の人も居ますね。それじゃあ…当日の朝一にしましょうか。
それなら余り目立たないはずです。

後は何か、ご質問は?」

242三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/12(日) 01:00:05
>>241

「……ああ、せやねー。わくわくしたわー、うちも。」

微笑む。

「それで決まりやねー。朝一で、こっそりやらせてもらうわー」

「他は、せやねー、コレ、どんくらい納めたらええー?」

指で輪を作る。夢のない話だが、必要なことだ。後で揉めない為にも。

243『御蔵神社』:2014/10/12(日) 01:34:11
>>242
「そうですね………まあ、これくらいで」

さらさらと書き付け、大福帳から破り取る。
まあまあ普通……いや、相場よりむしろ少し安い位だ。

「町おこしならぬ神社興しな所もありますから、ちょっと勉強させてもらってます。
余程このことが無い限り、多少の赤字は私がポケットマネーでまあなんとかしちゃいますし」

ホントは予算内で運営するのが正しいやり方なんですけどねっ、と付け加え。

244三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/12(日) 01:51:37
>>243

「あ、ほんまぁ……だいじょうぶなん、これでー?」

と、首を傾げるが。

「でも、ありがたいわぁ。」
「いろいろありがとうなー」

……微笑む。
儲けられるなら、儲けたいということなのだ。

245『御蔵神社』:2014/10/12(日) 08:48:15
>>244
「ええ、私の側の営利はこの際度外視で。
まずは参拝客が得られるように周知して貰いたいですから。

ですが、その代わり、たった一つだけ───手抜きはナシです!まあ、三ツ矢さんなら大丈夫だと思いますけど」

『巫女装束の少女』は指を一本、立ててみせる。

「ここは食の神域!
神様の御前で、神様の代理人たる私の前で、手を抜いたものを出すことは、久々宮の名に掛けて許しません!!」

246三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/12(日) 21:56:06
>>245

「そら、もちろんやろー。大それた事はうち、出来へんけどー」

「その約束は、守れるで。」

微笑む。

「……」

「こんなもん、やろかー? あ、お祭りの日ぃ、いつやっけ?」

首を傾げる。

247『御蔵神社』:2014/10/13(月) 00:27:04
>>246
「そうですね、来月の22、23日になりますから、まだまだ時間はありますよっ。
よかったらそれまで、町の中を見て回って、色々なものに触れてみてはどうでしょう?」

11月23日前後に、新嘗祭にあわせて日本各地の神社では秋祭りが行われる。
この神社でも、それは例外ではないようだ。

「……もし路銀が心もとないようでしたら、うちでよければお泊しますし」

248三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/13(月) 00:31:43
>>247

「来月の、22と23……やね。覚えたわー。」
「ふふ、楽しみやわー。」

微笑む。

「んー。いろいろ、見たいもんあるし、やりたいこともありそーや。」

「……けど、泊めてもらうんは、ちょっと悪いわー。うち、よぉ食べるでー?」

……これは本音の拒絶ではない。

249『御蔵神社』:2014/10/13(月) 01:39:20
>>248
「大丈夫ですよ、私も食べる…と言うかうちの家系は代々そうみたいなので。
今更増えたところで大したことありません」

腰を上げると、自分の湯呑みをお盆に乗せ、急須を置く。

「と言っても、ホテルに比べたらうちは全然快適度下かもですけどねっ。
クーラーなしの、夏場は扇風機、冬場は火鉢に炬燵生活ですから。

もし困ったら、何時でも来て下さい」

250三ツ矢 星『フリーダム・サテライト』:2014/10/13(月) 01:50:53
>>249

「ほんまにー? やったら、ぜひお世話なりたいわー。」

「それに、うち、そーいうのは慣れとるよー。快適やなくても。」

微笑む。

「まあ、今日はホテル取っとるから、そっちで寝るわー。」
「今日はありがとうなー。」

長椅子から立ち上がる。
……参拝の続きをするのだ。

251『御蔵神社』:2014/10/13(月) 02:10:01
>>250
茶器とお椀を片付けると、『巫女装束の少女』も立ち上がる。

「んふふ、お客さんがいっぱい来るように、祈っておくのもいいかもですよ。
じゃ、困った時は何時でもどうぞっ」

一礼すると、綺麗な姿勢で歩き去った。

252仕舞屋璃々『クリスタル・クリプト』:2014/11/07(金) 01:36:20
「こんなところに・・・」
   「神社なんてあったのね〜」

  「今まで知らなかったわ〜」

まるで吸い込まれるかのように、
神社の境内へ足を運ぶ少女。
亜麻色の長髪を後頭部で
シニヨンにしている、
ほんわかとした雰囲気の少女だ。

253『御蔵神社』:2014/11/08(土) 00:05:08
>>252
郊外の湖の、程近い場所に佇む、鎮守の森の中の神社。
人が訪れるにはやや辺鄙な場所なのだろう。道中からして、驚くほど手付かずの自然が残っている。

紅葉の盛りには少し早い。
玉砂利と石畳の境内には、ちらほらと落ち葉が散っている。

254仕舞屋璃々『クリスタル・クリプト』:2014/11/08(土) 00:19:16
>>253
       「お参りしましょうね〜」

 「あれ、神社ってお参りで良いのよね〜」

なんてことを呟きつつ、賽銭箱の前まで。
神社とお参りの関係性を疑う程度のレベルである
ところからも分かる通り、信心深いわけもなく、
少女が此処にやってきたのは完全に暇潰しでしかない。

   「・・・・・・」 「他に人はいないのね〜」

あたりを見渡しつつぽつりと呟く。


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