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【場】『私立秋映学園』 二学期
1
:
『未来へつながる箱庭』
:2013/11/14(木) 00:03:57
住宅街に存在する巨大な学園。
エスカレータ式であり、幼年部から大学部まで
黄金町の若者たちが集う学び舎となっている。
また、黄金町のみならず、世界各国から
多くの『留学生』を招いていることでも知られている。
他にも『家庭環境に問題がある子供』を
入学させ、学業をサポートする活動も行っている。
校章は黄金の林檎。
中等部、高等部は私服での通学も可となっている。
しかし、わざわざ制服を改造する学生が後を絶たない。
遠方からの学生は、同じく住宅街に存在する
学生寮『白亜荘』に住んでいることが多い。
前スレッド:
【場】『私立秋映学園』
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/9003/1328104343/
関連スレッド:
【個】学生寮『白亜荘』
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/9003/1324220488/
917
:
『渡積教授の日記』
:2014/10/20(月) 23:40:30
>>916
(ナツ)
「ほう、そうかね!
よろしければまた協力を願うかもしれないな。
これは私の名刺だ。研究室が学園のどこかも書いてある」
「また遊びに来てくれたまえ。話を聞かせてほしい」
君は『教授』が頷くのを確認してから、キーを叩いた。
それに対する応答は――
『バリバリバリッ』
『ビガ!
ビガガガガガガッ!』
水面に稲妻が跳ねるのが見えるほどの『発電』。
『エレクトリック・チルドレン』が全身を輝かせて、君を見送った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――というのが本日あったことだった。
会話のログと、私からの質問に対する回答からしても彼女は友好的らしい。
現時点でも『エレクトリック・チルドレン』の対話は十分に可能。
このままサイズを大きくしていけば、『演算能力』も拡大するのだろうか?
そうなれば『大型コンピューターの業務の代行』などに使えるかもしれない。
問題は維持のための『食糧』と、彼らの暮らすスペースの確保であるが――
渡積教授の日記からの抜粋
918
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/23(木) 23:58:22
放課後。
その日、秋映学園の『共用校庭』
――小等部から高等部までが自由に使用可能な校庭。とにかく広い――は騒然としていた。
何故か……そこに、野良犬が紛れ込んでいたからだ。
中学生あたりまでは軽く浮足立っており、小学生などきゃあきゃあと野良犬に群がっている。
これが授業中であれば多くの授業が潰れていただろうと言う具合だった。
「わぉおおおお……!!」
そしてこの銀髪幼女も、他の小学生の御多分に漏れず、野良犬の乱入を前に興奮していた。
今は
>>919
の近くで目を輝かせているだけだが、そのうちあの人垣に突貫していくであろうことは想像に難くない。
919
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/24(金) 02:11:06
>>918
「……」 「……あぁ」 ボリボリ
エリーの隣には、どこか空ろな瞳で犬と人垣を見つめている私服の男。
外見からすれば高校生と見紛うほど小柄で、声もどこか中性的だ。
今にも飛び出しそうな少女に、大丈夫かな、といった心配の目を向け…
ちょっとして、興味なさそうに反らした。
920
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/24(金) 02:15:16
>>919
「ん?」
隣で聞こえた呟きに反応して振り返る。その為、一瞬目が合って――逸らされた。
高天原にその意図はない(逸らそうと思った時に目が合った)が、銀髪幼女はそうは思わない。
「なぁに、どうしたんだおにーちゃん」
ずずい、と近寄る。犬への興味もあるが、今は人も多いし、
それよりも(エリーから見て)訳ありげに目を逸らしたこの青年の方が気になった。
921
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/24(金) 02:26:17
>>920
「う、ぉ」
控えめに言っても、『近づきにくいオーラ』が出ている。
私生活、友人関係、研究… 全てが上手くいかず、落ち込んでいたところだ。
エリーの目から見ても、『コイツにかかわったら不幸になりそうだ』くらいには思うかもしれない。
つまり、話しかけられるのは想定外だった。
陰鬱な顔をしていたが、少女に話しかけられて、パッと顔を上げる。
「あ、いや… 危ないな、って思った…っつか、えーと」
言葉に困っているようだ。
野良犬に感動する少女の純粋な心に、ちょっと胸が苦しくなったというのが本当のところだが。
922
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/24(金) 02:36:50
>>921
「……危ない?」 「なんで??」
エリーは首を傾げた。野良犬に噛みつかれるとか、そういうことは考えていないらしい。
「あの犬、可愛いぞ。危なくなんてないぞ?」
さらに近寄る。『近寄りがたいオーラ』があるのは分かっているし、
高天原が何かしら落ち込んでいるのを把握するくらいの機微はエリーにもある。
ただ、エリーは『コイツに関わったら不幸になるだろうな』――と、高天原を見て思ったりはしない。
『この人は今、不幸な気持ちなんだろうな』……そう思うだけだ。
だから癒してあげたいなんて聖女じみたことは考えない。
それで何かするというわけでもなく、ただ無邪気に高天原と会話する。
923
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/24(金) 23:30:42
>>922
ギクリ、と身を強張らせる。ここまでグイグイと来られるのは、予想外だった。
子どもだからこその距離の近さ、というやつだろうか。近寄って来た少女に怖気づくようにして、一歩退く。
「い、いや… そりゃあ可愛いッスけど…」
「噛みつかれるかもしれないっしょ…? 野生は怖いッスからね…
それに、野良犬が入ってこれるような場所があるってことは…
狐とか、烏とか… もっと凶暴な動物が同じように入ってくるかも知れねーってことだし」
青年は、かなりの『怖がり』のようだ。
臆病というか、慎重というか… やや否定的・悲観的な方向に考えすぎるきらいがあるらしい。
「こっちが可愛がってるからといって、あの犬がそれを嬉しく思うかは、別問題だし…」
924
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/24(金) 23:45:12
>>923
「むー……」
高天原の考えは、エリーにとって面白くないものだった。
確かに、正しいというのは何となく分かる。でも、迷い込んできた野良犬と遊ぼうとしているのに
『危ないから我慢して触らないでおこう。むしろもっと危ないものが出るかもしれない』としり込みするのは、
エリーにとっては『面白くない』し、だから『認めたくない』ことだった。
「でも、やってみなくちゃ分かんないだろ?」
だから、エリーはそんな前提を最初の最初からぶっ壊すようなことを言った。
高天原の言っていることは正論だ。エリーは最初から感情論だ。
だから、論破するのではなく『踏み倒す』。子供の理論で。
「噛まれるのは怖いけど、だからって遊びに行かないのは悲しいよ」
「あの犬だって、きっと遊びたいから此処に来たんだよ。
なのにかまってあげなかったら、犬もわたし達も寂しい。誰も楽しくない」
高天原に、近づく。
「噛まれたら噛まれたで、それで良いじゃん。
嫌がられたら、それは遊び方が駄目だったんだ!
もっとおやつとか玩具とか持ってきてあげればいいんだぞ!」
さらに近づき――そして、高天原の手を掴む。
「それとも、もしかして……おにーちゃん、犬が怖いのか?」
にたり、と笑み。
高天原の慎重論を、単に『犬に怯えているもの』と考えているらしい。
わたしは怖くないのに、大人なのに犬が怖いなんてかっこわるいよねー、という調子だ。
925
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/25(土) 00:01:56
>>924
「うぇっ!!?」 「い、いいよ 俺は…」
「それより、守衛さんとか呼んでこねーと…」
エリーの申し出に、拒むように手をポケットに引っ込める。
だが、
> 「でも、やってみなくちゃ分かんないだろ?」
「……」
思うところがあったようだ。
去ろうとして退いた足を、ピタ、と止める。
「…俺が犬を怖いっつーか」 「昔っから 犬に嫌われるんだよなァ、俺…」
「例えばあの可愛い犬を撫でて… 俺が犬に噛み付かれるとするだろ」
「けど、それを『偶然』だって考えて… また別の犬を撫でるとするだろ。
その犬にも噛み付かれて、また別の犬を見つけて、撫でて、噛み付かれて…」
「そのうちなぁ… 『噛み付かれるかもしれないのに、そこまでして撫でたくない』に変わるんだぜ、それ」
「……、…」
はた、と何かに気付いたように口を押さえた。
言い訳の仕様も無い『愚痴』だ。
そんなもん、目を輝かせてる小さな子に聞かせるんじゃねーってくらいに愚痴だった。
「ご、ごめん… 今の無し…」
後悔するように、頭を掻いている。
926
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 00:19:30
>>925
「……ど、ドンマイ」
慰められた。
別にエリーは高天原のことを論破したいわけでも犬を触らせたいわけでもないので、
そういう不憫な話を聞かされてもばっさりと切り捨てることはできないのである。
これはあくまで犬を撫でるか撫でないかの話であって、エリー自身には何の含みもないのだから。
「…………でもさ」
その上で。あくまで『犬を撫でるか撫でないか』に問題を絞った上で、
エリーは『でも』と、否定につながる言葉を紡ぎ出す。
「自慢じゃないけど、わたし、犬でも猫でもけっこう好かれるんだ」
「わたしの好かれるパワーとおにーちゃんの嫌われるパワー」
「一緒にすれば、プラスマイナスゼロになるんじゃないかな?」
そう言って、高天原の目を見る。
「やっぱり、『そこまでして撫でたくない』なんて思うのは悲しいよ」
「わたしが犬に嫌われない撫で方、特別に教えてやるから!」
そう言って、犬の方に走り寄って行く。
ついて行くか行かないかは、高天原次第だ。
ついて行かなければ、あの銀髪幼女は色々とうるさそうだが。
927
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/25(土) 00:40:44
>>926
「……すげーなぁ」
動物に好かれる、というその素養もそうだし、プラスの方向に進み続けられるバイタリティもだ。
独り言のように、ボソりと呟く。
「け、けど… 俺やっぱなぁ… 噛まれんのは怖ぇえーし」
「って、ちょ、ちょっと…」
撫でるつもりはないが、エリーが心配だ。
慎重が過ぎる高天原の目には、野生に対して無用心に映る。
犬に近づきすぎない程度の距離を保って、エリーを見守る。
928
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 00:47:26
>>927
「まあ、見てろ!」
自信満々に突撃したエリーは、高天原の前でどや顔を見せる。
まだ何もしていないのにあらゆる部分で気が早かった。
そこにいたのは、柴犬のようだった。
首輪もないし毛並みもボサボサ――いや、訂正しよう。
たくさん撫でられたからか、毛並みだけは綺麗だった。
だが、そろそろ辟易しているのか機嫌は悪そうだった。
エリーはそんなことには気付かない。
「犬っていうのはな、頭の上から撫でられるのはいやなんだ」
「猫はおでこを撫でられるの好きなんだけどなー」
「だからこうやって顎の下を撫でるように、」
がう、がうがう!
がぶり。
…………。
「う、うう……」
「……噛まれたぁ〜〜!」
半泣きで高天原の方に戻って来た。
929
:
『白という字も墨で書く』
:2014/10/25(土) 01:31:23
>>928
「お、おおっ…」
ホントに… ホントに野生の犬を手懐ける手腕があるのなら…
それは『天性』のものだ。ブリーダーや、獣医の才能もあるのかもしれない…。
> 「犬っていうのはな、頭の上から撫でられるのはいやなんだ」
> 「猫はおでこを撫でられるの好きなんだけどなー」
> 「だからこうやって顎の下を撫でるように、」
「す、すげぇな… そういう『やり方』があるのか…」
>がう、がうがう!
>がぶり。
>…………。
「おお、お、…」 「……」
> 「う、うう……」
> 「……噛まれたぁ〜〜!」
「…………」 「……せやな」
言わんこっちゃないという気持ち半分、同情する気持ち半分だ。
しゃがんで目線を合わせ、とりあえずハンカチを差し出す。
「だ、大丈夫? 痛くないか?」 「絆創膏…は、持ってないしな…」
「えっと… 保健室、いかねーと… バイキンあるから消毒しねーとだし…」
少女の手を引こうとする。
930
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 01:39:25
>>929
「んんっ!」
手を引こうとする高天原だったが、エリーはそれを拒否した。
むしろ、
「いいっ……」 「一回じゃ諦めないもん」 「ぐしゅ」
半ばぐずりながらも、犬の方へと歩いて行く。
しかし、今度はおっかなびっくりだ。
そして、その奇怪な動き方がさらに犬を警戒させる。
もう、犬は毛を逆立てる勢いでエリーを威嚇していた。
それでも構わずエリーは突っ込んでいき、
がう! がぶ! ぎゃあ!
がう! がぶ! ひぎぃ!
がう! がぶ! いたぁ!
…………高天原が止める間もなく、何度もトライし続ける。
でもやっぱり犬はエリーに撫でられたくないのか、
ぷるぷると毛を逆立ててう〜う〜と唸っている。エリーも唸っている。
多分、もう引っ込みがつかなくなっている。
931
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/25(土) 02:05:10
>>930
「えっ、えっ」 「ちょ、ダメだって! バイキン入るし、って、ねえ!」
「……、…」
…ただの意地、なのだろうか。
いや、それだけだとしても、なんというか。
『健気』さが、心を打つ。
嫌にはならないだろうか。そこまでして撫でなければならない理由があるのだろうか。
どうして、諦めずに、また手を伸ばせるのだろうか。
「……」
違う。
そうじゃない、逆だ。
初めて乗った自転車は、上手く前に進んだだろうか。
初めて振ったバットは、ボールにきちんと当たっただろうか。
『挑戦』とは、そういうことだ。
『うまくいかない』のが当たり前なのだ。
なのに自分は、挑む前から失敗を恐れて、うじうじと……
「お……」
ドクン ドクン
「俺も…」
エリーに倣うようにして、おず、と一歩踏み出す。
腰が引けているが、目は真剣だ。犬に対して真剣だ。
932
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 02:14:57
>>931
「だめえ! わたしが最初に撫でるの!!」
……台無しだった。
せっかく高天原が一歩踏み出したのに、それを譲る気配など皆無である。
尤も、エリーは最初から高天原の背中を押す意図などなかったのだが。
「ふっふっふ、噛みたいのなら噛めば良い!
わたしはもう秘策を思いついたんだからなー!」
がぶ! ぎゃあ!
また噛まれた、が……噛まれた手をそのままに、もう片方の手で強引に撫でる。
「うぐぐ……口は一つしかないからな。
こうすれば、絶対こっちの手は噛まれないんだぞ!」
噛まれても諦めずに撫でようとする意地の勝利だった。
勝ち誇っているが、優しく撫でる。犬の方は諦めたように
撫でられるがままになり、噛んでいた手をぺろぺろと舐めていたが……、
! バッ
高天原が近づいているのに気付いて、一気に飛び上がり警戒態勢に。
エリーも、それを見て犬から離れ、事態を見守っている。
……とはいえ、眉が八の字になっていて不満そうなのでもうちょっと撫でたかったのだろう。
933
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/25(土) 02:25:37
>>932
「ふ、」 「ふふふ」
「覚悟しろテメェ、このワンコロ」
ゴゴ ゴ ゴ ゴ ・・・
「この俺が本気を出したからにゃあ、お前は大人しく撫でられるしかねーぜ…」
エリーの意図に関わらず、その健気に挑み続ける姿に心を打たれた高天原。
コイツ… 本気だ! 本気で犬を撫でまわす気だ!
しかし、噛みつかれるという恐怖から未だに脱しきれていないのだろう。
距離を詰めてはいるものの、かなり及び腰である。
ジリ… ジリ…
周囲の目も気にせず、かなりマジな表情で歩みよる青年。
手は撫でるため、そしていつでも引っ込められるように、中途半端な位置でキープされている。
……そして、その身体に薄ぼんやりと滲んでいる、『ウグイス色』の陰。
934
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 02:39:48
>>933
ぐるるるるるる・・・
対する犬も、高天原を警戒している。
不用意に触れようものなら、すぐさまガブリ! だろう。
(あ、スタンドだ)
エリーはそんな様子を見ながら手をさすっている。
935
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/25(土) 02:46:43
>>934
「唸った時点で、お前の負けだぜ… 犬ゥー!」
こいつぁ大人げない。
『スタンド』の力を使う気満々のようだ。
こんな大人になっちゃいけない。
―――シュ ザァ・・・
「……『ウィーピング・ウィロウ』」 ボソッ
エリーに聞こえるか聞こえないかほどの声で呟くと…
犬の動きが、ゆっくりに… というよりも、『コマ送り』になる。はずだ。
『ぐ』 『る』 『る』『る』『る』『る』『る』『・・・』
唸り声が、壊れたラジオのようにブツ切れになる。
その隙を狙って、後ろから抱えあげる―――!
936
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/25(土) 23:01:44
>>935
「…………、」
犬を『静止』した。
あわれ、ゆっくりとコマ送りになっていくわんこ。
途中で異変に気付いたようだがそれで対処できるほどスタンドは甘くなかった。
ヒョイッ
わんわんわんわん!!
『静止』を解除された犬が吠えて暴れるが、
前足の後ろをしっかりと抱えている高天原にはもはや何をやっても無駄だ。
噛まれるのが嫌ならば、噛まれない撫で方をすればいい。
『やり方が悪かったのだ』というエリーの言っていることは実に正しかった……!
(エリーの言っていたこととは若干意味が変わってる気がしないでもないが)
「いや、駄目だろ! スタンドは反則だろ!」 バシコーン!
我に返ったエリーがツッコむ。(言い切り)
スタンドでだ。パワーは弱いしスピードも並だが、正確に痛みはなく音だけを派手にするツッコミだった。
この少女……将来は漫才師として大成するのでは……!?
937
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/26(日) 01:14:12
>>936
「エッ」 「あ あれ」 「見えてる…?」 テヘヘ
悪戯がばれたように、バツが悪そうに笑っている。
バシコーン!!
ナイスツッコミ。すばらしいキレだ。
女性漫才師が目立ちにくい芸能界で、なんとか大成して欲しい。
「は、反則かぁ〜〜〜」
「俺としては、持てる力を全部使ったつもりだったんだけど…」
「でも… じゃあ、触らない?」
抱えたままの犬を差し出す。
今なら暴れたりはしないはずだし、もし噛みそうになってもまた『ウィロウ』で止められるのだ。
938
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/26(日) 01:27:54
>>937
「……」 「触る」
やっぱり誘惑には勝てなかった。
『自分は苦労したのにズルい』という思いがあるので『反則』と言ったが、
別に動物にスタンドを使うことが悪いとかそういう意図はあんまりなかった。
尤も彼女の親がこれを見たら(どちらに対しても)眉を顰めそうな有様だったが……。
(無論、エリーに対しては『嫌がってるんだから構うのやめろよ』である)
「……わぁ」
お腹をもふもふする。噛みつこうとしてもわんこの首では届くまい。ふははは。
「そういえば、おにーちゃんもスタンド使いだったんだねぇ」
もふりながら言う。
939
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/26(日) 01:38:31
>>938
大人になるって、ズルさを覚えることなんだ・・・。
けどこの少女には、純粋に、そしてまっすぐに、ちょっと色っぽく育って欲しい。
犬は観念したらしく、撫でられるままに撫でられているだろう。肉球とかもきっと触りたい放題だ。
モフ
モフ モッフフゥ〜〜ン
モフ クゥ〜〜ン…
「ン… ああ、まあ、そうなるッスね…」
だが、結構考えなしに、衝動的に使っていたらしい。
急にビクビクしだして、周囲を気にし始めた。
「お嬢ちゃんも…ってことは、刺青とか…彫った系?」
「あのイッテェーーーやつ…」
940
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/26(日) 01:48:59
>>939
「刺青?」 「何それ……」
終わってからビビりだした高天原の心など露知らず、エリーは首を傾げる。どうやら『刺青』ではないらしい。
だが、表情からしてスタンドを『もらう』という概念に違和感はなさそうだ。
「『ラフカディオ』はわたしが気付いたときにはもういたぞ」
「それよりも!」
「スタンドをむやみに使っちゃ駄目だっておかーさんが言ってたんだぞ!」
「変な人を集めるからって!」 「おにーさんも気を付けろよ!」
ビシッ
スタンドが指をさす。盛大なブーメランだった。
941
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/26(日) 19:17:11
>>940
「生まれつき? へー」 「そういうのもあんだな…」
じっ、と『ラフカディオ』のヴィジョンを珍しそうに見つめる。
だが少女に注意されて、『ウィーピング・ウィロウ』を見、そして解除。
「あー……ごめんッス」 「嬢ちゃんの言う通りだわ」
「あっ…嬢ちゃんも、しまった方が良いぜ、その…『スタンド』」
非を認める。
自分とて、この『スタンド』に目覚めた当初は、おっかなくて人前じゃ滅多に使えなかったが…
良くも悪くも、慣れとともに警戒心が薄れちまったというやつだ。
「けど…変な人は言いすぎだぜ」 「『スタンド使い』は惹かれあう、って言葉があるんだけど…」
「『スタンド使い』って、結構良い人もいるんだ。特にこの町はな」
942
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/27(月) 23:29:23
>>941
「……あ」
と呟いてから、スタンドを消した。盛大なブーメランに今さら気付いたようだ。
躾けられてはいるものの、まだ身に着いていない、といったところか。
「え? そんなの知ってるよ」
優しく諭そうとするが、逆に『何言ってるのもう』って感じで呆れられた。理不尽だ。
「ココロおねーさんとか、おじーさんとか、最近会った人は皆良い人だったしな」
「もちろん、おにーさんも良い人だぞ!」 「犬もふもふさせてくれたし」
「でも、『スタンド使い』と『変な人』は違うんだぞ。
『変な人』は、ちょっとしたことで暴れ出すから危ないって。
だから近づいちゃいけないし目をつけられるようなことはダメなんだって、おかーさんが」
慎重さは母親の入れ知恵のようだ。尤も、この少女の様子を見れば分かる通り、
入れ知恵がきちんと機能しているかと問われれば首をかしげたくなるところだが。
ぶっちゃけ、さっきの犬の撫で方と話しているトーンが全く同じだ。
完全に受け売りで、彼女自身がその意味を理解していないことがまるわかりだった。
943
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/10/28(火) 22:35:40
>>942
「お…」 「そ、そっか」
「エリーちゃん、しっかりしてんなぁ…」
小学五年生に注意されて、情けない気持ちで頭を掻く。
てっきり、『知らない人についていってはいけない』のような調子で、『スタンド使い』=危険という教育をしているのかと…。
「お互い、気をつけようなっ」 「…って、先にズルした俺が言える義理じゃねーか」
さわやかなテンションで言い放つ。
親御さんの教育方針は、概ね正しいように見える。
本人が意味を理解してようがいまいが、それを守ろうとしているのはイイことのはずだ。
なので、こちらとしてはこれからもその言いつけを守っていけるように見守るのみ。
「まー…『スタンド使い』かどうかにかかわらず、目をつけられていいことはねーや」
そろそろ野良犬を下ろす。
まあ、これに懲りればもう構内に入ってくるようなことは無いだろう。最後に一撫で。
944
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/28(火) 23:10:12
>>943
「?」 「?」
「……」 「ふふん! そうだろうそうだろう!」
ちょっと褒められた意図が分からなかったが、とりあえず威張ることにしたらしい。
そこから調子に乗ったエリーの受け売り劇場が始まるように思われたが……、
特徴的なメロディが鳴る。
午後五時を示すチャイムの音色だ。
エリーははっとしたような表情を浮かべ、
「もう五時だ。帰らないと!」
と言った。何だかんだ言って小学五年生である。
門限というのは、けっこう早いものだ。
「じゃなーおにーさん、またね!」
走りながら首だけ高天原の方へ向けて言う。
本体の代わりに、スタンドが手を振っていた。
……やっぱり、もうちょっとちゃんと躾けた方が良いかもしれない。
945
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/10/28(火) 23:10:51
>>944
946
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2014/10/30(木) 22:25:55
タンタンタンタン……
カチャカチャカチャカチャ…
ペロッ
「ふむっ……」
…家庭科室から、甘辛い、香ばしい匂いが漂ってくる。
947
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2014/11/01(土) 22:51:32
「…よしっ」
綺麗に後片付けをすると、家庭科室を後にした。
948
:
灰羽『アクエリアス』【中2】
:2014/11/08(土) 23:41:59
「そういえば教員免許がドーとか言ってたような気がするなあ……ええと、トイタベ?」
学年の違う校舎をうろつき回る少女。
(どうやって調べりゃあいいんだろう?
まあ、知ったからってどうってわけでもないんだけどさア……)
949
:
灰羽『アクエリアス』
:2014/11/09(日) 00:22:29
>>948
数人の先生に尋ねてみたがわからなかった。
(てきとー言ってただけかなあ〜? 帰るか……)
帰った。
950
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/11(火) 01:31:35
「アィワナジョイ、ジョイ、ジョイ、ポキナベイベー♪」
購買部前。
由来とかはまったく知らないが、そういう記念日らしいので、そういうお菓子を買った。
ノーマル、苺チョコ、抹茶、練乳&ハスカップ…
とりあえず全種類買ってみたが、この手の菓子のバリエーションの多さって何なんだろう。
ともかく、この国の多くの人々と同じように、『そういう雰囲気』には流される主義である。
「糖分うめー…」
袋からガサガサと取り出した棒状の焼き菓子を咥えながら、口ずさんでいる。
951
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/11(火) 01:35:19
>>950
「よう」
「また会ったな!!」
声に振り向くなら、銀髪幼女がそこにいる。
銀髪幼女は右手を腰に当て、左手を突きだしたポーズをしていた。
掌は天を向いており、指はときたま何かを掴むように閉じ開きしている。
「トリック・オア・トリート」
…………。
「トリック・オア・トリート!!」
一〇日遅れだ。
952
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/11(火) 01:49:41
>>951
「おっ、エリーちゃん久しぶ……」
……やべえ。
コイツはマジにやべえ。
どのくらいやべえのかっていうと、あれだ。
サンタクロースとかウルト○マンをマジに信じている子どもに真実を伝えなきゃいけなくなった保護者並みにやべえ。
いたたまれねーっていう意味だ。
「……」 「……、…」
ちょっと迷った挙句、そっと掌の上にポッキーを一袋乗せる。
突っ込みどころが満載なのに、純粋無垢な子ども相手に勝ち誇って容赦なく突っ込むなんて非道な真似、俺にはできない…
もうハロウィーンじゃない、だなんて、そんな…
953
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/11(火) 02:01:22
>>952
ちなみに一〇日遅れではなく一一日遅れだったが細かいことはどうでも良いのである。
「んふふ」 「殊勝だなおにーさん」
にま〜と笑みを浮かべて、もらった袋から棒状の焼き菓子を一本取り出して加えた。
はむ、と唇だけでお菓子を挟んで、そのまま食べもせずに喋り出す。
「で、いったい今日って何の日なのか知ってる?」
爆弾発言だった!! この幼女、今日がハロウィンであるという認識すら持っていない!
……おそらく、だが。
この少女、ハロウィンの時に『トリック・オア・トリート』って言ってお菓子をもらったので、
それですっかり味を占めてしまったのだ。魔法の呪文がハロウィン限定と気付かず、
今日にいたるまでお菓子をもらうために無邪気に使い続けていたのだろう…………。
ピコ ピコ
ちなみに、喋るたびに加えたお菓子が上下にピコピコ動いている。
言葉も若干こもり気味だが、聞き取れないという程ではない。
954
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/11(火) 02:19:47
>>953
> 「で、いったい今日って何の日なのか知ってる?」
(マジかよ…)
まさかとは思うが、この少女…
『トリック・オア・トリート』って言葉の意味もあまりよく分かっていないんじゃあないか…?
あきらか外国人な外見の割に、日本語ペラペラだし…
無難にお菓子をあげといて正解だったぜ…
断っていたら、この少女を困らせるところだったに違いない…
「な…… 何の日かなぁ〜〜〜… 何の日だっけ…?」
「とりあえずポキナベイベーは安売り特価だったぜ」 「それ抹茶味だけど、エリーちゃん大丈夫?」
こういう時は下手に問題を大きくせず、火が収まるのを待つのだ…
しらばっくれつつ、さりげなーくポキナベイベーの方に話題を移そうと試みる。
955
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/11(火) 23:01:07
>>954
「そうなのかー」
エリーは釈然としないようだ。
「抹茶味は好きだぞ」 「わたしは日本人だからな」
鏡を見てから言うべきだろう。
「でも、これだけじゃなくて他にも色々たくさん並んでたぞ?
全部安売り特価だったのかなぁ…………?」
ごまかしきれなかった!
956
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/12(水) 00:36:17
>>955
「き、きっと発注ミスだぜ… 店の人が間違えたんだ。そうに違いねェ。
いつもより多く仕入れちゃったから、売れ残らせるより、安く売って捌こうとしてるんだな!」
社会科の勉強にもなるし、こいつぁ最高の言い訳だ!
純粋無垢な少女を騙していると言う点に目を瞑れば、だが。
「そ、それより… お行儀悪いぜ」 クイッ
「ポッキーゲームじゃああるまいし」
ピコピコと口で咥えて上下に動かしていたポキナベイベーを摘んで、そっと取り上げる。
957
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/12(水) 01:00:55
>>956
「あー!」
ポッキー(言ってしまった)をとられて、声を上げる。
「食べる、食べるからー!」
両手を伸ばして返してくれのポーズ。
958
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/12(水) 01:17:51
>>957
「おお……」
自分は、大学生男子としては小柄な方だ。
高校生と間違えられるのはザラで、酷い時は中学生とすら言われるのだが…
(こうしてると… 自分の方が身長高いってのが実感できて… 『イイ』ぞ…)
取り上げたポッキーを、なにともなく少女の手の届かない頭上に伸ばしてみる。
意地悪というよりは、取り返そうとする少女の動きに、反射的に遠ざけてしまったという形だ。
身長差で悦に浸っている。
小五相手に、身長の有利を勝ち誇る男。小さいのは背丈ではなく心の方かもしれない。
959
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/12(水) 01:24:15
>>958
「あー!! あー―!!!!」
両手を伸ばしてポッキーをとろうとするも、身長差の関係で手が届かないのであった。
ところでこの構図、傍から見ると非常にいじめっ子チックなんだけどどうなんだろうね?
(良心的な黄金PLが乱入することを神はお望みになっておられますよ)
「かえしてー!」
「何でとるのー!!」
ちょー涙目だ。
960
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/12(水) 01:50:40
>>959
ハッ
「あ、ああ ゴメン… ゴメンよ…」
自分を客観視するというのは難しいことだ…
その状況に陶酔しているときは、特に…
ようやっとその構図に気付いて、少女の口にポキナベイベー(意地)を戻す。
「ま、まあ… 『トリック・オア・トリート』はあんま使いすぎない方がいいぜ」
「使いすぎると、ホラ、あの… 効果が薄まっちゃうから」
さりげなく、フォローもしておく。
「一年に一回、十月の終わりくらいに使うのが一番効果あるから…」
「それまで、溜めといたほうがいいぜ」
961
:
エリー『ラフカディオ』【小五】
:2014/11/12(水) 01:55:22
>>960
「……うー」 「分かった」
銀髪幼女はポッキー(開き直り)をくわえたまま頷くと、
いそいそと全部食べ切って袋の口を指でふさぐ。絶対渡したくないらしい。
と、
「エリーちゃーん!」
「あ! マリ!
おにーさん、それじゃあねー」
友人の声を聞いて、エリーはそのまま高天原から離れていく。
……相変わらず騒がしい少女だった、と高天原が思うかどうかは定かではないが、
一つだけ、確かなことがあった。
それは、去り際。マリと呼ばれた少女の漏らした言葉だった。
『エリーちゃん……あの人ヤバい人だよ……。
エリーちゃんと話してるとき危ない笑い方してたし……
変な人から食べ物もらっちゃダメだよ…………』
…………。
962
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2014/11/12(水) 07:18:57
>>961
「…………」
.
963
:
貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】
:2014/12/22(月) 23:53:49
「あーやべーっ!」 「……遅刻しそう」
走りながら、スマホを見て時間を確認してるわ。
急いでるときって、何も見ずに少しでも速く走らなきゃいけないのに
何故かスピードを遅くしてでも時間を確認したくなっちゃうわよね。
あたしだけかしら?
『……ニャウニャウ』
カバンの中に隠して発現して、前方確認を任せてる『バベット』から
なんか苦言か来たけど、華麗にスルーしつつながらスマホする。
964
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2014/12/22(月) 23:58:30
(次スレ
【場】『私立秋映学園』 三学期
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1415792635/ )
965
:
貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】
:2014/12/23(火) 00:00:22
>>963
――で、ギリギリ間に合ったのでした。
そして……、
966
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】
:2015/11/07(土) 21:37:25
>>899
(加賀)
カラカラカラ・・・・・
「うース。センセー、電源貸して〜」
「教室のコンセントで充電すんなって怒られた〜」
スマホ片手にやってきた。
「茶菓子ぐらいなら進呈するから〜」
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