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【ミ】『黄金町の夕闇』 その1

1ようこそ、名無しの世界へ……:2011/08/20(土) 00:43:46
『刺青師』ミッション用スレッド。

869『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/26(日) 23:25:47
>>867(アウレア)

   ド  ド  ド

                 ド ド ド    ド ド ド


肉薄する『ヘル』――
それは、瑞慶覧のスタンドが生み出した、最大の好機。

『犬』の足取りは乱れ、空を掻くばかり。
だが、アウレアは油断しない――

 ズギュ!
               ドシュウウウウ!

地を這うように突進した『ラヴ・ランゲージ』が、
浮き上がった『ヘル』の下に迫り、そして――

      「オ」   グ
           ァ
     「ォ     ァ
       ォお」      ア

         「ラ ァ ァ あ あ あ あ あ あ あ あ ッ ッ !!!!」
      オ
           オ   ゥ ゥ   ン  //
                           ・・

――――『ドッ!』
              『ゴォォン!!』

突き上げた拳が、ヘルの腹に突き刺さった。
骨が砕け、内臓がひしゃげる確かな手応え。


               『ガゴォオオオオ――z_____________ン!』


『カーテン』のように捲くれ上がったシャッターに、
犬の体が下から突っ込み、埋め込まれた。
見下ろせば、シャッターに犬の形の『レリーフ』が刻まれたに違いない。

シャッターにめり込んだまま、『犬』は落ちてこない。
動く気配もない・・・・生死は不明だが、
すぐに動くことは間違いなく『ない』と、アウレアは『確信』する――


 「うォおおおおおおおおおおお――――ッッ!!」

少年の叫びが、アウレアの耳を叩いた。
『バジ』の『黄金』が、屋根から階下に向かっている。
少女のいる座標へとだ――このタイミング、流石に『間に合わない』。

>>866-867(瑞慶覧)
じくじくと痛み始めた腹部に顔を歪めながら、
まずは、生き残っている『子蜂』の存在を確認。

『E』はウィルの上。
『F』『G』『H』『I』は、アウレアの開けた穴の前で待機させたままだ。
『E』はすでに『水素』を吹きかけ、消費してしまっている。

――――『ドッ!』
              『ゴォォン!!』

  『ガゴォオオオオ――z_____________ン!』

アウレアが『ヘル』を仕留めたようだ。
捲れ上がったシャッターが下から突き上げられ、犬の輪郭を描いている・・・・
恐るべき『豪腕』だ。

 
       ブブブ ブブブブ

『W』『X』『Y』には本体の頭上を旋回させながら、
その『5匹』を操作し、まずは『網』のかかった『穴』を潜らせた。その時――

 「うォおおおおおおおおおおお――――ッッ!!」

声は、瑞慶覧の頭上から降ってきた。
その主――黒人の少年とともに。
          ・ ・ ・ ・
飛び道具――ではない!
斜めに切り裂くような『飛び蹴り』――突き出した足の『大顎』は、
鉛色の空の下、暗い情念を映して輝き、少女の頭部目掛けて翔ぶ。

頭上を旋回する『蜂』の護衛など、眼中にないかのように!

870アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/01/27(月) 01:06:43
>>869
・アウレアと『ラヴ・ランゲージ』の位置関係はどうなっていますか?
・バジの足の『黄金』の現在位置は、地上からどのあたりでしょうか?
・『足場』は現在どのくらい離れているでしょうか?

871『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/27(月) 01:14:38
>>870(アウレア)

>・アウレアと『ラヴ・ランゲージ』の位置関係はどうなっていますか?
シャッターから『1m』の位置で、建物に並行に横たわったアウレアに対し、
『ラヴ・ランゲージ』はまっすぐシャッターへ向かい、身を伸ばしたところ。
距離はアウレアから伸びた上半身分だけ。

>・バジの足の『黄金』の現在位置は、地上からどのあたりでしょうか?
『3m』ばかり。
『スピード:B』で移動している。

>・『足場』は現在どのくらい離れているでしょうか?
横たわったアウレアの足元にある。

872瑞慶覧 愛『ビッグ・バッド・ママ』:2014/01/27(月) 21:53:50
>>869
『目』は『子蜂』へ・・・しかし『耳』は本体のままだ。
少年の憤怒の絶叫が、上から降ってくるのがはっきりと聞こえる。


「・・・わすれた、の?」

「『自分の能力』を」

アウレアは目が見えず、自分も子蜂を失ったダメージがひびき始めている。
冷静なら、ウィルを一撃で倒した『飛び道具』を、全員が倒れるまで辛抱強く撃ち続けるはず。
安全かつ確実に全員を始末できるその手を、少年は自ら捨てた。

少年の能力――――『自分に対する攻撃』の『上』への瞬間移動。
見えない角度からの攻撃であろうが、怒りで平常心を失っていようが、お構いなく『自動的』に発動する。
その『無敵さ』こそが『弱点』。

  ブブッ!

『X』を、『少年の声』の方向めがけ上昇させ、視点を本体に戻す。
大顎のついた靴以外のどの部分であれ、噛みつかせる。
『上』にかわされることは百も承知。
かわされたら、『Y』を同じ軌道で『突き上げる』ように攻撃させ、交互に下から上にそれを繰り返す。

自分の体が空中にあり、重力に従って『落下している』ところを『下から連続的に攻撃』されれば・・・
・・・少年は、自分の意思と無関係に、
見えない梯子の段を登るように、自分自身を『上へ上へ』と移動させ続けることになる。
空中に浮いていては、弾丸の瓦礫を手に入れることもできない。


『E』『F』『G』『H』『I』には、工場内を通りシャッターの下、本体から見える位置まで移動を続行させ、
屋根の上に残った『S』『T』『U』『V』『C』は、可能な限りの速さで、少年の体より下の空中へ、近づきすぎないように動かしたい。

873アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/01/28(火) 22:34:41
>>869
   「クソっ……次から次へと!」
    ヘル
……友人をやられたバジが逆上する可能性は、アウレアも想定していた。
ただ、バジは友人がやられても縋り付いたり、仇に飛びかかったりするほど直情的ではなかったようだ。

だが…………少女の方も、全く対策を練っていないとも思えない。
あの少女のスタンド能力……『爆発は連続して発生していた』。
つまり、『爆発の元』となる『何か』は複数操ることが出来るということなのだろう。

そして、そんな能力を持っているならよほど追い詰められていない限りは
『護衛』として自分の近くにいくつかを待機させているだろう。
それを使えば、それなりの時間バジを『強制的に瞬間移動させ続ける』ことで拘束出来る。
少女もそれなりにバジの能力を見ているはずだし、そのことには気付けるはずだ。

だが、それは決してトドメを刺すことのできる策ではないことは分かっている。
あるいはヘルさえも始末しようとした少女のことだし、何かしらの『策』があるのかもしれないが、
アウレアの補助があれば作戦の成功確率はぐんと上がるはずだ。

つまり、アウレアのやることは決まっている。
                                      、、 、 、、
       「――指示をくれッ!」      「大丈夫だ、私は見えている!!」

    グ   ググ

『足場』を操作。
アウレア本人は自力で立ち上がって壁伝いに移動しつつ、『足場』だけを瑞慶覧のもとに先行させる。
本来、母体から分離した『黄金』は操作しないと動かせないのだが、
既に(>>859メール欄)『網目』と結合させることで、『網目』を経由し直接操作することを可能にしている。
ちなみに――この『足場』は先程(>>865メール欄)シルエットだけはそのままに『鞭』の形状に変えている。
(形状としては、蚊取り線香が近い)

874『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/29(水) 00:19:17
>>872(瑞慶覧)
迸る感情のまま、瑞慶覧に突っ込んでくる『バジ』。
今まであった『余裕』が、そこにはない――
年相応の『遊び心』も、不相応な『戦闘慣れ』も失われている。


その有様を冷淡に見据えながら、問いを発する少女。
答える時間はなかったが、少年は、或いは認めたかもしれない。
そして――

                 ヴ!   ヴ ヴ !

少年の身体は、斜め上から流星のように落ちてくる。
頭上を旋回させていた『3匹』を、続けざまに『突き上げる』ようにして、
少年に反撃させた!

                                      、、 、 、、
       「――指示をくれッ!」      「大丈夫だ、私は見えている!!」

アウレアの声が届くも、返す余裕はない。


                  ヒュカッ

交差する一瞬で少年が足を動かし、先鋒の『X』を斬って落とした。
スピードでは、少年が遥かに上回る。
大きくターンすれば、反撃する前に瑞慶覧が犠牲になる。
『子蜂』は必然的に、『大顎』の殺傷圏内で戦うしかない・・・・だからだ。

しかし――さしもの『大顎』も、連続して襲い来る『蜂』の全てを、
交差する瞬間に落とすには至らない。
少年もそれは承知だ。
一匹を落とした時点で、『大顎』の狙いはすぐに少女の首に戻された。

残った『蜂』が、少年の体の下に潜り込む。
即座に、『真下』から突き上げる――!

                            ドシュ!ドシュウ!

瑞慶覧の予想は――『外れた』。
2匹の『子蜂』による噛み付きが、少年に傷を負わせたのだ。
伸ばした足、右の太ももに、その牙が浅くだが、突き立っている!

そして、その『予想外』は――『致命的』。
少年の勢いを何ら減じず、方向を逸らさず、防御すらせず――


                          ドシュウウッッ!

『大顎』の刃が、瑞慶覧の細首に食い込み、『跳ね飛んだ』。

           ――ザッ!

『バジ』が地面に降り立つ。
体勢がやや崩れたのは、さすがに『7m』という高度故か。
烈火の如き表情で、今度はアウレアに振り返る――

>>873(アウレア)
アウレアが優先して狙われなかった理由がもしあるとすれば、
それは、まくれ上がったシャッター故かもしれない。
殴り飛ばした『犬』を受け止めたそれは、アウレアの上に翻ったまま揺れている。
これが瞬間的にだがアウレアの姿を隠し、また『ヘル』の姿が間接的な攻撃を躊躇わせたのだろう。

少女に声をかけながら、自身はシャッターを手探りでつかみ、立ち上がる。
そうしながら、少女のいる座標に『足場』を持っていく――

                 ヴ!   ヴ ヴ !
                                  ヒュカッ

                          ドシュウウッッ!

           ――ザッ!


荷重のない今度は速い。すぐにも少女の足元に到達した。
すでに『鞭』として加工もしてある。

だが・・・・この状況はどうなっているのか。
『バジ』が少女の背後に着地したのはわかる。(距離『4m』)
だが、少女は動かない。空中の『羽音』も消えた。
何より、少女の『返事』がない。
あるのは、不気味な沈黙だけだ――『まさか』。


       ゴ     ゴ ゴ

                       ゴ ゴ ゴ   ゴ ゴ ゴ   ゴ ゴ


風の中に、一際強い血の香りが混ざる・・・・

875『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/29(水) 00:49:19
『バジ』:
「最後の最後に――『気付きやがった』。
 『ラン・キッド・ラン』の弱点に・・・・こいつ、気付きやがった」

「でも、もう終わりだ。
 残りは死にかけで目の見えないメスガキ一匹。
 ヘルを殺した奴に・・・・相応の報いを与えて、『処刑』する」

「『語り部』のババァは殺すな、『再起不能』にしろとか言ってたが、
 こいつらだけは許さねぇ――
 生きたままバラバラにして、魚の『撒き餌』にしてやる。
 二度とマンガとか読んで笑えないようにしてやる・・・・!」

          ザッ!

身を翻す『バジ』。
シャッター前のアウレアに対し、
大股に一歩進んだその歩みが――そこで止まった。

                   ガジ ガジガジ

「何・・・・だって・・・・?」

二匹の『子蜂』が、自分の太ももを齧り続けていることに気付いたのだ。
それは即ち・・・・

          ド ド ド

                     ド ド     ド ド    ド ド ド ド

>瑞慶覧

強烈な一撃で、束の間飛んだ意識が甦った時、
最初に少女が見たのは、信じがたいものを見るような、『バジ』の形相だった。

その右足の、『大顎』の一本が、半ばからへし折れ、失われている。
それは間違いなく、先刻の交差で自分の首を刈ったはずの武器。
だが、首は激しく痛み、出血はあれど、
『致命傷』は受けておらず、自分はまだ、生きている――何故か?

『バジ』は・・・・知らなかった。
数が多いだけの的扱いで、何匹も切り落としてきた『蜂』の何匹かの中には、
液状化された『水素』が入っていたことを。
それは少しだが物質を凍らせ、また金属を急激に『脆く』する。
繰り返された虐殺が、ここにきて、少年の武器に反撃を実らせたのだ・・・・!

   ブシュッ!

瑞慶覧の右肩に、抉るような傷。
だが、瑞慶覧もまた、『子蜂』を使いすぎた。
失われた『蜂』は、これで『16匹』。ここからは蜂の痛みを己が身体で知ることになる・・・・


――――――――――――――――――――――――――――――――――

   ブ  ブ         ブブブブ・・・・

『E』『F』『G』『H』『I』が、工場内に突入。
工場内の扉のドアノブ部分が抉られ、穴が開いているのを発見した。
屋根の上に残った『S』『T』『U』『V』『C』は、少年が飛び降りた屋根端の周囲まで接近する。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


    コッ

自分の足元に、『黄金』でできた平たい板のようなものを見つけた。
『バジ』との距離――『2m』。

876『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/29(水) 01:04:15
>>875(瑞慶覧)

一部、訂正。

   ブシュッ! バスゥ

瑞慶覧の左右の肩とに、抉るような傷が現われる。
だが、瑞慶覧もまた、『子蜂』を使いすぎた。
失われた『蜂』は、これで『17匹』。ここからは蜂の痛みを己が身体で知ることになる・・・・

877アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/01/29(水) 22:29:30
>>874-876
  「……『まさか』」  「…………」
      、 、、 、 、 、      、、 、 、、 、 、     、
     「まさか本当に……『切り抜ける』とは……ね」

余裕のないこの状況で、たった独りの力によって切り抜けた瑞慶覧への精一杯の賛辞だ。
だが――ここから先は、アウレアも力にならなくてはお話にならない。
一度はバジの猛攻を切り抜けたが、この先も同じように切り抜けられるとは限らないのだ。

     「……どォーしたクソガキィ」    ス

壁に手を突いた体勢のまま、挑発する。

    「急に声が小さくなったなぁ?」  「わたしはこの通り目が見えないからさァー……」

     「見えないわたしにも分かるように言葉で説明してみてくれよ?
      今! お前がどんな風に『一杯喰わされたのか』さぁぁ〜〜……」

言いながら、『網目』を慎重に操作し両足の『大顎』(できるだけ根本)に触れさせ、
『大顎』の牙を分断する、紙のように薄い面だけの『黄金化』を施すよう試みたい。
最低限の体積ならバジも『黄金化』に気付かないだろうし、
今のバジは怒りと驚愕で冷静ではない。時間稼ぎという意図に気付ける状態ではないはず。
数秒の間を持たせれば、『黄金化』の時間が稼げるかもしれない。

他に――『足場』に関しては、バジがいつ来ても動けるように意識はしておく。
バジの意識的に、アウレアは目が見えずすぐに殺せる雑魚だ。
『その認識が覆るようなことがなければ』、次に狙うのもおそらく瑞慶覧になる。

878瑞慶覧 愛『ビッグ・バッド・ママ』:2014/01/30(木) 20:50:40
>>874-875

「 ぐ っ 」

      ・・・・・・

   【  「『悪い子』でも、アタシは愛が好き」
      「叱ったりしない。見捨てもしない」  】

     【  「アタシ・・・アイお姉ちゃんが、行く所なら、行くよ。どこだって」  】
  
(トモエお姉さん・・・・・ユメ・・・・ノゾミ・・・・・!)


『死んでいない』のなら、『血が出て痛い』だけなら、どうってことはない。
施設の奴らに、何年も何年も暗い物置の中で味わわされてきた痛みに比べれば、ヤブ蚊に喰われたようなもの。

     マー・ベイビーズ
(・・・・・『 みんな  』・・・・!)

『子蜂』たちは、自分さえ気づかない場所で、自分を救う『働き』をしてくれていた。
『犬』を失ったいま、どんな能力があろうと、『少年』は『ひとり』。
自分は、もう『ひとり』ではない。
巴が、ユメが、ノゾミが、頼もしい『ママ』と『子蜂たち』が、そして『アウレア』がいる。

 ・・ ズ ザ ァ ッ

足元の『黄金の板』の上に頬をこすりつけるように、『うつ伏せ』に倒れる。
少年からは、衝撃と肩の出血で『虫の息』であるように見えるはず。
背後にいる少年に足を向けて倒れることで、頭をはじめ急所は少年から遠ざかる。

 「・・・・・!」

『E』『F』『G』『H』『I』と『S』『T』『U』『V』『C』には、本体から見える位置まで引き続き移動させ、

 ギヂュッ   ヂュギ  
     ブヂュ    ギリリッ

少年の太ももに噛みついた『Y』と『W』に、全力で肉へ、神経へ、その奥へと喰い入らせる。
人間の太ももには、命にかかわる大きな血管が通っている。
血管まで届かなくても、痛みで少年の注意をひきつけ、アウレアの行動への対応を遅らせる。


>アウレア
「 ・・・ お 姉 さ ん 」

『網目』が形を変えた『黄金の板』に頬で触れたまま、『アウレア』にむけて小さな声で呼びかける。
『声』は、『振動』・・・空気中よりも固体、とくに『金属』の中を速く伝わる。
少年には、ボソボソとした呟きにしか聞き取れなくても、『網目』を操作しているアウレアにははっきりと伝わるはずだ。

「あいつの『大顎』・・・『もろく』なってる」

「カンタンに、『折れる』よ」

『大顎』を失えば、対処すべきは『瞬間移動の能力』のみ。
子蜂をかわさなかったのは、たいした攻撃じゃないとナメていたからか、それ以外かは不明だが、
『移動』の法則性が『読み通り』であることは、少年自らが教えてくれた。
人間の柔らかい肉に斬りつけても折れるほど脆化していれば、金属である『黄金』を操るアウレアの力で破壊するのはやたすい。

「・・・生きて・・・帰ろうね」

「・・・・・『いっしょに』」

879瑞慶覧 愛『ビッグ・バッド・ママ』:2014/01/30(木) 20:54:09
訂正

○破壊するのはたやすい。
×破壊するのはやたすい。

880『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/30(木) 23:55:06
>>877(アウレア)
瑞慶覧が『奇跡的』に助かったことを感じ取るアウレア。
聞こえるのは『バジ』の台詞だけだが、少女はまだ倒れていない。
・・・・いや。

 ・・ ズ ザ ァ ッ

遅れて、少女が倒れこむ。
『足場』に顔をつけ、足を少年に向けた状態で。

屋根の上から、複数の『羽音』が聞こえる。
瑞慶覧が死んでいないのは明らかだが・・・・

このままでは、確実に『バジ』は少女に止めを刺すだろう。

壁際から、威勢のよい挑発を浴びせるアウレア。
足の移動から、アウレアに向きを変えたことがわかる。
『網目』から『黄金化』を開始する、が・・・・何度やっても同じだ。
『黄金』の量が少なすぎるため、干渉するほどの『変化』を与えられない。
少年が動いたせいもあるが、『数秒』あろうとも結果は大差なかったはずだ。

そして――何より。

 ギヂュッ   ヂュギ  
     ブヂュ    ギリリッ

肉を噛むような音が響いた瞬間、『バジ』は一瞬で矛先を変えた。

「痛ぇなあ――『死んだ振り』、かよ!」

                            ――バシュオ!

右足の『黄金』が高速で疾る。
いつでも動かせるよう『足場』を意識していたつもりだが、
実際には『黄金化』を行っていたアウレアの防御は、僅かに致命的に遅れ――


>>878(瑞慶覧)
痛みをこらえながら、その場に倒れ込む瑞慶覧。

脳裏にはスタンド達や妹達、クールだが優しい義理の姉の顔が浮かぶ。
彼らのおかげで、自分はここまで来れた。
だからこそ、彼らのために、無事帰りたい――

 ・・ ズ ザ ァ ッ

足元の『黄金』に頬を乗せるようにして、うつ伏せになり、足を少年に向けた。
少年に、力尽きたと思わせる策。

同時に、太ももに取り付いた『蜂』には、その顎で肉を食い破らせる――

 ギヂュッ   ヂュギ  
     ブヂュ    ギリリッ

「痛ぇなあ――『死んだ振り』、かよ!」

それは、瑞慶覧の致命的な『ミス』。
敵前で『死んだ振り』をしながら、同時にスタンドで攻撃した。
当然、少年の捕る行動は一つ――

                            ――バシュオ!

               ドシュウウ!

背中から胸までを貫く、『大顎』の刃。
激痛と同時に、肺の中に大量の血が流れ込んでいく。
そして――混濁する『意識』。

パキィン!
          「チッ、こっちもかよ」

少年の声を最後に、瑞慶覧 愛の意識は闇に呑まれた。


瑞慶覧 愛『ビッグ・バッド・ママ』 ⇒ 『再起不能』



>アウレア
               ドシュウウ!

パキィン!
          「チッ、こっちもかよ」


何が起こったのか・・・・およそ想像がつく。
少女は、せっかくの『奇跡』を、自ら『ふい』にしたのだ・・・・


                     ゴ   ゴ  ゴ  ゴ


「で・・・・誰が一杯食わされたんだっけ?」

881アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/01/31(金) 00:24:29
>>880
「…………!」

瑞慶覧がやられたことを知る。
自分がついていながら……予測も出来ていたというのに……。

相手の動きが止まっていれば、『多少』の影響は見込めると思っていたが、
この状況で瑞慶覧がバジの肉を抉ったことでその目論見は外れてしまった。
いや、そもそもまともに事が運んでも上手く行くかどうか怪しい作戦だったのだが……、

        (ん?)      (『肉を抉ったことで』?)

アウレアとしても――『想定』はしていたことだが、それを自覚した瞬間に確信へと変わっていく。
瑞慶覧に向かうバジの軌道は、一瞬たりとも『瞬間移動』していなかった。
そして、今食らっていた『スタンドによる肉を抉る攻撃』………………『まさか』。

    「……いや、やっぱりお前は一枚食わされているよ」

     ギュ  オ !

『足場』は瑞慶覧をその場に残して本体の下へと帰還させる。
同時に、『ラヴランゲージ』は握った拳を顔の前に構え、バジが動き出す瞬間に備える。
『足場』の帰還は最悪間に合わないことも想定済みだ。その前にバジが来ようと構わない気構えでいる。

        「言ったよな? 見えているって」

    「『網目』を踏めば、テメェの接近くらいは手に取るように読めるんだ」
        、 、 、、         ペット
       「ちなみに」 「テメェの愛犬をブン殴って殺したときも『そうやった』」

                  ニィ ・ ・ ・

    「キレるか?」 「ああ存分に怒り狂うと良いぜ」 「それで『五分』だ」

      「わたしだって……」  「全く頭に来ていないってワケじゃあ、ないからな」

アウレアが平静を保てているのは、ウィルへの『愛情』のお蔭だ。
この敵を打ち倒し、ウィルを助け、そして瑞慶覧も助けて『生きて帰る』為に平静を保っているのだ。
その為には……捨て鉢な捨身の『覚悟』は許されない。
何としてでも、絶対に『生き残る』。その為の『覚悟』が必要なのだ。

バジにそれは……あるか?

882『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/31(金) 01:06:53
>>881(アウレア)
経緯・・・・音・・・・そして結果。
瑞慶覧は倒れたが、その顛末はアウレアの推理を確信にした。

    ギュ  オ !

『足場』を滑らせ、本体の元に戻す。
バジは飛び退るも、対応はできない。
瑞慶覧の陰に隠れ、見づらい位置なのが幸いした。

「・・・・見える? だからどうした。
 ろくに立てないような身体で、『ラン・キッド・ラン』を避けれンのかよ?」

「あの『蜂』に使ったのは、右足だけだ。
 左の『刃』が折れるなんて期待はすンなよ」

          ジャリッ

『黄金』が動く。少年がこちらを振り向き、歩き始める。
さらなる『黄金化』を行ったことで、今は両脚の『足裏』の位置が把握出来ている。

    ザッ

「オレは・・・・もう終わりだ」

「『ヘル』がいたから、『ヨハネスブルグ』で認められた。
 二人のチームだから、ここまで来れたんだ」

                  ザッ

「もう誰も、オレを必要としない。ただの役立たずだ・・・・」

                              ザッ

「――だから。てめーの首はもらってく。
 『ヘル』の墓に、三つ並べてやるためになっ」

少年の声から、一切の遊びが消えていることをアウレアは知った。

                           ゴ     ゴ  ゴ 
 
近づく足音。周囲には一面の『網』。
あと少しで『間合い』――互いに『2m』。


         ゴ    ゴ   ゴ      ゴ  ゴ       ゴ

883アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/01/31(金) 02:05:32
>>882
「……そーかよ」

嘲弄はしない。
アウレアだって、ウィルがやられた時にはあんなにも情けないザマを見せたのだ。
それに比べれば、この少年は『強い』心を持っていると言える。
ウィルや瑞慶覧がやられたことには憤りを覚えている。
だが、それとこれとは別だ。そういう『強さ』を持たないアウレアにとっては、尊敬に値する。

そして、バジが完全に『射程距離』に入った瞬間――、

      「なら来い」    「全部受け止めた上ですっきり『叩き潰してやる』」

     バ  ァ   ン  !!

先程(>>877メール欄)抉り、そして粉々になるまで握りつぶしておいた『壁の粉末』を
バジと『ラヴ・ランゲージ』の中間地点に地面に投げつける。
同時に、『足場』は『鞭』となり煙幕に向けてその切っ先を突きつける。

     (ここから先は――ノンストップだ!!)

         (結果が出るときには『全てが終わる』)

    (わたしか――テメェか――)

              (立っているのは、二人に一人ッ!)

   (わたしは、勝つ)     (勝って、ウィルと、あの子と一緒に生きて帰る!!)

これはバジに対する『煙幕』であると同時に、『最終確認』でもある。

   (あの子の攻撃を、バジは間違いなく『受けていた』。
    理由は分からない。無限ループを恐れたからかもしれないし、別の要因があったのかもしれない)

      (だが、ヤツには間違いなく『能力をOFFにする』っていう選択肢があった)

下に叩き付けた煙幕とはいえ、『流れ』の方向としては『バジにぶつかる』ものである。
もし仮に――バジの能力が『ON』であれば、バジは煙幕を透過し『ラヴ・ランゲージ』の眼前に移動する。
逆に『OFF』なのであれば、バジは煙幕の中を突っ切って来るか、煙幕を回避しようと動くだろう。

884『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/01/31(金) 23:54:55
>>883(アウレア)
『バジ』:
「・・・・やってみろよォ!」

                ザッ

大股に一歩を踏み出したそこに、
『ラヴ・ランゲージ』は隠し持っていた『コンクリート粉』を叩きつける!
狙いは両者の中間――視界がないので、
もとより悪い精密性はさらに落ちるも、アウレアの狙いは当てることではない。

     ボ フォォオッ !

近距離のため、粉の一部はアウレアにも降りかかるが、
もとよりこちらは盲目の身。

対する『バジ』の『黄金』は――

                ヒュ! ヒュ!


続けざまに上方へと『瞬間移動』。
高度『2m』ばかりの位置へと立ち居地を移した。
前進した一歩の分、接近はしているが、さらに前に進む動きはない。

「――――ッッ」

互いの距離、『1.5m』。高度差は『2m』。

885アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/01(土) 00:11:32
>>884
「――――!!」

呼吸は、止める。
此処から先は息もつかない攻防になるはずだ。

そして、『上方』への『瞬間移動』、これも予想の範疇……!
『備え』は、既にしておいた。

        ド   ヒャ!!

用意しておいた『鞭』……さらに、最初の邂逅(>>714)の時に施しておいた『左手人差し指の黄金義指』。
これらを『交互』に操作し繰り出すことによって、空中にいるバジに瑞慶覧の時の『再現』を行う。
仮にバジの『大顎』によって切断されたとしても関係ない。
『黄金』の延性を考えれば、『元手』なら十分あるのだ。バジが『根負け』するまで続ける。

こちらは何度となくバジの『瞬間移動』に煮え湯を飲まされているのだし、
いきなり対応策を持って来られたとしてもバジにとっては何ら不思議なことではないだろう。

886『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/01(土) 00:20:57
>>885
質問。

・黄金義指とは具体的にどういうもの?
 大きさや長さは?
・瑞慶覧の時の再現、について、より詳しく。

887アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/01(土) 00:32:17
>>886
>・黄金義指とは具体的にどういうもの?
> 大きさや長さは?
 左手人差し指全体を使いコンクリートを『黄金化』したものを『黄金化』に使った部位にそのまま取りつけたものです。
 大きさも長さも本来の人差し指と同等程度にしてあります。

>・瑞慶覧の時の再現、について、より詳しく。
 申し訳ありません。説明不足でした。
  >『X』を、『少年の声』の方向めがけ上昇させ、視点を本体に戻す。
  >大顎のついた靴以外のどの部分であれ、噛みつかせる。
  >『上』にかわされることは百も承知。
  >かわされたら、『Y』を同じ軌道で『突き上げる』ように攻撃させ、交互に下から上にそれを繰り返す。
  >
  >自分の体が空中にあり、重力に従って『落下している』ところを『下から連続的に攻撃』されれば・・・
  >・・・少年は、自分の意思と無関係に、
  >見えない梯子の段を登るように、自分自身を『上へ上へ』と移動させ続けることになる。
 この工程のうち『X』を『鞭』、『Y』を『義指』で再現するものとなります。

888『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/01(土) 01:04:04
>>887
了解。

>>885(アウレア)
呼吸を止め、最後の勝負に出るアウレア。

       ド   ヒャ!!

足場を作り変えた『鞭』と、仕込んでおいた『黄金義指』――
この二つを放ち、バジを『真下』から、連続で狙い打つ!

      シュバウ!
                ビシィ!

一発目――『鞭』の先端が、『命中』した。
すぐにそれとわかったのは、そこに『黄金』があったから。

「『下』は弱点だが・・・・
 『狙ってくる』とわかってりゃ、対処だってあるさ」

そう。『鞭』は当たったのではなく、『受けられた』。
バジの足裏・・・・右足の裏によって。
『瞬間移動』は作動していない。
しかし『黄金操作』の威力では――『大顎の靴』を貫けない!

               グ  ンッ

むしろ――それを『足場』にして。

左足の『黄金』が、斜め下に弧を描く。
距離にして『1.5m』。大顎の長さを考えても『1m』。
それに高低差を含めば、小柄な体躯からは間合い外と
思われた距離を『詰めた』ことを、『黄金』の軌道が物語る。

『黄金義指』はまだ攻撃に入っていない。
『黄金操作』は一度に一つ。打ち込んだ後でなければ次弾を放てない。
少年の反撃は、その隙を突く形になる――

                ビュ  オ  オ  !!

889アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/01(土) 01:32:20
>>888
    「『根負け』したな」

こうすれば、バジが能力を『OFF』にすることは分かり切っていた。
そしてそれこそが、アウレアが本当に待ち望んでいた『選択』。

ヒントはあった――あの瞬間(>>882)、バジは何故『足場』に対して『飛び退く』という手段を選んだ?
あのときには既に、瑞慶覧の意識はなくなり攻撃は解除されていたはずだ。
だから既に食らった攻撃が関係しているという線はない。
『足場』が向かって来ようと、瞬間移動が機能しているならば何ら問題はなかったはずだ。
       、 、 、 、、、、、 、、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、、 、
つまり――能力をOFFにしたこと自体があの時のバジの挙動の理由なのではないか?
たとえば……そう。解除してから能力を再発動するまでには、時間を要する、とか。

    「言ったはずだぜ」

            「『見えてる』ってよォ……!」

『ラヴ・ランゲージ』は、バジの攻撃に対して逆にむしろ『接近』し、殺傷範囲を脱出。
同時に『左腕』(『義指』を攻撃として扱う以上、最低限構えてはいたはず)で足を『受け止め、掴む』。

時間的余裕は、あったはずだ。
バジの行動は『根負けさせる』ことを目的としたアウレアの想定を超えたものではなかったし、
バジの動きを察知したのもかなり早い段階だった。ならば、反撃に対し先んじることも難しくはない。

そして、足を受け止めた腕でそのまま――――、

       「オッ」

             「 ラ ァ あ ッ !」

バジを地面に『叩き付ける』!!

890『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/01(土) 02:13:33
>>889(アウレア)

      ――――ギャンッ!

迫る『大顎』――視界のないアウレアにも、
その風切り音と鬼気迫る少年の気迫が感じ取れた。
これまで、何度となく斬られ、刺されてきた『刃』だ。

だが・・・・今回は二つの点で、今までと異なる。

一つは少年の体勢が大きく泳いでいること。
間合いの外から、無理のある体勢で攻撃に入ったため、
蹴りの角度は回し蹴りに近く、姿勢は不安定だ。

そしてもう一つは――
『ラヴ・ランゲージ』ではなく、『黄金』が攻撃したこと。
アウレアのスタンドには、攻撃後の隙が生まれていない。
『後の先』をもって相手を屠ってきた『ラン・キッド・ラン』必勝の形が、
今回は成立していない・・・・!

        グンッ

一歩前に進み、『大顎』の殺傷範囲を逃れる『ラヴ・ランゲージ』。
同時に、『足の黄金』の上に位置するだろう脛に手を伸ばす――

             ガッッ!
                          「・・・・ぐッ!」

突き出した手の中に、望んだ手応えが自ら飛び込んできた。
凶器がなければ、少年の蹴りは人並みのパワーだ。
『ラヴ・ランゲージ』は造作なく食い止め、それを掴む――


     ガ シィ!
                  『ヒュッ』

手応えが――唐突に『消えた』。
『瞬間移動』。握った拳の『上』に、『靴底』の感触。


          「『根負け』したな」


重さはない。だが――確かにそこにいる!

                               バッッ!

右足の『黄金』が、突っ込んでくる。
攻撃後の『隙』を縫って――無防備な『ラヴ・ランゲージ』目掛けて。


               ドゴォオッ!!

顔面に強烈な蹴りが炸裂したことを知るアウレア。
スタンドもろとも、『3m』ばかりも転がり、後退する。
鼻の激痛。血の味。いや、鼻はまだあるのか?
もし『大顎』が残っていればっ――間違いなく『終わっていた』。


                 ジャッ

少年が着地するのを感じた。

「まだ『わかってねえ』・・・・そういうことか。
 なら・・・・勝つのはオレだ」

                  ド ド    ド  ド     ド  ド

「『ラフメイカー』――
 『ヘル』がいなくなったって。

 『縦横無尽』の、オレが『ラフメイカー』だっ!!!」


    ド ド ド  ド ド ド     ド ド ド ド


互いの距離――『4m』。
『鞭』は地面に投げ出されているが、『バジ』からは2mばかり離れた位置。

891アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/01(土) 19:45:43
>>890
     「ぐ、      ゥ  」

呻き声。
だが――死んでいない。
つまりは、『まだ』だ。
『まだ』終わらないということ。

         「ずっと思ってたことだが」

     「どォやらわたしは、随分と悪運が強いらしい」 「な」

振り向き、左拳を構える。『鞭』はその場に待機させる。
アウレアはその場を動けないから――バジがアウレアを殺すなら、やはり『向かってくる』しかない。
そしてアウレアにできるのは、それを『迎え撃つ』ことのみ。

892『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/01(土) 23:53:51
>>891(アウレア)
鼻の感覚がない。
あるのは、火花が散るような痛みと、
血の味・・・・鉄のような味だけだ。

『刃』でが失われていたから即死こそしなかったが、
蹴られた感覚は、『鈍器』そのものだ。
あの『靴』――少なくとも柔らかくはない。
こんな蹴りをまともに受ければ、今度こそ確実に立てないだろう――

「――尽きるさ」

『バジ』の声が聞こえる。
『黄金』によって浮かぶ『足跡』が、一歩前に進む。

   ――ヒュカッ!

まっすぐ向かってくると思われた『バジ』の足が、
唐突に向きを変え、放たれる!
地面を滑るように放たれた先は――地面に残した『鞭』の方向だ!

                    ス パァン!

『1m』ばかりを残して、『鞭』が切断された。
反応するよりなお速い。『黄金探知』に加えた読みを必要とする。

             「すぐに――なッ!」

     バッ


そして――突進する!
後顧の憂いを断ち、今度こそアウレアの正面へ!
瞬時にして、『間合い』に侵入する――
先手は、今回も、リーチの長い『バジ』が取った。

        ドシュウッ!

右の中段蹴り――『ラヴ・ランゲージ』の腹を襲う!(スB)

893アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/02(日) 00:19:43
>>892
・右の中段蹴りというのは、右足の中段蹴り、という意味でしょうか?
 それとも、右側からくる中段蹴りという意味でしょうか?

894『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/02(日) 00:21:10
>>893(アウレア)
右足の中段蹴り。
軌道はまっすぐ正面から。

895アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/02(日) 01:46:00
>>894
回答に感謝します。


>>892
   (来た――――!!)

鼻の感覚がない。
潰れたか抉れたか。アウレアの美意識としては相当に耐えがたいことだが、
目も潰れ肘や踝を食いちぎられた後では若干感覚も麻痺してきてしまっている。
(尤も、ウィルが目を覚ます前に絶対に治そうと思うが)

     「それはどうか、なッ!」

            (…………)  (……まさか、とは思うが……)

        (いや) (さっき、コイツがあの子の攻撃を『受け止めた』理由が……)
              、 、 、 、、          、 、 、 、、 、 、、 、、
            (『受け止めた』のではなく、『受け止められなかった』のだとしたら?)

『黄金』は放置する。この局面でもまだまだ使いではあるかもしれないが、
それ以上に『これからやる行動』は片手間では難しいだろうからだ。
『ラヴ・ランゲージ』は……向かってくるバジの右足にタイミングを合わせ、『下から上へ』蹴りを力いっぱい弾きたい。

今にして思えば、先程の『足場』をわざわざ回避したのは、『下から上へ』の攻撃に対しては
『瞬間移動』が効かないがゆえの警戒だったのではないだろうか?
『弱点』というのは、『無限ループに囚われること』ではなくもっと単純な――
『防御できない』という意味の『弱点』だったのではないだろうか?

……『瞬間移動』か、『命中』か。

アウレアの中でも確信は出来ていないが、どちらにせよ『大顎』のない右足での攻撃ということは、
右足による蹴りは陽動で本命の左足の『大顎』が待ち構えているということに相違ない。
左腕の『弾き防御』が命中したなら、『ラヴ・ランゲージ』のパワーも相俟って体勢も何もない状態になるだろうが、
そんな状態でもバジの執念なら左足での蹴りを敢行してきかねない。
右足(右半身)が『下から上』へ弾かれ持ち上がる以上、左足の蹴りは下からとなる。
よって『ラヴ・ランゲージ』は足首から先のない右足でバジの脛あたりを受け止められるようにする。
『ラヴ・ランゲージ』の精密さを考えると少々難しいかもしれないが、
『黄金操作』はせずにバジの左足にある『黄金』に集中することで、精密さをカバーしたい。

896『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/02(日) 02:18:28
>>895(アウレア)

――  メ 
         ギャン ッ

繰り出される右足の蹴り。
『大顎』はへし折れ、リーチの優位はない。
そして、アウレアは『陽動』と予想したが――それは正しい。
予測し、観察すればわかる・・・・
本気の蹴りに比べ、スピードはわずかだが劣り、
何よりパワーが――込められた『殺気』が違う。
 
     グゥバァ ア!!

――だからこそ、『ラヴ・ランゲージ』の反撃は成立した。
高速の蹴りに対し、角度を合わせて『弾く』のは『高等技能』だ。
精密動作性に劣る『ラヴ・ランゲージ』に本来届く領域ではない。

             バッ キィィィンッ!

火花を散らし、『バジ』の右足が真上に弾かれる。
右足の『靴』が砕け、破片がエネルギーとなり飛散した。
少女のスタンドの圧倒的パワーは、
蹴り足のみならず、少年の身体までも地面から浮かせ、
数秒の間、滞空を余儀なくさせるほどだ・・・・『手応え』あり。

          「ぐっ・・・あッ!」

苦痛に顔をしかめながら、それでも『バジ』は行動する。
右の蹴りを囮に、本命の左足の『蹴り』を繰り出す――
抜群の切れ味を持つ『大顎』を持ってすれば、右を捨てようとも敵を倒しうる。

―――シュバァ!
     




                             ガッ シ!

だが、それもまたアウレアの『読み通り』。
無造作に伸ばされた右足の先が、蹴りの軌道を妨げ、鉄柱のように食い止めた。
伝わる感触――『狙い通り』・

           ・ ・ ・ ・ ・
「こ、こいつ・・・・最後の最後で・・・・ッ」

両脚を流された少年がどうなるかは、想像に難くない。
背中から地面へと落ちるだろう・・・・見えずとも、想像がつく。

                       ド ザッ

地面で響く鈍い音。
その位置、『ラヴ・ランゲージ』の間合い内。
両脚の『黄金』はまだ、体勢を整えていない・・・・!

                                        ゴ    ゴ

897アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/02(日) 23:03:44
>>896
この戦いは『幸運』なくして勝利することは出来なかった。決して、アウレアの力だけではどうにもならなかった。
最初に目を潰されていなければこうして攻撃の条件を見極めるまでアウレアが生き延びることは不可能だった。
何度も何度も生身で『条件』の『試行』をして失敗していたにも関わらず、ウィルや瑞慶覧のサポートのお蔭で生き残れた。

そして此処でも『悪運』が働いた。

『黄金操作』を止め目の前の敵に集中していたから、
バジが右足を『陽動』と意識していたから、
瑞慶覧の攻撃でダメージを負っていたから、

だからこそ、辛うじて、アウレアはこの勝機をつかむことが出来たのだ。

     「尽きなかったな」

            「 『悪運』 」

『ラヴ・ランゲージ』はバジの『右側』へと移動。
これにより、バジの生きている左足による迎撃を困難にする。
アウレアはもとよりバジからは距離がある。直接狙われることは距離的にも時間的にもないだろう。

     「『二人』なら『地獄』でも十分楽しめるだろ」

同時に相手が体勢を整える前に、『整えさせる』。
『鞭』の『黄金操作』を行い、上から『突く』ことでバジの身体を『浮かせ』、
その後に跳躍する時間も与えずに――……、

            「あばよ」

          ゴォバッッッ!!

脇腹を『下から上へ』貫く一撃。
……そういえば、奇しくもヘルと同じ部位への攻撃だ。

898『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/03(月) 00:10:08
>>897(アウレア)
幸運と仲間に恵まれ、自分は今、最後の敵を見下ろしている。
アウレアはそれを自覚し――最後の『詰め』に移った。

         ビュウ!

黄金の『鞭』が放たれ、斜め上から『バジ』を打つ。

               『ヒュンッ』

当然、『瞬間移動』――
『鞭』の上に出現したその身体に、潜り込むようにして。

           「あばよ」

          ゴォバッッッ!!

脇腹を『下から上へ』と、拳の一撃が貫いた。

ベギィ! ベギベギ!

「・・・・・・・・ゴッ・・・・・」

空中に血を撒き散らしながら、
少年の身体は吹き飛び――受身すら取れず、地面に激突した。

 ピキ パキ  パキィィィン・・・・

両脚の『大顎』が、砕けながら消えていく。
骨と内臓をまとめて破壊した感触――死闘を締めくくる『手応え』だった。


    ハラ 
                    ハラ ・・・・


倉庫街に、雪が舞い始める。
『バジ』は地面に転がり、微動だにしないが、
その息は冬の空気の中、ほの白く存在を主張していた。

近づくアウレアの影に気付いたのだろうか。
瞳は虚ろなまま、けれど最後に少年の唇が動く。


                          「・・・・・・・・・・・・・笑えよ」

899アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2014/02/03(月) 01:09:51
>>898
    、、   「フン」
……嗤う。
そして、バジの前に立つ。
アウレアは――――どうしようもなくこの少年を『殺す』だろう。
アウレアはそのつもりで今までやり続けていたし、何ら疑問は挟まなかったし、そこに罪悪感をおぼえない人間性だ。

    「わたしとしたことが、あの一撃で殺し損ねたか」

      「……位置も位置だし、当然といえば当然か……」 「だが、これで終わりだ」

『ラヴ・ランゲージ』の拳を振り上げさせる。
行動は単純。『左拳を頭部に振り下ろす』――それだけだ。
微かに呼吸しているというのなら、僅かでもその呼吸音を聞き取ることはできるはず。
そして、行動を急ぐ必要はない。じっくりと確実に場所を特定し、狙いを定めれば『ラヴ・ランゲージ』でも当てられる。
そこに目掛けて無慈悲な鉄槌を振り下ろす。それだけで、この死闘に幕が下りる。
ウィルと瑞慶覧に『黄金化』の治療を施して、全ての争いに決着がつけられる。

――ふと、考えてみた。
先程も考えたが、この結果はただの『幸運』だ。何か一つでも違っていたら、此処に立っていたのは別の誰かだった。
あるいは三人全員が今この場に立って、ボロボロになったバジとヘルを見下ろしていたかもしれなかった。
そんなとき、ウィルは、瑞慶覧は、どんな選択をしただろうか?

……これは、アウレアの勝手な妄想、あるいはただの美化された『憧れ』や『願望』なのかもしれないが。
きっと、ウィルはこんな選択肢を持ちかけられたら、たとえ相手が最悪な相手でも助けようと考えるだろう。
こんな、救いようのないクズでも、最低の殺人鬼でも、何かしらの情けをかけて生かそうと提案するはずだ。
そして、アウレアは――……、

       「――――テメェも、『悪運』が強いな」

               ゴ            ン     !!

拳を振り下ろす。
バジの顔――の数センチ横に。

アウレアは――そんなウィルに対して、警戒心がないとか有り得ないとか散々文句を並べ立てた上で、
結局最終的には適当にもっともらしい理由を並び立てて、結局はウィルの考えに賛同していただろう。
……小さな、それでいて穏やかな『笑み』を浮かべて。

        「『ラヴ・ランゲージ』は素早く強力だがいまいち『狙い』を定めるのがヘタクソだ。
         くわえてわたしは目が見えてねェからな…………テメェの微かな呼吸音だけで
         頭部の位置を判断し、そして精密に振り下ろすのは……『無理があった』」

言い訳じみた口調でそう一気にまくしたて、言い切る。

        「こうなれば何度やっても同じことだろうな。仕方ねェ。殺せないなら生かしておく。
         生かしてヨハネスブルグの情報を聞き出す為に利用するのが賢い選択ってヤツだ」

こんな尖兵に使われるような『末端』から得られる情報なんてたかが知れているし、
組織側から何かしらの口封じのための能力をかけられている危険性だって完全には否定できない。
何より、『コイツはウィルを傷つけた』。

でも。だとしても。
ウィルの隣で不満げにしている自分を脳裏に描いた瞬間、アウレアの『道』は決まってしまった。
そこにバジへの思いやりなんて当然ながら、ない。アウレアは自分勝手な人間で、
『自分がそう生きられるようになりたい』からとりあえず自分の理想を押し付けているだけだ。
これは、ただそれだけのことだ。

     「……そこで寝てな。テメェへの罰は、『惨めに笑って生き続けろ』、だ」

そう言って踵を返し、ウィルと瑞慶覧の方へと歩いて行く。
『黄金化』による延命措置を行う為だ。

――――それから、間に合うならば、ヘルにも。それがアウレアの『答え』だ。

900『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/03(月) 01:20:13
>>899(アウレア)

               ゴ            ン     !!

バジの顔の横、『数cm』にめり込む『剛拳』。
それが――アウレアの選択。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

少女の最後の言葉が聞こえたのだろうか。
意識を失った少年の口元は、最後に笑ったように見えた。


海辺を白く染める、雪の舞い。
怪我の痛みを堪え、仲間達と『犬』の命を護るべく、
血生臭い倉庫街を急ぐアウレアの背中に、
雪は、白い羽のように、いつまでも降り続けた――





           『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』 ⇒ 『END』

901『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/03(月) 01:35:24
『戦闘結果』:

アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』 ⇒ 『生存』『90万』get!
『左右眼球損傷』『左足脛抉傷』、『右肘脛抉傷』『鼻骨骨折』『小指裂傷』
⇒『全治6ヶ月』

ウィル『ヴェノム&ファイア』 ⇒ 『再起不能』『90万』get!
『左足甲抉傷』『頭部挫傷』 ⇒ 『全治2ヶ月』

瑞慶覧 愛『ビッグ・バッド・ママ』 ⇒ 『再起不能』『90万』get!
『左右肩抉傷』『首筋裂傷』『頚椎打撲』 ⇒ 『全治2ヶ月』


【ヨハネスブルグ】『ラフメイカー』

バジ『ラン・キッド・ラン』
ヘル『コースト・トゥ・コ−スト』 ⇒ 『再起不能』

902『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/03(月) 01:37:13
【ヨハネスブルグ】の『ラフメイカー』、少年『バジ』のスタンド。


『クワガタ虫』のような『大顎』を備えた、靴のヴィジョン。
『靴』は金属に近い硬度で、『大顎』の切れ味は刀に匹敵する。

能力は――『高飛び』。
『大顎』を発現している間、『横方向』からの攻撃に対して
自動的に発動し、その攻撃の真上に本体を『瞬間移動』させる。
『横方向』には『斜め』も含まれ、同時に複数の攻撃にも『対処可能』。
移動直後の数秒は、乗った対象が重量を感じぬ軽やかさを備え、
対象を踏み台にしたり、乗ったまま移動することも出来る。

『横軸』には無敵の能力だが、弱点は『縦軸』。
『真上』『真下』からの攻撃、及び、
『瞬間移動』の先に十分な空間がない場合には、『高飛び』は発動しない。

『ラン・キッド・ラン』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B 成長性:D

903『縦横無尽のラフメイカー Scene 2』:2014/02/03(月) 01:37:53
【ヨハネスブルグ】の『ラフメイカー』、ハイエナ『ヘル』のスタンド。


黒い『金属彫刻』を思わせる、『犬首』のヴィジョン。
本体の首の左右に二つ、それぞれ真横を向いて発現する。
この口そのものには、攻撃能力がない。

能力は――『横取り』。
本体が傍を『通過』した対象から、『犬首』は一瞬で、
口に収まる『一塊』を『喰いちぎる』。
対象に触れる必要はなく、その射程は『1m』。
次元的な能力であるため、強度に関係なく何でも『喰いちぎれる』。

『横取り』の通過確定は『犬首』を基準とし、
『犬首』と同じ高さしか狙えない。

『通過』を必須条件にすることと、
口内に物が入っている間は、能力が発動しないのが弱点。
そのため、連続して『喰いちぎる』ことは出来ない。

『コースト・トゥ・コ−スト』
破壊力:A スピード:なし 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:E  成長性:E

904『狩りの始まり』:2014/12/20(土) 23:30:30
>梁間、薄金

 RRRR・・・・
            RRRR・・・・

梁間の携帯に着信が入ったのは、
『例の放送』から数日後の、昼下がりだった。

ちょうど傍には薄金がいる。
二人はファーストフード店で雑談していたところだ。

着信相手は──『網走』。
『アゲハ建設』の若頭にして、梁間の兄貴分だ。

905薄金『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2014/12/20(土) 23:33:55
>>904
『雑談』といっても、ほとんど梁間君がしゃべるのを聞いてるぼく、って構図だ。わかるだろ?
あんまりおしゃべりが得意でも好きでもないからな・・・。

「鳴ってるよ」

相づち以外のことを言うのはひさしぶりだ。

906梁間龍郎『トパーズ』:2014/12/20(土) 23:35:22
>>904(GM)

「つーワケでよォォォ――ッ 『任侠映画』と『実録やくざ映画』はコーレぐれーぇ違うのよ。
 『マジンガーZ』に対する『機動戦士ガンダム』っつーゥのー?
 おーれもよーォ、文さんは結構好きーでさーァ……お、着信」

            ピッ

「アーニキぃ、なーンすかねーェ」

907『狩りの始まり』:2014/12/20(土) 23:45:28
>>905-906
『網走』:
『・・・・おう、タツ。
 こないだのアレ、見たか?黒人どもの記者会見だ』

『お、薄金くんもそこにいンだな。話がはえェ。
 まさか『ヤング・ダイヤモンド』が攻めて来ると
 思ってなくてよ。『上』はてんやわんやだが、
 頭に血ィ登らせて突っ込んだりすンじゃねーぞ?
 薄金くんが行きそうなら、オメーが止めるんだ。

 オメーは頭ァ悪いが、変にクールだからよ。わかったか?』

908梁間龍郎『トパーズ』:2014/12/20(土) 23:48:54
>>907(GM)

「…………あー……」

「…………あー?」

「観ーてる、観ーてるっスよーォ」

見た……ような気がする。
覚えがない。酒飲んでいた気もする。観たのか?
観た。そうだ信じるんだ。観たんだ。


「……ま、ジロちゃんがいーく時ゃ、おーれも、ッスけーどねーェ。
 『無謀はしねェ』。そーいうコートでいーいスーかーァ?」

909薄金『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2014/12/20(土) 23:52:39
>>907
「『網走さん』・・・」

今のところ、心配は無用だ。こっちから突っかけたりはしない。
向こうから来る分にはその限りでないのは当然として、
少なくとも、一人で無防備になる瞬間を確認できるまでは・・・だ。

「『殺し屋』だもんね」

コーラをすする。

910『狩りの始まり』:2014/12/21(日) 00:00:08
>>908(梁間)
「・・・・タツゥ、おめーな!
 オレに『ウソ』は無駄って何度言ったらわかんだボケ!」

目の前にいたなら、蹴りが飛んでくる勢いで
網走が吠え立てる。

「いーかタツ。
 相手がガキだからって、連中ナメんじゃねーぞ。
 『ヤング・ダイヤモンド』ってーのは、
 『ヨハネスブルグ』を牛耳る奴らが、自分の後継として
 才能のあるガキを拾ってきた奴らだ」

「スタンド使いなのはもちろん、修羅場を『強制的』に潜らされてる。
 ムショあがりのヤクザ以上に肝の据わった連中だ。
 なんせトチったら死ぬ。替わりはいくらでもいるからな」

「事務所にビデオ置いとくから、顔ぐれぇ確認しとけ!」

>>909(薄墨)
「わかってるじゃねーか。
 意外に冷静で安心したゼ」

打って変わって声も穏やかに、網走は語り掛ける。

「おまえさんの心に煮えてる殺意はよーく知ってる。
 オレは『声』で相手の気持ちが『見える』からな」

「だが、『タイトロープ』は、
 『あの方』が、『その為』に作った組織だ。
 じき、招集もかかる。
 『あの方』も顔を見せる時が来るはずだ。
 それを信じて、無茶をしないでやってくんな」

911梁間龍郎『トパーズ』:2014/12/21(日) 00:05:44
>>910(GM)

「…………うッへェー……」

ヤーな話だ。
『使い捨て』ってのが気に食わねえ。

奴らに同情する気はない。それでも。
今更だが……『ヨハネスブルグ』が『嫌い』だ。

「――――了解っすよーォ。
 ンーで、おーれらはとーくにすーるこーとはねーェ?」

912薄金『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2014/12/21(日) 00:07:00
>>910
赤く熱して鍛えた刀は、冷して研いで鋭さを増す。
そこのところは分かってきたつもりだ。冷静でなくなって良いことはあんまり、ない。

「待つさ」
「何日、何月で片付く話だなんて思っちゃいない。早く終わるに越した事は無いが」
「ぼくと『セヴン』はそのためにいるんだからな」

913『狩りの始まり』:2014/12/21(日) 00:14:02
>>911-912(梁間、薄金)
「なぁに。すぐさ」

「こうなった以上、モタモタしてる奴がイモを引く。
 連中相手にのんびり構えてる時間はねぇからな。
 調べはオレらに任せとけ。
 仕留めるのは──おまえらだ。
 頼りにしてンぜ二人とも・・・・だから、『犬死に』はすンなよ」

ククッ、と最後に笑い声。

「それだけだ。
 あとは『タイトロープ』からの呼び出しを待ちな。
 あとタツ。お嬢の世話も忘れンなよ」

                          プツ

914薄金『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2014/12/21(日) 00:20:59
>>913
「・・・」「だってさ、『梁間』君」
「なかなか痛快な展開じゃないか? 君もあれ、録画でも見たらわらうよ」

『収穫』と言っていた。
良い感じにナメた認識だ。良心が傷まないという点で非常に良い。
幸運な事に、『組織力』はこちらにもじゅうぶんに存在する。

「ふ くく」

自分たちが一体、何処へ来たのかを教えてやる。狩りのときだ。

915梁間龍郎『トパーズ』:2014/12/21(日) 00:22:22
>>913(GM)

「ウィーッス」

通話が切れたのを確認。
ポケットに携帯を落とす。

        ダイヤモンド・ナイン
「『黄金町対 組 織 暴 力 』ッてェートコかーねーェ?」

『覚悟は決まってる』。
遅かれ早かれ、だろう。

「『町』が的なら……おーれらだーけじゃねーェ。
 仮に死んでも。次がいーてくれるよーなぁ?」

出来るだけ避けたい事態だが……どうにかしよう。
せめて『ダチ』だけは。

916『狩りの始まり』:2014/12/21(日) 00:32:55
>>914-915(薄金、梁間)
互いに顔を見合わせ、思うところを述べる
若き『殺し屋』二人。

誰が相手でも、やることは同じだ。
すでに決めてある『覚悟』は、今更問われるまでもない。

高校生が騒ぎ、子供連れのヤンキー女が雑談に興じる
ありふれたファーストフード。黄金町の街角。

降り始めた『ヨハネスブルグ』の帳に気付く者は、
この時、まだごくわずかだった──


                           END














   RRRRR・・・・
                 RRRR・・・・・

「もしもし」

                『・・・・・・・・・・・』

917『狩りの始まり』:2014/12/21(日) 00:45:48
「・・・・・・・・・・・」
             ズギュン!

無言の電話口を睨み、スタンドを発現する『網走』。
『マイク型のカメレオン』のヴィジョンが、受話器を這う。
『トーチャード・ソウル』──
『声』から『思考』を読み取り、映し出すのが網走の能力。

「・・・・てめぇ、『ヨハネスブルグ』か?」

一言問い、受信音量を上げる。
相手は変わらず、無言だ。
だが、かすかに聞こえるその音は──

            ドンドン! ドコドン ドコドン ドコドン

『太鼓』だ。
遠く小さく鳴り響いている・・・・野生のリズム。


ザシュ! ザブゥ!
             「ぐあ!」」
                      ガブゥ

      バジュ!バジュ!ドシュ!    
                        「・・・・・・・・・・」
  

        『グルルルルルル・・・・』


                『ドコドン! ドコドン! ドコドン!』

        バッ!




網走『トーチャード・ソウル』⇒『死亡』
アゲハ建設⇒『壊滅』

918『ヨハネスブルグの虹』:2015/01/21(水) 23:54:31

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