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ぼっちの為の相談スレ

21アラド名無しさん:2012/06/01(金) 15:37:52 ID:MNM9PWIAO
「あぁ、えっと、言い間違えたかな・・・」
これでいいか…
俺も男なら腹をくくる。
・・・本題に入ろう。そう誓う。
早速話し出す。

ゼルディンさん、俺、ただの冒険者だからさ、天界の情勢とか分かんないし、言われた事をたまたまやってのけてここまで生きてこれただけで、もしも、って可能性もあったわけだ・・・。
実際の戦場は、モンスターと戦うよりも怖かった。
モンスターみたいな分かりやすい猪突猛進じゃない。
しっかり戦術を組んで、敵の裏をかき、ジャミングで連絡中枢を麻痺させて戦場で兵士団を孤立させ、圧倒的な軍事力で潰しにかかってくる。
実際に行くまでは、ただのテロリスト集団だと思っていた。こんなに怖いとは思いもしなかったんだ。
カルテルの罠にはまって機銃の的になりかけたり、地雷源を走り抜けたり、狙撃兵のライフル弾が何度も頭を掠めた。
そうやって俺は、何度も何度も、しにかけた。
…でも、俺はこうして生きている。
皆からは英雄、ヒーローなんて言われているけどさ、本当はたまたま生き残っただけの、ただの1傭兵なのかも知れない。
だけど、それでも俺は生き残ったんだ。
俺は戦場で散った、名前も知らない兵士に誓ったんだ。俺は必ず生きて帰る。愛する人の為に、絶対に帰るって。
これを言った時、本当は帰らないつもりだったんだ。
この頃、ゼルディンが俺を避け始めていたから、焼け糞になってたんだと思う。
本気でやった。何度も何度も、カルテル兵共の眉間をぶち抜いてやった。
戦場のど真ん中に立って、味方が誰も傷付かないよう自分が囮になってさ、なんどもなんども、銃弾が身体を掠めていくのが分かった。
血が吹き出した。肉が裂けた。
それでも止まれない。
たかが水が出ただけ、袋が破れただけに過ぎない。それがなんだ。と思った。

弾が尽きた。
なら銃を投げればいい。

その後はどうする。
近くに銃の在庫があるじゃないか。

近くの塹壕に入り込み、蹴り飛ばし、無我夢中で銃を奪い去ってまた外に出る。
味方の犠牲を出さない為に。

自分でも、驚く程身体が動いた。
銃を向けられれば撃ち、向いていなければ見逃す。
その繰り返しだった。
もう敵味方の区別もつかなくなっていた。
そもそもどうでも良かった。消えるのだから。

気が付くと、夜になっていた。
周りには、沢山の薬莢と、銃と、綺麗に脳天だけを撃ち抜かれた肉塊が落ちていた。

敵がもう居ないかの確認した。
居なかった。
周囲の肉塊に味方のタグがあるかも見た。
無かった。
安心した。
俺は、また生き残った事を確信したんだ。

そのままの身体で酒場に向かい、顔見知りの親父にビールを頼んだところで、俺の記憶は無くなってる。

ゼルディンは、終始無言で聞いてくれていた。だが最後の発言に驚いて、心配そうな声で聞いてくる。


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