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【抑止の輪より】サーヴァント召喚シーン投下スレ【来たれ】
19
:
ランサー
◆H1dB00o9hc
:2016/08/12(金) 00:58:35 ID:CN19Sb7A0
突然だが、「認知症」と呼ばれる病気を知っているだろうか?
一昔前であれば、「ボケ」とか「痴呆」とか呼ばれているあの病気だ。
この日本にも患者は凡そ462万人存在するとされており、今後も更に増える見通しだそうだ。
さて、魔術師というのも人の子、老いもするし病気にもなる。当然、この病気とは他人事ではいられないだろう。
この冬木の街にも、呆けてしまった魔術師が、1人......
「素に銀と鉄__________」
深夜にもかかわらず床に描かれた奇妙な図________所謂、魔法陣を前に呪文を唱えているこの老人、根岸鴈治郎は認知症を患って久しい。
服装や、調度品の質の良さや屋敷の広さが老人が只者ではなかったことを示すが、その服装のちぐはぐさが、同時に栄光が過去のものであることを示しているのが、何とも悲しい。
昼夜逆転生活というのもまた認知症の典型的症状の一つではあるが、問題はそこではない。
「_________礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
何故、この老人は聖杯戦争に足を踏み入れようとしているのか。
「閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
何か、叶えるべき願いを胸に抱えているのか......
「_________Anfang(セット)。」
それとも、認知症の症状の一つである徘徊行為の一環に過ぎないのか......
「告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」
或いは、胸元のポケットに入ったお守りにより引き寄せられた、途轍もない幸運なのか......
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ_______」
そんな疑問も何もかもを放置したまま、儀式は終わりを迎えようとする。
その皺だらけの右手には、聖杯戦争の参加者の証の令呪が刻まれる。
『......我が名はドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ。其方であろうか、新たな我が主人は』
暗闇の中に現れた、これまた老いた鎧騎士______ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ。
その仔細は、語るまでもないだろうが、あえて一言でいうとするならば、「世界で最も有名な狂人の内の1人」。
彼の伝承を知るものがいたならば、ボケ老人に呼び出されたのも道理であると笑うだろう。
そんな騎士の言葉に、根岸は静かに頷く。
これをもって、(そのきっかけはどうであれ)今ここに契約は成されたのだった。
その翌日。
『お早うございます、ご主人......』
「えー......どちら様ですかのう?」
『......は?』
この主従の明日は、どっちだ?
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