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ここだけ禁書世界ロールスレ
7
:
雌衣良 綯慮
◆tedqf4y7.k
:2015/07/28(火) 02:52:19 ID:kZyJQxQE
>>6
彼女にとってその返答は、面食らったものだった。
彼の苛立ちの様子含め、自分が捕まるかもしれないという状況に対し立ち止まる人間などそうそういない。
彼は恐らく良い人なのだ。
淡く反省すら浮かび、その場から離れかけたところで。
「……高校は筆里桜(ほうりおう)だ
名前は雌衣良 綯慮(めいら なりょ) 」
筆里桜女子高。能力レベルが3の女子生徒での、進学先の一つである。
水準としては優秀値の高校ではあるが、同時に問題行動の目立つ女子生徒も多く存在する高校だ。
彼女は性格としてはまとも寄りであるため、気にした様子はなさそうだが。
聞かれた際に、高校のみ聞かれたのに名前を先に言ってしまった。
彼の人柄に関して、気を許した結果である。
「……さっきはいきなりすまなかった
ココア買えなかったとこで、無遠慮に声かけて
今度詫びを入れたい。お前の名前も聞いていいか」
そろそろ管理会社も来そうなところではあるが、彼の名前も聞くことにした。
アイスココアくらいであれば、また今度会ったときに自分が買うと。
BGMにぴーぴー鳴ってる自動販売機の警告音を聞いていると、じわりと笑って吹き出してしまった。
「……何だかなぁ、変な日だ……」
彼女はここまで仏頂面というか、あまり楽しそうな表情を見せたことはなかった。
何とも言えない表情で笑っている。
彼の行動も思い出すと、鳴らしてから頭を掻いて立ち去ろうとしたのに、人柄の良さでとどまることにした。
流れとしても、じわじわと笑いが浮かんでくる。
「ふ……、ふふふ、ふ、ははっ、お前も、はははっ」
そこが笑いのつぼなのか、笑ってる。
楽しそう。
8
:
朝馬統亘
:2015/07/29(水) 00:22:36 ID:3WxNzPtA
>>7
「筆里桜、か」
高水準、強能力者の進学先としてはポピュラーでありながら、それと同時の良くないことも聞く様な女子高。
だが、朝馬には、目の前の彼女は随分とまともであるように見えた。少なくとも、朝馬が敬意を払ったその勇気は決して嘘では無い物だと、思っていた。
そして、朝馬は少しだけ遠い目をした。遥か彼方を見るような、遠い羨望を覗くようなものだった。何のことは無い、彼女が唯の学生であることが羨ましいだけだった。
朝馬はそれをむざむざと口に出すような、愚かな人間では無かった。だが、沸き上がる感情は理性だけでは、どうしても抑えきれぬものであった。瞳の色を変えられぬように。
雌衣良綯慮と少女は名乗った。朝馬は、出来ることならば誰かに自分のことを必要以上に知られたくなかった。人が嫌いなわけでは無く、それは朝馬の誓いの一つだった。
「俺の名は、朝馬統亘」
ただ一つだけ、そう言った。それ以外には何も言わなかった。
詫びを入れる、という言葉に朝馬は疑問を持った。悪事を働いたのは十割で朝馬の方であり、彼女の方には何の非も無いのだから、そんな事を考える理由も無い筈だ。
響き渡る自動販売機の警告、それに続いて目の前の、雌衣良綯慮は笑い始めた。その理由は、分からない訳では無い。その笑いどころだって、分かっている。
彼女へと怒りの感情を抱くことも無かった。むしろ微笑ましくあるし、自分だって、つられて笑い出したかったが、『今の』朝馬統亘には、そうする事は出来なかった。
「雌衣良、綯慮」
ただ話の取っ掛かりとしてではあったが、彼女の名を呼んだ。
楽しそうに笑う彼女へと水を差すのは気が引けたが、一つだけ。それを一度遮ってでも、言わなければいけない事があった。
「詫びはいらない。この件で全面的に悪いのは、この俺だ。お前は、立派なことをした。何も詫びることは無い」
至極当然の事だった。
自販機を蹴って、警報機を鳴らして、それを放置して去ろうとした人間を呼び止めて、説得した。それのどこに詫びる要素があるか、と。
朝馬側の苛立ちなど、関係の無いことだ。無遠慮も何もないのだから、それは必要なく、またそれも彼女の勇気に対する敬意の一つであった。
それに。"必要以上に自分に関わって欲しくなかった"。少なくとも、今の自分には。
「俺は、お前のことが嫌いな訳じゃない。だが、俺はお前と一緒に笑うことは出来ない。それは俺の、俺自身の勝手な誓いを破る事になる。
理由は言えない。だが……一つだけ、言えるとすれば。"俺のことは信用しない方が良い"」
―――――――――――― 朝馬統亘は、暗部の人間である。
朝馬に対して思うことは、人それぞれであるから、別にそれに対して何か言うつもりは無かったが。それでも、そんな風に自分に気を許した彼女に対して、そう言った。
仕事ならば人を殺す。目的の為ならば人を殺す。そう言う人間である、ということは、彼女は知らないだろうし、そのことは隠す事としている。
だが、やはり朝馬には我慢ならなかった。こんな風に、薄汚れた人間である自分が信頼されることが。
「だが俺も楽しくはあった。お前の笑い顔は、悪くはない」
ただ、それも言っておきたかった。何時か自分もそんな風に楽しそうに笑う事が出来たならば、それはとても幸せな事だろう、と思った。
そろそろ、管理会社が来ても可笑しくは無い頃合いだろう。「時間を取られたくなければ、此処から立ち去ったほうがいいだろう」、と彼女へと促した。
9
:
雌衣良 綯慮
◆tedqf4y7.k
:2015/07/29(水) 07:17:03 ID:UrVHd6cg
>>8
彼の返答に対し、雌衣良は思わず笑うのを止めた。
彼からの自制的な発言。笑わないという制約に驚いたためだった。
それでも彼女は察する事はない。
心に何かしらの闇を抱えているのだと、そんな事しか考えられなかった。
何故なら雌衣良は、暗部の存在を知らない。
学園都市のアンダーグラウンドで生きている人間の事を、何も分かっていない。
ーー平穏で、無知で、愚かな一般人だった。
だからこそ、彼の苦悩やこれまでの生き方を、まるで否定してしまうかのような物言いで。
「そうか。私は、……お前は、楽しそうに見えたが
こういうことは、デリカシーが欠如しているみたいな言い方だが
お前が笑いたい時は、笑っても良いと思うぞ」
人間は精神的にも堕ちていくと、笑うことが難しくなる。
それは誰しも経験のあることで、軽率に言うべきではないが、彼女は伝えるべきだと判断した。
彼もいつか笑える日が来れば良いと雌衣良は考えた。
「……何があったか分からんが、朝馬は相当面白いからな
多分周りが勝手に笑う気がする。見ていて思った」
皮肉的な意味ではなく、本当の意味として。
なんというか、彼の容姿と言葉や性格
でのギャップの時点で面白いのだが、
正しさを感じたならそれを信じるというのも、彼女としても気持ちがいい性格であるし、今回はそれで失礼ながらも笑ってしまった。
「だから、お前のことを信用するなという方が難しい」
彼女はまた笑いかけると、それだけ伝え、振り返った。
次に会った時も恐らく話しかけるだろうと、安易に伝えていた。
何と無く、ポケットから百円を取り出すと、彼に向かって投げてみる。
もしキャッチしたならば、頬を緩ませて、軽く手を振り、そのまま去るだろう。
/今更ながら前レス、「レベル3」ではなく、「レベル3以上の〜」でした
/ありがとうございます、お疲れ様でした!!
10
:
朝馬統亘
:2015/07/29(水) 23:05:14 ID:3WxNzPtA
>>9
放り投げられた百円玉を受け取って、手の中に見た。それが詫びだとでも言うのだろうか、そう思いながら、彼女へとまた視線を戻した。
手を振りながら去っていく彼女を見送って、それをポケットの中に突っ込んだ。
笑いたい時は笑えばいい、と彼女は言った。朝馬はその通りだと思っていた。自分が面白いかどうかに関しては、よく分からないが、少なくともそれに関しては頷く事が出来た。
信用するなという方が難しい、という言葉の真意は、よく分からなかった。ただそれはきっと、悪い意味で言っているのではないのだろうな、と都合よく解釈した。
だが―――――――――――― 然しその言葉こそ、都合のいいものに他ならないのだ。朝馬統亘の事を、彼女がどう思おうと。真っ黒に染まった"暗部"の人間だ、その事実は変わらない。
何時だって現実は、何処に至ってにじり寄ってくる。だからこそ、朝馬統亘はほんの僅かにでも、それから目を離すなと、そう誓った。
携帯電話が鳴った。番号は見覚えの無い物で、しかしそれは何時もの事だった。通話を繋げて、それを耳に添えた。
「―――――――――――― 分かった。すぐに……」
電話の向こう側から聞こえてくる声は、何時も通りの物だった。そして何時も通りに、それに頷こうとして。
『警備員』の人間が、こちらへと駆けてくるのを横目で見つけた。それから、言葉を一度切った。
「……いや、少し遅れることになる」
ただ、約束は守らなければならない。そう思っていた。これは朝馬統亘の誓いによるものではなく、ただ単純に、朝馬自身の素の人柄がそうさせた。
結局、この後は面倒臭く時間を取られるだけで終わった。だが、朝馬自身の気分としては、不思議な事に、そう悪いものでは無かった。
11
:
東横友樹
:2015/07/31(金) 22:23:34 ID:VbNseJ16
第一学区、学園都市の行政が集中するそこにある薄暗い『死角』。
一人の少女がいた。小型の電導リニア二輪を脇に止めて、そこに腰かけていた。年齢は16歳ほど、少女の雰囲気も鑑みて、この第一学区に何か用のあるような人間には見えなかった。
片手に携帯電話を持って、通話をしていた。何処かうんざりした表情を見せながらも、少女の顔立ちは明るいもので。
「……はい、はい、いや分かってます分かってますって、ちゃんとやってますよー」
事実、彼女―――――――――――― 東横友樹自身の気分も、比較的明るいものだった。
今の東横の仕事は、第一学区の綿密な"調査"だった。こういう風な裏道なんかを徹底的に調べ上げて、"足がかり"にする為の。
学園都市の技術は凄まじく、家にいながら適当に携帯電話を弄るだけで学園都市の全部の道を調べ上げる事が出来るが、こういう抜け道を見つけるのは難しい。
何せ抜け道と言うくらいなのだから学園都市の監視も少ないものでなければいけないし、こういう道は意図的に、そういうものに載せられてないこともある。
スキルアウトや同じ『暗部』の人間が使うために取っておいてあるのだろう。そういう人間ですら、把握していない道もまたいくつもある。
「はいはい、そうですねぇ、使えそうな道はさっき送ったのと、新たに四カ所……後で送っておきますね」
それらを、全て"知る必要があった"。
東横の気分は、そんな仕事をしている最中でも明るかった。なぜかと言えば、一重に『人殺し』では無いからだった。
人殺しが嫌いだった。他の暗部の人間のように、それらを『割り切って』行う事が出来なかった。
この調査の結果は、何れ大きな殺戮へと発展するかもしれない。だがそれでも、問題の先送りと言われようとも、今は人殺しをしなくていいのだから、気分は余程楽だった。
「ん……はいはい、了解ですー、じゃあ終わったら一回そっちいきますねー。
ああ、それは大丈夫だと思うんですけど……まだ誰にも怪しまれてないと思います、はい、それじゃー」
通話を終えた、東横の表情に『翳り』が見えた。何か抗い難い苦痛に苛まれているようだった。
携帯電話の向こう側で喋る人間は、絶大な力を持っていた。然し学園都市は、それ以上に絶対的であるが故に。
暫しの間東横友樹は、そこで俯いていた。
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