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【ミ】『ヨカナンの首』

12『リビングデッド&フルムーン』:2018/12/23(日) 09:24:18
>>10

自らの『経験』とはかけ離れた事態に思わず戦慄する『高天原』。
 
 
「なんだこれはッ!誰がこんな事をッ!何のためにッ!
だいたいッ!この『耳』は誰のもんだぁ〜〜ッ!!」
 
 
たまらず声を上げ、誰にともなく矢継ぎ早に質問を投げかけ己を奮い立たせんとする。
勿論室内には『高天原』一人しかおらず、
その質問に答えられる者など居る筈もないのだが。
 
 
だが、しかし。
最後の『質問』への回答に限って言えば、それは程なく得られる事になる。
 
 
「わりーけど、俺にはこんなッ!
原稿料もロクに貰ってねーだろう三流『ウェブ漫画家』が描いたデスゲームみたいなことをされる覚えはないッ!!」
 
 
期せずして発せられた『原稿料』というフレーズ。
それと共に注視した『箱』の『中身』の──『耳』。
それを彩る、特徴的な『六角レンチ』を模した『ピアス』。


『高天原』はその『耳』の持ち主を知っている。
つい先日仕事を請け負った、小さな『編集社』に勤める『ゼミの先輩』の耳を、知っている。
それが『早見勇』の『耳』であることを、『高天原』は直感的に理解する。


死線を潜ってきた。
それなりの仕事をしてきた。
これがその『仕事』の結果──『報復』であることは、既に疑う余地も無い。
 
 
『箱』の中に手紙の類いこそなかったが、
よくよく見てみればクリーム色の『付箋』が一枚、
箱の内側に貼り付けられている事に気付くだろう。
 
何の変哲も無い事務用品の『付箋』に、ボールペン書きの『メッセージ』が記されている。
明らかに手書きの物で、特に筆跡を誤魔化す様子も見られない『メッセージ』。
几帳面さを感じさせる丁寧な文字で、しかし端的に、それは記されていた。
 
 

・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・
【 耳 揃 え て 返 す ぜ 】
 
 
 
あくまで大学生の家出である。
その気になれば、居所を掴むのは、そう難しいことではないのだ。


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