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ダンゲロスSSC2雑談スレ

1SSC2GK:2016/08/08(月) 22:58:59
ダンゲロスSSC2に関するタッグパートナー募集、雑談、ファンアート等、
ご自由な目的でご利用ください。

wiki:tps://www65.atwiki.jp/dangeroussscc/
公式Twitterアカウント:tps://twitter.com/DangerousSSC2

2non-playable character:2016/08/20(土) 19:14:52
いわれたとおり、思わずカードを手にとってみた。
軽くてなめらかなさわりごこちから、たぶんプラスチックかな。

「まず感謝を。
 拙を拾ってくれてありがとう」

なんだかカードが話しかけてるみたい。
彼(もしかしたら彼女かもだけど)によると、ボクはC2バトルっていうのに参加することになった……のかな。

「他の参加者はもうみんな知っているだろうが、ばらまかれたC2カードはどれも元は一人の魔人だった。
 そのせいか、カードはそれぞれ異なる人格を持っている。
 おそらく元となった魔人の人格をね。
 性格によっては、拙のように話しかけてくる者もいるだろう。

 拙はできそこないでね。
 所持者の蘇生・復元の能力は持っていない。
 ただ他者の能力を転写・複製するだけだ。

 だから、千代田殿は拙のことをこう呼ぶ。
 Dead Copy、DCカードとね。

 ……先に言っておくが、ダイナーズクラブでもダイムラー・クライスラーでもデスティニーズ・チャイルドでもないからな」

ダイナーズクラブってなんだろう?

3鮎阪千夜:2016/09/03(土) 07:34:16
【鮎阪千夜プロローグ改訂版】

闇と少女があった

「ねえ、お姉ちゃん」

少女は妹の姉であり、妹は姉に話しかけ、姉は妹をじっと見つめ微笑んでいる。

「ねえ、お姉ちゃん。私、50m泳げるようになったよ
ねえ、私、お姉ちゃんよりうんと背が高くなったよ
ねえ、私、お姉ちゃんの好きな歌、歌えるようになったよ
ねえ、私、お姉ちゃんとノートに書いた物語、完成させたよ」

姉は何も喋れず、ただ静かに妹に微笑みを返す。

「ねえ、おねえちゃん。私も今年で18歳になるよ、お姉ちゃんとお揃いになるね
え、お姉ちゃん、行ってしまうの?」

ガレキの隙間から夕ヒが差し込み、照らされた姉の微笑む姿は白く霞んでいく。
いってしまいたくない、どうしようもなく、居たかった。

「ねえ、おねえちゃん!」

妹は呼びかける
   呼びかける声に答える事もできず

『ねえ、おねえちゃん!』

その声に答えるのは妹自身の声の残響音のみ
       耐えがたき苦痛が心を蝕む

「ねえ、おねえちゃん」

      『ねえ、おねえちゃん』


姉の姿は消え去り、ただただ只管に自分の声が鳴り響く
それでも妹は呼びかけを続ける。
      もう戻れない

「ねえ、おねえちゃん」
      『ねえ、おねえちゃん』
           「ねえ、おねえちゃん」
                『ねえ、おねえちゃん』
                     「ねえ、おねえちゃん」
                          『ねえ、おねえちゃん』
                               「ねえ…」

妹の、鮎阪千夜の声が幾重にも重なり鳴り響く、
そしてここには最早千夜の声以外のものは何もない。
鮎阪日々々は行ってしまった。遠いところ。

また伝える事ができなかった。
これは現実ではなく夢だ、そう、夢の中ですら伝える事ができなかったのだ
姉への自分の気持ちを。

「おねえ…ちゃん……」



「落ち込んでいるようだな千夜!そういう時は俺に任せな!」

闇の中一人取り残された千夜の目の前に突如騒々しい声と共に
ローブに身を包んだ一人の不審な男が現れた。

謎の男は千夜にC2カードを託し、C2バトルに参加して対戦相手の
C2カードを幾つか集めてきたら引き換えに姉である日々々と再会させる事を約束した。


謎の男と千夜のやりとりとか色々あったが、読み返してみて
あんまり面白くない割に長いし、本戦中に特に絡まないくせに思わせぶりなので省略した。
所詮奴は千夜が戦う理由づけの為のマクガフィン的存在なのだ。
どうしても気になる人だけは改訂版じゃない方のプロローグを読もう。

そして改訂版はここから千夜の日常の1ページを描きながら
能力デモンストレーション的な雑魚三下魔人とのちょっとした戦闘描写を行うよ
やはりプロローグには能力を使用した戦闘描写がないとね!

じゃあ夢の中で謎の男とのやり取りを終えて千夜が目を覚ましたところからいくね、いい?

4鮎阪千夜:2016/09/03(土) 07:37:24
【鮎阪千夜プロローグ改訂版2】

「千夜ちゃーん!朝だよー!起きなー!」

姉との再会を夢見てにやけながらC2カードを眺めていた千夜は
突然の声に驚き、思わずC2カードを隠し、声のした方を向く、
するとそこには少女の首から上が逆さまにぶら下がっている光景が!
おのれ、妖怪変化か!?

いや、違う、よく見てみよう、千夜が現在いる場所は二段ベッドの一段目であり
その少女の首は単に二段目から上半身を乗り出し逆さまに千夜に話しかけているだけだ、良かった。

「んーおはよう」
「む、もう起きとったか。珍しいな千夜ちゃんがウチに起こされる前に目え覚ましとるなんて」
「や、ゆうても私も丁度いまさっき目を覚ましたところやけどね」

千夜ははにかみながらそう言って逆さま首だけ女に答えた。

この妖怪じみた姿で千夜に話しかけている少女の名は「古巣 多舌(ふるす たたん)」
千夜と同じく聖洛女学院高等学校の生徒であり千夜とは同じ学生寮で同室の友人であり、彼女もまた魔人である。

「っていうか千夜ちゃん今なんか隠さへんかった?」

多舌はそう言いながら一度首を引っ込めると、素早く上段のベッドから降りて
滑り込むように下段のベッドを覗き込んだ。

「えっ!やっこれは…別に何も隠して…ない……事も……ない…けど…」
「ほらー、やっぱなんか隠しとるやん。な、見してみ?」
「ええー?いくら多舌ちゃんでもなあ…これはちょっと…」
「ええから見してみーや、ウチらの仲やろー?」
「ううぐ…もしかして多舌ちゃん、能力使った?」
「んんー?いやーなんの事やら」

古巣多舌の魔人能力は『無慈悲な恩の徴税吏』、「多舌に対して恩を感じた」或いは
「多舌の行動によって利益を得た」事がある人物に対して何らかのお願いをした際に
相手に「借りがあるし断り辛いな…」という気分にさせるという物であり
その「借り」が大きければ大きいほど能力の効果を強める事ができる。
そして千夜は多舌に多量の「借り」があった。

「うう…これはホンマにめっちゃ重要な事で、本来は例え親友であっても
教えるべき事ちゃうんやけど…でも多舌ちゃんには色々と借りとかあるし…特別に教えたげるわ」

そうやってやたらと勿体ぶりながら千夜は隠していたC2カードを多舌に見せる。

「こ、これはもしかして例のC2バトルとか言うやつの…?」
「そ、C2カードってやつ」

千夜はしたり顔で答えた。

ちなみに多舌の能力は、逆に多舌に対して恩を着せるような行動をする事によって
「借りを返す」事が出来る、特に多舌が能力を使用したお願いに応じれば
通常よりも大きく「借りを返す」事ができる。
そして千夜は実はC2カードの事を最初から多舌に話すつもりだったが
この能力の性質を利用して、一度勿体ぶってから能力を使わせて
本来よりも多くの「借り」を返済したのだった。

そんなこんなで千夜はC2カードを入手した経緯や参加する目的を語りながら
身支度を済ませ寮の食卓へと向かった。
本日は土曜日であり、朝ごはんは各自で用意しなければならない
千夜と多舌は二人で簡単なロールパンサンドを作りテーブルに付き食事を始めた。

「それで、C2バトルに参加するんやったらウチも手伝おっか?」
「や、多舌ちゃんに手伝って貰ったらまた『借り』が増えるし、ええかな」
「えー?どうせ千夜ちゃんへの『貸し』なんてもう一生かかっても
返済不可なくらいたまってるし、今更そんな水臭い事言いなやー」

千夜はそんなに借りが溜まってるのかと一瞬渋い顔をしたがすぐに
もの憂げな笑顔を作り、少し落ち着いた声で答えた。

「まあ、それ抜きにしても、なんとなくやけど今回はできるだけ自分の力でなんとかしたいんよ」

千夜の珍しい表情に多舌は思わず一瞬息を飲んでしまう。

「ん、まあ千夜ちゃんが一人で参加したいって言うんやったらそれでええけど
でも大変な戦いになるやろうし、もしやっぱり手伝って欲しかったら遠慮なく言ってや
貸し借り以前に…その…ウチら、友達やねんから」

多舌が少し照れくさそうに言うと千夜は笑みを浮かべながら答える。

「ふふ、それじゃもしもの時は頼むわ」

そう言うと千夜はロールパンサンドを作る時にこっそりと一緒に作ったスモアを齧り始めた。

5鮎阪千夜:2016/09/03(土) 07:40:27
【鮎阪千夜プロローグ改訂版3】

「…あんたソレ、あんだけようさん食べた後にそんなカロリー高そうなもんよう食べんなあ、
そんな食生活やったらまたこないだみたいにぶくぶくに太ってまうんちゃうの…」
「あ、あれは、ホラ!身体測定の前だからって張り切り過ぎたその反動でちょっと
タガが外れたっていうか…リバウンド的な奴であって…今はちゃんと計算とかしてるから!
これも一個だけやし、今度は無理なダイエットもせえへんから!」

そう、180㎝という身長に対して異様に軽い58kgという体重は
無理なダイエットをして挑んだ身体測定時のデータだったのだ!
だから決して作者が女子の体重に幻想を抱いているとか、ましてや
元々172cmで58kgという設定だったところを、身長を180cmに変更して
それに合わせて体重を調整し忘れたとかそういったミスの類ではないのだ!!
華麗な伏線回収!!

見ての通り、現在の千夜は特に太ってる訳でも痩せ細っている訳でもない健康的体形だ、
正確な数値は不明だが、恐らく体重は70kgちょっとくらいなのではないだろうか?
詳しい数字は皆さんの想像にまかせよう!

おっと、そうこうしてる間に千夜と多舌は食事を終えて登校を始めた。
今日は学校は休みだが二人とも個人的に用事があるのだ

二人が他愛のない会話をしながら歩いていると学校の校門近くで多舌が足を止めた。

「なあ、千夜ちゃん、あの垣根のところなんか変やない?」
「んーどれどれ?うわあ、ホンマやなんかおるっぽい?」

多舌が指さした方向を見ると、校門前の垣根に奇妙な盛り上がりが存在していた。
見たところ何らかの人物が迷彩服を着て潜んでいるようである。

「めっちゃバレバレやけど、迷彩服着てるから大丈夫って思ってはんにゃろか」
「変質者なんかな、ちょっと不気味やねんけど」
「よし、石ぶつけたろ」

多舌は小石を拾い変質者めがけて投げつけた。

「痛ェッ!!」

たまらず垣根飛び出す変質者。
彼はなんと両手に包丁を持っておりかなり危険そうな人物だ。

「エッヘッヘッエッ…よくぞ見破った、さすがC2カード所有者…なかなかやるな…
俺の名はギョフノリアン・ヨコドリーノ!!貴様のC2カードを貰いに来たぜえ!!」

(なんかめっちゃそのまんまな名前しとるー!?)
(でもこの状況、別に漁夫の利要素はないよね!?)

「俺は相手をじっと見つめ続ける事によってそいつの身体情報、所持品等を
知ることができる情報収集能力『察ー知んぐ愛』により貴様がC2カード所有者である事を見事に看破したのだ!」

(なんか勝手に自分で自分の能力を説明しだしたー!?)
(情報を扱う魔人にあるまじき情報リテラシーの低さ!!)

「家の近所の魔人学園を張り込んでいればそのうちC2カード所有者が現れるだろうと踏んで
こうやって待っていたって訳よ、まあ土曜日で生徒が少なかったのは誤算だったが無事めぐりあえたぜ!」

千夜と多舌は喚き散らすギョフノリアンの様子を眺めながらひそひそ話をする。

(この人…バカだ!)
(でも、もしかしたらバカを装ってるんかも…多分ただのバカやろうけど…でももしもって可能性も
ゼロではないし、バカでも刃物持ってる以上は危険なんには変わりないさけ、注意してや)
(うん、わかった)

6鮎阪千夜:2016/09/03(土) 07:43:34
【鮎阪千夜プロローグ改訂版4 このレスで終わり】

「さあ大人しく貴様の持っているC2カードを渡しなあ!さもないとこの包丁の錆にしてやるぜ!」
「まあまあまあ、おっちゃん!そんな物騒な事はやめて私の話聞いてくれへん?」

千夜が一歩前に踏み出し、大きく声聞き取り易いはっきりとした声でギョフノリアンに話しかける。

「けへへっ話なんて無用!サレンダーオアダイだぜうひひょほほー!!」
「や、そんな事言わずにちょっとでええから聞いてやー」
「ひょへへへやだね、俺は貴様のC2カードが欲しいだけ、渡さないなら殺すだけだぜえいえいえいえー!!」

ギョフノリアンは叫びながら包丁を千夜めがけて振り回そうとする!危ない!!
しかし、ギョフノリアンはあと一歩で千夜に包丁が届くというところで腕を振り回すのを止めてしまった。

「な、なぜだ、俺はカードを手に入れさえすれば良いから話なんて聞くつもりは全くないのに
貴様の話が滅茶苦茶気になって仕方ない…そればかりか貴様を攻撃して傷つけたくないという
気持ちすらこみあがってきたぞ…いったいこれはなんなんだ!?」
(この人、考えてる事そのまま口に出し過ぎやろ…)

やたらと独り言をしゃべり続けるギョフノリアンに対して千夜はお構いなく
C2カードにまつわるでっち上げ情報を語り続ける。

千夜の能力は例えどんなに相手が人の話を聞かない人間でも相手が人語を解する能力を持っていれば
まずほとんどの場合において一度は相手の攻撃を防ぐ事ができる。
更にいまのギョフノリアンは完全に話に食いつき魅了されきっていた。

「ぐわああ!話を聞いてる場合じゃないのに聞いていたい!…待てよ…そうか
これが貴様の能力『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』か!?こんなに強力だったのか…」

(能力を事前に知っててこの体たらくやったんかい!)
(本当に情報能力持ちの魔人とは思えへんアホっぷりやなあ…)

「そ、そうだ耳を塞いでしまえばお前の声は聞こえない!貴様の能力破れたり!!」

ギョフノリアンはそう叫ぶと両手を耳へと伸ばす!
包丁を握ったままなので小指を使って耳を塞ぐつもりだ!!

「お、結構ええところに気づいたな、せやねんなー私の能力って
耳塞がれて声が聞こえんくなった相手には喋って能力使う事が出来なくなんねんなー」
「フハヒャラハハラ!!これで貴様も終わ…ぬぐっ!?」

ギョフノリアンの指が耳へと達しようとしたそのとき異変が起こった!

「ゆ、指が動かない!?馬鹿な!?話の続きを聞きたいが為に耳を塞ぐことが出来ない!?
まさか貴様の能力はそこまでの影響力を…!?」
「おっちゃんええ顔しとるやん、どう?私の能力って結構便利や思わへん?」

千夜は笑いながらそう言うと再びC2カードのウソ話を始めた。

「ぐぬうう!俺は!そんなものに屈しない!屈してなるものか!!」

ギョフノリアンは必死に千夜の話を聞きたいという欲望に抗いながら
なんとか指で耳をガードしようとする。
歯を食いしばり、目は血走り、全身から汗が噴き出す!
なんとしても塞がなければ、絶対になんとしてもこの能力に抗い
自らの意志力が千夜の能力に打ち勝てることを証明しようと努力した!

そして、ついに…ギョフノリアンの小指は見事耳の穴に到達した!

「ハッハッハハハヒャーホッホ!!どうだ!耳さえふさげればお前の能りょ…ぐげれれらばっ!?」

ギョフノリアンがうめき声を上げて吹き飛ぶ!
両手を指耳ガードで使用しガラ空きとなった腹部めがけて多舌の華麗なる正拳がクリーンヒットしたのだ!

ギョフノリアンはそのまま吹き飛ばされ5m程ゴロゴロと転がり
校門にぶち当たるとそのまま伸びてしまった。

多舌は空手部に所属しており、その拳の威力は猛烈に強烈なのだ!


「はあ、この人は両手塞がった状態でどう戦うつもりやったんにゃろ。
最後に千夜ちゃんが能力を使うのやめたってのも気いつかんかったみたいやし。
っていうかこんな隙を狙わんでも普通に真正面から殴っても勝てたんちゃうかな」
「ははは、C2バトル本戦での相手もこんなんばっかやったら楽勝やねんけどなー」
「本戦でこんな低レベルな戦い晒したら大ブーイング間違いなしや思うけどな…」

そんなこんなで二人は学校の警備員に連絡して、ギョフノリアンを引き取って貰うと
各々の用事の為に学校へと入っていったとさ。

おわり

7ぺんさん:2016/09/25(日) 12:29:06
もしかしたら出れるかもしれないという淡い思いを抱いてプロローグまで書き終えた今回参加予定だったキャラだよ。
思いついたことをやるためにここにキャラ説とプロローグへのリンクを貼るよ。
本戦が読み終わって感想も書いて投票も済ませた凄まじく暇な人達が居たら読んでほしいよ。
よろしくだよ。

8ぺんさん:2016/09/25(日) 12:30:15
tps://docs.google.com/document/d/1GDy82z9yuUzRzMgeuCvVPnUgKW0B2EfEAGV5M7019Dk/edit

ミスってURL張り忘れたよ。これがURLだよ。

9ぺんさん:2016/09/25(日) 12:35:21

>>8
プロローグの続きだよ。主に今回やりたかったことだよ。
できればプロローグを読んでから読み進めてみてほしいよ。
よろしくだよ。



---

「……という流れを想定していたんだがなあ。」
目の前に出されたお茶を飲みながら、一花師匠が言いました。
彼女の前にはお茶の他に、鍛え直されたデミちゃんの剣が置いてありました。
しかし、その横にC2カードはありません。
「うむ。何事もうまくいくわけではないのう。」
自分の分のお茶を机に置きながら、デミちゃん。一口お茶をすすり、その熱さに顔をしかめます。
「ああ。まさかC2カードが送られてこないとは、予想外だ。強さに自信はあったのだがなあ。」
「病院に運ばれたのが知られたんじゃないかのう。そんな肩を落とすでない。それを言ったら、わしの方にもカードは送られなかったんじゃから。」
ふー、ふー、と息を吹きかけ、デミちゃんはお茶を冷まします。それに合わせて、湯気が空に消え、手の中の小さな湖面に波が立ちました。
「強くはなったと思うが、戦績を見るとのう……。三人がかりとは言えチンピラにぼこぼこにされて助けられたのが実績では、選ぶに選べんよなあ……。」

そう。仕方ないのです。戦績を見ると、他の人達の方がしっかりしています。新しく入ってきた実力者の方も多かったですし、選ばれなくとも仕方ないのです。
別にこれは作者の戦績を言っているわけではありません。あくまでデミちゃんたちのことです。デミちゃん以外にも知られざる強者はたくさんいたのです。そういうことです。
たしかに作者は最近DM2でMVPを取ったり、流血少女で50点近くを一人で稼いでキャラクターMVPをとったりして強くなった気でいましたが、
DM2も勝敗自体は負け。流血少女に至っては別にSSバトル形式の方に出ているわけではありません。自惚れも甚だしいですね。
そういった作者の背景とは一切関係なく、デミちゃん達の戦績のことを言っているのです。
ほんとだよ。

「それで、これからどうするデミちゃん。一応、カードを奪っての参加も認められているようだが。」
「うーむ……それじゃがなあ。」
悩む素振りを見せて、デミちゃんは再びお茶をすすりました。まだ熱かったようで、直ぐ様口を離します。
「別に、無理して参加することもないと思っての。届かなかったということは、参加せずともいいということじゃろう。奪えそうな者に、心当たりもないしのう。」
デミちゃんは舌を冷やしながら、あっさりと言いました。

プロローグを読んでいた人は、おいおいちょっとまて!お前、師匠も世界も救うみたいなこと言ってたじゃないか!あの気概はどうしたんだ!人が一人死ぬんねんで!と思うかもしれません。
しかし、コレには事情があるのです。デミちゃんはとんでもなく強くなりました。元の世界とは、本当に比べ物にならないほど、です。
今の状態で例の悪魔と戦ったとしましょう。デミちゃんが精一杯手加減して片手だけで戦ったとしても、指三本と腱二本分位お釣りが来ます。
つまり、もう世界を救うという目標は達成しているも同然なのです。
では、師匠の方はどうでしょう。実は、そちらも解決済みなのです。よく見てください、彼女の座っている椅子を。
ほら、よく見るんですよ!SSだから描写されないとわからないとかいう甘えは通用しません!ここはダンゲロスなんですからね!

「そうだな。私の身体も良くなったし。今はこうして元気凛々だ。」
そう、椅子に座っていると思われた彼女は……なんと空気椅子で、座っているように見せかけているだけなのです!
しかもこれは胡座の状態で空気椅子を維持するという、エア空気椅子の中でも最も高度な技!一部の達人にしか出来ない技です。
それが維持できているということは……つまり、彼女は今、かつて無いほど充実した身体を手にしているということ!
しかし、一体何故!?
「これも全て、デミちゃんと出会ったお陰だな。デミちゃんと出会えて、私は本当に幸福だ。」
「むう……!そういう言葉は正面から言うものではない!照れるではないか……!」
そう言って、師匠はデミちゃんに向かって微笑みました。デミちゃんは伏し目になりながら、頬を赤く染めます。

10ぺんさん:2016/09/25(日) 12:36:57
続き


師匠が健康になった、その答えは、今のやり取りに全て詰められています。勘の良い人ならお気づきでしょう。
その理由は、ツイッターとかで忌み嫌われている感じの有る、例のあれ……自然治癒力を高めるとかいう……なんだっけな……たしか、ホメオパシーとかいうあれの力なのです!
なんかストレスとかそういうのが少ない状況とかをつくって、犬とかそういう可愛らしい動物を身近においておくと、自然治癒力がすごいバーってなって、薬とかより治るあれです。
今までずっと抱えてきたものを話すことでストレスは消え、デミちゃんを傍に置いておくことで可愛い成分も獲得。
彼女の自然治癒力はかつて無いほどに高まり、ついに寿命を克服するまでに至った……。魔人能力を凌ぐ、奇跡が起こったのです!
馬鹿らしい話だと思う人も居るでしょう。確かに、奇跡とは起こそうと思っても起こせない物です。しかし、どこかで起こっているからこそ、奇跡は奇跡と呼ばれるのです。
だから、起きた。ここは私のシマだ、文句は言わせん。

とにかくそんなあれで、師匠はすっかり元気を取り戻しました。
世界も救えて、師匠も治った!これで万事解決だ!デミちゃんさえ居れば、C2バトルの願いなんて最初から要らなかったぜ!めでたしめでたし。
……で終わってしまうとこのSSを書いた意味が半分くらいになってしまうので、もうちょっとだけ続けさせてもらいます。
これが作者の都合です。集英社で用いられる、編集者の都合とはまた別ベクトルの力です。ここ、テストに出るからよく覚えておくように。

「しかし、それはそれで問題が一つあってな……。」
ようやくお茶を飲める様になったデミちゃんが、不安そうな表情でつぶやきました。師匠も気になり、なんだなんだと急かします。
「うむ。プロローグでも言った通り、わしはC2バトルが終わってから暫く経たねば、もとの世界に戻れぬのじゃ。それまで、どう過ごしたものかと思っての。」
「ふ。何だ、そんなことか。そうだな……折角だ、私と二人で観光旅行でも行かないか?ぶっちゃけこれ以上修行してもデミちゃんは強くなれないと思うし、それなら思いっきり楽しんでもバチは当たるまい。」
「いいのかのう。これまでも師匠には随分世話になったし、旅行となると、お金がかかるのではないか?貯金が尽きたりしないかのう……。」
「かまうものか!」
遠慮するデミちゃんの手をガッチリと掴み、師匠が言いました。

「そもそも、私の金は惰性で集めていたものだ。使い道が見つかって、あいつらも喜ぶ。それにデミちゃんは私を救ってくれたのだ。命も心も。なら、全財産を投げ打つくらい軽いものだろう?いや、むしろデミちゃんのために投げ打ちたい。投げ打たせてくれ!」
「いやそんな投げ打つ前提で言われても、わし困るよ師匠!わかった、お金の心配はしないから!普通の旅行にしような!普通の!」
師匠の目は、今までにないほどキラキラと輝いています。それを見て、デミちゃんはちょっと怖くなりました。
師匠は変わりました。しかし、少し危ない方向に変わったように思えました。
慌ててなだめるデミちゃんを見て、師匠は手を離し、こほんと咳払いをします。流石にちょっと、取り乱した自覚があるようです。

「う、うむ。とにかく、わかってくれたならいいんだ。日本だけでも、デミちゃんの知らない場所がたくさんある。海に行ったことは有るか、デミちゃん。海はいいぞ。海……海といえば、水着か……。」
「いや、海に行ったことはないのう。魔王城は内陸部だったし……。って、し、師匠?どうした?大丈夫か?」
海、という言葉をつぶやいてから、師匠は遠い目で、どこかを見つめているようでした。その口が動き、小さい声で何かブツブツと呟いているのが聞こえます。
「デミちゃんは常識を知らない……騙して危ない水着を……?いや、それだと周りの目が……。では試着と称して部屋で……。恥ずかしがりながらも私を信用して着てくれるデミちゃん……。初な心を独り占め……?」
「お、おーい!師匠!師匠ー!戻ってきてくれー!師匠ー!」
「はっ、いかんいかん。兎に角、海はいいものだ。一度行ってみるといい。うむ。そうしよう。」
ぶんぶんと手をふると、ようやく師匠は我を取り戻してくれました。デミちゃんは少し不安でしたが、海には興味があります。とりあえず、その話には賛成しました。

11ぺんさん:2016/09/25(日) 12:37:42

続き

「しかし、海は遠いとこじゃろう?長い間旅行をするなら、折角じゃから近場の見どころを押さえてから行きたいのう。」
「ふむ、それなら……確か、あの辺りに。」
師匠は少し思案してから、部屋に届いていたチラシをひと束抱えてきました。ぺらぺらとめくり、目的の物をデミちゃんの前に広げます。
そこには、とある街で開催される、お祭りの事が書かれていました。
「ふむふむ。祭り。祭りか!わしの世界でも祭りはあったが、この世界の祭りは行ったことがないのう。たしかに気になるぞ!」
「気に入ってもらえてよかった。では、最初はその祭りの開催される街に行こう。名前は……」
「壇下喪町じゃな!なんだか演技が良さそうな名前じゃのう!それじゃあ、早速準備をして出発じゃ!」

そう言って、デミちゃんと一花師匠は、壇下喪町に向かうことにしました。
しかし、彼女達は気づいていなかったのです。今、日本は彼女達が参加しようとしていた、C2バトルの真っ只中。混乱の極みにあったということに。
そして、彼女達が向かおうとしている壇下喪町のお祭り……そこは第一回戦第八試合、神社での戦いが行われていた場所だったということに!

これはSSCCに参加できずにとても悲しかったリザーバー候補で終わったぺんが、終りを迎えられなかった彼女達の物語を完結させるべく、現地人が多そうな試合のモブに実は彼女達が居たという、凄まじく身勝手な設定で書く本編とは全く関係ない幕間SS。
行く先々で試合に巻き込まれる彼女達を、全五回くらいで書き終えられたらいいなあという曖昧な着地点を見据えて走り出した、立案、検討、実行、全てぺんの、勝手に場所を借りて行う新企画!
作者の人たちは気に触ったらゴメンね。でも、俺もなにか書きたかったんだ。面白いSSをありがとう。
GMの珪素さん、作業毎回お疲れ様です。できれば、大きな心で見守っていてくれよな。

DSSCC勝手に番外編、『十七人目の後日譚』
第一回「ノリで始めたけどこの後何も考えてない眠い」
終わり。第二回に続くよ。

12ぺんさん:2016/09/25(日) 12:44:08
>>8
いい忘れてたけど2万五千字くらい有るから本当に暇な人だけ読んでね。

137:2016/09/25(日) 19:27:10

≪七海・ザ・ラストドライバー≫

「で、できた……!」
七坂所有のガレージでそう呟いたのは七坂七海。
みんな知ってる七坂銃匠のCEOだ。
一体何ができたのか?それは彼女の目の前にあった。
それは……一台のトラックだった。
ただのトラックではない。全体的にピカピカ輝くトラック。デコトラだ。
その車体は七坂の秘密兵器七個を組み合わたモノである。
そもそも『七つの美徳』は単体で使うものではない。
合体して初めてその真の力を発揮するのだ!
そしてこのデコトラ『スーパーポールフリ』に備わった力はずばり『転生』
轢殺した相手を問答無用で異世界転生させる転生トラックなのだ!
「いくぜ野郎ども……転生の時間だ!」
七海はハンドルを握りしめ、エンジンに火をつけた。


住宅街。退職して暇を持て余した老人たちが昼間からふらついている。
その中の一人、大原吉蔵は、ゲートボールに精を出していた。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!公園のゲートを突破し突入!
「ぬうっ!『セイクリッドファイア』!!!」
吉蔵は全身に炎を纏い防御をかためる!
「ぎゃあー!」
轢殺!いくらなんでもトラックに轢かれたら死ぬ!
大原吉蔵はゲートボールの世界に転生した!よかったね!


病院。医者と病人がたくさんいる。ナースさんもいる。
その一室で、仙波透とその妹ヤスリが談笑している。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!病院の窓をぶちやぶり突入!
「うおお!『職人気質(しょくにんはだ)!!!』
透は妹を背にかばい防御姿勢を取る!
「「ぎゃあー!」」
轢殺!二人まとめて運動エネルギーの餌食だ!
仙波兄妹は医学の発達した世界へ転生した!病気も治る!よかったね!


どこだかわからない臭い所。全体的に汚く不快だ。
その片隅、トイレで踏ん張っているのは暗殺者ゴブリー。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!汚い壁をなぎ倒し突入!
「ゴブッ!ゴブブッ!?」
ゴブリーは大便中で見動きがとれない!
「ゴブブー!」
轢殺!中年ゴブリンは便所のシミになった!
ゴブリーは女装ゴブリンだらけの世界に転生した!よかったね!


つづく

14【訂正】七海→七美:2016/09/25(日) 22:01:50
つづき


神田古書店街。今日もダンジョン攻略者たちが死んでいる。
そんな中、元作家の黄連雀夢人はいつも通り店番をしていた。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!壁の本棚を踏み潰し突入!
「くっ!『ザントマン』!!!」
夢人は砂を操りトラックを止めようとする!
「ぎゃあー!」
轢殺!トラックは眠らない!
黄連雀夢人は夢の国に転生した!黒ネズミが笑っている!よかったね!


地下闘技場。多くの魔人ファイターがしのぎを削る戦場だ。
そしてその中心で戦うのは第一位の飯綱火誠也。筋肉がすごいぞ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!リングロープを引きちぎり突入!
「おうッ!『LIMIT UNLIMITED』!!!」
足腰を固定する代わりにパンチ力を強化し、トラックを殴り返す!
「ぎゃあー!」
轢殺!生身ではトラックに勝てるはずもない!
飯綱火誠也は天国に転生した!志津屋ちゃんに再開!よかったね!


聖ソレイユシャングリラ学園。聖と付いているがキリスト教は無関係。
その校舎内で、物部ミケは弁当を食べていた。当然ひとりぼっちだ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!非常階段を駆け上り突入!
「はあっ!『万物の主』!!!」
ミケはトラックに命を与え、止まるように命令する!
「ぎゃあー!」
轢殺!車は急に止まれない!
物部ミケはフレンドリーな国に転生した!友達たくさん!よかったね!


ろりいた庵。多くの幼女が己の幼女を磨いている。
彼女たちを指導する幼女、長鳴ありすはココアシガレットを齧っていた。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!キラキラした見た目が幼女に人気で突入!
「うりゃあっ!『幼女闘気』!!!」
ありすは両手を回転させる。幼女拳ばいばいの型:まわしうけだ!
「ぎゃあー!」
轢殺!幼女は小さく高い運転席からは死角だ!
長鳴ありすは幼女の世界に転生した!みんな幼女だ!よかったね!


つづく

15ぺんさん:2016/09/27(火) 09:18:17
ダンゲロスSSC2勝手に幕間SS
『十七人目の後日譚』第二回「祭りの空気に当てられると人ってちょっと変になるよね」の巻。

ぷよ〜ぴ〜ぽよ〜♪ぴ〜ぶよ〜ぴ〜♪
お星様がキラキラときらめく夜空の中。境内に備え付けられたスピーカーの中から、笛の音が鳴り響いています。
その下では、神社に向かう一番大きな道を挟むように、沢山の出店が並んでいます。
星の光に負けないくらい眩い、赤や青、緑などの様々な色の提灯さんが、お店たちを照らしていました。
地方都市のお祭りではありますが、お祭りに対する熱量は非常に高いようでした。
何時もは白い髪で目立ちっぱなしのデミちゃんも、その熱気に紛れて、ここではあんまり目立ちません。
ただ、それとは違う問題が、デミちゃん達を襲っていました。

「うおおお〜!にぎやかなのじゃ〜!賑やかすぎて、身動きが取れないのじゃ〜!」
神社の大鳥居の前。発せられたデミちゃんの叫びは、人々の喧騒に紛れて空に消えていってしまいます。
世界でもとんでも人口密度を誇る日本のお祭り。地方とは言え、その人混みは凄まじいものです。戦場もかくやという圧力の前に、デミちゃんは立ちすくんでいたのでした。
「いくらなんでも人多すぎじゃろう!本当にこの中を進めるのか、師匠よ!」
デミちゃんは、隣りにいる師匠に話しかけました。その声は何時もより興奮気味で、お祭りでテンションが上っているのがわかりました。

「なんの。この位、日本人には日常茶飯事だ。中央線とかもっと酷いぞ。入ってみれば意外と、なんとかなるものだ。」
対して師匠は落ち着いた様子で答えます。いつもの適当な姿とは違い、今は浴衣を着ています。
暗い色に、天の川をイメージしているのでしょうか。その浴衣には一本の白い線が入り、桃や水、黄色などの、明るい色の点々が散りばめられていました。
髪は後ろ手に一本にまとめられていて、師匠の落ち着いた雰囲気が更に増しているようでした。

「ううー、この姿にも慣れておらんし、やはり不安じゃのう。もうちょっと裾を広くできんのかな?」
デミちゃんが不安そうに服をつまんで、ちょいと裾を持ち上げました。
彼女も、今は浴衣に身を包んでいます。白を基調に、赤い、大きな蓮華の模様がプリントされたものです。その姿を見て、師匠はうんうんとうなずきました。
「何を言う。その、少し不自由なのがいいんじゃないか。何時もとは違うぎこちないデミちゃん。それを導く私。しかし、横を見るとついつい、襟から覗くうなじや、裾の間からちらりと見える足首に目を取られてしまう。顔を赤くする私だが、デミちゃんは祭りの出し物に夢中で、その様子には気づかない。その無防備な姿にますます私はやられてしまう……うむ、祭りに来た甲斐があるというものだな。」
「祭りを楽しむには浴衣を着ねばとか言っていたが、この姿が見たかっただけじゃな師匠!?まあ、喜んでくれるなら満更でもないが……。」
「私がより楽しむためだ。しかし確かに、この人混みは凄いな。はぐれぬように、手を繋いでおこう。」
「うーむ正直。変わったのはいいが、変わり過ぎというかなんというか……。ま、いいか。しっかり頼むぞ。この中で一度離れたら、もう会えなさそうじゃからな……。」

16ぺんさん:2016/09/27(火) 09:19:17

それから、師匠の先導を受けて、デミちゃんはお店を回りました。
これでも、デミちゃんは魔王です。射的や輪投げに挑戦すれば、お店の人は悲鳴を、見物人は歓声を上げる程の活躍を見せました。
金魚すくいも楽しそうでしたが、デミちゃんたちは旅行の途中。飼えないものを貰うことは出来ません。金魚屋の親父はほっと息をつきました。
わたあめやリンゴ飴、飴細工なども、デミちゃんの興味を大きく引きました。串焼きや焼きそばも、こういったところで食べればまた違った味に感じます。
祭りの熱気に当てられたこともあり、その両手はお祭り料理で直ぐにいっぱいになりました。手を離されて、師匠はちょっと残念そうでした。
大方のお店を回り、二人は人混みを離れた茂みの方に移動します。笛の音と提灯の明かりが遠くなり、夜らしい静けさが少しだけ戻ってきました。

「もぐもぐもぐもぐ。そう言えば師匠は、あんまり食べないのう。お腹が減っておらんのか?」
デミちゃんが先程買った、三連チョコバナナを頬張りながら言いました。大量に食事を買い込むデミちゃんに比べて、師匠が口に運ぶのは飲み物ばかり。お食事を殆ど取っていませんでした。
「ほら、これとかどうじゃ?ロシアングレーターたい焼き!このプックリ膨らんだお腹の中に何が入っているかは、食べてみなければわからない……。お祭りの楽しい雰囲気にピッタリの遊び心溢れる一品じゃぞ!」
お店の人の説明をそのまま繰り返し、料理を勧めてくるデミちゃん。しかし、師匠はそれを断ります。
「いや、大丈夫だ。実は、私がこの祭りに来たのは、楽しむだけではない。もう一つ、目的があってな。その準備をしているのだ。」
「準備?」
もぐもぐと、たい焼きを口に含むデミちゃん。中身は酸っぱい系の何かだったようで、その顔がきゅーっと縮みます。

「ああ。人の動きが変わった。そろそろかな。」
師匠は出店の立ち並ぶ参道から、本堂の方に目を移しました。たしかに、そちらの方に人が集まっているような気がします。
デミちゃんたちも、そちらに向けて移動しました。
そこでは、一風変わった光景が広がっていました。普段はお賽銭箱が置いてある場所には、替わりにひな壇が設置されています。
ひな壇の上には机が置いてあり、男女様々な人がその机と向かい合っています。

その横ののぼりには、
『壇下喪神社主催・チキチキ!早食い大会!』
という文字が書かれていました。

早食い大会、テレビでは何度か見たことがありましたが、直接は初めてです。なるほど、師匠はこれが見たかったのか。と、デミちゃんは合点しました。
しかし、師匠は見物人たちから離れて、司会の人に向かっていきます。そして、意外な言葉を口にしました。
「エントリーナンバー7番、一花だ。こちらはセコンドのデミちゃん。受付を頼みたい。よろしいかな。」
司会の人は親切に、受付はあちらだよ、と言ってくれました。恥ずかしそうに頭を下げてから、師匠は受付の人に改めて同じことを言いました。
「えっ師匠フードファイトに出るの!?この前まで病人じゃったのに正気か!?」
声を荒げるデミちゃんを、師匠は涼しい顔で受け流します。

「大丈夫だ。医者の許可は取ってある。私は正気だ。本気で、この大会で優勝するつもりで居る。」
そう言って、師匠は壇上を眺めました。その目線は、武人としての鋭さが含まれていました。
「私は気づいたのだ。ずっと最強について考えていた。剣を磨き、あらゆる戦いで勝てるようになれば、それが最強だと思っていた。だが、それは間違いだったのだ。
あらゆる戦いと言っておきながら、私は命のやり取りにしか目を向けてはいなかった。他にも多種多様な戦いがあるというのに、剣だけにしか考えが及んでいなかった。自分は世間知らずの餓鬼だったと……。
だからフードファイターになろうと思ったのだ。これまでとは違う戦場においても勝利できる。それが最強だと。そして私は、自分が最強だと示したいのだ。」
「いやそれどこかで見たことある思考ですよ師匠!そんなことはないですし二番煎じですよそれ!」
デミちゃんは止めますが、そう告げる師匠の目は、真剣そのものでした。
師匠は変わりました。ですが、今回はちょっと変わらないほうが良かったかもしれないな。と、デミちゃんは思いました。

17ぺんさん:2016/09/27(火) 09:19:59

受付を終え、師匠はひな壇に登り、他の選手の登場を待ちました。デミちゃんは観客に紛れ、その姿を見守ることにしました。
途中、テンションの上がりすぎた観客が選手たちをぶっ殺そうとする事件がありましたが、司会の人の働きでそれは事前に防がれました。
デミちゃんにとってはそれよりも、その直後に入ってきた飛び入り選手のほうが気にかかりました。身のこなしから、普通の人間ではないように思えました。
「ふむ、あの男……。どうやら、他の物とは発する空気が違うな……。なかなか手強そうだ。これは楽しくなってきたぞ。」
師匠もその人のことが気にかかるようです。といっても、大食い方面の興味のようですが。

飛び入り選手は四番目の席に座りました。その視線は観客の中にいる、一人の女の子に注がれているようでした。
どうやら、必死な様子は彼女と関わりがあるようです。師匠もそれに気づき、デミちゃんに視線を送ってきます。
仕方がないのでがんばれーと声援を飛ばすと、師匠は非常に満足げな表情をしました。師匠の闘志が燃え上がっていくのを感じます。
やがてすべての選手が壇上に登りました。観客のボルテージも上がります。司会の前説の後、ついに戦いの火蓋が切って落とされました。

もぐもぐもぐもぐ!もぐもぐもぐもぐ!
参加者が一斉に、運ばれてきた特性オイスター丼に食いつきます。師匠も大きな口を開けて、ガツガツと丼を流し込みました。直ぐにおかわりを要求し、次の丼に取り掛かります。
それと比べると、飛び入りの男のペースはゆっくりでした。一口の大きさは控えめに、しっかりと咀嚼してから飲み込んでいます。
師匠はそれを見て勝利を確信しました。やると思ったのは気のせいだったか、これでは勝負にもならないと。彼女はデミちゃんに余裕の笑みを見せつけながら、三杯目に手を付けました。
しかし、それは間違いだったのです。勝負は始まったばかりでした。この後、早食い勝負とは敵ではなく自分との戦いであると、彼女は思い知らされることになるのでした。

一時間後、壇上には、空のどんぶりを高らかに掲げる、飛び入り選手の姿がありました。右手にはお箸が握られ、口周りには米粒が沢山付いていましたが、その姿はなお勇壮でした。
師匠は、椅子にもたれ掛かるようにして空をみあげていました。その顔は殆ど蒼白で、もーむり、もうくえないなどの呟きが彼女の口から漏れていました。
彼女は負けたのです。他のフードファイターたちとの苛烈な早食い競争を制し、今年のチャンピオンになったのは、飛び入り参加の男でした。
司会の人が彼を褒めたたえ、観衆が大歓声をもって応えます。彼を応援していた娘さんも、どうやら涙ぐんでいるようでした。
チャンピオンは、それを見て顔を綻ばせていました。その表情は、誇らしさと、彼の中にある幸福感から作られたものに見えました。

師匠が、係の人に運ばれて、舞台の上から降りてきました。浴衣の上から見てわかるほど、そのお腹はぽっこり膨らんでいました。チャンピオンとは反対に、その顔には苦い表情が浮かんでいます。
「くっ……無念だ……!調子に乗って最初に飛ばしすぎた。あの男のように後々を考えてペースを抑えていれば、失速することはなかったと言うのに……。なんと情けない幕切れだ……。」
「な、情けなくなど無いぞ!師匠の食べっぷりもすごかったのじゃ!あの男が強すぎた……ただそれだけなのじゃ!顔をあげるのじゃ!」
落ち込む師匠を、必死にデミちゃんが励まします。そのかいあって、師匠はほんの少し元気を取り戻したようでした。

18ぺんさん:2016/09/27(火) 09:21:09

舞台の方では、まだ司会の人が何かを言っています。そして、
「…………前年度チャンピオンとの、早食い一騎打ちだあああああああああああああああああ!!!!!!」
の一言をきっかけに、観客から一際大きな歓声が上がりました。どうやら、今決まったチャンピオンと、前年度のチャンピオンがぶつかり合うようです。この盛り上がりも納得でした。
その時、師匠の携帯がぶぶーっと成りました。それは、C2バトル生中継開始のお知らせでした。対戦カードは、蟹原和泉VS傀洞グロット。グロット君は、今まさにチャンピオンとなった男のことでした。
「なんと、あのチャンピオンはC2バトルの参加者じゃったのか!しかしこれでは居場所はバレバレ、奇襲され放題じゃぞ!」
「いや、待てデミちゃん。その心配はないかもしれん。なにせ、この蟹原の方も……。」
師匠の言葉が、観客の歓声でかき消されます。
舞台を見ると、グロット君も、覚悟を決めたようでした。C2バトルより、早食いを優先するようです。さすがチャンピオンとなった男、その度胸も一級品です。

「それでは、前年度チャンピオンの入場です!」

司会さんが叫びました。グロット君の瞳の中で、闘志の炎が揺らめいているのが見えました。

「彼女の名は…………蟹原和泉だアアアアアアアアア!!!!」
「なにいいいイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!??」

司会さんの告げた名前を聞いて、デミちゃんは大層驚きました。なんと、C2バトル参加者の二人がフードファイターだったとは!
グロット君も知らなかったようで、彼の落ち着いた様子からは予想も付かないような、大声を上げて驚いています。
「やはり!蟹原和泉、前年度の早食い大会でぶっちぎりの大記録を立てて優勝したフードファイターだ!引退したと聞いていたが、まさかこんな形で出てくるとは……!なんて粋な計らいだ!」
事前に調べていたのか、師匠は彼女のことを知っているようでした。自分のお腹の調子を忘れて、息を弾ませて興奮しています。
そして、師匠やデミちゃん、観客の視線が集まる中、前年度チャンピオン、蟹原和泉さんが姿を表しました。

それから繰り広げられた戦いは、観客達の想像を絶する者でした。
このイベントのために作られた超特製・ジャイアントドラゴンステーキ丼。一つ1kgは越えようかというそれを、グロット君は11杯もの数平らげたのです。
事前にオイスター丼を食べていたことを考えれば、その食べっぷりは人間の到達限界を超えているのではないかとすら思えました。
しかし、前年度チャンピオン、蟹原和泉はそれを超えていました。
女性らしい体からは想像もできませんが、彼女は恐るべき超特製・ジャイアントドラゴンステーキ丼15杯をグロットくんを上回るペースでもぐもぐしたのです。
更にその後も彼女は出店に赴き、出店料理をもぐもぐしていきました。あれだけの勝負を繰り広げておきながら、彼女にはまだ余力があったのです。
その姿はまさに、食の女神と言うべきものでした。あまりの食べっぷりに、観客も、そして参加者も、涙を流してそれを見ていました。

19ぺんさん:2016/09/27(火) 09:22:04

C2バトルの中継も終わっていました。どうやら、今のフードファイトで、二人の勝負は成されたと判断されたようです。
「私は、間違っていなかった……。間違っていなかったな、デミちゃん……。」
「え、えーっと、何がでしょう、師匠。」
師匠もまた、二人の勝負を見て涙を流していました。泣きながら、デミちゃんに向かって語りかけてきました。
「やはり剣や格闘……単純な戦闘力だけで最強が決まるのではないのだ……。フードファイターになろうとした私は、間違っていなかったんだ……。C2バトルもそれを認めている。
そうだ、私はこの戦いを見て確信した!最強は、剣や拳などではない……。最強は、フードファイターだったんだ!」
「え、ええー……。いや、せやな……。そうかもしれぬな……。」
強く言い切る師匠の言葉を、デミちゃんは否定することが出来ませんでした。

「こうしてはおれん。総チャンピオンである蟹原さんが食べているのだ。私ももっと食べて精進せねば。いくぞデミちゃん。」
「いやいやいや、今は休んだほうがいいじゃろ。まだお腹膨らんどるし……。その状態で食べたら色々と大変なことに……ってあー!」
涙を拭い、師匠はデミちゃんの手を引いて、出店に向かいました。
このあと食べすぎた師匠が乙女にあるまじき失態を犯したりするのですが、彼女の名誉もありますし、割愛することとします。

師匠に手を引かれ、強引に連れて行かれるデミちゃん。その視界の横に、娘さんに支えられ、神社の裏へと消えていく、グロット君の姿が写りました。

第二回「祭りの空気に当てられると人ってちょっと変になるよね」の巻、終わり。
第三回に続くよ。

20≪七美・ザ・ラストドライバー≫:2016/09/30(金) 22:04:25
つづき


レストラン。昼間だが平日なので客は少なめだ。
その一席にて料理を食べて食べて食べまくっているのは蟹原和泉。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!レジごと扉を踏み潰し突入!
「もぐもぐ、もぐもぐ」
和泉は食べるのに夢中で気づいていない!
「もぐもー!」
轢殺!バラバラに吹っ飛んだ!ミンチよりひでぇよ!
蟹原和泉はお菓子の国に転生した!食べ放題だ!よかったね!


パン屋。今日はまだ開店前だ。
その厨房にて、傀洞グロットは少女と共にパンを焼いていた。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!コンクリート壁を削りつつ裏口から突入!
「とうっ!『凡百の尖兵』!!!」
グロットは人造人間を出現させた!肉壁だ!
「「「「「ぎゃあー!」」」」」
轢殺!トラックの前では何人いようが同じだ!
傀洞グロットと娘と他は理想都市へ転生した!強制送還!よかったね!


薔薇園。バラとかユリとかタンポポとかの花が咲き乱れている。
その中央で乳繰り合っているのはアリア・B・ラッドノートと巡夜未来。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!花など見えぬとばかりに突入!
「アリア様ーーー!!!」
未来はアリアを抱えて飛びのいた!回避だ!
「「ぎゃあー!」」
轢殺!転生トラックから逃げることなど不可能!
アリア以下略とその下僕は地下帝国に転生した!日光皆無!よかったね!


三叉路。深夜なので人影はなくとても静かだ。
しかし、ナインオーガはそこに居た。三叉路以外に居る方が不自然だ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!珍しく道路上を突入!
「テンセイ、トラック、カ?」
ナインオーガは律儀に尋ねる!ルールを守る、都市伝説の悲しい性だ!
「ギャアー!」
轢殺!オレの返事はこのタイヤだ!
ナインオーガは地獄へ転生した!化け物仲間がいっぱい!よかったね!


つづく

21≪七美・ザ・ラストドライバー≫:2016/09/30(金) 22:47:25
つづき


おふろやさん。やましいところはないよ。
その一室で芹臼ぬん子は半泣きだった。あと数分で初仕事なのだ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!お客のおじさんと夕張メロスを轢きながら突入!
「おわーっ!『カロリー☆メイク』!!!」
ぬん子はおふろの湯の熱を分厚い脂肪に変えて防御!
「「「ぎゃあー!」」」
轢殺!脂でタイヤが滑ってスピードアップだ!
ぬん子、おじさん、メロスはエロゲ世界へ転生した!合法!よかったね!


河原。殴り愛スポットとして有名なここだが今日は人が少ない。
鮎阪千夜はぼんやりしていた。姉との殴り愛メモリーに浸っていたのだ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!川底から浮上し突撃!
「きゃあっ!『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』!!!」
千夜はなにやら話し始めた!
「ぎゃあー!」
轢殺!なんだかよく分からんが轢けば同じだ!
鮎阪千夜はタイムシフターに転生した!よかったね!


市街地でも有数の超高層ビル。全長はずごい高いし家賃もすごい高い。
その最上階でワイングラスを傾けるのは量橋叶。自室なので裸婦な恰好だ。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!驚異の科学力で空を飛んで突入!
「はあっ!『逆巻く星占い(ホロスコープ)!!!』
叶は自らの身体に能力をかける!これで死んでもすぐ元通りだ!
「ぎゃあー!」
轢殺!一回轢けば転生するんだから関係ないよね!
量橋叶は正直者の国に転生した!みんな隠し事をしないぞ!よかったね!


裏路地。暗く汚く敗北者にはお似合いの場所だ。
そこで倒れ伏すのは五色那由他。無理がたたって死にかけている。
その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!大きさ的に路地に入れるわけはないが突入!
「うおお!俺は最強だ!」
那由他は自己暗示によって力を引き出す!今の彼は最強!
「ぎゃあー!」
轢殺!トラックの方が強い!
五色那由他は芋虫しかいない世界に転生した!これで最強だ!よかったね!


つづく

22ぺんさん:2016/10/01(土) 17:16:03
ダンゲロスSSC2勝手に幕間SS
『十七人目の後日譚』第三回「偶像のあり方を見るとムハなんちゃらさんは意外と間違ってなかったと思えてくるよね」の巻

三重県立博物館。
他ではお目にかかれ無い珍しい品も多いのに、立地の問題や田舎ということもあり、中々来場者数に恵まれない悲しい定めのもとに生まれてきた博物館です。
しかし、今日は違います。普段はご老人が一人二人、ぽろぽろ見えるだけの通路には、人がぎっしり。
その列はイベントホールまで続いており、まだ催しが始まったばかりだと言うのに、席は満員です。
それもそのはず。今日ここに呼ばれているのは、一時期一発ネタで売れたけど今はテレビで、あの人は今!コーナーで追われる立場の芸人さんなどではありません。
デビューしたてほやほや。今まさに大御所芸能人への階段を登ろうとしている、まさに旬の人、アイドルゴブリーさんなのですから!

そのご本人がステージに上り、挨拶をすると、ドワーー!っと観客も歓声をあげます。
ゴブリーが俺を見た!いや俺だ!なんてラブリーな日だ!様々な声があちこちから聞こえてきます。
そこに、師匠とデミちゃん達もお邪魔していました。白い目で歓声を聞くデミちゃんを尻目に(尻だけに)、師匠は皆と同じように声を上げています。
「ウオー!LOVE!ゴーブリー!ほら、デミちゃんも!サイリウムを振るんだ!刀を振るのと同じだと思えばいい!さあ速く!」
「お〜……LOVEゴ〜ブリ〜。イエー。」
師匠に押されて、力なくサイリウムを振るデミちゃん。乗り気ではありませんが、ハッピを着て鉢巻まで巻いた師匠の迫力には勝てません。
何故こんなことになったのか。デミちゃんは虚ろな目で、数日前のことを思い出します。

それは旅行の途中、デミちゃんがこちらの世界の音楽に興味を示し、たまたま音楽店に寄った時の事でした。
師匠のおすすめが聞きたいなあと思っていたデミちゃんですが、なんと師匠も音楽についてはてんでド素人だといいます。
丁度いいということで、二人は初めてCDと言うものに手を出してみました。
デミちゃんはこの時とてもはしゃいでいましたが、今思うと師匠の様子もいつもよりテンション高めだった気がしてきます。
邦楽、洋楽、様々な音楽を二人で聞く内に、デミちゃんは段々と昔の人々の曲のほうが好みだなあと思い始めていました。
逆に、師匠は最近の、特にモー娘。とか(これはちょっと古いか。ゴメンね。僕も音楽には詳しくないんだ。)、きゃりーなんちゃらとか、AKBとか、
最近のポップでキュートな若い子が好みそうな音楽に傾倒していきました。そういえば、師匠はまだ26歳で、ギリギリ若いといえないこともない年齢です。
実年齢100を超えるデミちゃんとは好みが分かれるのは必然だったのかもしれません。その内、お店の中で二人は別々のコーナーに離れる様に成りました。

師匠はドンドンとアイドル物に嵌っていき、ついにはアイドル特選コーナーに入り浸るように成りました。
事件はそこで起きました。熱心にアイドル物を漁る師匠に、店員さんが最新アイドルソングを勧めたのです。
そしてそれが、今舞台に立っている新進気鋭のセクシーアイドル、ゴブリーの曲でした。
曲を聞き、MVを見て、師匠は雷に打たれたような衝撃を受けました。
それまで軽く聞いてきたアイドルたちの曲とは一線を画す、クレイジーな歌詞。自分の体を過剰なまでにアピールしていく超セクシー路線。
それを受けて、すっかり師匠はアイドルゴブリーの魅力に目覚めてしまいました。
多分、素人が念能力者に殴られて念に目覚めるようなものでしょう。かわいそうですね。

23ぺんさん:2016/10/01(土) 17:17:07

ともあれそんなことがあり、今やこうしてライブにまで足を運ぶようになってしまいました。
デミちゃんは、すっかりキャラの変わってしまった師匠を見て、とても悲しい気持ちで一杯でした。
でも、こうして楽しそうにしている師匠を見ると、同時に嬉しい気持ちにもなります。
師匠はずっと剣のことばかり考えてきた、と言っていました。これは他の子達が当たり前のように過ごしてきた青春を、今果たしているようにも思えたからです。

「ゴッブゴブ〜〜〜!さあみんな行くゴブよ〜さあ一緒に! O!」

「オーゥ!」

「K!」

「毛ェー!」

「2!」

「ツゥー!」

コールに合わせて、アイドルゴブリーが尻文字を書きます。観客は更に盛り上がります。勿論師匠もです。

「うわ〜!見たかデミちゃん!いくらなんでも過激すぎだ!だがそれがいい!ある種女を捨てていると言ってもいい、それでも人気を取りに行く、そんな気概が私は気に入ったのだ!」
女を捨てているどころか、実際には最初から女ではないのですが、純真無垢な師匠はそのことにも気づきません。
「お、おう……そうか、良かったな師匠よ……。」
「うむ!CDも買うぞ!70枚は買うぞ!物販に残っているといいが……!」
「お、おう……。しかし70枚は多くないかの……?そんなすり減るまで聞かないし……一枚でいいのではないかの……?」
それにしてもちょっと冷静さを失い過ぎかな、やっぱり嬉しさより悲しさのほうが上回ってるな……。
デミちゃんがそんなことを思っていると、司会のあゆみちゃんが今回の企画の本命、オーガーさんについての説明を読み上げました。
C2バトルにも参加しているという、生きた伝説です。すごいぜ。

アイドルゴブリーさんは負けないぞー!とかわいく宣言し、観客の頬も思わずほころびます。
心なしか、アイドルゴブリーさんの笑顔も一層輝いて見えます。その時でした。博物館の壁がぼこーん!という音と共に割れ、一つの影が現れたのは。
うわーなんだなんだ!賃貸設計!隕石落下!ハルマゲドン!そんな声を上げて混乱する観客を割れ、その姿が見えました。
それは今まさにアイドルゴブリーさんが探しに行こうとしていた、ナインオーガさんその人ではありませんか!
突然の事態に、観客たちは口をつぐまざるを得ません。師匠もデミちゃんもなんじゃらほいという表情をしています。

24ぺんさん:2016/10/01(土) 17:17:48

「いっやぁ〜〜〜ん。探していたダーリンが自分からやって来たゴブ。さあ、なら一緒に踊っ……」
沈黙を破ったのは、アイドルゴブリーさんでした。しかし、最後までいい切る前に、木刀が飛来してそれを遮ります。
驚きの声を上げるアイドルゴブリーさん。オーガーさんもリングの上に登り、開戦のゴングが鳴りました。
それと同時に、マナーモードだったデミちゃんの携帯にお知らせが届きます。
それはC2バトル開幕のお知らせでした。表示された名前は、ゴブリーVSナインオーガーさん。そこで流れる映像は、目の前で今まさに起こっているものと同じものでした。
画面を見て、デミちゃんの顔から血の気が引いていきます。

「おいデミちゃん、何を携帯なんて見ているんだ!リングを見るんだ、リングを。アイドルと怪人の戦いなんて、そうそう見れるものではない……。見逃したら勿体無いぞ!」
サイリウムを振ってアイドルゴブリーさんを応援する師匠。しかしデミちゃんはそれどころではありません。
「いや、こっち見てください師匠!C2バトルに表示されている名前、ゴブリーですよ!あのアイドルは師匠の言っていた、あのゴブリーですよ!目を覚ましてください師匠!」
ゴブリーについて、デミちゃんは師匠から聞いていました。世界一有名な、尻で戦うメタボ暗殺者。師匠も一応設定的には暗殺者に入るので、同業者には詳しいのです。
そう、デミちゃんは異界出身なのでこの世界の実力者には詳しくない……そこをカバーするためにも師匠を設置したのです。
本戦に参加できていれば、こういった師匠の人脈的なのも色々使ってSSを書きたかった……!もはやそれも叶わぬ夢、幕間SSでこうして便利に使われるに留まる設定です。

それはそれとして。ゴブリーは今大会に参加した時は女性の姿で、カードを奪って参加したのだと言っていました。二人は、一回戦の戦いで、それが女装したゴブリーだと見抜いていたのです。
そして、今思えばアイドルゴブリーさんもゴブリー(女装)ととても似ている気がします。身分を偽装して、アイドルに転身していたのかもしれません。
もしそうだとしたら、これから繰り広げられる戦いはとてつもなくお下劣なものになる……一回戦のゴブリーの試合を見て、デミちゃんはそう確信していました。
師匠の目にそれを見せぬために、デミちゃんは必死で説明し、師匠を退去させようとします。しかし、師匠は
「アイドルゴブリーさんがあのゴブリーだと!?何を馬鹿な!いくらデミちゃんでも怒るぞ。確かに顔立ちは似ているし、尻を強調している所など共通点は有るが、あのゴブリーとこの綺羅びやかなアイドルゴブリーさんが同一人物なわけ無いだろう!ぷんぷん!」
と、聞く耳を持ってくれません。

「いや自分でも共通点認めておるじゃないか師匠!それにもう一回名前言って!アイドルゴブリーってゴブリーさんに形容詞付けただけじゃから!偽装にもなっておらんから!C2カードにもそう書いてあるから!目を覚ますのじゃ師匠!」
「ちがう!アイドルゴブリーさんはゴブリーなんかじゃない!C2バトルに参加しているとして、それがなんだ!むしろいいことだろう、最強はアイドル!アイドルこそが最強なのだ!私はそれを応援する!」
デミちゃんも応戦しますが、師匠は応援するの一点張りです。このままでは師匠のアイドルへの憧れが最悪な形で破壊されてしまう!
もはや手段は選んでいられません。デミちゃんは剣を抜いて、師匠の頭を思いっきりぶん殴りました。ちゃんと峰打ちです。峰打ちなら人はどうやっても死なないのは、ポケモンの技でも採用されるくらいの常識です。心配いりませんね。
「うわっ!何をするデミちゃん!気でも狂ったか!師匠に手を上げるとは!」
「うるさい!これも師匠を思ってのことじゃ!悪いが少し睡ってもらうのじゃ!」
師匠もさるもの、一撃では倒れず、剣を抜きました。銃刀法は七坂グループの圧力で改正されているので、剣くらいなら持ち運べるのです。こうして、デミちゃんと師匠の悲しい戦いが始まりました。

25ぺんさん:2016/10/01(土) 17:19:04

「剣を教えたのは私だぞー!それに私はとても強い!勝てると思っているのかデミちゃん!」
「なんのー!剣で負けておっても、私には能力があるのじゃー!残基性がなんじゃー!気絶させれば関係ないわー!」
がきんがきーん!観客席で、剣がぶつかりあいます。幸いナインオーガーさんのお陰で混乱が置きているので、大した騒ぎにはなりません。思う存分やりあえます。
当初は師匠が押していた剣のやり取り。しかし、段々と師匠の動きが悪くなっていきます。ハッピを着ているおかげで動きがぎこちないのです。
更に、デミちゃんの能力もありました。剣は伸び縮みするし、紐状に変形させた指輪を起用に動かして、動きを補助したり、師匠の剣を防御したりします。

そう、プロローグでは弱かったデミちゃん。剣では敵わないデミちゃんも、実は能力込みなら師匠に勝てるとか、そういうのを考えていたのです。
それと自分の体にはずっと触れてるから、自分の体だって操作できる……傷も治せるのでは……?やべえ強い!流石俺のデミちゃんだぜ!とか、色々と応用も考えていました。
二回戦とか三回戦くらいで師匠に死んでもらって、そのことに言及するつもりでした。色々プランがあったのです。この策も机上の空論のまま、永遠に使われることはありません。かなしいね。
そういった訳で、しばらくすると師匠は追い詰められてしまいました。ゴブリーとナインオーガーさんの方も、今まさにジャッ尻メント・ペナルティが放たれ、決着が付きそうになっています。
「何故だデミちゃん……!そういえば、最近アイドルばかり見てデミちゃんをないがしろにしていた。もしかしてその事に嫉妬しているのか……?なら謝る!今度からしっかり構う!だから今回だけ、今回だけは見逃してくれ!ガチャを回させてくれ!」
「聞かぬぞ!今回が最後と言いながら、毎月星五サーヴァントを引くまで回しているツイッター民をわしは何人も見てきたのじゃ!それにこれは師匠の夢を守るため……さらばじゃ師匠ー!」
「ぬ、ぬあーっ!」

綺麗な面が頭に突き刺さり、今度こそ師匠は気を失いました。直後にリングの方の戦いも終わります。ギリギリ間に合った、危ない所だった……。
「長く苦しい戦いじゃった……。さあ、速く退去せねば。うっ、意外と師匠重いのう……最近ご飯むしゃむしゃ食べておったから、そのせいかな……。」
師匠を担いで、博物館を後にしようとするデミちゃん。しかし、それは間違った選択でした。彼女は師匠を倒した後、すぐさま自分の頭を強打して、同じく気絶するべきだったのです。
「あの、退いてくれなのじゃー。怪我人なのじゃー。おーい、どいとくれー。」
盛り上がりきった観客は、デミちゃんたちのことなど見えていません。だから戦いが邪魔されなかったのですが、そのせいで今度は外に出るのが困難になってしまったのです。
その間にも、C2バトルは進んでいきます。ゴブリーの尻にクッキー棒が突き刺さり、ゴブリーが倒れ、ケリを叩き込まれ……。
やっぱり酷い戦いになったなあと、デミちゃんは嫌悪感で顔を歪ませます。ちょっと吐き気もしてきました。
そして、もたもたしている間に、遂にその時がやってきました。デミちゃんはその程度の嫌悪感、まだシャブ……じゃない。ジャブだったことを知るのです。

「ああーっ!悶える!悶えるゴブリー!これはどういうことだ?アイドルゆえのサービスか?いやそれにしては些か刺激の度が過ぎてないか〜〜〜〜!?」
実況さんが声を上げます。それを聞いて、観客もざわざわと、様子を変えていきます。
「な、なんじゃ?なにがどうなっておるのじゃ?」
それに釣られて、デミちゃんもリングを見ます。見てしまいます。好奇心は猫をも殺すといいますが、どうやら魔王も死ぬようですね。ご愁傷さまです。
「あ、ああーーーー!!ゴブリーが!ゴブリーの体が……ゆ、緩んで、メタボ気味に!?こ、これは理解が追い付きません!」
ゴブ、ゴブーッ!っという声を上げながら、みるみるゴブリーの躰が変化していきます。
胸や尻に寄せていた肉が元ある場所に戻り、お腹はぼよぼよ顔のしたにもぼよぼよ、ついでに手足もぼよぼよ。ぼよぼよだらけの、尻に木刀を差し込まれた醜い中年ゴブリンの姿に!

26ぺんさん:2016/10/01(土) 17:19:38

「あ、あ……ああああ……!?」
あまりの事態に、デミちゃんも言葉をなくします。観客は勿論大激怒。
「ゴブぅぅ〜〜〜……あ!し、締まった、いやしまったゴブ!」
ゴブリーさんも慌てますが、ヤクでもうったのか、目は虚ろで身体ももとに戻りません。


「あ、あ……?」

「あれが……ゴブリー?俺たちの……?」

「バカな、そんな……俺達、騙されてたのか?」

「ふ、ふざけるなァアーーーー!!」

「ウォオオオーーー!!」

「ち、ちが、これは誤解ゴブ!ゴブは皆が大好きで、皆のためを思って……」

「何が大好きだボケェー!」

「お前なんかDIEだ!好きなんかじゃねえー!」

「ゴ、ゴブ〜〜〜〜〜〜!!」

とんでもない怒りの渦が、博物館を襲います。その熱気を恐れてか、博物館自体も振動しているように思えました。
そしてそのゴブリーの前に、ナインオーガーさんが立ちはだかりました。そして、最後通告を突きつけます。
ゴブリーはそれに、ノーと答えました。
ナインオーガーさんがゴブリーの穴にクッキー棒を根本までねじ込み、ゴブリーが喘ぎ声を上げました。その目は、完全にイッています。
「お……お……おお……おおおおお……。」
デミちゃんはもう限界でした。他の人達は騙された怒りが有ります。それを糧にして動くことも出来るでしょう。しかし彼女にそんなものはありません。
あるのは、目の前で、穴に長い棒を突っ込まれた五十のおっさんが、シャブを決めて色々と撒き散らしながら喘ぎ狂っているという、最悪の現実だけです。

「オ、オロ、オロロロロロロロロロロロロ!」
それから先のことを、デミちゃんはよく覚えていません。
とりあえず師匠にかからないように頑張ったことや、暴動に巻き込まれないようになんとか博物館を出たこと、
茫然自失となったデミちゃんを、目覚めた師匠が介抱してくれた事。それくらいの記憶しかありません。
それから、病室で横になるデミちゃんに、師匠は謝りながら言いました。
「すまないデミちゃん……。アイドルに心酔しすぎた私が馬鹿だった……。私、ゴブちゃんのファンやめるよ……!」
なにはともあれ、師匠を守れたようでよかったな。と、デミちゃんは思いましたとさ。

『十七人目の後日譚』第三回「偶像のあり方を見るとムハなんちゃらさんは意外と間違ってなかったかもしれないと思えてくるよね」の巻
おわり。第四回に続くよ。

27七坂七美:2016/10/02(日) 01:07:11
※※※極秘※※※

◆特別武装群:七つの美徳 詳細目録

・セブン
 純潔を司る第七の武装。
 優美なデザインの、肘までを覆う一対の黒手袋。開発責任は第七部/繊維技術開発管理部。
 指先から肘までのあらゆるダメージを無効化するという、シンプルにして並ぶものなき防御能力を持ち、七美を始め七坂グループ重鎮の誰もが認める最強の武装。
 七坂七美の参加した多くの戦闘で存在感を発揮したため、各所からの注文が殺到したが、材料や製法の問題でどうしても量産態勢が追いつかずに、C2バトル後においてもこれが一般販路で流通する事はなかった。有力なごく一部の支援者や各国国家元首などを相手の贈呈品として、一部(左胸部など)がセブンと同等の防御力を持つ衣服が贈呈されている。

 設定初稿では「あらゆる衝撃、圧力、温度変化云々を〜」という設定だったが、あまりキツくなると感覚そのものがなくなってしまいそうだし、科学力のある読者に妙なツッコまれ方をされそうだったので、こんな設定になった。作者の知能に合わせた便利性能。
 社会に密着しながら兵器販売を牛耳るグループが技術の粋を決して作り出した武装の中で最強なのがコレというのは、割と良い趣味だと思う。
 ちなみに、これが破壊される展開も想定していた。その場合の相手は物部ミケか仙波透。


・Argos/Lailaps
 叡智を司る第六の武装。
 中型犬程度のサイズの犬型ロボットと、それらを統括操作する超高性能AI。開発責任は第六部/機械技術開発管理部。作中で便利使いされた七坂ITも第六部の管理下に入っている。
 ありとあらゆる既存の監視網を統括して指示を与える、というウリのアルゴスだが、SS内で見せた対戦相手の衛星ハッキングはアルゴスの技能ではない。基本的には事前に入力された地形データや使用許可されたセキュリティデータ、それにライラプスから得られた情報を元に、与えられた命令の実現に最適な方法を考えるのみである。
 また、ライラプスの単価の安さの一因に、行動プログラムなどをアルゴスに丸投げしている、という点がある。つまりライラプス単体だとろくに動く事もできず、だからこそ第六武装は二つの存在が名を連ねているのである。ちなみに、アルゴスの価格は数百万円。
 SS内で見せたローラー作戦めいた捜索・戦闘には本来不向きで、本来想定される用途は特定エリアの巡回・警備。主要な客層は警察関係や美術館、博物館など。購入せずとも、七坂警備保障と契約を結べば比較的安価でレンタルする事も可能。ライラプスに電波中継機能があるためある程度フォローができるものの、基本的に電波の通じない地下空間などでの活動は苦手。
 後年、ライラプスの技術を転用した愛玩犬型ロボットが傘下会社から発売されたが、競合メーカーに比べると体格がいかつい、動作の可愛さが欠けるなどの理由で業績は振るわなかった。

 アドリブで作った武装のひとつ。ただしアルゴスとライラプスの存在は知識として知っていた。作者は犬好き。


・武甕鎚(タケミカヅチ)
 勇気を司る第三の武装。
 片手持ちの小型ハンマー型。開発責任は第三部/電波工学技術開発管理部。従来は刀剣開発管理部という名で、白兵戦武器全般を扱っていたのだが、明治初期の廃刀令発布で仕事がなくなると焦った当時の第三部長が当主に強訴し、このような部門名および部門内容となった。現在は主に警察を相手に、警棒や通信機などを卸している。
 マイクロ波を放出しつつ打撃を放つ事で、単純な破壊力を増大しつつ、命中対象に電気的な攻撃を放つ事が可能。一般的な生物であれば気絶ないしは鈍化するし、機械であれば動作不良を起こすという、コンパクトながら手堅い作りである。
 基盤となるマイクロ波技術の武装転用は第一部と第三部の共同研究である。第三部は消極的な七美派であり、第一部と強い関係があった訳ではないが、現部長の社交的な性格により頑固な第一部部長から協力を取り付けたという経緯がある。
 ちなみに、特別武装群の発表会議の際に「ハンマーではなく警棒状の方が良いのではないか」という指摘をCEOから受けたが、現部長は「タケミカヅチなんだから鎚じゃなければダメに決まっているだろう」と強固に主張し、この形状を守り抜いた。CEOは最後まで怪訝な様子だったという。

 対戦相手に作ってもらった武装。ザ・特殊武装という感じでとても使い勝手が良さそう。雷属性の神器はハンマー。当然だね?

28七坂七美:2016/10/02(日) 01:07:52
・ポールフリ2
 寛容を司る第二の武装。
 2メートルほどの高さの特殊車両。駆動部はタイヤでなく六脚、上部は透明のドームで覆われている、など、20世紀SFの個人宇宙船めいたビジュアル。開発は第二部/移送技術開発管理部。七坂警備保障も第二部の傘下。
 あらゆる地形に適応し、簡単な作業(含戦闘)までこなす、まさしく万能の一台。七美が常用する電動車椅子、ポールフリも第二部の開発であり、作中では見せる事はなかったが、主輪の内側にローラー付きの補助脚がついており、悪路や段差などに対応している。
 C2バトル後、防災用、海底活動用、宇宙活動用など様々なカスタムパターンが開発され、高価さゆえに数こそ出回らなかったが、危険性の高い最前線を支え続けた。もちろん戦闘用も開発され、用途や個人の好みに応じて武装をカスタマイズできる形式は一定の好評を博し、これに着想を得たスポーツ競技は、21世紀終わりに主流となった搭乗型ロボットスポーツの先駆け的存在となった。

 アドリブで作った武装のひとつ。ポールフリの名称は婦人用の騎馬を意味するpalfreyから。ちなみに電動車椅子のポールフリもプロローグSSを書いてる最中に名前を設定しておけばなんかかっこいいかな程度のノリでアドリブ設定した物。使えたのでよかった。


・白金硬電装衣(ミスリルチェイン)
 忍耐を司る第五の武装。
 作中では描写されていないが、鎖のような形状のブレスレットに電源とケーブル接続口が付属している。開発責任は第六部/防具技術開発管理部。警察や軍用のボディアーマーやスポーツ用サポーターなどの販売を行っている。
 装備する事で特殊電流による防御膜を張り、隙間ない不可視の鎧を展開するデバイス。起動時間が弱点とされている割にポールフリ2を五分もカバーできるのは強いのでは、と思われるかもしれないが、これはポールフリ2の予備電源に接続した上での時間となる。
 いかんせん使用された戦闘においてはポールフリ2がひたすらに目立ち、防御性能という面ではセブンに後れを取っていたので、特別武装群の中ではもっとも不遇とされる。その後、性能低下と引き換えに価格の低下を目指すも販売に値する性能には至らず、ついぞこれ単品で世に出る事はなかったが、第三回戦の縁でポールフリ2系列の特殊車両の防御機能として採用された。

 アドリブで作った武装のひとつ。そもそも特殊電流による防御膜を張って硬度を得るという原理がずいぶんとぼんやりしており、いかにも慌てて作りました感があって、ちょっと恥ずかしい。

・レーヴァテイン
 慈愛を司る第四の武装。
 優美なデザインの(またか!)ロングソード。刃には奇妙な紋様が入っており、その紋様は特殊な固形の燃料で満たされている。開発責任は第四部/退魔技術開発管理部。七部署の中でもっとも小さいが、決して軽んじられる事なく、派閥争いにも与さない、特異な立ち位置にある部署。
 グリップに特定の握り方をする事で熱が発生し、その熱により燃料が発火。斬られる事で剣の燃料に触れると炎ごとそれが映り、傷口は燃え続け、多くの再生能力を防ぐ事ができる。
 この燃料は水に触れると化学反応により却って発熱する性質を持っており、時間経過や酸素遮断以外の対応方法は「燃料が付着した部分に触れないよう、付着部周辺を丸ごと削り取る」こと。ただ、傷が再生する事に慣れている者は傷が再生しないというだけで混乱に陥り、再生しない状態を脱するために更に傷を負う、という選択肢を取る事も難しい……という風に、再生能力を持つ者を傷つける事に関しては偏執的なまでに悪辣な一振りになっている。

 対アリア用に作った武装。本来は未来と戦う際に用いられ、その時はアリアへの愛により『再生できない炎』すら回復するという離れ業を見せてもらう予定だった。


・第七天魔
 忠義を司る第一の武装。
 平均的なデザインの拳銃。開発責任は第一部/銃砲技術開発管理部。
 分解再構成を経て超常的な自動浮遊銃身を六個展開し、本体の小型拳銃と連携した銃撃を行う。その連携パターンは、拳銃で狙った点を包囲するように、すべての銃身で異なったタイミングで銃撃を行う回避不能の『七段撃ち』と、拳銃で狙った点にすべての銃弾を同時命中させる防御不能の『七点バースト』の二種。
 高い性能と開発ポリシーの隅々に至るまで、七坂グループ第一部の伝統と実績に相応しいと賞賛されており、七美はC2バトル中、そして終了後も、護身用にこれをほとんど常用していた。

 困った時に使うため一番最初に設定した武装。変形、モードチェンジと気軽に二つの見せ場を提供でき、銃にちなんだ用語を七坂流にアレンジしているため『らしさ』も出るしと、派手さは欠けるが良い仕事をしてくれると思う。

29七坂七美:2016/10/02(日) 01:08:26
◆特別武装群:七つの美徳 開発中止品目録

・契約抱擁(アスクレピオス)
 忍耐を司る第五の武装。寛容とか慈愛でもいいと思う。
 腕、胴、脚を覆う近代素材のボディアーマー。表面から釣り針付きのワイヤーと最新鋭の治療ナノマシンを同時に放出する事で、敵対者の傷を癒やしながらその塞がった傷へワイヤーを埋め込み、身体の自由を奪う機能を持つ。その拘束から逃れるためにワイヤーを引き抜けば更に大きな傷を与え、そこに更に多くのワイヤーが埋め込まれ……という悪循環に敵を追い込む。
 嫌に婉曲的な攻撃手段だがこれには理由があり、元々は治療ナノマシンを装備者に投与するボディアーマーで『防御が硬い上に傷も癒せれば最強じゃん!?』というノリで作られた物だった。しかし攻撃を受けて身体が傷ついた時、その衝撃でナノマシン放出機構がダメになる可能性が無視できないレベルで高く、慌てて表と裏をひっくり返して相手を癒やしつつ拘束する機能にしたのである。
 一見すると使い勝手が悪そうな一品だが、七美にとっては別。接敵前にセブンカードが少しでも対戦相手に傷を与える事ができれば、相手の傷を狙って癒しつつの拘束ができる。

 対戦相手を想定して設定した武装のひとつ。改めて文章に起こすとあまりに面倒でよくわかんないので、これを使う機会がなくてよかったと思っている。使用想定敵は仙波透、飯綱火誠也、長鳴ありす。


・バス・ストップ
 忍耐を司る第五の武装。寛容とかでもいいと思う。
 小型手榴弾。ピンを抜いた五秒ほど後に炸裂し、無色透明の液体を撒き散らす。この液体はきわめて強力な接着剤で、走行しているバスをピタリと停止させるほど。人間がこれを浴びれば行動に著しく支障が出るし、踏めば当然ろくに動く事はできなくなる。

 対戦相手を想定して設定した武装のひとつ。実際のアリア戦に投入しなかったのは、勇気って感じではなかったから。使用想定敵は大原吉蔵、黄連雀夢人、蟹原和泉、アリア・B・ラッドノート。


・魔弾の射手(デア・フライシュッツ)
 忠義を司る第一の武装。勇気でもいいと思う。
 全長2mを超える巨大設置多段リニアキャノン。非常識な量の電力と冷却材が必要で、それを以てしても七発しか砲撃する事ができないが、その分破壊力と射程力は折り紙付き。最初の六発は通常の砲撃だが、最後の一発は銃身を焼き尽くしながら広範囲に放出されるレーザーとなる。
 オペラ『魔弾の射手』において、悪魔(ザミエル)の鋳造した魔弾の七発目は彼の望む方角に飛び不幸を招いた。しかしこの銃を製造した悪魔は七坂グループの中で最も七美に忠誠を尽くす第一部であり、すなわち七発目の弾丸こそ第一部の望む、七美のための最強の一撃となる。

 第一回戦で対戦相手のSSに出てきた物がカッコよかったのでパクッた(こういう事も想定して、七つの美徳のうち六つを空欄にしてある)。使用想定敵は大原吉蔵、五色那由多。


・戦死庭園(ヴァルハラー)
 寛容を司る第二の武装。慈愛でもいいと思う。
 直径20メートル程度の特殊フィールドを発生させる装置。このフィールドの内外を挟んで、一切の情報が行き来する事はない。あらゆる光、あらゆる音、あらゆる物理的存在、あらゆる電波、その他あらゆるものを遮断する。これはC2カードによる戦闘中継すらも例外ではない。
 フィールド内部は擬似的に闘技場のような空間描写が投影され、内部に存在する者の戦意を否応なく高める。

 対戦相手を想定して設定した武装のひとつ。使用想定敵は五色那由多。

30グロット:2016/10/02(日) 01:40:13
tp://touch.pixiv.net/novel/show.php?mode=cover&id=7315642

第一回戦で送れなかったSSです
そのまんま無修正です

31グロット:2016/10/02(日) 11:16:14
キャラ別対策一覧1(初戦マッチング決定前)

大原吉蔵
特に叶えたい願いみたいなものが考えつかない。初戦では当たらないだろうから、この後お出しされた物で中身は判断する。
炎の使い方は、回復、捕縛、移動補助の他、アブドゥルがやってた生命探知、探知できるなら当然できるだろうとホーミング弾、足場、壁にするなどの案もありました。炎色反応的に色を変えて、効果も違う!というブラフを持ちかけさせるのもアリだったと思います。

それに対して、こちらの対策は炭酸ガス、都市ガス(麻酔効果、嗅覚阻害効果有)、熱湯、ガソリン、煙幕などで攻めれば戦えなくもないと考えていました。
とにかく体術では相手にならないし、回復能力持ちなので完全力づく住人化も難しいので、初戦は当たらないよう願いました。


仙波透
妹を助けるという分かりやすい願いがあったので、それを叶えてあげればいいんだなあ、と考えていて、試合自体はとりあえず心理描写しとけば良いかなって部分がありました。
能力対策としては炎、電気、水責めなどがありました。


ゴブリー
勝てるかどうか、ストーリーの流れがどうなるかに関係なく当たってみたかったキャラ。
ただし、明確な願いが分からないので、懐柔は難しいかとも思いましたが、素晴らしき女装の園として誘えば良いかな、となりました。
理想都市は寛容さに満ちているので、そのぐらいは言ってしまっても良いということで。

使用技はωなんちゃら、なんちゃら3、人工痴能Siri、エ尻ン(エシュロン)などがありました。ポエムは生きることと 生かされることに違いはない〜 を弄ろうとしてました。


黄連雀夢人
当たりたかったキャラ。幻覚描写に力を割きたかった。願いも真砂さんに自分の描いた作品を読ませたいと分かりやすい。
理想都市なら何とかなる!!
ただ、このキャラが狂人として呼ばれていることにだけ違和感を感じ、更に頭おかしい所があるのかと思ったら、それは特に無かった。
当たっていてもその部分を書いたかは分からないですが。

能力はとにかく無尽蔵に砂をばら撒き、砂嵐にすれば、攻撃兼視覚妨害になって強いと思っていました。
グロットとその部下は、ゴーグルと防塵マスクでこれに挑みます。
体術に関しては、腕利きの冒険者に相手をさせるつもりでした。

32グロット:2016/10/02(日) 12:03:43
飯綱火誠也
このキャラも願いが明確で、戦いやすそうでした。
ただ、死者の蘇生という願いは禁忌です。
生き返ったキリカさんは再び死を迎えなくてはならず、また、身近な死を体験する機会も増えます。なぜ私は一度生き返ったのに、彼らは死んでしまうのか、と考えるやもしれません。多分辛いことでしょう。
また、役所的手続きは良いとして、彼女の家族や友達が、ようやくキリカさんの死に慣れ、惜しむ思いと決着を付けた後であったなら、2度目の死が存在する蘇生を突きつけるのというは、残酷です。
それなら家族や友人と隔離させれば良い、という訳にも行かず、この願いは色々もて余されることになるでしょう。
キリカさんが明確に死後復活したいと意思表示していない限り、色々負担もあるということです。

そこに理想都市をバン!!何ということだ、生き返った彼女にも最高の居場所が!!飯綱火君、君も彼女を本当に幸せにしたいなら、都市に来たまえ!!悪いようにはしないよ!!試合全部終わって、最強を自称できるようになってからでも良いよ!!僕に負けたところで格は落ちないよ、降参ではないからね!取り敢えず今はスペアとなる身体を差し出せ!

という流れを考えていました。能力対策はその場で考えるつもりでした。


七坂七美

全国民の武装義務化に目を付け、外国が黙っちゃいねえな、と思い対策を立てました。その内容は、日本以外の先進国の間で、チャールズダーウィンの残した魔人能力『種の起源』(現在未来過去に影響を与え、地球上の生物の進化の方向性を決める)を協力して操作し、全人間、全生物の身体はどのような武器を使われても傷一つつかなくなるようなマッチョにする、というものでした。この時、ダーウィンの叡智を弄るのに出した資金や技術次第で、そのマッチョを貫通する、ルールの抜け穴となる武器を一度に所持できる数を決める、といった取り決めもあることにします。

このような話を外国の人脈から預かった情報として七坂に突きつけます。七坂銃匠は、それでも国民武装化を決行する派、しない派で明確に対立、七美と七鬼も対立します。この時、七鬼は権力欲に取り憑かれた化け物にします。七美はこれまで七鬼の傀儡だったことにします。

七鬼から七美を守り、真にCEOとなった七美が、協調と進歩を訴えて諸外国にも目を向けて武装化を断念、セキュリティー技術の向上だけは決行します。一方の外国は、日本という危険が排除されたところで足並みも崩れ、どこの国が主導権を握ってダーウィンの力を使うかの闘争に明け暮れ、そのうち計画自体が頓挫します。
取り敢えず権力の座から振り落とされた七鬼を理想都市に回収し、七美にはいつでも来たければ来て良いと言って終わり。


物部ミケ

友達?簡単に作れるよ!理想都市ならね!!
明確だけど簡単な願いは、どのようにして叶えればいいか、逆に難しいですね。知能を持った物は、本人の意志さえあれば理想都市に送れるかもしれないとは考えた。
VINCENTの扱いも難しいけど、彼の取り敢えず思いの丈をぶちまけさせて、ミケが正しい方向の友達作りに励んでくれれば良いとは思った。

能力応用は、取り敢えず液体とか操作させるつもりだった。

33グロット:2016/10/02(日) 12:17:06
長鳴ありす
また明確な願いの無い人。せめて言うなら後進の育成と、これからの彼女自身の幼女道の行く末を案じているあたりは使える。
グロット自身が非魔人幼女並みのステータス(外面/内面の両方)を誇るので、新しい幼女道の未来を二人で模索しようとしていた。
パン屋の娘とめこちゃんを混ぜても良い。

幼女拳〜の型は正直考え付かない。
それと、封印していた外道戦術としては、幼女としてのアイデンティティを奪い(幼女なら取るはずの行動だが、精神年齢的には色々出来ないことをさせる)、幼女の姿を失わせる、もしくは裏幼女道に目覚める、という作戦もありました。

蟹原和泉

明確な願いどころか、キャラクターは本当にプロローグを読んだだけで理解できているのか分かりませんでした。感情が全て食欲になっているなら、ムーブも常人のものでは無いはずです。
しかし、能力応用も大体流血少女SSで大分使い切られているし、目新しい闘い方が見つからない。

取り敢えず倒すなら歯か歯茎か舌に効く攻撃をすれば良い、と考え、歯に染みる薬品ってあったな→歯医者に口内の病気を指摘させるか、という流れに。
理想都市の軍勢があずきバーで闘い、それを噛んだ歯が折れたり、冷たくて染みたり、といった話も考えましたが、描写時間が作れませんでした。


アリア・B・ラッドノート

クソレズお姉さんの方の願いは明確なんですが、この子本人の願いが分からないので、とりあえず当たりたくないと思いました。
なので、とりあえず未来さんの方に焦点を当て、とにかくアリア様を守らせようということにしました。
ちんちんがついていない→ちんちんが欲しい
という案もあり、これは未来さんがロリ未来さんだった頃に、学芸会で王子or騎士になりたかったけど、ちんちんが無かったからなれなかった、というエピソードを入れようとしました。
「私にちんちんは無いけどアリア様の王子様になるぞおおおお」という感じで。
後は当たり強めで適当に決着をつける予定でした。


ナインオーガ

プロローグのナインオーガの正体は〜という文から、複数のナインオーガがいる気はしましたが、それはそれとして、姉も妹も何を考えているのか分からないので、全く関係の無い全国ビスケット協会の刺客ということにしました。無関係の人々がナインオーガの格好をし、そっくりな能力を持っているのはシンクロニシティです。彼の夢は日本の主食をビスケットにすること。最終的には話し合いで解決します。
能力応用は、アイシングクッキーによる偽装クッキー。地形や背景に嘘を混ぜ込みます。落とし穴を作ったりするのに便利では無いでしょうか。


芹臼ぬん子

金払うかメロスを見つければ良いんでしょ!?余裕余裕!
とりあえずメロスを見つけてヤクザのお姉さんと金銭交渉すればまあどうにかなる。
バトル面では、この子の能力は血管に少量の脂を詰めるだけで即死な当たり、かなりエグいものだと考えていました。
とにかく寒い所で闘わせて、自分の脂肪を燃やしきって貧しい身体になってくれることを望んでいました。


鮎坂千夜

お姉さん復活?余裕余裕!
とにかく本人よりタイムシフターのがチート能力なので、そっちを理想都市に送りたかった。
戦闘に関しては、能力構想時点で唯一弱点となっていた洗脳能力だったので、逆に戦いが映えるな、と思いました。特に対策という対策はしていませんでしたが、当たればまあ流れでなんとかしよう、といったところでした。

34グロット:2016/10/02(日) 12:37:17
量橋叶

このキャラならパン屋の娘を人質にとりそうだと思い、影武者合戦を考えました。デマを掴ませられながら、お互いの情報を次々に探り合い、本人がいると思われる場所に部下or私兵を差し向けます。量橋私兵は彼女の能力で無限回復、グロットの部下は数に限りが無いということで、全く勝負は付きません。
遂に一週間、時間切れになりそうな所で、互いの正確な所在を突き止めます。
しかし、それぞれ参加者の側には、更に強力な魔人の姿が。フリーランスの魔人バウンサーです。しかし、グロット側は信頼と人脈、勝利時の賞金を条件に雇っているのに対し、量橋側は金だけで魔人を雇っています。戦闘目的が金の量橋は、そもそも出せる金もケチっています。 決着はグロットの勝ち。量橋の情報網or住人化を条件にして戦闘を終了します。


五色那由多

最強になりたいというキャラクターの中でも、一番純粋にバトルをしてくれそうな相手でした。取り敢えず、彼が幼い頃にみた神に選ばれた身体と同じ条件をグロットが持っていることにし、五色流の技を使わせる所でした。
また、理想都市=日出ずる拠=聖徳太子が死んだと思わせておいて隠れた所、という案がありました。
その場合、グロットは聖徳太子の化身の一つの形ということになり、那由多君がグロットの対策をする度に、グロットも化身の形を変え、最終的に引き分けるところでした。
次は、聖徳太子本人を倒してやる、という内容の那由多君の台詞でend。多分これから更に強くなって、理想都市に乗り込んでくれます。
彼と当たった場合のみ、設定が崩壊する可能性がありました。

35≪七美・ザ・ラストドライバー≫:2016/10/02(日) 13:24:53
つづき(最終回)


こうしてすべての参加者は転生した。
もう、誰もこの世界に残っていないのだ。

……否。一人だけ残っていた。
それはトラックドライバー・七坂七美。
ガレージにて車椅子に乗り換える彼女こそが、最後に残った参加者。
つまり……七坂の優勝だ!



その時!
「ぶろろろーーーん!!!」
転生トラックだ!時空間を超越し突入!
これはおかしい!異常事態だ!
転生トラックは今しがた解体され、七つの武装に戻っている!
では、突入したトラックは何なのか!?
その答えは運転席にあった!
そこに座るのは……傀洞グロット!理想都市エージェントだ!
彼は理想都市製転生トラックと共に、再度こちらの世界へ転生したのだ!
「くうっ!『七つの美徳』!!!」
七美は武装群を展開し防御!武装の詳細は馴染さんに聞いてくれ!
「ぎゃあー!」
轢殺!インガオホー!多くの人を轢殺転生した七美が今度は轢かれる番だ!
七坂七美は理想都市に転生した!これからは都市機能の部品として生きるのだ!よかったね!


なにかよさげなBGMの流れる河原。転生トラックが走っている。
その運転席に座るのは傀洞グロット。
彼の眼は輝きに満ちている。なにしろ、新しい夢ができたのだ。
それは……全人類の轢殺転生完遂。
すべての人間を転生させ、この世の不幸をなくすのだ。
「いくぜ野郎ども……転生の時間だ!」
夢と希望に満ちた未来のため、彼は長い長い転生ロードを走り出した。



〜Fin〜


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