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SSCネタバレ感想掲示板

1タケダネット公式:2016/06/27(月) 20:44:38
この掲示板にはダンゲロスSSCINDERELLAのネタバレ感想を書き込むことができます。
試合だけでなく、プロローグ、幕間、イラストの感想もこのスレッドをご使用下さい。

2ほまりん:2016/06/29(水) 19:53:12
ツイッターで呟いたキャラ&プロローグ雑感をまとめました。
あまりネタバレはしてないつもりですが、こちらに貼っておきます。
tp://togetter.com/li/993567

3無知園児:2016/06/30(木) 22:26:52
やっと読み終わったので、表シンデレラのキャラ感想を投稿します!

提督
設定の宝箱や……。シンプルかつ応用が利きそうな特殊能力と、つかみどころのないキャラクター。しかし、格は十二分に高く保っている。強者にもゲス野郎にもなれる可能性を持ってますね。
プロローグは多くの情報開示をしているのに、提督自体の参戦理由等は謎に包まれているのが、興味をそそられますね。プロローグの雰囲気もよし。強キャラの予感がするぜ……。

古太刀 六郎
ああ、ふりがなはコダチなんですね(笑) しかも、南斗の者か……。南斗は、人間大砲拳法とかやってるから、まあ納得かな……。
うーん、名前的にも能力的にも完全にネタキャラなのに、なかなかどうして熱いですね。悲劇を背負っていて、かつその悲劇に囚われず自分のやりたいことをやるという姿勢は、ヒールにもベビーフェイスにもなり得そう。是非とも、思うがままに実況を繰り広げてほしい。

ディーゼル
あ、すごい好み……。こういう、努力と意思力で戦う無骨さ、すごい好きです。格好いい。
かとおもったら、おいこら熱戦放射してるんじゃない! 電車の中でゲラゲラ笑ってしまったじゃないか! 僕の緊張感を返せ! こういうの大好きです! 同時に、キャラクター性、能力、背景、武装と全てが使いやすく、誰とでも噛み合いやすそうだし、書きやすそう。相手からしたら結構苦しむかもしれない辺り、技巧派なキャラだ……。

武田信玄
つええーっ! これは強い! かなり圧倒的なセンスを感じるぞ……!
格好いいのはもちろんなのですが、緩急の付け方が素晴らしい。前半後半どちらも堂に入っていますね。また、武田信玄を名乗る動機もひたすらに格好よく、先を読みたくなる吸引力を持っていますね。くおお。
名簿が、ディーゼルの次なのは運命かも。なんとなく親和性がある気がします。この二人の戦いを見たい!

千勢屋
幸せな世界! 幸せな世界だ! トンチキ能力者どもにレイプされないことを心から祈る!
かわいくありながら、決して夢見がちというか、ふわふわしたわけではなく、地に足の着いたかわいさを実現しているのがうまいなあと思います。好感度が高く、等身大の少女なのでひどい目に遭わせづらい(半端なことをしたら著しく票を落とす)のもうまい。SS4のみやこちゃん的な強敵だぜ……。

灰被深夜
薫崎さん……! いや、これいいな。すごくいい。set2の時も思いましたが、この方が書く文章は、雰囲気が物凄く文章が僕好みです。好き。
内容としては、重たくも決して息苦しくはない絶妙なバランスをひた走ってますね! 能力はシンプルで使いやすく、またゴトーや薫崎さんの援護も期待できそうで、いろいろネタはありますね。プロローグの方向性から考えて、作者さんは推理小説畑の人かなあ。大変面白かったです。

日内 環奈
ううん。かなりぶっとんではいるのですが、なんというか、すこぶる健康的なぶっ飛び具合で好感度高いですね。
ポンコツかわいい系の女の子ですね。世間ずれしていないだけあって、倫理観も成熟していない感じ? 人を殺すことに一切の抵抗が無さそうなのも良い感じです。能力は、単純かつ非常に強力。飛び道具無効化と体術強化が、高いレベルで融合している。全体的に、可愛さを求める層にも格好よさを求める層にも愛されそうなキャラ造形とプロローグが、大変うまいですね。面白かった。

姫宮マリ
レッスン中の事故でね……。なるほどね……。バレエェ……。
高飛車お嬢様系女子! この子も実に可愛いんだけど、それ以上に能力と戦闘描写の凶悪さが目につく(笑) こやつも、全うに強いですね。能力は派手で、動かしたら映えそうな感じ。本戦SSが非常に楽しみなキャラの一人です。

4無知園児:2016/06/30(木) 22:27:26
平賀稚器
ロボ! ロボじゃないか! 私、美少女ロボ大好きですよ!
プロローグは、博士らしい固めの文章がとても雰囲気出ていますね。特に、稚器ちゃんの外見描写は美しさを感じます。急転直下のホラー展開についても、言ってることとやってることは完全なギャグなのに、雰囲気の作り方が上手くて恐ろしさを感じるのがすごい。面白かったです!

紅崎 ハルト
電車の中で笑う案件。変な目で見られてしまったことに関する恨みもあり、ガンバトルでぶち殺したいキャラですね。
キャラ説からプロローグまで、とにかく勢いがヤバイ。パワーが全開過ぎて対処に困る人ですね。ケヒャ郎も実にいい味を出しています。全体的にすごく面白いのですけど、このまさに出オチといったキャラで、この勢いのまま四戦全てを駆け抜けるのか……。チャレンジャーだぜ……。

禍津 鈴
正統派! きっちりバトルを書いたプロローグって、何気にこれ以外ないんじゃないですかね。ディーゼルとガンバトラーは認めない。
能力が使い勝手よくて面白いですね。常にヘラヘラして心象風景を見せない分、能力で感情がわかってそのギャップが楽しい。へらへらしているけど、奥にはいろいろ渦巻いてるキャラは好きです。かわいい。全体的にシンプルで、分かりやすく魅力を表しているのが高ポイントです。キャラ説もピカイチわかりやすいし、プロローグも何が出来るのか、何が魅力なのかがよく伝わってきてよかったです。

薪屋武人
凶悪! こいつは! 生かしておいてはいけない邪悪さを感じますよ!
まあ、邪悪な方が強かったりすることもしばしばあるダンゲロスSSだったりするのですが。この、強さとマッスルの格の高さは、三時間SS用に用意されたものなのでしょうが、それを感じさせない演出力が光りますね。こいつが、物凄く厄介な野郎であることが端的に示されていて、とても良いです。戦う姿を見るのが楽しみ!

松姫カナデ
なんだこれ……! めちゃくちゃ読みやすいし、地に足がつきすぎている……。執筆者の方の底知れない実力を感じてしまうぞ……。
プロローグがめちゃくちゃよかったです。筋は王道なのに、執筆力が強すぎて爽やかさと共に感動すら生まれる。色分けの演出はよくわからなかったですが、なんか大ネタ仕込んでそうでコワイ。キャラクターも、性格能力共にシンプルな分ブレがなくて気持ちいいし、友達が増えていく後腐れない感じは、このキャラの爽やかさにぴったりだなあと思いました。個人的に、今キャンペーンで一番お気に入り。

弥六
あ、なにも考えてないタイプのかわいい子や……。なんだか、何故か既視感があるぞ……。
この子も非常に好感度が高く、あまりひどい目にあってほしくない魅力を持ってますね。それでいて戦闘力は極めて高く、なんというかこう、卑怯なキャラメイク。プロローグも、よく喋るわゲスいわ媚びるわ調子に乗るわ、キャラクターの良さを余すことなく引き出すプロローグで大変よさでした。ニヤニヤしてしまう。

楠木 纏
雰囲気が良い! それに尽きる! しかし、相手にすると書くのすげえ難しそう!
設定を読み解くのがまず一苦労ですが、プロローグの雰囲気の良さから、高い実力がうかがえます。さらに、相手の能力をコピーし、ストックもできる能力という、全四戦を視野に入れた、テクニカルなキャラメイクという印象ですね。明らかに人間じゃないことも含めて、どのような動きをするのか楽しみなキャラですね。

平方 カイ
野生の少女! 私、野生の少女大好きです!
今度は数学者が登場かー。ダンゲロス世界は、戦闘体型のバリエーションに富んでいますね。設定も良く練られていますし、単純にキャラクター単体としての魅力も溢れています。しかし、数学……。数学はわからぬ……。わからぬのに、分からないままでも面白く書かれている辺りが脅威……。すてきだなあ。

5クオンタム:2016/07/01(金) 02:35:04
ほまりんさんと同じく、Twitter上でプロローグの感想を書いたものをまとめました。
表キャラ16人分です。

■ダンゲロスSSC プロローグ感想まとめ■
tp://togetter.com/li/994017

6魚鬼:2016/07/01(金) 18:39:49
取り敢えず裏のキャラ雑感だけ

雨宮棗
裏で一番普通、平和な立ち位置のキャラクター。能力の利用方法はま

7魚鬼:2016/07/01(金) 18:52:23
申し訳ありません。途中で切れてしまいました。以下続き

だ明かされていないが、シンプルで応用力はありそう。出来るなら1or2回戦で戦いたい。

柿霜蛇ノ目
辛い立場のひと。人工蛇を操作する能力は使い勝手が良い。
設定でぶん殴ってくるので、ぶつかるなら3回戦目?

神田蜜柑
腐女子。戦闘時は四足歩行。能力は妄想による身体強化(特に妄想内容と強化内容に繋がりは無く、術者が興奮するか否かで出力が変わる?)。
BLネタを事前にストックしておけば一応戦える。戦うなら2or3戦目

山本勘助
耳から触手で浸透圧で風林火山。
プロローグで書かれた世界観を3時間の執筆に込めるのは辛い。一番戦いたくない。せめて3戦目が良い。

冷蔵庫
冷蔵庫。能力がかなり自由。他の人に色々設定をつけられる前に、出来れば1戦目で当たりたい。

8東山ききん☆:2016/07/03(日) 10:06:15
これ今後の組み合わせと執筆者の精神状態によっては自キャラが筋肉ムキムキの魔乳女になってしまわれる方も出てくるのでは…

9名無しさん:2016/07/03(日) 11:06:04
一回戦の第八試合。非常に面白かったです。
審査員目線という点で幾つかポイントを上げるとその1に関しては「足払いからの叩きつけ」という表現が相手の能力を理解した上で、想像力活かした意外性が大きなインパクトになっていて非常に惹かれました。
その後の逃走の際の応用等も、細かくも大変実用性があり、対戦相手の能力を活かそうという試みが面白く、大変好印象でした。
最後の息を止めるという点は無理やりであり強引といった印象も受けましたが、自分のキャラの魅力を表現しつつ、対戦相手が「勝ちを確信するに至るのに十分な説明」につながっており、満身での敗北といった相手キャラの魅力を損ないものではなかったのも大きいです。

その2に関しては前者と打って変わって内面の魅力を引き出そうとした試みがその1に比べ、かなり少ない文章量でありながら効果的に行われていたのがとても印象的でよかったです。
さらに全体の雰囲気を暗めにした冒頭から「不穏な空気」を匂わせつつ相手キャラクターの前向きな精神面を活かし、その不安を拭うと言うことを行ってから「あえてその不安をもう一度引き釣り出す」事による「話の展開力」も魅力としてとても大きかったです。
読者視点で「薄々嫌な予感はしていたが……」と思わず感じてしまうような「話しそのものの流れへの引き込み」といったものが短い中で効果的に行われていたのが非常に強いインパクトになっていると感じました。

個人的にな好みも含んだ票としてその1に私は入れましたが、その2の魅力がなかったのではなく、その1の魅力が優っていたという点が大変大きく、どちらも魅力的な作品で読み応えがありました。
どちらも今後が非常に楽しみで、応援したくなる良い作品でした。二回戦も健闘を期待します。

10アスハル:2016/07/03(日) 23:01:21
ダンゲロスSSC・一回戦後キャラ雑感 tp://togetter.com/li/995443

ざっくりまとめました。全員分の感想が書かれてます。

11無知園児:2016/07/04(月) 17:30:25
第一試合
初っぱなから素晴らしい勝負だ……。完成度対パワーの戦いと言えるでしょう。

その1
キャラクター性の描写、戦略、小話に至るまでとにかく完成度が高い。文章的な綻びもほとんどなく、くすりと笑わせる展開もいれて、これで三時間ってなんだこれ天才か。弥六ちゃんの「ワッツ?」でまず引き込み、戦闘巧者でありながらどこか親しみの持てるアホさを持つ弥六ちゃんの魅力を、ぞんぶんに引き出していました。わかりやすい筋に分かりやすい文章で、王道を突き進む気持ちのよさが光るSSでした。

その2
まず、三時間で七千字越えるとか正気ですか? 内容はとにかくパワーパワーパワーの嵐。完成された武田信玄周りの設定を惜しみ無く出していき、それでいてきっぽちゃんの正体に言及するという頭脳プレーもこなすとかなんだこれ天才か。14代目武田信玄の格が高すぎつつも、決して弥六ちゃんを貶めていないバランスもヤバイ。総じてとても面白かったです。


第二試合
ごめんなさい。楠木さんにはもうしわけないけれども、どうしようもないくらいディーゼル劇場でした。なんだよこいつ。強すぎ。

その1
もう、全てが面白い。本当に奇跡的なバランスで、シリアスが引き込まれるほどにうまいからただの茶番にならず、だからこそわかりきっているオチが光輝く。シリアスパートにも小ネタが多く飽きさせない。なにより、楠木さんという初見で相手するのが最もレベルで難しい相手を、あれほど生き生きと書ききった筆力。全てが完璧と言える初戦でした。本当にヤバイ。

その2
お、おう。そんなに謝るなよ。気持ちは伝わったよ。こちらを先に読んだのですが、「これはこれで面白いし、ワンチャンあるかもなー」と思える程度には面白さを確保していると思います。ハチャメチャさは随一。謝りかたもセンスがあって面白かったです!


第三試合
なかなか噛み合う戦いでしたね! かたや超肉弾戦、かたや超謀略戦。お互いがお互いの良さを発揮していました。

その1
目を引くのは、チャクラの開放という能力使用! それはちょっと思い付かなかったなあ。軽快な会話と与太話、小ネタ満載のサービス精神に満ちた話作りは、読み手のことを考えているんだなあという配慮を感じます。提督の小者化も、十分あり得る範囲のもので、全体的によくまとまっていたと思います。

その2
こちらは、提督の格が終始高かったのが印象的です。提督の人間性の描写から始まり、腹の探りあい、直接対決からの軍事兵器使用によるフィニッシュまで、堅実かつ丁寧に描写されていました。姫宮さんの格が落ちてないのも好印象
。全てにおいて、丁寧さが際立つSSでした。

第四試合
ぶれないハルトくんに対して、禍津さんがどのように立ち回るかが勝負といった様相でしたね。

その1
この脳ミソガンバトルトンチキ野郎と、きちんと戦いを成立させたことにまず拍手です。戦いとしては、終始ガンバトルペースに乗らず、自分のキャラクターの物語を書ききったという印象。きちんと何がどうしてそうなったのかという理論付けを綺麗にしていて、丁寧さを感じる堅実なSSでした。

その2
そして、脳ミソガンバトルトンチキ野郎は、やっぱりクレイジーでした。しかも、ただのクレイジーではなく、戦略をつくし、戦法を確立し、環境を利用し、対戦相手の格を上げ、その上で全部ハルトの個性でぶっちぎるという悪夢のようなクレイジー。いや、すごい実力でした。こんなに盛り込んだSSを三時間で書けるとは、まさに驚異。面白かったです。

12無知園児:2016/07/04(月) 17:32:23
第五試合
やはり、古太刀さんの実況をどのように使うかが鍵という感じでしたね。

その1
古太刀さんの、有利も不利も実況してしまう特癖により、共闘展開に持ち込んでいく形のSS。この古太刀さんは、放置しとけば勝てるんじゃないかと思えるほどの自滅っプリが楽しかったです。カイちゃんも大変生き生きしており、キャラクター同士の掛け合いや、台詞一つ一つが魅力的でした。

その2
こちらは、ゲス太刀さんとでも言えるような、ゲスい立ち回り。流石自キャラといった感じの能力応用は、古太刀さんがただの実況者ではないということを、見事に演出していました。カイちゃんも、最後まで降参しない数学マシーン感がよく出ていたと思います。


第六試合
拮抗した実力の両者。稚器ちゃんの書き方が完全に真逆の方向を向いていることで、投票者の好みが大きな要素になりそうです。

その1
こちらは、日本ホラー的な稚器ちゃんの描写が光りましたね。最大の敗着要素が「からくりである」ことというのは、非常に私好み。その他にも、信玄候の与太話や、稚器ちゃんの暗黒無邪気、千歳屋さんの優しさなども、押さえるところは押さえ、面白さに変えていると思います。

その2
こちらの稚器ちゃんは、アメリカのB級映画のような暴れぶりでしたね。特筆すべきは、千歳屋さんのいいこ描写と、読後感の良さ。過不足のない描写には優しさが溢れており、雰囲気の柔らかさは今回参加者の中でも随一ではないでしょうか。それが、見事に千歳屋さんのキャラクターとマッチして、優しい世界を作っています。


第七試合
お互いに、静かに熱く燃える空気感を感じた戦いでした!

その1
は、ハード! ここに来て一切のギャグがない、ハードな世界観を見せてきましたね! しかも、それが余韻も含めて非常に完成度高い。相手の背景にも触れつつ、物語としてのSSを完成させたのは流石です。最後の「もう一本」は少し唐突な気がしますが、気になるのはそこぐらいでしょうか。よかったです!

その2
ま、薪屋つええ……! 筋肉で全てを解決する肉々しいSSですね。ところどころに差し込まれる謎のパロディーとか、絶妙なオチとか、独特の世界観を作っていました。これからも、敵対する相手をマッスルにしていくのだろうか……。


第八試合
松姫カナデを戦うために生まれた化け物ととるか、腕比べが大好きな健康的闘技者ととるかで、大分方向性が違った印象ですね。

その1
このままマンガ化できそうなくらい、鮮やかな映像が脳内再生できました。とにかく、動く動く。お互いが戦術を尽くしたあとの、力技かつ合理的な逆転撃は、まるで少年漫画のよう。相手の能力応用も見事で、これもまた三時間で書いたとは思えぬ、完成度の高いSSでした。
しかし、致命的に低下した身体能力でも10分間息を止められ、10分経てばまた能力を発動できるのか……。強すぎでは。

その2
こちらの松姫カナデは、はじめて「殺しあい」に脚を踏み入れた闘技者、というキャラクターに着目し、怯えて逃げてから、立ち直り戦おうとする様を、見事に書き上げました。この戦いを越えたカナデちゃんを読みたい気もする。そして、想像以上に常識のない日内さん。それが強さになっているという、逆説的なキャラクター性を遺憾なく発揮していました。格が高くて好みです。

13無知園児:2016/07/07(木) 17:10:59
裏デレラの感想でーす。

第一試合

その1
触手と腐女子で能力バトルができるのが、ダンゲロスのいいところですよね。ある意味、ものすごくダンゲロスらしいSSでした。
蜜柑さんが、実に楽しそうによく動く。彼女は間違いなく頭が悪いタイプのバカで、その勢いとポンコツぶりがよく描かれていました。対して、山本勘助は一応史実の人物らしく、強者としての格を保っていて、触手の癖に格好いい。蜜柑が勢いしかなくて、山本は作戦をたてて戦うという二人の対比がよく描かれていて、だからこそ火事場のバカ力で勝利するというラストが、お互いのキャラクターに合ったものと思えます。


その2
コミケに一笑い。どこを略した(笑)
とにかく勢いがすごい。なのに、文章表現や語彙力は素晴らしく硬派で、そのギャップが笑いを生んでいるように思います。懸命な読者諸君攻めは、ともすればすぐに寒くなってしまいそうなのに、絶妙な場面に置いてくるから何度でも笑ってしまいました。
とにかく、会話をしてるのに会話ができていない。能力バトルをしてるのに能力バトルになってない。なのに話は繋がっているという、はちゃめちゃの中に筋が通ったSSでした。面白かったですよ!


第二試合

その1
あ、あきらめるんじゃない! その、ナントカこそ知りたい!
内容的には、完全に棗さんの心情吐露になってますね。何故自分がモブでありたくないのか、という思いが、丁寧に描かれています。また、これによりここから先の戦いにもモチベーションが期待できて、導入としては非常に良い初戦だったのではないでしょうか。

14無知園児:2016/07/15(金) 00:04:27
第二回戦

第一試合
ここでは、相手の個性を如何にうまく使うかで競いあってる印象でした。お互いに、灰被さん周りのキャラクターにスポットを当てたのも面白い。

その1
全体的に意外性を見せてきた印象ですね。灰被さんがバニーを着るという意外性。ハルト君が年上のお姉さんに弱いという意外性。一歩踏み込んで、キャラクターを描写してやろうという気概を感じました。また、ナレーターやケヒャ郎もきっちり使って過不足ないのもポイント。なにより、ゴドーさんと灰被さんのやり取りのかわいさがとても印象に残りました。灰被さんかわいい。ゴドー、ちょっとそこ代われ。
しかし、接待ガンバトルってなんだ……?どんな戦いだったんだ……?

その2
う、うまいなー! 灰被さんの心情描写が抜群にうまい! また、その能力的に、首を切り落とすという回答が完璧に近い。ハルトくんの作者さん、第一試合から思っていましたけど、相手を立てるのがとてもうまいんですね。ゴドーと深夜のやり取りは、涙なしには見れません。その上で、ハルトはあくまでもハルトというバランス感覚よ。勢いだけではないということを、見事に証明してくれましたね。


第二試合
お互いに数学の使い方が上手すぎる! どっちが勝つか、全くわかりませんよこれは!

その1
カイの戦闘スタイルが完成されてますね! 定理ごと、難易度ごとに戦闘スタイルがまるっきり変わるのは見ていてものすごく面白い! 特に、算数と暗算は震えました。数学者が、カナデちゃんとガチンコ勝負するというカタルシス! そして、最後の逆転劇! 短い文字数に、お互いの魅力をこれでもかと詰め込んでいました! 文章の色分けも盛り込み、敵の戦い方をうまく利用した印象でした。

その2
バカに数学は勝てない! この理屈はまことに見事でした。カイの格を高めつつ、謎をちりばめつつ、そのオチが明かされたときのカタルシス。これは確かに、数学が通用しなくても仕方がないという説得力がある。同値相殺もよかった。この作者さんは、言葉選びが半端じゃなくうまいです。そして、フェルマーの最終定理。恐らく、これ以上うまい使い方はないんじゃないかとうち震えました。感動した。


第三試合
武田信玄の無双さにどう対抗するかが注目の一戦。かたや真っ向から、かたや搦め手で攻めておりました。

その1
まじかぁー! こっちが武田信玄か! すげえ! よく、姫宮さんのこの戦法にたどり着いたな! 完全にこっちが姫宮さんだと思ってましたよ! いやほんと、姫宮さん本人には申し訳ないけど、彼女が足を失った理由に関して、もはや本人ですらこれ以上の回答を用意できないのではないかと思うくらい、完璧な使い方でした。戦法と合致し、マリー・アントワネットと合致し、能力と合致し、背景と合致した。すごい。
そして、武田信玄自身の格も当然高い。与太話力も高いし、林の効果があるなら当然風もあるというのは自明。そういった戦闘面でも楽しめたし、小ネタも散りばめられていてクスクス笑えた。なによりこいつ、爽やかで気持ちがいい。いやー、強かった。

その2
そ、そうきたかー。これは読めなかった。てか、読めるかい。しかし、くすくす笑ってしまうので、仕方ないのでしょう。まさかの、直接戦闘ではない決着。しかも、カードゲーム。実際、これ位しないと信玄には勝てない気もするので、これは勇気ある舵取りと言える。ゲームの内容がかなりそれっぽいのもナイス。ダメージフィードバックという、とにかく勢いのある決着も楽しめました。全てが予想外で、面白かったです!


第四試合
か、噛み合う! 予想以上に噛み合う一戦でした! 一応、お互いに真っ向勝負を好むタイプだったんですなあ……

その1
香墨さんかわいそう! 心中お察しいたします。ほんと、ディーゼルは真っ向勝負をする系の人たちにとって、完全なキラーチューンって感じがいいですよね。それに対する香墨さんの戦法も、香墨さんの作者が書いているのではないかと思うほど鮮やかでした。実際、途中まで香墨さん側のSSだと思ってた。
そして、ハイライトは間違いなく合気道だなあ。ゲラゲラ笑ってしまった。こんなに堅い文章でこんなに笑えるの、本当にずるいと思います。

その2
香墨さんの執念勝ち! 導入のディーゼルがこれでもかというくらいディーゼルで、笑ってしまいました。この作者さん、相当ディーゼルに長けているぞ……!
そして、遠隔発射というネタかぶりをしつつ、さらにその先に進むことで、香墨さんの力強さ、執念がよく描かれており、決まり手は第一試合の結果を踏まえた技! 実に技巧派で、鮮やかでした。

15無知園児:2016/07/15(金) 00:08:35
第五試合
デレステ対ロボ! 狂気対悪のり! なんだってんだこの対決は!

その1
や、やべえ! やべえんだけど、面白い! 笑いの質としては、ここまでのSSでももっとも異質で、恐らく受け入れられない人は全く受け入れられないでしょうが、僕は面白かった。ここまで貫かれると、かえって爽快である。
また、一応「何故」の部分がちゃんと説明されているのも高ポイント。特に、勝敗の理由は本当にテクニカルで、これだけでも大ネタになり得るアンサーだったと思います。デレステに隠れて目立たないけど。


その2
かたやロボ! こういうのが好きなことは、とてもよく伝わってきて高ポイント。僕も好きですよ!
そして、そのロボこそがミスリードであるというのも、かなりの意外性があったと思います。それでも決着しきれなかったのは……作者さんの中で、薪屋が強くなりすぎちゃったのかなあ……と思います。実際、薪屋をうまく殺すのは難しいですよね。心中お察し!


第六試合
楠木さんという存在が、対戦相手の描写力と本人のヒントによって段々と浮かび上がってきた感じですね!

その1
ああーっ! これはいいな! 鈴ちゃんも、ここに来て強さを見せつけてきた感じですね! 飄々としつつも情を理解し、その上で暗殺者として利用できる二面性が、きっちり描写されていました。最後、鈴ちゃんの心情が一切描写されないのも高ポイント。そして、楠木ちゃんもきっちりキャラクターを掴んでいて書いていて、このSSだけで短編として完成しているのが素晴らしい。実力を感じました。

その2
これはまたトリッキーですなあ。謎めいた用語集から始まり、詩のような散文めいた本戦。そして、まさかの自滅エンド。これはもはや、勝敗というよりもこの4戦を通じて何を表現しようとしているのか、何を伝えようとしているのかが気になってくるところです。


第七試合
相変わらず、古太刀さんの使い方が勝敗を分ける感じになってますね。てか、古太刀さんまさに某弱無人って感じ。

その1
南斗実況拳の説明が見事すぎて、途中まで完全に古太刀さんのSSだと思って読んでいました。すげえ与太力! また、古太刀さんの戦闘スタイルもVRにいそしんでいたという設定を見事に回収していました。そして、なんといっても『提督』の格の高さと、決まり手の鮮やかさ! 汎用性のある魔人能力だとは思っていましたが、古太刀戦でこう使うとは。全体的に、鮮やかでした!

その2
ケ、ケヒャ郎〜! ってか、実況したらゴリラになるとか強すぎなのでは。パニック・ステーションの底がいまだに見えないぜ……! 内容的には、古太刀さんは本当にあくまで盛り上がる方向に実況をしているという基本スタンスが良く見えて、面白かったです。もはや、勝利は付属要素にすぎないのだろうか。魔乳化させたりゴリラ化させたりとんでもない野郎だ……。


第八試合
どちらが相手をよりかわいく見せられるかの対決、といった様相。お互いに、予想を超えたかわいい勝負を繰り広げてくれました。

その1
よりによって、ハルト戦を下地に組み込むとは思いませんでした! 不幸な事故じゃねえよ。また、日内ちゃんがとにかくかわいかったです。やだー、から始まる年頃の女の子らしい仕草は、ギャップ萌族としてはたまらない感じでした。チキちゃんも不穏かわいい。また、戦闘としては、甘い香りをかぐ前から生気のない応援はされているというところで、どこまで本当でどこまで幻覚なのかわからない所も好きでした。

その2
こちらはポンコツアンドロイド感のあるチキちゃんカワイイ! きちんと一回の打ち合いごとに情報の修正をして、最適解を生み出そうとするチキちゃんの動きがロボっぽくて実に良かったです! ちゃんと、ニーズに合わせてチョイスしてる。そして、奥の手を出したといった様子の日内さん! 次回どうなるか、そこも楽しみなところです。

16クオンタム:2016/07/15(金) 00:24:34
二回戦の感想です。

■第一試合:サバンナ(灰被深夜vs紅崎ハルト)
・SS1
対戦相手(ハルト君)のテンションを利用しつつ、自キャラの掘り下げも同時に行う。地力の感じられる良いバランスのSSでした。スレた性格の灰被ちゃんでもバニー姿を不特定多数に観られるのはやっぱり恥ずかしいんだな……とか、女性キャラらしい可愛さ描写もあったのがgood!

・SS2
決してインパクトのある出だしではないですが、なぜ灰被ちゃんがそういう行動を取るのか?それに対して紅崎ハルトというキャラはどうリアクションするのか?という行動ロジックに矛盾がなく、キャラクターがいきいきしています。しんみりした余韻をブチ壊す次回予告も○。ただ、地形:サバンナってこういう解釈でもいいの……!?笑ったけど!


■第二試合:コロッセオ(松姫カナデvs平方カイ)
・SS1
文字色変更を使ってくるとは!赤字使いの対戦相手に合わせた?それとも最初から予定していた?どちらにしても最初に読んだ時は驚きました。個人的に『一方的に相手を完封してしまうSS』は少々苦手なため、相手の強さを認めてスパッと奥の手を出す……という書き手の姿勢にかなり好感が持てます。

・SS2
バカ!バカで元気な娘はかわいい!前半でゴリゴリの数学バトル、後半は数学要素入れつつのバカバトルと緩急が効いてて良いです。あとはやはりオチのフェルマーの最終定理かな……自キャラでもないのにこれだけ綺麗なオチを持ってくるのは相手キャラへの愛を感じます。


■第三試合:スクラップ置き場(十四代目武田信玄vs姫宮マリ)
・SS1
悲しい物語でした。事故で脚失ったってそういう事かよぉー!ギャグのような(というかギャグ)流れでしたが、「誰が相手でも自分の武器を信じる。自分にできる事を精一杯やる」というマリちゃんの姿勢はとても好きです。
十四代目のスペックが高いせいかややワンサイドゲームな感じはありますが、それでも二人の会話による爽やかな余韻とくすりと笑えるオチは読後感が良かったです。

・SS2
開幕の嘔吐描写、中盤の戦闘描写など、地力がある!文章力がある!
と思わせてからの遊戯王オマージュにはびっくりしました。地力があるだけに普通の戦闘を描いてくれると僕としては嬉しかったですが、信玄のスペックの高さを逆に活かしたオチは勢いがあってけっこう好きです。なんで自分が勝ったのか分かってないマリちゃんも可愛い。


■第四試合:オフィスビル(斎藤ディーゼルvs千勢屋香墨)
・SS1
やはりというか当然というか、文章力や表現力が高いです。正直に言うと斎藤ディーゼルというキャラ造形自体は割と苦手なのですが、それでもグイグイ読ませていく、喉につっかかる文が全然出てこない。これはひとえに中の人の力が成せるところだと思います。
対するSS2の方も下記の通り僕の中では高評価で、間違いなくここが第二戦最大の激戦区だと断言できます。

・SS2
「対戦相手に対する愛があるか、真摯に向き合っているかどうか」が僕の評価基準の一つなのですが、SS2は斎藤ディーゼルという難敵にしっかり向き合い、戦い、自分と相手の両方を掘り下げた上で勝った……という印象が全SS中で一番強いです。勝ち名乗り直後に力尽きるのも含め、非常に後味の良いSSでした。

17クオンタム:2016/07/15(金) 00:25:11
■第五試合:湾岸施設(薪屋武人vs才羽鉄子)
・SS1
色々な意味でダンゲロスらしいSSだと感じました。序盤と終盤の文章力はかなり高く、明らかに地力があるのを感じます。個人的にはこの力で普通のSSを書いてほしかったかも……!
ただ、執筆者さんが明らかにノリノリで書いてそうなところは非常に良いです。どうせ書くなら自分が楽しいのを書くのが一番!
とにかく中盤のノリを受け入れられる読者が多いか少ないか?が焦点になりそうですね。

・SS2
SS1と比べると普通のSSで、逆にそれが良かったです。ホッとする……弥六ちゃんの下準備や情景描写に尺が多く割かれておりちょっと対戦相手の描写が薄いかなー?と思いましたが、一度やられたと見せてからの「鍛える筋肉がない」という逆転は能力をメタりつつギャグ要素も満たしていて面白かったです。


■第六試合:雪山(楠木纏vs禍津鈴)
・SS1
プロローグから一貫して『ノリが第一』 の鈴ちゃん。キャラがブレないのは好感が持てます。ややビターなオチではありますが、能力バトルとしては『相手に能力を使う』『相手の心情を掘り下げる』『それがそのまま勝ちに繋がる』という非常にまっとうなもので、能力バトルのお手本のような丁寧さを感じました。中の人の性格が伝わってくるような良作。

・SS2
そうか、SSバトルはこういう書き方もあるのか!というのが第一印象です。詩のようなSS部分も僕個人としては好印象。ただ、3時間でまっとうな能力バトルを書き上げてきたSS1と比べてしまうとどうしても評価が落ちてしまうかな……といったところです。キャラ設定も含めて間違いなく自分だけの武器を持っている執筆者さんなので、次の試合も楽しみにしてます!


■第七試合:非合法BAR(提督vs古太刀六郎)
・SS1
前半が面白い!古太刀さんの実況で状況説明と攻撃を兼ねつつ、お互い一歩も引かぬ口撃から両者同時の不意打ち……と、試合の流れだけ見ればここをベストバウトに上げたいくらいに好きです。とても綺麗な導入。
後半の格ゲー文法はダンゲロスらしいSSだと感じました。水浸しからの電撃はBARの決着として○。

・SS2
一回戦も同様ですが『実況が状況説明を兼ねる』『それがそのまま相手への攻撃になる』という流れが綺麗ですね。能力バトルらしい良い能力だと思います。最後のケヒャ郎に関しては評価が分かれそうかな?
とても読みやすい文章なので、もうちょっとボリューム(文字数)を増やしても良かったかもしれません。


■第八試合:徳川秘密闘技場(平賀稚器vs日内環奈)
・SS1
かわいい!日内環奈ちゃんがかわいい!最後までこのノリで行くのかなと思いきや、きっちり戦闘は描く。稚器ちゃんのキャラ設定を活かした攻撃でフィニッシュしてくる。というのが良かったです。分量的にも程よい読み応え。

・SS2
面白かった……!オチの一言がとてもよいです。それはそうだ。鉄砲使いが遠距離攻撃できないわけがない。3000文字に満たない分量でありながらしっかりと能力バトルしている上、対戦相手の稚器ちゃんにも見せ場がある。かなり正統派な良SSだったと感じます。

18ぺんさん:2016/07/16(土) 13:46:48
ラジオで結構話した感じはありますが、ここでも改めて書き残しておきたいと思います。
取り敢えず4試合までですが、いや、書いてない試合も本当にいい試合揃いでした。

第一試合サバンナ(灰被深夜vs紅崎ハルト)
その1
ハルトくんをまともなキャラが相手取ろうと思うと、あのテンションもそうなんですけど、
プロローグ、1回戦で滅茶苦茶な戦闘能力を見せたハルトをどう倒すか、というのも大きな問題点として立ちはだかって来る気がするんですよね。
その点についてこのSSは色仕掛けを使って、怒りのモンスターハルトを、キャラ説にあるとおりの小学五年生に戻して勝つ、というのが回答としてとても良く出来ていて、
いやー、これ思いつくのスゲーなって単純に感心しちゃいました。
また、地の文でも言われている通りちょっとスれてる感じの灰被さんが勝つために嫌々ながらバニーガール姿になるっていうのは、
ジャンプで言うなら完全にアンケート取りに行ってる感じでまあ、好きですよね我々は。
掛け合いとモノローグでそこら辺の可愛いポイントも十分に稼げてるし、ケヒャ郎も相変わらずの糞野郎っぷりだしで、
狙い所のちゃんとしたいいSSだったと思います。

その2
とまあそんなその1で可愛いポイントを稼いだ灰被さんなんですが、こちらのSSではより暗い方向の掘り下げが成されていてすげーぐっと来ますね……。
魔人能力も絡めた人格描写から、ゴトーさんとのお互い相手を思っているんだけど、だからこそ距離感のあるこの関係性、
灰被さんの決意と、あのクレイジーハルトを書いた人とは同一人物とは思えない位情緒ある描写が続いて、一気に引き込まれる感じがしてきます。
それをまあハルトくんが台無しにぶち壊していくっていう、一回戦の流れをより強化したようなド外道さというか……。
あまりにもハルト君が酷くてどうしても灰被さんを応援したく成ってしまうんですが、しかし応援しているのはこちらに出てくる灰被さんだし……
という、ほんとうに判断に困るSSというか……
兎に角、ハルト君というキャラの持つ強さ以上に、筆者の力量の高さが伺えるSSだったように感じます。

第二試合コロッセオ(松姫カナデvs平方カイ)

その1
スゲーそれっぽくて、それでいてありえない与太話でぐわっとこっちのテンションを上げてきて、
一気に真っ向勝負に持って行くっていう、テンポがスゲーいいですよね。
獣を仕留めてきた平方さんが獣になるっていうのは理屈的にもビジュアル的にも切り札的でかっこいいし、
そこでもう一捻り加えてくる所でさらに意外性を出してくるという、かなり凝ってるなーって感じでよかったです。
カナデちゃんの描写もちゃんと抑えるところを抑えていて可愛いし、短くまとめつつ見どころもあるという、
基本がしっかりとしたいいSSだったと思います。

その2
その1でもしっかり書かれていた、と個人的には思ってたんですが、
馬鹿に数学は効かない!とか、戦いの最中なのに眠りそうに成っちゃうとか、
こちらのカナデちゃんの描写は更にそこに可愛いをかけて100倍だ!みたいな、
流石に作成者だけあってメッチャ魅力的に書いてくるなーって感じでやばかったですね。
そこに加えて、獣にも効く数学が効かないカナデちゃんにおもいっきり狼狽えるっていう、
意外な一面を見せてくれる平方さんがこれまた可愛くて、いやー強いですねこれは。
能力?定理の?応用もこれでもかと書いていて、おまけに守護公式まで拾って綺麗に落としてきていて……。
なんというか、勝つのは当然として、負けたとしても相手の設定を隅から隅まで拾って、とことん魅力的に書いてやるという、
ビックリするくらい愛に溢れたSSだったと思います。このSSに負けたら本望なんじゃないかなあと思えるくらい、いいSSでした。
最近こういうタイプの人は少ないんで、見てて気持ちが良かったですね。今度僕のキャラも書いて欲しいです。

19ぺんさん:2016/07/16(土) 13:48:42

第三試合スクラップ置き場(十四代目武田信玄vs姫宮マリ)
その1
いや、ほんと酷いですねこいつ。間違いなくいい話として相手が考えてあるであろう足が失った設定を、
よりにもよってこんな使い方して笑わせてくるとか、ほんと酷い。でも大好き。
硬い文体の最中にくるくる回るというそれとそぐわない分が時折見えてくるのも視覚的に面白いし、ほんと笑わせてくれるいいSSだと思います。
最後の会話もなんだかズレてるんだけど、マリちゃんが明るくて、信玄もいいやつだしで読後感がいいし、いやほんと僕好みの良いSSを書いてくれるなあ。
しかし初代信玄は何なんでしょうね。いやこいつもわけわからないくらい強いんだけど。なんで時空操作を能力でもないのに覚えてるんだろうね。
武田信玄ってなんなんだろうね、本当に。

その2
冒頭からマリちゃんの苦しむ描写で始まるという、中々層をわかっているなあという感じのSSでしたね。
終始マリちゃんが可愛いのは自分の武器をしっかりわかってる感じがあっていいですね。
武田信玄相手に怖くて震えるマリちゃんとか、すげー良かったです。
ただ、そこら辺地に足がついているだけに、最後の遊戯王展開はちょっと唐突感があったかなーという印象。
でもこれも好きな人は好きだと思うので、どうなるのかちょっと見守りたいところでもあります。

第四試合
オフィスビル(斎藤ディーゼルvs千勢屋香墨)
その1
いや相変わらずこいつも酷いですね。剣道に続いて合気道まで汚しに来るとは。それを教えた祖父もやっぱり死んでるのがまたひどい。
いいやつぶってるけどやっぱり放射熱線で不意打ち気味にぶち殺しにかかるのも酷いし、それに自覚がないのも酷い。
酷いのがそのまま笑いどころにもなっているんですが、しかし酷いことに変わりはなく、やっぱりちーちゃんが可哀想になるんですよね。
どこまでも真っ直ぐなちーちゃんに対して、まっすぐに見せかけて根が腐りかけてるディーゼルという対比になってしまって。
最後、降伏を促すちーちゃんに容赦なく攻撃した上に死体蹴りまでするっていうのはちょっとやり過ぎだったかなーと思います。
ただ、ちーちゃんの描写にも光るものがあって、1回戦でも思いましたが追いつめられたり痛がってたりする女の子の描写がすごい性的なんですよね。
多分リョナの趣味があるんじゃないでしょうか。今度お話を伺いたいところです。

その2
こちらのSSはというと、ちーちゃんというキャラを作っただけあって、すごい綺麗で真っ直ぐないいSSでしたね。
先程述べたディーゼルとちーちゃんの対比が、そのままSSの対比にもなっているという面白い戦いだったと思います。
まず、ちーちゃんディーゼル、両者の過去描写の完成度が凄い高くて、
両者ともに一度過ちを犯しながら、ちーちゃんの側は父に教え導かれ、ディーゼルはそのまま見捨てられているという、
ここでもまた対比になっていてうぐーってなりますね。
それとちーちゃんの悩みもそのキャラと実に合っていて、ここも胸を打たれますね。
ディーゼルの畜生さもちゃんと書いているし、能力応用も十全に見せつけていて、
最後は一回戦を通して成長した部分を見せて、満身創痍になりながらも強敵に打ち勝つという。
メチャメチャ綺麗な流れで、これもコロッセオのその2と同じように、要素要素を拾って自キャラを魅せていくという、
お手本のようなSSだったと思います。すげー面白かったです。

20名無しさん:2016/07/17(日) 20:53:52
非参加者のクズ(ROM)ですが3回戦第1試合がメチャ面白かったので感想書いておきます。
お二人とも、とてもおもしろいSSをありがとうございました。お疲れ様でした。

SS1:
深夜による対ハルト戦術「ガンバトル試合に乗ってハルトを怒らせない」を、より洗練させたSSとお見受けしました。
ハルトが、バトルや掘り下げの手がかりを与えないキャラなので、策は自ずと収斂してしまうのでしょうか。

深夜SSでは謎の遊戯・ガンバトルはバッサリカットされてしまっていましたが、
こちらは玩具漫画あるある展開をダイジェストしていくことで読み応えが生まれていました。
仙人の謎試練や、チャンピオンの悪落ち、影から助ける兄とお約束の使い方がとても上手いです。
二人の交流、薬草の試練で人間味を出すハルトも素敵ですし、カナデが悪落ちして引く思い切りのよさにも脱帽しました。
背景や行動原理の拘束が強くない、でもめちゃくちゃかわいいカナデならではの戦術ですね。

ただ、この対ハルト専用チューンは不満点でもあり、武田信玄世界との整合性がちょいちょい気になってしまいました。
こっちが勝ったら、カナデはSSC終了後にガンバトル大会に出て悪落ちすることになるのだと思いますが、
そのとき武田世界は、他のキャラはどうなっているのか。むしろ、ちょっと見てみたくなりました。

SS2:
ハルトはとても攻撃的で尖ったコンセプトのキャラで、強さと弱さが表裏一体だと思います。
ストーリーが「ガンバトルしたさに暴れてる馬鹿」ですべて説明できてしまうシンプルな存在ゆえに、
読者としても、こいつ案外ゲスだな〜みたいな悪い感情移入がおこりにくい。
そして対戦相手からしても、自分のストーリーに取り込みにくい。
ゴジラオマージュPCは別にいるわけですが、ハルトこそ「怪獣王」に近いキャラ類型だなと思わされました。

無論モンスターをヒーロー以上に魅力的に書くのは難しいのですが、
そこはSSトータルとして面白くする方向で対処するということなのでしょう。
実際、今回も武田信玄世界の背景を使ってカナデの危うさを見せつつ、
それに負けない強さと魅力を描いてしまうストーリーで、堂に入っていました。

そういえば、今回のSSまで読んでようやく気付いたのですが、ハルトは戦闘時間・空間に対してアバウトに行動しているんですね。
1回戦は海域ごと闘技場を破壊してしまいましたし、2回戦は戦闘参加者闇討ち行脚。今回はローマ全体が焦土。
これは暴走怪獣PCのリスク(場外や時間切れ)対策でしょうか。だとしたら極めて巧妙狡猾と言わざるを得ません。

21禍津鈴:2016/07/18(月) 01:07:56
こんにちは! 禍津鈴の中の人です! 第二回戦のクオンタムさんや無知園児さんの感想が大変うれしかったので、これは恩返しをしなきゃな、と。感想には感想で恩返し! それに参加者の皆さん、感想が早く欲しいのではないかと思いましてね! というわけで第三回戦感想いきますっ!

・第一試合

その1:まさかのハルトくんとの共闘! でもカナデちゃんなら全然違和感がないのが凄い! 微笑ましいシーン、応援したくなるシーン、しみじみとした気分になるシーンと、作者さんの多方面の力量を感じました。 熱く、清々しく、そしてあざといSSでした!

その2:戦っても交流を得られない虚しさを感じるカナデちゃんの描写が巧みでした! それにスカートまで脱ごうとするカナデちゃんが可愛かったです! 未来の最高到達点が上方修正されていくっていうの大変良かったです。 そして最後のオチがハルトくんらしかった!

・第二試合

その1:ちくしょう!w なんでこんなに大量にネタを投下できるんですか! 「オッス!オラお父さん!」じゃないですよ! 流れに流される香墨ちゃん面白かったです。更にそこからのフェルマーの最終定理オチはやられた感ありますね……! 何度もくすくすと笑ってしまうSSでした!

その2:すごいなー。稚器ちゃんとの関わりを絡めて信玄との会話に繋がる構成の辺り、設定拾うのが上手い! 協力するけど勝負はするという、香墨ちゃんらしさが出たSSだったと思います。 そして最後の二つ名が、大変読後感の良いものを与えてくれました!

・第三試合

その1:やはり姫宮ちゃんの中の人は、描写力が高いですね! 語彙力が豊富というか、ありありと光景が浮かんでくるようです! ちょくちょく挟まれる小ネタというかパロネタ?は評価が分かれそうですね。私も幸せ投げされたいような、されたくないような、複雑な気分になれるSSでした!

その2:やだ……薪屋先生強い&怖い……。ますます化物感が増した薪屋さん!でも、前回の様にぶっ飛んだ感じは少なく、私はこっちの方が好きです。特に導入の地に足の着いた実力を伺わせる描写が好きです! こちらも姫宮ちゃんの描写がうまく、思わず舌を巻きました!

・第四試合

その1:数学って色々在るんだなぁって思いました。ノートの綴じ目を開くっていうのは、良い発想だなぁと思います! 第二試合の敗北が、守護公式の祈りが呪いになってしまっているっていうのも好きですね。あと古太刀との戦いがキーになって奮戦するの、良かったです!

その2:数学って色々在るんだなぁって思いました。沢山数学の知識が出てきて、浅学の身としては「すげー」としか思えませんでした。麻薬の使い方、いいですね! ちゃんと能力応用って感じがして好きです。最後、数学者の本能を逆手に取って決着が付くのいいですね!

22禍津鈴:2016/07/18(月) 01:08:37
・第五試合
その1は自分のSSなので感想書けないでーす。

その2:まず、ちゃんと第二試合のハルトくんによる惨状を反映しているのが素敵です! ノリ重視の鈴の描写も巧み。変身願望がある灰被ちゃん可愛い! 納得感もある! 心象力を使ってキャラクターの魅力を描いてくるとは、なんたる猛者……。そしてラストで殺さない灰被ちゃんが素晴らしい! 完全に灰被ちゃんを描くという意味では負けた気がします。流石! こっちのラストが好みって人、沢山居るだろうなぁ。対戦、ありがとうございました!

・第六試合

その1:やることの変わらない、唯一つの作風! ここまでブレないの、完全にディーゼルの精神性と一致していて面白いですね。稚器ちゃんのノイズが走っていく描写も克明ですごかったです! 放射熱線による加速上昇は成る程なぁ、と思いましたが些細なことですね、はい。

その2:こちらは稚器ちゃんの機械仕掛らしい可愛さが全開ですね! ちゃんと他人を傷つけないよう香墨ちゃんの言いつけを(最初の方は)守っているところが良かったです。 あと、機械としての思考過程が面白い、かつ怖いなぁと思いました!

・第七試合

その1:豚さん貯金箱の話が面白かったです! なんか微笑ましい! というか、全体的に色々挟まれる小ネタが面白い!  最後の決着が、前回の対戦相手にやられたことが決着になるっていうの熱くていいですね! 古太刀さんの描写も妙に上手くてすげー!ってなりました!

その2:こっちも最初弥六ちゃん最初姿見せないのは、忍者らしさあって良いなぁって思います。 そして古太刀さんタフすぎる……w あと最後のキリン豆知識が面白かったです! 血圧高いんだ! 古太刀さん、流石実況者なだけあって博識! 

・第八試合

その1:暴発してしまう程に銃撃してなかったのか! いや、流儀を考えればそうなんだけど! 楠木ちゃんの日内ちゃんの能力に対する攻略法がスマートで感心しました。確かに、その状況ならば能力使えないですよね! 決着の仕方に関しては、楠木ちゃんと心がシンクロしましたw

その2:しっかりと腕を切り離すまでの楠木ちゃんの心情描写しているのが良かったです! 敗北からの決意、いいですねー。 群体としての独特の感情が面白いなーと思いました。後、再び戦場が雪山になったことに触れてるのもいいですね! 


以上、感想でした! 皆さん私に続いて感想書いてくれると大変有り難いです!

23無知園児:2016/07/18(月) 20:50:51
第三回戦


第一試合
うーん。素晴らしい試合だ。まさに、お互いがお互いを高めあっているといった様相ですな。

その1
な、流れで倒しやがった! そして、その流れがめちゃくちゃ面白いぞ!
個人的なハイライトは、「これまでの俺はブレイズマックスに頼りすぎだった!」のところで、てめぇ一回もブレイズマックス使ってねえだろうがくそがぁ〜! と思わず突っ込む心憎さ。その他にも随所に小ネタが挟まれていて楽しいし、次回予告まで完璧に書ききるとは思わなかった。それっぽさを完全に理解した人が、全力でそれっぽい文章を書いた感じ。このままワンクールテレビアニメ放送しても耐えられそうな完成度でした。

その2
べ、紅崎ハルト! この人は本当に、対戦相手を魅力的に書くのが上手すぎる!
カナデちゃんのことを、作者並みに理解していないと出ないような立ち振舞い、台詞のオンパレード。なにより、能力原理を深く理解し、極めて有効に活用した応用が素晴らしい。そして、全てを突き崩す「うるせーーーッ!」の一言! 物凄いエンタメ力だ! どんな文章をどんな形で配置すればカタルシスを生むかをよくわかっている感じでした。すごい。


第二試合
やはり、注目すべきは最強の男とどう戦うか。かたや父親のオーバーテクノロジーで、かたや心対心に落としこむことで、互角の戦いを繰り広げていました。

その1
パロディとギャグが全開! 作者さんのセンスが光るSSですな! 全ての説明を、お父さんすごいで済ませる勢いのよさが好みです。それでいて、香墨さんのあの能力を、拡大解釈してここまで強い能力に仕立てあげたのがすごい。一応矛盾はないんですよね。作者さんは、相手を無茶苦茶に強くするのがすげえうまいです! そして、それを更に圧倒的な強さで押し退ける武田信玄! なんだよ信玄波って! ツッコミ所と熱さが高次元に融合した、見事な一編でした。

その2
す、すげえ! 信玄も香墨ちゃんもめちゃくちゃ格好いい! 前から思っていましたが、物凄く文章力高いですね。どいつもこいつも三時間で書いたとは思えないですが、この人は特にうまい。内容としては、これまでの戦いを全て回収するのが高ポイント。チキちゃんもかわいいし、武田信玄の過去もそれっぽいし、きっぽちゃん=織田信長説をここに来てきちんと回収してるのも、強さを感じます。決着も、場外というのは戦力差を考えれば無難なところ。全体的に、綻びのないSSという印象です。


第三試合
薪屋は堅いが、姫宮は速い。その共通認識から、お互いが最適解を出そうとした結果という感じがします。

その1
物凄い与太の固まり。バレエにそんな意味があったとは……から始まり、デレマスを回収しつつ、ラジカセを吹き飛ばすことで肉弾戦に移行する流れがきれいです。そして決着は、まさにロボットアニメをフィーチャーしたかのような二段変形! 王道の展開に燃えたあとは、最後の美しい一枚絵にほぅっとため息をつきました。面白いぞ!

その2
薪屋……薪屋が普通に闘っとる! こちらは、高速だからこそデレマスが効かないという、これもまた納得のいくアンサー。そして、中盤までは速さがタフネスを翻弄する王道展開が心地よいです。白眉は、決着方法。要するにホームランなのですが、意外性が高く、かなり面白い決着になったと思います。あと、中盤のましろさんがかわいいのですが、これも薪屋の妄想なのだな……と思うと哀愁もある。うん、面白い。


第四試合
お互いがお互いを強敵と見据え、取れる限りの手段を使った良戦! カイちゃんはどちらも可愛く、『提督』はどちらも格好いい!

その1
友情、過去の偉人との戦い、そして父を越えると、少年マンガのお手本のような修行パート! 眼前には、圧倒的な力を持ち、かつてのライバルを破った強者! そして、逆転勝利! 熱くならない訳がないですよね! そんな王道の筋書きを魅力的に見せるのは、カイちゃんの主人公としての熱さと、『提督』の格の高さ! また、敵役である『提督』とクインの絆や思いも描き、単品として見事な一編にしています。それも、一切の過不足なく! 作者様の技巧が光る、良SSでした!

その2
『提督』とクインが可愛くてもう! その1でも本当の名前話が出ていましたが、流石に作者といった感じの掘り下げかたでしたね! あと、音姫と街を巡るカイちゃんのかわいさね! これも大変よかったですね! 戦闘については、とにかくカイちゃんの格が高い! というか、数学が強い! 強すぎる! そして、決着は相手の能力の逆用という、実に『提督』らしい勝利。この人の能力は、無限に応用が出来て格好良いのです……!

24無知園児:2016/07/18(月) 20:51:23
第五試合
かたや心の欠損、かたや体の欠損。お互いが重めのバックボーンを持つ、よい組み合わせでした!

その1
コンテナの投げ合い、絵的に派手でよいですね。燃える港湾の戦いが目に浮かぶようです。そして、心象力の想像以上の使い勝手のよさ! 思いの外、無体な能力なのですね。しかし、この作者さんは本当に鈴ちゃんの描き方がぶれない。この子、常に顔で笑って心で泣いてるんですよね。楽しそうなのに、常に寂しそうな感じ。彼女が、この戦いを通じてどのような結論に落ち着くのかが楽しみだったりします。親戚のおじさんみたいな気持ち。

その2
そして、こちらの深夜さんも親戚のおじさんみたいな気持ちで見守ってしまう! この人は大変心情描写がうまくて、確かに深夜の立場からしたら闘いに赴くしかないし、そこで子どもじみた矜持を達成できたら笑うんですよね。共感できるのは、作者さんの表現力の力でしょう。また、鈴ちゃんの壊れ方も非常によい。どこか足りない人の書き方が、すごくうまい。物語としての面白さが一級品でした!


第六試合
強者然としたディーゼルと、それを倒すために暴走する稚器ちゃんという奇妙な符号が目立つ両者でした!

その1
稚器ちゃんと香墨ちゃんのやり取りがすごくかわいい! この人は、こういう文章も書けるのか……。オールマイティー……! 内容的には、どうしようもなく強く、面白く、熱線ないつものディーゼル。これほどのクオリティを毎回三時間で出してくるって、本当にどんな文章力をしているんだろうか……。その上で、きっちり稚器ちゃんの人工物の悲哀を出してくるのはすごい。全てにおいて、巧みといった感じのSSでした。

その2
重い筆致で非合法barのうさんくささを描写しつつ、戦闘は笑いとシリアスが混在した見事なもの。きちんと香墨ちゃんとのやり取りをベースにしつつ、実力者であるディーゼルを倒すため非殺傷の縛りを解くという流れがスムーズに描写されていました。最後は尻切れトンボっぽくなってしまってはいるものの、一応完成はしているのも良しです。


第七試合
すげえ! 展開の被りがすごい多い! 同じ思考回路をしている、噛み合った作者同士の戦いだったということか!

その1
イギリスン忍者かわいいし、古太刀さんは熱い! そして、その流れから古太刀さんの実況熱に弥六ちゃんが感化されるところがまた熱い! お互いに、自分のファイトスタイルに矜持がある同士というのが、よく伝わってきました。更に、そこからの肉弾戦がまた素晴らしい! 特に、倫敦大橋落とし破りの演出は、古太刀さんの格も高くなってて、すごく良かったです。決着も、よりによって薪屋の狂気SSを正式採用するという思いきりが、見事に活きたと思います。総じて、実によかった!

その2
相変わらず、とにかく古太刀さんの実況が強い! 存在が希釈されて危機感を感じ、肉弾戦にという流れは、圧倒的にスマートでした! 出てくるときの弥六ちゃんかわいい(笑) まさかのキリンエンドも、古太刀さんの無体さがよく出ていて、面白い終わり方だったと思います。とにかく、古太刀さんのプロ根性が素晴らしく、毎回のことながら実況シーンが楽しいSSでした。


第八試合
どっちも洞窟を使い、

その1
最後の一言ですね。最後の一言が全て。不覚にもめっさ笑いました。中盤の環奈ちゃんの可愛さも、非常に可愛かった。ひゃぅっ! がよかった。楠木さんの特性もうまく使っていて、全体的に手堅くまとまっている印象を受けました。だからこそ、オチがよく効く。面白かった。

その2
底知れぬ、楠木さんの実力! ある意味、この能力もかなり『なんでもできる能力』と言えましょう。詩や散文のような雰囲気重視の作劇に、この能力はとても合っていますね。また、環奈ちゃんのキャラを積極的に掘り下げようとしているのもよい。色々と挑戦的な作風と言えるかもしれません。

25無知園児:2016/07/22(金) 19:07:44
やっと書けた……。遅くなってしまった上に、二回戦読んでなくて申し訳ないぜ!

裏デレラ、第三回戦

第一試合

その1
ひ、ひどい! ひどすぎる! いや、笑っちゃうからなんですけど、これはひどい! 作者さんは、完全にリミッターを外してきた感じですね。
戦闘としても自滅のオンパレードだし、ただ笑いだけを求めた文章といった……いや、もはや笑いすら求めていない可能性すらあるな……。なんにしろ、やりたいことはとても明確で、かつそれをしっかり実現している辺り、良い仕事をしています。刺さる層には刺さりますね。めちゃめちゃニッチだけど。

その2
す、すげえ! すげえ丁寧に神田蜜柑を描き、物語としてもまとまってはいるんですが、ほんとなにいってんのか全然わからねえ! 太陽王国がどうした! 白×黒がどうした!
なに言ってるのかわからないままに全てが進み、謎の奇跡が起きて大団円という、本当に変なオチなのですが、辻褄は合わせているという。なんだか、物凄く高度な不条理ギャグを読ませてもらった感じがします。よくわからんけど面白かった。

第二試合

その1
冒頭の一文の格好よさ。そして、それが作品全体のテーマになっているという構成力。その上で大暴れするはっちゃけ感! リングを整えた上で暴れるという意味では、この作品自体がプロレスに近い気もする。反則もあるしね(GACKT)。
で、こんだけやらかしたあげく、最後は小気味よいエンドというのも、なかなかテクニカルですよね。全体として、もはや笑うの先に行った感じ。裏は全体的に無茶苦茶やってるけど、独自性、作家性という意味では、このSSから一番感じました。

その2
こんな勢いのある共闘路線、なかなか見れないですね! 最大の敵が監督なのも脱力ですが、その後の爆破、復活、戦闘に至るまで、全てに『死ぬほどどうでも良い』感が溢れていて、にやにやしてしまいました。
その中で、超ひも理論による転校生化から、不思議と爽やかさがあるラストまで、怒濤の勢い。キャラクター自体は生き生き動いていたし、なんやかんやと読み味は良かったです。

26クオンタム:2016/07/23(土) 00:34:15
表の三回戦、全八試合の感想です。

■第一試合(コロッセオ) カナデvsハルト
うおおおお紅崎ハルトオオオオアアアア!
SS1もSS2も「相手を超えるにはどうすればいいか?」をガッツリ考えた末でのぶつかり合いという印象が強いです。
二回戦オフィスビルのような同タイプSSのぶつかり合いとはまた違い、明確にSSの色が分かれている!読者の反応次第でどちらに転ぶか分からず、勝敗予想がつかない!
ただ、どちらのSSも中の人が心底楽しんで書いているのは分かります。色々な意味でこのカードが見れてよかった……

■第二試合(廃工場) 十四代目vs千勢屋
強い……!どっちも自分の強みがどこなのか分かってるところが強い!
最初は「SS1が千勢屋ちゃんのやつかな?」と思っていたので、途中からのパワフル展開にはびっくりしました。一方のSS2も二回戦と同じ正統派スタイルを貫いており、相手の掘り下げも上手い。ここも勝敗予想がつきません。
第一試合もそうですが、どっちのSSが勝っても四回戦(決勝)は更にすごい戦いが読めそうで今からドキドキです。

■第三試合(オフィスビル) 薪屋vsマリ
薪屋さんは二回戦のノリを貫くのかと思っていたのですが、かなり正統派のSSでびっくりしました!とりわけ最初のマリパート。中の人の地力を感じさせる細やかな描写が多く、純粋に強い……
一方のSS1も与太成分を存分に取り入れギャグ対策をしつつ、最後はしっかりXCモードならではの一撃で勝利!相手の防御をどうやって貫くか?という理論も筋が通っていてスカッとします。
双方ともに持ち味を活かしたSS勝負でした!

■第四試合(徳川秘密闘技場) カイvs提督
毎回思うのですが、カイちゃんのSSはクオリティが安定していて凄いです。決して多くはない分量の中に相手キャラ描写や能力バトル描写をしっかり練りこんでくる。これは書き慣れてないとできない事じゃないでしょうか。凄い。
提督の方は無知園児さんと少し被りますが、カイちゃんが超強い!バケモノ級に強い!こんな強いカイちゃんをどうやって倒すのか?と言えば、当然それは提督の能力による逆利用。
とにかく提督の能力は発想次第でどこまでも応用が効くので、中の人は上手いキャラメイクをしたなー!としみじみ思います。

27クオンタム:2016/07/23(土) 00:36:08
■第五試合(港湾施設) 灰被vs禍津
実力伯仲!というのが最初の印象です。文字数もほぼ同じで、内容に関しても自キャラができる事を突き詰めていった真面目で丁寧なSS。
SS1の方は雪合戦に絡めたキャッチーな会話で興味を引き、決着までさらさら読んでいけました。改行でタメを作ってからのオチも良かったです。
SS2も灰被さんの葛藤を描きながら丁寧に場の空気を作っていくので、「なぜこういうオチになるのか?」の説得力がある。しかもオチが序盤の葛藤へのアンサーになっていると、これまた丁寧。
キャラの能力的にも決して派手さはないのですが、だからこそここでこの2人がぶつかってくれてよかったなあと思う一戦でした。

■第六試合(非合法BAR) ディーゼルvs平賀
SS1はとにかく文章力が高い!軽めの導入で気を引きつつ、中盤からのバトル展開で一気に読者を世界に引きずり込む。やり方が上手い……明らかに場慣れしている…… 斎藤ディーゼルという災厄に対して稚器ちゃんがどう挑むか?というところも丁寧に描けてるのが良いです。
SS2の方はややオチが分かりづらい感もありますが、稚器ちゃんがこれまで乗り越えてきた戦いをちゃんと下敷きにした上で不殺の枷を外す。こういうオチは後半戦らしい経験の積み重ねが感じられて大変僕好みです。

■第七試合(サバンナ) 弥六vs古太刀
SS1は出だしが良い!これは持論なのですが、長文を読ませるときに一番重要なのは出だしだと思います。そういう意味でSS1の出だしは「弥六ちゃんがどういうキャラか?」「このSSはどういうノリか?」を端的に表していて上手いです。あと、豚さん貯金箱を使ってるのがかわいい。
SS2の方は堅実な試合運び!頭の悪いキャラではこの実況の恐ろしさには気づけない。対戦相手が弥六ちゃんだからこそ通じる光学迷彩封じはとても良いです。
どうでも良い事ですがキリンの脚力は本当に凄まじく、キリンの蹴りでアゴが外れたせいで餓死したライオンもいるとか。サバンナは怖いですね。

■第八試合(雪山) 日内vs楠木
まず最初に書くとSS2。「楠木ちゃんの中の人がどんどん力をつけている!SSCという場に適合していっている……!」というのが第一印象でした。楠木ちゃんというキャラ自体も、これまでの戦いを踏まえての不退転の決意。何を捨てれば戦闘能力で勝る日内環奈ちゃんを倒せるか……という覚悟が見えて非常にかっこいいです。
対するSS1は日内環奈ちゃんの可愛さを描きつつ、日内流砲術のトンデモっぷりを描く技量が光る!世間知らずだからこそ「銃の神様が助けてくれたのだ」という通常ならありえない解釈をしてくるし、道具は正しく使わなければ……という「どの口が!」なオチで〆る。かわいい!
トーナメント上でこそ勝利を逃している二人ではありますが、他試合と比べてもまったく遜色のない良いSSだと思います。
あとは個人的な意見ですが、SS2で胸の谷間に手を差し込む環奈ちゃんがエロくてよかったです。

28クオンタム:2016/07/27(水) 19:29:07
SSC四回戦の感想です。どのSSも面白くてガッツリ感想を書いてしまった為、長文連投することになります。ごめんなさい。

■第二試合(非合法BAR) 十四代目武田信玄vs薪屋武人
・SS1
純粋な能力バトルSSかどうかと言われれば否。間違いなく好みが別れるSSだと思います。が、それはそれとして初見でおなかが痛くなるくらい笑いました
。『パンダアアア!』の天丼芸も酷いですけど、それ以上にSSという皮をブチ破って中の人達の感情がデロデロはみ出てるのが面白いです。『何が能力バトルだ!!富樫先生を見習え!!』のあたりで完全敗北して大笑いしながら読んでました。
実際、薪屋さんは二回戦SSを考えるとどんな武器を繰り出してくるか分からない恐ろしさがあるので、絶対に予測不能な内容のSSで攻めるというのは薪屋さん対策としてはある意味正解なのかもしれません。

・余談:十四代目武田信玄について
『このチート級高スペックキャラをどうやって倒そう?』『どうやればこいつが負けてくれるだろう?』という部分に終始悩まされるキャラでした。最初は自キャラ負けSSを書く方向を検討していたのに、ルール上ダメだと気づいて慌てて対策を練りなおしたのも良い思い出。
信玄側はどうしても一方的に相手を倒す展開が多めなところに着目して『じゃあシーソーゲームでハラハラさせよう!これでワンサイドゲームが苦手な層を取り込めるぞ!』と思ったのも束の間、この超つっよいキャラとどうやってシーソーゲームするんだよ……というところでまた悩まされました。単純なスペックの高さは、それだけで武器になる!当たり前の事に気づかせてくれたキャラでした。

・SS2
こっちはネタに走らず正統派!上記の通り十四代目はキャラクターのスペックが高すぎるのでいろいろと勝ち筋を工夫しないといけないわけなんですが、今回の薪屋さんは『十四代目がわざと負ける』をチョイスした形ですね。
『博士を助ける』『宿敵・十三代目と手を組む』『織田信長を討つ』と、十四代目がわざと負ける要素はしっかり揃っている。しかもそれらをダラダラ書くのではなく短文でピシッと説明している。これらの要素を3500文字に収めてくるのですから、やはり薪屋さんの中の人は文章力・構成力が高いと思います。

 オチに関しては「あっ死んで切なく終わるのかな」と思ったら死ななくてちょっと笑いましたが、それ以上に笑ったのが「おかしくなってしまった自分の凶行」という部分でした。ああ……本人をして「凶行」と言わせるレベルだったんですね、過去の行動……!
薪屋さんがこの先どうなるのか分かりませんが、正気に戻れてよかった!生きて幸せを見つけてほしい!と思う、そんな幕引きでした。

29クオンタム:2016/07/27(水) 19:30:26
■第三試合(オフィスビル) 平方カイvs灰被深夜
・SS1
カイちゃん側のSSはいつも短めだったので、最初はSS2の方がカイちゃんかな?と思いました。逆でしたね!ごめんなさい!

 はじめに断っておくと、僕は数学の成績が壊滅的だったので数学ネタは半分くらいしか分かりません。数学用語も割と目が滑るところがありました。それでも「このSS面白い!」と思えたのは、描写を数学だけに頼っていないから。難解な数学用語を分かりやすく翻訳してくれているから。だと思います。
 その際たるものが今回の決着で使った『ゲーデルの完全性定理、ゲーデルの不完全性定理』。数学に詳しくなくても「完全と不完全」は相反するものだと一目で分かります。こういう「詳しくない人でもパッと見ればなんとなく言いたい事が分かる」という丁寧な表現力、要点をサラッと短くまとめる文章力。この二つが平方カイ執筆サイド最大の強みだったのではないかな、と思います。あらかじめ「0とは何か」「1とは何か」という、バトル物でお馴染みの師匠との禅問答をしてフラグを立てておくのも上手かったですね。

 あとは対戦相手、灰被ちゃんの描き方。これ、見逃しがちですが何気にハイレベルな事をやっていると思います。「俺は壊すしかできねえんだよ」と冒頭で言わせておいて、自分の首を切って意識が遠のく直前に「俺の『腕』は、人を傷つけるためにあるんじゃない」と言わせる。やけっぱちになっていた冒頭の自分を、クライマックスで否定して前へ進む。そのプロセスをたった二つのセリフで実現している。ハイレベルです。
 この感想を見ても分かる通り僕は表現が冗長になってしまうクセがあるので、見習いたいところです。

・SS2
こちらはジュブナイル!灰被深夜vs平方カイというよりは、「どうすれば灰被深夜が赤時雨ゴドーの元に胸を張って戻れるか?」「どうすればこの二人がこの先幸せに生きていけるのか?」というラストにたどり着くためのSSであったと思います。そういう意味では試合の外までしっかりと描く「提督」と同じタイプのSSだったと言えるのかも。とにかく平方カイは二人が乗り越えるべき壁であり、だからこそ最後の「俺たちの勝ちだ」も説得力が出てました。

 偉そうな事を言ってしまって恐縮なのですが、灰被ちゃんのSSは強いところと弱いところがはっきりしているように思います。『灰被さん側NPC描写に力を入れすぎた結果、対戦相手の影がやや薄くなってしまう』……そういう弱点は確かにあったんじゃないかな、と感じるところはあります。
ただ、そういうスタイルを貫いてきたからこそ今回のオチが生きるんだ!と僕は考えてます。だって赤時雨ゴドーはポッと出のNPCではない。プロローグからずっと灰被ちゃんを支えてきた仲間なのです。執筆者本人も対戦者もそこを分かっているのか、正史になったSSでは必ずゴドーさんが登場している。そのゴドーさんと協力して勝つんだから文句は言えないでしょう。

 あと、灰被深夜って名前自体がもろにシンデレラモチーフなんですよね。プロローグからずっと行き場のない劣等感を抱えていた彼女が、ここでようやく「変わりたい」と願って、前に踏み出して、変わって、終わる。SSCというキャンペーンらしいキャラクターだったと思います。

30クオンタム:2016/07/27(水) 19:31:51
■第四試合 斎藤ディーゼルvs紅崎ハルト
個人的にはここが裏決勝戦だと思います。ディーゼルもハルトも対策が取りにくく、中の人も色々な武器を持っていて、構成力文章力が当然のように高い。それがまさか最後の最後で潰し合う事になるとは……

・SS1
 ああああ!?こ、こういう紅崎ハルト対策があったとは! あの極めて対策を取りにくい、プロローグでも過去試合でも何一つ説明されていない、そもそも意味が分からないハルト君の能力を 『理解出来ないものを攻性無効化する力』 という、能力バトルの地平に引きずり下ろして、勝つ!バケモノを人間にした上で勝つ!すげえ! 言われてみれば単純。しかし僕はこういう対策は思いつきませんでした。ディーゼルの中の人を素直に尊敬。
無効化する理由付けも上手いですよね。難しいことが分からないアホでも吐血したら流石に「あっこれヤバイな」って分かるし……

 しかもこれ、高い文章力をシリアス成分とホビーアニメ成分、両方にバランス良くブチこんでいるんですよね。いるいる!初期最大のライバル(中盤で死ぬ)とか!アメイジングコキュートスとか!ブレイズインフィニティが更に進化したインフィニティ・エターナルとか!

 一方でディーゼルが勘当された理由も描き、ディーゼル自身の掘り下げもやっているのが上手いです。自分の事を理解してくれない、話を聞こうともしない、凝り固まった価値観しか持ち合わせていない化石臭い連中への怒りや失望。 斎藤ディーゼルは所謂真顔ボケ系のキャラで、「それは剣道じゃねえから!」というツッコミを全く聞き入れずに前へ前へ進む対話拒絶型キャラだと思っていたのですが、ここにきて僕の中で彼への好感度がグッと上がりました。『歩くべき場所を他者に決められて、何が『道』か』という確固たる信念による対話不能。とてもいい。そうですよ。他人に道を決められるくらいなら自分で決めた茨の道を歩む方がずっと良い。

 あと僕はクライマックスやエンディングでプロローグをリフレインさせる技法が大好きマンなので、最後の最後でプロローグと同じ 『そのタイミングとは特に関係無く!』 展開を持ってきてくれたのがとても良かったです。プロローグから数えて計五本目、キャラを全力で掘り下げてその信念を貫き通した。しかも相手は強敵・紅崎ハルト。斎藤ディーゼルという生き様を描ききった極上の試合だと判断します。

・SS2
ああああ、百合カップルが死んだ!ちっくしょう! 実際かなり感情移入してたところで京子ちゃんと由美ちゃんが無残に殺されたので、開始早々「斎藤ディーゼルーッ!テメーちくしょーっ!」って気持ちになってしまいました。実際はディーゼルの放射熱線で1死、レオパルドの炎で1死なのでディーゼルだけが悪いわけじゃないのにね。書き方のトリックというか、心理誘導が上手いというか……

 あとは全力の紅崎ハルト劇場。斎藤ディーゼル対策で半ば必須なのが『当たれば即死級の放射熱線をなんとかする(避ける・無効化する・撃たせない・etc)』なんですが、ハルト君は放射熱線を無効化するために生まれてきたようなキャラですね。直撃してもテンションで無効化できるし、身体能力も死ぬほど高いし、「そもそもそういうキャラだし」でかなり無茶な展開をさせても読者を納得させられるし。『ずっとトンデモ剣道をしてきた斎藤ディーゼルに会心の剣道ムーブをさせる事で放射熱線を封じ、スキを作らせる』という最後の一撃の流れも見事。

 SS1の感想でも少し書きましたが、ハルト君はとにかく対策がしづらいキャラでした。だって能力がさっぱり分からないし。ガンバトルの説明もガンバーストの説明もされないし、かといって紅崎ハルト劇場をエミュレートするのは絶対無理だし! こいつを三時間で描き切ろうとするとかなり思い切った事をしなければならず、どんどん自分のスタイルが崩されていく。自分に絶対有利な地形に引きずり込んで相手を殺す、ベトナムゲリラのような恐ろしさがありました。ハルト君の中の人は実に上手いキャラメイクをしたと思います。

なお、明らかに覚悟のススメリスペクトの『これでこいつはファイヤーハルト!』『これでこいつはファイヤーディーゼル!』には大笑いしました。唐突すぎるだろ!

31クオンタム:2016/07/27(水) 19:35:18
■四回戦第五試合(コロッセオ) 平賀稚器vs「提督」
・SS1
よ、読む試合間違えたかと思った!びっくりした!
提督の能力、なんでも開けるとは分かってましたが平行世界の扉まで開けるとは。これ、冗談抜きに応用力の高い能力ですね。能力応用を考えれば考えるほど執筆者の思考負担も大きくなるわけですが、SSCではない通常レギュレーションなら考える時間も多いのでもっともっと恐ろしい能力応用が出てきたであろう事は想像に難くありません。中の人怖い。

 SS本編ですが、全体の構成がうまかったと思います。全然関係ないキャラを出して「あれっ?」と思わせて読者を引き止め、そのあとに提督というキャラを掘り下げ、試合前後のバックグラウンドも掘り下げ、エピローグでは提督を支えてきたクインさん視点で心情をしっかりと描ききる。とにかく試合だけではなく『武闘会』というストーリー全体を描ききろう気持ちが伝わってくるのが良かったです。
【自キャラ、対戦相手】の二人で構成できる試合でも、あえてNPCを出して試合の外の世界も描いていく。試合特化型SSとはまた違った味が出ていて、そこを好きになる読者層をガッチリと確保できるんじゃないかと思います。強みですよね。

 あと、提督というキャラ自体は男性キャラの中でも一番オーソドックスな造形だったんじゃないでしょうか。何せ対抗馬が放射熱線、ガンバトラー、筋肉、実況者ですから。そういう意味では、普通の男性キャラが好き!という層を掴みにいけるキャラメイクだったのかなーと思います。


・SS2
す、すっげえ……5000文字未満でここまで濃厚な描写を持ってくるとは……

 まず「提督」の描写。SS1でもSS2でも提督が素の口調を出してるんですが、どっちの状況も『提督側に取り繕う余裕がない、最後だから取り繕う必要も薄い』という理由付けがあるんですよね。要するに「提督というキャラが素の口調を出すのはこういう状況だろう!」という、対戦相手に対する愛がないと描けない事をさらっとやってのけてるわけで、ここがまず素晴らしいです。

 次に、読者に対してフレンドリーなのが好きです。たとえば重要なところは『■■■■■』のように隠してますが、ここまで稚器ちゃんの試合を読んできた読者にとっては何が伏せてあるかなぞ一目瞭然。「伏せてあるけど俺は分かるぞ!」――というある種の優越感を読者に与えるのは、読み進める上でモチベーションに間違いなく影響する部分だと思います。上手い。

 あとはバトル描写。僕はワンサイドゲームよりシーソーゲームが好きなので、『稚器ちゃん追い込まれる』『提督の心理をついて自爆に巻き込もうとする。提督、絶体絶命!』『と思ったらまさかの自爆失敗』『仕切りなおし。稚器ちゃん圧倒的不利。この状況からどう勝つ!』 ……この流れは能力バトルにおいてかなり理想的なシーソーゲームだと思います。最後の一撃も、稚器ちゃんという物語の締め括りとしてあまりに綺麗すぎる。素晴らしいSSでした。

32クオンタム:2016/07/27(水) 19:39:18
■四回戦第六試合(オフィスビル) 日内環奈vs禍津鈴
どちらも試合描写に特化!文字数も同程度、キャラも立っている。お互い違う魅力を持つ女の子同士なので勝敗が非常に読みづらいです。

・SS1
まず環奈ちゃんの能力応用が上手いです。コピー機を持ち上げて落とす瞬間に能力発動というやり方はシンプルながら強力で、しかもオフィスビルという地形にマッチしている。地形活用をしつつ相手キャラ描写も同時に行う、上手いやり方だなーと思いました。試合のほうは鈴ちゃん敗北と見せかけてからの大逆転。逆転までの流れも、過去の戦いを思い出して「彼らに失礼になってしまうからこそ負けられない!」という、古典的ながらオーソドックスな流れ。王道展開大好きな僕としては好印象です。

 プロローグから分かっていた事ですが、鈴ちゃん側SSのバトル描写は非常に丁寧!キャラがこういう考えをして、こういう動きをして、こういう結果が起きた……という描写を欠かさないので戦況を把握しやすい。そのぶん説明過多になってバトルの勢いが殺されがちという弱点もありますが、そこをもう一個の長所でカバーしてるのが上手いと思います。

 で、もうひとつの長所というのがキャラの心情描写の上手さ!二回戦で見せた『楠木は人に愛されたい』という描写にしてもそうだし、今回の『よくぞ私の信念を信じてくれた』前後の流れもそう。「こういう風に生きてきたキャラならこう考えるだろう、こう行動するだろう」という、キャラレイプとは真逆のスタイルはかなり好感が持てます。“エンチャント・心象力!”という能力自体が心情描写に向いているので、筆者さんは自分の武器を分かってるなーという印象でした。


・SS2
日内環奈ちゃんは斎藤ディーゼルと同じような真顔ボケキャラというか、『銃撃てよ!銃はそうやって使うもんじゃねーから!』というツッコミをガン無視していくキャラなわけですが、最後の最後でそのタブーに自分から踏み込んできたのが面白かったです。「なぜ日内流は銃を撃たないのだろう」という当たり前の事にようやく気づいての自問自答。迷い、悟り、開眼。いいですね。

 短いながらバトル描写も説得力のあるもので、「飛び道具は無効化できても手榴弾の爆発は殺せない」「鈴ちゃんの心象力を逆に活かし、場外ホームランで決着」というのはお互いの持ち味を活かしたバトルで良かったです。特に飛び道具無効化能力の意外な弱点!ここはさすが自キャラだなーって感じでした。そうですよね。絶対無敵バリアーではないのだから爆発までは防げない。盲点だった。
あと、対戦相手の鈴ちゃんの描き方も説得力があります。こういう状況なら「降参してくれない?」って言いそうですしね、彼女。

 ここまで日内環奈ちゃんのSSを読んできてわかったのですが、この筆者さんは可愛い女の子を描くのが上手いです。それもあからさまに可愛い描写を挟んでくるのではなく、要所要所で「そのキャラらしい」クリティカルな描写を入れてくる。
具体的には鈴ちゃんの『降参なんてしてもらえる訳ぇぇぇ!?』や、『日内色に世界を染める方が簡単だ!』という環奈ちゃんのセリフですね。特に後者はどう見ても簡単じゃないんですが、世間知らずで脳筋一直線な環奈ちゃんはそこが分からないんですよね。そこが脳筋おばかキャラ好きにはたまらない。とにかく、短い描写でキャラの可愛さを表現できるというのは間違いなく一つの才能。強いです。

33クオンタム:2016/07/27(水) 19:44:18
■四回戦第七試合(スクラップ置き場) 弥六vs姫宮マリ
この試合に限らないのですが、最後の試合ということもあって「エピローグなどを入れてお話全体を畳む人」と「試合だけを集中して描く人」に分かれますね。どちらが良いとかではなく単純にスタイルの違いが面白いのですが、ここもまさにそういう試合でした。

・SS1
 こちらはお話を畳むタイプのSS。バトル描写を入れ、そこから世界の危機が訪れ、ノブリスオブリージュを果たし、エピローグでマリちゃんのネタばらしもしつつお話を〆る。ところどころで入る与太エッセンスについては好みが別れるところだと思いますが、間違いなく綺麗に終わったSSでした。
 マリちゃんの本名に関しては最初から決めてたんでしょうか?お忍びおてんばお姫様!かなり好きなタイプのキャラ造形なので、もっと早くこの事実を知っていたら彼女の試合をもっと別の視線から見れていたかも……!

 あとバトル描写が結構好きです。次々とサイバネ武器を使い捨てていく序盤の流れがスピーディで良いですし、そこから弥六ちゃんが本気を出す流れがまた良い。ここまで散々インチキ忍者ムーブをしてきたのに、最後の最後で正統派サイボーグ忍者の姿になる。ネタっぽくしようと思えばいくらでもネタっぽくできただろうに、それをしない。対戦相手へのリスペクトを感じます。
「本気を見せてやる」という弥六ちゃんのセリフ通り、サイボーグ忍者モードの弥六ちゃんとXCモード発動中のマリちゃんが互角なのもよかったですね。パワーバランスが取れていて非常に良いです。

・SS2
 こっちはSS1とは逆に試合に特化。こちらも面白かった!ギャグとシリアスが良い具合にブレンドされていて、しかもそれがしつこくない。5600文字とは思えないほどにサラサラ読めてしまいました。

 まず「あたしの体は昔から〜」という導入がいいですよね。改めて自キャラの背景を掘り下げる事で、しっかりと弥六ちゃんに感情移入させてくる。
 で、そのあとの口喧嘩もまたいい。「試合開始時刻=戦闘開始時刻ではない」という今回のレギュレーションを上手く使った「口喧嘩」!しかも因縁深きイギリスvsフランスで、見目麗しき少女が二人!これは盛り上がるというものです。バレエとバリツの言葉遊びもうまい。

 ここまで来ると弥六ちゃんがあっさり勝って終わりそうなんですが、そうならないのが良いですね。一度弥六ちゃんが完勝したと思わせ、思わぬところで相手の逆鱗に触れてしまい、XCモードの猛攻を食らって満身創痍。もうこれはどう見ても弥六ちゃんが口を滑らせたのが悪い。このバカ!マヌケ忍者!才羽鉄子!
 でもそういうところも弥六ちゃん“らしさ”が溢れていて可愛らしいです。オチの巨大要塞に関してだけはやや力技な印象も受けましたが、ここまでの流れが非常に丁寧だったのを考慮すれば些細な事でしょう。面白かったです。

・余談
 弥六ちゃんの対戦相手は「信玄、薪屋、古太刀」。マリちゃんの対戦相手は「提督、信玄、薪屋」。信玄・薪屋という部分が共通してるんですね。
 奇しくも同じ相手に敗北を喫した二人が、こうして最終試合で意地を張り合う。ベストバウトが試合単位ではなくSS単位投票なのが残念なくらい面白いマッチングだったのではないでしょうか。

34クオンタム:2016/07/27(水) 19:50:23
■四回戦第八試合(サバンナ) 古太刀六郎vs楠木纏
古太刀さんは二連続のサバンナ。同じ戦場が連続するのはネタ枯渇の危険性もあるし、地の利があるとも言える。難しいところですよね。

・SS1
 失礼ながら楠木ちゃんSSはいつも短めなのでSS2が楠木ちゃんだと思っていました。思っていましたというか「古太刀六郎 敗北」を目にするまで、SSその1が古太刀さん側SSだと信じて疑いませんでした。だって古太刀さんの実況力もすごく高いし、楠木ちゃんもいきなりピンチだし……!

 実況描写が上手いのはもちろんなのですが、僕が好きなのは中盤の古太刀さんの独白です。これまでは自分の能力を誤解していた。傲慢さと固定観念が自分の可能性を殺していたが、敗北によって魔人の持つ可能性に気づいた……というこの流れ。「私に実況できないものはない」と言い切ってしまう程の圧倒的自信。こここそが「SS1が古太刀さんのSSかな」と思った最大の理由です。まるで長年使ってきた自キャラのような描写です。
 楠木ちゃんがカバに喰われて死んだ!と思わせるミスリードも見事の一言。そこで「死にたくない。負けたくない」とハッキリ自分の考えを出すのがまたいいです。プロローグ時点ではどんなキャラか全く分からなかった楠木纏というキャラの全貌が徐々に明らかになってくるこの快感!分かりますか!伝わってほしい!

 決着も綺麗ですよね。体液を交換すればカバだって模倣できる!古太刀さんの能力でカバの脅威を強化しすぎた因果応報!シンプルゆえに美しい。
 能力バトルとしても、楠木纏が勝利をもぎ取る流れとしても、この上ないSSだと思います。


・SS2
 3000文字に満たない分量ながらこちらも面白かったです。特に前半のダブル古太刀によるダブル実況!
 話としてのテーマもいいですね。『コピーが必ずしもオリジナルに劣ると、どうして言えましょうか!』という一言が、そのままそっくりモノマネしかできない楠木ちゃんへの問いかけになっている。

 何よりSS2で好きなのが決着までの流れです。『相手を降参させるだけなら簡単。何故降参したのか、降参するだけに足る理由はあったのかをちゃんと描くのは至難』と僕は考えてますが、普通の人間に戻れるまさかのチャンスが出てきたのなら降参くらいするでしょう。説得力があります。

 割とゲスい実況をやることも多かった古太刀さんですが、「どうすればいいんだろう」という楠木ちゃんからの問いかけを茶化さずに真摯に回答していたのがまた好きです。かといって一方的に答えを押し付けるのでもない。「君が悩んでいるのは分かる。だったらこういう生き方もあるし、こういう生き方もあるんじゃないか」と提示して、最後は見守る方向で実況を終える。楠木ちゃんは多分これから幸せに生きていけるのだろうなと思える良いSSでした。

35無知園児:2016/07/29(金) 18:59:25
第四回戦

第一試合
決勝戦にふさわしい、素晴らしい戦いだった……。ほんと、すごい。

その1
とにかく読みやすい。7000文字越えと、今回のキャンペーンではかなり長めのSSでしたが、それを一切感じさせない。おそらく、絵的な派手さが物凄く、映像が容易に頭に浮かぶからこその、読みやすさなのではないでしょうか。
内容も、驚嘆の一言。カナデちゃんはカナデちゃんらしく、香墨ちゃんは香墨ちゃんらしく、お互いがお互いの持ち味を活かした戦いでした。特に、カナデちゃんというハルト、ディーゼルに続いて災害級の相手を前に、香墨ちゃんが取った方法が、まさに災害クラスの大技であったことなど、パワーバランスが非常によく取れていました。最後まで、手に汗握る戦いだった! 素晴らしかった!
それにつけても、とにかくカナデちゃんは好感度が下がりにくいキャラでした。闘いそのものを楽しむというある種狂気的な性格ながら、天真爛漫さをプッシュすることで誰にでも愛されるキャラに落とし込む。また、キャンペーンの特性上、この手のキャラ特有の殺傷非殺傷のジレンマが一切なかったのも、好感度の上昇に寄与していたのかなあ、と思います。戦っている姿がただ楽しそうで、見ていて気持ち良かったです。

その2
がんばる、にぞわっとした。熱すぎて、物凄く好みすぎて、鳥肌がたちました。この、「現在の自分こそが最強の自分」というアンサーは、カナデちゃんのキャラクター性も含めて、最高に近い答えだと思います。
戦闘SSとしても十二分なのですが、とにかく熱すぎる。笑顔と笑顔で戦う二人の、どこか爽やかな熱戦。そして、情緒溢れる決まり手。二人のスタイルの違いに言及など、もう全てにおいて完成度が高すぎる。マジで三時間で書いたの? 嘘だといってください。めちゃくちゃ面白かったです。
香墨ちゃんは、どこまでも相手を立てた上で、そのほんの少し上をいくという、絶妙なバランス感覚が魅力のキャラクターだったと思います。戦力的には明らかに格上の相手に対して、背景を解体し、負けるべく理由を打ち出し、そこを見事につく。香墨ちゃんもまた、とにかく応援したくなるキャラだったのも、うまかっです。キャラの特性と勝ち筋が見事に絡み合った、戦略的キャラメイクだったのではないでしょうか。


第二試合
どちらも ちゃんと ひとのえすえすをよんで はなしにとりいれてるので すばらしかったと おもいます

その1
こ、これはとんでもないことになったぞう……。怒れる武田信玄が、この方向に本気になると、ここまで強いんですね。いや、すごいわ。ある意味、薪屋を飲み込むくらい勢いのある狂気を感じる。ある意味めちゃくちゃ見苦しいけど、めちゃくちゃ面白い。しかも、そのある種の見苦しさこそが、最大のネタであるという。ち、知能犯! クレバーな狂気は、ここまで絶大な力を発揮するものなのか……!
その中でも、信玄逸話に差し掛かったときの格好よさは尋常ではないですね。負けると努力が勿体ないから、必ず勝つはすごい。五代目の格好よさよ。なんやかんや、注釈とパンダさえクリアすれば、普通に熱くて格好良い戦闘だった気がします。その辺りのバランス感覚も、実に素晴らしい。面白かった。
信玄は、プロローグでは想像もつかないほどに自由度の高いキャラクターで、とにかく何をしても「信玄だからできる」というのが異常な説得力を持つ、便利なキャラだったと思います。作者様の与太力の高さも作用して、ある意味今キャンペーンで最も強い飛び道具を持っていたキャラだったのではないでしょうか。かといって、素が格好良いから絡みづらさもない。巧みなキャラだったと思います。

その2
薪屋さん……。三回戦の香墨ちゃんのSSちゃんと読んでる……。それに対して、当の信玄があれだったの、いっそ清々しいな。まさか、薪屋さんを哀れに思う日が来るとは思わなかった。
そして、奇しくもSSその1の解釈が的外れではなかったことが、このSSで証明されているという……。なんか、すごいシンクロっぷりだ。博士を助けに行った武田信玄のその後も気になるところですが、なんといってもオチ。これまでの哀愁を全て筋肉でぶち壊しつつも、よく考えたらやっぱり哀愁が漂う気もする、絶妙な最後の一文が、とてもお気に入りです。薪屋の物語として、これ以上の完結の仕方はないと断言できる。良いオチでした。
薪屋さんもまた、筋肉でなんでも説明できる、便利なキャラクターでした。結局、デレマスではっちゃけたのは第二回戦のみで、その他の戦いでは終始クレバーかつシュールなギャグを挟み込む形だったのも、ギャップがあって楽しかったです。ほんと、あのときはなにかに取りつかれていたのだろうか……。

36無知園児:2016/07/29(金) 19:00:44
第三試合
最終戦にふさわしい、生きざま対生きざまの対決! お互いに人を求めているにも関わらず、そのスタンスはまるで正反対という、好対称な勝負でした。

その1
実によい最終回でした! 共闘展開のお手本のような展開に、段階的に上がっていく熱量! 非常に盛り上げ方がうまかったです。
また、最後まで勝敗に頓着のないカイちゃんのキャラクター性も貫き通し、魅力を増していますね。深夜ちゃんのモノローグも、求めているものを的確に出された感じ。起承転結がきっちりしているし、盛り上げどころの熱さもしっかり演出。完全性、不完全性の辺りは、燃えました。カイちゃんは、出自や戦闘スタイルは独特で面白かわいいにも関わらず、話の筋自体は親越え、友との心の交流、成長という、王道パターンを貫き通したことで、良い意味でギャップが出て、その魅力を増していったキャラだと思います。その成長をこの目で観ることができて、どこか嬉しさも感じます。やはり、王道は強い。

その2
あ、甘い! めちゃくちゃに甘いぞ! しかし、なんとも心地よいというか、嫌みにならない甘さですね。ゴドーはモテすぎ3回死ねとか思わなくもないですが。
深夜の物語の完結、という意味では、これ以上ない結末でした。ゴドー良いやつだなあ。深夜ちゃんの親戚のおっさん気分になっていたので、思わずホロリ。戦闘としては、完全な自滅待ち。好奇心のままに数学を求めたカイちゃんと、耐え続けることで生きてきた深夜の、生き方の違いが出たのかな、という感じです。深夜ちゃんの尊いところは、敗北をしても、勝利しても、相手が誰であっても、このSSC4戦全てを使って、深夜ちゃんをすく物語にするという部分が、ぶれなかったところだと思います。一点、深夜ちゃんの数学対策について言及してもらえればよかったなあ、とは思うものの、物語としては必要十分以上の完成度だったと思います。

第四試合
災害対災害! 下された相手を考えると、裏決勝と言っても良いレベルの好カードでした!

その1
ディーゼルがどこまでもディーゼル! (色々言いたいことはあるけれど)自分の死期を悟りつつ、それでもなお剣の道を行くディーゼルに格好よさを……おぼ……おぼえ……!?
あと、ハルト君のエミュレートが異常に上手いです。これについては、おそらくカナデちゃん以上ではないでしょうか。災害としてのハルトくんの「圧」が強く、ケヒャ郎が一挙一動クズ。その上で、ハルトくんの能力を能力説明から読み取った上で対策をとるクレバーさなど、ただの勢いでは終わらない、能力バトルとしての面白さもあります。そして、なんといってもオチ! ハルトくんは最後までハルトくんだったし、ディーゼルは最後までディーゼルだった! お互いの持ち味を活かし尽くした終局に、どこか感動すら覚えました。ディーゼルの良さは、理路整然とした頭のおかしさだと私は思っているのですが、このSSはまさに素晴らしい熱と固い文章力をクレイジーで包んでいる印象がありました。凄かった。


その2
こちらは、与太話から始まり、無辜の市民のとばっちり死、うさんくさいジジイの暗躍など、これでもかと愉快なモブを追加する大判振舞い。た、楽しさしかない!
戦闘については、これまでのハルトくんの熱量を上回るレベルの勢い! しかし、ただの勢いだけでなく、「怖……。こいつ絶対おかしい……」等の細かな緩急の付け方が巧みで、全然胃もたれしない。中盤の叫び声合戦も面白さばかりが先に立つし、その上終盤の愚かな人類以上に愚かな男、の辺りには、もはや謎の感動すら覚えました。どのような形であれ、どんな環境にも全くぶれることのない主人公は格好良いし、それがオチのカタルシスにも繋がっている気がします。ディーゼルの思い、信念を書ききった上で、その全てを突き崩す「うるせええええええええェェェ――――――ッ!!!」の一言。いやあ、本当に爽快でした。ハルトくんは、本当に火山の噴火のような、理不尽に全てをぶち壊すキャラクター性を持っていました。この「絶対的な死」とでも呼べそうなキャラクターに対し、相手キャラが何を考え、どのように立ち向かうかを見事に描写したことで、SSキャンペーンにおいても強者足り得たのだと思います。作者様の力量のすさまじさよ。

37無知園児:2016/07/29(金) 19:01:49
第5試合
お互いが、自分の物語を強く持った者同士の闘いという印象でした。自分の世界に引き込んだ方が勝つのではないでしょうか。

その1
いきなりのカナデちゃん戦という謎めいたオープニングから始まり、雰囲気のある提督の過去話。この作者さんは、雰囲気作りが抜群に上手いですね。ハードボイルドパートが、物凄く絵になって、格好良いです。
戦闘も面白く、もはや完全に怪物と化した稚器ちゃんに対し、真っ向勝負を是としない提督の最大のかくし球は……助っ人! これは、かなり意外性のある展開でした。同時間帯に戦闘しているという設定から、他者の試合には普通は出演できない中、平行世界を「開く」という並外れた能力応用で実現する! なんと幅の広い能力応用か! そして、語り部の叙述トリック。相当好きな人じゃないと、これは思い付かないんじゃないかなあ。締めの余韻に至るまで、『提督』の物語を完結させるという意味合いでは、非常にレベルの高い短編だったのではないでしょうか。
『提督』は、特によく練られた設定が印象的なキャラクターでした。飄々としながらも、その実冷酷で、実力者。かといって情がないわけではなく、特に部下には深い優しさも見せる。頭から爪先まで格好よさが詰まっていて、なんなら彼が主人公の短編なんかも読みたくなるような、魅力溢れた人物に成長をしたと思います。

その2
前試合の、ディーゼル戦や、香墨ちゃんのSSに合わせて設定を作ってきている感が、好感触。また、言葉遣いや、《》の使い方がうまく、現在『どちら』なのかが大変分かりやすいのも良いですね。
『提督』の格が高く、大変格好良いですね! なりふり構わない強者の風格が出ています。また、今までさんざんいじられてきた自爆装置が、破滅的な破壊力を持つ兵器として存在感を見せてきたのも面白い。その上で、千勢屋との絆を持って自爆を止め、その原因を探るため記憶が戻るという流れも美しかったです。そして、活路を『開く』! この、非常に綺麗に決まった『提督』の能力応用を越えての、即中即仏! 逆転に次ぐ逆転を描いた上で、最後は心なき機械が絆の力で勝つという、王道な着地が印象強かったです。
稚器ちゃんは、初戦から香墨ちゃんに設定を持っていかれていましたが、そこからの香墨ちゃん設定を踏まえた建て直しがとても上手く、非常に面白いキャラクターになったと思います。残虐性と不殺の二律背反がこれほどに映えたのは、からくりという特徴が作用したのでしょう。コメディーにもシリアスにも人情にも殺界にも対応できる、間口の広さが魅力でした。


第6試合
ゆるゆる暗殺者対生真面目武道家。ここもなかなか好対象な戦いで、お互いの持ち味を活かしていましたね。

その1
振動の使い方が上手い! 心臓の代わりにするのも、振動を溜めるのも、かなり良かったです。心象力は、『開く』並みに応用力の高い能力でしたね。
逆転に次ぐ逆転。布石の回収など、能力バトルとして非常に質が高いのはもちろんですが、それ以上に鈴ちゃんの心情描写が良かった。なんというか、飄々とした面が目立つ鈴ちゃんですが、思考は非常に全うな人なんですよね。だからこそ、深夜ちゃんとよく噛み合った部分があると思うのですが。
しかし、それでいて、この殺し合いの場において、暗殺者家業であるにも関わらず、まるでスポーツマンのような「全うな思考」を持つという狂気。そして、全力で頑張ろうと決心した次の手が、心臓を無理矢理震わせて延命するという埒外なもの。作者さんがどこまで意図しているかわかりませんが、この子はどこまでも不安定であるところが、キャラクターとして非常に面白いところだったと思います。


その2
ゆーつーばーを職業にするのはやめた方がいいと思うんだなあ、お父さんよ。笑いました。環奈ちゃんは、殺意とコメディーがバランスよく同居する、うまいキャラメイクだったと思います。
こちらは、能力バトルというよりは、絵的な面白味が強いSSだったと思います。放心状態の環奈ちゃん。驚いたり取り繕ったり、表情豊かな鈴ちゃん。だらだらの八百長試合から、コントのようなお父さんとのやり取りを経て、止めのフルスイング! 全てが、映像で頭の中を流れました。イメージを沸かせる、非常に面白味のある文章だと思います。
それにしても、環奈ちゃんはとてもかわいい。環奈ちゃんのかわいさの根幹は、不器用さだと思います。個人的に、日内流を復興した方が楽、という結論に達したところは非常に好きなシーンで、結局楽な道を行くにも勝鬨を挙げずにはいられない、日内ちゃんのまっすぐな不器用さが見てとれる、よいシーンだったと思います。

38無知園児:2016/07/29(金) 19:04:04
第七試合
イギリス対フランス! サイバネ対サイバネ! 互いに、対立しつつも似通ったアイデンティティーを持つ者同士、激突は大いに盛り上がりました!

その1
すごい展開をもってきましたな! ここもまた、最終回に相応しい。そして、姫宮さんの大ネタ! この設定を用意しておいて、最終戦がイギリスン忍者弥六であるというのは、何かの運命すら感じますね。しかも、今調べたら、メアリー1世ってブラッディ・メアリーって呼ばれてるんですね。なるほどなあ。お見事。
序盤の贅沢な最強サイバネ対決から始まり、巨大な敵の出現。共闘、そして合体からのオチ。荒削りという印象はありますが、とにかくやりたいことしかやらないという信念が伝わってきて、全体から漂うワクワク感は随一です。合体の辺りは何が起こっているのかちょっとわかりづらさも感じましたが、その辺はあふれでる楽しさでカバー。また、さりげなくきっぽちゃんの理念が非常にスマートに解説されていたのもポイント高いです。全体として見て、この武闘会の意図としてはかなり良質なアンサーだったのではないでしょうか。
姫宮さんは、キャラメイクの時点から義肢だったりお嬢様だったり様々な面で好感度をあげてきましたが、戦闘を重ねる度、まるで子どものように戦場で楽しむ姿が、特にかわいく思えました。この子の最大の望みは、アニメのヒーローになることだったのだと思うと、アニメ好きという個性が輝きを増したように思います。良いキャラだった。

その2
さ、サイバネの力じゃねえかあー! このオチ好きです。バリツっていったい。
テンポが良い会話から始まり、戦闘はストロングスタイル。全体的にわかりやすくて隙がないSSという印象です。特に、会話がよかった。なんなら、ずっと舌戦でも面白いものになったのではないかとすら思える、かわいさと楽しさでした。戦闘面については、バリツとバレエが元々同じものだったというのは、かなり面白いアプローチでした。発想が良いし、それを補強する与太力も高い。その上で、全く同じ技で闘うところはかなり盛り上がりました。
その後、超人オリンピックが始まり、最後は最強のサイバネで決着という。ここ、何度読んでも笑っちゃうんですよね。要塞って。見も蓋もない強さであっさり決着。面白い。
弥六ちゃんは、とにかく動く姿がかわいいキャラクターでした。喋っても、戦っても、どこか緊張感がなく、間の抜けた印象があり、それがかわいさに繋がっていたように思います。それだけでなく、戦闘で支払う金により強さも上下することができるなど、ギャグもシリアスも戦闘も対応できる、誰と戦っても相性の良いキャラでした。

39無知園児:2016/07/29(金) 19:04:43
第8試合
実力伯仲! ある意味、四回戦で一番悩む闘いかもしれない。お互いにきっちり成長して、きっちり面白いSSを仕上げてきましたね!

その1
お、面白い! ここに来て、躍進を遂げたという感じ。戦闘として、かなり面白い内容でした。
この作者様は、そもそもの文章力がかなり高いように感じます。古太刀さんの実況も非常にうまかったと思いますし、その後の覚醒も非常に説得力がありました。古太刀さんというキャラクターを、非常によく捉えていたのではないでしょうか。その後、楠木ちゃんがカバに襲われるところなんかは、地上最強の生物の恐ろしさを遺憾なく発揮した演出でした。食われる描写とか、ぞわっとしましたよ! そして、最後は楠木ちゃんの能力で、古太刀の能力を逆用し、勝利者する! 能力バトルとしても、非常に収まりの良いラストだったと思います。
楠木ちゃんは、キャラ説等の正体不明具合が強く、実態を掴みきれないキャラクターという印象がありましたが、終わってみれば、作者様ご本人はもちろん、対戦相手によっても非常に魅力的に書かれていて、戦闘を重ねるごとに好きになり、お気に入りのキャラクターになりました。これもまた、SSキャンペーンの醍醐味ですね。それと、作者様ご本人がどんどんダンゲロスSSに対応していくのも、次はどうなるんだろうというワクワク感がありました。総合的に、大変魅力的なキャラクターになったと思います。

その2
さ、爽やか! サバンナに爽やかな風が吹いた! まさか、この二人の対決で、これほどに気持ちの良い決着が見れるとは思いませんでした。
初っぱなの、古太刀同士の舌戦がまず見ていて面白い! コピー能力だからこそというかなんというか、もううるさいのなんの。新潟という生態を戦いに組み込むのも小技が効いているし、古太刀の能力がコシヒカリの毒性を無害化するというのも、古太刀さんだからこそ出来る手でした。そして、なんといっても締めの美しさ。古太刀さんにとっても、己の実況は大切なものであると同時に、忌むべきものでもあった。ただの実況狂人ではない、多くの後悔や葛藤を持ちながらもじっきょうせずにはいられない、非業のアナウンサーであるというキャラクター性がよくでた、素晴らしい締めだったと思います。
古太刀さんの良さはまさにそこで、彼は本当に自分も他人も巻き込みながら、良い実況をすることが第一の人なんですよね。しかし、闘技者でもあるし、勝ちたいという欲求も普通にあるから、なるべく勝てるような実況を心がける。その、なんとも人間臭いキャラクター性が、明言することなく透けて見えるのが好きでした。普通の人が、過ぎた力と力を行使する欲求をもってしまったら、という、まるで非業のヒーローか、人間的な悪役のような、絵になる男だったと思います。

40丁(テイ):2016/07/30(土) 21:38:39
ヤンス〜〜〜!

41丁(テイ):2016/07/30(土) 21:39:25
誤爆しました(死)


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