†銀騎士と白虎と緋皇女† - 1362318658

1：名無しさん：2013/03/03(日) 22:50:58: クリッククラック(叩き砕いて)

残酷な伽噺(おはなし)を始めよう

銀騎士は反逆し
白虎は暴れ食む
緋色の犠牲によって成り立った皇女は幸福に統治するのか？
2：世界観舞台：2013/03/03(日) 23:39:49: 魔法もエルフもモンスターも何かもアリアリなファンタジー世界

舞台は侵略国家レーゲン帝国
既に多数の国家を傘下に納めた後であり、侵略国家とは正確には後の世で呼称される事となる
主に帝国、レーゲンとだけ呼ばれる

あまりに土地が広すぎる為、あらゆる気候や立地が存在し、場所によっとは同じ国とは思えない様な環境が広がる

魔動武具/神奉祭器
魔力動力式武具。通称、武具。或いは魔○○(形状に依る)。
神聖魔法固定触媒。通称、神器。

不思議な、魔法じみた力を秘めた道具達。
人間の血縁があれば使用可能。
一部、その他の種族でも(あるいは固有種族固定で)使用可能なものがある。

武具と神器の違いは宿す魔法の区分による。
武具は詠唱魔法。神器は神聖魔法の力を再生再生再現する。

魔法発動の詠唱が不要。
尚且つ使用者のコンディションに左右されず一定の効果を安定しつつ場合によっては連続使用すらも可能という利点がある。

武具に限るが帝国のみが生産可能であり、侵略の成功の要因にして統治の維持持続の要である。

神器に関しては遺跡等からの発掘や家宝などで受け継がれた物などの過去から存在し続けたものしか今現在確認されていない。

守護騎士/守護姫
通称、男性は騎士。女性は姫。
特技や装備如何によって戦姫だの巫女姫だの剣姫だの、黒騎士だの銀騎士だのと呼ばれる事も。

モンスター退治から治安維持活動、はては犯罪に手を染めた騎士や姫の取り締まり。造反貴族の粛清。
自衛官と警察官を足して２で割って危険度と特権階級を上乗せした職業。
いわゆる職業的な騎士号、姫号としての階級であり名前程高貴な存在ではない。
最底辺ながら国家が貴族として保証し、年金と武具の支給がなされる。

志願者の希望が受理されるかスカウトにより、新たな騎士/姫が生まれる。

基本、ツーマンセルの二人組

殉職率、行方不明率が凄まじく高いのだがその事に気づいてる者は少ない。
3：キーワード：2013/03/13(水) 19:17:49: 物語上時間軸：８年前
大陸規模の大飢饉発生。
帝国のみならず諸外国も貧困と飢えに喘ぐ

物語上時間軸：７年前
諸外国が立ち直る中、復興の兆しが見えなかったレーゲンは当時の皇帝の不自然な急逝と共に当時まだ幼かった皇女(現女帝)を宰相が即位させるや直後に周辺各国へ宣戦布告。
国内の情勢が不安定なままでの開戦は自滅の道を辿るのみと思われたがしかし。
皇女の操る神聖魔法と量産化された魔導武具により帝国の侵攻は誰も予想できなかった程の苛烈さでなされ、瞬く間に各国を撃破し支配下に置いてしまう。

その間も甚大な数の国民が兵糧としてなけなしの食料を徴収され、死亡したとされる。

物語上時間軸：３年前
帝国、概ね周辺各国を制圧し征服。残った国家とは停戦条約を結び終戦宣言。

物語上時間軸：２年前
騎士・姫制度導入。
膨れ上がった国土をあまねく平定させ、安定した統治を目指す。

物語上時間軸：一年前
侵略戦争の英雄『銀騎士』スルトが突如反逆者となって帝国から離反する。

実験部隊
戦時中に存在したと噂される帝国の暗部。
武具の威力実験にとどまらず、殺傷性の検証、あるいは反動や余波を実験部隊員そのもので確認するなど敵味方問わず大量の犠牲者と引き換えに存在した……らしい。

敵戦力だけではなく巻き込まれ居合わせた一般人すら機密保持の為に虐殺したのでは、とも噂されている。
捕虜を弄びこそしなかったがそもそも対峙した場合、相手側に生き残りがいる事が殆どなかったとも、日に千人殺して自分達も試験武具の暴走暴発で百人は死んでしまったなど。
ロクでもない良くない噂が尽きない。
戦後に解体された……というか実在したかも定かでない。

《反逆者達》

テロリスト？
テロリスト……なのか？
戦時中の英雄が一人、スルトを中心に帝国へ反旗を翻した者達……なのだが活動は主に慈善事業や吸収されて領地化された国家の主権回復運動や書物による啓蒙活動。
あるいは戦時中に帝国がおこなった行き過ぎた破壊/殺戮行為の証拠集めやその補填を訴えるなどの文化的活動の方がメイン。
ただし一般には秘匿されている武具/神器製作所をを見つけだして襲撃し壊滅させるなどの武力行使による抵抗や、既存武具や神器の強奪も辞さず、完全に健全で無害な組織という訳でもない。

帝国そのものを完全打倒して内戦から第二次大戦が勃発する事を危惧している節もある。

騎士や姫にとって捕縛対象である。
4：魔法：2013/03/21(木) 01:06:08: 詠唱魔法
通常学術魔法
ある程度の適正があれば呪文と魔力の使い方の感覚を学ぶ事で行使できる

無から有を生み出すが操作や規模が限定的になる。
効果が詠唱の長さに比例するので必然的に時間が掛かる。
優れた使い手は時に歌姫、吟遊詩人と賞される。

精霊魔法
エルフ、あるいはエルフに近似した種族やどんなに薄かろうとエルフの血脈を継ぎ適正がある者のみが使える。
自然界の一要素に限定され尚且つ、その要素が使用者の認識できる範囲に存在する場合のみ使用可能。
無から生み出せない分、操作はほぼ制限がなく詠唱魔法に比べ同じ属性に同じ魔力を注ぎ込んだ際の威力や出力で勝る。
規模は属性物の量に依存する。

詠唱魔法に関しては大人数を動員しての輪唱、合唱等で戦術兵器的な扱いすら時に可能であり、精霊魔法もまた同属性同士の者を多数集める事で似たような真似が可能である。

ただし戦場でリアルタイムに敵の妨害を受けながら魔法を完成させなければならないなどのリスクも大きく、魔法の保存が利くに等しい武具の存在は他国にとって驚異そのものであった。
戦時中も、戦後も。

神聖魔法。
くちさがない者に言わせれば悪魔魔法とも。

なんだかよく解らない高次の存在へ詠唱という形で交渉し、ソレに高次存在が応じた際に奇跡/魔法の如き結果を生む魔法。

属性とか有るとか無いとか物理法則ガン無視で魔法より超能力に近い存在。
適正者少数。
故に神器所持者は着目されやすい。

種族

人間
そのまんま。
固有能力に乏しいが故に、遠縁に異種族の血を持つ者は稀に隔世遺伝でその特徴を発揮する場合があるという利点がある。
あるいは突然変異が生まれやすかったり改造しやすかったり、とも言う。

エルフ
長寿で基本美形。
精霊に近しい存在。
知能が高く、腕力や体力以外は概ね身体能力が優れている。
精霊魔法を殆どの者が使える。
ダークエルフは肌の色が違う、同属多種程度の差でしかなく、広くそう認識されている。

ドワーフ
人間よ(以下略)。
背が低め。男はゴツイ。女は合法ロリぃ。
洞窟内での活動が多く、ソレに適合する形で夜目が利く。
腕力や器用さに優れるがソレ以外には優れない場合が多い。

ハーフエルフ/ドワーフ
人間との混血。
寿命やや長めで身体能力は折半。

混血種
血縁関係が入り組んでいたり、モンスターや特殊な種族とのハーフやクォーターの総称。
5：銀騎士：2013/03/21(木) 01:41:34: 名前：スルト＝グラディウス
年齢：２４
種族：人間
容姿：銀髪碧眼。エクエスの色違い２Ｐキャラ
立場：反逆者
属性：影
備考：母親同士が双子で、父親を同じくするエクエスとは限りなく双子に近い兄弟であり従兄弟である。誕生日も同一。生まれた時間も僅差。
鏡の虚像と影。否表裏一体の存在。

エクエスにのみ何故か勝てないが同一の身体能力と剣の腕前を持ち、神器も扱えば影を用いた精霊魔法を隔世遺伝(髪色の所以)で使えるチートキャラ。

戦時中は不必要な殺傷や略奪を避け、敵大将を狙い討って速やかに戦闘を終わらせ敵味方問わず被害を最小限に抑えて戦果を挙げる様が英雄視されていた。
が、戦後間もなくして反旗を翻す。

『ＡｒｇｅｎｔｕｍｅｒＥｑｕｅｓ』
切っ先が鉈の如く太い刃と剃刀の如く薄い刃とで左右別々になっているバランスが最悪の大剣。

神器
【闇夜を畏れろ今宵は月無き新月魔は亡く人は哭き深淵は覗く】
月神祭器『宵』
柄が長く、長巻きと呼ばれる武器に近い為に剣より槍に近い形状
その力は魔術の源たる月の力を司り、人が無意識に恐れる闇夜を名乗るに相応しい……らしい。

武具
【もっと僕を楽しませてよなれたんだね僕と同じ罪を持つ者に】
魔鎧『究極の闇』
銀のフルプレートメイル。
肉体のリミッターを外し思考速度、瞬発力、持久力を爆発的に高める……ようはエクエスの魔鎧と同じ物。
ただしこちらはより防御力が増している。
6：白虎：2013/03/21(木) 02:12:47: 名前：ティグリス＝プロープグナートル
年齢：１０歳前後
種族：ライカンスロープ/白虎
容姿：長めの銀髪にクリクリ金瞳。肌も白く可愛いお人形さんみたいな女の子……見た目だけは
立場：反逆者
備考：エクエスの前バディ。ある事件から姫役を解任させられ、その際に失踪。現在はスルトと行動を共にする。

一般常識を教育されていないのでたまにトンでもない事を言い出したり、やりだしたりする時も。
例：人間を喰おうとする。食欲最優先な発言

白虎と化した際の戦闘能力は暴力の一言に尽きる。
白虎化時は魔法や武具、神器以外では傷つかないという明らかに異常な特性を持つ。

天涯孤独で身寄りがなく、飢餓戦争にも実験少女部隊―実験部隊の発生系―として参戦していた節がある。
が、本人はそういった陰惨な過去に対して概ねは何ソレ美味しいの状態。
腹黒。

口癖は「ん」。
7：黒騎士：2013/03/21(木) 02:31:20: 名前：エクエス＝プロープグナートル
年齢：２４
種族：人間
容姿：黒髪黒眼。長身に痩型に見える程引き絞り密度を高めた筋肉を持ち、機敏さと力強さを併せ持つ。
立場：騎士
備考：武具の鎧を街中だろうと山中だろうと着込み金属音響かせて闊歩する
信じるべき神も祈りもなく機械的に冷静冷徹冷血に人を殺す事しかできない異常者、と自己認識している
冷めたニヒリストのようで強き好敵手との戦いと信じるに値する何かを求めるバカ
極めて無口
左利き

己に与えられた役割の全うこそを良しとする

『首刎執行者』
『生ける断頭台』
『寸断鬼』
『デュラハン憑き』
等の悪名も多い
少年時代を傭兵として過ごし、戦時中は実験部隊に所属していたと人々に囁かれる

『Ａｅｒ』
切っ先がＵの字形の二又になっている黒き大剣
某巨人殺しを連想すべし

武具
【心枯れ果てし月夜に優しい殺戮を】
魔鎧『凄まじき者』
黒地に金縁のフルプレートメイル
肉体のリミッターを外し思考速度、瞬発力、持久力を爆発的に高める
が、その真価はソレに肉体が耐えられるよう、負荷や衝撃を吸収して散らし、果ては軽度の魔法なら弾いてしまう防御力並びに耐久性である
暴走ともいうべき身体強化を御するリミッターはつけられていない

【月は落泪する貴方はあまりに罪深く今日が貴方の葬儀だから】
魔宝『月泪』
剣の柄に装着し、使いきりで剣撃の威力や速度を爆発的に高める
残弾4/6
8：黒騎士と毒侍：2013/06/30(日) 21:02:20: 早朝からの墓参りを済ませて黒騎士は一息吐いた。
先日亡くしたばかりの元同僚の亡骸は墓の中になく、生前の持ち物が代わりに棺の中へ詰められて埋葬されていた。
が、生前から空虚な生活をしていたのかほとんど何も入っていないも同然の有り様だ。

しかし埋葬の段にそれでいいと黒騎士は一人静かに頷いたものだ。

命は既に捧げられた後。
忌まわの際に二度と手放してはならぬモノは抱いて逝った。
慌ただしかった再会は改めて地獄でゆっくりとすればいい。

ならば充分だ。

再び頷き黒騎士は自ら注文し建てさせた元同僚の墓から踵を返して立ち去る。

戦友ジュドー、そして彼が最後に組んだ歌姫の二人分の名前が刻まれた墓石がその背中を見送った。

懐かしい夢を見た。

「女子供もいたはずなんだかな」
だが、首を刎るのが俺の役割なのだ。
今更語る事でもないと黙って頷く。
もっとも絶命の原因、あるいは理由―より具体的に直接の死因/殺した者を挙げるのであれば俺ではないが、彼等がまだ存命のうちに出会っていれば結局は俺が同じ事をしていただけなので否定する資格はない。

「俺はどうもダメだ。死んだ妹を連想して想い出す」
「なら、お前に順番が回って来た時は俺に言うといい。代わろう」

俺が喋った事に奴は大層驚いていた。
信じ尽くせる祈りは無く、空虚さを埋めるのは人を殺める剣を振るう事だけ。
そんな男だと思っていたのだろう―九割九分その通りなのだが。

「本当に伝えるべきだと思った事なら口にするさ。喋れない訳じゃないのだから」
「あまりに喋らなすぎてそもそも喋れないとばかり思っていたがな」

そう思われても仕方のない程、俺は他人に対して喋りかけずに過ごしてきた。
ソレでも同じ目的を有する者達同士、部隊の戦友達に対してなにがしかの絆を感じてはいた。

「ま、んな事はどうでもいい。早速次の任務だ」
首肯し次の言葉を促すと奴は苦笑した。

「またいつものダンマリか。まぁいい。次の標的は『アイスナインライヴズ』……コチラから情報が流失した実験魔法って話らしいが胡散臭ぇ」

大方、武具作成の為に先んじて出来た理論の戦術規模の魔法で運用した場合のデータ取りをしてから個人兵装に転換するか決める為に俺達を相手に実験する気なのだろう。

「実験台にされるのもいつもの事すぎて喋る必要はないってか」

その通りだ、と俺も苦笑を返した。

そんな懐かしい夢だった。