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神々の黄昏@新国立劇場

1えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 22:43 ID:APoQQoVI
みなさん(ヴァランシエンヌさんを除く^^;)お忙しそうですね。私だけ暇したうえ、新国「神々の黄昏」を楽しんで、なんだか申し訳ないですーーが、お言葉ですので、独断と偏見の感想などをアップします。書きはじめれば、絶対なが〜〜〜くなります・・・

みどころ(みどころということは、ききどころでもありますよ〜〜)満載の上演で、お話したいこといっぱいあります。行ったのは、シュナウト(ブリュンヒルデ)、フラツ(ジークフリート)、長谷川(ハーゲン)のいわゆるAキャストのほうです。ついでに席は1階14列舞台に向って右端。ここはかなり視界がよいようで、詳細な部分までよく見えました。
一番、印象的で個人的にもうれしかったのは、グンターが目を離せないほど魅力的だったことです^^ 鑑賞に値する美形が舞台にひとりいるってだけで、興奮度が違います。印象を一言で言えば、手塚治虫の漫画に出てくる長身痩躯のかっこよい若者の風情です。さらさらの金髪が一段と似合って魅力を増幅しておりましたが、この歌手さん、実は後退禿げ^〜^)}}}}(これは舞台ではそれこそ関係ない!ですわね^^;1963年生まれのドイツ人歌手 ローマン・トレーケルです)それだけでも美しい身体に加えて、細かく適格な演技で、そこに歌手がいるのではなく、まさにご大家の御曹子、複雑な性格を抱えたグンターがおりました。
概して(数少ない映像体験に基づいております)印象の薄いグンター&グートルーネ兄妹の存在感が強烈で、物語を一層わかりやすくおもしろくしておりました。
グートルーネは「ワルキューレ」Bキャストで個性的なジークリンデを演じて男性客を虜にした蔵野蘭子さん。
いじけた異父兄弟のハーゲンも、目にも耳にも、納得のハーゲンでした。

もっとも美しかった場面:ジークフリート絶命の場。短身短足短首がっしりタイプのジークフリートもいいと思えるほど、この絶命の場、よかったです。舞台前方で辞世の歌を歌いおわると、左右の壁の配置が遠近法的に抜群の効果でしたが、その間の通路を、舞台奥にむかって、息も絶え絶えに倒れながらも必死に突き進みます。ずっと遠くにブリュンヒルデが待っている・・・力尽きて倒れて動かなくなると、照明が変わって、彼が歩いた道筋に赤い血の流れが浮かび上がります。そのとたん、飛び出してくるのは、今の今までブリュヒルデに見えていたのに、実際はグートルーネ。彼女の嘆きの歌がなんとも切々と心に迫りました。
もうひとつ、映像にするなら、ぜひアップで映してほしい、凄惨に美しいグンター殺害の場。悪事はすべてハーゲンのせい、利益(指環)は自分のものとうそぶくグンターに、ハーゲン、つかつかと近より、抱きつくと、首筋にいきなり注射針をつきたてます。一瞬、事態が把握できないグンター、なんなんだ?という表情、そして理解したのでしょうか、なんとも無気味で美しい凄絶な笑顔。毒がまわって、悶えながら倒れ込み、ブリュンヒルデの歌の流れるなか、舞台右手でひとり、悶え苦しみながらひとり孤独に絶命するのです。グートルーネも放心状態で、兄に一瞥をくれることさえありません。

つづく・・・かな?

10ときえ:2004/04/11(日) 22:59 ID:APoQQoVI
こちらでは はじめまして。ときえと申します。新参者でみなさまに比べると知識量も薄いですが、ワーグナーへの愛だけはありますので、よろしくお願いします。実はこちらの「なんでも掲示板」にも書いたのですが、私も「黄昏」を観て参りました。(えうりでぃちぇ様の日と同じ配役です。)
↓のスレを読ませて頂いて「なるほどな。」と演出のこと得心致しました。えうりでぃーちぇ様のみかたは詳細でわかりやすいです。ありがとうございました。演出が一つのスタイルを一貫させているのはなっとくさせられます。そうか、ギービヒ家は医療従事者か、私は薬品会社かと思いました。(似たような感じですが)ギービヒ家の多勢が出てきた場面で、舞台上方に「GIBICHI」という看板が出て、何か、銀座のブランドショップのロゴみたいで笑ってしまいました。グンターとグートルーネがデザイナーズブランドのような服を着て「垢抜けている」のも、プログラムに書いてあったように「文明」の象徴なのかもしれません。そしてその腐敗も匂わすということですね。今の日本の現状を鑑みれば痛烈かも。でも対するジークフリートや、ブリュンヒルデも神話の影は取り払われ、よくいえば庶民的、悪くいうと矮小化され、卑近な感じすらします。それは4部作全体に貫かれた演出意図です。その徹底ぶりは凄くて、だからラインの乙女はあんな水着であり、ブリュンヒルデの自決もまるで、「ヘンゼルとグレーテル」の魔女がカマドに入れられたみたいなものになっているのですね。これが現代の「リング」の一つのスタイルを作ったのはまちがいないでしょう。観る人によっていろいろ思うことは違うでしょうが、私はところどころは笑えるし、退屈もしなかったですが、演出で「カタルシス」を得ることはできませんでした。私が古いのかなあ、でも演奏には満足しました。えうりでぃーちぇ様は他の「リング」を御覧になったことがありますか?(私はワルキューレとか、単発ならあります。)もし、おありなら、比べて今回のはどうだったか、伺いたいです。長くなりました。

11えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:01 ID:APoQQoVI
ひとりでしゃべっているのは、少々気がひけますので、別のかたの感想もきけてうれしいです^^ また書いてくださいませ〜〜

>他の「リング」を御覧になったことがありますか?
残念ながら、生の舞台は新国だけです。それも「ラインの黄金」はのがしましたーー
新国ができてけっこう気楽にオペラに行くようになりましたが、それまでは、市民オペラがせいぜいでした。
映像は、だいたい見てると思います。初体験は、レーンホフ演出(ミュンヘン)次が、シェロー演出(バイロイト1980年)。それから、メト(ニューヨーク)、クプファー演出(バイロイト1990年?)、スカラ座のワルキューレ&神々の黄昏、一番最近のシュトットガルトのワルキューレというところです。

>演出で「カタルシス」
といえば、シェロー演出のものですね^^ 演奏も好きです。ご多聞に漏れず(かどうか??)ジークフリート役の歌手さんにちょっと不満はありますが、慣れればまあいいかあ〜〜ということです。
初演時の配役なら、きっともっとよかったでしょうけどねえ〜〜
無いものねだりをしても仕方ないですから。

12えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:03 ID:APoQQoVI
美しいトレーケル@グンターを延々と眺められて幸せだったジークフリート、グンターに変身! の場について。

トレーケル@グンターの美しさと演技力を見せつけてくれたのはいいのですが、お話を知らない観客には、多少わかりにくかったかもしれません。
幕間にもそれについて詳しい同伴者に確認している声がちらほらーー;

舞台、前方の一人掛けソファに、ジークフリートが腰掛けてます。その右の方には、やはりハーゲンも腰掛けて、眠っているようです。
後方のブリュンヒルデのお家の前で、実はジークフリートであるグンターがブリュンヒルデを襲うわけですが、この偽グンターをグンター歌手が演じるというのは、お初でした。ジークフリート歌手が隠れ頭巾をかぶって演じるのは、説得力に欠けるように感じていました。
映画のような変身はむずかしいと思いますが、もうちょっとなんとか変身を実感できる演出だったら、もっとよかっただろうにと思いました。

13えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:04 ID:APoQQoVI
ソファに座ったジークフリートはきっと抜け殻なんでしょうけど、フランツ@ジークフリートは、ぼけ〜〜としていられるわけではなくて^^ちゃんと自分のパートを歌っておりました。トレーケル@グンターは無言劇という
わけです。


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