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シモン・ボッカネグラ

1さーじょん:2004/04/25(日) 20:26
作曲:ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
改訂版台本:アリーゴ・ボイト
原作:グティエレスの同名戯曲
初演:1857年、ヴェネツィア。改訂版初演:1881年、ミラノ

2さーじょん:2005/05/01(日) 03:57:03
1984年メトロポリタン歌劇場公演DVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HUDL
http://66.187.153.86/archives/scripts/cgiip.exe/WService=BibSpeed/fullcit.w?xCID=279060&limit=5000&xBranch=ALL&xsdate=&xedate=&theterm=Simon_Boccanegra:_Simon_Boccanegra_[Milnes,_Sherrill]&x=0&xhomepath=http://66.187.153.86/archives/&xhome=http://66.187.153.86/archives/bibpro.htm
 シモン役は、どうしてもカプッチルリの骨太の声の印象が強くて、プロローグでミルンズの豊麗な声を聴いたときは「あら?大丈夫かえ?」と思った。劇が進んでいくと、どうしてどうして、迫真の演技と熱い歌唱が相まって、最後まで一気に観てしまった。第1幕第2場の呪いの場面とか、第3幕大詰めの祝福の祈りとか、鳥肌立っちゃいました。

3さーじょん:2005/05/01(日) 03:57:19
 ヴェルディの作品には、ルイーザ・ミラー、リゴレット、椿姫、シチリア島の夕べの祈り、アイーダなど、結構多くの「父親」が登場します。ほかのオペラ作曲家にくらべれば、ヴェルディは圧倒的に父親を描くのが巧みですね。モーツァルトなんか、じぇんじぇんダメだもんね。ミルンズはミラー(ルイーザ・ミラー)やジェルモン(椿姫)でも素晴らしい歌唱を残していますが、ここでのシモン役も父親としての慈愛に満ちていると同時に、総督としての威厳も十分に表現していると思います。
 レヴァインの音づくりもかなりいいですね。レヴァイン+メト管はこういう大時代劇にはぴったりだと思います。84年ですから、レヴァインがいちばん良い時期の演奏と言ってよいかもしれません。
 このDVDには大きな魅力はあるのですが、ただし、作品全体を通して観ると、ストーリーのイマイチ感は否定できません。『ドナルド・キーンの音盤風刺花伝』195〜196ページにもこのオペラの台本のダメさ加減と、にもかかわらずこのオペラの音楽は魅力的であることが書かれていますが、僕も同感です。

4さーじょん:2005/05/01(日) 04:20:51
>>2-3のDVD
http://db.geneon-ent.co.jp/search_new/show_detail.php?softid=55030

5さーじょん:2006/03/25(土) 12:08:08
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223966/19に書いたように、新国立劇場で「運命の力」を観て、「ヴェルディの男の歌」が良いなあと思ったので、アバド指揮1977年録音CD、「運命の力」の鑑賞録を書きながらBGMとして流す。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4497522
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FIGD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001GXJ
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=296512
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=221257
 う〜ん、やはりカプッチルリとギャウロフが素晴らしいですね。ほぼ同じキャストのDVDもありますが、こちらは画質がイマイチでして……。

6さーじょん:2006/03/25(土) 12:08:57
 『スカラ座の人』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/7の175ページ、177ページには、カプッチルリのシモンに関する話題があります。
 「スカラ座という彼(カプッチルリ)のこの長い『滞在場所』での最も重要な体験は何だったであろうか。彼によれば、彼の芸術的成熟の意味で重要なものは《シモン・ボッカネグラ》であるという。疑いもなくこれはストレーレルのおかげである」(175ページ)。
 「『暇な時には海で‘溺れる’ことにしています。ボートに乗ったり帆船を楽しんだり、泳いだり、孤独と沈黙を満喫します……』。おそらくこうしたこともまた、死に行くシモンの〈海よ、海よ〉をいう今際の言葉を究極の内的強さを表現することに役だっているのであろう」(177ページ)。

7さーじょん:2009/01/13(火) 01:29:45
1976年「NHKイタリア・オペラ・ライブ」DVDを観る
http://www.kingrecords.co.jp/classic_others/nhk3.html
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2708507
http://www.amazon.co.jp/dp/B0016MZ9DY
 HMVのレビューにも書かれているとおり、やはりギャウロフとカプッチルリが圧倒的ですね。ていうか、かつて「船弁慶」が富十郎のものであったように、「シモン」もカプッチルリのもの、と言うべきかも知れません。
 ちょっとしたサプライズだったのは、リッチャレルリ。この頃はまだ、恰幅が良かったんですねえ。3年ほど前に観たとき(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1122049293/12-15)も再び恰幅が良くなっていたので、おそらく30代後半から40代前半のある一時期だけ、ダイエットに成功していたということかもしれません。僕的には、とくに声に関しては、この頃の方が後年よりもはるかに好きですね。

8さーじょん:2009/03/17(火) 23:33:07
>>5アバド盤を聴く。
 ギャウロフとカプッチルリが良いのは言うまでもありません。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223702/9のサンティーニ指揮「ドン・カルロ」と同様、重苦しいオペラであるにもかかわらず、スカラ座管弦楽団の明るい音のおかげで、非常に聞きやすく感じます。アバドの指揮も上々ですね。

9さーじょん:2009/09/13(日) 10:32:49
 8月29日(土)大田区民ホール・アプリコ大ホールにて、大田区民オペラ協議会公演鑑賞。
 今井伸昭演出、森口真司指揮、管弦楽:プロムジカリナシェンテ、合唱:大田区民オペラ合唱団。
 大島幾雄(シモン・ボッカネグラ)、佐々木典子(アメーリア)、佐藤泰弘(フィエスコ)、市原多朗(ガブリエーレ)、甲斐栄次郎(パオロ)、金沢平(ピエトロ)。
 http://www.k4.dion.ne.jp/~op-mu-tk/sub5.html
 なかなか記録をつけるヒマがなく、気づいたら2週間も経ってしまいました。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887372/41にも書いたことですが、国内中堅オペラ団体、市民オペラ団体の公演でも、意外な拾いモノがあります。今回はまさにそれでした。演奏、歌唱、それぞれ十分に楽しめるレベルでした。
 舞台装置は非常に簡素です。中央奥に大きな扉が置かれ、それが場面によって、フィエスコの館の扉となったり、ジェノヴァ議会の大扉となったりします。あとは、人の背丈ほどもある巨大なチェスの駒が4つほど、立ててあったり、ゴロンと転がされたりしています。演出も、とくに奇を衒ったものではなく、オーソドックスです(と記憶しています)。

10さーじょん:2009/09/13(日) 10:34:13
 歌手は、総じて好演でした。アメーリアは、予想通りというか、ベテランなりの安定した歌唱。ガブリエーレも、昨年の藤原歌劇団「ボエーム」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073888440/33-34では本調子ではない感もありましたが、この役は短期集中で良いからでしょうか、声の伸びもハリも十分に感じられました。
 シモン、フィエスコに関しては、品とか力強さなどで、必ずしもこの役にぴったりの声ではなかったかもしれませんが、十分に及第点でしょう。パオロ役はウィーン国立歌劇場専属ソリストだそうでして、カーテンコールでもひときわ大きな拍手をもらっていました。
 さらに特筆すべきは、指揮です。といってもこの作品、ナマで聴くのは初めてなので、多少ヘンな音を出していても僕は気づかなかったでしょうから、オケの技量そのものはよくわからなかったのですが、「寄せ集め」なりの音だったと思います。しかし、静と動の劇的表現もなかなかのものでして、昨年の関西二期会の「ナクソス島のアリアドネ」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083258395/27-28での飯守泰次郎と同様に、よくぞこのオケからこれほどの音を出したものだなあと感心しました。
 何はともあれ、なかなか実演にお目にかかれないこの作品を、ナマで観られたのは、うれしい限りです。やはりヴェルディですから、「オトコのドラマ」として良くできているなあと思いました。この作品は僕にとって、「蝶々夫人」や「アリアドネ」と同様、CD・DVDと実演の印象が違うオペラですね。

11さーじょん:2023/11/25(土) 21:23:22
2023年11月18日(土)新国立劇場公演鑑賞。
フィンランド国立歌劇場およびテアトロ・レアルとの共同制作。
ピエール・オーディ演出、大野和士指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
ロベルト・フロンターリ(シモン)、イリーナ・ルング(アメーリア)、リッカルド・ザネッラート(フィエスコ)、ルチアーノ・ガンチ(ガブリエーレ)、シモーネ・アルベルギーニ(パオロ)、須藤慎吾(ピエトロ)。

公演概要
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/simonboccanegra/
初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_026674.html
僕の投稿
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid0ZBfKfehxYa3FT5gGRPjw65SKeYZMr7VU3pkuUu4kDoYaKUuotz4bAw8BFJNtmCBrl

12さーじょん:2023/11/25(土) 21:23:53
新国立劇場ではこの作品の上演は初めて。僕自身ナマで観るのは未だ2回目。なので「この作品の真価が発揮されていたか」はよくワカラないけど(たぶん)良質な公演だったと思います。
なかでも指揮とオケがかなり頑張っていた印象。芸術監督自身がタクトを振るということですから、この作品への思い入れはあるのでしょう。表題役はじめ歌手もかなりの高水準。演出も、音楽を妨げていなかったという意味で好感・・・

13さーじょん:2023/11/25(土) 21:24:24
・・・なのですが、どうにも脚本の出来が良いとは思えなくてなぁ。これ言っちゃうと元も子もないんだけど、でもやっぱり「稚拙」だよなあ。「実は親子、実は祖父と孫」って、歌舞伎ならいくらでもあるけど、オペラでそれやられると・・・。
もう一つ。他日公演でどうやら天皇陛下がご鑑賞された、らしい。ニュースを観ていたら「ヴェルディの最高傑作をご鑑賞」だとか。え?「最高傑作」??? どうやら陛下がご鑑賞になると「最高傑作」という扱いになるということかしらん???
https://www.youtube.com/watch?v=Fh2eAii4w6k


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