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原則学・痕跡学・運気学・帰霊学・ロリコン研究で真実解明

797メシア・エステバン:2016/03/18(金) 03:50:08
阿関は廊下に出で女中を呼ぶと、完全に酔い潰れて寝込んでしまった原田勇を女二人かかりで、
なんとか寝室まで運んでいった。汗と疲れがドッと出た。
男の体がこんなにも重いのなんか初めて知った阿関だが、安心したせいか、ふと録之助の事を思い出していた。
録之助さんはこんな重たい人を乗せて毎日走っているんだわ。
原田勇の仕事の大変さと、録之助の仕事の大変さ。男の人の大変さを心底から理解できた阿関は、
女の大変さなんか男に比べれば数倍まし。私ももっとがんばらねば。と余計に気合が入るようになった阿関。

あれから数日して、朝の出発時に玄関で阿関が見送りの挨拶をすると原田勇がこう切り出してきた。
そうだ。阿関。今度の休日に高坂録之助さんとぜひ会ってみたい。
きみが恋心を寄せた幼なじみがどんな人物かをもっと知っておきたい。
我が一人息子太郎にも会わせておこう。男のケジメって奴さ。

なぁに心配はいらんよ。殴り合いをするわけじゃない。彼とはいろいろと話たい事があってな。
その日の午後に都合をつけておいてくれ。ほんの一時間程度だ。駄賃ははずむからといっておいてくれ。
阿関にそうことづけると、そそくさと玄関を出で迎えの車に乗り込んでいった。

阿関はいまさら何の話をしたいのか?よくわからないが、録之助とは二度と会えないと思っていただけに、
内心嬉しさで一杯で、すぐさま伝言人を介して録之助の働く親方の元へ向わせた。

数日後、録之助の方の都合が悪くて、会うのは日が落ちた夜になったが、その日は雲ひとつない見事な十三夜の夜だった。
懐かしのあの場所で、阿関、原田勇、一人息子の太郎、高坂録之助の四人が落ち合った。

十三夜の月が堀端の水面に映える道すがら、阿関と高坂録之助は軽めの挨拶をしたのち、
男同士の大事な話なので、阿関は太郎を連れてしばらく水面に映える月でもながめておいてくれと、
原田勇は高坂録之助を連れて、阿関から少し離れた所で水面に映える月をながめながら語り出した。


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