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原則学・痕跡学・運気学・帰霊学・ロリコン研究で真実解明

795メシア・エステバン:2016/03/18(金) 03:48:22
一週間ほどが過ぎただろうか。
いつものように仕事を終えて帰宅した原田勇が、阿関に応接室に来るようにと女中を通じて連絡してきた。
離婚話を切り出される事に阿関は覚悟していた。

もの静かに応接室のソファに腰掛けて待つ阿関。しばらくすると原田勇が入ってきた。
双方一週間ぶりの対面である。
原田勇は黙ったまま、阿関の向かい側に腰掛けた。
左手にはウイスキーのボトルと右手には氷の入ったグラスを手にしていた。
あら珍しい。阿関は原田勇が応接室にウイスキーグラスを持ち込んできた事に目が点になった。

酒に弱い原田勇は普段は酒を飲まない。原田勇が酒を飲む時は大事な客人が来た時だけで、それも申し訳なさそうに付き合い程度に飲むぐらい。
客人も原田勇が酒に弱くすぐに酔い潰れて寝てしまうので強く勧めないくらい皆も知っている事。
そんな原田勇が自らウイスキーグラス片手に私の元にくるとは。
阿関は離婚話を切り出される事よりもウイスキーグラス片手に現れた原田勇の手元に目が釘づけとなった。

どうだ珍しいだろ。原田勇は座るやいなや一週間ぶりに対面した阿関に向って親しみを込めた口調で問いかけた。
ほんと珍しいですわ。阿関もすかさず原田勇の問いかけに応えた。
これから離婚話が出てくるには思えないほど、仲の良い夫婦の会話らしい受け答えから始まった。

阿関。わたしはな、おまえとの離縁・・・原田勇の語る一句一句を聞き逃すまいとする阿関の顔色を伺いながら
離縁の次の所にわざと間を置いてから、一呼吸置いてから・・・しないことに決めたよ。

えっ?てっきり離縁するものだと思い込んでいた阿関は、原田勇から正反対の言葉が出てきたので
驚いて原田勇の顔をしげしげとながめ続けた。
じつはな、今日、仕事先で小汚い奴だとののしられたよ。このわたしが。
そう切り出すと原田勇はウイスキーグラスを口にあてて、ぐびびと一口飲み込んだ。


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