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原則学・痕跡学・運気学・帰霊学・ロリコン研究で真実解明
794
:
メシア・エステバン
:2016/03/18(金) 03:47:34
原田勇に叱られるたびに離婚したいと何度も思っていたが、いざ離婚の危機がさし迫ると、
離婚したくない。今の生活を捨てたくない。大事な一人息子太郎と別れたくない。
という本心が阿関の心を何度も何度も揺さぶった。
寒さに震えながら阿関は夫のいる寝室に向わずに別室で寝た。そこは客人用の寝室だった。
何度寝ようとしてもぜんぜん寝付けなかった。後悔ともつかない嗚咽でベッドのシーツはぐしょぐしょに濡れた。
私はどうしたいのだろう?原田勇と本当に離縁したいの?録之助の元へ寄り添いたいの?
わからない。わからない。どうしたいのかわからない。阿関は大粒の涙を流しながら朝まで寝られずにいた。
ただ思うは軽い気持ちで録之助と会って話をしたかっただけ。会って話をして懐かしさと昔の思い出を思い出したかっただけ。
それじゃあなんで私は、録之助の事を小汚い車夫と言われた事に強く反発してしまったのだろう。
録之助に恋心が芽生えていた?わからない。本当にわからない。
なんで反発したの?わからない。わからない。本当にわからない。
阿関はベッドの上でメソメソ泣きながら夜明けを迎えた。目のクマを真っ赤に腫らしながら阿関はまだ泣き止まないでいた。
原田勇を迎えに来た車が屋敷の前に止まる音がした。しばらくすると玄関から物音がした。
原田勇が仕事に出かける時間だった。本来なら阿関も玄関に出て原田勇を送らなければならないのだが、
目を真っ赤にはらした膨れ顔では会わせる顔がなく、ベッドのシーツにくるんだままジッとしていた。
原田勇も怒鳴って阿関を呼びつける事なく、静かに玄関のドアが閉まりしばらくすると迎えの車が走り出していった。
女中が朝食の支度ができましたと挨拶しにきても、阿関は食べたくないと返事をしたまま、
ベッドのシーツにくるんだままジッとして、これから先どうするかを真剣に考え込んでいた。
その日の夜も、次の日の夜も、原田勇が仕事から帰ると、阿関に声をかけるでもなく叱るでもなく、
だだ何事もなく顔を会わせない毎日のまま日常がすぎていった。
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