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6 Wanted Daybreak
1
:
えいすけ
:2013/07/15(月) 19:57:24
≡★ 七色に輝いた 僕らの日々 ☆≡
全員高校2年生
大原陽一 ……サッカー部
虹岡健吾 ……川栄李奈と幼なじみ
坂東裕次郎 ……ギターばっかり触ってる
島崎遥香 ……人見知り。昔サックスやってた
川栄李奈 ……虹岡健吾と幼なじみ
木崎ゆりあ ……ちょい元ヤン。サッカー部マネ
2
:
1
:2013/07/15(月) 20:00:56
――
―
「ほらもっとこいでこいで!」
「はいはい……」
「返事は大きく一回!」
「はい!」
つい勢いよく返事をしてしまった、条件反射で。
朝っぱらからこの二人分の荷重のかかった自転車を前に進ませる。
俺は今そういうマシーンです。
一人分の荷重として俺の自転車の荷台に堂々と腰掛けてやがるのは、木崎ゆりあ。
サッカー部マネージャーである。
マネージャーと、ケツを叩かれる弱小部員の俺。
そんな関係がここでも出てしまって、素直に従ってしまった。
3
:
1
:2013/07/15(月) 20:02:12
「大原さあ、後半転ぶこと多いじゃん?」
「そうだっけ」
「筋力不足なんだよ。これから毎朝私の送り迎えねー」
「……ゆりあさあ」
そう言いかけて言葉を止める。
信号のない交差点でいったん止まって、左右を確認したからだ。
慎重に、また走り出す。
あ、ちなみにゆりあと呼び捨てしてるのは俺だけではない。部活の人間はみんなだよ。
自転車をこぐのがしんどくなってきた俺は、言葉を続けなかった。
ゆりあが聞いてくる。
「さっきいいかけたのなに?」
「あー、まあ、いいや」
「気になる」
「ゆりあ、スライムに似てるよね」
「なにそれ」
「ドラクエってやんない?」
「うん」
「今度見せる」
「変なのじゃないよね?」
「マジかわいいよ」
「ならよし」
4
:
1
:2013/07/15(月) 20:03:42
俺のパワーが尽きかけたところで、ぎりぎり校門通過。
校内で少し冷やかされたりもしたけれど、私は元気です、じゃなくて完全に疲れてて対応できないです。
ゆりあは誰に対してもこんな感じだしな。
少なくとも俺みたいなのが恋愛対象じゃないのは、高校入ってからの1年間の付き合いでわかってる。
そんなフツメン・弱小部員・勉強並の俺が、主人公大原陽一です。
5
:
1
:2013/07/17(水) 20:48:17
自転車置き場に到着。
途中で降りりゃいいのに、ゆりあはずっと乗ってた。
不思議には思ったがいちいち聞かなかった。
ゆりあはぴょんと飛び降りる。バランス崩さない。
マネージャーのくせして俺より運動神経いいだろこいつ。
自転車のスタンドを立てて、ゆりあの鞄を手渡した。
ゆりあはちらちらと左右を気にしてる。近くに人はいない。
「どした?」
ゆりあは少しこっちに顔を近づけて、小声でささやく。
「あの子の、情報手に入れたよ」
「マジか!?」
「へへ」
ゆりあはちょっと得意げだ。
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