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赤い糸

8イタチ:2013/07/06(土) 23:55:41

〜指原side〜

翼への気持ちに気づいたのは
中学三年の夏のことだった。

桐生「あのさ!俺って料理人になりたいんだ!」

指原「え?翼が料理人?」

桐生「おう!だってさ?料理作れるようになったら貧しい人たちとか色んな人においしいモン作ってあげられるんだぜ?」

指原「まぁそーだけど…で、なんであたしにゆうの?」

桐生「わりーかよ。親もいねーし、お前しか言える奴がいなかったんだよ!しかも、料理人になったら一番初めにお前に食べさせてやるのが夢だから…」

指原「え…?」

桐生「あーもう!めんどくせー。ほら、さっさと学校行くぞー!」

多分この時からだろう。
あたしはそれまで翼のこと
兄妹としか思えなくて
恋愛感情なんて全くなかった。
でも、この時この瞬間
あたしは幼なじみに恋したんだ。


なのに、薄々その時から
感づいていた翼への気持ちを
今まで隠してる。

バカだなぁ。なんて
思わないわけない。

太陽の陽射しで我に返ったあたしは
そんなことを考えていると
翼の隣にいるのがたまらなく
恥ずかしくなっちゃって、
たまたま歩いてた友達の方に
行ってしまった。

心の中にはモヤモヤだけが
残っていた。


〜桐生side〜

教室に着くと同時に
いつもの挨拶を交わす。

何気なく振る舞うが
こいつだけは気づく。

泰生「おい翼、どーしたんだよ?何か様子おかしーぜ?」

こいつは小学の頃から
馬鹿ばっかしてきた親友。

莉乃ほどではないけど
何かあるとすぐに気づくのは
つくづく凄いと思う。

俺は助けを求めるかのように
泰生にさっきのことを話した。

相談することが当たり前?
みたいな感覚になってたりして、
泰生はもはやカウンセラーみたいだ。

泰生「へぇー。お前のことあんなに大好きな莉乃ちゃんが最近学校で避けてるってか?」

桐生「あいつは俺のことなんて好きじゃねーよ。」

泰生「お前なぁ、見てりゃあわかるって。莉乃ちゃんお前にすげーアピーしてんぞ」

桐生「お前の思い過ごしだよ」

思い過ごし。
そんな言葉いつ覚えたんだろ

腰をかけた自分の席から
窓ガラス越しの校舎を見据えながら
そう思った。

否定は多かったが
泰生はそれでも
最後まで相談に乗ってくれる。

いい友達を持ったと
改めて思った。

莉乃が教室に入ってきたのは
それから五分が経った頃だった。


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