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赤い糸

15イタチ:2013/07/16(火) 01:42:04
〜桐生side〜

ふとこっちを向いた
莉乃の顔が紅く見えたのは
気のせいだろうか。

俺は顔を見直そうとした。

しかし、向こうがそれを拒むようにしてあっちを向いてしまった。

泰生「あーらら。完璧に泣いてんぞ、あいつ」

桐生「…」

泰生「まぁ、後はお前らが
自分たちで切り開くしかねーんだから頑張れよ」

励ましの言葉が重くのしかかる。

俺はうん。なんて愛想のない
返事をして教室を出た。


人生でこんなに
辛くて、しかも長い朝が
あっただろうか。

寝転がった屋上で1人…

この状況から逃げ出したい。
なんてことも思ったりしながら
やめたはずのタバコに火をつけた俺。

しかし、数ヶ月前に
莉乃から言われた言葉を
思い出し、慌てて火を消した。


桐生「そーいえばあいつ、タバコ嫌いだったんだ」


そう考えると
仲の良い幼なじみだった
数ヶ月前が愛おしく感じる。

2人の心が合わさろうと
していることにも気付かずに…



ガシャ…

屋上の扉が開く音がした。

桐生「やっべ…先生か?」

その時、
とっさに隠れようとする俺に
声をかけているのがわかった。

一瞬見ると
女子生徒だということが分かる。

俺はその人の方を見た。

「なにやってんの?あのさぁ、先生にアンタのこと探してこいってあたしが怒られたんですけど」

よく見ると俺の隣席の
川栄 李奈さんだった。

桐生「あぁ、ごめん。」

昔から俺にだけは
冷たい川栄さんのことだから
めちゃくちゃ機嫌悪いんだろうな
なんて思いながらゆっくりと
近づき、お辞儀でもして屋上から
降りようとする俺。


そしてそれを拷問しますよ的な
感じの目を向けて引き留める川栄さん。

桐生「何ですか…」

川栄「お礼ぐらい言ってよ」

桐生「あ、ありがと。川栄さん」

川栄「さ、最初っから言ってよね!あとあたしの呼び方、李奈でいいから」

桐生「わかった。あはは」


困惑の表情をした俺の前で
何故か顔をほがらかに紅くする
李奈は、どこか女の子なとこが
見えてきて胸がドキドキしていた。


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