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赤い糸

12イタチ:2013/07/09(火) 00:11:16


泰生「別に今すぐ告白しなくてもいいんだからさ、自分のタイミングで気持ちぶつけろよ」

いつのまにか
隣の席にいた泰生が
ぼーっとしている俺に
そうささやく。

この声で我に返った俺は
すぐさま莉乃を見た。


いつになっても変わらない
あの姿は俺にとってたまらなく愛おしい。

ただ過ぎてゆく時間だけに
俺は今まで流されて来たんだ。

一時限目のチャイムの音が
鳴り響く教室の中で、
小さな勇気が生まれた瞬間だった。

桐生「泰生ありがと!俺頑張るよ」

泰生「おう!それでこそ翼だ」

本当にいい友達持ったな。なんて
くさいこと思ったりしながら
教卓に立つ先生の方を向いた。


〜指原side〜

ガラガラ〜

教室を開けると
泰生君や里英の顔が見えた。

もちろん翼もいた…

目が合ったらそらしちゃうから
そんな不自然な行動とったら
バレちゃうから。

そんな気持ちで
あたしは普通を装った。

そして席まで歩くと
ゆっくりと腰をかける。

里英「莉乃〜」

でもやっぱり里英には
気付かれたようだ。

心配そうな顔をおもむきに
出しながら話しかけてくる。

里英「何かあった?」

莉乃「ん?どしたの?」

バレていても嘘をつき続けるあたし。

きっと里英はそんなことさえも
わかりきってるんだろう。

少し苦笑して
また一言、大丈夫?と
ささやいた里英。

あたしは翼に背を向けた

顔を見られないように。

何故なら、
大きな涙の粒があたしの頬を
何度も伝っているからだった。


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