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幼馴染との恋

1ナックル:2013/02/03(日) 22:43:19
初めて書くので下手かもしれませんが読んでくれたら嬉しいです。
あと、もうすぐ受験なので受験が終わるまでは更新遅くなるかもしれませんが、ご了承ください。

2ナックル:2013/02/03(日) 22:54:57
ある日、一人の女子高校生が一人の男子生徒の後ろを歩いていた。
彼女の名前は柏木由紀。
柏木は彼のことが小さい頃から好きだった。
今も好きだという。

幼稚園くらいの頃は、一緒に外で遊んだり散歩したりしていた。
また、どっちかの家に泊まりに行き一緒にお風呂にはいったりしていた。
小学生を卒業し、中学に入学した数日後。
彼は柏木と話したり、遊んだりしなくなってしまった。
つまり、柏木と彼の間に高くて固い壁ができてしまったのだ。
柏木は昔に戻りたくて挨拶くらいは交わすようにしているが、彼は返事をしてくれない。
聞こえてはいるのだろうが、全く反応がない。

毎日のようにお互い目を合わせない。
いや、一方的に彼の方が柏木のことを避けているのだ。
こんな日が続き、柏木も違う意味で彼の事が気になっている。
二人は昔のように戻れるのだろうか。

3ナックル:2013/02/03(日) 23:21:47
「お、おはよう」

柏木は赤石に一言挨拶を交わす。

「…………」

赤石は振り向くだけで返事もしてくれない。
柏木は赤石の前に立った。

「前から思ってたんだけど……何で返事してくれないの?」

「別にいいじゃん……お前には関係ないだろ……」

「関係なくないよ。今まであんなに仲良かったのに」

「いつの話してんだよ。それはガキの頃の話だろ」

「孝ちゃん」

「あのさぁ、その孝ちゃんって言う呼び方やめてくんないかなぁ……?」

赤石はそれだけを最後の言葉にし、その場から離れていった。
柏木は数分くらいその場から動かなかった。
ふと腕時計を確認すると、時計の針が八時を指していた。

「そろそろ行かないと遅刻しちゃうな……」

柏木は心を切り替えて学校に足を進めた。
学校に着くと、お互い仲の良い友達がいた。

「よっ!」

「はよっ」

軽く挨拶を交わす赤石。
月森とは幼馴染だ。もちろん柏木も。
少し時間が経つと、柏木も学校に到着した。
二人は同じクラスだった。

「おはよう由紀」

「おはよう」

柏木も笑顔で挨拶を交わす。
彼女の名前は大島優子。
運動神経は非常に優れていた。
その大島の隣に高城という女の子もいた。
その高城という女の子にも挨拶をした。

「どうしたの? 具合でも悪いの?」

心配そうに聞いてくる高城。
柏木は笑顔で大丈夫と言い自分の席に着いた。
隣は赤石だったので、とても気まずかった。
沈黙という空気が流れる。周りはいろんな話が飛び交っているのに、そこだけ物静かだった。

赤石は鞄から筆箱を取り出した。
横目で確認するように覗いてみた。
赤石は机の引き出しから、ノートを取出し何かを記録し始めた。
いつものことだから柏木には何を書いているのかがすぐにわかった。

赤石は野球部に所属していて、エースで四番の期待がかかっている選手でもあった。
小学の時、いつも近くで赤石の野球姿を見ていた柏木。
赤石は野球に人生を捧げていると言っても過言ではない。
甲子園だって、彼の右腕に託されているのだから。

そうしてノートに記録していると、赤石の机から消しゴムが転がってきた。
柏木はそれに気付き拾おうとするが、赤石もそれに気付き拾う。
その時、お互いの手が触れあった。
お互いの手が触れることなんて中学の時以来だった。
お互い赤面し合う。

「な、何赤くなってんだよ」

「孝ちゃんこそ……」

「俺は別に……!」

と、言って再びノートに記録する。
本当は赤石は照れてるだけなのかもしれない。

4ナックル:2013/02/03(日) 23:58:05
赤石は毎日のように教室の窓から見える景色を眺めていた。
授業中でも、机の上で腕を組みその中に頭を埋めて寝たり、部活以外の時はいつも寝ているか外を眺めているだけ。
それに、今年が最後の夏。
赤石にとって、最後の夏になる。
赤石だけじゃない。三年生全員だ。

柏木は赤石の寝ている姿を盗み見るようにして見る。
教科書は開いているものの、左上に筆箱と一緒に並べてあるだけだった。
一つ溜息をし、授業に集中した。
赤石とは真逆で、授業には積極的な柏木。
よく手を挙げ発表する。頭もそれなりに良く、学年でトップ3の中にはいた。

「おいっ、赤石。赤石!」

柏木はシャープペンで彼の肩を叩く、ゆっくりと体を起こし柏木の方を見る。

「先生の呼ばれてるよ」

「何だよ……」

文句を言いながら立ち上がる。

「赤石、この問題解いてみろ」

「チェッ……わかりません」

そう言って、席に座る。

「寝る暇があるなら授業に集中せんか! 部活では評価は高いらしいが、授業をサボるようじゃ話にならん!」

「ったくうるせぇじじいだなぁ……」

聞こえないように小さく呟くと、わかりましたと言って渋々ノートを開く。
そして、そのノートに「くそじじい」と、大きな字で書いた。
書き終わった直後、終わりのチャイムが鳴った。

「起立、礼」

「ありがとうございました」

「着席」

と、授業も終わり赤石の机の周りに郷田がやってくる。

「いつまで寝てんだよ」

「うるせぇな……関係ねえだろ」

「まっ、しっかしお前も懲りねえよな」

「何がだよ?」

「授業中によく寝れるな?」

「俺は野球と寝るしか頭の中にないの。大体授業なんか受けてる時間が無駄なんだよ。その時間野球させてくれって話だよ」

「んなこと言っても無理な話だよ」

「あぁあ面倒くせっ!」

赤石はクシャクシャに丸めたノートの切れ端をゴミ箱目掛けて投げた。
流石ピッチャーなだけに、綺麗にゴミ箱の中に入った。
柏木は赤石に言った。

「そんな才能があるなら授業でもその才能使ったら?」

「どういう意味? 野球と授業に繋がりなんてねえよ。何が才能だ。お前みたいな優等生と一緒にされたくねえよ」

自分の机を軽く蹴飛ばすと、教室から出て行った。
郷田は柏木を見た。
左腕を抑えていた。

「柏木」

「ん、どうしたの?」

「今のあいつとは関わらない方が良い」

「えっ、どうして?」

「今のあいつは少し苛立ってんだよ。部活では一生懸命だし疲れてると思う。
柏木はあいつのこと心配して言ってるつもりが、あいつにとってそれがプレッシャーになってたりするんだ。
また、それがあいつのプライドも傷つけてる可能性もある。あいつ、プライドだけは高いから」

「孝ちゃんのプライド……」

郷田は軽く頷き次の授業の準備をした。
柏木は深く考えすぎ、頭が回らなくなってしまった。
そうこう思っていると、次の授業のチャイムが鳴った。

赤石は帰ってこなかった。

5ナックル:2013/02/04(月) 01:03:16
赤石は授業が始まって五分後に教室の戻った。
もちろん先生には怒られた。
しかし、そんなこと耳にもしない赤石は自分の席に座り、再び外の景色を眺める。

柏木はノートの端を破り、何かを書き始めた。
それを小さく織り、赤石に机の上にい置いた。
それに気付いた赤石は溜め息をつきながら、その手紙を見た。

さっきはごめん
でも少しくらい授業にも集中した方が良いと思う
孝ちゃんが野球以外興味ないのは知ってるけど
スポーツって頭も使うと思う
自分が頭が良いって言ってるわけじゃないけど
少しくらいちゃんと授業受けようよ

ごめん うざいと思うけどそれくらいはやろうよ


赤石は柏木の手紙を読み、手紙で返事を返した。
それも柏木が書いた手紙の裏に。

ホントうざい
スポーツに頭がいる?
だから何? 俺に頭が悪いって言ってんの?
確かにお前よりは悪いかもしんねえけど……っていうか、お前には関係ないだろ
本当うざい うざい うざい!!! 
いい加減俺と関わらないでくれよ
そうやって中途半端にかかわってくんのが一番嫌なんだよ
マジうざい

赤石の手紙を読んで彼の顔を見る。
赤石はものすごい目つきで睨んできた。
柏木はもう一度手紙を書いて渡した。
すると、それをビリビリニ破り床に捨てた。
窓から入ってくる風で散らばった紙がさらに遠くまで散らかる。
それを目で追うことしかできない柏木。
悲しみが押し寄せてくる。

その授業にも集中できず、初めて手を挙げない授業となった。

6ナックル:2013/02/04(月) 01:28:48
昼休み、空いた教室に赤石はボーっと外の景色を眺めていた。
本当に好きなのだろう。

柏木は赤石に話しかけてみる。

「あ、あのさ……?」

「何?」

外の景色を眺めたまま返事だけする。

「もう、私と孝ちゃんは……昔みたいに仲良くなれないの?」

「はぁ……今更何言ってんだよ! もう昔みたいな仲良しごっこなんかしてられっかよ!」

「じゃあ今まで仲良しごっこだったってこと?」

「だったらどうなんだよ!!」

大きな声で怒鳴られた柏木。
もう彼に何を言ったって自分が傷付くだけだと悟った。
これ以上彼には近づかない。近づきたくない。
そう思ったが、よくよく考えてみると、今までいろんなことに手を差し伸べてくれたのは彼だ。
そう思うと、彼と過ごした日々が頭の中にあるスクリーンに映し出される。

そう簡単に赤石から離れるなんてことはできなかった。

「孝ちゃんは、私の事……どう思ってるの?」

「どうも思ってないよ。無だよ無。俺にはそれだけ」


酷く傷ついた柏木は、その日赤石に何も話しかけなかった。

7ナックル:2013/02/04(月) 05:49:43
放課後、柏木は野球部が練習している運動場に向かった。
赤石はキャッチャーの郷田とピッチング練習をしていた。
柏木はフェンス越しに彼がボールを投げる姿を見ていた。

「野球しているときはあんなに一生懸命なのに……」

そう俯いた瞬間だった。
柏木の方に向かったボールが飛んできたのだ。
フェンスがあったからよかったものの、何もなければ顔面に直撃していただろう。
でも、なぜこんなところに。

「そこで何してんだよ!! あ、俺の練習の邪魔しに来たとか?」

赤石は郷田に向こうで練習しててと言い、こちらまで歩み寄ってきた。

「何の用だよ?」

「えっと……その孝ちゃんの野球してる姿を見に来ただけで……」

「見に来ただけ?」

「えっと、応援もしに来て……その……」

「応援しに来て応援なんかしてなかったじゃん」

「…………」

何も言葉が出なくなり、戸惑うばかり。
何かを言おうとはするが、すべて赤石が怒鳴りそうなことばかり。
どんな言葉を掛ければいいのか正解がないような気がした。

「何とか言えよ!」

赤石は柏木の右肩を強く押した。
バランスを崩し、少し後ろ体重になり足が数歩後ろに動いた。

「あのよ、何もしないで見られんのが一番練習に気が散るんだよ。あと、お前に応援なんかされても元気でないし」

「何でそんな言葉ばかり言うの?」

「決まってんだろ! お前がうざいんだよ。何もかもお前と一緒じゃなくちゃいけないのか?」

「それは……でも少しでも孝ちゃんが――」

「悪いけど帰ってくんね? 気が散って練習できねんだわ?」

「孝ちゃん……」

「帰れよ!!!」

赤石は今度は両手で柏木の肩を先程よりも強く押した。
柏木は耐えれずに、お尻から地面に倒れていった。
幸い後ろに手をつくことができ、それに地面に大量の草が生えてたことで痛みは半減した。
しかし、心の痛みはすごいダメージを負った。

「酷いよ……ここまでしなくてもいいじゃん!」

「それが嫌なら俺に関わんなよ!」

「そんなのできない……」

赤石は頭を掻き毟った。

「あぁぁもおぉ!! それがうざいんだよ! お前には悪いけど……これ返すわ」

赤石は左手にはめていたグローブを抜いた。
そのグローブを柏木のお腹目掛けて思いきり投げつけた。

「痛っ!」

「そんな腐ったグローブ使ってたら試合に影響する……帰ってくれ」

そう言って後ろを振り返り、小石を蹴飛ばしながらマウンドに向かい、ピッチング練習をした。
柏木はお腹を押さえ、痛みに耐えながらも転がっているグローブを拾った。
これは中学三年生の時、赤石の誕生日に柏木がプレゼントした思い出深いグローブだった。
なんだかんだ言って赤石はそのグローブと一緒に練習を積んできていた。
その証がちゃんと刻まれていた。
色は剥げて、薄くなりふにゃふにゃだった。汗の臭いも染み込んでいる。
手にはめる部分にも血が付着していた。
それだけ使いこなしてきたグローブ。
柏木は悲しいだろう。

柏木は立ち上がりグローブを片手に家に向かって歩き出した。

8ナックル:2013/02/04(月) 05:58:44
「お前良いのかよあれで?」

「何が?」

「柏木の事だよ」

「別にどうだっていいよあんな奴」

「お前から言わしたらそうだろうけど、流石にグローブと突き返すなんて……」

赤石は郷田の胸ぐらを掴みものすごい目つきで睨みつけた。

「お前に何がわかんだよ! 確かに小さい頃は仲良かったよ……でも、どこで歯車が狂っちまったのか俺にもわかんねぇ。
本当のこと言えば俺だって、あいつと昔のような生活を送りたい。でも無理なんだよ! 
どうしても……心がそれを許さないんだよ」

「孝一……」

「悪い。俺、早いけど先あがるわ」

「おい、ちょっと待てよ!」

赤石は郷田の言葉を無視して、更衣室で着替えを済ませた。
そして、柏木と同じ道を辿るようにして帰っていった。

9ナックル:2013/02/04(月) 06:25:50
柏木は学校から数メートルしか離れていないところで立ち止まっていた。
何が二人を引き離して行ったのか、お互いわからずにいた。
柏木は笑顔でこう言った。

「へへっ、名前まで呼ばれなくなっちゃった。そりゃそうだよね」

悲しいはずなのに笑っている。
涙が出ないほど悲しいのか。
柏木は何かを感じた。
誰かが後ろから近づいてくる気配を。

ゆっくりと振り返ってみると、その後ろには赤石が立っていた。
それもこちらをの方をじっと見ている。

「孝ちゃん……」

無意識に出る言葉。
しかし、その言葉も風によって掻き消されるように消えていく。
赤石は野球に関するものをすべて柏木に突き付けた。

「はいっ! お前からもらったバット、シューズ。他にもいろいろ入ってるから」

「何これ?」

「だから、全部返すよ。っつーか、俺……野球辞めるわ」

「えっ……何言ってんの?」

「黙れよ。お前に俺を止める資格なんかないよ。野球なんかもうやめだ」

野球のグッズを柏木の目の前で捨てるように落とした。
そして、他人と他人がすれ違うように通り過ぎていった。
柏木は膝からがガクッと崩れ落ち、その場で涙を流した。

「孝ちゃん……なんで…………孝ちゃんのバカ!」

今までしてきたことが馬鹿みたいだった。
赤石は赤石で悲しいだろう。
態度と思いは裏腹にどうしても柏木を嫌な奴だというふうに思ってしまうのだから。

いつまでもこんなところにいられないと思った柏木は、野球のグッズをすべて手にし再び自分の家へと足を進めた。
家に帰っても、まだ親は帰っていなかった。
電気も付けずに自分の部屋に向かう。
そして、野球のグッズを隅に置き、電気も付けずに暗い部屋のベッドに横たわった。

その頃赤石は自分の部屋にいた。
柏木から貰ったもの、柏木と映っている写真。
とにかく柏木と思い出があるものをすべて袋詰めしていた。

「全部処分してやるよ。これであいつとの思いでも消えるだろう」

そう思いゴミステーションに持っていく。
しかし、手が動かない。捨てられなかった。
結局家に持ち帰ることになった。

赤石は自分の部屋に袋付したものを投げつけた。
すると、一枚の写真が赤石の足元に落ちていった。

10プルヒッター:2013/03/31(日) 21:03:42
ナックルくん
続きが気になります。
そしてコメントありがとう。

11ナックル:2013/06/19(水) 23:03:18
それは、小学校の最後の引退試合で優勝を決めたの頃の写真だった。
この頃の赤石は明るかった。その写真からもわかるように、笑顔が眩しかった。
赤石は柏木の肩に手を置き、ピースのポーズをとっていた。

恥ずかしながらも顔を前に向け、写真に写っている。
そんな姿を見て、胸が痛んだ。
先程の怒りが、いつしか悲しみ、そして、悔しさに変わり重く心に伸し掛かっていった。

どんな気持ちで自分を支えてきてくれたのか。
どんな顔で自分をそばで見ていてくれたのか。

そんな気持ちに気付いた時には遅かった。
今、柏木に謝っても謝りきれないだろう。
あんなに自分のために、応援してくれて支援してくれた人に、とんでもない態度を取ってしまった。
そう思い、頭と心を整理した。

本当は野球が好きだ。辞めたくない。
それが本心だった。

赤石は心を落ち着かせるように目を瞑った。
今まで、一緒に過ごした柏木との日々を思い浮かべながら。

どんな時も、赤石の味方だった。
赤石も甲子園という夢の舞台を望んでいる。
その夢に少しでも近づこうと人一倍努力したのは柏木だった。
自分の夢ではない。しかし、赤石の夢を最後まで応援するのが柏木の夢だった。

どんなに小さい夢でも......いいや、夢に大きいも小さいもないのかもしれない。
とにかく、夢や目標を持つことが大事なのだ。

赤石のやるべきことは一つだった。

12ナックル:2013/06/19(水) 23:05:21
>プルーヒッターさん

久々に投稿しました!
文章を書いたりするのが苦手なので、下手ですが頑張ります!

13プルヒッター:2013/06/21(金) 16:36:47
>ナックルくん
私も下手です
久しぶりの投稿だね・・・プルーヒッターじゃなくプルヒッターですよ(汗)
いよいよ私の話も大詰めです。
この話の完結はどうなるのか?期待大です。


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