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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

21名無しリゾナント:2015/12/22(火) 21:08:24
意味のない、自殺行為。
なのに笑っているのは、何故だ。
答えは、自らの体の異変が教えてくれた。

ぽろぽろと、風化してゆくように。
有沙の体を貫いていた翼が細かく砕け、風に吹かれて消えてゆく。
それだけではない。沙弥香を刺し貫いていた黒刀さえ、形を維持することができずに崩壊しは
じめていた。

「どうして」
「…それが…あたしの能力だからねぇ」

息も絶え絶えに、有沙が言う。
顔面は既に蒼白、命はまさに尽きかけようとしていたが。

「血の不活性化(イナクティベーション)」。
血に関するあらゆる能力を封じる能力。それは「黒翼の悪魔」の体を駆け巡る黒血も例外では
ない。有沙の発動した能力により、黒血内のナノマシン群は、次々と沈黙していった。

対悪魔に最適とすら言えるこの力。一つだけ欠点があるとすれば。
この能力は、使役者が死亡することで初めて完結するということ。
「エッグ」の誰もが有沙の能力を見たこともないのは、当たり前の話だったのだ。

悪魔が自らの手の平を傷をつけ、血を垂らしてみる。
黒い血は、ゆっくりと軌跡を描いて地面に染みを作るだけだった。


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