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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

716名無しリゾナント:2016/11/29(火) 19:51:21
そこで、里保は大きなことに気付く。
植物の根が朱音の力を吸い尽くしてしまえば。
このままでは、朱音が。

ふくちゃん!と里保が呼びかける前に。
聖は、動いていた。朱音を取り巻く黒い靄が途切れる、ほんの一瞬を狙い澄ませて。

なるほど、そういうことか。ならば今度は、間違えない。

里保は聖がしようとしていることを、先読みする。
足元に僅かに残っていた、汚されていない水たまり。それを気化させ、駆け出した聖に纏わせた。
それはまさしく、里保が今できる最適解だった。聖は無防備になった朱音を、墨に遮られることなく抱きすくめる。

接触感応。
それが、聖が本来持ち合せた能力。
普段戦闘用に使用している「能力複写」は接触感応の応用でしかない。触れたものの残留思念を読み取る能力、生田衣梨奈や先輩の新垣里沙の
ように相手の精神に働きかけることができない、言わば受け身の能力ではあるけれど。

それでも僅かに残った墨の残滓が、聖の肌を焦がすように侵食しはじめる。
同時に、そこから流れ込んで来る「朱音の残留思念」。
全てを悟った聖は、優しく朱音の頭を撫でた。しばらく寒気に当てられていたかのように体を震わせていた朱音も、やがて安堵したかのように
瞳を閉じ、頭を垂れた。

「え!ふくちゃんまさか絞め技で」
「失礼な。安心して眠ってるだけだって」

朱音の急激な変化に「フクムラロック」が発動したのではないかと訝る里保だが、聖は憤慨しつつ否定する。
もちろんこうなることを想定していたわけでは無い。ただ、結果的に朱音は持てるすべての力を使い果たし、眠りについたようだった。


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