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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part5

299名無しリゾナント:2014/11/07(金) 18:42:31

「四人はそのまま全速離脱。後は…私一人で殲滅するから」

千聖が私の顔を窺ってきた。
血みどろの白兵戦を展開する決意をした舞美を一人で戦わせていいのか。
自分たち、少なくとも自分ひとりだけでも反転して援護すべきではないかという思い。
矢島舞美は無敵のバカだ。
しかし自分の強さに驕り単独先行するような愚か者ではない。
今、舞美は自分に怒りを覚えている。

防衛省周辺との融和路線を選択することで、私たちを欲しがっているどの機関とも等距離の関係が築けるという甘い考えを抱いた自分に激怒している。
能力者に人格があるとは思わず、只の数値として捉え国益とやらに貢献させようという人間が国の中枢にいまだ存在する事実に憤怒している。
今宵これからの戦いで実際に血を流す兵士の殆どは自ら意思決定する権限を持たず、実際の責任者は安全な高みから見下ろすという不公平な構造に義憤を抱いている。
でもそんな状況でも矢島舞美は絶望しない。
絶望して、全てを投げ出して、壊れてしまった方が楽だとしてもそんな道を決して選択しない。
それが矢島舞美だ。

私たちを導くリーダーとして、全ての責めを負うことで辛うじて、舞美はかつて犯した過ちの贖罪を果たし続ける。
だったらそんな舞美の決断に口を挟むことなど誰が出来ようか。
ゆっくりと首を振った私に頷く千聖。
これから創り出す状況は決まった。
後は…。

「ちょ舞美、時計外してどうするの」
「いや〜、いろいろご馳走になったからせめて、ね」
「ねって、私たち罠にかけられたんだよ」
「でも譜久村の人たちもぐるだったかはわからないし」
「もしそうだとしても譜久村家ってちょっとした財閥並みの金持ちだよ」


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