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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

986名無しリゾナント:2013/07/03(水) 20:40:17
たくさんの笑顔が浮かんで、消えていく。
こんな時間が続けば良いのに、と思う。
でも皆が居ないのは嫌だな、と思う。

食べた後、埠頭へ行くために電車を乗り継ぐことを決めた。
その時に佐藤は、田中の隣に居た。降りるまでの間、ずっと、ずっとだ。
彼女の横で手を握り、田中もそれを拒まなかった。

あの時、田中の両目から流れた黒い水。
そして、今佐藤が掴んでいる手が、何か別の生物ような違和感を覚えた、あの時。

本当は聞いてみたい。
様子がおかしいから、本当は具合が悪いのではないかと。
それは自分のせいではないのかと。
自分ができることは何なのか、聞いてみたい。
もしそれが自分のせいだとしたら、このまま自分を捨ててくれても良いとさえ思うほど。
……嘘だ。
本当は捨ててしくない。できればずっと田中の傍に。

 「佐藤、ちょっとの間だけ、寝といてもいいっちゃよ。まだ着かんからね」
 「たなさたん、わたしにできることがあったら、なんでも言ってください。
 どうしていいかわかんないけど、おいてかれるのだけはやだけど。
 それいがいのことはできるから。できるかもしれないから」
 「大丈夫。れなはずっとおるよ。だから寝ときい」
 
電車に揺られながら、佐藤は田中の声と共に瞼を閉じる。
マスクを付けていて苦しいが、寝顔を見られるのはどこか気恥ずかしいので我慢する。


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