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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

936名無しリゾナント:2013/06/19(水) 23:22:49
誰かに丸投げしてしまえば楽かもしれない。
それが解っていても、それが出来ないのが新垣里沙だった。

 「それで、どこに行くと?」
 「今日と明日は晴れらしい、夜景を見に行く人がいるかもしれないけど
 でも人が一番少ないところを狙うとすれば、埠頭しかないと思ってる」
 「そこはガキさんのチカラでっちゃろ?」
 「…そうだね、確かにそっちの方が簡単か」

田中れいなの言葉に、新垣里沙は同意する。
再会したのは、約4ヶ月ぶりだった。
携帯の表示に驚きはなかったが、どんな挨拶をすればいいかは迷った。
だが田中に会ったとき、言葉よりも先に拳が眼前に向かって振り抜かれる。

新垣はそれを素直に受け入れ…なかった。
それなりに全力だったストレートパンチを難なく受け止める。
乾いた音に佐藤がビクリと肩を震わせたが、新垣と田中は互いを睨む。

 「残念だけど、今は怪我をするのも惜しいから、今度受けるよ」
 「今度、そうやね、今度、これよりももっと強いのをおみまいしてやるけん」

田中はそれだけで一歩身を引いた。
いつもはしつこいぐらいの拳の連撃が来るはずだが、新垣はその違和感と
彼女が"何度も腕の調子を確かめている"ことに思考を巡らせる。
時間がない。
そう、時間がなかった。だけど田中にとって、新垣に対しての反抗は
しなければいけないものだった、そうしなければ自分ではないとでも言いたげに。
今思えば、普段通りの自分を保とうとする咄嗟の行動だったのかもしれない。


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