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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

733名無しリゾナント:2013/05/21(火) 14:21:49
笑いかけた彼女の目もまた、真っ赤に染まっていた。
微かに鼻を啜る音がする。プールで体が冷えてしまったのだろうか。
里保は今度こそ、れいなと視線を絡ませた。真っ直ぐにれいなを射抜く瞳を、純粋に美しいと思った。

「捕まえてみせますよ、田中さん」

奥二重の切れ長の目が、れいなの心を捉えた。
彼女の言葉の奥に潜んだ真意に気付いたれいなは思わず噴き出した。
なんてことを言い出す後輩がいるものだろう。
圧倒的な力で「いちばん」をもぎ取ったはずなのに、すぐ後ろに彼女が控えている。いや、彼女たち、と言った方が他正しいのだろう。
もうこの背中は、彼女らにしっかりと捉えられているのだなとれいなは気付いた。
静かな焔を宿したその瞳を真っ直ぐに受け止め、れいなは喉を鳴らしながら天井を仰いだ。

「れなは負けんよ。なんでもいちばんじゃないと、気が済まんけんね」

今度の「鬼ごっこ」はいつまでがタイムリミットだろう。
再び、彼女たちとともに最前線に立つ日は、以外とすぐやって来るのかもしれない。
その日まで、捕まらないようにせんといかんっちゃね。
ああ、もう。子どもやって思っとったとにね。

「よーし!まーちゃんがんばります!」
「その前にこの服乾かさなきゃねー」

威勢良く立ち上がった優樹に連られるように里保も立ち上がった。
ああ、やっぱり子どもだ、とれいなが笑うと、里保が右手を差し出してきた。
れいなも素直にその手を取り、立ち上がる。
「いちばん」というものは、思ったよりも大変なんだなとれいなは笑う。
目が少し赤いのは、昨日の寝不足のせいやなと、ぼんやり思った。


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