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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

732名無しリゾナント:2013/05/21(火) 14:21:05
「だめ。やっぱりれなの勝ちっちゃよ」
「……まーちゃんはまけましたけど、さやしさんはまけてないです」
「優樹ちゃん」

駄々をこねる優樹を、里保がそっと制した。
ぽんぽんと肩を叩くが、優樹はまだ、れいなの腕を離さない。
れいなはやれやれとため息をつくと、また改めてプールサイドに座った。

「いっちゃうんですか…?」

右から、れいな、優樹、里保と座る。
里保は静かに息を吸うと、くるくると指で水面をなぞる。
波紋が広がり、プールに色がつく。まるで風が吹いたような景色を見ながら、れいなはひとつ頷いた。

「もう、決めたことやから」

れいなが此処を去ると決めて、もう半年が立つ。
それは当然寂しいのだけれど、彼女の歩みを止める権利はだれにもない。
そんなことくらい、優樹にだってもう分かっている。分かっているからこそ、駄々をこねるのだけれど。
優樹は黙って下唇を噛みながら、その瞳をごしごしと擦った。真っ赤になっているのは、プールの塩素剤のせいだろうか。

「今日の鬼ごっこ、田中さんが、優樹ちゃんを捕まえたんですよね?」

ふと、黙って水を動かしていた里保が呟いた。
れいなは優樹を通り越して彼女に目を向ける。彼女は水面を見たまま、視線を絡ませようとはしない。
里保は柔らかく笑うと、右隣の優樹の頭を撫でてやった。

「じゃあ、鬼が交代だね」
「え?」
「今度は優樹ちゃんが、田中さんを捕まえる番だよ」


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