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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

1名無しリゾナント:2011/01/18(火) 17:04:23
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第2弾です。

ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。

(例)
>>1-3に作品を投稿
>>4で作者が代理投稿の依頼
>>5で代理投稿者が立候補
>>6で代理投稿完了通知

立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。

950名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:10:30
「おまえら〜街を破壊するのだ〜」
「「「「「イイイィィィィィ〜」」」」」」

黒頭巾に黒の全身タイツのいかにも悪役ですと自己主張の強い集団が突然現れたのはうきうきした日曜の午後
手にどうみても殺傷能力はあるが、効率極まりなく悪い斧だの重そうなバズーカを持ち暴れている
どうみても警察なり自衛隊が遠距離から射撃すれば一掃できそうなのだが、ここは小説の世界
数少ない役割を果たそうとモブキャラの市民達は悲鳴を上げて、蜘蛛の子を散らすように逃げ回る

昼間に日曜朝7時半の光景が広がっているのを見て黒ずくめ集団の女ボス、中澤は高らかに笑う
「これぞ、ダークネスの力や!まずはここ、浅草を制圧し、次いで巣鴨、柴又と広げていくのだぁ」
「待てい!!悪事を働くのはそこまでじゃ!」
「誰や?姿を現せ!」
現実的には姿を現さないで長距離からライフルとかで狙撃しちゃえばいいのだがそんなことはしない
そして、こんなどう考えても世界征服なんてできそうにない組織にすら当然のようにヒーローは現れる

「悪は許さない、リゾナントレッド! 鞘師里保」
「正義の名のもとに立ちあがる リゾナントブルー 石田亜佑美」
「お前たちだけは許せねえ リゾナントハニー 飯窪春菜」
「共鳴の輪の中に生まれたから リゾナントノーマルグリーン 鈴木香音」
「えり達は立ちあがる リゾナント新垣グリーン 生田衣梨奈」
「まーちゃんも立ち上がる リゾナントエメラレルドグリーン 佐藤優樹」
「あなたの心に優しい風が流れますように リゾナントももち色 譜久村聖」
「「「「「「「7人そろってリゾナントガールズ(仮)」」」」」」」
そしてしゅびしぃぃぃっと決めポーズを決める7人

「・・・おい、待てや」
「正義の名のもとに悪は許さない!正義は待たない」
「・・・待ていうとるやろ」
「待ちません。共鳴の元に生まれし絆を見せつけてあげます!」
「待ていうとるんやから話聞けや!!黙らんと奥歯に指入れて歯ぁガタガタいわすぞ、こらあ!」

951名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:11:15
「ヒィィィィ・・な、なんですか?」
レッドと名乗った少女が恐る恐る女ボスに尋ねる
「お前ら、色々とつっこむところ多すぎるやろ!お前ら自分達の名前名乗ってみい!」
「リゾナントガールズ(仮)っちゃ♪かわいいやろ?」
何も言わずに女ボスは新垣グリーンに光弾を放った
「うざいわ、うざい。ほんでなんや?(仮)って?正式名称つけんかい!」

「いや、それはですね、まだ私達正式なグループではないので、戒めとして(仮)として」
「・・・ええねん、お前ら、自分に自身もてや!一応、正式なメンバーとして認められているんやから
 メジャーやろ?このスレではお前らメジャーな存在になりつつあるねん
おそらくもう辻とかAより知名度も人気もあるやろ。あいつら意外に使いずらいのバレとんねん」
「そ、そんなことないですわ。過去の功績を見る限り聖達にできるのはただ頑張るだけですわ
ほら、こうやって頑張っているうちに見てください♪アッパーカットが得意になりましたわ」
「いや、知らんから!あとアッパーカットするときに胸が揺れてるの見たブルーの目が怖いやろ」
「・・・悔しくはないです。動きの邪魔になるだけで、頑張れば私だって。私だってこのさらしを」
「嘘はあかんで」
もちろんブルーの目はうるんでいるのだが、その理由は言わなくてもいいだろう

「それからな、おい、緑色!」
「なんだろうね?」「は〜い、まぁちゃんで〜す」「えりのこと呼んだと?」
「ほら、こうなるやろ!3人も緑がいるって混乱するだけや!三人だけ自己紹介してみい」
「リゾナントノーマルグリーン 鈴木香音」
ノーマルグリーンが蟷螂のように両手を構える
「リゾナント新垣グリーン 生田衣梨奈」
新垣グリーンが両手を眉毛の近くで構える
「リゾナントエメラレルドグリーン 佐藤優樹ことまぁちゃんで〜す」
・・・佐藤が両手を上げて手を振る
「おい、作者!手を抜くな!何しとんねん」
・・・いや、だって「エメラルドグリーン」ってうつの地味に大変で(汗

952名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:12:05
「いやいや、そこは頑張れよ!表現力稚拙なんやからせめて人並みに書けるように努力せえや
・・・さて、本題に戻るが、おかしいやろ!緑が三人って!区別つかん!」
「いや。それは、その、色じゃなくて中身をみてほしいっていう思いからなんだろうね」
「いや、違う。それはおかしいやろ。色変えた方が個性出るやろ」

「え〜エメラルドグリーン好きな色だから、まーちゃんはいいんですよ」
「お前の主観はいらんねん!大事なのは区別がつくことや!見た目区別つかんとやってけんねん!
それから生田!お前に至っては色じゃないやろ!なんや!新垣色って」
「黄緑っちゃ!先代の新垣さんのイメージカラーにきまっとうやろ?」
何も言わずに生田の腹にまた光弾が撃ち込まれた
「おめえは先代の福岡と一緒に寝てろ」
新垣グリーンは色は新垣だが中身はれいなであった

「だいたい、ノーマルグリーンがその立場にいるのが問題あるんだよ」
「な、なんでだろうね!香音だって立派なヒーローなんだろうね!」
突然名指しで呼ばれたノーマルグリーン(以下G)は
「いやいや、香音はGじゃないんだろうね、せめてノーマルとかにしてほしいよ!
 Gだと偉大な人にも嫌われている虫になるし、香音はGさんの真似はさすがにできないんだろうね」
「ほら、それや、香音、お前は突っ込みなんやって!
 他の二人のボケが濃すぎて、キャラ消されているんやで!3の字とかいうとったけど、最近そうでもないやろ?」
痛いところをつかれたノーマルは一歩後ずさり、頭を抱え込む
「うっ、そ、そうなんだよね、みんな、天然だったりキャラが濃くて常識通じないんだよね
 この前までは新垣さんと光井さんがいて突っ込みキャラいたけど、それもいないんだろうね」

そうなのだ。この世界における突っ込みキャラは新垣、光井、鈴木、強いて言えば中澤、藤本くらいしかいない
しかしながら魔女は今現在、白くドロドロした液体と戦っておりそれどころではない
かといって、かつての仲間達が敵として出るのも誰も望んでいない
そして至った結論はこうだ
「今、突っ込みキャラが不足しているんだろうね」「不足しているんや」

953名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:12:59
「せやから、私からお前ら7人に提案や」
唐突に呼ばれたのでレッドは飲んでいたサイダーが変なところに入ってむせ込んだ
「おい、レッド、オマエ、敵と戦っているのに何休んどるんや!高橋から何も言われんかったと違うんか?」
「え、いや、これは、あの、そうですね、私、水を操る能力持っているので常に持ち歩いているんですよ
それで、ボスさんが香音ちゃんと話しているから邪魔してはいけないと思ってですね」
「そうっちゃ!里保はあなたに気を使って」
三度目の光弾がKYを襲った

「基本的に緑色は鈴木にするんや。後の二人は他のメンバーと共鳴した時に現れる設定にする
 こうしたら、お前らの共鳴の力もイメージつきやすいし、突っ込みキャラも守れる
 ついでに言うなら執筆能力の低い作者も助かる」
・・・うん、その通り。作者としては助かります(笑)
「確かに、それはいい設定ですね!さすが、ボスさん!」
ハニー色の褒め芸も炸裂する
「それでは、まぁちゃんのエメラルドはグリーンと私、ブルーが共鳴した時にしましょう」
「生田さんの新垣グリーンは飯窪ちゃんと共鳴した時にするんですわ」
「じゃあ、里保ちゃんと共鳴した時は・・・」

電柱柱の影から一人の少女が心臓をwktkさせて8人の様子を見ていた
(私だよね?私だよね?)

「赤と緑でお花みたいだからさくらちゃんですわ」

電柱柱の影でオレンジは泣いた
ハoT 。Tル<なんでどぅだけ出番無いの・・・

「ちょっと待つっちゃ!えりはその提案に反対っちゃ!」
「おまえ、タフすぎるやろ!」
さすがKYほとんど決定している流れでも意見を挙げる

954名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:14:46
「新垣グリーンどうしたんだろうね?」「なんや?」
二人のこの世界数少ない生き残りのつっこみに睨まれてもKYの壁に守られた新垣グリーンは動じない
「確かにそのアイデアは戦隊ヒーロー好きなえりとしても面白いと思うっちゃ!
 でも、でっかい問題点もあることにきづいとうと?」
にやにやして言う新垣グリーンに思わず光弾を放とうとする中澤だったが、そこは必死でこらえた
「なんや?いうてみい?」

「もし、えりとまぁちゃんが出て来なくなったら、今度はボケが弱くなるとよ」
「あ、ほんまや」
残ったのは鞘師、石田のダンスコンビ、天然の譜久村、エピソードトークが得意な飯窪
どう考えても自然なボケが出そうなのは譜久村しかいない
「確かに・・・話の流れとして真面目になりそうなんだろうね」

ボケと突っ込みのバランスは難しい。公式なんて存在しない
つっこみは一人でも十分なのだが、ボケは多くいるからといっていいわけではない
つっこみが面白さを増す部分はあるにせよ、どうしてもそのボケの質は大事なのだ
そう、数よりも質なのだ。数よりも質なのだ。

「やけん、えりとまぁちゃんのコンビがいたほうが予測不能になっていいと思うと」
「確かに二人がいないと突発的な事件は起きないんだろうね。
 二人とも何をしでかすか先が読めないからコメディには向いているだよね」
そうやって真面目に考えている横ではエメラルドは電信柱の後ろにいる工藤(オレンジ)に気付いて笑っている

「というか、気付いたんやけど、お前らの仲間のオレンジ色の戦隊ヒーロー無駄に強いやろ!」

Berryz仮面 オレンジ⇒夏焼 雅
キューティーレンジャー⇒矢島 舞美
リゾナントガールズ(仮)⇒工藤 遥

「なんや、この格闘に圧倒的に強そうな三人組!正直、本体より強いやろ、こいつらだけなら」
「確かにそれはそうかもしれないんだろうね(汗)」

955名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:15:18
「戦隊ヒーローはピンチになると心強い味方が現れるものですわ!ですから、オレンジはサブなんですわ!」
そういい胸をますます張り出すのはももち色である
「やめい!お前がそれやると、目のやり場に困って、色々問題おこんねん!」
「それなら、私がズキューーーーーーーーーーーーン!」
「やめい!JOJO立ちすんなや、ハニー色!違う問題起こるやろ!」

「あ、あの〜すみません、ちょっといいですか?」
申し訳なさそうに声をかけたのはレッドだった
「あ、なんや?」
「あの〜私達って敵ですよね?そろそろ戦わなくてはいけないのではないでしょうか?」
「・・・そやったな。よし、来いや!女、中澤相手になったるわ!」
しかし、更に申し訳なさそうな態度のレッド

「どうした?こっちから行くのか台本やったか?」
「いや、そうではなくてですね、限界です」
「・・・・は?」
「いや、話が長くなって、読者が飽きていると思うんです。だから戦うのは次回ということで」
「・・・せやな、そうするか」

♪エンディングテーマ

〜次回予告〜
ハo´ 。`ル<7人の少女たちの前に現れた女ボス。
色と名前の事だけで終わった一回目の放送をどう思ったのか
視聴率は?視聴者の評判は?そして、次こそ中身はあるのか?そして、第三話目はあるのか?
次回 カラフル戦隊リゾナントガールズ(仮)第二話『ハニー色とももち色』
ハoT 。Tル<出番は予告だけ?

ノノ∮‘ _l‘)<この番組は譜久村の提供でお送りいたしましたわ

956名無しリゾナント:2012/10/25(木) 23:20:03
以上「colorfull戦隊リゾナントガールズ(仮)①」です。
「あえあ」ネタに飽きたから書き始めたものです。コメディは書いていて楽しいですw
リゾナンター関係ないかもしれないけど、堪忍してくれるとありがたい
まぁちゃん、鞘師のシリアルな話の後にこんなんで申し訳ないです

代理投稿よろしくお願いします。

957名無しリゾナント:2012/10/26(金) 12:22:05
遅くなったけど行ってきたよん
本スレでも書いたけどメンバーのカラーを巡るやりとりはゴレンジャイを思い出した
作者さんはごっつ世代の人ですかねw

958名無しリゾナント:2012/10/26(金) 21:06:58
ありがとうございます!いや〜改良の余地まだまだありますね、こうやってみると
さっき、ゴレンジャイ初めて観ましたw板尾さんおもしろいですね〜
知らなかったけど、かぶっていてなんか悔しいっす・・・オリジナリティないな・・・
作者は24歳です

959名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:46:46
スーこれがりほりほの匂い…
子供特有のミルクみたいな匂いにちょっとだけ思春期を思わせる酸っぱいアクセントが…
幸せ、ってこういうものなのね。もうこのまま時が止まってしまえばいいの。

しかし背後にTシャツを忘れた事に気づき戻ってきた里保がいると知って、さゆみは本当に時が止まってしまった。

否。店内に里保が足を踏み入れるわずか1秒前に、さゆみは普段からは想像もつかないような反射神経と跳躍力
によって、Tシャツを咥えたままカウンターの下に隠れることに成功する。りほりほに変態バレしたくないという保身と、
いつまでもクンカクンカしていたいという欲望が重なる事で実現したまさに奇跡であった。

「さっ鞘師、どうしたの?」

何事もなかったかのようにカウンターから姿を現すさゆみ。
顔は赤いし息も荒いし、おまけにさゆみの重さんも大変なことになってるが、里保には気づかれていないようだった。

960名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:48:08
「実は道重さんに相談があって」
「相談って何…あひっ?!」

真剣な顔つきで話す里保を他所に、さゆみの重さんに電撃が走る。
実は奇跡の大ジャンプを決めた時に、懐の携帯電話が何故か股間の位置にずれてしまったのだった。
携帯はマナーモードになっており、着信があるとブルブル震えていけない刺激を与え続ける。

「私…この能力のせいで、学校の友達とも馴染めなくて。水があるところには迂闊に近づけないし。
だから色々経験してそうな道重さんに教えてもらいたくて」

里保が心を開いている。
のは結構なことだったが、さゆみの重さんも股の機械のせいでぱっくり開いてしまっていた。
慌てて股を閉じようとすると刺激がよりダイレクトに伝わり、さゆみの腰が思わずくの字になる。

「あの、どうしたんですか?」
「ううん、何でもないの」

何でもなくはない。
既にさっきの変態プレイと今の携帯バイブでおまた大洪水である。
そしてあまりの刺激に、ついにさゆみが声を上げる。

961名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:49:18
「あっあっ、ま、股の機械にぃぃ」
「は?」
「またのきかいにいいいいい!!!!!」

急に叫びだしたさゆみ。
顔を見ると、眉を吊り上げ紅潮させている。里保はさゆみを怒らせてしまったのだと思った。
ただここで引くわけにはいかない。

「道重さんにとっては確かにくだらないことなのかもしれません。でも、わたしは」
「またのきかいに!!またのきかいに!!!」
「何ですかさっきから又の機会にって!今じゃなきゃダメなんです!」
「だからまたのきかいにいいいいいい!!!!!」

さゆみは涙を浮かべ涎を垂らし髪を振り乱している。
そんな、相談にすら乗ってくれないなんて。里保は慈悲のないさゆみの態度にショックを受けた。
ある意味さゆみは今自慰をしてるのだが。

962名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:50:35
里保が顔の表情をなくしていくのを見たさゆみは大いに焦った。
もしかしてりほりほ、勘違いしてる!?
でも誤解を解くには一度イッてからでないと、ろくな答えすら口にできない。今までのりほりほ
盗撮画像を頭に思い描き、渾身の力を込めて叫ぶ。

「イッて!!!もうイッて!!!!」
「そんな、行ってだなんて!!」
「違うの!行って欲しくないけどさっさとイッて欲しいの!!!」
「…わかりました。失礼します」

肩を落とし去ってゆく里保。

「待って行かないででもイッちゃうのあっあああああああああ」

里保の淋しそうな後姿を見ながら、さゆみもまたいってしまうのだった。
里保との心の距離は開いてしまったし、さゆみの重さんも開きっぱなしだった。

963名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:51:14
この後、里保は頼れる先輩・田中れいなに相談した。

964名無しリゾナント:2012/11/04(日) 18:56:33
>>959-963
りほりほのTシャツネタの続きです。
こんなものを代理の方に頼むのも心苦しいんですが、代理投稿お願いします。
題名は「またのきかいがリゾナント」で。今適当につけました。

最初は見つけたのがりほりほじゃなくて石井さんで、いきり立った黒い焼き芋がどうのこうの・・・
という話だったんですが、みなさんの「股の機械に」への食いつきに共鳴してこういう結果になり
ました。とある話のリスペクトで心苦しいので、元ネタも貼っておきます。

http://m-seek.net/kako/event/messe08/1118769937.html

965名無し募集中。。。:2012/11/04(日) 19:59:20
ひどい茶番劇・・・いや、今年の最優秀作品候補の続編がきましたね
完走できなかったからテンプレ使い回すかね

966名無し募集中。。。:2012/11/04(日) 20:08:21
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第75話
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1352026898/

967名無し募集中。。。:2012/11/04(日) 20:08:54
>>964
転載します

968名無し募集中。。。:2012/11/04(日) 20:19:25
>>967さんありがとうございます!

969名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:12:32
どこまでも続くかと思うような、長い廊下。
薄闇に包まれた道を、白衣をゆらゆらとはためかせ、歩く。

約束の時間を大分過ぎてしまったか。

ひとりごちてみたが、急ぐ気はさらさらない。
どうせ幹部連中も、私がいないことには話を始められない。

これから私はあるひとつの提案をしてみるつもりだ。
その提案に対する反応。私は彼女たちの不満に満ちた声を想像する。
甲高い声。ヒステリックな声。やる気のなさそうな声。興味のなさそうな声。
全て、自分が持っているデータで黙らせることができるだろう。それは確信に近かった。

力技、なのかもしれない。
けれども、彼女たち自身、自らの任務が徐々にではあるが何らかの原因で支障をきたしていることは
薄々は気づいていることだろう。私の提案は、その事実に光をあてるだけ。
……闇が、光をあてる?
自らが喩えた表現の滑稽さについ笑みを漏らしてしまったその時。

目の前に、扉が立ちふさがる。
いつの間にか長い廊下の終着点にたどり着いたようだ。
廊下を歩くまでの時間を、たっぷりと思案に耽る為に、わざと長く設計したのは他ならぬこの私だった。
どうやら、長さがまだ足りなかったらしい。倍の長さにしてみようか。そんなことを考えながら、薄闇に
覆われた扉をゆっくりと押し開いた。

970名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:14:09
視界が、開ける。
円筒型の空間を取り囲むようにして、13の座席と、9人の先客たちが私を待ち受けていた。

「遅いっての!自分から呼んどいて何で遅刻できるんだよ!!」

頭から出ているのではないかと疑いたくなるほどの声。
その背に見合わない背もたれに埋まるようにして、彼女は私の遅刻を責める。

「申し訳ありません。研究が、長引いていたもので」
「ハァ?お前ふざけんなよ!!」

顔を真っ赤にする小さな金髪。「詐術師」の二つ名を持つ彼女は、もう少し冷静な面を持ては組織にと
って真に有用な人材となるのだけれど。

「はは、まあええやん。あんま怒ってばっかやと背が縮むで」
「ちょ、組織のトップがそんなこと言ってたら示しがつかないじゃんか!!」

早くも頭に血が上る小さな大人を、13の座席の中央に座する女性が嗜める。
彼女が、私の所属する組織のリーダーだった。

「あんたがマイペースなのはいつものことやからな。さ、早よ座り」

促され、空いている席に適当に座った。
即座に18の瞳が私に集中する。

971名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:16:52
「で、多忙なあたしたちを集めた理由って、何?」

随分棘のある言葉だ。
言葉を発した本人に似つかわしい、陰湿で攻撃性を秘めている。
下らない理由だったら許さないんだから。そんな心の声が聞こえてきそうだった。
彼女は私たちの敵対勢力からは「粛清人」と呼ばれている。ただ、私たちの中には「粛清人」は二人い
る。浅黒い肌と、策略に嵌めて標的を粛清するやり方から彼女は「黒の粛清」、そしてもう一人のほう
は・・・・・・

「うっそだぁ。あんた最近仕事なくて暇だって聞いたよ。にゃはは」
「な、何よ!そんなこと言ったらあんただって粛清の仕事が減ってるって……」
「残念でしたー。あたしは本業?副業?でほんとに忙しいから」
「……そういうとこが…あんたの全存在がむかつくのよ!!」

「黒の粛清」をからかい、小ばかにし、そして軽くあしらう。
彼女こそがもう一人の「粛清人」。自らの身の丈もあるかと思うほどの巨大な鎌を得物とし、鎌の刃の
色から「桃色の粛清」と名づけられそうになったのを慌てて「赤の粛清」を自ら名乗ったという。本人
曰く、何か弱そうだから、とか。

粛清人同士がやいやいやっているのを無視し、話を進めることにした。

972名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:19:28
「本題の前に、みなさんに色々聞きたいことがあります」

再び複数の視線が私を射る。
さて、どのような反応が出るか。
私はこれから訪れる出来事に対して、楽しさすら覚えていた。

「私たちの崇高な目的のため、みなさんは日々資金集めをされてるかと思います。犯罪絡みの案件や、
アイドル業なんて変わり種まで。いわゆる組織の仕事、というやつです。その仕事が、最近あまりはか
どっていない、そう思われたことはありませんか?」

互いに顔を見合わせる幹部たち。
もちろん、これはわかりきった反応。

「……確かに、私が目をかけてた新興宗教の団体が、わけのわかんない連中に潰されたって聞くけど」

不承不承に答える、「詐術師」。
すると、他の面々も思い当たる節があるのか、各々の手がけたプロジェクトの一部が失敗に終わった旨
の説明をはじめた。

「あのさあ、これって何なんだよ。言ってる事が回りくどくてさ、あたしの頭じゃ理解できねえんだけ
ど。分かりやすく話してくんねえかなあ?」

ぼりぼりと頭を掻きながら、仕草に似合わない、色白の金髪の女性が不満を述べる。
近接格闘術に優れ、特にその蹴りは頑丈な鉄骨ですらへし折ってしまうという。「鋼脚」の異名に相応
しい、ストレートな物言いだ。

973名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:21:28
「あんたは難しく考え過ぎだから。こんなのただの偶然じゃん。ピーポ君とこの能力者たちが頑張って
る結果じゃないの?」

「鋼脚」に追随するは、「氷の魔女」と謳われし女性。普段は鋭い目つきと冷酷な表情を湛える彼女だ
けれど、今はこんな問題は取るに足らないものとばかりに手鼻をかんでいる。
ただ、次の私の話にどういう反応を見せるだろうか?

「偶然、ですか。みなさんはご存知ないかもしれませんね。『詐術師』さんの新興宗教団体崩壊、『氷
の魔女』さんの地方自治体乗っ取り計画破綻、まああとはご自分の胸にでも聞いてみてください。我々
の手がけた計画の数少ない失敗例、その約8割が・・・・・・13歳〜18歳の少女たちによって引き起こさ
れています」

言い終わった瞬間、私の頬を鋭い何かが掠める。
見るまでもない。壁から、氷柱が生えているのだ。

「さっさと本題を言いな。次はあんたのふくよかな頬が切り裂かれるよ?」
「成る程」

私は小さく肩を竦め、殺気だった視線を交わしながら話を続ける。
正直、床の下から無数の氷の刃が生えてくるものかと思ったが、想像以上に控えめな反応でがっかりし
てしまったのだ。

「この少女たち。決して警察の手のものではありません。むしろ、普段は普通に学校に通っている少女
たち、と言っても過言ではないでしょう。ただ、彼女たちは定期的にある喫茶店を利用しています。そ
う、みなさんもご存知の」

わざと一呼吸置き、それから続けた。

「喫茶リゾナント」

場の空気が、変わった。
これだから、勿体ぶった前置きはやめられない。

974名無し募集中。。。:2012/11/10(土) 21:24:40
>>969-973
引き続きの代理投稿依頼、申し訳ありません。
とりあえず前編上げました。後編は日をおいて上げます。
宜しくお願い致します。

975名無しリゾナント:2012/11/11(日) 02:48:53
いってくる

976名無しリゾナント:2012/11/11(日) 02:53:29
いってきました
これは新旧対決になるのかそれとも裏があるのか…期待

977名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:21:24
>>976
ありがとうございました。
では、続きます。

978名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:24:52
>>182-186 続きです。

「おいおい、そこでその名前が出てくるかよ」

嫌なものを思い出したかのような表情を浮かべ、「鋼脚」が頭を振る。
このメンバーの中で間接的とは言え、一番深くあの喫茶店に関わったのは間違いなく彼女だ。自らの手駒
を送り込み、そして裏切られた。私のある発明が成功してしまったのが裏切りの原因なのだけれど、結果
喫茶店の連中― リゾナンター ―の戦力の多くを削り取る事に成功したのだから、責められる咎はない。

そこへそれまで沈黙していた、いかめしい造形の顔が口を開いた。
いよいよ重鎮のお出ましか。

「ちょっと。聞きたいんだけれど」
「何でしょう?」
「私が受け取った報告書だと、リゾナンターは覚醒した『銀翼の天使』の襲撃が原因で壊滅状態に追い込ま
れた、ってなってるけれど」

まるで綺麗なハンカチの下にナイフを隠し持っているかのような物言いだ。
彼女の名前は「永遠殺し」。組織の首領や先に名の挙がった「銀翼の天使」、「詐術師」たちと今の組織の
前身を作り上げた古参幹部。

「確かに。リゾナンターは1人の再起不能者を出し、残った人間も負傷などの理由で喫茶店を去り、最終的
には道重さゆみと田中れいなの2人だけになりました。その時点で取るに足りない存在として組織のブラッ
クリストから消去した。という報告だったかと思います」
「じゃあ、何故その喫茶店の名前が出てくるの?」
「簡単です。道重さゆみと田中れいなは、再び我々の脅威となりうる戦力を揃えつつあるからです」

979名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:28:09
幹部たちが、ざわつく。
さもありなん、潰したはずの組織が復活していて、それが組織を揺るがす存在になろうかとしていると
いう話をしているのだ。「詐術師」や「黒の粛清」が感情任せに不快な音を発しているのが遠くで聞こ
える。

とりあえず、口以外の器官に神経を集中させるか。
私は、部屋を設計する時に秘密裏に仕込んでおいた巨大モニターを出現させた。

様々な理由を抱えながら、喫茶店に集うことになった8人の少女たち。
彼女たちの写真を皮切りに、特殊能力の詳細、我々が失敗した計画における実戦データを数値化したも
のを次々とモニターに映し出す。

「能力複写(リプロデュスエディション)、精神妨害(マインドジャミング)、千里眼(クレヤボンス)
……どれもありきたりじゃない?似たようなの、うちにもいるし。つまんなくて欠伸が出そうなんです
けど」

「氷の魔女」が、そんなことを言いながらいつの間にか手にしていたボックスティッシュで鼻をかむ。
隣で迷惑そうにしている、私がよく知っているぼんやりとした顔の女性の手配だろう。幹部でも末席の
彼女には、未だに二つ名がなかった。

「……これだけでは、あなたがこの子たちを脅威視する理由が見えてこないわ」

「永遠殺し」がそう言うのも無理はない。
私だって、何もこんなもので一癖も二癖もある面々を黙らせる事ができるなんて、毛ほども思ってはい
ない。お楽しみは、これからだ。

「そうですね。確かに個々の能力では取るに足りない子たちです。経験も浅い。けど、次のデータを見
ても、そう言い切れるでしょうか?」

ある一つのデータを、モニターに映し出す。
それは、驚愕の結果となって彼女たちの目に焼きついたはずだ。

980名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:29:55
しん、と静まり返る部屋。
誰も、一言も話さない。水を打ったような静けさとは、こういうことを言うのだろう。人間、実際に体
験しないとわからないことが多い。それはもちろん、全ての研究者と呼ばれる人種の思想の礎でもある。
完璧な静寂の支配する世界。
ただ、どこの世界にも沈黙に耐え切れない輩はいる。

「こ、こんなのデタラメだって。何をどうしたらこんな数値が出るんだよ」

案の定、「詐術師」が頭の先から甲高い声を上げた。
今度、彼女の声を1オクターブ下げる薬の研究に着手しよう。そう心に決めた。

「で、ですよねえ。あんた、もう一度計算し直して来なさいよ!」

「黒の粛清」が賛同の声を上げる。
彼女の場合は声の高さはもちろんのこと、音程もずれている。新薬の研究が忙しくなりそうだ。

周りの顔を見回すと、程度の差こそあれ、ほとんどが懐疑の色を隠していない。
そう、彼女たちは重要なことを忘れているのだ。

「これは彼女たちがある特殊能力を発動した際の状況から、はじき出した数値です。例えば、例の新興
宗教団体が壊滅した件。ここでは譜久村聖・生田衣梨奈・鈴木香音・鞘師里保の4人が能力発動し、組
織が差し向けた能力者を退けています。彼女たちにあって、我々にない能力。そう、『共鳴による能力
増強』です」

981名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:34:19
「なるほど。小さくてもリゾナンター、そういうことやな?」

リーダーが、口を開く。
さすがはこれだけの能力者を束ねているだけのことはある。理解が早い。
互いの能力が共鳴しあった時、相乗効果によりもともとのポテンシャルを遥かに超える力を出す事ができ
る。かつて我々を苦しめた9人が「リゾナンター」と呼ばれた所以だ。
そして、導かれたように喫茶リゾナントを訪れた8人の少女たちもまた、この能力を使うことができる。
それが私の集めたデータの結論であり、彼女たちを脅威とみなす最大の理由だった。

組織のトップが納得してしまっては、他の幹部はそれを追認せざるを得ない。それでなくても、9人時代
のリゾナンターたちによる共鳴に頭を悩ませてきた連中だ。と、ここまでは想定の範囲内。
私は話を進めるため、質問を投げかける。

「それで、誰が彼女たちを処理しに行きますか?」

私の一言は、流れからすれば当然の話だった。
脅威となりつつある人材が育ってきている。組織のために、不安の芽は早いうちに摘むべきだ。
じゃあ一体、誰がその任務に「適任」なのか。

「要するに、厄介な共鳴能力を使われる前に一人ずつ潰せばいいんでしょ?はいはーい、立候補しまーす」

嬉しそうに挙手するのは、「赤の粛清」。
あの日「銀翼の天使」がリゾナンターを蹂躙しているのを見て、自分も同じような事をしてみたくなった
のだろう。

982名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:36:02
「ちょっと!同じ『粛清人』が出るんなら、あたしにだって権利があるはずよ!!みなさん、そう思いま
すよねえ?」

脅威になりうる標的を狩ることは、そのまま組織内の評価を上げる事になる。
言わばライバルが抜け駆けするのは我慢ならない、とばかりに「黒の粛清」も立ち上がった。

「二人とも引っ込んでろよ。喫茶リゾナントの一件はもともとあたしが持ってたんだ。ここはあたしがけ
じめを、つける」

割って入ったのが、「鋼脚」。それもそうだ。彼女には、子飼いのスパイをリゾナンターに奪われたばか
りか、「銀翼の天使」による介入で怒りの矛先すら向ける先がなくなってしまった。ここで雪辱を晴らし
たい、というのは当たり前の考え方だ。

「あたし的には別に誰でもいいんだけど。て言うかまた『銀翼の天使』にやらせりゃいいじゃん」

事も無げに、「氷の魔女」が言う。
確かに面倒な事を嫌う彼女らしいものの考え方だ。
しかしここは私が口を挟まなければならないだろう。

「残念ながら、今『銀翼の天使』を実戦投入するわけにいきません」
「は?何で?」
「薬の副作用です。あれは人の押し殺してきた欲望を開放するとともに、精神を激しく病んでしまう。今
の状態で野に解き放ったら、殺戮マシーンと化すでしょうね」

言いながら、空白の1席に目を向ける。ここに、彼女が座る日は来るのだろうか。

983名無し募集中。。。:2012/11/11(日) 21:39:22
>>978-982
以上です。お手数ですが、代理投稿をお願いします。
思いのほか長くなってしまいました。次回更新でとりあえず終わるよう頑張ります。

984名無しリゾナント:2012/11/12(月) 16:15:06
遅くなったけど行ってきます

985名無しリゾナント:2012/11/12(月) 16:21:25
行ってきました
次でとりあえず終わる、ということは壮大な物語の序章で終わる…のかな?
続き待ってますよー

986名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 10:48:50
>>985 ありがとうございました。
更新期間は開いてしまいましたが、続きを投下します。

987名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 10:52:13
>>982からの続きです

「じゃ、じゃあ……あの二人にやらせるってのは、どうですかね?ほら、双子じゃないのに双子みたいな彼女
たちに」

恐る恐る意見を述べたのは、「氷の魔女」のティッシュ係だ。いや、ちゃんとした名前はあるんだけれど。下っ
端の身でありながら意見を述べるのは大いに結構、けど緊張しすぎて顎が猪木になっている。
と言うより。

その話題に触れてはいけない。

「……あんた、今何て言った?」
「は、は、はひっ!?」

ティッシュ係を激しく詰問するは、「黒の粛清」。
あの人も、手ひどくあの二人にやられたタチだ。

「えと、あの、あの二人なら……問答無用でリゾナンターを抹殺してくれるんじゃないかなあ、って思って。あは
は」

もちろん、他の幹部連中もみな、苦い顔をしている。
我々の組織 ―ダークネス― 、しかも幹部同士で殺し合いなんて、前代未聞だったから。
詰め寄られてあたふたしているあの子に教えておくべきだった。あなたはその前代未聞の事件で席がひとつ空
いたから、幹部に昇進できたんですよと。

「なあ。お前は目の前の家が火事になってるからって、その火を消すために家に爆弾を投下するか?お前が言
ってるのは、それと同じ意味なんだよっ!!」
「そそそそそんなぁ!」

今度は「鋼脚」が「氷の魔女」のパシリに詰め寄る。
右から左から忙しいことだ。
まあ仕方ない。かつての友を救うため、私はひと肌脱いであげることにした。

988名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 10:54:06
「……彼女たちを開放する事は、ある意味『銀翼の天使』を差し向けるよりも怖ろしいことかもしれません。
悪意の方向性がはっきりしてる分だけね。ただ、いざとなったら彼女たちの戦線復帰も考えたほうがいいんじ
ゃないでしょうか。例えば、我々の人数が半分程度に減った時とか」

一斉に複数の目線が私に突き刺さる。
実にわかりやすい人たちだ。
もちろん、対案もなしに戯言を述べるほど私も物好きではない。

「……ときに『詐術師』さん。そろそろ、あなたにお貸ししているものを返していただきたいんですけど」
「へ?な、なんだっけ?」

白々しい返事を無視して、私は話を続ける。

「あなたが拾ってきた身寄りのない子供たちのことですよ」
「ちっ。『キッズ』のことかよ」
「ええ。臨床試験とか言いつつあなたが私用に使っている、私の技術の結晶たちのことです」

苦虫を噛み潰したような表情になる「詐術師」。
まったく、盗人猛々しいとはこのことを言うんですね。やはり実地で体験することは貴重だ。

「ああ、思い出したわ。確か『詐術師』んとこの私兵みたいになってる、パチモン能力者たちのことだろ?あ
いつらを、何かに使うわけ?」
「パチモンとは心外ですね、『氷の魔女』さん。人工的に能力を付与したとは言え、彼女たちの能力はお墨付
きですよ。『詐術師』さんに丁寧に臨床試験を繰り返していただいたおかげでね」

989名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 10:55:41
話が纏りかけてきたところへ、先の3人、つまり「黒の粛清」「赤の粛清」「鋼脚」が揃って待ったをかける。
それぞれが席を立ち、私の元へ詰め寄る。
まあ、そうなりますよね。これじゃ私が横から獲物を掻っ攫ったような形だ。

「勝手に話を決めないでよ!」
「あたしはそういうやり方、好きじゃないなあ」
「お前、途中から出てきてしれっと横取りしてんなよ」

これもまた、予想通りの反応。
だから彼女たちを論破するのは、容易い。

「先ほど、説明したはずですよ。新生リゾナンターもまた、共鳴することで実力以上の力を発揮すると。あなた
たちが彼女たちを瞬殺してくれればいい。けど、下手に追い詰めると」

言いながら、懐から音叉を取り出す。
論より証拠、というやつだ。

音叉の片方の金属板を、弱く叩く。
金属板同士の共鳴によって、微かな音が鳴る。
次は、強く。
さっきよりより強く、確かな音が鳴り響いた。

「外部の力が大きければ大きいほど、共鳴効果は向上します。あなたたちのおかげで、彼女たちが覚醒するよう
なことがあれば……責任問題ですよね?」

下手な理論を滔々と垂れ流すより、よほど効果的だ。
さっきまで勢い凄んでいたお三方も、渋々自らの席へと戻っていった。

990名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:01:41
「と、言うわけです。どうでしょう」
「まあ、ええやろ。そのガキンチョどもを、ぶつけてみよか。必要最低限の力で最大の効率を得る。あんたらし
くない選択肢やけどな」
「本来科学者とはそうあるべきです。私が、異端なだけでね」

ダークネスの主は、お手並み拝見とばかりに私に今回の件を委任する。今のやりとりは、そういう意味だ。

組織の方針は決まった。これにて会合はお開き。
そう感じたのだろう。「氷の魔女」が、何やら隣の哀れな新米幹部に命じている。次の瞬間、「氷の魔女」の姿
が煙のように掻き消えた。続いて、「黒の粛清」「赤の粛清」「鋼脚」「詐術師」「永遠殺し」も消えてゆく。
どうやら、瞬間移動(テレポーテーション)の能力を便利に使われているようだ。私としては気の遠くなるよう
な長さの廊下を、幹部の方々にも堪能していただきたかったのだけれど。

「相変わらず、回りくどいことをするんだね」

私がこの場所に来てから、一言も声を発しなかった人物。
「不戦の守護者」と呼ばれる長身の女性が不満を込めた口調で、私にそう言った。
もちろん廊下の長さの話じゃないことはわかっている。

「未来を見ることができるあなたにはそう感じるのかもしれませんね」
「ま、最終的にはうちらの利益になるみたいだから、別にいいけど」

不承不承、といったニュアンスを残し、彼女もまた退場する。
未来視。それが「不戦の守護者」の持つ能力だった。ともすれば、私の計画が破綻しかねない、万能の力。

ただ、彼女がその力を行使しないことはわかっている。いや、正確に言えば「できない」のだけど。
未来視という途方も無い力を使うには、人間の精神はあまりに脆い。そのセーフティーとなるのが自らに賭す制
約だ。「不戦の守護者」は組織に仇なす未来でなければ見ることができないように、制約をかけていると聞く。
だから、私の計画は揺るがない。なぜならそれが、「組織にとって有用な」計画だから。

991名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:05:44
「…お疲れさん。よくもまあうちの癖だらけの幹部たちと渡り合えるな。いつもながらに感心するわ」

気がつくと、我々の組織の長が側に立っていた。
思考に耽ると、どうも他への集中力がなくなっていけない。

「最終的には、我々が見る夢は同じだと信じてますから」
「…まんじゅうみたいな顔して、よう言うわ」

ダークネスの顔とも言うべき彼女が、わざと悪そうな表情をして言う。
まんじゅうは一応誉め言葉と受け取っておこう。

「なあコンノ」

改まった言い方。
自分の名前を呼ばれるのは、何年ぶりだろうか。

「私は能力者たちが大手を振って歩ける世界を創りたい。ただそれだけやねん」
「承知してます」
「みんなもそう思って、やってる。だから、少しくらいの罵詈雑言は多めに見といて」
「…肝に銘じておきますよ」

それだけ言うと、彼女もまた他の幹部と同じように刹那の向こう側へと消えていった。
彼女と対峙する度、組織のトップの資質というものを考えさせられる。時に恐怖で部下を縛り、そして時に部下
を懐柔する。しかもあの面々に対して。私には、とても真似できない芸当だと素直に思える。

ふと部屋の中に目線を移すと、残された新米幹部が私に向けてばつの悪そうな顔を浮かべている。私が肩を竦め
たのを合図にしたかのように、とぼとぼと部屋を出て行った。自分自身はテレポートできない。実に彼女らしい
能力だ。

992名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:07:08



最終的に、一人取り残された私。
広すぎる空間と、13の空席が逆に心地よい。
とは言え、厳密に言えば私は一人じゃない。おそらく、「いる」。

「終わったー?」

間伸びた声が、上空から聞こえる。予想通りだ。
ただ、登場の仕方はいささか予想の斜め上だったけれども。

上空の何もない空間が、ばりばりと音を立てて割けてゆく。
まるで暖簾をくぐるかのように空間から出てきたその人は、気だるそうに背中のそれをぱたぱたさせて、ゆっく
りと地上に降りてきた。

「ずっといたんですよね。人が悪い」
「だってめんどくさいじゃん。組織じゃ一応行方不明ってことになってるし」

体に妙にフィットした露出度の高い衣服から生えている小さな翼をはためかせ、彼女はにへらと笑った。
この緊張感の無い女性が、かつてダークネス最強と謳われた能力者だと誰が気づくだろうか。

「彼女たちの様子はどうですか」
「んー、相変わらず退屈だよ。さゆみんだっけ。あの子が仲間のちっちゃい子の鞄漁ってたりとか、投げっぱの
Tシャツの匂いかいだり、そんな日常ばっかり」

それは果たして日常と言えるのだろうか。
ともかく、私が聞きたいのはそんなことではない。

「…能力の方は」
「そっちのほうね。うん。毎日すくすく成長してるよ」
「それは何より」
「でさ。いつ『潰す』の?」

途端に、彼女の瞳の色が昏さを帯びる。
おそらく、彼女たちの成長を見ながら毎日のようにうずうずしてるのだろう。

993名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:10:56
「それは『キッズ』たちがやることになりました」
「えー、なんかずるいなあ」
「あなたの出番はもっとずっと後ですよ。『黒翼の悪魔』さん」
「はいはい」

まるでふて腐れたかのように、というより明らかにふて腐れてるのだろうけど、『黒翼の悪魔』は布団にでも入
り込むかのように空間の裂け目に潜り込みそしていなくなった。こうなるともう、どんな能力者からも彼女の存
在は感知できなくなる。行方不明扱いなのは、こういうところに起因していた。

彼女は私の切り札の一つ。
いかなる状況に追い込まれたとしても、彼女の存在が全てをひっくり返してくれる。「銀翼の天使」と対をなす
ダークネス最強の能力者、それが「黒翼の悪魔」の力を保障する最適な表現だった。
しかしながら皮肉なものだ。今や天使のほうが悪魔に堕し、悪魔が天使のようにふらふらと漂っている。とは言
え、もともと天使と悪魔など人間が超越者の定義づけるための二面性でしかない。

何ごとにも囚われない彼女は、ともすれば切り札として扱うには危険なのかもしれない。
それでも。定められた秩序よりも、先の見えない混沌のほうが私はいい。

懐から、携帯を取り出す。
遠く離れた相手と会話をする陳腐な道具だけれど、脳裏を探る事無く見たい画像を見ることができる点において
は素晴らしい。

画面に映るのは、水槽のような培養ポットの中でひざを抱えて浮かんでいる、一人の少女。
彼女は、いわば私の計画そのもの。
瞳を閉じたままのその表情は、何かの夢を見ているようにも見える。

彼女の見る夢はきっと、私と同じ夢だ。
その夢が花開く日は、そう遠くはない。

994名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:12:46
>>987-993
以上にて終了です。
お手数ですが、代理投稿をお願いします。

995名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:35:26
行ってきます

996名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:48:58
行ってきました
投下の都合上何箇所か改行させてもらいました

会議の終了で話が終わるかと思ってたら続きそうなので楽しみです

997名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:57:45
もういっぱいになったので次スレを立てときました
次からはそちらの方に

【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1353725751/

998Cheap Snapback Hats:2014/06/26(木) 18:19:18
You actually make it seem so easy with your presentation but I find this topic to be actually something which I think I would never understand. It seems too complicated and very broad for me. I am looking forward for your next post, I’ll try to get the hang of it!
Cheap Snapback Hats http://www.chrystalhorses.net/index2.html


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