したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

920名無しリゾナント:2012/09/16(日) 19:05:53
〈恋のタイミングをのがさない〉

3−1

俯せに倒れている少女の胸の辺りから血が流れ出し、野火のように広がっていく。
鞘師は右手を降ろし、床にゆっくり跪いた。
服の胸元が刀で斬り裂かれている。
だが、露わになった白い肌には、かすり傷一つ無かった。

鞘師は、少女の「加速」攻撃の弱点を掴んでいた。
あの攻撃は、「どこを」・「いつ」襲って来るかさえ分かれば、容易にかわせる。
「どこを」襲って来るか。
これは、少女の視線を追えば簡単に推測できた。
「いつ」襲って来るか。
これも、鈴木香音のおかげで、遂に見極めることができた。
人は、何かに集中すると、どうしても呼吸の仕方や目の動きに変化が生ずる。
鞘師は、そのような変化が少女の身体に現れたのを見逃さなかった。
そして、その変化から、少女が消えるまでの時間を正確に計った。
その結果、少女が集中してからちょうど10秒後、「加速」能力が発動した。

ちなみに鞘師は、異常に正確な「時間感覚」を持っている。
例えば、表示を見ずにストップウォッチを15秒00で止めることなどは朝飯前だ。
今回の戦いにおいては、鞘師のこの精密な「時間感覚」が力を発揮した。

一方、少女を斬ったことについては、鞘師自身、よく覚えていなかった。
戦い終えた鞘師は、周囲をよく見回してみた。
すると、血痕が、自分の足もとの床から、壁、天井まで一直線に走っている。
鞘師はそれを見て、自分があの時何をしたのか、ようやく理解した。
(血で、斬ったんか…)
それが、鞘師の特殊能力、液体限定のサイコキネシスの最初の発現だった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板