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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

919名無しリゾナント:2012/09/16(日) 19:05:16
2−3

その時、鈴木が叫んだ。
「里保ちゃん!見てて!」
そして、少女に再び突進し、息もつかせぬ連打を繰り出した。
鞘師はすぐに気付いた。
鈴木は、己の身を犠牲にして、鞘師に少女の能力を見せようとしているのだ。
(香音ちゃん…、ありがとう。香音ちゃんの覚悟、絶対に無駄にしない!)
鈴木は攻め続ける。ただし、腹部の流血が尋常ではない。
鈴木の動きはすぐに鈍くなり、ついに足が止まった。
少女がニヤリと笑う。そして、少しの間鈴木を睨みつけてから、また姿を消した。
0.4秒後、少女は鈴木の後方に姿を現し、同時に鈴木の肩口からは鮮血が噴き出た。

少女は倒れている鈴木の頭を踏みつけ、それまでの鬱憤を晴らすかのように喚いた。
「雑魚のくせにでしゃばりやがって!私の標的は、お前じゃなくて鞘師里保なんだよ!
お前みたいな雑魚はなあ、自分の立場をわきまえて、大人しくしてりゃあいいんだ!」
鞘師の目つきが変わる。
鞘師の心の中で固い「殻」のようなものが割れて、灼熱の怒りが溢れだした。
その溶岩のような怒りは、血と混じりあって、全身に満ちていく。
少女はようやく気が済んだのか、鈴木から離れて、刀の切っ先を鞘師に向ける。
鞘師は無意識に、割れたガラスケースの中にある鞘を取り出した。(…1、…2、)
そして、その鞘を左手で握り、自分の左脇腹に押し付ける。(…3、…4、)
脇腹から血があふれ出し、握った鞘の口へ滑り込んでいく。(…5、…6、)
見えない刀の柄を握るように、鞘師は右の拳を鞘の口に当てた。(…7、…8、)
鞘師が両目を閉じる。(…9、…来る!)
少女が消えた。同時に、鞘師の右拳が、凄まじい速さで弧を描く。
その右拳の後を追うように、鞘の口から真っ赤な線が走った。
消えてから0.4秒後、鞘師の後方に、少女の姿が現れる。
少女は刀を右前方に突き出し静止している。鞘師も右拳を天高く掲げたまま動かない。
静かな時が流れる。その静寂を破ったのは、少女が床に倒れた音だった。


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