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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

604名無し募集中。。。:2012/06/26(火) 03:16:27
 「何もないみたいだな、他を見に行こう」

中年男性が言って、ピシャっとドアが閉められた。
二人分の足跡がやがて遠ざかって行き、鈴木は大きく深呼吸をした。
無意識に息を止めていたらしい。同じように鞘師も息を吐いた。

 「今のは完全にアウトだと思った…」

鈴木は笑顔を引きつらせながら言う。
鞘師も予想外のことが起きてただ笑った。
すぐに出てしまわずにしばらくの間そこで隠れることにする。
ようやく気持ちも呼吸も落ち着いてきた頃になって、二人は教室を出た。

 
 「かのんちゃんなら来てくれると思ってた」
 「あんなのがずっと続くのが嫌だから行くだけだよ。出てくるのに苦労したし。
 今もほら、また耳がじくじくしてきた」
 「大丈夫、私がなんとかしてあげるよ」
 「本当は早く行きたいんだけど、このフェンスの穴を使おう」
 「え、忍び込むの?」
 「うん、かのんちゃん守ってね」
 「は?」
 「私こういうのダメだから」

周囲に十分注意を払いながらも鞘師は手を引かれ、足早に廊下を進んでいた。
月が雲に隠れたまま出てこない。闇がいっそう濃くなっていた。
非常灯の赤いランプがやけに目に入る。
鈴木は教室を出る少し前からそわそわし始め、何かを強く感じていた。
鞘師にしてみれば、その何かが問題だ。


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