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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

574名無し募集中。。。:2012/06/17(日) 02:54:09
そんな事を思うと、彼女は愉快になって軽く吹き出しそうになったが、口元を
ゆるめるだけに留めてくれた。
感情なんて、余計なものだと思う。

 「私さ、ずっと笑ってたいんだよね。そんな場合じゃないっていうのは
 判ってるんだけどさ。無理に笑ってないのだけは覚えててほしいな。
 きっとさ、神様のきまぐれなんだよ。私にそうやって背負えるように
 涙を与えなかっただけ。涙だけなら、安いものじゃない?」

彼女はテーブルの上のコーヒーカップに手を伸ばす。
湯気を立てるそれをのぞき込むと、コーヒーの香りとミルクの匂いが
同時に漂ってくる。
コーヒーは正直苦手だけれど、ミルクを入れればそれは別の代物へと変化する。
口が緩むことに躊躇すると、彼女が代わりに笑った。

日常にリアルを求めること自体がすでに不自然だった。
日常こそがすでに非日常で、感覚の麻痺した世界でリアルなど存在しない。
現実感などずっと昔に失くしてしまっているのだから。
最初からそんなモノは存在していないかのように。

最初からセカイは、全てが失せている。
それなのに。

 「じゃあさ、もしもどちらかに何かがあった時は、どちらかの気持ちを
 互いに渡そう。欠けたものを渡し合おう。
 いらないかもだけど、迷惑かもだけど。こんな歪んだものなんてきっと
 好きにはなってくれないかもだし、言ってる時点であれか、アハハ。
 でもまあ、私は嬉しいかな、―― が泣いてる姿、けっこー好きなんだよね」


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