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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

430名無しリゾナント:2012/02/02(木) 02:04:02

空がオレンジ色に染まった頃、絵里は本日2度目となる病院からリゾナントへの道を歩いていた。
暢気に鼻歌なんかを歌っている。手にはボストンバッグではなく、車椅子のハンドルを握っていた。

「すんません、亀井さん」

愛佳が申し訳なさそうに首だけで振り向く。足には白く分厚いギプスが巻かれていた。
車椅子にちょこんと座る愛佳。本当は松葉杖でもよかったのだが『付き添いの保護者』として絵里が断固拒否した。
『愛佳ちゃんは無理しちゃう性格なんで、マシになるまで松葉杖を与えないでください。
 絶対使いませんよ、ケンケンとかしますよ、この子。だから車椅子にしてください』
いつの間に精神感応を覚えたんだ。思わず絵里を見上げた時、彼女の口角は得意気に上がっていた。


「疲労骨折だなんて絵里初めて聞いたよ。ぽきって折れるだけが骨折じゃないんだねー。」
「愛佳も初めて聞きました。こういうのも骨折なんですね」
「じゃぁ愛佳ちゃんは左足ばっかり疲労させてたってことなの?」
「いや、よーわからんけどそれは違うと思いますよ」

絵里と喋りながら愛佳はきょろきょろと辺りを見回す。目線の高さが変わるだけで、こんなにも景色が違って見えるのか。
見慣れた道に新しい発見。そして、少しの不安。この道を一人で車椅子を漕ぎながら行き来しなければいけないと思うとぞっとした。

「はーい、とうちゃーく。みんなびっくりしちゃうだろうね」

カウベルがちりりん、と鳴った。絵里がリゾナントの扉を開けるより早くそこが開き、二人は一瞬動きを止めた。


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