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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

112名無しリゾナント:2011/05/13(金) 19:32:50
 ■ エンチャンター −譜久村聖− ■

薄闇に翠玉色の炎が舞い上がる。

大量の蟲が焼け焦げる悪臭の中にあって尚、彼女の周囲だけには蜜のような甘い香りが満ちているかのようだった。

―譜久村聖―

―少女と呼ぶにはあまりに早熟な肢体の―少女がそこにいた。


「おどろいた…。あなたの能力って【残留思念感知(オブジェクトリーディング;object reading)】じゃなかったの御嬢ちゃん?」
譜久村は答えない。
かわりに車内へ目を向け、手をかざす。

ゴォッ!
車内が一瞬で緑の炎に包まれる。
市井など意に介さずが如く運転席側へまわる。
不思議なことに緑炎は運転手の服も身体も、車内内装も焼くことなく、蟲だけを焼き殺していた。
よかった、まだ息はある。
それだけ確認すると、あらためて市井へ向き直った。

市井は落ち着きを取り戻していた。
現役だった頃から彼女は慎重な戦い方をしてきた。決して無理をしない。
たしかに、蟲使いである自分にとって、火炎能力者は最悪の相手だった。
単独での戦闘ならばとっくに市井は撤収している。
だが、後方に矢口が控えている限り、「どんな能力者であれ」無力化出来る。
そう、市井は目の前の能力者を単なる【二重能力者(デュアルアビリティ)】と思っていた。
すぐに矢口が無力化する。それからゆっくり料理してやればいい。


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