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真空管アンプ

968ハッピープライス:2009/01/15(木) 22:30:36 HOST:pd3075d.tkyoea30.ap.so-net.ne.jp
- Marantz Model8B -

●1953年操業のマランツ社のパワーアンプです、Model#2、#5と続き、#8はマランツ社初のステレオ・パワーアンプとなります。#6はステレオアダプタ、#7は超有名プリアンプですね。さて、マランツのパワーアンプといえば#9というほど#9が有名ですが、#8それより一つ前のモデルで後に#8Bとなります。#8を改良して#8Bになったわけですが、事はそう単純ではないようです。なぜなら、#8は1959年に発売、#9が1960年で、#8Bは翌年の1961年なんです。つまり、#8Bは#9発表後に改良が施されて発売にいたっているわけで、#9の改良部分も含まれているということになります。当時15万で発売されましたが、日本でも大変な人気と評価でした。

●UL接続で35Wのステレオアンプです。#5のステレオ版に#9の改良を加えての再登場となる#8Bですが、基本構成は#5と同様です。#8として#5と比べて見るとよく分かるんですねぇ、初段が6BH6×1の3結、位相反転は6CG7×1でカソード結合型の採用で2段目の増幅と位相反転を兼ねています。パワー段は6CA7×2のプッシュプルで、ここまで#5と同じです。電源回路は時代の流れというか、#5でのGZ34に対して、シリコンダイオードによる倍電圧整流になっていて、平滑コンデンサはオイルコンから電解コンに変わっています。次に、#8と#8Bですが、見た目と違って、回路的にはかなり変わっているんです、電源回路はそのままですが、増幅回路におけるNFBがかなり改良されています。6CA7のプレートから6CG7のグリッドにクロスオーバNFが追加されていますが、最新のNFB技術を投入して広帯域にわたる歪特性の改善と高域特性の向上を狙ったものと思われますね。高域改善のための位相補正回路の投入もいたるところで見られます。初段6BH6のP-G帰還での3.9pF挿入による超高域NFB対策、6BH6のカソード抵抗とパラに0.002μFの挿入で高域のNFを減衰させるための調整、6CG7のプレートから33pFを介しての接地による位相反転のインンピーダンス整合と高域対策、クロスオーバNFでの1.5pFの挿入による超高域の特性改善、トータルNFでは1170〜1780pFによる微分回路ので高域NF量を増やすようになってるなど、位相補正にかなり細かな神経を使っています。その結果、現代でも通用する高域特性を実現しているといえるでしょう。

●#8Bとなると今でもよく見かける名機なので聴いたことがある方も多いでしょうし、プリアンプ#7とのセットで実際に使っていらっしゃる方もいらっしゃるでしょうね。なんとも羨ましい話です。周波数特性的にはこれまでのマランツアンプより高域特性がかなり改善されており、クリアで味わい深い音楽を奏でてくれます。ナローレンジからの脱却を図ったアンプであり、ヴィンテージアンプとしては特異の性能を持っているようです。当時のアンプですから、灯を入れてからじっくり待って、おもむろに大型のスピーカで鳴らしてみたいですねぇ。SNも良くダイナミックレンジも広い現代にも通用する立派なアンプです。




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