したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

AIKa過激派

51名無しさん:2007/10/26(金) 23:54:03
デルモの新しいアジトは丘陵に建造されていたが、そこは数百メートル南下すれば海に続く、虎牙岬(とらがみさき)
と呼ばれる岬の近くであった。上空から見た地形が、虎の横顔に似ているため新しく名づけられたのである。
設備はさすがにホーリーファクス号には劣るが、重機関銃と対戦車ロケット砲を備えた監視塔が四隅に設けられ、
3次元レーダーサイトもある。
あの犬吠島に優るとも劣らない立派な基地だ。監視に当たる青デルモ達は本部の周りで巡回しているもの以外にも、
監視塔で見張っているものや手持ちのロケット砲を運んでいるものなどいたが、何事もなかったかのように普段どおりの
仕事をしているだけで、特別警戒態勢などにあるわけではなかった。
しかし、周辺の森の様子は明らかに普段と違っていた。いつも近くでさえずっている鳥達が、バタバタと逃げるように
飛び去り、さまざまな昆虫の鳴き声もしない。大小の動物たちの気配もパタッと止んでしまっている。何者かの存在を恐れ、
警戒して逃げ出したかのようだ。装甲車や砲台の整備を済ませたピンクデルモの二人(3話でラグ砲弾を装填していた二人)
は少し気になっていた。
ピンクその1「いつもと比べて、随分静かだと思わない?」
その2「そうねぇ。でも天気もいいし、気にするほどのことじゃないと思うけど。」
二人はそれ以上、この静けさについて話さなかった。他の連中はなおさら気にも留めていなかった。
誰もこの穏やかな天気に似合わない、普段とは別物のように静まり返っている昼下がりを疑おうとはしなかった。
無論、それが嵐の来る前の静けさ、デルモ達にとって未曾有の災難となる予兆とは誰も予期していなかった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板