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ニヴの怪発明

1Niv:2007/10/26(金) 00:26:24
読者参加ゲームに関するスレです。
参加者同士の交流や自キャラ自慢、情報操作等にどうぞ。

249せっかくなのでここに書き込みCo:2007/11/10(土) 00:08:35
しょせんあとのまつり1・自失中

「フーウウウーウウウウウウウ…………ッッッッッ!」
激しく上下する肩。震える肺。握りしめているものが刀なのか血なのか判らない。目に見えるものが生き物なのかどうかわからない。眼窩の奥がちくちくと痛む。焦点が合わない。狭い世界にあかい景色。見えるものも見えないモノも真っ赤っか。赤は危険。赤は警告。あとはなんだっけ? ああ、心臓だ。ガンガンガンと煩い音の正体。酒樽に詰められて坂道を転がり落とされている様な振動と騒音は、まっかな心臓の鼓動。脈打ちドロドロに流される灼熱の血が認識を瓦解させて粉砕して、私がもはや他人事のような気色の悪さ。
……おっと、沸騰した脳漿で茹で上がった脳が、なにかを繰り返し呟いているみたいだ。なになに……?

(おちつけおちつけおちつけおちつけ……)

×××

×××××深呼吸に失敗。つっかえた空気を無理矢理吐き出す。息苦しい筈なのに、それも他人事。自分じゃないからおちつけない。他人が言って修まる怒りなら苦労しない。自分が自分としておちつかなくては。
じゃああれは自分。
じゃあこれは私。
じゃあ私が私。私の私。私は私。
……いきをはく。すう。はく。吸う。吐く。呼吸は基本。
躰の力を抜く。無駄な力を省く。弛緩は自然体。
涼やかな微風、澄んだ川の音、木漏れ日、草木の匂い、風鈴、歌声、他人の体温と鼓動、自分の体温、鼓動。心音。平常心。沈着冷静。明鏡止水………………………………。

250せっかくなのでここに書き込みCo:2007/11/10(土) 00:12:56
しょせんあとのまつり2・呆然中

気がついたら仰向けに倒れてた。頭はぼーっとしている。
試合中の記憶はかなり飛んでいるけど、どうやらかろうじて勝利を収めたらしい。相手がどうなってるのか確認しようと思ったが、首を回すほどの余裕もなかった。左手なんて神経繋がってるかも怪しい。どうやって剣振り回してたんだ。恐るべき怒りのパワーか。相変わらず凄まじい奥義だ。
「うぅ……今回こそ死ぬんじゃないの、これ……?」
とりあえず自力での回復を試みる。練度が低いせいで実戦では使い物にならない程度の治癒術とはいえ、旅人には重宝する。というか、体質上医者の世話になることが難しいので必要に迫られて習得したのだった。多少の安らぎも得られるので一石二鳥だ。
試合中、相手選手に斬られる度に不可解な歌声が意識へ流れ込み何度も発狂しそうになったところまではなんとか覚えている。その時点でもう満身創痍だった。その後を考えると生きているのが不思議だ。
相手の攻撃は受けきれるものではなかった。痛みと意識の浸食に耐え続け何とか致命傷は避けていたが、恐らく限界までストレスが溜まったところでキレたのだろう。そこから先の記憶は途切れ途切れだけど、なりふり構わず咆えていた様な気がする。
その間に斬られたらしき2カ所には奥義使用後特有の不快感が残っている。一切の防御無くまともに斬られた最も深い傷であるのにもかかわらず、痛みよりも不快感が強い。全身を羽虫に包まれるくらい不快だ。ああ不快だ。腹立たしい苛立たしい許し難いあの女いまからしっかりとどめを刺し………………おーっと、あまり意識しすぎると怒りに支配されそうなので考えないことにしよー。平常心〜平常心〜。
深呼吸。肺が痛い。
全ての傷が止血されたようだ。とりあえず失血死はしなさそう。
………………。
でも、2カ所斬られたんだから、倍返しで4回は斬り返したんだろうなあ。だいじょうぶだろうか。でも斬った感触はないから結構他人事。なーんて、死んででなきゃ良いんだけど。
「ああ……でも少し、スッキリしたかも……」

+++

奥義使用によってストレスが幾分か解消された祭は、普段より少しだけ晴れやかな気持ちでいた。曇天を鈍く貫通する儚い日光程度には晴れやかな気持ちだった。

「立てますか? 次の試合があるのでそろそろ退場……」
「……ッ!!!さわんなクズ!! ………あ、いや、えと、ごめんなさい……」

一回戦、奇跡的辛勝。




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