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流転世界【     】

1言理の妖精語りて曰く、:2006/11/18(土) 20:39:06
「ここでは、流転世界の創世から終末までの歴史が紀述されます。
この世界にはまだ名前がありません。創造主が人なのか神なのかも不明です。
この世界は>>2で創世され、>>1000で終末を迎えます。
終末を迎えた後は、新たなスレとして再び流転世界は創世されます。
新たな世界の歴史は、過去の世界の積み重ねの影響を受けます。
この世界の存在理由は不明です。」

70言理の妖精語りて曰く、:2018/05/17(木) 19:40:22
やがて、アクマタタビを巡って、触手たちは三派に分裂するようになった
そして、それぞれの派閥は、外界から別々の存在を呼び込んでその権威付けを図ったのだ

71言理の妖精語りて曰く、:2018/10/29(月) 20:48:44
三派のうちのひとつは自分たちのことを「痛み」と名乗った。

72言理の妖精語りて曰く、:2018/10/30(火) 05:28:49
原初的な生命は、痛覚を避けて前進する。痛覚と忌避は世界で最初の道標である。

73言理の妖精語りて曰く、:2018/10/30(火) 06:21:36
第二の派閥は己を「歓喜」と呼んだ。喜びを求め、より先へ進まんとする志こそ知的生命の真価である。

74言理の妖精語りて曰く、:2018/10/30(火) 18:51:55
そして最後の派閥は自身を「惰性」と示した。意思を断絶し、原初のままに先進する事こそ完成した知性である

75言理の妖精語りて曰く、:2018/10/31(水) 23:29:42
「痛み」の触手たちは原初の力、自然の力を司るものを呼び込んだ。

76言理の妖精語りて曰く、:2018/11/01(木) 06:44:06
それは竜、痛覚神経の形を形どり、雷光をまとった竜であった。

77言理の妖精語りて曰く、:2018/11/03(土) 10:56:04
「痛み」の触手たちはその竜を「大いなる道標」「導きの雷竜」「痛みの王」など様々な名で呼び崇めた。
だがその竜の真の名を知るものは一人(一触手)しかいなかった。

78言理の妖精語りて曰く、:2018/11/04(日) 00:19:53
「痛み」の指導者しか知らない、その竜の名は「ズタークスターク<失明稲妻>」
かつて別の遠い世界で「エルネトモランの吸血雲」、「翼持つ猫ヲルヲーラ」と合わせ天に三つの災いありと恐れられた雷竜であった

79言理の妖精語りて曰く、:2018/11/07(水) 06:16:49
隠されていたその真の名であるが、それは意外にも早期に知れ渡ることとなった。
なぜならば、その雷竜に対抗し、「歓喜」の派閥が呼び出したのが鳥の王ウクレトルであったからだ。

王は語った。
あれこそが、天にあるモノ全てが恐れる三つの災いのひとつである。
だが、我らは決してしりぞきはすまい。
今の天は我ら鳥の領分であり、神々でさえもそれを認めざるを得ないのだから。

80言理の妖精語りて曰く、:2018/11/14(水) 01:13:11
残る「惰性」の派閥も二派に対抗するためと天を統べる大いなるものを呼び出そうとした。
だが召喚の儀式は失敗し、思いもよらぬものが呼び出されてしまった。

81言理の妖精語りて曰く、:2018/11/16(金) 07:44:46
それは、南東からの脅威の眷属と呼ばれるものの一つ
全てをあざむく【虚言の王】だった

82言理の妖精語りて曰く、:2018/11/16(金) 23:05:49
【虚言の王】は語った。
他者を殺し同胞を殺しその骸を呪詛で満たせ。
さすれば骸は【海】となり我らに勝利をもたらさん。

83言理の妖精語りて曰く、:2018/11/17(土) 06:05:55
そう、【虚言の王】は、残虐な犠牲と引き換えに勝利を約束したのだ。

だが、それを聞いたのは、よりにもよって「惰性」の派閥だった。
彼らは、ただひたすらに保守的な守旧派であり・・・・・・・・要するに、何もしなかったのだ。

これはある意味、保守志向の輝ける勝利と言えるかもしれない。
もっとも、その勝利を認識するものは、誰もいなかった。
「惰性」の派閥にとっては、何もしないことは通常の行動ルーティンに過ぎず、そのおかげで何かを得たという実感も逆に失ったという意識も、彼らには全く無かったのだから。

彼らにとっては、全てが、いつも通りであった。
それはまるで、何事も無かったかの如く。

84言理の妖精語りて曰く、:2018/11/18(日) 09:22:00
だが一体だけ、【虚言の王】の言葉に心動かされたまだ幼い触手がいた。
といっても虐殺とか勝利とか、そーいうところに惹かれたのではない。
【海】
伝説によればかつてこの世界が一度終焉を迎え【夜】が明ける前存在したというそれを、自分たちの手で作り出すという発想に、彼女はどうしようもなく魅了されてしまったのだ。

85言理の妖精語りて曰く、:2018/11/19(月) 07:00:37
そして彼女は、ひそかに世界を彷徨い、少しずつ同胞の躯を集め始めた。
たったひとつの、余人には理解されない己が夢のために。

86言理の妖精語りて曰く、:2018/11/20(火) 12:02:45
幸いにも、彼女は躯の入手法に困ることはなかった。
「痛み」と「歓喜」の触手たち、それにズタークスターク〈失明稲妻〉と鳥の王ウクレトルによる戦争が始まっていたからだ。
戦いは熾烈を極め、多くの触手たちが犠牲となった。

87言理の妖精語りて曰く、:2018/11/21(水) 11:13:34
彼女はそうした職種たちの躯を集め、呪詛をこめ始めた。
それは「惰性」の派閥らしからぬ行動であったが、夢に突き動かされた彼女には、そんなことは関係なかった。
彼女は、ただ海が見たかったのだ。

だが、その作業に夢中の彼女は、虚言の王の様子に気づくことはなかったのだ。
虚言の王は、懸命に作業に取り組む彼女を見ながら、密かに、そして静かに笑っていた。
それはまるで、この世の全てを手に入れたかのような満足感に満ちた微笑みであった。

88言理の妖精語りて曰く、:2018/12/08(土) 01:08:38
そうしてある日、それは完成した。
【汚濁の海】、死と呪詛に満ち満ちた最悪の呪詛生物。

89言理の妖精語りて曰く、:2018/12/10(月) 07:28:04
それは生物であると同時に、恐るべき呪術的兵器でもあった。

しかし、触手たちはそもそも呪術的兵器の概念すら持っていなかった。
そのため彼女たちは、突如として現れた【汚濁の海】を”なんかヘンだけどちょうど良い的”として、とりあえず攻撃目標に定めた。
呪詛生物は、「アレを一番先に破壊できた勢力こそがこの戦争の勝者となる」という、彼女たちが定めた場当たり的なルールに組み込まれてしまったのだ。

90言理の妖精語りて曰く、:2018/12/10(月) 13:12:29
こうして後に語り継がれることとなる伝説の【第一次海水浴大会】が始まったのである

91言理の妖精語りて曰く、:2018/12/13(木) 05:50:02
鳥の王ウクレトルが指揮する【空の軍団】は、【汚濁の海】に飛び込み、ズタークスターク〈失明稲妻〉は、電撃を【海】に撃ち込んだ。
ズタークの電撃は【海】を蒸発させることは出来なかったが、その毒性の大半を無害化し、結果的に敵陣営を含む多くの者を救ったのだ。

そして、残り大半の触手たちも、皆揃って【海】に飛び込み始めた。
「痛み」の触手たちは苦痛を避ける新たなる在り方を【海】に求めて飛び込み、「歓喜」の触手たちも新たなる喜びを求めて飛び込んだのだ。

92言理の妖精語りて曰く、:2019/06/03(月) 20:32:30
結果、汚濁は浄化された。
死は生の息吹へと転化し、呪詛は透き通り光へと消えた。
この世界に再び【海】が訪れたのだ。

93言理の妖精語りて曰く、:2019/09/24(火) 08:37:04
【海】の誕生は新時代の幕開けの象徴となった。
「歓喜」と「痛み」の触手たちは両方を勝者と認め、結果和解が成立したのだ。

94言理の妖精語りて曰く、:2019/09/24(火) 20:26:10
そして【海】の出現は、新たなる時代の始まりをも意味していた。
すなわち、【海】産業の発生である。

95言理の妖精語りて曰く、:2019/09/29(日) 00:17:34
たとえば【空の軍団】の者たちの一部は【海鳥】として【海風】や【海霧】をつむぎ、それを元に【痛み】の触手たちが【海草】や【海百合】、【海林檎】などを生み出した。
そして【歓喜】の触手たちはそれらの生成物を組み合わせ、加工して【海鳴り】【海猫】などの様々な便利な道具や楽しい玩具を作り出した。

【海】の周辺はこうして栄えるようになり、いつしか皆そこを【海辺】と呼ぶようになった。

96言理の妖精語りて曰く、:2019/10/02(水) 22:55:51
なお「惰性」の触手たちはなんとなく【海辺】で【かき氷】とか売り始めた。
【かき氷】というのはなんかこう海辺で食べるとハイになるやつである。

97言理の妖精語りて曰く、:2019/11/02(土) 21:41:43
そうして、平和な時が100流転年ほど流れた……

98言理の妖精語りて曰く、:2020/07/05(日) 00:00:54
【歓喜】の触手たちは【かき氷】を食べた後の紙コップから【傘】を作り出した。
【痛み】の触手たちが【傘】の縁にくっつくと、それは【クラゲ】になった。

99言理の妖精語りて曰く、:2020/07/05(日) 12:03:10
【クラゲ】は別名【海月】と呼ばれる。
なぜなら、クラゲは増えると密集して巨大化し、海に巨大な球体が、海月(うみつき)が生まれたからだ。
触手たちはこの月から呪術リソースを引き出すことで、【魚】と呼ばれる使い魔を無数に従えることができた。

100言理の妖精語りて曰く、:2020/07/06(月) 22:21:34
【魚】は【海猫】に乗って【海】を探索しながら【海鳴り】で音を反響させて海中の地形を調査し【地図】を作成。
海中の探索を続けていると巨大な【海中洞窟】を発見。
【痛み】の触手たちは、探検を避けていた。
【歓喜】の触手たちは、喜んで探検しに行った。
【惰性】の触手たちは、いまだに【海辺】で【かき氷】を売り続けていた。

101言理の妖精語りて曰く、:2020/07/12(日) 08:15:58
そして発展を続ける海産業の中でも、最も華やかなものとして登場したのが建設産業だった
その代表格である海上に作られた【フロート・ホテル】は、三種の触手の全てに対応するサービスを備え、あらゆる来訪者を満足させることをモットーとして作られていたのだ

102言理の妖精語りて曰く、:2020/10/01(木) 09:14:55
【大地】が発熱し始めた。
このままでは【海】が干上がってしまう。

103言理の妖精語りて曰く、:2020/10/02(金) 08:00:11
触手たちは、、この危機を乗り越えるべく、それぞれ異なった方式で対策を講じ始めた

【痛み】の触手たちは、発熱した大地で自らの身を焼くことを快楽として苦行ならぬ【楽行】を始めた
一方、【歓喜】の触手たちは【大地冷却派】と【大地加熱派】そしてそのニ派の仲裁を行う【調停派】に分かれ、この災厄そのものを一つのイベントとして消費し、【歓喜】にうち震えていた

そして最後の【惰性】の触手たちは、災厄の存在自体を無視し、なるべくそれまでの日常と変わらない日々を過ごそうとすることで、この突発事態を乗り過ごそうとしたのだ


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