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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part30

1■■■■:2017/08/22(火) 17:29:57 ID:2XKhrfdk

上条さんと美琴のSSをじゃんじゃん投下していくスレです!
別に上条さんと美琴だけが出てくるスレじゃありません。
上条さんと美琴が最終的にいちゃいちゃしていればいいので、
ほかのキャラを出してもいいです。そこを勘違いしないようにお願いします!

◇このスレの心得
・原作の話は有りなのでアニメ組の人はネタバレに注意してください。
・美琴×俺の考えの人は戻るを押してください。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・レスする前に一度スレを更新してみましょう。誰かが投下中だったりすると被ります。
・次スレは>>970ぐらいの人にお願いします。

◇投稿時の注意
・フラゲネタはもちろんNG。
・キャラを必要以上に貶めるなど、あからさまに不快な表現は自重しましょう。
・自分が知らないキャラは出さないように(原作読んでないのに五和を出す等)。
・明らかにR-18なものは専用スレがあるみたいなのでそちらにどうぞ。
・流れが速い時は宣言してから書き込むと被ったりしないです。投稿終了の目印もあるとさらに◎。
・創作しながらの投稿はスレを独占することになりますので、書き溜めてから投稿することをお勧めします。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・以前に投稿したことがある人は、その旨記述してあるとまとめの人が喜びます。
・ちなみに1レスの制限は約4096byte(全角約2000文字)、行数制限は無い模様。

◇その他の注意・参考
・基本マターリ進行で。特に作品及び職人への過度なツッコミや批判は止めましょう。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・クレクレ(こうゆうのを書いてください)等はやりすぎに注意。
・読んだらできれば職人にレスしてあげましょう。職人の投稿するモチベーションを維持できます。
・誰か投下した直後の投下はできれば控えめに。
・倫理的にグレーな動画サイト、共有関係の話題はもちろんNG。
・書きたいけど文才無いから書けないよ!
  →スレの趣旨的にそれでも構いません。妄想と勢いでカバー(ネタを提案する程度でも)。

◇初心者(書き手)大歓迎!◇

まとめページ
とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫 / 上条さんと美琴のいちゃいちゃSS
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/81.html

まとめページの編集方針
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/213.html

スレ立て用テンプレ
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/82.html

2■■■■:2017/08/22(火) 17:31:12 ID:2XKhrfdk
前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1449489675/

3■■■■:2017/08/22(火) 17:33:57 ID:2XKhrfdk
■過去スレ
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1256470292.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part2
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1262324574.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part3
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1264418842.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part4
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1265444488.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part5
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1266691337.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part6
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1268223546.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part7
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1269624588.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part8
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1271074384.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part9
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1272858535.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part10
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1274888702.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part11
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1278386624.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part12
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1281121326.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part13
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1287267786.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part14
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1294570263.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part15
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1297888034.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part16
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1301665322.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part17
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1306158834.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part18
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1313080264.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part19
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1319498239.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part20
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1327581934.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part21
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1335861860.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part22
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1352112151.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part23
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1360844502.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part24
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1363802594.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part25
ttp://jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1369269992.html
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part26
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1381415914/
上条さんと美琴のいちゃいちゃSSpart27
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1395680118/
上条さんと美琴のいちゃいちゃSSpart28
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1449489675/
上条さんと美琴のいちゃいちゃSSpart29

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1415780549/

4■■■■:2017/08/22(火) 17:35:20 ID:2XKhrfdk
■関連ページ
とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/
とある魔術の禁書目録 Index
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/
御坂美琴まとめ Wiki
ttp://wikiwiki.jp/misakamikoto/

■関連スレ
上条当麻×御坂美琴 専用雑談スレ 追いかけっこ13日目(感想スレ)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1394592431/
とある魔術の禁書目録 自作SS保管庫スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1263738759/
とあるSSの禁書目録 PART11
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1318073465/
上条さんと○○のいちゃいちSS
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1269574273/
【とある魔術の禁書目録】上条当麻の巡り行く世界39周目
ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1399215818/
【とある魔術の禁書目録&超電磁砲】御坂美琴の抱擁爆発236
ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1400336226/

■関連スレ(R-18)
上条当麻×御坂美琴 いちゃエロスレ4
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1322814818/
禁書でエロばなし
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1137215857/
【とある魔術の禁書目録】鎌地和馬総合39フラグ目
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1389942201/

5■■■■:2017/08/22(火) 21:43:57 ID:qsmUBahQ
スレ立て乙

6・・・:2017/08/27(日) 10:15:50 ID:cZ0IynhQ
新スレ感謝!!
30スレおめ!!
どもです。
・・・です。

「育児日記」続き書きまーす。

改めて、諸注意です。
この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります今更ですが!!
むーりー、という方はスルーしていただければ助かります。

それでは

7鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:17:18 ID:cZ0IynhQ
思いは通じているのに、正確に告白をできていない上琴のへたれ夫婦。
美琴の退院を機に、告白をするという二人の言葉に、周囲の人間は応援することにした。
だが、今現在会話すらおぼつかない。
テレテレ末期状態なのだった。

「…………」

「…………」

「……あぅ?」

ちゃんと家には向かっているのに、まったく無言の上琴。
娘としては、訳がわからんのである。
だから、ぺちぺちと母親のほほを叩き、リアクションを求めた。

「まぁま!! ぱーぱぁよっ!!」

「ふぇっ!!? あ、うん、パパだね、でも、どう、し…………」

インデックスの声を聞き、上条の方を向く美琴。
同じく娘の動きに注目していた彼と目があった。
両者ともに、顔色を赤からピンクに変える。
ブブァッ!! と顔を反らす上条と美琴。
不思議そうな顔をしていたインデックスは、ぅー、と呟き少し眉をつり上げた。
さっさ話さんかいっ!!

「ぱぁぱ!! ちゃべ!! まぁま!!」

今度は必死に上条の方に手を伸ばす。
その声を聞き、上条は顔を染めながらも美琴の方を見る。
インデックスの動きを見た上条は、

(ん? オレに抱っこしてほしいのかな?)

と考えた。
うん、全然違う。
勘違いした上条が手を伸ばしたのを視界の端で見た美琴。
インデックスを渡そうとこちらも手を伸ばす。
2人の間で、ぴとっ、手と手が触れ合った。

ブワワッ、と周囲に幸せ色のオーラが振り撒かれる。
上条と美琴の目はキラキラと輝き、二人は互いの視線に釘付けになっていた。

8鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:20:26 ID:cZ0IynhQ
「ダメですよっ!! 待ってください!!」

一方、
少し離れた路地裏で、初春は必死に白井を後ろから抱き締めていた。
もちろん特攻するのを止めるためである。
佐天も前方から押さえつけ叫ぶ、

「ってか、白井さんも上条さんとの交際を認めたじゃなかったんですか!!?」

白井さん、目が血走ってますよ?

「認めてます。認めておりますとも!! ですが目の前であんなんされて、類人猿に蹴りの一つでもくらわせんと、腹の虫が大覇星祭ばりに暴れたままですの!!」

「じゃあなんでここまで来て協力してるんですかーー!!」

「お姉さまの心のパートナーとして、告白という壁を突発するよう、応援する必要がありますわ!!」

「それなら、邪魔しちゃだめですよー!!」

一方の上条と美琴はまだ動きがない。
通行人が邪魔くさそうに避けている。
触れ合った手と手に包まれ、宙ぶらりんの娘。
キョロキョロしたインデックスは、

「ぱぁぱ!! まぁま!! だっだっ!!」

と、処遇の改善を訴える。

「あっ、悪い悪い」

「ごめんね、インデックス」

「ぷぅ、きっーよ!!」

上条の腕の中で、むっすー、としているインデックス。
かわいいだけである。

2人がインデックスを見て、眉を下げながらも微笑んだとき、
視線の先、正確には奥のスーパーの壁のチラシに目が食いついた。

「「お、オムツが30%オフ!!?」」

「……ぁぅ?」

「買うしかねぇだろ!!」

「当然よ!!」

さっきまでのポワポワと甘酸っぱい空気は霧散。
いまではポンコツなヤシの実サイダー味になっている。

数分後、スーパーから出てきたのは、初々しさが消えたただの夫婦だった。

「ほかにうちに足りないものってある?」

「確か味噌があと1食分しかなかったはずだ」

「あぃっ!! みっちょ!!」

「看護婦さんから、土曜に安売りしているスーパーを教えてもらったの。うちからは遠いけど、帰り道だからよってみる?」

「ほうほう、それは気になりますな」

「ましゅっなっ!!」

普通の日常すぎる。
さっきまでの青臭さはどこいった。
一気に熟年夫婦である。
ガッカリである。

9■■■■:2017/08/27(日) 10:22:54 ID:cZ0IynhQ
「とはいえ、予想通りっちゃ予想通りだニャー」

「…………テメェ、さっきからその口調はなンだ?」

「オレは昔からこの口調だぜい、第一位さん」

一方通行はすごい形相でにらみつけるが、土御門には効かない。
その後ろで、赤、青、黄が会話する。

「君はいったい何をやっているんだい?」

「見てわからへん? サッカーボールを準備しとるんよ」

「いきなりなんだ? アイツらを誘って汗を流して、青春を思い出させでもするのか?」

「ちゃうちゃう、ボクが蹴ったボールがカミやんの後頭部に当たる。ふらついたカミやんを御坂さんが心配する。よっていい雰囲気になるっていう算段や」

ボクの作戦完璧やろ?
と笑う青髪ピアスの話を聞き、
ステイルと浜面は顔を見合わせた。
2週間前には殺し合いをした2人なのだが、彼らの周囲にはそんな人間がうじゃうじゃいるのだった。
それもこれもあのツンツン頭のせいである。

「じゃ、いくでー」

蹴られたボールは綺麗な弧を描き、
上条の後頭部に進んだ。
しかし、衝突の直前で同じような目的で白井がドロップキックをしようと瞬間移動で現れ、彼女の顔面にクリーンヒットするのだった。



「ちょ、どー考えてもボクだけのせいじゃないやろ!! 顔見知りのよしみで許してーな!!」

青髪を壁に張り付けた張本人は、いつも通りの冷静な

「そうですわね、あの類人猿のお友だちのベテラン変質者でしたわね。ここらで亡き者にした方が世界のためかもしれません」

顔見知りのよしみで一撃で仕留めてあげますの。と、めっちゃ輝く笑顔で言う彼女は、いつも通りであった。

「なるほどにゃー、そっちも同じ感じというわけか」

「はい、あの人本当にめんどくさいです」

「ちょっと!! あの作戦を指示したのは佐天さんですのに、なんの一言もないんですの!!?」

白井の尊い犠牲を経て、ここに合流した上琴応援団。そんな称号断固拒否する面子も多いが、まぁいいだろう。

「そんなことよりですね」

「そ、そんなことですのっ!!!!??」

「あの2人夫婦モードですよ、さっさと思春期モードに戻さないと」

白井の怒りにも佐天のペースは揺るがない。
しかし、上条と美琴のペースも揺るがないのだった。
上琴応援団のさまざまな罠を掻い潜り、買い物を続けているのである。

「ほい、お味噌」

「よし、これで全部だな。荷物持つからインデックスを頼む」

「うん、はいおいでー、インデックス。よしよしよし〜」

「んちゃ、まぁまっ」

なかよしこよしな上条夫妻に対し、
裏通りの応援団は疲労困憊だった。

「な、なんで、オレが、カミやんのために、ここまで、しないと、いけないんだにゃー?」

「……ま、ったく、です、よ。御坂さん、たいがい、に、して、ください……」

「…………ん? あれ、だれ? って、ミサカはミサカは、みんなに、情報の、共有を、提案して……」

打ち止めのセリフが終わる前に、
彼女が指差す方向を向く一同。

10鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:26:56 ID:cZ0IynhQ
指の先には、上条に話しかける美女がいた。

「久しぶりい、上条さん。元気だったあ?」

「ん? おぉ、蜜蟻じゃん!! 」

綿菓子のように柔らかく、チョコレート色の艷のある髪が、風にたなびく。

「…………誰?」

「あう?」

「あぁ……えっと…………オレの……昔からの、知りあいだ」

「はじめましてえ」と挨拶する蜜蟻に対し、上条の真意を察して驚く美琴。

さらなる説明を求めて、上条に視線を送ると、彼は意図を汲んで口を開く。

「あー、この間、えー、久しぶりに会って、そのー、いろいろあったんだけど、んー、よくわからなくて、うだー、しばらく会えなかったんだ」

しかし、聞きたかったことはすべて伏せられている。

まぁ、上条としては、記憶を失う前の知り合いが、再会したとたんに攻撃してきて、その理由も記憶になく(上条は記憶を失ったからとしか認識していないが、食蜂を記憶できていないという原因もある)、解決したら蜜蟻が行方をくらましていた、なんて言える訳がないだろう。

とはいえ、美琴としては秘密にされているようで、面白くない。

自然と目付きが悪くなる。
剣呑な空気に戸惑いながらも、蜜蟻は言葉を発した。

「ええと、上条さんはあ、ここで何してるのお? また入院でもしたあ?」

「え、いや、今日はコイツの退院だったから、迎えに…………そんなことより、あの後どうしたんだよ??」

上条としては、あの後の心配をしただけだ。

しかし、美琴の心が黒く渦巻く。



「…………先に、帰ってるから……」



走り去る美琴をとどめようとした上条。
そこで視界いっぱいに肌色が広がった。
これがスカートの中だとわかった時には、上条は顔面にドロップキックをくらい、吹っ飛んでいた。
数回転がったのち、白目でヒクヒクしている。
さらに、

「テメェ!! 大概にするぜよ!!」

「また別の女の子に手を出して、なんなん? この世には、一回カミやんがお手付きしたオンニャノコしかおらへんのやないの!!?」

「大将この前モテないとかいいながら、一体何人にフラグ建てる気だよ!!」

元・上琴応援団の男性陣にボカスカ殴られたり蹴られたり。
妬み僻みもあるが、どちらかというと、

『テメェ、俺たちがお膳立てしてやってんのに、なに台無しにしてんだよ!! いい加減にしろ!!』

という面が強いのだった。
特に一方通行とステイルが恐い。

無表情なんだもの。

事態を把握できていない蜜蟻の耳に、駆け寄ってくる複数の足音が入ってきた。

「し、白井さ〜ん、なにやってるんですかー!!」

「しかし、このわたくしたちがお姉さまとの中を取り持とうとしているというのに、ほかの方となかよしこよししてたら、蹴りたくもなりますのっ!!」

「で、でも、お姉さまが行っちゃったって、ミサカはミサカは焦りを隠すことなく相談してみる!!」

「…………ステイル!!彼がいつ目を覚ますかわかりませんが、 とりあえず私たちは御坂を追います」

ステイルは返事することもなく、黙々と上条を蹴っている。
立ち去る女性陣を目で追った蜜蟻は、おずおずと男性陣に尋ねた。

11鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:27:51 ID:cZ0IynhQ
「え、ええと、先程の常盤台の子はどうしたのかしらあ?」

泣いていたようにみえたけど?
という疑問に、土御門が、

「全部コイツのせいだにゃー」

と答えようとした時だった。

「美琴が……泣いてる、だと?」

と呟き、上条がむくりと立ち上がる。
問答無用と言わんばかりに襲いかかった周囲だが、上条は怯まない。

まずは、ステイルのもとへ接近。

「…………っ!!」

そして、
上条の拳が魔術師の顔面に突き刺さる。
魔術師の体は、それこそ竹とんぼのように回転し、後頭部からガードレールに激突した。

「ゆ、床……冷てぇ…………ガクッ」

「…………す、ステイル…………ちょ、ちょ、カミやん?」

「流石に、やりすぎやないの?」

困惑する土ピの2人に対し、

「……美琴……みーこーとーーー!!」

カミやんは聞いてない。
顔に影が入り、目は白く輝き、白い息が出ている。
あ、これ、やばいやつじゃね?

「…………ぅ、うわぁぁあああ!!」

「ま、待て!! 青髪!!」

恐怖に背中を押され、上条に殴りかかった青髪。
しかし、ゆらり、と影が動いた。

「あっ…………」

上条は右手で目の前にいる青髪ピアスの襟首を掴む。足を絡め、そのまま片腕だけで背中から投げ落とす。
咳き込む音が聞こえた。

「ゲフッゴフッ…………あれ? 蜜蟻ちゃん、思ったより可愛い下着をクキュギャッ!!」

「でかしたぜよ、カミやん…………。だが、それとこれとは別だぜい!!」

拳を握り、走りよる土御門。

ごん!!という鈍い音が響いた。
土御門の反則技が上条に直撃した訳ではない。
逆だ。ただ思い切り振り回しただけの、ド素人丸出しの拳。それが、気持ち悪いくらい正確に土御門の顎へ吸い込まれたのだ。

ガドン!! と凄まじい音が鳴り響く。土御門元春の体が、ついに床へと倒れ込む。

「ガ、ガッフッ…………ま、舞夏らぶ……ふぉー、えばー…………ぅ……」

「お、おい!! 待てって!!」

ゆらり、と動く上条に、防衛本能から浜面が殴りかかった。

ゴンッ!! という鈍い音が響き渡った。
拳と拳がそれぞれの顔面に叩きつけられ、双方共にグラリとバランスを崩した。
しかし、倒れたのは一人だ。
もう片方は、決して倒れない。

「た、大将……目を、覚ましてく……ゲフッ」

「うがーー、みこーとーー」

(なンなンですかァ? あのゾンビは?)

チョーカーの電極を切り替えながらも、
なぜか一方通行はこれが無意味なことを悟っていた。
飛びかかりはしたが、やはりヤツは軽々と避ける。
そして、まるで走馬灯のように今日1日が駆け巡った。

『今日はお姉さまの退院日〜!!ってミサカはミサカは今日こそお姉さまの恋を成就させるため、ふんこつさいしん努力するつもりなのだー!!』

『よぉ!! 一方通行、相変わらず両手に花で羨ましいかぎりだにゃー。とりあえず、お前はこっちを手伝え』

『………………で、こんなところで何をやってるんだい?』

『オレは昔からこの口調だぜい、第一位さん』

『さぁ!! アックン、君の能力の出番やでぇ!! ボクのラブコメ知識によれば、これで間違いなくあの2人はいい雰囲気になるはずやっ!!』

気づいたら、目の前にもうヤツの拳が迫っている。
そして、一方通行は思った。

(……ホント、何やってンだァ? オレ……)

ドサァ、と一方通行が倒れたとき、ようやく上条さん覚醒。

12鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:29:08 ID:cZ0IynhQ
「……ハッ!! オレは一体何を…………!!?」

テメェ、本当に意識を失ってたのか??

「…………か、上条、さん?」

「…………み、蜜蟻、オレは……あ、いや、そんなことより美琴!!」

「そ、そんなことお?」

「いいよ、こいつらタフだし。あ、ちょっと用事ができた、またな!!」

「!!! ……待って!!」

2歩駆け出した上条が振り返る。
その顔を見て、蜜蟻は言葉が出てしまった。
聞いてはいけないと、わかっていたのに。



「……あの人は、上条さんの、想い人?」



静寂が、意味するは、肯定。
夕日に負けないほど赤くなっていく彼の頭が、縦に揺れた。
ここに来て、少女は、心から開放された。

「…………じゃあ泣かせたらダメじゃない。早く行ってあげなさい」

ハニカミながら、首肯く少年を見送る蜜蟻の口から、



「さようなら、『上条さん』」



という声が漏れた。
上条の耳には届かない。
届かないが、それでも再び上条は振り返った。

しかし、
少女が笑顔で手を振るのみ。

上条は手をあげると、再び駆け出した。

13鉄橋は 2:2017/08/27(日) 10:32:50 ID:cZ0IynhQ
病院の帰り道。
沈み行く夕日が照らすは鉄橋。
そこに、立ち尽くすのは一組の親子。

「まぁま!! ぁう、おひゃーま!!」

「うん、お日さま、キレイね」

「あー、おねーたま、あれはあの人の体質みたいなもんだからさぁ、今更ムカついても仕方なくね?」

夕日を浴びる美琴の背中に、
友人たちの心配した視線が注がれる。
背中から「違うの」という答えが届いた。

「……そうじゃなくて。あれはわざとじゃないのはわかってるし、こういったら傲慢かもしれないけど、当麻がわたしだけを見てくれているというのも、わかってるつもり」

じゃあ、どうして?
滝壺の質問で、ようやく美琴は振り返った。

「情けなくなったの。自分は答えられていないのに、こんな簡単にヤキモチをやくわたしが」

インデックスは、不思議そうに母の顔を見上げている。

「…………だから、頭を冷やしたの。そして、決めた…………」

その表情を、白井はよく知っていた。



「わたし、ここで、告白する」



皆が微笑むなか、
彼女を呼ぶ声が聞こえた。

「…………あっ…………」

橋の向こうから駆けてくるのは、1人の少年。
脈がどんどん速くなっていくのを、美琴は他人事のように感じた。

「ぱぁぱっ!!」

父親の登場に笑顔で手を振るインデックス。
佐天が周りに目配せする。
皆と静かに立ち去ろうとしたそのときだった。

「うぬぁっ!!?」

上条の頭に、風で飛んできた紙袋がスッポリ被さった。
彼は急に止まれず、そのまま前進。
美琴の隣を通りすぎて倒れた。







佐天涙子を押し倒し、その胸に顔を埋めながら。



美琴の頭からなんか聞こえちゃいけない音が聞こえた気がするー。

14・・・:2017/08/27(日) 10:34:58 ID:cZ0IynhQ
以上です。

またあげてしまった〜すまぬぅぅうう!!

ではまた

15・・・:2017/09/09(土) 14:04:17 ID:BDPsoOjA
どもです。
・・・です。
連投失礼。

「育児日記」続きです。

改めて、諸注意です。
この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります今更ですが!!
私は、拒絶する!! という方はスルーしていただければ助かります。

それでは

16鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:07:47 ID:BDPsoOjA
世界は美しい。

少年が何度もその命を懸けてその身と心をすり減らしながらも守り続けてきた世界が、あの幻の世界と同様オレンジ色に染まり、輝く。

光に照らされた鉄橋は、まるで世界の中心点であるかのようだった。



世界の中心点で、上条はようやくその目に光を取り戻す。



「ぬぁぃっ!! なんなんですかもーー!!」

まぁ、具体的には頭に被さった紙袋を右手でとったのだ。
そして、ようやく気づいた。


上条が佐天涙子を押し倒し、左手は彼女の胸を握っていることに。


……………………。


「…………あ、いや、えー…………み、美琴より大きいですね」

どんどん顔が青くなる上条に対し、
どんどん顔を赤くする佐天。

「きゃーーーーーーーっ!!!!」

見事な張り手だった。
そのまま「初春〜〜!!」と親友に泣きつく佐天。
一方の上条は頬に赤い紅葉を浮かばせながらフラフラと、


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