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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29

982■■■■:2017/08/22(火) 17:39:20 ID:sNgvZax.
私は、その瞬間フラッシュバックのように、無残に惨殺される妹達の顔を
思い出す。最大の安定戦力の御坂美琴は、一方通行に手も足も出ず、妹達を
むざむざ目の前で殺されたのに声ひとつあげることもできなかった。

「当麻・・私はね時々思うのよ・・なんでアンタにもっと早く助けての一言が言えなかったのかとね」
「しかも・・私の事を助けようとしてくれたアンタを殺そうと意地を張ったのか」
「私は周りの見えないおバカさんだったと今では思うわ」

「美琴はまだあの日のことが心の傷なのか?」

「あの頃はむしろ頭に血が上っていて、すぐにアンタに救われて、昇華されたから
悩みもなかったけど、今になってもっと早く何とかならなかったと思うわよ」

「美琴・・」

「あの頃は悲しみも感情もなく脊髄反射のようにがむしゃらに実験設備さえ壊せば実験は終わるとばかり思っていた」
「だけど・・学園都市そのものが敵であることに気が付いた時、私の心は絶望していた」
「そんな私を地獄の底から引っ張り上げたのが上条当麻‥アンタよ」
「まあ・・アンタにとっては困った女の子を助けた日常の一コマに過ぎないだろうけど、私にとってそれは、本当に特別な物だったわ」
「その思いは一生消えることはないし、忘れるつもりもない」
当麻が意外そうな顔で私を見つめる
「あ・・御免せっかくの食事がまずくなったわね・・こんな湿っぽい話になって」
珍しく神妙な顔つきになった当麻が、私に声をかける

「美琴は、強いな・・」

「え?」
「普通人は自分の弱さや過去の過ちは見てみないふりや忘れて誤魔化す」
「美琴は、自分の弱さや過去の過ちを直視して、ちゃんと俺に話す
それはとてもできないことだ」

「そう?・・当麻は私が周回遅れだったころから私に優しかったわね・・ありがとう」
私は当麻の手を握る。

「な・・美琴 あそこへ8月21日に行ってみないか?」

「いいの?」
「俺と美琴のつきあいの原点とでも言うべき場所だろう?」

「ね・・その前に・・行きたいところがあるの」
「私が救えなかった、目の前で惨殺された私の分身の死んだ場所へ」

「え?」
「私は、今あの子に会いたいの」
・・・・・・・・・・・・・・・
夕刻20時

夏の残照もとっぷりと漆黒に変わり、私は当麻を連れてあの子の虐殺現場へ向かう。
「ここよ」
「この場所で私は自分の目の前で自分の分身を殺された」
「それを私は防ぐことも、守ることもできなかった」

私は苦笑いを作る。自身の弱さ、未熟さをさらけ出すように言葉を吐き捨てる。
「私自身も殺されかけたけどね・・」
当麻は無言で私の顔を見つめる。
「殺されることが前提の妹達に、助けられた」
「私を殺すと実験が止まるとね、ただ殺される実験を守るためにね」

「美琴・・」

「だから・・妹達は私の命の恩人でもあるわ・・」

「最近変な夢を見るの・・」
当麻は私の一人語りを聞いている
「妹達が私の弱さ、一方通行に何もできず悔様に逃げ去ったことを責めるの・・」

「でもね・・どうだろう、正直な話・・あの頃の私に何ができたのよ・・ね当麻・・?」
「私は所詮は日常の世界の優等生よ・・足元のこの街の闇も知らない」
「そんな一般人のお嬢様に何ができるのよ?」




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