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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29

963■■■■:2017/06/09(金) 11:39:33 ID:05tsRUL.
右手の無効能力を承知している未元垣根は、俺との距離を保ちつつ、気配を伺っている。

「さすがだな・・幻想殺し・・」
「だがな」

俺は目を疑う、広大な地下空間を無数の垣根が埋め尽くす。
背中に羽をつけた垣根人形もどきが一斉に羽根を震わしその騒音が響きわたる。
「右手しか攻撃手段のないテメエにはどうにもならねえだろう?」
「まあせいぜい頑張るんだな」

上条当麻の幻想殺しの最大の欠点は右手で触ったものしか効果がない事だ。
垣根もどき人形の羽根が作り出す、突風やら、ビームを避けながら、一体、一体
地道につぶしていくしかない。超荷電粒子砲を打てるわけでもなく、恒星の中心温度
を遥かに凌駕するプラズマで空間を充満させあらゆる物質をプラズマにできるわけでも
ない。それが幻想殺しの本質だ。だから俺は地道に一体・一体木偶をぶち壊すのみだ。

垣根はその状況をあざ笑う
「オイオイ・・退屈させるなよな・・え?」
未元垣根もどきの大群が一斉に嘲笑を始める。
「テメエが一体潰す間に俺は何体でも木偶を作れるんだぜ」
「キリないぞ・・ええ?」
かさにかかった垣根木偶は、精神攻撃を始める
「幻想殺しさんよ・・愛しの美琴女史へすがりついたらどうだ」
「まあできねえよな?自分にまかせるなんて言いきったしな」
「だが・・」

垣根木偶人形は完全に俺を取り囲み、その羽根から先端をとがらせた槍のような
未元物資で俺を狙う。秒単位なんて生ぬるい、そんなレベルでない高速攻撃が
俺を切り刻むように襲ってくる。まさに斬撃、一瞬の気の緩みが死を招くだろう。

俺は右手を必死に動かし攻撃を弾く。考えることなく、極限まで「前兆の感知」を研ぎ
澄ましその攻撃を凌ぐ。

とは言え、人間の体力には限界がある。1分・2分ならいい。だが無限ともいえる
垣根の未元物質生産能力がじわじわ俺の体力を奪う。
何分たっただろうか・・正確にはわからないだが俺の体力は確実に低下し、動きは
鈍る。そして・・ついに回避できない斬撃が俺の右腕をつらぬく・・
(う・・)
鮮血がぶちあがり、激痛が走る。
だが未元垣根には容赦がない。攻撃の手を緩めることはなく、さらに攻撃を続ける。

俺は必死に右手で未元物質が作り出す謎の剣の絨毯爆撃が降り注ぐ。激痛に耐えなんとか
回避するが、足元の動きが鈍くなるは防ぎようもない。
やがて、左腕、肩、剣がかすりさっか傷を作る。痛みがじわじわ心をむしばむ。

俺は、最悪の事態を覚悟し始める。俺の想像以上に未元垣根は強い。

だが・・・インカム越しの美琴の叱咤が俺を突き動かす。

「当麻・・私はいつでもアンタの味方よ、アンタの正しさは誰が否定しようが私が
保証する。だからアンタは自分の信じた道を突き進め・・」

少女の一言が、最愛の美琴の一言が俺に力を与える。理屈でなく、美琴の言葉が
俺への想いが、心の芯から力を呼び起こすのだ。

あちこち切り裂かれた体はもうとっくに限界なんか超えている。
だが、美琴を殺人者へしたくない俺の気持ちが勇気と力を呼び起こす。

俺は半分、引き裂かれだらんとなった右腕にもう1度力を籠め、未元物質の絨毯
爆撃を叩き落とす。そして・・俺の腕から莫大な力の奔流が空間をつらぬく。
未元の垣根の木偶が一斉に力の奔流に飲み込まれる。垣根が普通の存在なら
消滅してもおかしくないほどの衝撃を受けている。

だが・・垣根はよろよろ立ち上がる。
「か・・上条・・俺は・・まだ負けたわけ・・・」
だが・・強烈な頭痛が未元垣根を襲う。
「無理するな垣根・・」
「分かっているだろう?お前は美琴との対峙でもう本調子ではない」
「無理な再生を繰り返す事で、お前の心にある、相矛盾する要素がお前の再生力を
奪っている」
「く・・そこまでわかっているのか?」
「幻想殺しに頼る脳筋だと思っていたがとんだ勘違いだったな・・」




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