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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29

923■■■■:2017/04/10(月) 14:29:03 ID:.I78PthU
卒業式 1話

2月12日(日)午後6時

外の世界では、笑点シンドロームとか、さざえさん症候群という言葉がある。
倒産寸前の原子炉メーカーがスポンサーをしている国民的アニメ番組を見終わった
後、勤め人が、翌日からの辛気臭い労働を思い出し、憂鬱な気分になる現象らしいが、
ちょうどいま私もそんな気分に襲われている。

1年前のバレンタイン・デーに自分の気持ちを想い人に告げて以来毎週、私は
ここへ通ってくる。多忙な平日はそれぞれの活動を続け、土曜日の夜から
日曜日の夜までの1日甘美なひと時を過ごす。

土曜日夜に1週間分の食材を買い込み、食欲という煩悩塗れのインチキシスターから
食材を守るため購入した鍵付きの大型冷蔵庫へ食材を購入する。

その冷蔵庫から食材を取り出し、テーブルの上にお肉と白菜としらたき・ネギと高野豆腐を、形よくカッティングした食材と携帯ガスコンロを食卓にセッティングして本日のメインデッシュのすき焼きの準備を終える。割り下をベースした関東風ではなく、肉を直接鉄板の上で焼き、しょうゆと砂糖をまぶし味付ける。お肉の香ばしい香りが漂い、そこへ白菜とネギを入れる。笑点の放映が終わるころには、ぐつぐつとすき焼きセットが出来上がる。

野菜と肉の香りが食欲を誘う。
(安いお肉の割には美味しそうね・・)

「さあ召し上がれ・・」
ご飯を形よく盛り付け、隣にネギとワカメの赤みその味噌汁を配膳する。
「いただきます」

「どう?」
「この肉うまいな・・」
当麻が生卵に、安物の牛肉をつけ、一気に飲み込んでいる。高校生の食欲は恐るべしで
咬まずに、飲み込んでいる。
「ありがとう」
「ふふ・・まあ今日は、あの子には小萌先生と焼肉食べ放題バイキング店に行ってもらって
いるし・・ゆっくり食べられるしね」
当麻は100g200円のカナダ産の安物のお肉を本当に美味しそうに食べてくれる。

私は自分が出すからせめてAランクの100ℊの1000円くらいの肉にしようと言っても
断るのだ。
一通り当麻が食べ終え、少しペースが鈍ったところで私は話を始める

「でも、なんかあっという間ね」
私は当麻の旺盛な食欲を母親のような気持ちで微笑ましく眺めながら、ゆっくりと
安物の固い肉をかみ砕く。
喰うことに夢中の当麻が、私の凝視する視線に気が付いたのか言葉を返す。
「え?ああそうだな」
私は、当麻がようやく話を聞く気になったのでは話を続ける。
「楽しいひと時はつかの間の夢みたいね」
「え・・?」

「違う学校だし、雑事もある。当麻はいつも目の前の誰かを助けている。」

「土曜の夜から日曜の夕方まで、たった24時間しか会えない」
「せっかく・・告白したのに、全然距離がつまらない」

「え?どうしたんだ美琴・・」
白菜を食べ終えた当麻が話に乗ってくる。
「なんか・・せっかく告白して交際を始めたのに全然甘い雰囲気ならないてね・・」

「え・・え・・毎週こうやって会っているじゃん」
「まだ美琴は中学生だし・・」

「そうね・・でももう後1月で私も高校生よ・・」
当麻はしゃべりながら卵とすき焼きの汁に染まったご飯を口へ詰め込みながら
会話を続ける。
「ああそうだな・・」
何かを思い出したのか当麻が私に今更の確認を聞いてくる
「で、本当にレベル5の御坂美琴さんはとある高校なんかに進学なさるんですか?」

私は安物お肉のはちみつで味を誤魔化した安い牛脂を飲み込みながら、話を続ける。
「ふふ・・なんか内の担任みたいなこと言うのね・・」




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