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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29

813■■■■:2016/11/26(土) 17:36:01 ID:O7nWxM2o
俺は、感覚としてしか理解できない。だが、目をつぶり真贋を研ぎ澄ますことで、
コンマ・ミリ秒の単位で細かな佇まい、挙動を感じる。
(今なら・・当てられる・・)
俺は右手に力を籠め、一心に美琴の腹へ拳を打ち抜く。
(え・・・?)

俺の右腕は空をきり俺はおもいっきり前のめりになる。
だが、無様に態勢を崩した俺に美琴は自ら負けを宣言する。

「さすがね、当麻・・私の負けよ・・避けきれず、能力使って緊急回避しちゃった」
「後1分しのげば・・終わりだったけど」
(美琴は嘘をついている・・能力なんて絶対使っていない。美琴が能力を使った
気配なんて感じなかった。)

「ありがとう、当麻、久しぶりに運動できて気が安らかになったわ」
「美琴・・俺は美琴の能力を使った気配なんてかんじなかったぞ」

「さすがね・・そこまでわかるんだ」
「え?」
「私は今回の緊急回避は、脳と神経細胞にしかごくわずかな生体電流を使ってい
ない。だから気配を感じるはずがない。だからそこまでわかるのがさすがよ」

「はあ・・それじゃ神経細胞の動きにしかすぎないじゃないか」
「ふふ・・当麻・・一般人に最高度の訓練なしに神経細胞の伝達速度をマックス
まで上げるなんてできないわ・・だから私の負け・・能力を使ったのは事実」
「でも・・負けは負けよ」

あの負けず嫌いな美琴は、さして悔しいそぶりもせず、柔らかなアルトボイス
で語り掛ける。
「ね、当麻・・最近当麻が武道を黄泉川先生に習っていると聞いたわ」

「ああ、知っていたか」
「私は、表向きレベル0の当麻が強くなりたいのはわかるし、それを止めるつもり
もないのよ。でも・・今は自分の右手を信じてほしいのよ」

「それは・・」
「私は当麻と違って本式に護身術は知っている。だけど、それでもプロとは言えない」
「結局最後は自分の誇りである能力に頼る」
「だから・・当麻も・・自分の右手をもっと信じていいんじゃないかな」

「ね・・」

「当麻が魔神を見て悩むのはよくわかるわ」
「私が、一方通行に昔蹂躙されたときもそうだった」
「本当に自分だけの現実を壊されるほど」
美琴は過去を思いだしたのか、遠い目をした。

「でも、当麻には私がいる。」
美琴は俺を後ろから抱擁する。
「何があっても私は当麻を守る」
俺は、美琴のまっすぐな棲んだ瞳を見つめ声をかける。

「俺も・・美琴をかならず守る」

「ありがとう」
俺は、美琴に軽く接吻をかわす。

問題は山積し、敵は少なくない。自分を見失うことなく強大な敵に
立ち向かう。美琴は折れそうになる心を俺とのふれあいで耐えている。
過酷な日常な仲で美琴の言う通り自分を見失っていた自分。

適度な運動で2人のすべきことを思い出した。
自分を見失わず、焦らず、勇気を振り絞り、でも冷静に心眼をすまし相手に
立ち向かう。原点を確認した気がした。

続く




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