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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

1Ψ:2011/02/05(土) 22:54:39 ID:7MRi28Lg
「クラスの三バカ」こと上条当麻、青髪ピアス、土御門元春、並びに途中でできたバカップル【例:上条×ミサカ・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め 等】はもちろんクラスメートや先生達、常盤台の生徒やオリジナルキャラも登場可能なリレー形式で学園都市や魔術世界の日常をどんどん書いていくスレです。ギャグ中心でシリアスは控えめに。雑談も控えめに。

初心者大歓迎です。

次スレは>>970 の人が建てること。(無理な場合は新しい番号指定お願いします。)

Part1↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1210612236/

Part2↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262012651/

Part3↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1266059443/

Part4↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1273412014/

まとめwiki↓(2月5日現在、停止中)
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

101:2011/03/22(火) 23:34:51 ID:GsyTvnjI
未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位、そして
中学生の超電磁砲を除く5人もの超能力者達

に、変更してください。

102■■■■:2011/03/23(水) 09:34:38 ID:tRw2YiR2
7位は、削板じゃなかったけ?
6位では?

103:2011/03/23(水) 09:36:00 ID:wDXo9kHk
月夜が入ったから8人になっているんですよ。
外伝では、7月以降にまた7人になりますけれど。

104:2011/03/23(水) 09:37:37 ID:wDXo9kHk
ちなみに裏設定では、外伝に出ているセレナードと一方通行の出会いは
この日の朝です。

105■■■■:2011/03/23(水) 09:40:46 ID:z6l1Ty.2
あー!なるほど(o^-')b

106ё:2011/03/25(金) 21:10:34 ID:sfu9G7Ig
 何かスタジアムが人でいっぱいで盛り上がってるとかどうでもいいと思ってる人間が1人居た。
 その人物は自分の身に降りかかった不幸に思いっきり落ち込んでいる最中である。

「不幸だ……。よりにもよってやりたくもねぇキャプテンになるなんて神さま、上条さんは悪いことをしたのでせうか?」

 不覚にもジャンケンで勝ってしまった上条、自分のクラスのチームのキャプテンになったことを心底嫌がっていた。
 というのもこれでまた目立って街中で追い掛け回される確率が増える不幸に見舞われる、それが上条の考えである。
 しかしそんなものは全くもって今さらな話な上に、最近では追い掛け回されることが減って来ている傾向にあるのだが本人は分かっていない。

「ちくしょおおおおおおおっ! せっかくキャプテンになって頑張って吹寄にもっと認めてもらおうって思っグギャッ!」
「な、何言ってるのよこのバカ! しかし何て屈辱! まさか上条にジャンケンで負けるだなんてあたしのクラス委員長の威厳が……っ!」
「確かに屈辱。だけどそれ以上に。上条くんが。キャプテンになったことを。不幸とか言ってるのが。すっごく腹が立つ」
「そうだよ! せっかくキャプテンになれたのに上条くんの贅沢者!」
「全くだなァ。不幸とか抜かしてるせいで考えてねェのか? キャプテンになったテメェを御坂が更に惚れ直すって羨ましい展開をよォ」

 口々に不満や愚痴を言っているのは上条のグーに敗北したキャプテン立候補者達、その中で一方通行の言っていたことが根強く印象に残った上条。
 そしてイメージするのはキャプテンになった自分を何故かチアリーダーとして応援する美琴の可愛い姿だった。

「いよっしゃあああああっ! 俺は不幸じゃない! すっげー幸せ! つーわけで俺がキャプテンをやるからには絶対勝つぞーーーーっ! みんなもしっかりついて来いよ!」

 ポジティブシンキングになっていつも以上に大張り切りする上条にその場に居た全員が思った、爽やかだけど暑苦しいと。
 これでようやくいつもの上条のクラスに戻り、皆もいつもの調子を取り戻した所で白雪が土御門に尋ねる。

「ところで元春って魔術の使用制限とかされてないの?」
「使っただけで大ダメージ受けるんだぞ? 制限される以前にオレの方が使う気起きないぜよ。ま、月夜が居れば魔術に頼る必要性も無いからにゃー」

 純粋に自分を頼ってくれた土御門の態度が嬉しくなった白雪、人目も憚らずに自分の恋人に抱きついた。
 その様子を羨ましそうに見ていたのは一方通行、青ピ、浜面、服部、茜川の恋人が近くに居ない面々(上条は美琴のチアリーダー妄想で平気)。

「にゃー、何か色々と盛り上がってるみたいだからこっちでポジション勝手に決めちまうか。オレもルールくらいは知ってるからな」
「土御門、ちゃんと勝てるポジション選びしなさいよ。貴様のせいで負けたとか思いたくないから」
「わーってるって。吹寄さんのご所望通り、情報屋がカッコよく見えるようなグオッ! ……冗談ですたい」

 吹寄に頭突きを喰らうというアクシデントに見舞われつつも、土御門は自分のチームのポジションをテキパキと選び始めるのだった。

――――――――――

「では君達の得物はこちらで預からせてもらう。試合が終われば返すから安心してくれ」

 こちらでは魔術師の禁止事項の説明が終わった所で、闇咲がそれぞれの危険な武器を預かっている所だ。
 要は魔術師達のそれぞれの得物を預かることが禁止事項を守らせることと同義となるのだ。
 特にエツァリとショチトルは得物を取り上げられたことで落ち込んでいたが、持っている身体能力だけで頑張ると前向きに考えた。

「闇咲、僕のルーンのカードは預かりはしないのかい?」
「ステイル、君の場合はルーンのカードそのものに攻撃性を感じないと感じたからだ。イノケンティウスを使わなければ問題は無い」

 勿論相手への直接攻撃は禁止だ、そう闇咲が付け足したのを受けてステイルは素直に頷いて部屋から出て行った。
 ちなみにエツァリとショチトルが得物を取り上げられたのは魔術自体が危険なこととプレーが度々止まるを防ぐことが理由である。

107ё:2011/03/25(金) 21:38:29 ID:sfu9G7Ig
「では闇咲さん、私の海軍用船上槍、確かにお預けします。これはサッカーには不要な物ですから」
「分かった。それと五和、後で他の魔術師達にも伝えておいてくれ。君達の得物を返すのは私ではなく」
「いやー悪い悪い。ちょいと遅れちまったのよ。で闇咲、俺が預かることになる……のは……」

 エツァリとショチトルも既に部屋を出ており闇咲と五和だけしか居ない部屋に入ってきたのは建宮だが、その建宮は五和の上半身メイド下半身ブルマーを前に固まってしまう。
 ちなみに建宮を呼んだのは闇咲で、彼も初春と対馬と同じ便でロンドンに向かう都合上、あと少しでここを発たないといけないという理由がある。

「い、五和……。お前さんとうとうそこまで手段を選ばんようになっちまったのか。教皇代理として実に悲しいのよな……。ま、それはともかく写真に収めヒイッ!」
「建宮さん、突き刺されたいんですか? それとも切り刻まれたいんですか?」
「じょ、冗談なのよね……。しっかし海軍用船上槍を取り上げられるとは……まあ球技大会だから当たり前か。けどこれで五和の戦力も半減って思ったがそうでも無いのな」
「流石に見抜いてましたか。というわけで試合、期待してて下さいね。私と当麻さんの愛に満ち溢れたサッカーを♪」

 そっち方面じゃ期待してねえっての、建宮は口にしたら殺されかねないことを心の中で思っていた。
 しかし上半身メイド下半身ブルマーの服装が天草式魔術としての効果を顕していたことには感心していたりする。
 闇咲に後を任された建宮は目の前にある魔術師達の得物を慎重かつ丁寧に管理をするのだった(特にエツァリの原典)。

108☆〜:2011/03/26(土) 12:52:10 ID:FacEPk/w
皆さん、はじめまして。☆〜と申します。初投稿で、まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。

109☆〜:2011/03/26(土) 17:51:00 ID:FacEPk/w
あ、打ち間違えました。
私、読み専門の、初コメントでした。
このSSを書いていらっしゃる皆さんは、何というか凄くて、私には到底真似出来ません。
皆さん、これからも頑張ってください*

110■■■■:2011/03/27(日) 11:52:41 ID:Z2EH7To.
segaってね☆

111Ψ:2011/03/28(月) 10:27:40 ID:hdZ988zM
超お久しぶり〜
もう忘れてかけていると思いますがΨです〜
にしても本当に読み専になっていますが、7つも小説を書いていたりブログをしていたりしているので、時間なんて取れないに等しいですよねorz
で、今日は何で書いたのかと言うと、書けない代わりに要望でも言っておこうかとのでw
ただ単にあるキャラを出して欲しいだけなんですけどねw
っていう事で、誰でも良いからフレメアを出してくれると嬉しいです♪
うん、それだけです。なんか出てきたら面白そうな気がしたのでw
っていう事でお願いします。俺はこちらに書ける時間がないに等しいので。

ところで、球技大会が終わったら何するの?

112Ψ:2011/03/28(月) 10:55:39 ID:hdZ988zM
追記、
絹旗の一方口調も出して欲しいですw

113:2011/03/28(月) 12:21:00 ID:5IBjUJZQ
Ψさん、どこでどんな名前で小説書いているか教えてくれませんか?
というか、ここに来る皆さんは、やっぱりここ以外でも色々書いているようですね。
できたらみつけてみたいです。

114:2011/03/28(月) 12:25:37 ID:5IBjUJZQ
球技大会終わった後・・・・
今まで出ている案としては
「GW・情報屋&吹寄デート見守り」と
「夏の戦争準備編」でしょうか。

115Ψ:2011/03/28(月) 14:32:22 ID:hdZ988zM
★さん
教えて欲しいですか。
小説は良いのですが、ブログは……結構痛いです。
一応載せておきますけど。
『七つの罪を断罪せし者 “Judgement Sanctuary”』というサイトです。
小説の方の名前は竹馬プシーと言う名を使ってます。
ってかもはや公開すると言うねw

116:2011/03/28(月) 15:56:36 ID:5IBjUJZQ
ありがとうございます。
さがしてみます。

117■■■■:2011/03/30(水) 20:37:50 ID:svXZh.Go
多分、能力者への禁止事項書かないと進められそうに無い予感がしたので僭越ながら。

――――――――――

「というわけで以上が君達専用の禁止事項だ。さあ、復唱したまえ」
「復唱ってアンタねぇ……。私らがそんなに信用できないっての?」
「言わないと分からなさそうな人間がいるからね。じゃあ早速だがムギムギ、君から」

 上条のクラスの相手チームで呼び出された対象者達、木山の子供扱いに噛み付いたのは麦野。
 しかし試合開始前からやる気満々の削板を見て仕方ないといった感じで折れることに。
 そして禁止事項の復唱が御坂妹、結標、麦野、絹旗、削板の順で開始された(心理掌握は元からサッカーなので除外)。

「当麻さんへのセクハラは禁止、とクールビューティーはここに宣言します」
「ボールとサッカーゴールの【座標移動】は絶対にしない」
「浜面へのセクハラの禁止……チッ。左腕でボールに触れたらハンド扱い。【原子崩し】使用の際は出力を抑える」
「【窒素装甲】でボールを掴んだら移動は超禁止です」
「【念動砲弾】を使う時は周囲に迷惑をかけない! 分かってるって! そんな根性入ってねぇマネはしねぇから安心しろ!」

 一部、能力と全く関係ない禁止事項があるが誰も気にしてはいなかった(相手への能力使用、攻撃禁止は基本なので省略)。
 木山は多少は不安ではあったが、目の前の少年少女を信じて控え室へと帰した。
 それから少しして今度は上条チームで唯一呼び出された一方通行が入ってきた、不満そうに。

「どうしたんだい? 私に呼び出されたのがそんなに不満なのか?」
「何で俺だけなンだよォ! 白雪は元からサッカーだからってのは分かンだけどよォ、茜川呼ばねェってのはえこひいきですかァ!」
「茜川は普段から知ってるからね、自分でやってはいけないことの区別はついているだろう。私がわざわざ言わなくてもね」

 白雪のダチってだけでアウトだろォ、一方通行は一瞬そんなことを思ったが茜川の普段の行動を思い返して何とか納得した。
 ちなみに茜川は衝撃波に周囲の人間を巻き込まないようにと考える一方で、土御門が提案した掛け声に紛れて相手への音波攻撃を考えていたりする(鼓膜破らないように)。
 木山はしかめっ面の一方通行など気にすることなく禁止事項を淡々と告げた。

「相手への能力使用の厳禁、これは基本だな。君個人の禁止事項は反射、黒翼と黒い悪魔の右腕の現出だ」
「妥当っちゃあ妥当だなァ。反射なンぞサッカーが盛り上がらねェし、翼と右腕はこンな所で見せるモンじゃねェしな。後は好きにしていいンだろ?」
「勿論だ。他の能力者達も私の設けた禁止事項の穴を察して能力を使ってくるだろうからな。それを見つけるのもこの試合の醍醐味というわけさ」

 一方通行は理解していた、黒翼と黒い悪魔の右腕は自分の切り札と共にその先、純白の翼に小さな輪を冠した天使を思わせる状態への取っ掛かりだ。
 自分の手の内を一般人が多く見守る中で見せるつもりは最初から無かったが、木山がそのことを配慮していたかのような禁止事項に一方通行は関心していた。
 それと同時にまるで木山が自分の能力について把握してるのではという疑問が湧き上がったが、上条の影響なのか木山を信用して深く考えることを中断する。

「私からは以上だ。試合、頑張りたまえ」
「テメェに言われるまでもねェ。それと相手がどンなトンデモ軍団だろうと勝つのは俺たちだ。俺らのクラスの団結力なめンなよ」

 あの学園都市最強が団結力を口にするとはな、木山はそう呟いて部屋から出て行った一方通行の成長とも呼べる変化を微笑ましく思っていた。
 自分のやるべきことを終えた木山は手早く部屋を片付けた後で、観客席へと向かうのだった。

――――――――――

『ええっ! 決勝戦は友愛高校じゃなくて第二十学区の全天候型スタジアムで行われるんですか!』
「ああ」

 試合開始まであと5分、闇咲は対馬と電話で話しており内容は学園都市出立の件についてである。
 電話越しでも対馬の驚きを感じ取っていた闇咲、冷静に彼女に指示を下し始めた。

「対馬、君は後半が始まる前までにタクシーをこちらに付けておいてくれ。地図は後で転送しておく。私達の荷物は空港にもう送ったのだろう?」
『は、はい。おそらくそれが飛行機に間に合う為の最良のスケジュールなんですよね? 闇咲さん』
「その通りだ……と言いたいが問題が出て来てしまった。初春のことだ」
『おおかた女教皇様がベッタリで抜け出すのが難しいんでしょうけど心配無用です。初春もそれを考えていなかったわけでは無さそうですから』

118ё:2011/03/30(水) 20:57:22 ID:svXZh.Go
>>117は私です。

――――――――――

 イギリス清教では後輩にあたる闇咲に対して対馬が敬語な理由、それは年上として普通に尊敬できるという建宮が聞いたら怒りそうなものだった。
 普段の初春と神裂を思い返した闇咲、よくよく考えるとそれほど問題ではないと初春の件について結論付けることに。
 対馬との電話を終えてから少しして、グラウンドの方から大歓声が聞こえてきたので、闇咲は選手が入場したことを察するのだった。

――――――――――

 主審の災誤、線審の黄泉川と小萌に続いて上条クラスのチームと決勝進出チーム連合軍がグラウンドへと入場していた。
 チームの先頭はチームのキャプテンで上条とインデックス(【歩く教会】メンバーは覆面着用)で、左腕にはキャプテンマークが付いている。
 そしてセンターサークルに到着した選手たちは互いに相手チームと向かい合うことになる。

119ё:2011/04/11(月) 21:03:08 ID:Fl5LaQhA
……4月になって書き込みゼロ。
サッカーの試合が書きづらいのかそれとも……。
このままというのは寂しいので試合を進めようと思うのですが書いていいのでしょうか?

120読者:2011/04/12(火) 17:32:40 ID:NpMxnPW2
はじめまして!
Wikiにあるところより結構進んでますね・・・
こういう掲示板にはじめて書き込むんですけど、僕見たいなんが書き込んでいいのか少々不安です・・・。

続き楽しみにしてます!!
ssとか書いたことないので、どれだけ苦労しているかあまりわかりませんが、がんばってください。

121タク:2011/04/13(水) 23:59:34 ID:HZ0yT6mI
お久です。
最近は、スポーツばかりでなかなか書けないんだよね。
だから書ける人が書いていけば良いのでは?

122ё:2011/04/15(金) 19:13:51 ID:PBbC6BZo
読者さん、タクさん、ありがとうございました。
ふんぎりが付いたので投下します。

――――――――――

「ふっふっふっ、とうとうこのマスクを脱ぐ時が来たんだよ。とうまはとうまだからこのピュアシスターの正体に」
「おいインデックス、お前の正体なんてとっくにバレバレだっつーの。つーかさっきも俺、お前のこと名前で呼んだだろ」

 意気揚々とマスクに手をかけて素顔披露に入ろうとした時、上条からの予想外(インデックス的に)の発言に体が止まってしまう。
 まさか上条に正体がばれてるとはこれっぽっちも思っていないインデックスがショックを受けていたが、

「超ありえません! 馬鹿の体現者と言われてる浜面に私達の正体が見破られるなんて!」
「私の正体を見破るなんてさすがは浜面、運命の赤い鎖で私が繋いでるだけのことはあるわね。馬鹿なのは否定しないけど」
「お前らホントひでーよ! だいたい絹旗、俺が馬鹿の体現者って言ってるのってお前だけだからな! むしろそのフレーズは上条にがふっ!」
「浜面のくせにお兄ちゃんに対する超暴言、許せません! 次、お兄ちゃんのことを馬鹿って言ったら超殴りますよ!」

 もう殴ってんじゃげふっ! そう言いつつ浜面が絹旗に殴られて宙を舞っているのを見て冷静になった。
 ちなみに浜面が麦野を完全にスルーしたのはこれ以上、面倒になるのは御免だったからだったりする。
 【歩く教会】チームが覆面を脱ぎ捨てた所でそれぞれのチームで因縁のある者同士で会話が交わされる。

「とうま、今日は勝たせてもらうんだよ。そして思い出させてあげる。私ととうまの立場ってものをね」
「インデックスが勝利を望んでいる。だから上条当麻、今日は容赦なく君を叩き潰してあげるよ」
「当麻さん、今日はいい試合にしましょうね♪ そして堪能して下さい、天草式蹴球術を改良した五和流ご奉仕サッカーを!」
「こうしてあなたと楽しい時間を過ごせることを嬉しく思います、とミサカは抑えられない気持ちを口にします。そしてあなたの唇を奪ってあげましょう」
「上条! サバイバル合宿では負けたが今日は勝ってやるぜ! 俺の根性入ったプレイを見せてやる!」
(何で俺ばっかりこんなに絡まれるんだよ……はぁ、久々に不幸だ)

 インデックス、ステイル、五和、御坂妹、削板からの言葉を聞いた上条、ちょっとだけげんなりした。

「上条当麻のことは試合で判断するとして……土御門さん。今までに受けた数々の仕打ちの恨み、貴方に勝利することで晴らさせて頂きます」
「私個人としてはお前に恨みなどさらさら無いがエツァリがこう言ってるんだ、勝たせてもらう」
(こうゆう絡まれ方はカミやんの専売特許だっつーのに……。ショチトルはともかくエツァリに教えてやらんとな。人として魔術師としてどっちが上かを)

 エツァリは個人的な恨みを晴らす為、ショチトルはそのエツァリの為にも打倒土御門を宣言した。
 土御門は土御門で【グループ】の一員としてエツァリに立場をいうものを分からせてやる為に闘志を燃やす。

「あ、あの、ア、アク様。きょ、きょきょ今日は宜しくお願いいたします! 私、胸を借りるつもりで試合をさせていただきますので!」
「知るか。テメェがどうしようが俺の知ったこっちゃねェンだよ。胸でも何でも勝手によろしくやってろっての」
「ありがとうございます! ……ところで井ノ原先輩は?」
「(ンだコイツ? 何で礼なンぞ言ったンだァ?)だから好きにしろっての……。双子なら姉が風邪ひいて弟はその看病で居ねェよ」

 一方通行は気付いていない、いつもなら心理掌握のことは適当に受け流すか無視するのだが言葉は悪くともそれなりに相手するのはかなりの譲歩ということに。
 困惑している一方通行から井ノ原ツインズのことを聞いた心理掌握は、特に真夜に成長した姿を見せられないことを残念に思っていた。

123ё:2011/04/15(金) 20:35:29 ID:PBbC6BZo
「しょーたっ♪ 今日はよろしくね」
「う、うんっ! ぼ、僕も負けないよ!」
「(もー翔太ったらかーわーいーいー♪)ねぇ翔太、この試合で勝った方が相手に1つだけお願いできるってのはどう?」
「い、いいよ。でも安心して淡希。僕、淡希が嫌がることは絶対にお願いしないから」

 敵同士なのにいちゃついてる月結を見て対抗心みたいなものが芽生えた麦野が浜面に宣言する。

「よし浜面。この試合、私達が勝ったらいっぱ」
「それ以上はアウトだっつーの! ていうかそれ以前に俺とお前の間で賭けなんて成立しねぇ!」
「ちっ、だったら試合で浜面をボロボロにしてから拉致してヤッちまうか(冗談だよ冗談。今日はいい試合しような)」
「頼むから本音を口にするの止めて! 普通は建前を口にするもんだろ!」

 自重することを全くしない麦野に浜面は試合開始前だというのに疲れを感じていた。
 そこへ笑顔で上条と話していた絹旗が戻ってくるとさっきまでの可愛らしい笑顔はどこへやら、実にふてぶてしく浜面に告げる。

「浜面、今日は超思い知らせてやります。ここ最近、超調子に乗ってる浜面に自分の本来の立場を。そう、自分がいかに超下っ端かということをね」
「上等だ! その生意気で可愛げの無い態度、今日こそひっ! う、腕を振り上げたって怖くねーからな!」

 絹旗が軽く腕を上げただけで服部の後ろに隠れた浜面を見た絹旗、明らかに見下した視線を浜面に送った。
 そしてお互いのチームが礼儀正しく挨拶を交わすと、それぞれのチームのキャプテンを中心に円陣を組み、

「俺たちの目指すものはただ1つ、優勝だけだ! 勝つぞーーーーーーーーっ!!」
「おーーーーーーーーっ!!」×上条以外のチームメイト
「私達は元はバラバラのチーム。当然目的も違う。だけど勝ちたい気持ちは一緒。だからみんな、頑張って勝利を掴むんだよ」
「おうっ!」×インデックス以外のチームメイト

 気合を入れるとそれぞれのポジションについた、以下の通りに。
 上条チーム:GK東原、DF上条、吹寄、野原、情報屋、MF一方通行、浜面、服部、翔太、茜川、FW白雪。
 決勝進出連合チーム:GK心理掌握、DF結標、ステイル、削板、MFインデックス、五和、エツァリ、ショチトル、麦野、FW御坂妹、絹旗。

「そちらは白雪さんの1トップですか。しかし土御門がベンチとは私達も超なめられたものですね」
「そんなことないよ絹旗ちゃん。これも元春が勝利の為に考え抜いた手なんだよ。……それにしても隣のゴーグルの子って美琴ちゃん?」
「ミサカはお姉様ではありません、とミサカはあなたにならオーナー初春からミサカのことを話してもいいと言われているので後日説明することを約束します」

 このようなちょっとした会話の後で災誤の試合開始のホイッスルが鳴らされた。
 決勝進出連合軍ボールで始まった決勝戦、御坂妹は絹旗へとボールをパスするとそれを絹旗は手でキャッチして投げる体勢へと入る。
 絹旗の行動をハンドだと思っていた上条チームのスターティングメンバー、油断していたがプレイが止まる気配を見せないことに疑問を抱いていると、

「何やってんだ! 早く絹旗を止めろ! そいつにハンドは適用されないんだぞ!」
「後の祭りですよ土御門。まずは1点、超いただきます!」

 土御門の焦りをはらんだ檄が飛ぶが絹旗は構わず全力でボールをゴール目掛けて投げた。
 【窒素装甲】にとって投げられたボールは並外れた速度とパワーを伴ってゴールへと向かう、土御門の言葉の意味に気付いた一方通行、浜面、服部が向かうが間に合わない。

「え? 何でプレイ止まぐえっ!!」

 全く警戒していなかった東原ごと絹旗のシュートはゴールへと吸い込まれた、開始わずか9秒で。

124:2011/04/15(金) 22:43:45 ID:WsbYqYno
ドームで覆面を脱ぎ捨てた【歩く協会】チーム。それに対する観客達それぞれの反応。
例えばスキルアウト達は・・・・

「浜面さんと話している奴らって『アイテム』だっけ確か?」
「3人いたってな確か。1人は浜面さんの彼女で俺達も見たことあっただろ?もう1人は浜面さんに2回程ぶっ倒された第4位。あれは3人目か?」
 もしこれを聞いたら麦野は直ちにこの少年を殺し、浜面はそれにプラス『今こそあんたをぶったおしてどっちが上かわからせちゃおうかねえーはーまづらー』っていう展開を予想して青い顔をしていただろう。
 比較的控え目な印象を与えるスキルアウトの少女が側の仲間に尋ねた。
「改めて見ますと、超能力者って何人いましたっけ?」
「ええと1位3位4位5位6位8位・・・・6人。」
「・・・・私達にとっては・・・・。」
「・・・・爆撃飛び交う戦場に裸一貫で踊り出るようなもんだろうな。
 人それを無謀という。」

「絹旗って大能力者よね。」
「ええ・・・窒素を使う・・・接近戦じゃ無敵のチート能力者って・・・ハア、ハア・・・」
「・・・・笹川中学(こっち)の体育大会や球技大会とんでもないことになりそうね。」
「うちって・・ウッ・・強能力者以上って他に・・・いましたっけ?」
「生徒会として全校生徒の名簿全部見ているから断言できる。いないわ。」
「・・・・球技はチームです、はい。ところで、ハア、麗奈様・・・・?」
「何、新坂?」
「(あ、機嫌悪い)僕何か悪いことしました?」
ドス!!
「さあ?」
 そう言って彼女は目の前の新坂少年の肩に肘を乗せ、黙って競技を観戦した。
 先ほどから関節技を掛けられ続けたことに加えて、先ほどのひざ蹴りによる背中へのダメージで涙目になっている後輩には目もくれなかった。
(これでも公衆の面前である分、椅子や足置きマットにしなかっただけましと思いなさい新坂。)

 そこからかなり離れた親子連れでは、社交界のマダムのような上品な感じを漂わせている母親が「綺麗な子たちねえ。」と【歩く協会チーム】の女子勢をほほえましく眺めていて、一方真面目なビジネスマン風の父親は、彼女らをついさっき渡された紹介と照らし合わせていた。
「『原子崩し』って試合に使うのかな。ビーム出す能力なんて。
 ・・・・ん?ナターシャ?」
「・・・・ハ!!あ、あれが一方通行さんですよぉほらあの白い髪と肌と赤い眼の人ぉ」
「え!?学園都市1位!?」
パンフで知った相手の正体に仰天する父は気付かなかった。自分の娘が気になっていたのはむしろ先ほど彼が気にしていた『原子崩し』の方で、セレナードが彼女を見て凄い形相でいることに。
(麦野・・・・やっぱりアイツか!!)
 セレナードは麦野とフレンダが大っ嫌いだった。
 能力や技術の差を鼻にかけて筆舌つくしがたいいじめをしかけてくるやら、暗部にひたっている自分達のことを棚に上げて人の家族をクズ呼ばわりするやら。
(幸いフレンダの方はあの日とうの麦野にぶち殺されてくれたし、あいつの方も無能力者に少なくとも2回は負けて隻眼隻腕になったとかで溜飲が下げられたけど。)
 あの麦野の腰ぎんちゃく。力のある奴には謙りまくるくせに自分より弱い奴をいびるのが趣味のような女のことだ。その下衆な八方美人の根性が裏目に出たんだろう。だとしたらなんともあいつらしい死に方だ。
(あーあ。誰か麦野・・・もう絹旗でもいいです。この試合の中でもう一度くらいぶっ飛ばしてくれませんかねぇ。確かあれが・・・・浜面仕上ですかぁ。あれじゃ少なくとも絹旗は無理そうですねぇ。)
 とりあえず一方通行と浜面仕上に、かなり邪悪なものも含めた期待を込めて彼女に対する憎しみを抑えると、そこでもう一人の顔見知りに気付いた。
(あ。ピュアシスター確か)

125:2011/04/15(金) 22:50:05 ID:WsbYqYno
ぶっ飛ばしてくれませんかねぇ→ぶっ飛ばされてくれませんかねぇ

126:2011/04/15(金) 22:51:25 ID:WsbYqYno
あと3位(美琴)は出ていなかったから5人でした。

127:2011/04/16(土) 12:16:30 ID:txgXpBBo
 急にそわそわし始めたインデックスに気付いたステイルは試合の中でさりげなく近づき声を掛けた。
「どうしたんだいインデックス?具合でも悪いのかい?」
「な・・・なんでもないんだよ・・・?」
「(トイレにでも行きたいのかな)試合は続けられるかい?」
「もちろん!続けるんだよ!」
 インデックスは体調に問題あるわけではなかった。
 彼女が落ち着かなくなってしまったのは、観客席を見てしまったからだった。
 絶対記憶能力と言う特殊な頭脳を持っている彼女は、街で見た人々の顔を皆覚えているわけで、特に少しでも関わったものの顔は絶対に忘れない。
 したがってこの満員のドームの中でも自分が見かけた者、関わったものの顔はすぐにみつかり、そしてその中には・・・・

 セレナードとインデックスの出会い。それはちょうど一方通行とインデックスのそれと同じようなものだった。
 道に迷って空腹でぐったりしている純白シスターさんを彼女と同じくらいの長さと色の髪の少女が拾い、空腹を健気に訴える彼女を側のレストランに連れて行ったのだが・・・・
「それでねそれでね。ステイルが今日も仕事でまた教会に1人ぼっちにされちゃってね。一応お金はたくさんあったんだけれど迷ってへとへとになっているうちにどんどん消えちゃったわけでね。そんなところにあなたが来てくれて凄く嬉しいんだよ。『喰わせ殺し』以外の料理も楽しめて新鮮だったし。」
 要はステイルとやらを初めとして面倒を見てくれている人達が仕事で構ってくれなくて1人ぼっちになりがちだということだった。この少女の口ぶりから察するにそれは「とうま」とかいう昔の人とところと変わらないいつものことらしい。
「まったくみんな薄情なんだよ。科学なんてわからない私をこんな街に一人っきりにしておくなんて。しかもこっちのおなかと背中がくっつきそうなほど留守にしておくか勝手に余計なことに首を突っ込んで傷ついて帰ってくるやらでとうま並みのおひとよしぶりなんだけれど心配される私の身にもなって・・・・」
「あんたさぁ。」
 それまでインデックスの愚痴を最初は割と親身に。途中から話し半分で聞いていた彼女は、耐えられなくなった風に切り出した。
「ん?なんなんだよ?」
「私はねぇ、『何かをしてくれるから』その人を好きになるってのはどうかと思いますけどぉ。」
「む?ステイルやとうまとはそんな関係じゃないんだよ。そりゃぁ・・・」
「だからってさぁ。


 相手が自分の為に何かしてくれるのを当然って思うのってどうですか?」


 そこで碧眼の少女は物音を立てない優雅な振る舞いで席を立ったのだが。
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
 緑色の瞳の少女は彼女に何か言い表せない感覚を抱いた。
 だがもし裏社会に身を置いていたか、人を見る目が磨かれた者がそのときの彼女を見ていたら察していただろう。


 この少女は、守られることや他人が自分の為にすることに対して死ぬほどの・・・・いや、死ぬことすら許されぬような苦悩を味わい続けてきたのだと。


「これ食べれる?」
「う、うん。食べられるんだよ。」
「じゃぁこれあげます。そろそろ私のサイフ的に限界なのでこれでぇ。安心してください。奢りですから。」
 こうして彼女は、全く手をつけないでいてかなり冷めた自分の料理をインデックスに譲ると、これ以上彼女と一緒にいたくないという風に伝票を持ってカウンターへと行った。
(食べる気ありませんよぉあんなの見たら)
 銀髪緑眼シスターの、品性や食べ物への敬意といったものが欠片なく、もはや『食べる』というより『貪っている』とでも形容すべき暴食ぶりを思い出してげんなりしつつ、かなり高くついた勘定を払った。
 彼女の方は、財布的にかなり痛手となったもののその後彼女のことを特に鮮明に思い出すでもなく普通に過ごし続けていたのだが、起こったことを忘れられない銀髪緑眼の少女の方にはいつまでもそれがわだかまりつづけることとなった。
こうして以後セレナードが教会と関わるようになった後も、インデックスは彼女の前ではまるで警察にたまたま遭遇した犯罪者かのように気まずい気分を感じ続けることとなった。

『アイテム』ほど彼女を邪険にすることこそなかったものの、人物の好き嫌いが激しい気があったセレナードは獄中の姉への手紙でインデックスについて
「全くシスターらしいところがなかった。」と書き、プライベートでは浦上に対して
「あの人(ステイル)は何であんなぐうたらでわがままで卑しい人を好きになったんでしょうか」と言っていたりしたことが確認されている。

128:2011/04/16(土) 12:22:31 ID:txgXpBBo
セレナードがレギュラーキャラ達に示した嫌悪感ですが
私としては「納得してもらえる嫌悪感」にしてみるよう心がけました。
同じ人物でも、見る人によって違う面を見せるというか、
麦野やフレンダが弱い者いじめをしていたりするのを「ありえそう」と感じてもらったり
インデックスに関するセレナードの評価に納得してもらえるのがとりあえずの目標です。

セレナードはまだ月夜と初春には会っていません。
特に初春とは、彼女に心酔してゆく様をなんとか描いてみたいです。

129:2011/04/16(土) 12:23:36 ID:txgXpBBo
『アイテム』ほど→『アイテム』に対するものほど

130:2011/04/16(土) 12:50:07 ID:txgXpBBo
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
    ↓
(な・・・・なんなんだよこれは・・・・?)

131Ψ:2011/04/16(土) 18:02:59 ID:tAxFpmmU
う〜ん……久々に来たけど余り言う事も無かったりww
けど☆さんにだけ一つ言うことが。
「・・・」では無くて、「…」の方に変えてくれると良いですよ。

132:2011/04/16(土) 19:24:16 ID:/Hmgqd3w
…ですね。わかりました。
Wordで打っていたのをコピーしていましたので。

あと集合<彼女のときもそうだったんですけど絹旗って今回
浜面に個人的に恨みでもあるんでしょうか?

133Ψ:2011/04/16(土) 22:04:38 ID:tAxFpmmU
いや、恨みというより浜面に対しては毎回そんな感じですよ。建宮の時と同じような感じだと。

134:2011/04/17(日) 05:36:47 ID:Qz3hhheM
いや、「最近超調子に乗っている」といっていたからなんのことかと。

135■■■■:2011/04/17(日) 08:30:45 ID:rxMbnCtU
青髪ピアスが学級委員な件

136ё:2011/04/17(日) 19:40:10 ID:B8YwhG1E
 絹旗が先取点を取ったことで決勝進出連合チームがはしゃぐ中、納得いかない吹寄が審判の災誤に詰め寄ろうとした。
 それを止めたのは絹旗をよく知っている浜面で、吹寄が納得出来るように説明を始める。

「絹旗の奴は直接ボールに触ってるわけじゃないから反則にはならないんだよ。あのパワーも全部あいつの能力の賜物ってやつだ」
「(だとしたらあの子は念動力系の能力者って所ね、しかもかなり強力の)分かった。説明ありがとう浜面」
「浜面の奴、吹寄にありがとうって言われてやがる……。くそっ、こっちも負けてられん! 吹寄にあの絹旗って子の情ほヒッ!」
「余計なコト喋ンじゃねェ。テメェが五体満足でデコ女とデートしてェならなァ」

 情報屋が何かを言おうとしたことに気付いた吹寄だが、一方通行が肩に手を回して脅してるのを仲良くしてるのだと勘違いしてその場を離れた。
 その一方で、絹旗の【窒素装甲】による殺人シュートをまともに喰らった東原を心配してるのは上条と野原のみ。

「お、おい大丈夫か? 東原。さ……あの子のシュートのダメージが酷いなら土御門に言って交代」
「だ、大丈夫だ、か、上じょゲホッゲホッ! こ、これくらい、し、白雪との練習で、な、慣れっこだし、ここで交代したらお、女の子に、モテねぇよ」
「よく言った東原! その頑張る姿に試合会場の女の子の何人かは感動してるはずだ! よし、俺も負けてられん。女の子にモテる為にも!」
(野原も東原も何であそこまで女の子にモテたいって思うんだ? 俺には分からんな。ま、モテたことなんて一度も無いわけだけど)

 熱血のベクトルを間違った方向へと向けてる東原と野原を見て上条は口に出してたら周囲からリンチに遭いそうなことを考えていた。
 そして試合が再開される、上条チームのボールで。

「さて、さっきは油断したけど今度はこっちの」
「言ってるそばから油断とは余裕ですね、とミサカは第五位へと立ち向かいます」

 ボールをキープしてる白雪に挑む御坂妹、能力の強度に差はあるが一対一を制したのは御坂妹だった。
 ミサカネットワークで得た効果的なプレッシャーのかけ方でパスを出せない白雪に放電で目くらましをし、その隙にボールを奪うという手段で。

「め、目がっ! ちょ、ちょっと今のはズルイよ!」
「油断してる方が悪いのです、とミサカはさらっと抗議を受け流します。それにこの程度で喚いていては試合には勝てませんよ」
《妹さん、ボールを五和さんへ。こちらの臨戦態勢を完全なものにする為に》
《了解です、とミサカは第六位ことメン子さんの指示に従うと共に念話もミサカネットワークでの会話もさして変わらないかもと感想を口にします》

 御坂妹はメン子呼ばわりされたことで喚いている心理掌握を無視して五和へとパスする。
 パスを受けた五和は全身で感じ取っていた、自分に対して視線が集まり、力が漲ってくるのを。

(周囲の期待の視線を自分の力へと変換するこの術式、上手く機能してますね。上半身メイド、下半身ブルマーの注目を集める服装が功を奏しました)
「おーい邪道メイド。さっさと攻め込めよ。あんたがしくじっても私らがフォローしてやるからさ」
「……上着を下乳がギリギリ見える所まで着崩してる貴女に邪道って言われたくありません。では天草式十字凄教五和、参ります!」

 変則的な強化術式を組み込んだ上半身メイド下半身ブルマーに身を包んだ五和、いつも以上の運動性能を発揮して相手ゴールへと疾駆する。
 ただでさえ強化されてドリブルのスピードが速い上に、鋭いフェイントで翻弄する五和は白雪、茜川、翔太、浜面、服部をあっさりと抜いた。
 見事な五和のプレーに観衆が湧き立つ中、一方通行が不敵な笑みを浮かべて五和の前へと立ちはだかる。

137±:2011/04/18(月) 16:10:59 ID:VDVAHm6A
えーと……どうもお久しぶりです………
ようやく時間ができたためここに来ることが出来ました
だけどもう暫く忙しそうなのでたまにしか来れませんが、来れるときに頑張ろうかと思います……
――――――――――

「ふン、この教育上よろしくなェ変態メイドがァ、でしゃばってンじゃねェぞォ!」
「例え白モヤシでも今の私は止められませんよ!……覚悟!」
「だったら見せてやるよォ……学園都市最強のフェアプレイって奴をよォ!!」

 一方通行はそう叫ぶや否やその場で足踏みをし、ベクトル変換で辺りの土を宙に巻き上げた。
 当然、そんな事をすれば五和のキープするボールは宙を舞い、更にその土埃のせいで五和の姿は観客には見えなくなってしまった。

「しっ…………しまった!!!」
「どォした、変態メイドォ!さっきまでのキレがねェぞォ!!」

 そう、一方通行の巻き上げた土埃によって五和の姿が見えなくなってしまった事により五和が用いていた自分に向けられる視線を力に変える魔術の効果が薄れたのだった。
 当然ながらそんな魔術だとは一方通行が知るはずもないが、やはりそれは運が良かったのだろう。

「はン、このままゴールまで一直線だァ!」

 そのまま一気に加速する一方通行。
 いきなりの加速にディフェンス陣は呆気にとられ、その隙に一方通行はゴールを目指した。

「おい、第六位!ソッチ行ったが大丈夫か?」
「アク様が…………アク様が私のもとに向かってきているぅーーー!」
「こんな第六位で学園都市は大丈夫なのでしょうか?とミサカは今気付いた不安を口にだしてみます」

 御坂妹が呟いた不安の通り、大丈夫ではなかった。
 何故なら現在心理掌握は一方通行に見とれている。
 つまり一方通行が蹴ろうとしているボールの軌道やらを全く見ていない。

「コレが学園都市最強のフェアプレイって奴だァ!!」

 当然、そんな事になればシュートはド真ん中にでも行かなければ普通に決まってしまうのだった。
 コレにより開始1分で上条チームが得点、スコアは1―1と降り出しに戻った。

138:2011/04/18(月) 20:03:41 ID:fqm/5SEw
 序盤からの能力による激しい攻防。だが、この攻防を通して一番評価が上がったのは大能力者のシュートを(得点にはなってしまったものの)能力を使わずに受け止めて
そのまま試合を続行させるという根性を見せた東原だったりする。

139ё:2011/04/19(火) 09:23:06 ID:qBDTR.QQ
東原は絹旗のシュートを受け止めたわけじゃなくて、無警戒で反応できずにボールごとゴールへ突き刺さっただけですが。
あと根性の根源が女の子にモテたいだけなのである意味、欲まみれの執念かと。

――――――――――

「アク様が私に、アク様が私にきゃんっ!」
「はいはいトリップは試合が終わってから。こっちも一方通行のノーモーションの加速に反応出来なかったから大きいことは言えないけどね」
「俺はあの第一位の一方通行が真っ正面から突っ込んでくるっつー根性入ったプレイに関心してただけだ! 次はちゃんとやるから任せとけ!」

 夢見心地の心理掌握をチョップ一発で現実へと引き戻した結標、自身の油断に反省しつつ削板の態度に若干呆れていた。
 そこへ残りのチームメイトが集まってきたのを確認した心理掌握はインデックスに尋ねる。

「インデックスさん、相手チームの行動パターンを完全に記憶するのに時間はどれだけ有しますか?」
「う〜ん、20分あれば何とか。よく知ってる人達なら時間はかからないけど、あまり知らない人も居るから」
「分かりましたわ。皆さんも相手チームのプレーを多く引き出すようにご協力、お願いします」

 心理掌握の謙虚な態度にチームメイト達は頷くと、迅速にポジションへと就く。
 そして決勝進出連合軍のボールで試合再開、反撃が始まるかと思われたが、

「ハッ遅ェ! そンなハエが止まりそうな動きしてンじゃねェよ!」

 足元のベクトル変換を使っての鋭いスライディングで御坂妹からボールを奪った一方通行に阻まれる。
 すぐさま五和、エツァリ、ショチトル、麦野が一方通行に詰めようとするがインデックスがそれを制する。

「そのまま行かせて。白い人のプレースタイルを確認したいから。それにゴールならさいあいが向かってるしぐんはも居るから大丈夫、シュートは防げるんだよ」
(これが一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶している禁書目録ですか。見た目と違い、冷静な判断力を持っているとは実に頼もしいですね)
「エツァリ、私達は絹旗たちが止めたボールを受け取るためにこのまま待機だ。前線は既に五和と麦野が上がっている」

 エツァリとショチトルは絹旗と削板を信じてすぐにボールを受け取れる場所まで下がり、五和と麦野はいつでも攻められるように上がっていた。
 そんな相手チームの動向などお構いなしな一方通行は完全フリーの状態でシュートを放つ、コースは真っ正面に。

「これで2点目ェ!」
「それはどうでしょうねアクセラ! 私が居るかぎりはそう簡単にゴールはぬぐっ! うおおおおおおおおおっ!」
「口だけは達者じゃねェか絹旗ァ! けどテメェに【窒素装甲】があってもその小せェナリじゃあボールは受けれても止められやしねェンだよ!」

 一方通行のシュートに立ち向かう絹旗、シュートこそキャッチ出来たもののシュートの威力に体が押されてしまう。
 何とかグラウンドに足をつけてふんばって威力を殺そうとするもそれだけでは足りず、なおも押される絹旗の真後ろに削板が現れる。

「よく踏ん張ったな絹旗、いい根性してやがる。後は俺が根性入れて踏ん張ってやるからお前はボールをグラウンドに叩きつけろ!」
「超了解です! やあっ!」

 削板の指示通りに絹旗が無理矢理ボールをグラウンドに押し込めるように叩きつけると、削板は両足に力を入れて絹旗を支える。
 その結果、PA(ペナルティエリア)まで2人の体は持っていかれたもののシュートを止めることに成功した。
 一瞬の沈黙の後、スタジアムから大歓声が湧き起こる中、絹旗はグラウンドに半分埋まってしまったボールを引っこ抜いてエツァリへと渡す。

140:2011/04/19(火) 21:32:09 ID:FvYKWmjU
観客からの視点ではそんな感じかなと。

141±:2011/04/20(水) 18:13:40 ID:x1TEhjp2
「エツァリさん、超パスです!」
「任せてください、絹旗さん!」

 そう言って絹旗からパスを貰ったエツァリはすぐさまボールを持って敵陣へと駆け上がった。
 一方の上条チームは一方通行が止められた事に驚きながらもすぐさま態勢を立て直し始めた。

「浜面、半蔵、出番よ!」
「分かった吹寄!行くぞ浜面!麦野を止めるぞ!!」
「分かった……って何で麦野行き!?」
「いいから行かんか!」

 麦野を止めに行けと言われて戸惑う浜面。
 しかし吹寄の一喝で恐怖心を捨てて半蔵と共に麦野を止めに行く。

「(ん?このままだと私と浜面の1対1!これはチャンス!)おい、エツァリ!コッチにボールをまわせ!」
「(なんという自信………コレなら!)分かりました!いきますよ!」

 浜面と戦えるという事だけに目をつけて麦野はエツァリからボールを要求。(半蔵はアウトオブ眼中)
 それを見たエツァリはその並々ならぬ自信にかけてあえて2対1の麦野へとパスをだした。

「やっと1対1で戦えるなぁー、はーまづらあ♪」
「いやいやいや、半蔵もいるから2対1だ!」
「そんな奴知らねー、失せろ!」

 そう言って麦野は向かってきている半蔵が通るルートの地面に【原子崩し】を放った。(当然言われたとおり威力は加減したが)
 だがしかしそれでも威力は高く、グラウンドの土が持ち上がりさすがの半蔵も足を止めた。

「すまん、浜面!1対1で頼む!!」
(クソッ!こうなったらやるしかないのか!?)

 浜面は意を決して麦野との1対1へと挑む。

142ё:2011/04/23(土) 21:40:19 ID:az1GoChw
「どーしたどーしたはーまづらぁ。遠慮しないで私からボール奪いに来いよ」

 浜面と麦野の1対1の構図が出来上がって3分、お互いに動く気配を見せずに膠着状態に。
 麦野の場合はこのシチュエーションを楽しんでいるだけなのだが、浜面の方は全く違っていた。

(どうする? ここは素直に麦野の挑発にのるべきなのか? いや、ここで動いたら麦野の思う壺だし……)

 学園都市で一番麦野のことを知っている男子こと浜面仕上、彼の頭に麦野に対する油断はこれっぽっちも存在しない。
 そして本来気の長い方どころか超の付くほどの短気の麦野が行動に移る。

「てめぇ浜面ぁ! さっさと私を攻めろよコラァ! この1対1で私が勝ったら私の右胸、浜面が勝ったら私の左胸を好きにしていいんだぞ!」
「何だよその俺に全く得のねぇふざけた提案は! いや別に麦野の胸がダメ胸ってわけじゃなくてだな、俺には滝壺がうおっ! な、何だぁ!」

 浜面が驚くのも無理は無い、この2人のやり取りを見て観客から物凄い歓声が聞こえてきたのだ。
 とはいえ、男による浜面への嫉妬に塗れた罵声や怒号が半分以上を占めているのだが。
 そして浜面と麦野の1対1の構図を打ち破る者が現れる、青ピの次に上条のクラスの変態こと野原である。

「はーまーづーらー! 俺と代われーーっ! そんでもって俺がその美人のお姉さんの両胸をーっ!」
「また野原君は吹寄さんの男の子のイメージを落とすよーなことを! 衝撃波はもったいないしそれに今のこの状況なら……いけるかも♪」

 野原の欲望まみれの突貫を防ごうとする茜川、今の大歓声(大ブーイングとも言う)に包まれたスタジアムにあることを閃く。
 そして上条、一方通行、白雪に耳をトントンするジェスチャーをした後で、

「野原君ストーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!!!!!」

 野原を諌める言葉に紛れて【鼓膜破砕】による超音波の大声を炸裂させた。
 超音波の大声に対処出来なかった麦野は脳を揺さぶられて能力を行使するどころかまともに動くことすら出来ずにいた。
 それは浜面も同じ、というか敵も味方も観客も茜川の大声に目を回していた、3人を除いては。

「やるじゃねェか茜川のヤツ。さすが白雪のマブダチ、能力もすっかり凶悪になってンなァ! ホラよ上条ォ!」
「任せろアクセラ! この逆転シュートを美琴に捧げるぜ!」
「よしアクセラくん後で殴る♪ けど今は上条くんの逆転シュートのフォローをしないとね、とりゃー!」

 茜川からのサインを受け取った上条は【幻想殺し】で、一方通行は超音波の大声をベクトル操作で相殺、白雪は雪の耳栓で事なきを得ていたのだ。
 一方通行が脚力のベクトル変換で麦野の距離を詰めてボールを奪って上がってきた上条に絶妙のパス、パスを受け取った上条はダイレクトシュート、そのシュートに白雪が雪でコーティングするという協力プレイを披露。
 雪でコーティングされた上条の強烈シュートだが立ちはだかる者が居た、超音波のダメージから何とか立ち直って炎剣を構えたステイルである。

143±:2011/04/24(日) 13:03:00 ID:CNekwKEE
「悪いが…………シュートは入れさせない!」
「すっ、すているっ!」
「インデックス、ここは僕に任せてくれ。―――僕は君のために生きて死ぬ!」
「いや、ただシュートを止めるだけだから死なないと思うんだよ」

 そう言ってステイルは颯爽と飛んでくるシュートのもとへと走り出す。(インデックスの呟くは耳に届いてない)
 ぐんぐんステイルとボールの間の距離が縮まっていき、ステイルは炎剣で勢いがころせると確信した。
 しかし、そんな幻想は粉々に壊されてしまった。

「「―――がはっ!!」」
「ビックリなんだよ!倒れていたえつぁりにつまづいてすているが転ぶなんて」
「エツァリ!君は何でこんな所に倒れている!」
「そんな事よりステイルさん!ボールは!?」

 シュートばかり意識していたため、足下を見ていなかったステイルは【鼓膜破砕】で倒れていたエツァリにつまづいてしまった。
 そしてエツァリに言われて上条のダイレクトシュートの事を思い出すステイル。
 振り返ってみるとゴールへと向かって凄い勢いで飛んでいくボールが見えた。

「しっ、しまったーーーぁ!!!」
「大丈夫なんだよ!まだ最後の壁があるんだよ!」
「「最後の壁?」」

 その場にいたエツァリとステイルはインデックスが指している最後の壁たる人物が思いつかなかった。
 しかし、すぐにそれが誰なのか分かった。

「ステイル!インデックス!エツァリ!あとは俺の根性に任せろ!!」
「「「削板(ぐんは)(さん)!!!」」」

 この時一瞬削板軍覇は誰よりも頼もしいと、『歩く教会』チーム全員が思った。
 そう、一瞬である。

「すごいパーンチ」

 そう言いながら削板は飛んできたボールを殴りつけた。
 一瞬にして会場が静まり返った。

「ハンドッ!」
「えっ、何でいきなり試合が止まるんだ?」
「何やってんだ、お前ぇーーー!!!」×10

 次の瞬間、『歩く教会』チーム全員による削板しばきあげタイムに突入した。

144:2011/04/24(日) 21:17:18 ID:yclSzFSg
「痛ってーあの馬鹿ゴエ女。観客(俺達)まで巻き込むことはねえだろ。まだジンジンする。」
「なんかそうしている間に凄いことが起こったっぽいようですね。」
 スキルアウト達が気絶から除々に目を覚まし、口ぐちに赤音への不平を述べた。
 彼らだけでなく観客全体にもそういった不満はうずまいていたのだが、ついさっき自分達の安全が保障されないことが証明された今、明からさまなやじや怒声を飛ばしたりすることなく、ヒソヒソガヤガヤと言い合う程度であった。
「得点に変動はないようだが…ん?ナンバー8にイエローカード?」
「ハンドですよ。」
「おっ。新坂。」
「皆さん大丈夫ですか?ちょっと早く眼覚めたんですが、起きていたのは上条当麻と一方通行と第5位だったみたいですよ。」
「ああ、『幻想殺し』は何か能力が効かないようだし一方通行も音のベクトル反射したんだな。第5位はどうしたんだろ。合図でもしていたのかなあらかじめ。」
「よくそんなの見れたなお前。」
「ええ、こういうのからの立ち直りは早いんですよ。」
「やっぱりあの女王様に苛められまくってるからか?」
「えっ!い、いえ、そう、なのかな……あっ。そういえば麗奈様ですけど。」
 そう言って少年が目を向ける先には未だ気絶していた麗奈がいた。
 なんというか、目がなるとになってもおかしくなさそうな気絶ぶりだった。
「まだ目覚めないんですよね。よっぽどショックだったみたいで。」
「ああ、Sって打たれ弱いって聞くから。」
 誰も気付いていないが、新坂はごくっと生唾を飲み込んでいた。
 普段から無敵に感じていた麗奈がふいをつかれたことによってさらけ出した、普段見ない無防備な姿の斬新さに、
さしもの草食系少年もざわめいたのだ。
「フウ。仕方ないですね。」
 彼はとりあえずゴロン、と彼女を寝かせてその頭を自分の膝に乗せた。
 数分後、膝枕に気付いた部長が顔を真っ赤にさせた直後、観客席のある方面からとんで
もない轟音が響いてきて、とある少年の幻想殺し並みの天然ジゴロ&不幸体質が発揮されることになるのは別の話。

145読者:2011/04/25(月) 22:17:50 ID:yYrzLdb.
おお〜
結構進みましたね〜
すごく面白いです!!

質問なんですけど、Wikiのほうって更新しないんですか?
『エツァリ』でとまってますけど・・・

146ё:2011/04/26(火) 21:44:29 ID:L.ir0.C.
読者さんの言葉はこちらとしても凄く励みになるので嬉しいです、ありがとうございます。
Wikiの方は……そちらに掛かるほどの余裕がまだ作れない状況なので。
他の方もやられてるようではあるんですけどね。

――――――――――

 削板がハンドしたのは上条チームにとっては幸運なことにPA内だったのでPKを獲得。
 とりあえず削板しばきあげタイムを終了させた決勝進出連合軍改め【歩く教会】チームが削板に指示を出してるのを見ながら、

「じゃあPKは情報屋に任せる。みんなもそれでいいよな?」

 上条の一言で情報屋がPKを蹴ることを提案、殆どのチームメイトが情報屋の事情を知っているだけにあっさり賛成。
 情報屋の事情を知らない東原と野原は一方通行と白雪が黙らせ、吹寄の方は上条自ら説得して納得させた。

「ついてますわね。てっきりアク様か白雪さんが蹴るとばかり思ってましたわ。失礼ですが名前を存じ上げないあなたが相手なら止められるかもしれません」
「……さすがにその2人と比べられるのはキツイけど能力が戦闘向きじゃない心理掌握ならいける! ……かも」

 自分に対する心理掌握の評価の低さに凹みつつも、情報屋は同じ精神系能力者なら運動もさほど得意では無いと前向きに考えた。
 そしてPK、情報屋は左上ゴール隅のギリギリの所に奇跡的にシュートを放ち、誰もがゴールを決めたかと思われたが、

「はっ!!」

 心理掌握の華麗なダイビングキャッチに阻まれてしまう。
 ここで勘違いの無いように言っておくが心理掌握は運動神経が悪いわけではない、むしろいい方である。
 しかし今までの自分から手を下さないスタイル=本人は運動出来ない人のイメージが世間では固まっていただけに過ぎないのだ。

「ふうっ、能力を使わずに相手のシュートコースを読むのは苦労しますわね。ダイビングキャッチのせいで顔が汚れてしまいましたが……悪くないものですわ」
「やったねめんこ! 逆転されるピンチを防いでくれてとっても感謝してるんだよ!」
「イ、インデックスさん! わ、私のことをそのように呼ぶのは」

 試合開始前に翠嵐が控え室にやって来て心理掌握のことをメン子呼ばわりしたことで、チーム内でも数名がメン子のあだ名が浸透することに。
 心理掌握は何度もメン子と呼ぶインデックスに再度注意しようとするが、他の皆もメン子と呼びつつも労ってきたので仕方なく受け入れることにした。

「削板さん、あなたのその、すごいパーンチ、でしたか? 直接殴らなくとも衝撃を撃ち出せるのですから今度からはお願いしますわよ」
「任せとけメン子! どんなシュートだろうと俺のすごいパーンチと根性で吹っ飛ばしてやるぜ!」
「他の皆さんはインデックスさんの解析が終わるまで引き続き相手チームのプレーを引き出すように心がけて下さい。麦野さん、今は自制なさって下さいませ。これも勝つためですから」

 他の皆がポジションに付く中、麦野が少し渋っていたが解析が終了したらいくらでもと心理掌握が約束してくれたので納得してポジションに付いた。
 ダイビングキャッチのせいで付いた汚れを気にする事無く、心理掌握はボールをエツァリへと投げて渡す。
 心理掌握の今のプレーで観客が上条チームよりも【歩く教会】チームに好感を持ちつつあるのだが、それが表面化するのは少し先のことである。

「さて、先ほどは麦野さんに渡しましたが今度は自分たちで攻めましょう、ショチトル」
「分かってる。だが忘れるなよエツァリ、相手チームのプレーを引き出すことも大事ということを」

 ショチトルの言葉に返事をする代わりに頷くことで肯定の意を示したエツァリは、浜面と服部のコンビネーション並みに息の合ったパスワークで上条チームゴールへと駆け上がる。
 しかも上条チームのディフェンスを引き出すように攻め上がる様子は見事としか言いようが無いほどである。
 そしてエツァリは浜面と麦野の間に割って入ろうとした野原がブロック出来るようにシュートを放った、目的は野原の能力を使わせる為である。

147±:2011/04/27(水) 21:46:49 ID:dPewwEgU
「はっ!そんぐらい楽勝だぜ!」

 そう叫びながら野原はシュートコース内に動いて【襲撃緩和】を発動、ボールの勢いを緩和してボールを手に入れる。
 野原はそのまま前線へと駆け上がり始めた。

「野原!コッチにパスよ!」
「了解だぜ、吹寄!」
「フォローは任せてー」

 サッカー内で一気に攻め上がり始める元バレー組の吹寄、茜川、野原。
 意外とコンビネーションのいい3人にディフェンスの削板と結標は翻弄されていた。

「あー、あそこまでボールが動き回られると【座標移動】の狙いがつけられないじゃないの」
「くっ………なかなかな根性だ……………敵ながら天晴れだ!」

 そんな風に2人が惑わされている間に、颯爽と抜き去る3人。
 そしてシュートに対し茜川が2人に提案する。

「ねーねー、バレーの練習中にボツにしたさー、アレやらない?」
「えっ………アレって俺がダメージおってしばらく手が使えなくなったアレか?」
「ああ、バレー的には反則のアレね。分かったわ、フォローはするからやるわよ茜川さん」
「えっ!マジでやんの!?俺はまだ――」
「いいから、さっさと配置につきなさい野原」
「は、はい………」

 あんまりやりたくない、と言いたげながらも野原は仕方なくゴールに背を向けた。
 当然、能力を使用してない心理掌握には野原の意図は読めなかった。
 しかし、心理掌握の直感が告げた。――あれはマズい。

『結標さん、今すぐゴール前に絹旗さんと削板さんの転送を!絹旗さんと削板さんはディフェンスの準備を!』
「分かったわ」
「超了解しました!」
「任せろ、俺の根性にかけて!!」

 削板達に念話で作戦を伝えて準備を終える心理掌握。
 しかしそれと同時に元バレー組も準備を終えた。

「よーし、行くよー野原君ー♪」
「あーもうヤケクソだぁー!どんとこい!」
「よし………行くわよ!」

 そう吹寄が合図をするとともにボールを上へと蹴り上げた。
 それと同時に茜川は野原に向かって走り出し、野原はまるでアンダーハンドパスをするかのように手を構えた。
 そして茜川は野原の手に足を乗せ、それを野原が茜川の身体を思いっきり上に向かって打ち上げた。

「食らえ、必殺のオーバーヘッドシュート!ワッ!」

 そのまま空中でのオーバーヘッドキック+【鼓膜破砕】による衝撃波を加えた高速シュートを放つ茜川。

148±:2011/04/27(水) 21:47:15 ID:dPewwEgU
 しかしそのゴールとの間には【座標移動】で飛んできた絹旗と削板が立ちふさがっていた。

「2点目は超あげませんよ!」
「絶対に止めてやる………俺の根性で!」

――――――――――

自分が削板を使うと何故か所々に根性ってワードがはいるな………
削板って本当にこんなのでよかったっけ?

149:2011/04/28(木) 00:20:36 ID:TWbHDf.c
「ん?」
「あっ気付きましたか?」
 目に飛び込んできたのは日陰が指している物の慈愛に満ちた笑み。
「!!!!!!!!!!!!」
 ガンッ!!
 直後、自分が想い人に膝枕されているという状況を察知して、
彼に盛大な頭突きをくらわすことになるのも構わず猛スピードで起きあがった。
「わわわわわわたしわたしわたしわたしどどどどどどどうしどうし」
「イタタタ・・・・おおおおおお落ち着いてください麗奈様」
「やめろって苑内!」
 らしからぬパニック状態で暴れまくる彼女を、不良集団達が必死で引き押さえるという
普段とは逆のシチュエーションが展開され、ようやく静まった麗奈に、周囲の者達が事情を説明してやったところ・・・。
「あれ?どうかしましたか?」
(よ・・・・よりによって新坂や、(不良共)あいつらの前で・・・・しかも、しかも、その後、膝枕なんか・・・・)
 顔から火が出そうになってジッとうつむく麗奈。そんな彼女の心配を、少年は変な風に察した。
「しっ心配いりませんよ。皆さん試合に集中していますから麗奈様が見つかることは・・・。」
「違うわよ馬鹿!」
 あれ?違ったかな?といった表情を見せた新坂。
 彼らはその関係を知られないように、外を連れ立って歩くときは麗奈は普段の巻き毛をまとめて軽く化粧を施したりし、おしゃれに興味がない新坂の方も、軽く服装なんかを変えたりしていて、彼女達2人の関係を知っているのは、皮肉にも彼ら2人と幾度となく抗争を繰り広げているスキルアウトや不良達だったりする。もっともそれは、「そんじょそこらの風紀委員を凌駕する最強カップル」としての恐怖の対象としてのものだったが。
 未だ気持ちの整理がつかずうつむき続けている少女の様子にスキルアウト達も戸惑っていた。
 もっともそれは大抵男子で、女子の方は「まったく男ってやつは」といった表情を浮かべていたが。

ポン

 肩に置かれた手に顔を上げると、ある意味混乱の原因となっている少年が、しかしそんな自覚などなく穏やかな笑みを浮かべて言った。
「見ましょう。」
「は?」
「ほら、試合。いまいいところなんですよ。」
 そこでようやく試合を見るためにグラウンドに顔を向けると、なんだかものすごいシュートを2人の能力者が止めようと壁と作っている所だった。
「どっちが勝つか。あなたと私の賭けはまだついてないでしょう?まだ1対1なんですよ。」
 その言葉を聞いたとき、それまで心ここにあらずといった表情でいた麗奈の心に再び負けず嫌いと興奮の火がついた。
「ふっ・・・ふふふふふ・・・・確かにね。見ものねほんと。
 止めれるかしらあのシュート?」
「2人とも力強いですからねえ。」
「あら、でももうひとひねりくらい・・・そう!そこよ!」
「あっ取って取って!!」
 別々のチームを応援して興奮しまくっている両者を見て、スキルアウトはとりあえず騒ぎが収まったことにほっとした。
「やれやれ。」
「それにしても隅に置けないわね新坂君も。」
「結局気絶前より彼女と盛り上がってるもんね。」
「ほんのときどきすごいとこあるよなあいつ。」
「なんだかんだで肝心な時にあの女王様を上手く手なずけてるもんな。」
「普段は下僕っぽいんだけどね。」
「まあ・・・災難に遭いやすいことは確かだな。。」

150:2011/04/28(木) 00:23:08 ID:TWbHDf.c
いいと思いますよ。

151ё:2011/04/28(木) 21:09:56 ID:x01fUnjQ
 自分と同じ中学の生徒が騒いでることなど全く知らない絹旗、茜川の衝撃波が加わった高速シュートを迎え撃つ。
 絹旗は考える、この試合を更に盛り上げ、どこかで応援してるであろう美琴、初春、佐天が喜んでくれそうなプレーを。

「(見た目のインパクトやカウンターの威力を超上げることを考えたらこれでしょう!)どっせいっ!!」

 なんと絹旗は向かってくるボールを【窒素装甲】の右ストレートで思いっきり殴りつけたのだ。
 このまま一気にカウンターシュートを決めようとするが茜川のシュートの威力が予想以上に大きく、その場でせめぎ合うことに。

(くうっ! あの人のシュート、アクセラには及ばないにしても超パワーあるじゃないですか! このままでは……)
「最愛さんガンバレー!」
「負けるな最愛ーっ! あたし達が付いてるぞーっ!」
「最愛、あんたは私と当麻の義理でも自慢の妹! 私達が誇れるプレー、見せなさい♪」
「(聞こえた、超聞こえました! 飾利と涙子、そしてお姉ちゃんの超応援が! これで超漲ります!)ぬおおおおおおっ!!」

 自分のプレーで歓声が再び大きくなって普通は聞こえない美琴、初春、佐天の応援が絹旗には聞こえた、決して空耳などではない。
 3人の応援が絹旗に活力を与え、ボールとの互角のせめぎ合いから徐々に絹旗が押し始めると、

「削板さん! 私がボールを超殴り飛ばしたらすごいパーンチを撃って下さい!」
「了解だ! そんな根性あるプレーを見せたんだ、俺も根性入ったシュートくらいは見せねぇとなぁ!」
「じゃあ超いきますよ、ぬおりゃーーっ!!」
「すごいパーンチ!!」

 絹旗が撃ち返したボールを削板が上手くタイミングを合わせて【念動砲弾】を撃ち出した結果、とんでもないカウンターシュートが発生。
 【窒素装甲】のパワー+【念動砲弾】のパワーが加わったシュートが上条チームのゴールへと襲い掛かる。
 型破りにも程がある絹旗と削板のコンビのシュートに上条チームの殆どの者が反応できない中、主人公たる上条がPA内で立ちはだかる。

「やるな最愛、それと削板! けどこのシュートで逆転するって幻想があるならそんな幻想、この俺がブルゥヘ!」
「アッチの根性バカと同じことやろうとすンなバ上条ォ! チッ、体勢が不安定だが何もしねェよりはマシだからなァ! うおりゃっ!!」

 キャプテンになったことでテンションの上がってる上条、考え無しにシュートを右腕で殴り飛ばそうとしていた、【幻想殺し】が発動しないのに。
 それを阻止したのは上条を横から右の飛び膝蹴りでぶっ飛ばした一方通行、その際に左足を出してシュートの軌道を変えることに成功。
 おかげで軌道が逸れてゴールの外へとボールは飛んでいくはずだったのだが、

「さすがです白い人。ですが私をフリーにするのは甘いとしか言いようがありませんよっと!」
「詰めが速いっ! くそっ、届けっ!」

 五和が猛ダッシュで詰めていて、力強い跳躍でヘディングシュートを放った。
 キーパーの東原が反応出来ていたが、五和のヘディングシュートの速度が速くて後一歩の所で間に合わず逆転ゴールを許してしまう。
 前半15分、再びリードをもぎ取った【歩く教会】チームが五和を中心に喜ぶのとは対照的に、上条はさっきやろうとしていたプレーについて吹寄に説教されていた。

152:2011/04/28(木) 23:06:30 ID:yMqn2GzU
外伝の方も、見直しが終わったら明日にでも投下できそうです。
読んでいる人は楽しみにしてください。

・新坂礼男
 (上条さんの不幸&フラグ体質+浜面の下僕気質+真夜の性格)÷3
みたいな人と考えてください。

153±:2011/04/29(金) 11:33:12 ID:xiFFffuc
「上条!貴様何やっている!!」
「ギャーァッ!ゴメン!吹寄ぇーーっ!」

 まるでついさっきの削板のように吹寄にしばかれていく上条。
 その様子を見て、野原は恐怖におののきながら情報屋に聞いた。

「なあ、紫木………お前一体吹寄のどこに惚れたんだ?やっぱり胸――」
「ちっがーーう!そこじゃない!俺は吹寄の優しさに惚れたんだ!断じて身体じゃない!」

 吹寄の魅力が身体とか言い出す野原に珍しく情報屋はキレ、大声で吹寄の魅力について叫びだした。
 無論、そんな大声では辺りに聞こえるため、ちゃんと吹寄にもその叫びは届いていたりする。

「………あの馬鹿……」
「ふ、吹寄さん?顔赤いでせうよ?もしかして情報屋の事―――」
「―――っ!だっ、黙れー!」

 情報屋の愛の叫び(?)を聞いて、顔を真っ赤にした吹寄。
 その様子にしばかれつつも茶々を入れた上条はそのまま照れ隠しの頭突きをくらうはめに。

「い、いいか、上条!金輪際あんな事はしようとするな!そしてついさっきの件についての話題には触れるな!分かったな!」
「はっ………はいっ!」

 そして試合再開のホイッスル。

「とられたら取り返す………行くぜ翔太!情報屋!」
「うん、行こう!」
「ついさっきのPKが決まっていれば逆転されなかったんだ……俺も行くぜ!」

 先ほどミスを取り返すため、攻めあがる上条とそのフォローにあがる翔太、そして情報屋。
 その3人を警戒してか、心理掌握は絹旗と削板に指示をだした。

『絹旗さん、削板さん。2人は自陣ゴール前で待機を!このまま守りきりますよ!』
「攻めあがれないのは残念ですけど……超わかりました」
「うーん、それが指示ならしょうがねえ……」
『エツァリさんとショチトルさんは2人であの3人のもとへお願いします』
「分かった。……行くぞエツァリ」
「ええ、行きましょう」

 心理掌握の指示に従い絹旗と削板は自陣ゴール前で待機、エツァリとショチトル上条達のもとへ向かった。

「さあ、上条当麻!僕達の因縁に決着を!」
「お前に恨みはない。だがここを通す訳には行かない」
「エツァリにショチトル!例えお前らが強くても俺達3人には勝てないぞ!なあ、情報屋!翔太!」
「ああ、そうだな!上条行くぞ!」
「じゃあ足止めは僕が!それっ!」
「くっ……!足元に火が!」
「コレでは進めん……」

154±:2011/04/29(金) 11:33:52 ID:xiFFffuc
 翔太は【火炎地獄】によってエツァリとショチトルのまわりのグラウンドを燃やす。
 その火によって2人は思うように進めなくなってしまった。

「ナイスだ、翔太!」
「うん、でもまずは同点にしよう!それっ!」
「なっ!超いきなり炎の壁が!」
「まさか……俺の熱い思いが俺達のまわりに炎を―――っ!」
『そんな訳ないでしょう!敵の能力です!』

 今度は【火炎地獄】を使って絹旗、削板のまわりに炎の壁を作り出す。
 2人が呆気にとられている間に一気にゴール前に3人は攻めあがった。

「よしっ!決めてこい、情報屋!」
「おっしゃぁー!行くぜぇ!」
「ついでにコレも!」

 上条からボールを貰った情報屋は渾身のシュートを放つ。
 さらにそのシュートに翔太が【火炎地獄】で炎を纏わせ、即席の炎のシュートへと変わった。

「まっ、マズい!」

 心理掌握はボールを止めようとするも纏われた炎のせいで止めきれず、見事にシュートはゴールに突き刺さった。
 ついに同点となり上条達は喜んだが、しかし彼らは気付かなかった。
 つい先ほどのプレーによってインデックスが全員の癖を見抜いた事に………

155ё:2011/04/30(土) 10:40:34 ID:PBYIG.dk
「めんこー、とうま達のチームプレーの記憶、終わったんだよ。とはいってもとりあえずはなんだけど」
「そうですか、ありがとうございますインデックスさん。前半23分で同点、上出来といってもいいでしょう」

 インデックスの報告を聞いた心理掌握、前半の半分で同点という事態に満足していた。
 というのも正直な話、インデックスの記憶完了までは上条チームにリードを許していると踏んでいたからである。
 心理掌握は他のチームメイトも招集すると、

「皆さん、インデックスさんの方が準備を終えました。ここからは思いっきりプレーして下さって構いません。特に五和さんはもっと伸び伸びとプレーなさって下さい」
「分かりました任せて下さい!(オフェンスでもディフェンスでも活躍し、そんな私の勇姿に惚れた当麻さんが……いや〜ん♪)」
「それから絹旗さんはディフェンスよりもオフェンスに力を入れてくださって大丈夫です。五和さん、ステイルさん、結標さん、削板さんで充分に対処出来ますので」

 様子見のプレーを解除、数名に指示を送る以外は自由にプレーするようにチームメイトに伝えた(五和には違う意味で不安を覚えたが)。
 そして各々が所定のポジションに付く前にインデックスが麦野に頼みごとをする。

「しずり待って。しずりには白い人のマークに付いて欲しいんだよ。そのピカピカしてる腕を使って」
「あぁ? 冗談でしょ? 私はこれからずーっと浜面をピッタリねっとりマークすんだよ。それをよりにもよって第一位って」
「これはしずりにしか出来ない大事な大事なことなの。今の白い人を抑えられるのはしずりだけなんだよ。言わばしずりはこの試合のキーマンだね」
「(第一位を抑えられるのは私だけ……私にしか出来ないこと……私が試合のキーマン、か。いいねぇ♪)オッケー任せなさい」

 インデックスは麦野から協力を得られたことに安心すると同時に、絹旗に言われたとおりに言ったらあっさり通ったことにほんの少しだけ驚いていた。
 ちなみに当初、閃光のアーム使用を禁じられていた麦野だがそれでは試合にならないと木山に直談判して出力を抑えてという条件付きで許可を得たという裏話があったりする。
 そして【歩く教会】チームボールで試合再開、早速絹旗がボールを掴んで全力でボールをゴール目掛けて投げた。

「ぬおりゃアあああああああああああああっ!!」
「絹旗ちゃん甘いよ!」

 しかし白雪が6枚の雪の翼を前面に出し、絹旗のシュートを受け止める。
 絹旗のシュートに押されながらも、途中で浜面と服部を吹っ飛ばしたものの見事に受け切ってみせた。
 白雪がボールを自分のやや前方に蹴り上げ、体を少し傾けるのを見たインデックスが心理掌握の念話を介してステイルと結標に指示を送る。

《つきよの翼のシュートが来るよ! ステイルにあわき、お願い!》
「当然っ! 灰は灰に――― ―――塵は塵に―――」

 炎剣を出したステイルが追加呪文の詠唱するのを聞いた土御門は、白雪の動きに合わせるかのようなステイルの行動に疑問を抱く。
 しかしすぐさまその意味を理解すると大慌てでベンチから白雪に大声で指示を出すも、

「月夜撃つなっ! 今すぐそこから離れるんだ!」
「も、元春? 何で急にって嘘っ!」
「―――吸血殺しの紅十字!!―――」

 一度動き出した雪の翼を白雪が止められるはずも無かった。
 そして結標の【座標移動】で白雪の前に飛んで来たステイルの二本の炎剣と、白雪の雪の翼がぶつかり合う。

156±:2011/04/30(土) 21:29:37 ID:oYA6IqZk
 ステイルの炎剣で白雪の雪の翼が相殺。
 それによって翼を失った白雪はそのまま空中に投げ出された。

「つっ、月夜ーーぉ!!」
「うわっ!危ないなぁ、もう!」

 ベンチから土御門が心配して叫ぶが、白雪何とか空中で着地姿勢をとり見事に着地成功。
 しかし、ボールは奪われてしまいそのボールは結標のもとへ。

「それじゃあ行くわよ………五和!」
「はい、承りました!」

 一瞬で結標の足元にあったボールは消え去り最前線にいた五和の足元へ。
 いきなりのカウンターに上がっていたディフェンス陣は誰も反応出来なかった。

「さあ、コレで3点目です!ソレッ!」
「そうはさせるか!フンヌッ!」

 ゴールギリギリを狙ってきた五和のシュートを何とかして弾く東原。
 しかしその弾かれたボールを今度はエツァリが拾い、再びシュート体勢に入る。

「決めさせてもらいますよ………それっ!」
「だからさせねぇよ!!」

 今度は逆サイドを狙ってきたエツァリのシュートを今度は気合いで外に飛ばす東原。
 そんな絶体絶命のピンチを止めたおかげか、まるで東原を応援するかの様に大歓声が会場を包み込んだ。

「ナイスセーブだ、東原ぁ!」
「イテテッ、上条!まだ今日は一球も止めてねーんだ。こんぐらいで誉めんな」
「調子のってンじゃねェよ、三下がァ」
「………久々に見たな、一方通行のツンデレ」
「あァン!?誰がツンデレだァ、野原クンよォ?」

 ギャーギャー騒いでいる中、その一方で心理掌握達は再び作戦会議をしていた。

「あのGKの人………ついさっき見た時と動きが違うんだよ!」
「おそらく彼の能力【技術盗賊】が関係してるんでしょう」
「確か………一度見た技を覚える能力、でしたっけ?」
「まさか止められるとは………不覚です」
「でもずっと動いてなかったから体力が有り余ってるだけなんだよ!ずっと攻めれば倒せるんだよ!」
「インデックスさんの言うとおりです。どんどん攻めていきましょう」

 心理掌握の言葉に一同は賛成、すぐに次のプレーの準備に入る。
 そして運命のフリースローが始まった。

157とある読み専:2011/05/01(日) 10:14:15 ID:cf1/5JO.
そういえば心理掌握の名字が「食蜂」と判明したわけなんですが使用しないのでしょうか?

158:2011/05/01(日) 13:10:34 ID:wtZKox7Q
私は原作「しか」読まないのでどこから出したのか分からないのですけど
「とある科学の超電磁砲」あたりからですか?
甘いような痛いような苗字ですけれど何と読むんでしょうかそれ。

159Ψ:2011/05/01(日) 16:26:36 ID:TSfVnhio
なんか来てみたら、今月の電撃大王に第五位である「食蜂」の話をしているな。
ちなみに☆さん、読み方は「しょくほう」です。

160:2011/05/01(日) 18:50:51 ID:s9WXRJyw
ありがとうございます。
フルネームが早く判明することを祈ります。

個人的にはハーフタイムでどうしてもやりたいことがありますので、
展開が進むのを楽しみにしています。

161ё:2011/05/01(日) 18:56:42 ID:E3HOHXz6
確かに心理掌握の苗字が食蜂って判明したけど……私は今の所は使う気にはなれないです、球技大会中は少なくとも。
ところで±さんに質問です。
「運命のフリースロー」ってあるんですけどサッカーにフリースロー、無いですよ。
コーナーキックかスローインのどっちかだと思うのでどちらなのか教えて欲しいです。
それとさり気なく結標がボールを【座標移動】してますけどボールの【座標移動】は禁止事項です。
これの処置はこっちで既に考えてるので安心して下さい。

162±:2011/05/01(日) 21:28:07 ID:D3OnWXF6
なんと……素で間違えてました………超恥ずかしい…
「運命のフリースロー」のところはスローインでお願いします。
あと【座標移動】の件よろしくお願いします!

163:2011/05/01(日) 23:24:04 ID:qCMAngNs
セレナ×初春の絡みは果たしてどこで出すべきでしょうか…
この球技大会か、その次か…セレナに、初春を
凄いと思わせるような展開にしなきゃならないから難しい。

164ё:2011/05/02(月) 08:44:34 ID:JAVR5o42
セレナ×初春……って言われても正直すごく困ります。
☆さんの外伝はこっち、つまり本スレのパラレルストーリーとして観させてもらってますので。
パラレルストーリーのメインオリキャラを本スレでもというのはちょっとって思ってしまいます、申し訳ないですが。
出すとするなら新坂や苑内のように登場させやすい設定、例えば魔術とか関係無い所での友人とかにした方が良いような気がします。

――――――――――

 【歩く教会】チームのスローインが始まる前に審判の災誤が結標にイエローカードを突きつけていた、先の五和へのボールの【座標移動】の件である。
 今回は直接ゴールに入れたわけではなくパスだったこと、災誤自身もすぐに気付かなかったということもあってイエローカードだけに処分を留めたのだ。

「次、同じようにボールを能力で飛ばしたら即退場だ。分かったな?」
「はいはい」
「……反省の色があまり見えないがまあいいだろう」

 ちなみに結標のボールの【座標移動】に気付いたのは木山、彼女はこの試合の一責任者として常に注意を払っているのだ。
 そして試合が再開、御坂妹のスローインを絹旗が受けるがその表情は笑っていた。

「どんどん攻めてスタミナ切れを待つなんて私の性に超合いません。というわけでどりゃーーーーっ!!」

 絹旗はその場でボールを思いっ切り殴りつけてゴール目掛けてシュートを放つ。
 一方通行が脚力のベクトル変換を使って地面に足を付けずに滑走して絹旗のシュートを止めようとするが、

「おおっと、こっから先は行き止まりだよ第一位」
「なっ! チッ、味なマネしてくれンじゃねェかエロデレ女ァ! そのイカレた腕で俺をマークするなンざよォ!」
「てめぇのその移動方法は確かに速い。けど動きが直線、目標に到達するまで足は地面に付いてねぇ。いつもなら反射織り交ぜて障害物壊して進むんだろうけど」
(読まれてやがる!)
「今までのプレー見てると反射の使用、禁止されてんだろ? それで私の【原子崩し】のアームを蹴散らすなんて出来るわけねぇよなぁ!」

 進路上に背中を見せ、閃光のアームを巨大化させてマークに付いた麦野に阻まれてしまう。
 反射が使えればそのまま突っ切れただろうがそれを禁止されている状態では急制動をかけて回避、迂回して移動するしか出来なかった。
 その僅かな時間の間に絹旗のシュートは上条チームのゴールへとグングン進むが、進路上に野原が立っていた。

「げえっ! アクセラの奴、間に合わねぇのかよ! ちくしょー! こうなったら【襲撃緩和】でぐぎゃっ!」

 一方通行以外に頼れる面々の上条と翔太と茜川は距離的に遠く、白雪はステイルの執拗なマークで自由にさせてもらえない状況なのでやけくそ気味で野原が奮起。
 しかし【襲撃緩和】で迫る物体の威力と速度が二割減としても絹旗の【窒素装甲】で殴られたボールの威力も速度も高すぎて、あえなくぶっ飛ばされしまう。
 それでもボールはゴールへ迫ることはなく、野原の真上に上がったので彼の犠牲は無駄にはならなかった、ほんの一瞬だが。

「能力や技術すらも蹴散らすのに必要なのは圧倒的なパワー! 参考になりました絹旗さん! やあっ!!」
「は、速いけど真っ正面ならぐっ! う、うわああああっ!!」

 宙に舞ったボールに反応したのは五和で、華麗なジャンプからのボレーシュートを放った。
 五和のボレーシュートに東原は反応できたものの、周囲からの期待の視線を強化の力へと変えた五和のパワーに負けて体ごとゴールへと突き刺さる。
 前半30分、【歩く教会】チームが再び逆転。

165ё:2011/05/02(月) 09:27:12 ID:JAVR5o42
 逆転を許した上条チーム、目下の心配は東原と野原のダメージで土御門も駆けつけていた。

「大丈夫か? 東原に野原。何だったら代わってもいいんだぜい?」
「ゲホッゲホッ! し、心配すんなよ土御門。俺なら、へ、平気だし、それに……このチームで勝ちてぇんだ」
「分かった。だが次にお前さんに何かあったらその時は有無を言わせずに交代させるぜい。野原はどうかにゃー?」
「お、俺もが、頑張る(くっそーっ! 正直もう交代してぇよ! けど東原の奴は引っ込まねぇしそれに女の子にボロボロでも頑張る所をアピールすれば……ぐへへ)」

 土御門はここでの交代はまだ早いと考えていたので東原と野原の続投に安心していた。
 そして上条チームボールで試合再開、白雪が攻めるかと思われたが猛スピードで一方通行がボールへと突っ込んできた。

「調子こいてンじゃねェぞ三下チームがァ! コイツですぐさま同点にしてやンよォ!」

 先ほど、麦野のマークにあしらわれる形になった一方通行が怒りのシュートを放った。
 絹旗のシュートより威力も速度も上と思われるシュートを前にしても、心理掌握は慌てることなく念話で指示を送る。

《結標さん、削板さんを手筈通りに》
「オッケー。行くわよ削板」
「おおよ!」

 心理掌握の指示で結標は削板を【座標移動】で上空へと飛ばした、一方通行のシュートのコースに重なるように。
 上空へ飛ばされた削板がしたこと、それは【念動砲弾】で一方通行のシュートを押し潰すという力技だった。

「空からのすごいパーンチ! おおっ、すごいパーンチ喰らっても突き進むたぁ根性入ったシュートじゃねぇか!」
「あ、あンなのアリかァ!」
「超有りですよアクセラ。真っ正面から受ける必要なんて超無いってことです。インデックス、超任せますよ」

 削板のすごいパーンチで押し潰されたものの、PA内まで進んだ一方通行のシュートは脅威の一言に尽きるもの。
 埋まってしまったボールを引っこ抜いて絹旗がインデックスにボールを投げて渡すも、翔太の華麗なインターセプトに阻まれてしまう。

「僕だって負けないよ! ここで同点にしないと勝負が厳しくなるからね!」
「くうっ! 小さいのにやりますわね。結標さん、今すぐ……結標、さん?」
「翔太カッコいい、翔太可愛い、翔太激萌え……」

 翔太の近くに居た結標だが、自分の恋人の勇姿に見蕩れてしまい、鼻血を出しながらあっちの世界へと旅立ってしまった。
 そんな結標の姿を見て【歩く教会】チームの面々は揃って思った、この役立たずと。
 結標の状態に気付かない翔太はそのままシュートを放つ、【火炎地獄】を使ってボールに炎を纏わせて。

「さっきも止められなかったんだから今度だって!」
「甘い、甘いぞ小僧! そんな炎、俺の根性で消し飛ばしてやる! すごいパーンチ」

 翔太の炎のシュートは削板のすごいパーンチによって炎は消し飛ばされ、シュートの勢いも殺されて不発に終わる。
 そして削板はボールを自分の前に上げて再度すごいパーンチを放つ。

「すごいパーンチ。こいつで引き離してや」
「させないよ! ワアアアアアアアッ!!」

 すごいパーンチで撃ったシュートで追加点を狙った削板だが、茜川の横からの衝撃波に威力を殺されてしまう。
 こぼれ球を御坂妹が拾い、華麗なドリブルで攻め上がるとDFの上条が立ち塞がるという御坂妹にとってある意味、理想的なシチュエーションが発生した。

166:2011/05/02(月) 10:54:54 ID:lR4PKALs
>>164
ですよねえ…ただ、初春の「代理」ができるような人がいたら
彼女が気兼ねなく海外で活躍できそうで便利なんですが…

167:2011/05/02(月) 11:08:34 ID:ZfhpyRsE
とりあえず今はあまり欲張らずに、一方通行とのフラグに専念します。

168:2011/05/02(月) 12:10:56 ID:l4KElwzI
相手のプレーを分析していたのはなにもインデックスだけではなかった。

・ベンチ

(やっぱりこういうのでは絹旗のアドバンテージが大きいな…彼女を止める方法としては2つ。)

 戦闘面だけではなく、相手の裏をかきつづけることにも秀でている土御門は、【歩く協会】有利で進む戦況を見据え、逆転への糸口を紡ぎ出す。

(1つは直接的方法…丁度さっき麦野が一方通行にしたように、彼女をマークするとかして動きを止める方法。
 もう1つは、彼女に2回反則をさせて、レッドカードで退場にすること。
 …そうだ!決定的な利がこっちにあった!!)

・観客席(スキルアウト+剣道部員)

「やった!【歩く協会】有利で進んでますよ。」
(どうやらピュアシスターが本領を発揮したようですね)
「ちっくしょーう。手を使える怪力ショットとかあの『すごいぱーんち』とかマジで反則だろう。」
「かろうじてゴールキーパーが頑張っているようですけどね。」

 【歩く協会】チームが相手チームを掌握している状況を、楽しそうに眺める少年と、不良達。
 だがそんな中、苑内麗奈は1人思案していた。
 今ははっきり言って微妙だが、曲がりなりにも1度宣言した以上友愛高校チームを応援する立場にいた彼女は、その明晰な頭脳で、自然とこの状況を逆転しうる方法を模索していた。

(でも、問題は…イエローカード…)

・ベンチ

(そう…あっちの持っているイエローカードは計2枚。
 【座標移動】と第8位。いずれも、絹旗に次ぎこの試合の主戦力たりうる能力者。
 加えてもう一つ、あっちのチームにある不利は―――人手不足。)

 わざわざ結標が転校扱いにしてまでエツァリとショチトルを引っ張って来たことからも分かるとおり、【歩く協会】はいわば寄せ集めに近いチームだ。
 彼ら1人1人が一筋縄ではいかない能力や実力を持つ者達だが、試合前に前半後半でどのようにチームを振り分けるかに腐心していた土御門はこの違いを生々しく実感していた。

(つまりあいつらは補充というのを考えていないんだ。
 1人2人抜けても代わりがでるとかいうことはできず、そのままでプレーするしかない。
 たとえ補充ができたとしても、あいつらの穴を埋められるほどの奴が出せるのかどうかも分からない)

・観客席(セレナード)

(あれ?ピュアシスターってあんなに役に立つんでしょうかねぇ。)
 どうも彼女の指示を中心に動いているっぽい【歩く協会】チームの快進撃に戸惑い始めたセレナードは、一方通行への応援と麦野への嫌悪から、友愛高校チームの立場で解決策を思案しはじめた。
(まぁ絹旗さんは、あのしゃべり方を除いたら、性格や思考に超問題があるような人物じゃぁありませんしねぇ…口癖移っちゃったなもぅ。)

 しかし彼女は、もう1つのあからさまな利点に気付いていた。

(ただ、あの2人の方は…なんかあの熱くなりやすい人と、ショタッ子の前ではダメダメになってしまった当の2人だったらもしかしたら…)

 そしてセレナードは、急遽ルールブックの【特設ルール】の項を開いた。

 サッカーにおける通常のルール。
 能力者としての彼らに設けられた制限(ハンディ)。
 彼ら自身の性格・趣向の穴。
 そしてこの試合における表・裏・両方における諸事情。
 それらが、試合の熱に浮かされることなく冷静に優れた思考を巡らせ続ける3人の頭の中で絡み合い…

「あっ!!!
 …ある…逆転の方法。」
 苑内が。

「あとは…あのチームの中にそれに気付ける人がいるかどうかですねぇ。」
 セレナードが。

 そして、他の2人以上にこれらの事情を熟知していた土御門も当然…

169:2011/05/02(月) 12:11:52 ID:l4KElwzI
ルールブック→パンフレット

でした。

170:2011/05/02(月) 12:18:39 ID:l4KElwzI
ええーっとすいません、よく考えていませんこっから先。

171:2011/05/02(月) 12:33:21 ID:l4KElwzI
なのでもし思いつかなかったらスル―してもらってかまいません。

172±:2011/05/02(月) 22:58:27 ID:ioxQWHVE
☆さん
本当に個人的なお願いなんですけど、オリキャラを使用する時に前から出ている既出キャラとできれば組ませて出しては貰えないでしょうか?
どうにも自分の中ではこのキャラはあのキャラとはこんな感じの関係ってのがないと物語が作りにくいんです(☆さんの考えてる設定もできる限り無視したくないので)
――――――――――

「ここは通さないぞ、御坂妹!」
「当麻さんとの1対1………とミサカは抑えきれない興奮を露わに―――」
「うわっ!超考えてる事が麦野と一緒です!」
「「失敬な!(とミサカは怒りを露わにします)」」

 御坂妹の発言に絹旗が失言、それが麦野と御坂妹を怒らせた。
 しかしその怒った隙に上条は御坂妹からボールを頂き、一方通行は麦野のマークを振り切り前線へと上がる。

「いくぜェ……上条ォ!」
「一方通行………いくぞ!」

 そういいながらパスを回しつつあがってくる上条と一方通行。
 ある種の最強コンビたるこの2人。
 彼らをそう簡単に止められるものはそういない。
 ―――そう、彼らを除いて。

「一瞬の隙をついて抜き去るとはなかなかな根性だ………いいぞ、相手になってやる!!」
「ふふふ、白モヤシさん………当麻さんとコンビを組んでいいのはこの私だけです!」
「誰が好き好ンでこンな三下と組まなきゃいけねェんだァ!!」
「俺だって好き好んで一方通行と組みたくはねーよ!どうせ組むなら美琴がいい!!」

 上条たちの前に立ちふさがる削板と五和。
 自分こそ上条のベストパートナーと信じて疑わない五和にとって、この上条の発言は怒らせるものだった。

「ふふふ、当麻さん………私のこのプレーで目を覚まさせて上げます!」
「ふふん、上条さんのめは覚めてるし、頭の中は美琴一色だ!」
「いや、少しはサッカーの事考えろォ……」
「惚れた女の事をずっと考えているなんて………何たる根性だ………」
「おい、それ根性関係ねェぞォ」

 愛の為に戦う馬鹿×2と根性の為に戦う馬鹿。
 こんなのに挟み込まれた一方通行はもはや不憫としか言えなかった。

「いくぞ、一方通行!美琴への愛の為に!!」
「あ、あァ……(何て答えりゃいいンだ?)」

 その言葉と同時に上条は一方通行にパスを送る。
 パスを貰った一方通行は前を見ると一気に迫ってきた削板との1対1になっていた。(五和は上条にマーク中)

173:2011/05/02(月) 23:05:09 ID:VDAws21M
前から出ている既出キャラってどの範囲をいうんですか?
苑内さんや新坂君を、当麻や土御門たちと組ませて出してくれと?

174:2011/05/02(月) 23:17:27 ID:VDAws21M
苑内さん、新坂君、ノイルさんは笹川中学が主な活躍の場であるため
高校生達と絡みにくいんですよねえ。

逆にセレナードは、初春へのほれ込みや「アイテム」との亀裂など、色々な人との関係を書き表したいとは思うんですが
いかんせん現在観客席なものでして…。

175:2011/05/03(火) 07:43:30 ID:Ndrcr.qM
柵川中学でした。

176ё:2011/05/03(火) 08:30:19 ID:c.7SjyRY
「ハッ、レベル5の一番下っ端が俺とやり合おうってかァ? 出直して来い三下の中の三下ァ!」
「小せぇ、小せぇなぁ第一位。数字の上での序列なんかを気にしてるなんて根性足りてねぇ証拠だ。そんな数字の差、根性で埋まんだよ!」

 言葉では強がってる一方通行だが、削板を前になかなか抜くことが出来ずにいた。
 サッカー経験があまりない一方通行にフェイントは使えず、高速で左右に振っても付いて来れる削板を振り切れないのだ。

(正面突破は難しい、かといって他の奴らへのパスは間違いなくコイツにカットされる。となるとあとはコッチしかねェか)
「ぬっ!」

 一方通行が取った策はボールを宙へと上げる、つまり上から削板を振り切るというものだった。
 宙へと上げられたボールに一瞬気を取られた隙に一方通行は脚力のベクトル変換で空高く舞い上がりシュートを撃とうとする。

「コイツで同て」
「気を抜きすぎじゃない? 一方通行」
「む、結標ェ!」

 一方通行のシュートは【座標移動】で彼よりも速く、そして高く宙に躍り出た結標にボールをキープされて阻まれてしまう。
 結標は冷静に下を見渡した後でショチトルにパスを出すと自分は【座標移動】で颯爽とグラウンドに降り立った、鼻血の跡が残ってて今ひとつ決まらないが。

「ナイスだ淡希! このチャンス、無駄には」
「そうはいくか!」

 ドリブルで攻め上がろうとしたショチトルからボールを奪ったのはスライディングタックルを決めた浜面。
 そしてそのまま服部と一緒に攻め上がる浜面の前に立ちはだかったのはエツァリだった。
 浜面と服部のコンビネーションプレーを知ってる者からすればエツァリに止められる道理は無いのだが、

《エツァリ、しあげと地味な人の言葉に惑わされないで。地味な人の指にだけ注意を払って。それが2人の本当の狙いだから》
「浜面こっちだ!」

 完全記憶能力で一通りの上条チームのプレーの癖を記憶したインデックスが居るのでその道理は覆される。
 エツァリは浜面にパスを求める服部の右指を注視、一瞬だけ人差し指が前を向いていたのを見て確信し、

「(パスではなく浜面さんがそのままドリブルということなのでしょう。だったら)ボールの奪うのは容易いですね、自分ならば」
「「何っ!!」」

 パスコースを塞がずにドリブルしている浜面から華麗にボールを奪ったエツァリ、浜面と服部の驚きを無視して前線へと大きくボールを蹴り上げる。
 そのボールを拾ったのは絹旗で、PAの外からボールを【窒素装甲】でボールを殴りつけてシュートを放った。

「じょ、冗談じゃねぇよ! あんなシュートくらったら命がいくつあっても足りやしねぇ!」
「あーもう野原君邪魔! 私がやるから離れて! ワアアアアアッ!」

 先ほど絹旗のシュートでぶっ飛ばされた野原には絹旗に対する恐怖が刻み込まれて臆してしまっている。
 代わりに絹旗のシュートの防いだのはまたしても茜川の横からの衝撃波だが、

「ゴホッゴホッ!(強めの衝撃波を間をあまり空けずに撃っちゃったからな〜、喉が限界かも……)」
「茜川さん!」
「だ、大丈夫。それより吹寄さんはゆ、紫木君にパスを!」

 追加点を二度に渡って防いだ茜川の払った代償は大きかった。
 そんな茜川を心配したのはこぼれ球をキープした吹寄で、茜川に言われるままに情報屋へとボールを繋げる。
 吹寄にいい所を見せたい情報屋がドリブルで攻め上がるとインデックスが進路を阻む。

177ё:2011/05/03(火) 10:02:20 ID:c.7SjyRY
「私だってやる時はやるんだよ(この人、確かもとはるが前に教えてくれた……)」
「こんな小さい子が相手なら何とかなるかも(この子って前に上条と一緒に住んでたシスターだな。……少しくらいなら)」

 ボールを奪おうとするインデックス、ボールをキープしつつインデックスを抜こうとする情報屋の攻防は一進一退。
 しかしながら2人が考えているのはサッカーとはあまり関係の無いことだったりする。
 吹寄との明るい未来の為の勝利を目指していた情報屋、久々に悪い癖がぶり返すがそれが致命的なミスを招く結果に。

「そういえば君ってつい最近、外から来」
「やっぱり聞いてた通りの人なんだね。答えてもいいけど忠告してあげる」
「ちゅ、忠告?」
「もし私が答えることを聞いたらあなたの平穏な日常はおしまい。誰に助けられる事無く殺されるかもね。平穏な日常を犠牲にする勇気あるの?」

 情報屋の特有の欲を出して【思考漏洩】でインデックスから情報を引き出そうとした情報屋、しかし逆にインデックスの忠告めいた脅しに固まってしまう。
 ちなみにインデックスに忠告を教えたのは土御門で彼に言わせれば思いっ切りソフトな部類に入るらしい。
 情報屋が固まってる隙にインデックスはボールを奪い、フリーになっている御坂妹へとパスする。

「当麻さんも学園都市最強ぺドも居ないのならミサカにも追加点が取れます、とミサカはボールに雷を纏わせてシュートします」

 DFでオーバーラップした上条には五和が、攻守の要とも言える一方通行には一方通行がそれぞれマークに付いてディフェンスに参加出来ずにいた。
 そして御坂妹がチャンスとばかりに雷を纏ったシュートを放つが、先ほどの汚名返上を狙って野原がシュートを防ぎにかかった。

「今度こそ観客の女の子にいい所をあばばばばっ! こっ、こここなくそっ!」

 【襲撃緩和】でシュートは受け止めたものの、雷のダメージを受けてしまう。
 しかしモテたい執念が体のダメージと痺れを一瞬だけ凌駕し、ボールをクリアすることに成功した後で野原は立ったまま気絶した。

「テメェにしちゃあ上等だ野原ァ! 後は俺にチッ! 邪魔すンじゃねェエロデレ女ァ!」
「ああ、もう邪魔しねぇから安心しなよ。てめぇの出だしさえ抑えりゃ後は私が攻めるだけだからさぁ」
「攻めるだァ? テメェにそんな手段が……マジかよ」
「ばいばーい♪」

 クリアされたボールをキープしようとした一方通行の飛び出しを阻止したのは麦野の閃光のアームを駆使した巧みなマーク。
 そして麦野は閃光のアームを伸ばして上条チームのクロスバーを壊さないように掴むと縮む勢いでボールへと迫ってキープ、そのままゴールへと突き進む。
 東原の【技術盗賊】を過小も過大もせずに適切な評価をしている麦野は、

(こいつなら右でも左でも反応して防がれる。パワーで潰すには私のシュートじゃあ足りないし絹旗も削板もこっからは遠いし)
「「麦野さんっ!」」

 東原からゴールを奪う為の手段を割り出すも、決定的な答えを導き出せずにいると自分を呼ぶ2人分の声が聞こえた。
 その声を聞いた麦野はすぐさま決断し、閃光のアームをクロスバーから離してPA外からゴール左隅と見せかけて逆方向のゴール右隅へとシュート。
 それを読んでいた東原は横っ飛びで麦野のシュートをパンチングで防ごうとするが、

「これなら防げませんよね!」

 麦野のシュートにダイビングヘッドで合わせてきた五和がシュートコースを逆方向に変えた。
 ところが東原はそんな五和のプレーにも反応し、クロスバーを掴んで思いっ切り足を伸ばしてシュートを防いだ。

「よしっ! このこぼれ球を誰かが拾ってくれれば」
「いえ、残念ながらこれで終わりです」

 ピンチを凌ぎ切ったと思っていた東原の目に映ったもの、それはこぼれ球をヘディングでゴールへ押し込むエツァリの姿だった。
 五和とエツァリの呼びかけが聞こえた麦野の決断が導いた追加点が前半40分に【歩く教会】チームへと入り、4対2と上条チームを引き離す。

「くそっ! 防ぎ切ったと思ったのに痛っ!」
「無理はいけませんよキーパーさん。五和さんのシュートを防ぐ為に随分と無茶をしたのですから」
「あ、ああ、ありがとな。け、けどまさかあんたまで詰めてるとはやられたぜ……」
「これが自分たちのあなたへの評価ですよ。ここまでしないと追加点は取れなかったでしょう。ナイスプレーでした」

 痛めた右腕を心配してくれたエツァリに感動した東原は左腕で握手を求めるとエツァリもそれに応えた。
 その際、どさくさに紛れてショチトルを紹介してくれと頼むもやんわりかつキッパリとエツァリに断られたのだった。

178ё:2011/05/03(火) 10:14:07 ID:c.7SjyRY
「それにしても驚きましたよ五和さん。てっきり詰めているのは自分だけと思ってましたから本当に助かりました」
「いえいえ。それに当麻さん分をフルチャージしたのでマークに付く必要無くなりましたから♪」
(ああ、五和さんの表情が輝いてる理由はそれですか。上条当麻も苦労してますねぇ)

 何があったのかは知らないが上条が疲れた表情をしているのを見て、エツァリは他人事ではあるが同情した。
 一方の上条チームは負傷した東原に交代を勧めるも前半が終わるまでということで残すことにしたものの、問題は別にあった。
 御坂妹の雷シュートをクリアして立ったまま君り……もとい、気絶してる野原である。

179■■■■:2011/05/03(火) 11:45:17 ID:fSvyvkmo

オリキャラは、どこまで増えるのだろうか?

2スレから読み続けているが、一読者としてみれば増やしすぎは読みづらい。正直、オリキャラは白雪・井ノ原親子の取り巻きまでよかったのでは?

書き手も、以前と比べて減ったのもそこに理由があると思う。

一読者のくだらない感想なので、気にせず是非とも完結させてください。

180:2011/05/03(火) 12:54:27 ID:Pmmzg8vA
井ノ原親子の取り巻きって誰?

181±:2011/05/03(火) 14:05:37 ID:Mkj2YDqQ
「野原………は流石に無理か」
「仕方ないにゃー。交代ぜい、青ピ!」

 野原の容態を確かめる上条だが、野原はうんともすんとも言わなかった。
 そのため、土御門は危険を感じて先にアップさせていた青ピとの交代を決めた。

「やあ、ツッチー。ようやく僕の出番?」
「ああ。本当は後半からの出場の予定だったが野原はもう無理にゃー」
「任せてツッチー!僕の活躍で残りの前半は無失点で切り抜けたるわー!」
(………何故だが今日の青ピは何かやりそうな気がするにゃー)

 実は青ピは今日の朝に黒子や弟子達と会い、凄い活躍を見せる事を約束していた。
 そのためか、今日の青ピはいつもとは違う雰囲気を醸し出していた。

「キーパーが超負傷している今が好機です!追加得点頂きま―――」
「悪いけど、そんな事はさせませんでぇ!」

 五和が開始早々ボールを奪い絹旗にパス、絹旗必殺の【窒素装甲】による投げシュートのパターンに入ろうとする。
 しかし、それをよんでいた青ピは災誤とのぶつかり稽古で鍛え上げられた自らの身体をパスコースに割り込んでのトラッピングを敢行する。

「(本当にツッチーの言ったとおりや。絹旗ちゃんは攻めの機転やな)ほら、行きますでー、白雪はん!」
「オッケー、ナイスだよ、〇〇くん(青ピの本名)!」

 白雪が青ピからボールを貰い、一気に攻めあがる。
 しかし目の前にいたステイルはすぐさま反応し、炎剣を繰り出す。

『ステイル!炎剣を地面に向けて放って!コレでつきよのだいたいの攻撃パターンは潰せるんだよ!そのあと蜃気楼で近づいてボールを奪うんだよ!!』
「分かった!それっ!」

 言われたとおり、足元に炎剣を放ち、炎の噴出を引き起こすステイル。
 白雪が炎の壁で足を止めた隙に蜃気楼で近づきボールを奪い去った。

「あ!何時の間に!」
「悪いけど君と遊んでる暇はないんだ。悪く思わないでくれ」
「行かせないよ!」

 白雪を抜き去ったステイルの前に出てきたのはおなじみショタっ子こと月詠翔太だった。
 炎の能力者vs炎の魔術師。
 なかなかな対戦カードか今ココに揃った。

182Ψ:2011/05/03(火) 17:01:57 ID:tBwtOGFs
オリキャラね…… >>179が言うとおり確かに多いよな……
まぁ初期のオリキャラは1スレ目の無名の方とかが追加していたのが最初でしたので、その後はそのキャラを使って書いていったという感じですからね。
でもって中盤、翔太以外のオリキャラは自然に追加されたような感じですが、まぁ翔太以外は打ち止めのクラスメイトの名前を追加しただけですので、最低限度で追加しただけですからね。
それで今は……外伝の方からのオリキャラが追加された感じかな?
まぁ、向こうを読めばオリキャラの性格などが分かるのですが、外伝を読んでいない方は困ると思うのですよね。
その前でも14人もオリキャラがいたのに、またさらに増えるという事はさすがに多すぎると思うのですよ。
それによって読んでいる方も理解が出来なくなっているかもしれません。俺もその内の一人ですし。
っとなるとやっぱりオリキャラの削減になるのでしょうね。
それで一番の削減するとしたら今までで余り使っていないオリキャラと、外伝のキャラになると思うんですよね。
けど、今までで余り使っていないオリキャラでもある野原と東原は今になって何故か重要な立ち位置に居るような感じなので削減は出来ませんね。
そうなると外伝のキャラしか削減するしかないのかと思うのですよ。☆さんには悪いですけどね。
やっぱり外伝は外伝で、こっちはこっちでやった方が良いのかと思います。
まぁ、登場数を減らすとかしかできないんですけどね。せめて球技大会だけとか。
とまぁ、言いたいことは最低限度のオリキャラで十分だという事です。これ以上増やすのはどうかと思いますしね。それで書きたいのに書けないという方もいるとは思いますし。
俺は小説を書いていますが、無駄になるようなキャラはいませんからね。それぞれ活用できるようになるべくキャラの数は少なくしておりますので。
以上、読み専の代表として述べさせてもらいました。読み専の代表なのかは分かりませんがww
それでは。

どういえば今書いている方で古くから書いている方ってёになるのかな? 俺もかなり古くから書いていたものですがww

183:2011/05/03(火) 17:51:27 ID:4oLXlUPg
…分かりました。柵川中学剣道部員の方は、本スレでは最小限しか出さない傾向にします。

ですがハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラと、
セレナと既出キャラとの絡みがあるのですがよろしいでしょうか?

あと、>>168は、やっぱりスル―の方針でしょうか?

184:2011/05/03(火) 17:56:26 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示あるのですがよろしいでしょうか?
でした。

185:2011/05/03(火) 17:56:48 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示するシーンを計画してあるのですがよろしいでしょうか?
でした。

186:2011/05/03(火) 19:44:41 ID:/f07XYNE
いや、やっぱり新キャラは直接出すのはやめておきます。

187:2011/05/04(水) 08:46:00 ID:aP/y/MGE
以後は本編には新キャラをあまり出さない方でいきます。
外伝の方は、「(キャラ的に)余裕があったら見てください」的な。

188ё:2011/05/04(水) 09:13:54 ID:IlWp8kFM
「ふむ、炎対炎ですか。なかなか興味深いですね」
「ていうかステイルさんの相手って当麻兄さんの同級生なんですね、あんなに童顔で背も小っちゃいのに」

 観客席からステイルと翔太を見ているのは神裂と佐天、お互いに興味を持っていたがその内容は別物だった。
 その一方で2人の対決にそれほど興味を持てない者達も一緒だった、美琴と初春である。

「あーあ、サッカーのせいなのかなー。当麻があんまり活躍してなくて物足りなーい」
「まあまあ美琴お姉さん。きっと後半になったら当麻お兄ちゃんも活躍しますよ(さて、私もそろそろ)」

 美琴、神裂、初春、佐天の周りには実は人は少なかった、神裂がこっそり張った弱めの人除けの結界のお陰である。
 ちなみに打ち止め、滝壺と郭はそれぞれの自分のクラスと、黒子は何故か来ていた寮監に捕まってしまい一緒ではない。
 日本出立前に上条達に挨拶しておきたい初春、そろそろ移動しないといけないと思って席を立つが当然ながら神裂が心配そうに声をかける。

「か、飾利? どうしたのですか、まだ前半は終わってませんよ。何か用事があるなら私も」
「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。美琴お姉さんと涙子さんが一緒ですから。火織お姉ちゃんは待っていて下さい」
「御坂と佐天が一緒ならやはり私も! 飾利のお姉ちゃんとして…………っ!!」

 神裂の追求を止めたのは初春からのハグで、これだけで神裂は借りてきた猫のように大人しくなってしまう。
 普段は神裂から初春へのハグばかりだがその逆、つまり初春から神裂へのハグは極めてレアなのだ。

「(さすが対馬さん、火織お姉ちゃんのこと分かってるなぁ)じゃあ行ってきます。私が帰って来るまで待って下さいね、火織お姉ちゃん♪」
「ええ♪ 飾利も気をつけて。御坂に佐天、飾利のことはお任せします」
「「は、はぁ……」」
「では行きましょう2人とも」

 少し席を外すだけで大げさな神裂に呆れる美琴と佐天だが、神裂のシスコン(初春限定)レベルを考えると妙に納得してしまった。
 席を立って全天候型スタジアムの屋内へと先頭に立って進む初春から美琴と佐天に思いがけない言葉が投げかけられる。

「あの調子なら火織お姉ちゃんも2週間は大丈夫でしょう。後は当麻お兄ちゃん達にロンドン行きを報告するだけです」
「「…………2週間? ロンドン? 飾利、どうゆうこと?」」
「お2人への報告が遅くなってゴメンなさい。私、今からロンドンに短期留学すはわわわわわっ!」

 初春のロンドン行きを聞かされた美琴と佐天は事情を詳しく聞く為に初春の肩を掴んでユサユサと揺さぶりながら話を聞こうとした。
 しかしそれでは話を聞けないことにようやく気付いた美琴と佐天は軽いパニックから回復、同じく目を回していた初春が回復するのを待って事情を聞いた。

「キャーリサさんとヴィリアンさんと一緒に思い出作り、ねぇ。飾利ってホントにお姉さん達に愛されてるわね。というか留学じゃなくてただの旅行でしょ、それ」
「う〜ん、キャーリサ姉さまとヴィリアン姉さまと遊ぶのは後半の一週間で前半の一週間は本当に勉強するから嘘は言ってませんよ」
「そう考えるとさっきの神裂さんへの言葉も嘘じゃないってことか。飾利って本当にいい性格になりつつあるよね……」
「涙子さんったら褒めても何も出ませんよ♪ じゃあ行きましょう」

 佐天は口を滑らせて出た言葉で初春に怒られると思っていたので少々驚いていた。
 当の初春は全く気にするどころがやや上機嫌で美琴と佐天と一緒に上条チームの控え室へと向かうのだった。

――――――――――

 一方のステイルVS翔太だがこちらの一対一はまだ続いていた。
 というのもステイルも翔太もこうもお互いの距離が近いと自分の炎で相手に直接攻撃してしまうということで能力使用を控えたのだ。
 膠着状態に入った2人の対決、45分経過してロスタイムが1分と発表された所でついに動きを見せる。

189ё:2011/05/04(水) 10:12:12 ID:IlWp8kFM
(仕方ない。この少年が火傷しないように地面に炎を放ってその熱気に怯んだ隙に)
(本当は危険だけど今の僕ならきっと出来る。この人の目の前で一瞬だけ炎を出してその怯んだ隙に)
((ボールを奪う!))

 お互いに炎で相手を怯ませた隙にボールを奪おうとし行動に移ろうとするが、それは起こらなかった。
 ステイルと自分を【座標移動】で入れ替え、恋人の翔太と一対一をしたくなった結標の仕業である。

「さー翔太、少しの間だけど私と2人っきりで遊ぼっか♪ あんな老け顔相手するよりかいいでしょ?」
「あ、淡希……えっと……」
「結標! 君は何を考えているんだ! 今は試合の最中だというのには、放せエツァリ!」

 入れ替えられたステイルが試合中にも関わらず結標に詰め寄ろうとするも良識あるエツァリに羽交い絞めにされてしまう。
 翔太は突然のことに最初は呆然とするものの、結標が自分をじっと見ていてボールを奪いに来る気配を見せないので謝りながら自分の恋人を抜き去った。
 それでも結標が追いかける気配を見せなかったので翔太が完全にフリーになるが、

「全く結標さんってばいざという時に使い物にならないんですから!」
「うわっ!」

 五和の鋭いスライディングタックルで翔太からボールを奪い、自ら上条チームゴールへと攻め上がる。
 一方通行は麦野に、白雪はステイルにマークされているので五和は猛然と駆け上がるかと思われたが、後ろからの気配に気付く。
 その気配に気付いた五和は上条チームゴールに背を向けてボールをバックパスすると、すぐさまそこから退避した。

「任せましたよ削板さん!」
「さすがだぜ五和! 俺並みの根性を持ったいい女、以心伝心ってやつだな! むっ」
「させないっ! たとえ怪我することになってもこの追加点は守るんだから!」
「口から衝撃波撃つ女か、俺の前に立つたぁいい根性してんじゃねぇか! いくぜ、手加減無しだ!」

 気配の主は削板で本人も以心伝心と言ってはいるが、単に妙に暑苦しさを感じただけに過ぎない。
 削板のオーバーラップに気付いた茜川は今までなら真横から衝撃波を撃ってシュートを防いでいたが、残り時間と後半の士気を考えて真っ向勝負に出たのだ。

「すごいパーンチ!!」
「ワアアアアアアアッ!!」

 衝撃波を撃ち出す2人、しかしレベル5とレベル4では真っ正面からのぶつかり合いでは勝負にならず、

「キャアアアアアアッ!」

 削板のすごいパーンチがボールを撃ち出す形になり、茜川も真っ正面に居たせいで吹っ飛ばされてしまう。
 しかも意図的かつ直接的に茜川を能力で吹っ飛ばしたわけではないので削板の反則は取られなかった。
 だがボールは上条チームゴールの遥か上を通り過ぎて得点にはならずゴールラインを割った所で前半終了のホイッスルが鳴った。

「ふっ、得点にはならなかったが前半最後にいい根性勝負が出来て満足だあだっ!」
「そんなこと言ってる場合ではないでしょう。女性に対してあのような……全く」

 削板の反省無しの態度を諌めたエツァリは怪我を負った茜川に削板を伴って謝罪しようとしたが、上条チームが集合して慌ててるのを見て後回しにすることに。
 それよりも問題なのは結標の翔太絡みのプレーの数々だが、こちらは心理掌握が考えを練り始めてる所だ。

「どうするメン子。淡希が自分の恋人に対してあの様子では2点リードでも危ういぞ」
「ええ、その辺は私に考えがありますわ。あまり人の想いに細工を施すのは好きではありませんが……」
「まさか淡希の恋人に対する感情を愛情から憎悪へと変えるつもりなのか?」
「そのような恐ろしいこと、するわけがありませんわ。ただ暴走しない程度に愛情を抑えるだけですわよ、2時間ほど」

 ショチトルは心理掌握の処置に安心すると、結標が控え室に着く前に目覚めたら気絶させるように頼まれると【歩く教会】チームメイトと一緒に控え室に戻って行った。
 一方、上条チームは体を張って追加点を阻止した茜川の心配をしていた。

「赤音ちゃん! 赤音ちゃん!」
「だ、大丈夫だよ月夜ちゃ〜ん。ゴメンね、2人で活躍して勝とうって頑張ってたのに……」
「あまり無理するなよ茜川。後は俺たちが頑張ってチームを優勝に導くからお前はゆっくり休んでてくれ」
「あはは、か、上条君が言うと何か力強く感じるね〜。うん、分かった。私は試合終了まで寝ることに……する……よ」

 妙な説得力を持つ上条の言葉に安心した茜川、ようやく意識を手放して気絶すると白雪に背負われて医務室へと運ばれる。
 白雪と茜川を見送った土御門は東原が右腕を痛そうに抑えてるのを見て、冷静な判断を下した。

190ё:2011/05/04(水) 10:45:23 ID:IlWp8kFM
「東原、お前さんも医務室へ行け。その様子じゃあ試合はもう無理だ」
「ま、まだだ、まだやれる! 後半も」
「怪我人のキーパーであのチームの猛攻は凌げると本気で思ってるのか? ハッキリ言ってやる、今のお前じゃあ足手まといだ」

 土御門の真剣な、それでいて容赦の無い言葉に東原は言い返すことが出来ず、頷くことでしか返事を返せなかった。
 落ち込んだ東原を見た土御門は普段のおちゃらけた(?)感じになって東原を労う。

「ま、お前さんはホントによくやってくれたぜよ。予想以上の戦果をあげてくれたにゃー。女の子へのアピールも十二分に出来てるぜい」
「女の子のアピール……? そ、そういえばそうだったな、すっかり忘れてたぜ」
「ありゃりゃ、てっきりお前さんは女の子にモテたい一心で頑張ってると思ってたんだが。オレの目算もまだまだ甘いってことかにゃー?」

 意外と熱い男だった東原が医務室へと向かうのを見て、ベンチで気絶してる野原に気付いた土御門は服部に野原を医務室へ運ぶように頼み込む。
 服部はそれを快く引き受けて野原を背負って医務室へ向かおうとするが、一つの事実を突きつけた。

「土御門、後半になったら真夜は絶対に出場する。そのことをよーく考慮しておけよ」
「おー、井ノ原弟が試合に出てくれるのか、そいつは好都合ってもんですたい。茜川が不慮とはいえ怪我したからにはあいつも怒って……怒って?」
「そうゆうことだ。始業式での怒れる真夜の復活だ、冷静で容赦の無いあの真夜がな……」

 土御門は思い出していた、始業式のゴタゴタで妙に礼儀正しいのに呼び方はフレンドリー、だけど麦野の【原子崩し】のダメージを精神力だけで耐えていた色々と異常な真夜を。
 とはいえ【歩く教会】チームに勝つためにはこれ以上は無い人材なのでその点では素直に喜んでいたが、別の問題が発生した。

「さて、問題は交代するメンバーぜよ。キーパーはカミやんに変えて、空いたMFとDFに2人。オレと姫神と井ノ原弟で3人、あと1人か」
「つっちー、そないなことは控え室に戻って考えたらええ。今ボクらに必要なのは休息なんやからね」
「青ピ、5分くらいしか参加してねぇお前さんが言うことじゃないと思うぜい」

 後半の出場メンバーについて考えるのは青ピの言う通りに控え室に着いてから考えることにした土御門。
 しかし上条チームの控え室を開けると美琴、初春、佐天が出迎えることはまだ知らない。

――――――――――

 東原と野原は球技大会だけの活躍で考えてます、というかどうしてこうなったのか……。
 出番あるとしても青ピが『嫉妬ファミリー』を動かした時だけにしかならないような気がします。
 ただ、真夜のマジ切れの性質上、東原と野原の名前も考えないといけなくなりましたが。

191:2011/05/04(水) 11:05:30 ID:aP/y/MGE
紫木がもう少しで暗部か魔術に関わりそうでひやひやするなあ。
この人、将来そういう裏方面の情報屋になりそう。
東原…うん。もてていいと思うこの人。

192:2011/05/04(水) 11:07:54 ID:aP/y/MGE
今更だけれど>>168はハーフタイムの時に入れた方がよかったかなと思いました。
急遽閃いたアイデアだったので、あせって時期を間違えてしまった…。

193:2011/05/04(水) 14:18:54 ID:5LrHNQt2
観客席(スキルアウト+剣道部員)

ハーフタイムでガヤガヤと周囲がざわめき、スキルアウト達もてんでんばらばらになりはじめたころ、剣道部員2人は現在の展開について話し合っていた。
「ハッ。思ったよりやるわねあのチーム。」
「やっぱり統率がとれていますからね。」
「……あら、でも後半はまだ分からないわよ。どうも選手交代があるみたいだし。」
(でも、正直な話……私、ホッとしている。)
 苑内の胸の中にあったのは、この勝負の先…隣にワクワクとした様子で座っている少年との賭けの内容について。
 勝ち負けにおける内容を事前に設定しておいて、どっちに転んでも自分にとって得になるように設定したトトカルチョ。
 だが、予想外のことがあってその様相が少し…いや、大きく変わった。
(こいつら(不良達)を連れたら色々うるさそうだし、悪ノリしてせっかくの雅な雰囲気、風流が台無しになりそう。ここはあのまま【歩く協会】のリードを許して彼と1日泊まった方が・・・・あーあ。せっかくこいつの趣向に合わせて用意してあげたのにこれ・・・・)

 一方、少年の方も、その胸の中に去来していたのは、言葉とは逆の想い。
(蛍の光、見てみたいなあ…)
 その願望は、彼の能力にも関係があったのかもしれない。
 新坂礼男の能力は、【発光現象(ダイオード)】。対象を発光させ、微かな熱と光の放射源とする力。
 低能力故に、それこそ蛍の発光のような淡い光でしかなく、本人にとっても暗闇の中で便利というぐらいのものだった。
 だが、
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)
 彼が幼少期見た蛍や満点の星空。何より、その後写真なんかで見た蛍の光のカーペットや乱舞。天の川。
 それはまさしく、自分が作り出した人造の光とは比べ物にならない…そう、本物の星空とプラネタリウムぐらいの差があった。
 暗闇の中でこそ、ポウ、ポウ、と見える光。それが彼はこの上なく好きだった。
 この学園都市の人造の光、ネオンで埋め尽くされた夜の街の光景は、一種の趣といえたが、やはりギラギラとまばゆ過ぎて、毒々しすぎるものがあり、長くいれるものではなかった。
 長く学園都市にいて、自然や田舎といったものに触れる機会がなかなかなかった新坂は、麗奈に紹介されたときから、急激にそれへの・・・・田舎や自然の闇の中で見える光への警鐘に襲われた。
 いや、長らく奥にしまってあったそれへの願望が噴き出たといった方がよかった。
 彼が父親に頼めば、たとえ負けても夏休みにそれへ連れて行ってもらえただろうが、それは彼の中の何かが許さなかった。
 1度賭けとして出されて、それに敗れて行きそこなった以上、強引に行こうとするのは一種のルール違反…そう、彼が麗奈と初めて関わったときに言われた「金持ちぶっている」ことに感じられたからだ(もっとも、今も無意識的にそれを行って麗奈の不興を買っているのだが)。
(友愛高校チームには…少し取り返してほしい…かな…)

「まだ負けてないわよ。友愛高校チームは。」
「【歩く協会】の方がこのまま押し切りますよ。」

 当初はお互いの予見によって始まったトトカルチョ。
 だが思いつきと気遣い、そして思わぬ番狂わせにより、お互いがひそかに応援しているチームが逆になってしまっていることに、2人は気付くよしもなかった。

194:2011/05/04(水) 14:21:02 ID:5LrHNQt2
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)

(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないよ。)

195sage:2011/05/05(木) 13:14:31 ID:g93V3HLk
3バカ更新されてないんですけど、どうなんですか?

196読者:2011/05/05(木) 16:24:27 ID:GD0XVGiI

書いてあったら、悪いんですけど
青ピって、レベル0の設定ですか?
あるなら、使ってもいいかな〜なんて思ったんですけど…

197読者B:2011/05/05(木) 16:55:46 ID:HNVmeSh2
>>196
青ピは能力とレベルはまだ不明だと思いますけど

198■■■■:2011/05/06(金) 06:13:00 ID:gdh4pl/k
>>196
原作での上条の言動から推測される上条の高校のレベルから、青髪のレベルは0〜2だと思われる
ただ、青髪が何らかの理由で上条の高校のレベルに甘んじている可能性もあるため、断定はできない

199読者:2011/05/07(土) 22:31:21 ID:BmFT8eJc
確かにそうでした(汗)

200ё:2011/05/11(水) 08:07:08 ID:0X8t.Dtk
「とーうまっ♪ お疲れ様♪」

 上条が自分達のチームの控え室のドアを開けると、笑顔と愛嬌全開で美琴が抱きついてきた。

(み、美琴がどうしてここに? けど正直こんな嬉しいお出迎えは無いわけだから……ま、いっか♪)
「きゃっ♪ もう当麻ったら」

 控え室に美琴が居た疑問など上条にとっては大した問題ではなく、美琴のハグに自分も答えるようにハグしている腕に力を入れる。
 そんな上琴バカップルを上条チームの面々が呆れ顔で見つめる中、勇気ある(?)2人がツッコミを入れた。

「もー、当麻お兄ちゃんったら私達のことは気付いてくれないんですね。美琴お姉さんに夢中なのは分かるんですけど」
「しょうがないよ飾利。美琴姉さんが大好きだからこその当麻兄さんなんだからさ」

 美琴と同じく控え室に居た初春と佐天の言葉にハッと我に返ると上琴はすぐさま離れる。
 上条は舞い上がっていたことを反省すると、自分を訪ねてくれた義妹の2人の頭を優しく撫でた。

「飾利と涙子もわざわざ来てくれてありがとな。気付くのに遅れてゴメン。けどとっても嬉しいぞ」
「えへへ〜♪」
(これ、普通の女の子なら誤解するよね……。飾利はとっくに吹っ切ってるしあたしも当麻兄さんのことはそんな風に思ってないから平気だけど)
「そういえばどうして3人だけなんだ? 確か神裂も一緒って聞いてたけ」
「ひいいいいいいいいいいいいいっ!!!」

 上条と初春&佐天の義兄妹のほのぼの雰囲気をぶち壊したのは情報屋、理由は初春の姿を見たからである。
 初春と神裂がトラウマになっている情報屋は控え室の隅っこに座り込んで「花飾りこわい」を呟き始める。
 情報屋の急変に驚いた吹寄、姫神、翔太が駆けつける中、土御門は初春と小声で話し始めた。

「う〜ん、今の情報屋を見るとあの時はやり過ぎたって改めて思うぜよ」
「私もです。いくら土御門さんのシナリオ通りにやったとはいっても実際にあの紫木さんを見たら……」
「初春ちゃん、全部が全部オレのせいにするってのは酷くないかにゃー? お前さんとねーちんの演技力にも責任はあるんだぜい」
「そ、それはそうですけど……。そ、それよりも皆さんに伝えないといけないことが!」

 土御門の意地悪な追及から逃れる為に、初春はここに来た目的でもあるロンドン短期留学のことを告げる(魔術の話は一切伏せて)。
 話を聞いた上条、土御門、青ピ、浜面が寂しそうにする中、日頃から初春に思う所がある一方通行だけは喜んだ。

「そっか頑張れよ初春。いっそのこと短期じゃなくて永住でもしちまったらどうだ? そうすりゃあっちのテメェの義姉どもも大喜びだぜェ」
「一方通行さんにそこまで応援されるなんてちょっと嬉しいです。でも安心して下さい、私が居ない間はオルソラさんが私の代わりとしてこっちに来ますから♪」
「よしキッチリ勉強してちゃんとココに帰って来い(冗談じゃねェぞ! コイツがロンドンに永住したらババアシスターがこっちにずっと居る……そンなのはゴメンだァ!)」
「ありがとうございます♪ とはいっても2週間で帰ってきますからご心配なく」

 学園都市最強を唯一オモチャに出来る初春が渡英すれば自分の身は安泰と考えた一方通行だがオルソラと比較した結果、すぐさま手の平を返した。
 一方通行の態度に満足した初春は今すぐここを発つことを告げた後で皆に挨拶をする。

「じゃあ皆さん、行ってきます♪ 私が居ない間、火織お姉ちゃんと建宮さんのこと、宜しくお願いしますね」

 初春の挨拶に上条たちはそれぞれに激励の言葉を初春に贈ると、絹旗への挨拶もあるということで控え室を佐天と共に後にしようとした。
 しかしいきなり初春が振り返ると、上条に対してギュッと抱きついた。

「か、飾利?」
「えへへっ♪ しばらく会えないから当麻お兄ちゃん分を補充です〜。美琴お姉さん分はすでに補充してますから」

 美琴と佐天以外が呆然とする中、初春は満足げな笑顔を浮かべて今度こそ佐天と一緒に控え室を後にするのだった。


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