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とあるSSの禁書目録 PART6
1■■■■:2009/09/02(水) 07:23:27 ID:ZGim682.
ここは「とある魔術の禁書目録」のSSを書いたり読んだり原作の予想外の展開にテンパってみたりするスレッドです。
次スレは余裕を持って>>980くらいの人にお願いします。
注1)ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。
注2)基本マターリ進行で。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁。
注3)職人さんは随時募集中。ジャンルは無制限。IF物、クロスオーバー、嘘予告、TSからBLまでもうどんとこい!(やっぱ流れも考えて)
注4)地球がリングだ!


注5)書き込む前に少しスレの流れを確認してみるのも必要ですよ? 用法用量は正しくお使いください


とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/284.html

2■■■■:2009/09/02(水) 20:39:25 ID:qa0lbZZE
>>1 乙です

3■■■■:2009/09/02(水) 23:01:12 ID:/zcdylFg
>>1乙です

4■■■■:2009/09/02(水) 23:02:01 ID:/zcdylFg
ミスった

5■■■■:2009/09/03(木) 12:25:06 ID:smklQPyw
5もーらいー

6■■■■:2009/09/03(木) 19:53:39 ID:wB0MxGL2
6ゲット〜

7■■■■:2009/09/03(木) 20:42:38 ID:5tZjxxGM
>>7は新スレを立てた>>1を眺めながらぼんやりと呟いた。そういえば、自分の魔法名は一体何だったか。それを思い出す。
「ああ、そうか」
我が乙は>>1のために。
自らに課した『名』、自らに架した『意味』をようやく思い出して、>>7は小さく目を細めた。




8■■■■:2009/09/03(木) 23:45:39 ID:8V2OA6Ts
とりあえず、sageろ。

9■■■■:2009/09/04(金) 00:02:32 ID:V2tL1DGc
>>8
全力で謝罪する…

10ki-i:2009/09/04(金) 04:50:28 ID:uJwzIhe.
10ゲ〜ット!!
>>1さん乙です。これでやっと投稿できる……
……今から24時間以内には予告していたクロスオーバーを投稿したいと思います。

11■■■■:2009/09/04(金) 18:03:12 ID:k.DqdRzs
早く!早く!早く!

12ki-i:2009/09/05(土) 04:17:56 ID:yyFKDccc
え〜…………っと、初回と言う事ですが、異様に長くなってしまいました;
これでも削って削って書いたつもりなんですが……あと、書いていて、これはクロスオーバーなのか?と言う疑問が……

クロスオーバーさせている作品を発表した後、事情をご説明させて頂きます。それではどうぞ。

13ki-i:2009/09/05(土) 04:20:41 ID:yyFKDccc


『K鄯−鄯』



○月25日


「学園都市」 東京都の西部を丸ごと買い取り、改造して造られた科学と学生の街。

外界とは科学技術が2,30年ほど違う街を統べる学園都市統括理事長であるアレイスターは、何時もの様に窓一つないビルに居て、何時もの様に生命維持装置に逆さまで入っていて、何時もの様に男とも女とも聖人とも罪人とも子供とも大人ともとれるその容姿で、少しばかりの笑みを浮かべていた。
その眼先には少し小さめなモニターが有り、そこには20代後半の、メガネを掛けた科学者らしい男が映っている。

「ふむ……………そうか」
『はい。やはり完全は勿論、初期起動すらままならない状態でして…………』
「かまわんよ………元よりそれが前提だ…………そもそも「アレ」が我々の予想通りの物だったのであれば、失敗だからな。……では次にプラン28896を…………」

アレイスターは微笑む。男とも女とも聖人とも罪人とも子供とも大人ともとれるその容姿で、何時もよりも少しばかり笑みを強くして……………………




Chapter1 『Sleeping Beauty who is covered with garbage』






土曜日


「これで……どうだ!」
彼はぴくりとも動かない
「ちくしょう!だったらこれで……!」
彼はぴくりとも動かない
「くそっ!なんだよ、なんなんだよ!!起きろ、起きろよ、おきてくれぇぇええええええええええー!!」
彼はぴくりとも動かない

………………というやり取りを開始して既に1時間。ガタン!と言う音と共に、上条当麻はとうとうテーブルに突っ伏した。
まるで友人か誰かが死んでしまった時の様なセリフの数々だが、ここは上条当麻が住んでいる寮の部屋だし、今現在この部屋には上条以外の人間はいない。


「なんで起ねぇんだよ!俺のパソコ〜〜〜〜〜ン!!!」

14ki-i:2009/09/05(土) 04:21:34 ID:yyFKDccc


Personal computer。訳してパソコンは、今や学園都市の外でも生活には欠かせない物となっている。
まして科学の街、学園都市ならば持っていて当然、当たり前。と言うか無いと生きていけない。そう言っても過言では無い。

上条は結構な貧学生(その主な原因は彼では無く、彼と一緒に住んでいる1人の英国シスターによる物である)だが、それでもノートパソコンは持っている。
いや、今となっては「持っていた」の方が正しい。何故ならこのパソコンは二度と起動する事は無いのだから…………

そのパソコンが壊れたのは上条の使い方の悪さによる物では無い。
むしろマニュアルを読み、掃除も欠かさず、たいせつに大切に使ってきた。
(………………まあそれは「物を大切にする」という心から来るものでは無く「これが動かなくなったら新しいパソコンを買わなくてはいけない」→「余計な出費」→「不幸だ〜!」に繋がるからなのだが)

では壊れた原因は何か。
………………答えはもう分かっている。というか、これ以外に思いつかない。

「おのれバカシスター!あれほど勝手にいじるなって言っておいたのに!!」

100%間違いなく彼女「インデックス」の仕業だろう。

金色の刺繍を施した真っ白な修道服(通称ティーカップ)を着ている、長い銀髪に緑の瞳をしている英国シスターである彼女は、魔術という理解不能な力を扱う世界で、10万3千冊の魔道書を「完全記憶能力」で記憶している魔道書図書館「禁書目録」だったりする。

故に、魔術というものの知識に関しては間違いなく世界1なのだが、魔術と対立している科学の知識に関しては驚くほど疎いのだ。

そんな英国シスターは今、部屋にいない。
上条が買い出しから帰ってきたその時からいない。

彼女の代わりに上条を出迎えてくれたのは、パソコンからモクモクと立ち昇る煙と、金属が焦げたような匂いだった。

に・げ・た・な・あ・の・や・ろ・う

「ふっふっふ………………ただいまより捕獲作戦を開始します。全力であのバカシスターをひっ捕らえるべし!!」

1時間かけても起動しないパソコンの修理をあきらめた上条は、インデックス捕獲作戦を開始。全力で部屋を飛び出したのだった。



1時間後…………………………


インデックス捕獲作戦は開始僅か1時間で中止になった。
インデックスが発見され、捕獲に成功したのではない。「中止」となったのだ。

上条は今、インデックス捕獲作戦本部(自室)へと帰還していた。

理由は1つ、戦利品も1つ。


何でこんな事をしてしまったのか、何でこんな事になってしまったのか、上条は混乱と葛藤を繰り返しながらも、自分の目の前に横たわっているものを見る。


「どうすっかなぁ………………「これ」」


上条の目の前に横たわっているのは、包帯を全身に巻いた少女の形をした、人では無いものだった。

15ki-i:2009/09/05(土) 04:28:50 ID:yyFKDccc

行間1

学園都市のとあるマンションの1室で今、壮絶なる戦いが繰り広げられていた…………!



「やだやだやだやだやだ〜〜〜〜〜〜!かう買う飼うー!!この子は絶対離さない!この子の居場所はミサカの腕の中なの!!って、ミサカはミサカはうるうると目を滲ませつつ上目使いの眼差しを送るというスーパーコンボを発動してみたり」

『勇者ミサカは「コンボ!・ロリッ子のお願い」を使った!』

「………………ラストオーダー?何度も言うけれど、そのコンボはその系統の人じゃ無いと一定以上の効果は期待できないわよ?」

『こうかはいまひとつのようだ!』

「ガーン!可愛くてヨウシタンレーでスタイル抜群のミサカが繰り出すこのコンボに耐えられる人がいたなんて!って、ミサカはミサカはショックを受ける」
「…………えーっと、取り合えずツッコミ所が多すぎるから1言に纏めるじゃんよ。………………自重しろじゃん?」

『○ばさん魔人sのツッコミ攻撃!』

「「誰がお○さんじゃぁぁあああああああああああああああああああ!!!」」
「ぴぎゃぁぁあああああああああああ!!?」

『追加攻撃『ツインバイスヘッドクラッシュ!』
勇者ミサカは20001のダメージを受けた!』

「せ、せめてもうちょっとダメージの少ない攻撃にしてほしかった…………………って……ミサカはミサカは最後の力で遺言を残してみる…………」
「はぁ…………とにかく早く返しなさい…………」

芳川はラストオーダーの腕の中にある物を指さす

「その電子脳ペットの猫を」

ロボには見えない猫がにゃーんと鳴いた。

16ki-i:2009/09/05(土) 04:30:44 ID:yyFKDccc



元はと言えばインデックス、彼女が悪いのだ。

彼女が上条の言いつけを守り、パソコンに触ってさえいなければこんな事にはならなかった筈だ。それは間違いない。


…………間違いないのだが、今ここに横たわっている少女に関しての厄介事はそうじゃないよなぁ……小さくそう呟き、上条当麻は溜息をつく。

「…………なんで持ってきちまったんだろ「コレ」」




「どこだぁああ!インデックスゥゥウ!!」

日はもう随分と傾き、完全下校時刻も迫っている夕暮れ近くの学園都市で、今日と言う今日と言う今日は晩飯抜きにしてやるぞこらぁ!!と、インデックスに執行する罰を考えながら街道を勢いよく走る上条。その顔はもう必死そのものだった。

「くっそ、インデックスの奴どこ行きやがった!!つーか出かけた先でまた厄介なことしでかしてねえだろうな!?」
「ねえ上条君?」

と、ここで横合いから急に声が掛かり、勢いよく走っていた上条は前へとスッ転びそうになった。

「んぉわあ!!……って、姫神か…脅かすなよ……」
「勝手に驚いたのはそっち、私は声を掛けただけ」

その勝手に声を掛けてきたのは、上条の同級生でクラスメイトでもある「姫神秋沙」
「吸血殺し」という吸血鬼を殺す力を持っているが、それを使いたくなく、自分では制御不可能な能力なため、普段はケルト十字によってその力を押さえている。
巫女服が似合ったり、料理が結構得意だったりと言う一面も…………

「……………………………………………………」
「ってうおっ!!ど、どうしたんだよ姫神!?汗が目から流れてるんですが上条さんはあなたに何か悪い事をしましたか!?」
「…………名前と説明……」
「は?」
「最近やたらと色んな所で「■■」って呼ばれてるから…………危うく自分の名前を忘れる所だった…………」
「■■って誰だよ!?俺がちゃんと覚えてんだから他の奴らだって覚えてるだろ?」

その言葉に姫神は一瞬眼を見開いた後、少しばかり頬を赤く染めた。
泣いたから顔が腫れたのかな?と、上条は視察する。

「……上条君が……ちゃんと覚えてる………………………?」
「お、おう…………(つーか俺は黒髪長髪日本系でうちの学校の指定服着ているすこし地味な奴なんて姫神以外知らないし……………)」
「…………………………………………………………………そう」
「あ、そういえば姫神!!インデックスの奴見なかったか!?」
「………………………………………………………………………………………………………あ、うん……彼女だったら向こうのジャンク場の近くで…………」
「サンキュ、姫神!イィンデックスゥウウウ!!!」

上条が走りだしたと同時に姫神が言った一言を、上条が聞いている筈は無かった。

「………………1時間前に見かけた…………」

17ki-i:2009/09/05(土) 04:35:02 ID:yyFKDccc


「はあ……はあ……くっそ、インデックスの奴……いったいジャンク場に何の用があるんだ!?」

ジャンク場。正式名を「ジャンクパーツ交換場」

工場に囲まれた空き地の様なその場所は、元々は様の無くなったジャンク品を捨てるゴミ捨て場だったらしいのだが、何時からか、まだ使えるけど飽きた。もしくは、少し古くなってしまったけど一応使える。そんな品を持ちより、そこに置き、気に入った品が有れば持って帰る事が出来る、無人フリーマーケットの様な場所だ。

暗黙のルールとして最低限の美品と性能を兼ね備えていなければならないので、運さえ良ければ最新の家電などを持ち帰る事が出来る事もある、結構有名な場所だったりする。

だが流石にこの時間にここにやってくるような学生はいないらしく、見渡す限りではここにいるのは上条だけだ。

「おいインデックス!!いるなら返事し………………」

声が、止まった。

美品も、ゴミにしか見えない物もあるジャンクパーツの山の中にそれはあった。
どう見てもジャンク品では無い物が。どう考えてもそこにあるのが不自然な物が。

…………ジャンク品の山の中から覗いていたのは………………………………人の、腕。

「っっつ!!??」

先ほどまでの怒りが瞬時に消え去った。
猛スピードでジャンク品の山を掛け上る。その腕が彼女の物かどうかはどうでも良い事だった。ジャンク品の中に人が埋もれている……あれが人形か何かの物でない限り中の人が無事でいる保証は無い。
人形だったらまだ良い、笑い話で済む。何時もの「不幸だ〜」の一言で終わる。

だけど…………本当に誰かが埋もれているんだとしたら………………

「おい大丈夫か!しっかりしろ!!…………くそっ!!」

大声で呼びかけても反応が無い所を見ると、もしかするとヤバいかもしれない。
上条は必死に周りにあるジャンク品を勢い良く崩し始めた。5〜6個も退かすと、埋もれていた物の全貌が見えてくる。

少女だった。

薄く白みがかった金色の長髪で美肌。顔立ちも良く、彼女が来ている少し薄めの白いワンピースがそれらすべてを引き立ている。

まぎれもない美少女。だが……息をしていない。

「お、おい!!しっかり…………あれ?」

と、ここである物が上条の視界に入る。
それは少女から生えている、大きな機械の耳の様なもの。その大きな耳の様な物からは数本のコードが少しばかり飛び出ていて、それが、彼女が人では無いと上条に認識させる決め手になった。

「これ………………パソコンか?……………………あ〜……驚いた。猟奇殺人事件かなんかに巻き込まれんのかと思ったじゃねえか………」

精神的にも肉体的にもドッと疲れ、上条はへなへなとその場に座り込んだ。

人型パソコンの話は上条も聞いた事がある。
学園都市内でも何十台と無い超最新鋭の技術を駆使した人の形をしているパソコンで、一度電源を入れたら次に落せるのは破棄時のみ。今使われているのは殆ど試作品、若しくはマニアが買い取って使っている物ばかりだという。

「しっかしこのパソコン、まだ造られてあんま経ってないんじゃないのか?傷ついてる様子もないし…………」

と、ここで上条はある事に気がついてしまう。

ジャンク場には「まだ使える物」を持ってくるのが暗黙のルールだ。
例えばパソコンなら「使える」のがルールで、それ以外の物は持ち込んではいけない。(故に先程壊れた上条のノートパソコンは持ち込む事が出来ない)

と、言う事はだ…………

「…………もしかして、まだ動くのか?」

そこまで考えて、いやいやそれは無いだろ。と、上条は首を横に振る。

いくら某先生T・Kが、ここで学園都市最先端技術を利用した最新冷蔵庫と掃除機を拾った伝説があるとはいえ、ここまで貴重な物をわざわざこんな所に放置すると言う事はあり得ないと思う。

「いやでもここでお宝級の品を拾った人もいるって話だし……………まさかそんな……でも…………」

18ki-i:2009/09/05(土) 04:38:28 ID:yyFKDccc


「……なんで持ってきちまったんだろ」

そう。さんざん葛藤を繰り返したあげく、その人型パソコンをジャンクパーツの山の中から引きずり出し、持って帰って来てしまったのだ。

「上条さんはエンジニアでもなければパソコンマニアでもないって!つーかさっきから起動スイッチが見つかんないから壊れてるのかどうかも分からないんですがどうしましょう!?」

スイッチらしきところはみんな押してみた。
1番目立つ大きな機会の耳から、足の指の先まで全部押してみたのだが、全く反応が無い。
…………いや、正確に言えば押していない部分が2か所ほどあるにはあるが…………流石に躊躇われた。

いくらなんでもそれは…………でも…………か、可能性が無いわけじゃ……………………

ハッ!と、上条は想像した幻想を振り払うように首をぶんぶんと振り、顔の熱をおとす。

「いやいや、絶対それ以外の場所にあるはず!あきらめませんよ!!」

再び、その機械的な耳さえなければ誰がどう見ても可憐な少女の肌に、上条はそっと触れてみた。わずかに空気を含んだ、柔らかくもサラサラの金髪がふわりと上条の肌に当たり、少しこそばゆい感覚を覚える。

と、それがきっかけになったのか、上条の意味記憶からあるキーワードが導き出されてきた。

「口の中」と言うキーワードが。

「…………もしかして…………」

上条当麻は記憶喪失だ。
故に7月某日以前の記憶が無い…………だからなぜ急にこんなワードが頭の中に導き出されたのか、なぜ以前にもこんな事があったかのように体が動くのか、以前このパソコンのいる場所に横たわっていた人は誰だったのか、そもそもそんな事があったのか事体思い出せない。

パソコンの唇に手を掛け、その口をゆっくりと開く。
喉に近い場所をよーく見ると、そこに小さなボタンの様な物が付いていた。

「あった………………!」

口に右手を入れ、押し込むように奥へと進む。
口内もパソコンには思えない……本物の肉の様に柔らかかった。

(……す、すげえな、こんなとこまで人間そのものじゃねーか)

そんな感想を抱きながら、奥へ奥へと右手を入れて行く。


そして……………………………



カチリ!



その音と共に、パソコンを、上条の視界を、部屋を、光が包み込んだ。

19ki-i:2009/09/05(土) 04:44:10 ID:yyFKDccc
え〜っと……投稿してから再確認しましたが、やはり長すぎる;
本当はChapter1の終わりまで行ってしまおうと思ってたんですが、急きょ間をおく事にしました;;

ところで……ここまでの話で何のクロスオーバーか分かった人はいますでしょうか?

20■■■■:2009/09/05(土) 16:10:05 ID:zmwYBJ/.
微妙に違うけど、
ちょビッツじゃないの?

21■■■■:2009/09/06(日) 23:04:16 ID:LIZBdK2E
ちょビッツって何?

22■■■■:2009/09/06(日) 23:24:29 ID:q90T6IYg
投下ログを誰か・・・

23ki-i:2009/09/07(月) 04:31:51 ID:n2OYA7/s
おお!いる!!分かってくれている人がいる!!!!(超うれしいです)そう、これは「ちょびっツ」パロであります。

知らない人のために大まか+簡単に説明すると、田舎…と言うか牧場から東京に出てきた大学落っこち組みの浪人生「本寿和秀樹(もとすわひでき)」はある日、ゴミ捨て場に落ちていた人型パソコンを拾う。
壊れているのか「ちぃ」しか喋れないそのパソコンに「ちぃ」と言う名前をつけ、周りの人たちと一緒に日常を過ごしていく…………だがそのちぃには重大な秘密があって…………

……と、まあそんな感じの物語です。「

これ学園都市でもできるんじゃね?」と思ったのがすべての始まりす。オリジナル設定を入れたかったので結構変った所もありますが
(ネタをそのまんま使うのもどうかと思ったので。例を挙げるなら「ちょびっツ」を知っている人なら説明不要でしょうが、ちぃの起動スイッチはとある場所にあって「いくらなんでも上条さんにそれをやらせるのはまずいだろ!!」と思ったんで急きょインデさんと同じ口の中にしたりなどです)

うまい事エンドマークを付けられたらいいな〜と思っております。それでは続きをどうぞ。

24ki-i:2009/09/07(月) 04:38:43 ID:n2OYA7/s

行間2


学園都市最強のレベル5「一方通行」は、学園都市暗部の組織「グループ」が集う「休憩所」で昼寝をしていた。今この休憩所に居るのは自分と同じグループのメンバーの1人「海原光貴」だけだ

ここ暫く、グループのメンバーには仕事が回ってきていなかった。

上からの指令が無いというのは肉体的にも精神的にもありがたい。暗部にまで堕ちてきた自分たちに仕事が無いと言う事は、それだけ光の世界が落ち着いていると言う事だ。
願わくば、光の世界しか似合わない騒がしすぎるあの少女にも、平穏な時が流れている事を……………………

「…………あ〜……………しっかし、やる事がネぇならねェで退屈だなァおい……」

昼寝はし飽きたし、射撃練習もとうに限界最高得点を越え、食事はついさっきとったばかり。元々闇の住人である一方通行には常識的な暇のつぶし方は、分かるが実行できないし楽しめないのだ。

「トランプでもしますか?古くから受け継がれているゲームっていうのは、単純ですが、そう早く飽きは来ませんよ?」
「…………パスだ。そういうのは2人でやっても面白くねえだろ。それにテメェと一対一でそういうゲームはやりたくねえ」

一方通行がそう言ったのには二つほど訳がある。

1つ目に、この「海原光貴」は本人ではないらしい。らしい、と言うのは一方通行が海原の事をあまりよく知らないからなのだが、海原はとある能力で人の顔を借りる事が出来る……らしい。
それ故か、ポーカーフェイスがグループのメンバーではトップで、こういうゲームが結構得意だったりするからだ。

二つ目は一方通行の個人的事情で、海原の近くにいると、まるで静電気を浴びているかのような少々嫌な感覚に襲われるのだ。満足に昼寝が出来なかったのも、少しばかりそれが原因だったりする。

九月某日。自分の背中に黒い翼の様な物が生えた時からその感覚がある。
科学では証明できないのではないかとも思う、不思議な力を浴びている様な感覚が………………

「そうですか、じゃあ……」
「四人での対抗戦なら文句はないにゃー、一方通行?」

25ki-i:2009/09/07(月) 04:41:30 ID:n2OYA7/s


いつの間にか休憩室の入り口にグループのリーダー、土御門元春と、同じくグループの構成員、結標淡奇が立っていた。
ニヤついている土御門に対し、結島は溜息をついている。

「ハッ!おいおい、学園都市暗部の組織の一組がみんなで仲良くトランプたァどういう事だ?笑い話にしかなんねえぞ」

鼻で笑う一方通行が寝ているソファーの近くにある別のソファーに、土御門と結島は腰を下す。

「まあまあ偶にはいいぜよ、ゲームで仕事を選ぶってのも」
「…………どういう事だ?」
「仕事よ…………ちょっと特殊な、ね」

結島は手に持っていた資料らしきものをパラパラとめくると、面倒臭そうにそれを床に投げ捨てた。

「今回の仕事は、はっきり言って俺達のうち誰かが圧倒的戦力になる……なんて事が無いんだにゃー。一方通行のベクトル変換も、結標の座標移動も、海原の誰かに化ける能力も、俺の肉体再生も………そこまで役に立たないぜい」
「あぁン?だったらンなもん別の所に回しゃあ良いだろうが。上のお偉いさんも、厄介事が早く無くなる方が良いんじゃネェのか?」

別に暗部の組織はグループだけでは無い。それこそ、掃いて捨てるほどある筈だ。

「それがそうもいかないらしのよ。私達以外に適応する人たちがいないんですって。それが本当かどうかはさておきね。」
「んでもって今回の仕事は…………四人全員がバラバラに動く必要があるんだにゃー。しかも、それぞれの仕事内容は楽が出来る簡単なものから、何でこんな事を……って言うようなめんどくせぇものまである。………だけどさっき言った通り、誰がどこに就こうが成果は大して変わんねぇ………」
「…………つまり、誰がどの役割に就くかをゲームで決めようと言う訳ですか?」
「私は反対したんだけどね……」

結島は溜息をつきながらも、土御門が海原から奪い取ったトランプをシャッフルしている。
自分ではイカサマを仕掛けたと思われかねないから代わりにやれ、との事らしい。

(クククッッ、おいおい、なんだこりゃあ?)

一方通行は笑っていた。

学園都市暗部。闇の中の闇に生きる者たちが仕事の優越を決める為にトランプで勝負。
そんなどうでも良く、馬鹿馬鹿しい事が今ここで繰り広げられようとしているのだ。

それは憐れみか、可笑しすぎて笑えてくる物なのか。
それとも、こういう時こそが安らぎの時間なのだという認識を少しばかり持ちそうになっている自分への嘲りか。

「どうします一方通行?やりますか?やりませんか?」

挑発するような海原の声に対し、口元に少しばかりの笑みを浮かべ、一方通行はゆっくりとその体を起こす。

嵐の前の静けさが終わる……その一歩前に出来た、少しばかりの暇を潰すために…………

「良いんじゃねーのか?…………退屈だしよォ」
「…………よーし、それじゃあ………………………………………………」





「ダウトで勝負だぜぃ!!」
「はぁ!?ババ抜きだろクソッたれがァ!!」
「トランプと言ったら七並べでしょ!?」
「インディアンポーカーなんてどうです?」


この後、どのゲームをやるかで四人が三〇分ほど揉めるのはどうでもいい話。
結局4つ全部やり、勝敗が決した後も勢いでゲームを続け、結果として三時間以上もトランプをし続けたのもどうでもいい話。

26ki-i:2009/09/07(月) 04:48:47 ID:n2OYA7/s
え〜……今回はグループはこんな事をしてますよ〜ってのを書いてみました。
今はまだ薄いですが後々かかわってくるのでご安心を。

(私的ですが、グループのメンバーって以外と仲良いんじゃないかと思ってます)

27かみかぜ:2009/09/07(月) 16:30:24 ID:w5xoyiZk
gj

28■■■■:2009/09/07(月) 18:52:04 ID:zBasy/oQ
とってもGJ

29■■■■:2009/09/07(月) 20:07:07 ID:yhffcHH6
gjです。いいですねェこういうのも。

一方通行はあ行の小文字とんがカタカナですよ。

30■■■■:2009/09/07(月) 21:31:48 ID:HtOjJIdQ
gj

31■■■■:2009/09/08(火) 19:44:10 ID:0JPKMRnE
超電磁砲OPがまじKAKEEEEEEEEEE件

32■■■■:2009/09/08(火) 20:07:24 ID:3viOMi7Y
次の巻が一通さん側なのはマジ?

33■■■■:2009/09/08(火) 22:01:42 ID:E0A8fLos
とりあえずsageよう。

34ki-i:2009/09/09(水) 04:58:47 ID:/Hh/hXN2
続き投稿しまっす!

なお、今回投稿した後にちょっとしたご説明があります。
できれば見てやって下さい。

35ki-i:2009/09/09(水) 05:00:43 ID:/Hh/hXN2




「な、なんだよこれ!人型パソコンの起動時ってこんなに眩しいのか!?」

パソコンから発せられた光を視近距離で直視したせいか、目がまだうまく開かない上、足元がおぼいている。
転ぶのをを阻止するため、上条は殆ど反射的に床に座り込んだ。
それほど強烈な光……閃光が部屋を覆い尽くした。

「パ、パソコンはどうなっ……」
「きぃ?」
「そうそう、きみだよ君…………って……う、動いてる!目ぇ開いてる!!「私の事?」って言いたげに自分を指さしてるぅうううう!!!」

座ったまま3,4メートルほど後ずさる。
まさか本当に動くとは思ってもいなかったのと、人型パソコンが動いてるのをまじかで見た事が原因だ。
一方のパソコンは、女の子座りでキョトンとした表情のまま首を傾げている

「き?」
「あ、あ、あの!お、俺、お前を拾ってきたんだけど…………大丈夫か?前に使ってた奴じゃなくて混乱してないか!?」
「………………きぃ?」
「………………おい、大丈夫か?」
「………………きぃ?」
「………………もしかして「きぃ」以外喋れないのか?」
「きぃー」

弱ったなぁ……と、上条は右手で頭を掻く。
プログラムを消去してから捨てたのか、あるいはこうなってしまったから捨てたのか…………どちらにせよ、このままでは使い物にならない。

「………きー……………」

感情表現能力は残っているのか、パソコンは上条にある表情を向けてきた。
………………改めて思うがこれは…………この子は本当にパソコンなのだろうか?という疑問を抱かせてしまう。

「…………そう不安そうな顔すんなって。どこか悪い、ってんならちゃーんと治すし、大切に使うからさ」
「きぃー!!」

優しく頭を撫でられ見せる満面の笑み。人間と何ら変わりのないその笑顔に少々戸惑ってしまう。

「(……これ、ほんとのホントにパソコンか?)…………あ、あのさぁ」
「き?」
「その…………!呼び方に困るから「きぃ」って呼んでもいいか?」
「きーーーぃ!!」

思いっきり抱きつかれました。
摺り寄せてくる頬の柔らかさも温もりも人間そのものです、はい。

「うわあ!だ、抱きつかなくていいから!!」
「き?」

きぃを上手く引き剥がす事に成功したとほぼ同時に受話器の電話が鳴った。
突然鳴った電話に少々驚いている様子のきぃを見て、何故かデジャヴを覚える上条。

(あれ?電話にびっくりするような奴って確かきぃ以外にも……………………)



「あああああああああああああああ!!インデックス!!!くそっ!すっかり忘れてた、もう完全下校時刻近いぞ!!」

この電話に出たらすぐに探しに行こうと、慌てて受話器を取る。

「はい!上条で……」
『はいは〜い上条ちゃ〜ん!ラブリーキュートなあなたの先生、月詠小萌なのですよ〜』
「こ、小萌先生?悪いんですけど用事なら後で………」
「そんな事言わないで、きーくーのーでーすー!!実はですねえ…………」

(小萌〜!お肉が焼けたから先に食べてるんだよ〜)

『あああああ!ちょっとシスターちゃん!!私が席に着くまでおとなしく…………ちょ!特上カルビ5枚まとめ食べは反則なのです!!ま、まって〜!!』
「…………………………………………小萌先生」
『は、はい?』
「そのバカシスター、2週間ほど預かってください」

それだけ言って電話を切った。
くるりと後ろを振り向くと、そこにはさっき起動したばかりのきぃが居る。

「き?」
「………………大丈夫………………だよ………………な?」
「きぃ?」



Chapter1 『Sleeping Beauty who is covered with garbage』

『ゴミ捨て場の少女』完

36ki-i:2009/09/09(水) 05:40:09 ID:/Hh/hXN2
やっとこさ「Chapter1」が終了しました〜!!
このエピソードは「ちょびっツ」で言うとプロローグにあたります。

(注ここから長くなりますのでご注意ください)

そしてここからが重要…………とある魔術の禁書目録×〇○というクロスオーバーをやろう!
と思い立った後、魔術側メインか科学側メインかでまず悩み、科学側でやるぞ!と言う事は即決まり、結果的に2つに絞り込むことが出来たんですが、どっちとコラボしても面白そうで…………

1つは勿論「ちょびっツ」私にとっていろいろ思い入れがあると言う事で候補としてはすぐに出てきました。

そしてもう1つは………………みなさんもご存じ、某ボーカロイド「初音ミク」です。

これでものすごく悩みまして…………いやだって学園都市なら2人ともあっさり作れそうじゃないですか。
悩みに悩みに悩んだ末、結局「ちょびっツ」をとった訳ですが

(もちろん理由はあります。
①パソコンが壊れてこのエピソードが始まるからミクがダウンロードできない。
②上条さんがパソコンに向かい、必死になってミクを調教(おい!)している姿が思い浮かばない。(いや、面白そうですけど)
③私が使っている&詳しく知っているのはボーカロイドの中でも「初音ミク」だけ。などなどetcetc………………)

いまだに未練がありまして………………「あ〜……本当に「ちょびっツ」で良かったのか…………」
と、そんなことを思いながらちょびっツを読んでいたらその中にあるキャラクターが出てくることを思い出しまして(すみませんHさん、すっかり忘れてましたorz)

「まてよ?ここをこうしてああしてこう変えて、オリジナル設定を加えれば………………いけるんじゃね!!?」
と、バカな事を考えてしまったわけです。しかしその妄想は止まることを知らず………………つまり何が言いたいかと言うと………………


3作品クロスオーバーってOKですか?

37■■■■:2009/09/09(水) 08:14:33 ID:REVVfcns
おkだけど…風呂敷は畳めるように

38■■■■:2009/09/09(水) 18:41:31 ID:ymHRxeMM
CHOBITS……だと……?
正直原作結末の意味だの謎だのがようわからんかった、覚えが
Arcadiaに一作初音ミクのクロスを知っているがさて、こちらは二次は初めて見た
多重クロスオーバー事態は本板の先達が実行されているし、随意に



電撃でかまちー氏が禁書でない「新作」を出すというのを缶詰で知ってしまった今日の驚きパート2

39■■■■:2009/09/09(水) 21:34:24 ID:QSxzxWtU
オーソドックスな考察や感想って、どこに書き込めばいいの?

40■■■■:2009/09/09(水) 21:34:43 ID:QSxzxWtU
オーソドックスな考察や感想って、どこに書き込めばいいの?

41■■■■:2009/09/09(水) 21:35:05 ID:QSxzxWtU
ごめんなさい。手違いで、2回スレしてしまいました。

42■■■■:2009/09/09(水) 22:28:03 ID:LwhScyQI
とりあえず、sageろ

43■■■■:2009/09/09(水) 23:17:19 ID:jV7zSojw
>>36 ki-i氏
投稿乙。
さて、非常に目につくので苦言を呈するというか、いささか厳しめなことを少々。

1.「…」の多用が目に余る
使わなくてもいいところで「………………」とあまりにもゴロゴロしているせいで非常に読みにくい。
全体的に「、」「。」で済むところもすべて「……」だから余計に。
多すぎてむしろ読み辛さが加速している。
(余計なお世話かもしれないが、レス文でもその傾向が見られたから、
 書く時の癖か、もしくは新しいオモチャを使いたがる子供のような印象を持ったことも併記しておく)

2.本家との微妙な差異
単純に言えば口調だったり、名前だったり。
例を挙げると>>29氏が指摘する「一方通行のァ行とン」。
一部は行なっているのに、一部は見逃していて、と徹底されていないから目立つ。

姫神は口数が少なく物静かな印象をうけるキャラだが、長門のように「……」を多用する印象はない。
あと、極限までテンパりでもしない限り「、」の部分はすべて「。」で喋る。

結標に至っては名前の書き違いを発見。「結標淡希」。
「淡奇」じゃないし、「結島」でもない。

細かいかもしれないが、それだけ粗が目立つということで、次回投稿では注意して欲しい。

3.コラボ対象を増やすことについて
できるというならばやればいい。
ただし、3種コラボなんてプロでもまずやらない。
どうしようもないカオスになって扱いきれずに泣くのは君。

個人的には見送ることを勧めておく。

長文失敬。

44■■■■:2009/09/09(水) 23:51:08 ID:REVVfcns
「〜〜〜〜」

禁書の地の文に近づけるなら、まず「〜」は「ー」でおk

テキストの見直しを心がけなさいな

45ki-i:2009/09/10(木) 08:44:46 ID:lQWPBPcQ
43,44さん、ご指摘ありがとうございます。以後、原作に近づけるように努力していきたいです。

考えた結果なんですが、やはりミクを入れようかと……と言うのも、元々私が書いているのはクロスオーバーと言うよりはキャラ乱入に近いんですね。
何が言いたいかと言うと世界観を混ぜると言うよりは、キャラとアイデアと設定の一部を禁書世界に持ってくると言った感じです。この作品にあのキャラ「だけが」乱入したら面白そうなのにな〜、的な。

……なので「きぃ」に関しても「初音ミク」に関しても「よく似た別人」と考えて下さった方がいいかもしれません。

カオスにならないよう、気をつけて書いていきたいと思います。

46■■■■:2009/09/10(木) 23:05:01 ID:KGlKY7mA
はいはいリ・イマジリ・イマジ

おのれディケイド!
お前のせいで禁書目録のせk…あれ?

47■■■■:2009/09/11(金) 00:32:53 ID:keSFmCfw
>>32
いや絵師さんサイトには何も書いてないが・・

48■■■■:2009/09/11(金) 02:01:55 ID:W5GjTn3M
>>32>>47
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/184.html
一番下の三行予告
ソースは電撃文庫メルマガ

49■■■■:2009/09/11(金) 22:39:42 ID:keSFmCfw
ねぇ漫画って今月のガンガンから通行止めの話に入るの?

50■■■■:2009/09/12(土) 06:59:49 ID:wZk8pxy6
>>49
何か混ざってるぞ

51■■■■:2009/09/12(土) 19:56:40 ID:eX24ciyo
どうも、通りすがりのwiki(ry

一気に5スレ目の過去ログを格納しました。溜め込むとやっぱりだめですね。
6スレ目のログページを作ったので、更新止まってたら気づいた人が更新していただけるとありがたいです。

…wikiの更新履歴の内、半分が今日の更新で埋まりました。
本スレの方々すみません。。。

それにしても、5スレ目は長編完結ラッシュ。
かと思えば、短編も負けず劣らずの勢いで書き込まれている状況。
気がつけば、5スレ目がいままで最短の書き込み速度(1000まで4ヶ月ちょっと)でした。
…あ、感想書くより先に書くことが残ってました。

作業ログ
・5スレ目の投下ログ残り分すべてを書き込み
・短編・小ネタ集を5スレ目までの内容に更新
・長編まとめ、短編まとめのリストを更新

あとtoto氏へ質問なのですが、「常盤台嬢の恋愛競争」と「とある少女の騒動日記」の続きは
予定されておられますでしょうか?まとめリストの都合上、お聞きしたいと思いまして。
よろしければお返事ください。

52■■■■:2009/09/12(土) 22:55:29 ID:qjANY3b.
>>51
ss自作スレ過去ログ編集お疲れ様でした。
数日前から過去ログを少しずつ整理されておられましたね。
確かに5スレ目は過疎った時もありましたが、長編・短編
ともにss投下ラッシュでしたね。
編集する方が大変ですが本スレでもss投下ラッシュになる
ことを期待しています。

53■■■■:2009/09/12(土) 23:26:02 ID:5Q5o3rUo
続きの読みたいssを上げていく。
俺は人間爆弾が読みたい。

5451:2009/09/12(土) 23:48:44 ID:eX24ciyo
>>52
私が更新したのは今日の分だけです。
ここ数日は別の方がされたようなので、その方に最大限の感謝を。

続きの読みたいSSだと、確かに「とある風紀」は読みたいですね。
最近に更新停止になった「失くした日常」の作者さんにも頑張って欲しい所。

55■■■■:2009/09/13(日) 01:04:48 ID:M5UjBIm6
>>50
どういう意味です?

56■■■■:2009/09/13(日) 03:04:37 ID:x4aVGX4.
>>55
サゲロヨ
50はたぶん、通行止め っていうのを知らなかったんだと思う

57ki-i:2009/09/13(日) 15:45:15 ID:cBR54eh.
予定より遅れてしまいましたが続きです。

58ki-i:2009/09/13(日) 15:47:09 ID:cBR54eh.


Chapter2『The manual which grows up』


一日目・日曜日





午前8時


「ふわぁぁぁああああーあ…………何でだろ」

台所で上条は大あくびをしながら考える。
只今朝食の準備真っ最中の上条は、ボーッ、とした頭で考える。

だが起きている体に対し頭は寝ているので思考は止まっている訳なのだが、寝ボケていてその事じたいに気づいてない。

その為、本日の朝食のメインメニューは「フレンチトースト」……の筈だったのだが、何故か「卵かけごはん」になってしまっていた。
(経緯は以下の通り)

「んあー……眠い……」
(卵をパカパカ、ミルクをコポコポ、砂糖をドバドバ)
「ね…………ね……む………」
(菜箸でカチャカチャカチャカチャカチャ……∞)


(ここで記憶と時間が飛ぶ)


「(はっ!)俺はなにを……?」
(ふと手元を見る)
「あ、そーか……朝飯の準備…………卵がほぐしてあるって事は、ふつーに飯にかけて食うんだよな……昨日インデックスが小萌先生の家に泊まったから、ご飯だいぶ余ってたもんな…………」
(再びカチャカチャ)

普通は気づくだろ!と、誰もが言うかもしれないが、上条は不幸体質だ。

1「寝ボケている」
2上条は1の理由により「食パン・フライパン・油・食器を戸棚から出していない」
3同じく1の理由により「色と量が変化する牛乳を少なめに入れてしまった。そして、牛乳に比例するように、味が変化する砂糖を多めに入れてしまった」

そして上条はそんな事など気づきもせず、眠気と戦いながら必死に思考をして繰り返している。

「はぁ……」
彼の視線の先にはベッドが。正確にはベッドでスヤスヤと眠る、上条の新しいパソコン。と言うよりは居候の「きぃ」がいた。

ふんわりと空気を包み込んだ様な、フワフワかつサラサラの金髪。もっちりとしながらも、すべすべな肌。しなやかな、でも遠くから見ただけで優しいオーラを感じる事が出来る体。

静かな寝息を立てて眠るきぃの姿は、絵にすれば間違いなく21世紀最高の作品と言われるようになるだろう。だが、上条の思考はそんな事に回されてはいない。


昨日の夜。午前0時

久々にベッドで寝れるぞいやっほーい!!
と、浮かれながらベッドに飛び乗る上条。そこに真似するようにきぃが横から思いっきり飛びついて来たのだ。まさにダイビングするような形で。

それだけならまだ良い。一回「そげふ!!」しただけだ。むしろ不幸体質である上条はこの程度慣れている、問題は次だった。


…………離れない。


タコの吸盤の如くピタリ!と張り付くように肌と肌を密着させたまま離れてくれない。
と、言うか絡まってくる。

勿論言葉では言い表せないほど慌てた上条は、すぐさまきぃを引っぺがし、必死に説明&説教……を、している最中に、きぃは再び抱きついてきた。(どうやらじゃれあい感覚らしい)
説教→抱きつき→説教……
これをえいえんと繰り返し、とうとう上条は何時もの場所(風呂場)で寝る事になってしまったのだ。

59ki-i:2009/09/13(日) 15:49:03 ID:cBR54eh.

昨日の就寝時間は午前3時過ぎ。

「懐いてくれてるってのは悪い気しねーけど、やっぱ何とかしなきゃな…………つーか俺、人型パソコンの事なんて殆ど何も知らないし」
「……き、きーぃぃい…………?」
「お、起きたかーきぃー。朝だぞー」
「き!きーぃ!!」
「うぉおおおお!?まてマテ待て!抱きつくの禁止!ここで抱きつかれたらせっかく作った朝飯がめちゃめちゃに〜!」





「なんともない?……っておわ!」
激突1メートル手前できぃはピタッ!と止まっている。
その誇らしげな表情は「昨日言われた事はちゃんと覚えました!」と自慢げに語っているようだった。

「よ、よく覚えたな。えらいぞ、きぃ。」
「きぃー!」
「だが抱きつくのはダメです!」
「きー……」

心底残念そうな表情をしたきぃはトボトボとキッチンを出ていった。……やはり今後の事を色々考えていかないとだめだ。

上条はレンジで温めた昨日の残りご飯と、例のアレ、醤油、インスタントのみそ汁、そして箸をガラステーブルの上へと持っていく。きぃは上条のマネをしているのか、向かい側にちょこんと座った。

「朝飯済ませて暫くしたらどっか専門の店にでも行って、きぃの状態を含めて色々詳しく聞くかー。そんじゃ、いただきまーす!!」

ご飯の上に、一見すると卵を混ぜただけに見える物をかけ、更にその上から醤油を垂らし、一気に…………


食べた。

吹いた。


いや、これは味がどうこうの問題では無い。

米に吸い取られる牛乳の味と臭み。
そしてトローリ濃厚卵に残る、溶けない砂糖のザラザラ感。
最後にそれらすべてを引き立たせる名脇役の醤油…………

うまいわけが無い。

「ゲホゲホッ!ま、まずい!!なんだこりゃあ!?お、俺はいったい何を食ったんだ!!?」

上条の場合「卵かけご飯を食べる」と思っているから効果は倍増だ、圧倒的に味が違い過ぎる。

勢い良く吹いた物体TGは、上条自身は勿論、向かいに座っていたきぃにまでけっこうな量が掛かっていて、金色の髪や白いワンピースが見るも無残な事になってしまっていた。

「きぃー?(ペロペロ)」
「わ、悪りいきぃ!いま雑巾とタオル……って、自分に掛かった謎の物体TG食ってる!!つーかパソコンて食事できんの!?」
「きーーーぃ!」

これが原因で壊れたりしねーだろうなー!!?そう心配する上条をよそに、きぃは黙々と自分に掛かった物体を処理してゆく。
それも満面の笑みで、むしろこれが好物だと言わんばかりに。

「きぃー!」
「だ、大丈夫みたいだな、うん。流石は学園都市が誇る超最新鋭技術……(だが何故だろう。この料理(?)が好きなのは、数ある人型パソコンの中でもきぃだけだと思うのは……)」

きぃはアッサリと自分に掛かった物体の殆どを食べ終え、今度は向かい側にいる上条の方に四つん這いになって向かってきた。その目的は間違いなく

「きぃー!」
「ちょっ!?待て!俺に付いたのまで舐めようとすんな!!」
「きーーぃ!!」

ここで上条は1つのミスをした。
きぃを止めたければ「抱きつくな!!」と指示すれば良かったのだ。「舐めるな!」をきぃはまだ教わっていない。

「待てってきぃ!ちょ!?四つん這いになって俺の腰に手を回しながら舐めんな!!誰かにこんなとこ見られたら」
「やっほー!上条当麻ー!!ベランダからグッモーニーン!って、朝の挨拶をしにきたぞ〜!!」


…………………………あ。

60ki-i:2009/09/13(日) 15:52:39 ID:cBR54eh.
ミクに関してのアイデアはあるんですが、どうやって絡ませていこうかで悩んでいます。

PS・私的に舞夏はこう言う時に突如としてあらわれるキャラだと信じてやみません。

61■■■■:2009/09/13(日) 16:22:19 ID:M5UjBIm6
今月のガンガンの禁書読んだ人いないの〜?
そろそろ打ち止め編じゃないの〜?

62■■■■:2009/09/13(日) 19:01:23 ID:./cHvEpg
打ち止めでてきたよ 一通が絡まれてマス 相変わらず

63■■■■:2009/09/13(日) 23:10:50 ID:YnByM5jE
漫画ってどこまで描くんだ?

64■■■■:2009/09/13(日) 23:18:43 ID:M5UjBIm6
>>63
失礼だがアウレオルスなら別に構わんが、ミーシャをカットってのは・・
そう長続きしないかもな。13巻以降をぜひ書いてほしかったんだが

なぁ他のアニメ化するくらいのラノベのコミカライズってどんな感じなの?
やっぱ途中で終わるケースとかあるの?

65■■■■:2009/09/13(日) 23:34:16 ID:NpZWgh2E
というか最後までやるほうが珍しいと思うぞ
もしくはやったとしてもかなり端折ったものになる
やっぱコミカライズって何年も完結するのにかかることがほとんどだし
人気を維持できなくて終わらざるを得ないんじゃないかねえ

66■■■■:2009/09/14(月) 04:11:06 ID:X40Z2zUU
ki-iさんGJ!
クロスオーバーは苦手な人も多く、感想も付きにくいと思うがんばれ!俺は応援してるぜ!!
ただ、文章について一言言わせてもらうが、改行が多くてちょっと読み辛い。
少なすぎてもアレだがもう少し減らしてもいいんでない?

67■■■■:2009/09/14(月) 04:14:41 ID:X40Z2zUU
×感想も付きにくいと思うがんばれ!
○感想も付きにくいと思うが、がんばれ!

ミスった、連投サーセンorz

68■■■■:2009/09/14(月) 12:09:56 ID:mhYgz4EY
新刊いつだっけ?

69かみかぜ:2009/09/14(月) 16:05:34 ID:aL3U/Euc
sageの意味を教えてください。できれば詳しく。

70■■■■:2009/09/14(月) 18:12:31 ID:6lOqq6/6
>>69
メール欄にsage入れる。それとコテハン(HN)は叩かれる

それと過去レスを読む癖をつけよう。スレ汚し失礼。

71■■■■:2009/09/14(月) 22:44:22 ID:FnkoLU26
>>60 GJ!
ミックミクにしーてやんよ〜♪

72■■■■:2009/09/15(火) 17:50:52 ID:X3Ro4E/2
かそってんな〜

73■■■■:2009/09/15(火) 19:04:25 ID:WtwpoJFQ
kamikaze!

74■■■■:2009/09/15(火) 19:32:42 ID:GYJm1Kos
一時期の投稿ラッシュが嘘のようだね・・・
職人さん達生きてますか?

75■■■■:2009/09/16(水) 23:51:39 ID:P/qGYfpY
19巻どうなるんやろ?

76ライク:2009/09/17(木) 19:29:23 ID:OlHD6Z6o
久しぶりに幻想創造を投下。相変わらずとってもぐだぐだな感じになってしまいました。
がここで彼女等と面識を作っていた。という事だけを覚えてくれたらうれしいです。ではどうぞ

77ライク:2009/09/17(木) 19:29:40 ID:OlHD6Z6o
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅰ


 「もう〜♪いくつね〜ると♪和尚が2〜♪」

 たまに間違った日本文化を学んだ外国人がいるがコイツもそうなのだろうか?と疑問に持ちたくなる。炬燵に入り寝ころんでいるのは許そう。寝ころんでミカンを食べているのもまあ、許そう。だが何故こいつは頭にタオルを巻き下着で炬燵に入りクーラーをガンガンに利かせているのだろう?おまけに歌詞もなにが違う気がする。

「ローラ、色々と突っ込みを入れたいけどまずは一つ。この船の鍵を持ってないはずのお前が俺の留守中に堂々と入り込んでいるのは何故だ?」

ローラと呼ばれたのは見た目18,9歳くらいの美少女だ。金髪碧眼でその髪はタオルで巻きけれない程長く宝石みたいな美しさを持っている。そんな彼女が答えた質問の回答は…

「うむ。もうじきクリスマスなのよ。なので教会の仕事が山積みなりけりでただいま逃亡中なりにつきよ♪」

とりあえず。聖人の力で殴っとこう。


 場所はイギリスの首都ロンドンから南へ60キロ程離れたブライトン。観光地として有名な港町から約10キロ程離れたケルト海沖である。そこにドーム状の形をした物体が回遊していた。元は学園都市が開発した火星での居住を目的に作られた『宇宙の箱船(スペースノア)』を改良したもので水空移動可能な居住兼移動手段である。この『宇宙の箱船』で世界中を移動している少年だがここ二週間はブライトンの近くに回遊していた。

「本気で殴らなくともよかろうに。で、ここ数日どこに行ってたの?久しぶりに遊びに来たりなのに…。おかげで学園都市最新の三日で出来る究極美容法を体感中なのよ」
ほらほらと何やら得体のしれないアイテムをみせるローラ
「……。それはアレイスターのお歳暮か?てか最大主教(アークビショップ)が無断で三日もロンドンを離れていいのか!?」
「無断ではないにつき。きちんと置手紙していたるの」

 少女の様な笑みだが侮ってはいけない。そもそもこの『宇宙での箱船』には魔術による完璧な千錠をしていたのだ。それが奇麗に解除されている。
ローラ=スチュアート。イギリス清教の最大主教で『必要悪の教会(ネセサリウス)』のトップ。つまりはイギリスを代表する三派閥の一つである清教派のトップである。教会の者なら知らぬ者はいないだろう。しかしこの少年との関係はあまり知る者はいない。

「はぁー今のローラの側近に同情するよ。俺がいた頃はこんな事しなかったのに」
「それはそうでしょうに。逃げ出さぬよう椅子に縛り付けられもし解こうならロウが全身にかけられるように仕組まれてたりであったし。今思うと私に恨みでもあったかしら?」

 少なくともこの場の雰囲気の感じは強い絆を感じとれた。

「貴方達はどんな関係なの?」

 声がした玄関の方をみれば一人の女性がいた。黒髪の方眼鏡の知的な印象を受ける女性で古い魔術師の家系…という事にして欲しいらしい。少年の知り合いの一人だ。ついでにローラとも知り合いである。

「リメリア!これまた珍しい。あんたが来るなんて初めてじゃないか?」

 リメリアと呼ばれた女性はローラを一瞥しローラは特に表情の変化を見せなかった。

「君に頼んだ物を取りに来ただけよ」

味気ないようだが彼女はいつもそんな感じだ。来ていたコートを脱ぐと炬燵に足を入れる。ふとローラの下着姿をもう一度見ると…。

「お邪魔だったかしら?これからお楽しみだった?」
「ちがーう!!!!!!断じてない!!」
「そ、そんな私は主に誓いを立てたる身なりてにつきよ!いくらその若い身が欲望に塗れていても叶える事は出来ぬのよ!!しかし、ここは身をもって浄化させるのが最大主教の役目なのかしら!?」

78ライク:2009/09/17(木) 19:30:32 ID:OlHD6Z6o
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅱ


「ローラ!お前は黙ってろ!!バカみたいな日本語で馬鹿みたいな事を言うな!!」
「馬鹿なみたい!?それはどういう意味なるかしら!?」
その言葉に脹れ顔になるローラ。どうでもいいとばかりにリメリアは先を促す。
「依頼品を貰ったらすぐに出でいくから安心しなさい」
「だから違う!!それと悪いが依頼品はまだ出来てない。途中で無茶な注文をしたせいで時間がかかりそうだ。悪いがひと月ばかし待ってくれ。あぁ、急用なら使い捨てのやつなら今日中に出来るけど?」
「そう。なら別に急がなくていいわ。だた最初の期限が今日だったから来ただけよ。こちらこそ無茶な注文してごめんなさいね。ならひと月後にまた来るわ」
 コートを取り早々と帰宅準備をするリメリア。それをローラが引き留めようとする。
「おやもう帰るのかしら?もっとゆっくりとすればよかろうに。それとも自分が信じし者すら疑うほどになりたるかしら?」
「あなた程、私は暇ではないですから。どうぞ続きを楽しまれたらいかかです?」
「だから違うって…。ローラも何噛みついているんだ?」

 詳しくは知らんが二人は仲は悪くはないはず。派閥間で何かあったのだろうか?

「何にもなしたるよ。それより私はお腹がペコペコなのよ。何か作ってほしいいし」
「繋がりを考えて言葉を言えよ…。我がまま過ぎるぞローラ」

 いつまでも変わらぬこの少女を羨ましく思う。ローラは自分の為に動き、自分の為に生きていている。他から見ればその行動は善悪どちらか分からないかもしれないがローラはそんな事を考える人間ではない。

「リメリアも食べていけば?」
「遠慮します。今日はペットはお留守番してますから」

 この人も変わらない。彼女は他人から食べ物を貰う際にはペットに毒見をさせるのだ。

「あぁ、それとそこのお嬢さん。なにやら港で妙にエロい格好のウエスタンルックのサムライガールがいたけど貴女の連れでは?じゃ仲良くね」

 その言葉にローラが青ざめる。その顔に満足しリメリアは帰っていく。

「やばい!すぐにここに結界を張るたるよ!神裂が早くにここに辿りつくとは思わぬし!」
「カンザキ…神裂…神裂火織か。インデックスの今年のパートナーだった元天草十字の女教皇(プリエステル)。一撃必殺の極東の聖人か」
「のんきな事を言いし場合ではないのよ!!」
「いや気分的にはリボン付けて差し出したいけど」

 正直邪魔なので引き取ってもらいたい。しかし同じ聖人、しかも同郷の日本人そしてインデックスの元パートナーという点で興味はある。世界で数少ない聖人と戦える機会などそうそう無い。

「少し運動してくるか」
「おお!珍しくやる気を出しておるし。ふふふ神裂め。いつもいつも正論ばかし言いしその口を塞いてくれるわ!!行け私の自由を守る為に!!」

 何やら日頃のストレスがあるらしいが正論と言っている時点でローラの方に問題があると思うのだが。
 昔から変わらないローラに呆れると『宇宙の箱船』が大きく揺れた。震度8でも衝撃を受け止める構造の箱船を揺らす程の衝撃。神裂火織(聖人)に違いないだろう。

「き、来た!一応にこれは学園都市の物と知りし上の攻撃か!?よほど怒っておるのかしら?」
「そりゃあ三日も行方不明じゃキレるわ。その間の仕事に対するクレームは側近に全部くるんだから」

 さすがに壊されるわけにはいかないので少年は表に出る。その顔は少しにやけている。何だかんだで戦う事が好きなのだ。

79ライク:2009/09/17(木) 19:31:47 ID:OlHD6Z6o
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅲ

「出来なさい最大主教!居るのは解ってます。三日も政務からにげるとは貴女には清教派のトップとしての自覚がないのですか?出で来なければこちらから向かいます。この扉を力ずくで破らせていただきます」


 二メートルを超える日本刀を構える。彼女の心情は一撃必殺。先の攻撃は挨拶代りだか今度は違う。
「唯閃!!」
 長身の刃から衝撃が走る。走るとはそのままの意味だ。海面を衝撃が走り『宇宙の箱船』に向かう。その時箱船から何者かが現れた。最大主教ではない見知らぬ少年だった。
「おっと」
 少年は何と素手で衝撃を受け止めそして完全に威力を殺している。

「すごい技だな。聖人の力を最大限引き出している。元々聖人ってのは神の子に身体的特徴がにているから肉体強化が基本になり易いけど技の強化をここまで出来るとは脱帽だな。しかし、こんな危険な技を学園都市所属の艦に繰り出すとはイギリス清教は戦争でもしたいのかな?」
「…っう!学園都市傘下の乗り物ですか。ならば逆にお聞きしたい。何故その学園都市の物に我らが最大主教が乗っているのです?とぼけでも無駄ですよ。その船に乗っているのは確認が取れてます。最大主教の魔力(マナ)を検索班が調べた結果この場所から出ているとの事。もし誘拐などであればそれこそ戦争です。それに貴方は何者です?学園都市の者にしては魔術(こちら)について詳しそうですね」

 睨み合い互いの行動に神経を尖らす。
 唯閃を打ち消すなど学園都市の能力者に出来るはずがない。科学側と装い魔術側の介入を阻止するのが目的か或いは他の目的があるのか。この少年が能力者ではないのは確かだろう。
 折れたのは少年の方だった。世間話をするように話し出した。

「まぁ、俺は科学側、魔術側どちらでも属してはいないが、今回一応は科学側になるのかな?コレに乗っていることだし」
「わけのわからぬ事を。おとなしく最大主教を開放しなさい!あんな人間ですが居なくては何かと不自由ですので」
「……。気持ちは良く分かるけどもう少し心配とかしたらどう?」
「何時も何時も周りの人間に迷惑をかけて今回も置手紙一枚で行方を晦まして!!もう少し分かりやすく誘拐されればいいものを!」
「いや誘拐というか不法侵入された側だし。と言うか持ち帰って欲しいのだけど」

 ツッコミを入れても神裂さんは聞いていない。どうやらかなりお怒りの様だ。とそこに止せばいいのにローラが出できた。

「ふふふ、神裂火織よ今日こそその生意気な口をききしその性根を叩き直してくれるわ!!」
「唯閃!!!!!!」

 ローラの長い髪を唯閃が少しかすめた。あまりの速度に少年は軌道を変えるのがやっとだったのだ。しかし、そうでなければローラは真っ二つになっていただろう。

「か、神裂!?仮にも最大主教である私になんたる事をしてくる!?髪が!髪が!!」
「何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も!!バカみたいな事ばかりしてその反動を私たちが受けているというのに何故貴女はそんな下着姿でそんな馬鹿みたいな事を言っているのです!?」

 どうやら俺の事はもうどでもいいらしい。完全に怒りがローラに向かっている。無数の斬撃の後(船に当たらぬよう防ぐのが大変だった)ワイヤーでグルグル巻きにされたローラを真冬のケルト海に沈め説教を開始し始めた。

「まぁ落ち着いてね?ほらそんな頭ごなしじゃローラだって混乱しちゃうしね?」
「貴方は黙っててください!!これはイギリス清教の問題です!」

 途中、あまりにもローラが可哀そうになったので仲裁に入るが神裂さんの怒りは収まらない。ローラの顔はもう水死体のようになっている。

「わ、私が悪かったからそろそろ許して欲しいと思うたるのだけど?」
「いいえ。今日はとことん言わせてもらいます」
「せめて船の中でやったらどうかな?でないとローラ本当に死にそうだよ」
「大丈夫。こんな事で最大主教が風邪をひくわけありませんから」

 まぁローラなら死にはしないだろうが風邪はひくだろうなと思う。その後三時間みっちり神裂に絞られたローラは死人状態で毛布で包まって神裂に連行されて行くことになった。帰り際に神裂がこんな事を言っていった。

80ライク:2009/09/17(木) 19:32:19 ID:OlHD6Z6o
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅳ


「今回は貴方の素情を探りませんがもし貴方がイギリス清教にあだなす時は容赦しません」
「別に隠すような者じゃないけどな。ただローラとは長い付き合いというだけだ」
「そうですか。そういう事にしときましょう」
「一つ聞いていいか?」
「何でしょう」
「禁書目録の事は後悔してないのか?」

 冷静にみえる神裂だか(普段は)顔にでるタイプのようだ。苦く悲しい顔になる。

「最大主教から何を言われたのか。そして何故貴方がそれを気にするかは存じませんがそれがあの子の為なら私達は敵だろうが悪魔にすらなってみせます」
禁書目録は一年しか記憶を保てない。教会が仕組んだ首輪の一つだ。その為一年ごとにパートナーを変えてきた。今年のパートナーが神裂達だった。
 今年の夏にインデックスの記憶の消去した後、インデックスは逃亡……いや、逃げ出した。元パートナーである神裂達を敵とみなし逃げたのだ。その後の足取りは途絶え途絶えになっている。何故今回こんな事が起きたかは教会内でも答えを出せない。インデックス保護の為、神裂達は自らを魔術結社(マジックキャバル)…つまりは敵として彼女を救おうとしているのだ。

「そうか…」

 少年の表情は分からない。しかし、何を噛みしめるように強い意志の表情だった。

「では私達はこれで失礼します」

 神裂とローラを見送りながら少年は思う自分のした事を。インデックスのシステムを創ったのは自分だしそれが彼女の為であるのだ。しかし、それは誰かを悲しめている。友だった錬金術師もそのせいで消息を絶ったし神裂達も心を傷付けている。
 少年とローラしか知らないインデックスの秘密。何故彼女の記憶を消さなければいけないのか。彼女は何者なのか。禁書目録という役割りの下にある彼女の本当の役目。それは少年とローラしか知らない。

「000 00 0 (神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの)」

 それが何を意味するのかもローラと少年しかわからない。少年はその意味を噛みしめ前に進む。『宇宙の箱船』が動きだす。少年の儚(ゆめ)に向かいながら。



 神裂とローラを乗せた船の上ローラは自分の長い髪に長方形の箱が絡まっている事に気づいた。箱を開けると奇麗な髪飾とメッセージカードが入っていた。カードには『MaryChristmas』としか書かれていなかったが誰が送ったのかは言わなくても分かるだろう。

「素直じゃなきにつきね…」

 船はゆっくり港へと進んでいく。今度はたっぷりと時間を作って遊びに行こう。そう思いながらもどうやってここから抜け出すかを考えるローラである。空を見上げると雪が降ってきた。クリスマスまであと僅かな日の出来事だった。


Next 第五章 一月のとある日 学園都市の総合学会(変人の集まり)

81ライク:2009/09/17(木) 19:36:07 ID:OlHD6Z6o
第四章はここまです。第一王女がでできた意味がほぼありませんが後々活躍(?)しますので・・・。
次回から学園都市がしばらく続きます。最後まで付き合ってくれたらうれしいです。

82■■■■:2009/09/17(木) 22:14:28 ID:XwQjMLNw
GJ!

83ki-i:2009/09/18(金) 05:09:25 ID:LHt7n14.
GJです!!……え、私ですか?
私の方はミクを加えると決まった時点でいろいろやり直しをしています。
参考になる曲(もちろんミクが歌っている)物を聞いたり、ちょっとサボってしまっていた調教(おい!)を再開したり……

それで一番困っているのが「ミクの性格」なんですね。
いやだって歌わせる曲によって全然イメージが変わっちゃいますし、調教者……もとい、マスターの指示によって全然違う子になると思うんですよ。

オーソドックスにアホの子か、意外や意外の冷徹クールか、もっと……もっと調教してくださいマスター……的なMッ娘か、ツンデレ、子猫、その他色々……

どうしましょう、皆さん?

84■■■■:2009/09/18(金) 18:07:14 ID:2J9N8kNU
プロットくらい作れよ構ってちゃん

85■■■■:2009/09/18(金) 22:16:29 ID:3pL0qUyA
gj
何か前から良く思ってるけど、君達本作れるほど上手すぎ! 
後最後まで付き合わない奴はほぼいないから気にするな!
次回を待ってるよ!

86■■■■:2009/09/19(土) 11:12:10 ID:9HrYCUmE
そういえば超電磁砲始まるけど、超電磁砲関係のSSもここでOKなのかな?
いや、書く予定はないんですが念のため。

87■■■■:2009/09/19(土) 14:38:37 ID:MwQjlzMc
>>83>>85
・・・・・・

88■■■■:2009/09/19(土) 17:10:06 ID:8DVZgPSU
>>83>>85は半年ROMれ
そして自演か?

アンタらみたいなの見ると書き手としては投下する気が萎える

>>83
書き手なら>>84の言うようにプロットは作るようにしろよ
そのときの思い付きで書いてたら間違いなく詰まるぞ

クロスにしろ、普通のSSで経験を積んでからやるべき
自サイトでやれ、と言いたい

>>85
お前の目は節穴だな

>>86
禁書『外伝』だからいいだろ
わざわざ超電磁砲SSスレ建てても、まとめwikiが面倒になる

89■■■■:2009/09/19(土) 19:14:17 ID:MwQjlzMc
>>88>>87こと俺のカキコを見事に翻訳してくれた訳だ
まぁ若干キツい言い方だったかもだが

つかさ・・sageって何とか言ってる奴・・荒らし?

90■■■■:2009/09/19(土) 21:29:05 ID:0NkopH4E
>>87>>88
勘違いかもしれないが…>>85>>83じゃなくて>>81への応答じゃないか?言い回しから考えると。
まあ、プロットくらい自分で作るべき、ってのには賛成だが。

91■■■■:2009/09/20(日) 00:15:47 ID:Sy3bcHzM
>>90
君「達」ってあるのがな……
とはいえ、個人的な趣味嗜好ではあるが、>>85に関しては>>88とスタンスにてるかも。

>>81ライク氏
女教皇=プリエステスな
他にも妙に言い回しがおかしかったり、誤植があったり

あと主人公からメアリー・スーっぽさが漂ってくるのは気のせいか?

>>83 Ki-i氏
何度も言われている通り

92■■■■:2009/09/20(日) 02:47:22 ID:gGZqTJkQ
こんなSSを書きたい!
なら、まずは物語の構成を考えよう

どういう展開にするかまとめよう(プロット・重要)

次にwikiで用語と意味を調べましょう(大事)

さぁ、書いてみましょう
おや?文章力が足りないな?
そんなときは夏目漱石や太宰治など、文豪の作品を読んでみよう

投下する場合、テキストを確認しよう(重要)
誤字・脱字の訂正や、一人称の使い方、ルビと能力名、句読点の使い方が正しいかを見直そう

万全なら投下
人には受け付ける作品、受け付けない作品があります
叩かれたら、どこが悪いのかをよく知り、治すことが大切です

また、オリキャラ無双ほど気持ち悪いものはありません
適度に味を出す程度でお腹いっぱい
主人公の立場を壊すのであれば、スレ住人達のAIM拡散力場から異形のモノが現れるかもしれない

クロス作品
寝言は寝て言え
禁書自体のSSが、しっかり書けるようになってから。また、クロスさせる作品の作風も知っておくべき

SSを書く上で
「・・・」「。。。」は嫌われます
「…」で統一
「不幸だ〜〜〜!」論外
「不幸だぁーっ!」or「不幸だぁああぁぁあああ!」
「〜〜〜」は軽い
スイーツ(笑)の頭なら帰ってください

そして一番は地の文を嫁

93■■■■:2009/09/20(日) 02:55:10 ID:gGZqTJkQ
>>92
自分で書いといてなんだが、>>2にテンプレとして追加してみて欲しい

94■■■■:2009/09/20(日) 03:35:22 ID:/P4hESOc
>>93

「不幸だ〜〜〜!」論外
「不幸だぁーっ!」or「不幸だぁああぁぁあああ!」
「〜〜〜」は軽い
スイーツ(笑)の頭なら帰ってください

採用。

95ki-i:2009/09/20(日) 11:02:44 ID:xQxGtRg2
いや、ちょっとした話のつもりでそんな気はなかったんですが……でもそう見えてしまったのなら素直に謝りたいと思います。すみませんでした。
(一応プロットは出来上がっています。ミクを入れることが決定したので仕立て直し中です)

皆さんの注意や意見を受け入れ、少しでもましな作品を書けるよう努力したいと思います。

96■■■■:2009/09/20(日) 13:01:31 ID:ZBUZwnQM
以前のスレの産物になりますが、
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html
もどうぞよろしく。

97■■■■:2009/09/20(日) 13:02:27 ID:WLWaGpoo
その幻想を・・・いやなんでもない
力が抜けてきた・・・

9891:2009/09/20(日) 23:56:06 ID:/j0.Y/po
>>92
文豪でなくても原作でよくないか?
そりゃ文豪の作品の方が適切かもしれんが、スイーツ系を除く活字ならば問題はないような気が
文章力不足って言われたら、文豪でもラノベでもハリポタでもいいから、
PCから離れてちょっと(物語としてまとまった)本を読んでこいと

>>97
作家が作品を投稿しにくい雰囲気にしてしまってすまない
だが、それだけスレの質を向上させたいんだ
(いずれ噴出した問題だったろうしな)


それに加えて。
読者も「投稿=何でもかんでもGJ」はあまり誉められたもんじゃないと思う。
おまえちゃんと読んでないだろ?と疑いたくなるんだ。
かといって、長文で感想掛けってわけではないんだが……
投稿してくれることに対して感謝を忘れちゃいけないが、もっと良くなって欲しいなら指摘するべきだと思う。

9992:2009/09/21(月) 00:32:46 ID:M1MKDZ8k
>>98
禁書の地の文も癖がある
SS書く上で原作に似せた方がいいが、読み手兼書き手の俺としては、出来る限り語彙力が欲しいってのがある

新参の書き手は新聞でもいいから嫁、と

何でもかんでもGJは(・A・)イクナイ!!ってのは同意

作品の批評があれば、書き手も成長出来るからね

>>100からは通常営業で
議論続けてたら途中で容量オーバーになるかもね

100■■■■:2009/09/21(月) 00:42:05 ID:RM8lu5qc
GWの頃もなんか似たような流れだったような。

…っと、通常営業か。
したらば、超電磁砲のアニメ化で初春や佐天のSSが増えるという電波を受信した、ってことで。

101■■■■:2009/09/21(月) 01:54:31 ID:M1MKDZ8k
人の死、は上条さんですらそげぶ出来ないもんな……

102■■■■:2009/09/21(月) 14:44:50 ID:s2ebYuo.
癒されたい人は遊んでみて!!
ちょっとエッチな内容だけど面白いよぉ〜♪
気軽に遊べちゃうよ♪(*^o^)
ttp://urlPass.com/4awd

103■■■■:2009/09/23(水) 01:15:42 ID:GOVRJjD6
>>102はなんなのかな?
通常営業とか言う前のものだよ?
カオスは「何をしてもいい」って言うわけじゃないよ?

104■■■■:2009/09/23(水) 01:44:37 ID:E6wIfUaU
>>103
誰と戦ってるのかな
sageような

ここは学園都市のゲームショップ。とある人気作が本日入荷らしく、外には行列が出来ていた。

『とある懐の旅の相棒』
数日が過ぎ、街は人々の賑やかな声で溢れている。
「やっべイーブイ♀可愛いよイーブイ♀」
「メタモンktkr」
「レッド強すぎワロタ」
数日前に発売された『ポケ○トモンスター』の最新作は、学園都市でも人気爆発。殆どの学生は購入し、育成を楽しんでいた。
「おい、勝負しないか?」
「おk、Lvは無制限?」
ポ○モンの楽しみ方は人それぞれ。ポケモ○勝負も楽しみ方のひとつ。学園都市は平和である。

105■■■■:2009/09/23(水) 01:48:23 ID:E6wIfUaU
続きはwebで

106■■■■:2009/09/23(水) 01:53:28 ID:E6wIfUaU
続きはwebで

107■■■■:2009/09/23(水) 19:45:18 ID:rTBKSYl2
リアルに10万ボルトやテレポートの飛び交う世界で
果たしてポ○モン程度がウケるのか……

108■■■■:2009/09/23(水) 22:05:14 ID:A9aI6Tos
>>104-106
「ここが…Webだ!」
は、置いといて。小ネタとはいえ書いてくれる人がいるのはありがたい話。
……小ネタとして収録したが、よかった?

>>107
「やる人の感性に触れればウケるんじゃね」と妙なマジレス。
ポケモンやった時に炎を吹きたいとか、電撃放ちたいとか思ったか?って話

109>>104-ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/09/23(水) 22:41:53 ID:E6wIfUaU
>>108
(;´゚ω゚)おっ!?
(;´^ω^`)おkだお
気分で続き書くよ!

>>107
HGSSのポケモン連れ歩きは可愛い

美琴ちゃん、ピカチュウに夢中でチュウ

こんな感じでいいやん

110>>104続き 1 ◆TpifAK1n8E:2009/09/24(木) 01:22:51 ID:NCBwDOck
とある高校の教室。この高校も例外ではなく、ポ○モンが生徒達の間で流行っていた。
「小萌先生ー、ピンクのポケモ○ばかり使うの止めて下さい」
「プリンちゃんにピッピちゃん、ミルタンクちゃん達の何が悪いんですかー!」
「何がって……先生のハピナスがピンクの悪魔だからにゃー」
先生までもがプレイするこのゲーム、実に人気であるのが窺えますね、ハイ。
「うーん……イーブイを何に進化させようか」
えー、わたくし上条当麻は、不定形遺伝子を持つポケモンを、炎水電気エスパー悪氷草のどのタイプにするか悩んでます。
「カミやん、何をそんなに悩んでるにゃー?」
「土御門。お前なら熱血乙女、冷静っ娘、ビリビリ娘、不思議っ娘、小悪魔、クーデレ、アホな娘、どれがいい?(各タイプのイメージは書き手側の偏見で出来ております。ご了承くだしあ)」
「上条ちゃーん、僕も混ぜてーなー」
二人の話し合いに混ざってくる青髪ピアス。正直どうでも(ry。
「イーブイ♀……にゃー。カミやん、ちょっとパーティー見せろぃ」
「? ほらよ」
言われた通り、上条はメニュー→ポケモンでパーティー一覧の画面にし、土御門へ渡す。

111>>104続き 2 ◆TpifAK1n8E:2009/09/24(木) 01:23:59 ID:NCBwDOck
「「………ッ!?!?!?」」
「…? どうかしたのか?」
「どうかしたのか?」
「上条ちゃん、ひとつ質問なんやけど、この♀パーティーはなんなんや?」
「キュウコン♀、アブソル♀、ミロカロス♀、チルタリス♀、デンリュウ♀……そしてイーブイ♀」
「…土御門はん!」
「どうした!」
「ボックスの中まで♀が!」
「…………、」
「いやぁ、なんか♂が出なく……お前ら何してんだ?」
「土御門はん」
「青髪ピアス」
上条のDSを、せめてもの優しさから衝撃で破壊しない位置に置き、二人は頷き合う。
「「せーの」」
土御門と青髪ピアスの二人は上条に狙いをすまし、一歩引いて、
『ギ ガ イ ン パ ク ト !』
きゅうしょに あたった!
派手な吹っ飛びで机をなぎ倒し、クラスメイトの悲鳴があがる。
かみじょう は たおれた!
「ゲームの中まで女の子女の子って…」
「上条君。君には。幻滅した」
「一ターン動けないぜぃ」
「人にギガインパクトってワタル(笑)と似たようなことですなぁ」
かみじょう は めのまえ が まっしろになった!


投下終了
なんとなくで書いてみた

112おいで^^:2009/09/24(木) 15:12:24 ID:Cwe4KhpQ
すごく好評のブログw
ちょっとHでどんどん読んじゃうよ。
更新もしてるからきてみてね^^

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113ユミシロ:2009/09/24(木) 22:01:13 ID:.M3toq1o
上条「俺、実はポニーテール萌えなんだ」 
美琴「え、えええええええ」
……のネタを元に。朝一時間で書き上げたやつの追加修正版を投下します。


『美琴がポニーテールに……』

114ユミシロ:2009/09/24(木) 22:02:22 ID:.M3toq1o


「なあ、御坂」
「何よ」
「……いやぁ、おまえも女の子だからお洒落とかしたいんだろうけどさ」
「―――何が言いたいのよ」
 上条は躊躇いがちに、美琴を見る。
 今の美琴の髪型は―――いわゆるポニーテールだった。
「それ、かつら……みたいなやつだろ?」
「せめて『ウィッグ』って言って欲しいわね……」
 インデックスは『短髪!』などと呼んでいるが、美琴の髪は決して短いわけではない。
 彼女の色素の薄い茶色の髪は、肩に届くぐらいの長さがある。
 それがこの日に限って、後頭部で縛り上げた髪型――ポニーテール――だった。
 どうやら、足りない長さと量は付け髪で補っているらしい。
「髪が伸びるの、待てばいいんじゃねぇのか?」
「待てないのよ……」
「何でだよ」
「あんたはこの方が……えっと、そうしたいっていうか、いろいろ事情があるのよ!」
 美琴は顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
『何故、無理矢理ポニーテールにしたのか』
 と、聞かれても答えられない。
 何となく分かっているのだが、やはりよく分からないので答えられなかった。
 美琴の髪型がポニーテールへ変化する、その過程と一挙一動を特等席で見る羽目になった
ルームメイトの白井黒子は、
『またですの!?またあの類人猿は、私のお姉様の心をおおおお!!』
 と、絶叫していたのだが、それはまた別の話である。
 しかし、きっかけは何かと言えば――白井の予想通り――『上条当麻はポニーテール好き』
という話を聞いてしまったからである。

115ユミシロ:2009/09/24(木) 22:03:13 ID:.M3toq1o
(どう……思うかしら)
 横目で少年の表情を窺う。
 一度だけ首を傾げて、何やら悩む。
 上条は付け髪の付いていない茶色の前髪と、後頭部の束ねられた髪を何度か見比べる。
 やがて、口を開いた。
「勿体無いだろ」
「―――勿体無い?」
 思わず美琴は聞き返した。上条が真っ直ぐに目で見ていたので、一瞬だけ胸が高鳴った。
「だってさ、おまえの髪ってすごく綺麗だろ。
 かつ…ウィッグなんて作り物より、ずっと綺麗だよ。
 わざわざ作り物の髪の毛なんかを付けて、自分を飾らなくても良いんじゃねぇのか?
 そんなことまでして、見栄を張ろうとするなんておまえらしくねぇよ」
 上条は一方的に告げた後、はっとして美琴を見た。
「…………」
 そこには無言で俯き、沈黙してしまった美琴がいる。
(や、やべぇ!?つ、ついうっかり、いつもの調子でぺらぺら喋っちまったけど……女の子の
お洒落とかで男が説教みたいにどうこ言うのはまずいよな……)
 気まずくなった上条がとにかく喋ろうと口を開きかけたとき。
 そっか、と美琴が呟いた。
「そうよね。無理してこんなことしなくてもいいわよねー。
 うん。なんかすっきりした。」
 軽く伸びをすると、晴れた表情でウィッグを外す。
 隠れていた自前の茶色の髪が晒される。後頭部の髪が紐で短くまとめて縛られていたが、
それも解く。一瞬だけ、さらさらの髪が空気の中で柔らかく膨らんで、そっと肩にかかった。
 辺りを見渡してゴミ箱を発見。片手に持ったウィッグを『ほいさッ!』と、軽く叩き込む。
 打って変わった様子を見せる、美琴の変化についていけない上条は呆然としている。
「あー。何だ。いいのか?」
「いいのよ。でも、伸ばしてみるのもいいかもしれないわね」
 これぐらいのロングヘアに、と髪を櫛で梳く仕草をする。
 その少女らしい仕草に上条はどきっとする。
 茶色の長い髪をした少女が、柔らかい髪を優しく梳いている姿を幻視した。
 静かに、大事そうに髪を抱いている少女は間違いなく―――
 少女の名前を思い浮かべて、上条は慌てて『相手は中学生アイテハチュウガクセイ……』と
念仏のように唱え始めた。
 もし上条の見た幻想のように伸びれば、美琴の髪は腰に届くような長さになるだろう。
 美琴は小さく笑うと少年に問いかける。
「似合う?」

116ユミシロ:2009/09/24(木) 22:05:04 ID:.M3toq1o
 この後の上条さんの反応はご想像にお任せ……。
 キャラスレなんかで投下した大量の小ネタと書きかけネタ
(『美琴があいしかたを〜』なんてものとか『打ち止めは一方通行の嫁』とかあったり)
を整理してたら先月辺りにキャラスレや超電磁砲で投下した、

『とある科学の御坂妹(シスターズ)を美琴が読みました』
『御坂美鈴は上条さんの……』

が出てきたんですけど、禁書板には投下してないですよね?
希望があれば投下します

117■■■■:2009/09/24(木) 22:15:31 ID:NCBwDOck
ユミシロさん、GJです

一瞬美琴の髪の長さでポニテ…?とか思っ

なんにしろGJです

御坂美鈴は俺の嫁の母親ネタは知ってる人が何人いることやらw
見たいですけど

118ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/09/24(木) 22:29:00 ID:NCBwDOck
息苦しさを覚え、少年は暗闇の中で手を伸ばす。
何かを掴もうとして。
けれども何もつかめなくて。
崩れゆく世界。
共に歩んできた仲間達は力尽き、残されたのは自分ただひとり。
「口ほどにも無いな!『神浄討魔』!」
体のあちこちに出来た傷がヒリヒリ痛み、筋肉が悲鳴をあげる。
自分がこれまで守ってきた幻想は、あっさりと崩れ去った。
アレイスター=クロウリーの手のひらの上で踊らされていた世界。それを知った人々は、魔術師、能力者関係無く立ち向かっていった。
だが、手も足も出せずに、戦闘不能にされてしまった。AIM拡散力場をアレイスターが調整し、能力者は能力が使えず、魔術師は魔術を発動不可にする反則魔術を使用。そして、圧倒的な力で蹂躙。上条だけが右手の効力で逃れたのだが。
絶え間なく降り注ぐ攻撃に、倒れてしまった。
「…………、」
こんな(地べた)所で、こんなことでやられてたまるか。雲の隙間から、太陽の光が差し込む。
「今すぐ息の根を止めてやるぞ、『幻想殺し』よ」
近づく足音。上条は全身に力を込める。恐怖からでは無く、逆転を願ってーーー。
「む…?」
「てめぇは…てめぇだけは許さねぇ…」
砂にまみれたのをはらうことなく、立ち上がる。

119ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/09/24(木) 22:29:30 ID:NCBwDOck
『そのときふしぎなことがおこった!』
「俺は竜王の化身!幻想殺し(イマジンブレイカー)!神浄!討魔!」
かつて失った自分自身の記憶。それを悲観せず、常に前を向いて歩いてきた。仲間が居たから、護りたいと願った幻想があるから。ボロボロの体でも、上条は立ち上がれる。
「幻想(ゆめ)ちっぽけだって良いじゃねぇか」
ゼロからの逆襲。
手のひらを目一杯空に上げ、自らの真名を名乗る。
「アレイスターは……俺が倒す!」

世界の救世主上条、その拳は何を掴む。


『とある魔術の禁書目録 嘘最終巻』
値段10万3000円
ページ数10万3000項
10万3000時間後発売予定


おふざけ全開の小ネタでした

120おいで^^:2009/09/24(木) 23:02:00 ID:Cwe4KhpQ
すごく好評のブログw
ちょっとHでどんどん読んじゃうよ。
更新もしてるからきてみてね^^

ttp://stay23meet.web.fc2.com/has/

121ki-i:2009/09/25(金) 02:03:49 ID:Ckqi3cS6
遅くなってしまいましたが続きです。
皆さんに指摘された部分が治ってればいいなぁ……と思います。

122ki-i:2009/09/25(金) 02:05:01 ID:Ckqi3cS6





「おお!朝からエライ事してるなー。って思ったけどやっぱりそういうオチだったかー、つーまーんーなーいーぞー」
「いやつまんないとかつまんなくないとかの話じゃないだろ!大体なんだよつまんないって!?」
「あのまま私を引きとめなければ様々なパラレルワールド(妄想世界)に行けたのにーっ、て話だぞー。例えば……」
「どわぁあああ!まて待て!!ここから先は妄想車立ち入り禁止の通行止めです!危険な幻想を頭に抱いてる人は入る事が出来ません!!」
「えー!?私はあの時の立ち位置から「メイドは見た!とある御主人様の秘密!!」と「未来系メイド、○比奈○○くのご奉仕」のセリフのどっちが何事も無かったかのように先に進んでもらえるかですっごく悩んでたんだぞー!要は気を聞かせてあげようとしてたのにー!」
「先に進むって何!?それに○○って伏せ字するんだったら出すな!!つーかなんですかそのマニアック全開のテレビ番組は!!?」
「む!「マニア必見!100人メイドのご奉仕TV」をマニアックとは心外だなー。ちゃーんと「ザ・チデジジョン!」にも載っている由緒ある局で、メイドの、メイドによる、メイドとその系統のマニアの為の……」
「冒頭から「マニア」って言ってんじゃねーか!?それに「ザ・チデジジョン!」には殆ど全部の局と番組の放送内容が載ってるだろーが!!」
「いつにも増して激しいツッコミだなー。じゅうぶん漫才師として通用すると思うぞー」
「人の話を聞けぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「………………きぃ?」


あの状況の目撃者である「土御門舞夏」

彼女はとなりの部屋に住んでいる上条の同級生、土御門元春の義理の妹で、よく兄のいるこの寮に遊びに来る。(泊る事もある)
メイドの格好をしているがこれは決してコスプレをしている訳では無く、彼女が「繚乱家政女学校」というメイド育成学校の生徒だからだ。聞いた所によると、現地研修に行けるのは優秀な者だけらしく、それから推測するに舞夏もその部類に入るのだろう。だが……

(勝手にベランダから主人の部屋に不法侵入するメイドが優秀なのかよ?)


数秒の間が空いた後、ニッコリ微笑んで自分の部屋に戻ろうとした舞夏を必死の思いで引きとめ、状況を説明したら(インデックス不在の理由、この子は誰か、なぜこんな状況になっているのかetc)何故かブツクサ文句を言われた。が、とりあえずはこれで良い。

もし、誤解されたままお喋りな舞夏をあのまま自分の部屋に返したら…………考えただけで背筋が凍り、寒気がする。

「どうした?顔色が悪いぞー」
「い、いや、何でも無いって!(ここで理由を行ったらまた漫才の様な架け合いをさせられる……)それより悪かったな、部屋の掃除やらせちまって」
「気にするな、何時もやってる事だからどうってことないぞー。掃除はメイドの基本なのだー!でも兄貴には言わない方が良いと思うぞ?呪われるかもしれないからなー」
「嫌ってほど理解してるよ……」
状況を説明し終えた後、一番早く動いたのは舞夏だった。
上条に着ている服を洗濯機に出し、シャワーを浴びて着替えてくるように指示し、きぃの服を脱がせ、体をタオルで拭いたあと上条のTシャツとズボンを着せ、すぐさま雑巾で床の掃除を始めたのだ。

上条が着替えを終え、急いで駆け付けた時にはあれだけ散らかっていた物体TGは影も形も無く、散らかしっぱなしの食器は綺麗に洗われていて、その他部屋の色々な場所が綺麗になっていた。
その光景を見て思わず涙が溢れそうになる。
自分が家事をやらなくて良い…………それは普段なら100%。天と地がひっくり返っても上条にとってあり得ない状況だ、と言うか奇跡に近い。

(か、上条さんは感動で目から汗が流れ落ちてしまいそうです!!つ、土御門が羨ましい!インデックスはこんな素晴らしい幻想を一回も見せてくれた事が無いと言うのにっ!!…………俺もこんな義妹が欲しい!シスコンって罵り続けてすみませんでした!!)


この後に待っていたのが先程の漫才もどきでその幻想が一気に殺されるという事はこの時の上条には予想できなかった事だった。

123ki-i:2009/09/25(金) 02:08:07 ID:Ckqi3cS6


「ところで話を戻すけど…………このパソコン、本当に「きぃ」しか喋らないのかー?」
「きぃ?」
急に入ってきてあれこれやった舞夏に上条は最初、きぃが怯えるんじゃないかとも思ったが、きぃはなんの敵意ももたずあっさり舞夏の存在を受け入れてしまったようだった。

「ああ、壊れてるんじゃないかと思ってさ。朝飯食べたらどこか専門のとこに行って調べてもらう予定だったんだけど…………」
「OSとCPUは確認したかー?」
「ま、まだ……」
「……なあ上条当麻〜。もしかして「OSとかCPUとか、聞いた事あるけど詳しくは知りませーん」って言う、いわゆる「パソコン使用歴はそこそこ長いけど、深くまで潜った事は無い」人かー?」
「…………はい」
図星だ。自分の心理状態を100%そのまんま言い当てられた。
我ながらよく……

「よく科学の街の学園都市で生きてこられたなー。」
「……………………………………」(情けなくなるので思考をストップさせたらしい)
「と、無駄話はここまでだな。そこのディスプレイ借りるぞー。きぃー、ちょっとこっち来なー」
「き?」
「ディスプレイ?……ああなんだ、テレビの事か」
「ビデオ3の状態にしてっと、そしてここに……ちょっと耳借してなー」
「きぃ?」
テレビの電源を入れ、パソコン(きぃ)を自分の横に座らせ、機械で出来た大きな耳の蓋っぽい物をパカッ!と開き、その中からコードを1本引き伸ばしてテレビにつなぐ。

少し慣れた人からしてみれば簡単な事なのだろうが、上条にとってはもうプロの業者がやっている作業みたいで、その一連の作業をボ〜っと眺めていた。


…………だからかもしれない。


「こうすると、このテレビ画面にOSのバージョンとかCPUの速度とか色んな情報が表示され…………」



上条自慢の不幸を予想するセンサーが働かなかったのは…………



「舞夏くん?」
「なんだー?」
「どうしてテレビの電源がいきなり切れたのかな?」
「さあー……何でだろうなー……」
「舞夏くん?」
「どうしたー?」
「なんでテレビから煙が出ているのかな?」
「うーん……分からないなー……」

「きぃ?」

ボンッ!!

という音と共に、昨日まで現役だったはずのテレビは、急転直下の死を迎えた。



「いやー、面白いオチが付いて良かったなー」
「ちっとも良くねえし面白くもねえっ!!!」

124ki-i:2009/09/25(金) 02:14:35 ID:Ckqi3cS6
原作ではテレビでなく「すもも」というモバイルコンピューターが壊れるんですが、流石にその子の面倒までは見てられないので上条さんに不幸になってもらうことにしました(上条さんごめんなさいorz)

ちなみにミクの登場はもうちょっと後です。

125■■■■:2009/09/25(金) 14:26:15 ID:mC85nXS.
なんかこの話を見る限りでは、
インデックスが「一緒に住みたくないウザいヒロインランキング」の
トップに君臨しそう。

126■■■■:2009/09/25(金) 23:18:12 ID:HAr749kg
>>125
原作でも完全に美琴のほうがヒロインしてるもんな。人気のほうも美琴が
インデックスを食ってるw

127■■■■:2009/09/25(金) 23:34:26 ID:nK1XCqgo
横に長い

128■■■■:2009/09/26(土) 14:35:17 ID:luU2pmoE
>>125
禁書なー、
平常時:同棲っぽく見られがちだが、実質ただの穀潰し
有事(科学):たいてい役には立たない
有事(魔術):さすが魔導図書館!……でも案外ピーチ姫状態多くね?
終結時:(心配の裏返しもしくは嫉妬原因とはいえ)バイティング

……一緒に暮らしたいと……思うかい?(笑)

129■■■■:2009/09/27(日) 01:25:08 ID:.n2lsRDk
何故未だに水氷雪系最高位能力者が居ないのか

やはり能力名は
エターナルフォースブリザードなのだろうか?

相手は死ぬ

……はっ!
レベルが高すぎるからアレイスターから登場するなと言われているんだな!

130■■■■:2009/09/27(日) 11:38:20 ID:U2J8JgWY
>>126
というか、禁書の呪いなのか禁書の友達関係は全員スルーになってないか。
神埼とか姫神とか風斬
逆に美琴関係の優遇を考えると、不遇としか言いようがない。

131■■■■:2009/09/27(日) 17:24:16 ID:4PCxE/6Y
>>129
冷凍氷雪系は能力としてならどうとでも考えられるけど、
能力が強調されるだけじゃおもしろくならないから難しいと思う。
オリキャラなら尚更。考えてる人は決して少なくはないと思う。
自分も考えてるけど、いい能力名が浮かばない。
オリジナル能力スレなんかを覗いてるけど、冷凍氷雪系で
禁書的でそれっぽいと思えるのが浮かばない……
性格的にも禁書的でまだ出てない・違う見方が出てくるキャラじゃないと……

132■■■■:2009/09/28(月) 22:00:27 ID:4Vja0lOc
thetowerofthefantagy.web.fc2.com/niji.html

ここ面白いよー。最近更新滞り気味だけど・・・

133■■■■:2009/09/29(火) 15:37:28 ID:JEfjYVx.
今なら。言える。ぬるぽ

134■■■■:2009/09/29(火) 18:19:31 ID:pGKXJ1FE
>>133
ガッ

135ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/09/30(水) 02:06:05 ID:T.bcgKNM
ゴスロリ黒子という言葉が頭から離れない

『魔性の少女〜白井黒子〜』
上条は目の前で起きている事態に、理解するのにいくばくかの時間がかかった。
「うふふ、当麻さん。似合ってます?」
くるん、とツインテールの髪を揺らして、一回転する少女…白井黒子に、上条は見とれていた。
「その服は…?」
いつもと違う服に身を包む彼女に、上条は生唾を飲み込み、緊張しつつ、尋ねる。
「ゴシックロリータ。いわばゴスロリ服ですわ」
黒子はいつもの制服を脱ぎ、魔術師シェリー=クロムウェルが見たら芸術的と言いそうな程美しい着こなしをしている。
「き、綺麗だぞ…黒子」
「ふふ、嬉しいですわ」
上条の言葉通り、通り過ぎる男性以外にも、同性ですら今の黒子に見とれてしまっている。
黒の太ももが良く見える長さのワンピースを主体に、所々に白も入り、フリルなどでボリュームアップし、ニーハイソックス装備の黒子は無敵である。
すらりと伸びる脚、艶やかな肌。その全てに上条は目を奪われていた。
「当麻さん。これからお時間あります?」
人形のような黒子が、尋ねてくる。勿論、上条に断る理由などない。
「…今の黒のわたくしを、当麻さんが真っ白に染め上げてくださいな」
黒子が上条の耳元で甘美な言葉を囁き、下半身に力がこもる。どうやら上条の夜は長いようだ。

136ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/09/30(水) 02:13:38 ID:T.bcgKNM
別にこのくらいならセフセフだよね!

137■■■■:2009/09/30(水) 19:49:26 ID:h81/M3Is
トゥーッッス

138■■■■:2009/10/01(木) 00:50:06 ID:5feOMKR6
>>135-136(ぬるぽ氏)
エロ風味の裁定はどんなもんだろね
完全18禁はアウト(ここ全年齢だし)だが、このレベルなら何とかなるのか?

まあ、中身はね…
個人的に黒子には「お姉様とあの類人猿が! きーっ!」って言ってて欲しい人間ですから(笑)
(美琴至上主義ではなく、現状のガヤガヤ的な雰囲気が好きなので)

139■■■■:2009/10/01(木) 07:21:37 ID:FdSRZ8sA
>>135GJ!!

でも、個人的に黒子は攻めじゃないと思うな〜

140■■■■:2009/10/01(木) 14:19:19 ID:/dgIxDzE
書き手の自由だろ

141■■■■:2009/10/01(木) 20:14:06 ID:kuPLbl7c
意見するのも自由だけどね

142ユミシロ:2009/10/01(木) 21:57:12 ID:sUJ3OGPs
最近投下が少ないようなので、小ネタということで一つ。

『美琴の選択肢』

 気絶していた上条当麻は、おぼろげながら意識を取り戻した。
 霞む視界に、血の気が引いた顔で見下ろしている少女の顔が逆さに映る。
 すると、少女が軽く頬を叩いた。
「――――――気がついた?」
 その声を聞いて、上条の意識は完全に目覚めた。
 御坂美琴が泣き出しそうな顔をしているのがはっきりと見えている。
 硬く冷たいアスファルトに座り込んだ美琴は、仰向けになった少年の頭を
膝の上に乗せていた。
 どういった経緯を経てこのような状態になったのか、美琴にもよく分からなかった。
 たまたまこの道を通りかかったら、ズタズタに裂けた詰襟の少年が倒れていたのだ。
 そして、気を失っている少年を介抱している内にいつの間にか膝を貸していた。
 少年は手足を軽く動かして、まだ体に力が入ることを確認するとゆっくりと
立ち上がった。
 しかし、歩き出そうとして膝ががくりと落ちそうになる。
 美琴は―――

1、上条を支える。
「私も行く。私も連れて行って!私は…私も……私だって、あんたを守りたいのよ!!
 私が守る。あんたは……上条当麻は私が守る!」

2、上条を見送る。
「早く行きなさいよ。あんたはまだ、やることがあるんでしょう?」
「っ……悪ぃな、御坂。後でさ、なんか奢るから……メール送れよ」
→「行っちゃった。あの馬鹿……。ホント、馬鹿よ。馬鹿。バーカ。
  馬鹿ぁ……私の馬鹿。納得できない……こんなの納得できないわよ。
  見送ることしかできないなんて……!
  でも、間違ってない…間違ってないのよ。
  あいつは自分のためにやりたいんだから」

143ユミシロ:2009/10/01(木) 21:58:22 ID:sUJ3OGPs
『????エンド』
 
 常盤台中学の女子寮。
 御坂美琴は部屋の中央、二つのベッドの間行ったり来たりしている。
 歩きながら携帯の新着メールを十秒ごとにチェックしながら往復を繰り返している。
 メールが来ていないと分かると理由のよく分からない溜め息が出て、十秒経過してから
もう一度確認しようと携帯を操作する、としだいに頬が緩み始める。
「き、来た!?本当に来た……!」
 着信音と共にメールが受信された。
 メールを開いて目を通す。
『一緒に映画見るだけでいいのか?』
 キーを叩いてすぐに返信する。
『いいわよ>ペアチケットだし』
『料金も俺の分だけでいいのかよ』
『いいわよ>一人じゃ使えないから付き合えって言ってのよ!』
『分かったよ。とにかく付き合えばいいんだろ?』
『あんたも見たかったんでしょ?>映画』
『見たいです』
 ついでに、と美琴はもう一つメールを打って送信した。
『お願いします、は?』
『お願いします』
『よろしい>遅刻厳禁』

end

144HAO:2009/10/02(金) 16:41:45 ID:TVbwzGoY
どうも、お久しぶりのHAOです
アニメ『とある科学の超電磁砲』放送直前という事で、ちょっと短編?というか小ネタ系?を投下します

145とある少年の寝言:2009/10/02(金) 16:43:26 ID:TVbwzGoY
御坂美琴は病院を訪れていた。
別に彼女の体調が悪いというわけではない。
単純にお見舞いである。
ツンツン頭の少年・上条当麻がまた入院したという話をどこからともなく聞き付け、見舞いに来たというわけなのだが、
「……か、感謝しなさいよ! 入院してるって聞いたからお見舞いに来てやっ……」
開口一番照れ隠し交じりのセリフを口にしながら病室に入った美琴だったが、
「zzz……」
生憎と上条は睡眠中であった。
病室に入るまでアレコレといろんな状況を想定して、色々考えていた美琴としては肩透かしを食らったような気分だったが、まあ病人は寝る事が仕事のようなものなのでこればっかりはしょうがない。
なんとなく電撃ぶっ放したい衝動に駆られたが、なんとか気持ちを抑えると、とりあえずボーっと突っ立っていてもしょうがないので見舞いの品をその辺に置く。(ちなみの見舞いの品は、以前お見舞いに来た際に所望していたボロボロの手作りクッキーではなく、それなりによさげな店で買ってきたお菓子の詰め合わせである)
眠っている顔色を少々窺ってみると、だらしのない顔をして気持ち良さそうに眠っている。
さすがに起こすのは悪い気がしたので、近くに置いてあった折り畳み椅子を引っ張り出してベッドの横に腰を下ろした。
身体中の所々に包帯を巻かれている事から、病気でなく怪我による入院であるようだ。
まあそれはある程度予想していた事なのだが、
「(……今度は一体どこの誰(女の子)を助けてこんなことになってんのよ……またあのシスター? それともあの地味っぽい胸のおっきい娘? それともまた別の……?)」
怪我の原因が物凄く気になって気になって仕方がなかった。
心配とイラつきがゴッチャになった妙な気分でモヤモヤとしている美琴の心情など露知らず、上条さんは相変わらずだらしのないアホ面丸出しで気持ち良さそうに眠っている。
「(全く……人の気も知らないで……こいつは……)」
「んん………………むにゃ…むにゃ……」
上条が何やら寝言を呟いた。
とはいえ何を言っているのか全く分からない。
眠っている表情からすると、それなりにいい夢でも見ているのだろうか?
「一体どんな夢見てんだか……」
と美琴がぼやいていると、
「んん……み……さ…か……」
上条が寝言でそう呟いた。
「えっ……!?」
一瞬聞き間違いかとも思ったが、
「……み…さか……むにゃむにゃ……」
もう一度呟いたのを聞いてしまったことからすると、先程呟いた寝言も聞き間違いではないようだ。
「(なに!? こいつ私の夢を見てるって事……?)」
寝言で名前を呟かれたという事はそういうことになるのだろうか?
それを確認するには上条に聞くしかないわけだが、生憎と彼は寝ているので無理である。
「(ど、どんな夢見てんのよ……!? 夢の中で私に変な事とかしてないでしょうね……!?)」
先程までのモヤモヤなんてすべて吹き飛び、今度は上条の見ている夢の事が気になり、悶々とする事になるのであった。
とりあえず、少しでも情報が欲しい美琴は上条の寝言がもっとよく聞こえるようにと顔(正確には耳)を近付けるが、
「zzz……」
そうすると今度はなかなか寝言を口にしない。
「(ちょっと、なんで急に何も言わなくなるのよー! こっちはあんたの寝言が気になってしょうがないっていうのにー……!)」
何も言わなくなった事に少しイラっとしていると、
「んん……」
ゴロンと上条が寝返りをうち、二人の顔が急接近する。
「---っ!?」
突然の事にびっくりする美琴だったが、
「……み…さか……」
この状況で寝言を呟かれた事により、恥ずかしさが一気に爆発した。
「ふ、ふにゃー」
バギバヂバヂバヂッィィィィン!!! と派手な電撃音が病室内に響いた。

その後、上条の入院期間が延びた事は言うまでもない……。

146HAO:2009/10/02(金) 16:44:45 ID:TVbwzGoY
以上です
もうちょっと長く書きたかったんですけど、今はこんなものでご勘弁を……
連載作品の二つは、まあボチボチ書いて投下すると思います……たぶん
あと、sage忘れてすんません……

147■■■■:2009/10/02(金) 18:16:14 ID:POn0hRNs
気にするな!
それと二人ともgj
可愛そうな上条(?)

148■■■■:2009/10/02(金) 18:53:51 ID:sWj0a.MA
ちなみにどんな夢を見た設定なんですか?

149■■■■:2009/10/02(金) 21:30:53 ID:1IpbP99Y
>>129
氷雪系って念動力になるんじゃないのか
冷気を作り出す=分子の状態を操る=念動力
少なくともコールドスリープ使える海原なら
空気中の水分とかを操りうんたら

150■■■■:2009/10/02(金) 21:40:26 ID:bAdW72aQ
アニメ『とある科学の超電磁砲』放送直前!ということで自分も一つ小ネタを!
御坂美琴のキャラソンをもとに、上琴で、『私は、ただあなたの隣で、私らしく笑いたい!』です。

151私は、ただあなたの隣で、私らしく笑いたい!:2009/10/02(金) 21:42:07 ID:bAdW72aQ
「あっ」
小さく声を上げた後、不幸だぁ!と思い、上条はその場で立ち止まった。
その相手は、学園都市№3の、御坂美琴がいた。
前方を見て、このまま前に進むべきか、それとも、静に違う道を通って帰るべきか少し迷っていた。
そして悩んだ結果、もし、相手が気づいていないみたいだったら、違う道を通って帰ろう。そんな軽い気持ちで、気づかれないようにそっと見た。
………そして、見てしまった。



「はぁ…………」
その日、美琴は、朝から、ずーとため息ばかりついていて、体中から負のオーラが出したまま歩いていた。

そもそも、そうなった原因というのは、今回の能力測定の結果が原因だ。
なんとか以前の測定値をキープしたというものの、自分が思っていたよりも結果が延びなかった。
たしかに、学園都市№3という実力を持ちながら、そんなことを言うのは、わがままだと言われればその通りだが、
それでも、自分はもっと強くなりたい……。
誰かを確実に守れるぐらいに。
そう、今も瞳を閉じればでて来る彼を……守れるぐらいに。

彼には大切な人を守ってもらったから、自分はその恩返しをしたいのだ。
でも、それだけじゃない。
自分は、彼の事が…………っだから。

「はぁ…………。」

また、ため息をついてしまう。
こんな自分では彼に合わないと思ってしまった。
何回も彼に挑んだ。
しかし、負けた。
能力測定でも良い結果が出せなかった。

まったく、イヤになってしまう。

こんな自分では、彼の傍にいる事なんてできない。
そんな、落ち込む美琴その姿は、まだ秋にもかかわらず、木枯らし吹き荒れる晩秋のそれと似た、むなしさと、寂しさが漂っていた。

それがまるで、彼と美琴を隔てる空間のようだった。
どうしても、自己嫌悪になってしまう。
彼と自分の間には越えられない空間が………。


「‥‥‥ぁ。」
何で、こんなに悲しんだろう、何で、こんなに辛いだろう‥‥。
自然と、涙がこぼれ落ちてきた。



せっかく、気を紛らわせようとしているのに、

せっかく、後輩の黒子にも、
「・・・お姉様、どこか気分転換にいってらっしゃいな。」
と、気を遣ってくれているのに。


少し、むっとした声で黒子が言ったその言葉。
その言葉を聞いて、美琴は驚きながら黒子見る。
しかし、黒子はそっぽを向いたまま、それ以上言わなかった。


黒子にとっての美琴は大切な人だ。
そんな大切な人が困っていたら助けてあげたい!力になってあげたい!
でも、
彼女は、自分ではなく、彼を求めていることを、知っている。
だから、だから、………
あなたに、譲りますの。
あのとき、言った言葉を守って頂くために、

………そう、約束だ。
御坂美琴と彼女の世界の周りの世界を守るってな。

その約束を守っていただくたくために、


「………うん。」
美琴は小さく頷いた。


御坂出かけた後、
「………はぁ、私もお人好しですわね。
でも、それが一番いいのですよね。いいえ、いいに決まってます。」
静に、優しく微笑んで、見送った。

152私は、ただあなたの隣で、私らしく笑いたい!:2009/10/02(金) 21:43:10 ID:bAdW72aQ
当麻が見た物は今にも壊れてしまいそうな、そんな、目に涙をため込んだ顔をしている御坂の姿だった。
ただ、声をかけるべきか一瞬迷った。
だが、それよりも先に勝手に体が動いた。
目の前の、苦しんでいる少女を救うために、
超能力者とか関係なく、ただ助けたい、と思った。
ただ、それだけ………


「………、………、……か、御坂、」
誰かに呼ばれた気がした。
でも、今はほっといて欲しい時、無視ればいい。
それでもしつこいようだったら電撃食らわしてやればいい(もちろん手加減はするが)、そんな気分だった。

誰かに肩を掴まれ引っ張られた。
「おい、御坂!」
そこにいたのは、
唯一負けた男、
唯一泣き顔を見せた男、
唯一この状況救ってくれる男、



「アンタ、なんで!?それよりも、な、何か用?」

美琴は少し驚き、気恥ずかしくて、思わずキツイ言葉で返してしまう。


「あー、別に用はないんだけど………な。」


当麻はしどろもどろに言う。


「よ、用もないのに、話しかけないでよね!」
思わず叫んでしまう。


「仕方がねぇだろ?御坂を見かけたら、なんとなく、ほっとけなくなったんだから。」
真剣な目で、答える

「………なっ!」


当麻の言葉に美琴は顔を真っ赤にした。
彼は今、何て言った?
自分を見かけたら………ほっとけなくなった?


いつも私のこと無視しているくせに!
なんで、なんでアンタは私が本当に困った時、助けて欲しい時、そうやって救ってくれるのよ。
私の気持ちも、気づいてくれないのに!


「あ、御坂は、もしかして、俺に声を掛けられて、迷惑だったか?それだったら………」


「そ、そんなわけないでしょ!」


頭の中でいろんな事が駆けめぐっている中で、美琴は当麻の言葉に反射的に答えた。
答えてから気付いた。
自分の、本当の『気持ち』

その言葉に当麻はとても嬉しそうな顔をしている事に。
そして、美琴は自分の言った言葉に、自分で恥ずかしくなってしまった。


「じゃあ、問題なしだな!」

そう言って、当麻はまた、美琴に手を差し出した。


「暇だったらさ、一緒に遊ぼうぜ。」
彼が、やさしく笑って言った。


少し、目を閉じて、
あぁ、そうだ、そんなんだ。
最初から隔てる物なんかなかった。
それは、自分で勝手に作っていたもの。


美琴は当麻の手を力強く握った。
手の感触に心臓がうるさくなる。
何かが心から溢れ出した。
それは、とても暖かく大切なもの。


「うん!」
そう、元気な声で答えた。



言葉にできない
素直になれない


……でも、だからこそ、
不器用な私なりに、
未熟でもいいから、
前に進め!一歩でも多く、
後悔しないためにも、
私らしく、あるために。







ただ何となく、アイツ(あいつ)の笑顔が、元気な姿が見ていたい!

153■■■■:2009/10/02(金) 21:43:46 ID:bAdW72aQ
以上です。読んでくれた方、感謝を込めて、謝謝!

154■■■■:2009/10/02(金) 22:09:55 ID:53q28Kps
美琴がいい雰囲気ですな
GJ!

155■■■■:2009/10/02(金) 22:22:29 ID:jvadKVhE
>>153
内容については文句無し。
が、書き方についてちょいともの申す。

1.№3
 機種依存文字はブラウザやPC次第で化けるから避けた方が無難。
(紙媒体なら問題はないだろうけれども)
 当方Macの火狐なのだが、』3となっていた。
2.「・・・」と「…」と「‥」が混在
 「…」か「‥」で統一してくれ。
 ただし「・・・」、てめーはダメだ。
3.〜決まってます。」ほか句読点と鍵括弧(終わり)のコンボ
 これだけは意見が分かれるところだが、たいていは『〜決まってます」』が推奨されるよ。

156■■■■:2009/10/02(金) 22:58:14 ID:U9LI6Wgw
「とある科学の超電磁砲」放映開始記念に自分も「ミサカ、巫女と美琴」の第3話を投下
したかったのですが、なかなか筆が進まず間に合いませんでした。
今回は没ネタで申し訳ありませんが、「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」のエ
ンディングとして考えていたものの一つ「ミサカEND」を投下させて頂きます。一応「ミ
サカ、巫女と美琴」を見ていなくても読める文章に手直ししております。

157■■■■:2009/10/02(金) 22:58:52 ID:U9LI6Wgw
「ミサカ、巫女と美琴(ミサカEND その1)」

「えっ?今なんて言った?御坂妹」
「当麻さんはミサカの話を聞いていなかったのですか?
 とミサカは注意力散漫の当麻さんをきつい口調で叱りつけます」
「いや聞こえてたけど、ひょっとして聞き違いかなと思ってさ」
「ミサカの寿命があと7年3ヶ月であることが判明しました
 とミサカは先ほど話した内容を改めて当麻さんに報告します」

「ちょ、ちょっと待て!そりゃ一体どういうことだ?」
「7年3ヶ月後にミサカは生命活動を停止するということなのですが理解できませんか?
 とミサカは当麻さんに再確認します」
「なんでだよ!?身体を再調整すれば寿命を延ばせるって言ってたじゃねえか!」
「はい。本来『絶対能力進化(レベル6シフト)計画』のために作られた妹達(シスターズ)
 の耐用年数はその使用目的をふまえて30ヶ月に設定されていました。それを再調整
 することで3倍に引き延ばすことに成功したのです。とミサカは補足説明します」

「でも、たった7年3ヶ月だなんてカエル顔の医者(せんせい)は一体何してたんだよ!?」
「いえ、あの先生だからこそこれほどの延命が実現できたのです
 とミサカは先生に感謝することはあっても文句を言うことなどできませんと断言します」
「7年3ヶ月後って言ったってお前はまだ二十歳じゃないか。そんな酷い話があるか!」

取り乱す上条を御坂妹は沈痛な面持ちで見つめていたがやがて静かに話を切り出した。

「実はある処置を施すことでミサカ達の生命活動停止時期をさらに21年先延ばしする
 ことは可能なのです、とミサカは新たな事実を当麻さんに報告します」
「えっ、そうなの?」

28年後とはいえ41歳という年齢は死ぬには十分若すぎるのだが最初に二十歳で死ぬと
聞かされた上条がホッとしてしまったのは仕方ないことだろう。
だからそれを伝える御坂妹の思い詰めた表情に上条は気付かなかった。

「寿命が延びんなら先に行ってくれよ。二十歳で死ぬだなんて驚かすのは無しにしようぜ」
「……………………」
「???、なんで黙っちまうんだ?御坂妹」
「実は一つ問題があるのです、とミサカは重い口調で切り出します」
「まっ、まさか成功率が低いとか?成功しても植物人間になっちまうとかなのか?」
「いいえ。処置といっても調合された薬を飲むだけですし成功率も100%です。
 それに処置後もミサカ達は今までと同じ日常生活を送ることができます
 とミサカは当麻さんの心配事が杞憂であることを先に明言しておきます」

「そうか。じゃあ何が問題なんだ?」
「その処理はミサカの成長を止めることで寿命を延ばす方法なのです、とミサカは告白します」
「どういうことだ?」
「つまり、その処置を行えばミサカ達は死ぬまで13歳のままということです」
「えっ!?…………で、でも二十歳で死ぬことに比べたらまだ…………」

「肉体的成長が停止するだけでなく精神的成長も停止してしまうのですよ、とミサカはた
 め息混じりに呟きます。何年経とうがどんな経験をしようがミサカの精神は成長しない
 のですよ。それがどういうことか理解していますか?」
「それは…………」
「当麻さんから見て、今のミサカは人間ですか?それとも人形ですか?
 とミサカは単刀直入に尋ねます」
「何言ってんだ。お前は人間に決まっているだろ。ちょっと感情表現が苦手なだけだ。
 それに最近はずいぶんと表情も豊かになってるんだぞ。
 だからもうちょっとすれば、あっ!…………」

言葉に詰まった上条に対して御坂妹は再び話し始めた。

「そして全ミサカで検討した結果、全員一致で延命処置を受けることになりました」
「それじゃ、お前達はその処置をいつ受けるんだ?」
「……………………」
「どうした?御坂妹」
「……………………昨夜でした、とミサカは告白します」
「昨夜…………だって?」

「はい。日本時間昨日22時00分に全員が一斉に薬を服用することに決めていました」
「なんだって!お前はもうその薬を飲んじまったのか?」

上条は思わず御坂妹の両肩を両手で掴み御坂妹を脅すように問いかけてしまった。

「ミ、ミサカは……ミサカは……………………」

上条に見つめられ言い淀む御坂妹の両目には涙が溢れんばかりに溜まっている。
上条は初めて見る御坂妹の涙に驚き両手を離した。
「痛かったか?悪りぃ、御坂妹。でも本当にお前はもう……」

上条がそう言いかけた瞬間、上条を見つめる御坂妹の目から涙が一筋こぼれ落ちた。
同時に御坂妹は大声をあげて上条に抱きついてきた。

158■■■■:2009/10/02(金) 22:59:25 ID:U9LI6Wgw
「ミサカ、巫女と美琴(ミサカEND その2)」

「うっ、うわあぁぁ────────ん!」

それは上条ですら初めて見るほど激しい感情表現だった。

「ミサカは、ミサカは妹達(シスターズ)を裏切ったんです!
 ミサカ一人だけが薬を飲まなかったんです!
 ゴメンナサイ。ゴメンナサイ。わあぁぁ────────ん」

戸惑う上条の胸に顔をうずめて御坂妹は泣き続けている。
上条はそんな御坂妹の背中を上条は両手で優しく包んでやった。
暫くすると御坂妹は少し落ち着いてきたようだった。

「少しは落ち着いたか?…………でも裏切ったってどういうことなんだ?」
「ミサカ達は当麻さんのお役に立ちたいから、例え生命体としては歪(いびつ)でも1秒
 でも長く当麻さんいる世界に存在する道を選びました。人間としての短い生よりも妹達
 (シスターズ)としての生を選びました。
 それなのに…………ミサカだけは薬を飲む直前に怖くなったんです」

「何が怖かったんだ?」
「ミサカ達はもともと作り物の身体と借り物の心でできた実験動物です。
 でも当麻さんはミサカ達も人間として生きて良いんだということを教えてくれました。
 それに今まで全く分からなかった『嬉しい』や『寂しい』っていう気持ちも当麻さんと
 一緒ならいつか判るんじゃないかって気がするんです。
 そしたらいつかはミサカも人間になれるんじゃないかって希望を当麻さんはくれました。
 だからその希望を失うことがミサカは怖いんです」

「お前、それで…………」
「例え寿命が短くても良いんです。
 当麻さんと同じものを見て聞いて感じていきたいんです。
 ワガママなのは判っています。でも、やっぱりミサカは人間になりたいんです」

「他の妹達は薬を飲んだのか?」
「わかりません。昨夜22:00以降ミサカはミサカネットワークに接続できないのです」
「どういうことだ?」
「ミサカネットワークは元々同じ脳波を持つクローン体を同じ脳構造に調整した上で全員
 の脳波をリンクしたものです。だから薬を飲まなかったミサカは異物としてネットワー
 クから切り離されたのでしょう、とミサカは推測します。妹達を裏切って逃げたミサカ
 は独りぼっちになってしまいました」
「裏切ったとか逃げたとか言うじゃない。命と引き替えに人として生きる道を選ぶなんて
 ことは簡単にできる事じゃない」
「でも…………えっく、えっく」

上条は再び泣き始めた御坂妹の耳元で優しくささやいた。

「じゃあ『唯』っていうのはどうだ」
「え?」
「お前は人間として生きて死ぬ覚悟を決めたんならいつまでも『御坂妹』じゃおかしいだろ」
「当麻さんはミサカに名前を付けて下さるのですか?」
「ああ、お前が良いなら。この世界に一つっていう意味で、そして俺にとってもそう
 あって欲しいから『唯』っていう名前はどうだ」

「嬉しいです。ミサカはその名前をとても気に入りました」
「なら、そこはミサカじゃなくて『唯』だろ」
「はい!唯は……唯はこれからも当麻さんのお側にいても良いのですね?」
「当たり前だろ。俺達はこれからずーっと一緒だ」

満面の笑みを浮かべた御坂唯であったが、すぐまた表情を暗くしてしまった。

「でも、唯だけが幸せになるだなんて…………妹達になんて謝れば良いのか」

「ちょっと待て!唯。その薬ってラストオーダーも飲んだのか?」
「いいえ、上位個体にはそもそも延命処置の必要もありませんから」
「じゃあ、なんでラストオーダーとも繋がらないんだ?」
「えっ?」
「唯、ラストオーダーに呼び出してみろ!」

御坂唯がミサカネットワークのラストオーダーに呼びかけると応答は直ぐだった。

「イヤッホー!ってミサカはミサカは陽気に返事してみる」
「ラストオーダー、私の声が聞こえるのですか?」
「当たり前なの!とミサカはミサカは上位個体の威厳を見せつけつつ答えてみる。
 皆からの伝言を伝えるからね。
 『上手くやりやがったな。こんちくしょう!でも誰もあなたを責めません。
 だから当麻さんと幸せになりなさい。あなたを愛する全ての妹より』
 ってことなの、だ・か・ら!頑張ってね。唯お姉様!」

御坂唯の目から再び涙がこぼれ落ちるのを見て上条は少し不安になった。
しかし、次に出た御坂唯の言葉は上条をホッとさせた。

「妹達が私を許して、そして励ましてくれました。こんなに嬉しいことはありません」

御坂唯の肩をそっと抱き寄せた上条は優しくささやく。

「良かったな。唯」
「…………はい。当麻さん。これからもよろしくお願いします」

159■■■■:2009/10/02(金) 22:59:55 ID:U9LI6Wgw
「ミサカ、巫女と美琴(ミサカEND その3)」

秋晴れの空には薄い雲一つ無く、陽に照らされた草々は丘を渡る風に身を任せそよそよと揺らめいていた。

その丘の小道を花束を抱えた一人の女性がゆっくりと登っていく。
その背中まで伸びた髪を丘を渡る爽やかな風が揺らしている。
黒いワンピースに身を包んだ20代前半の女性が目的の場所にたどり着くと、そこには
既にスーツ姿の男性が一人たたずんでおり、女性はその男性の背中に声をかけた。

「半年ぶりかしら?」
「その声は御坂か?ああ、そうだな」
「花束、良いかしら?」
「ああ」

二人が立っている場所は小高い丘にある墓地の一画である。
その女性、御坂美琴は抱いていた花束を『Yui=Kamijo』と書かれた石盤の上に静かに置いた。

「当麻。あの子、逝っちゃったね」
「ああ。…………アイツは幸せだったかな?」
「当たり前でしょ!
 あの子はカエル顔の医者(せんせい)が予告した日より半年も長生きしたのよ。
 それはね。あの子がとても幸せだったからよ。きっと」
「…………そうだと良いな」

上条当麻も御坂美琴もしばらくは無言で『上条唯』の墓標を見つめていた。

「そういや、お前、もうすぐ大学院修了なんだろ。その後はどうするんだ?」
「そうね。学園都市の統括理事にでもなろうかしら。
 学園都市の改革を進めたいっていう親船最中統括理事長から誘われてもいるしね。
 それに妹達(シスターズ)のことも気になるから」
「史上最年少の統括理事か。やっぱりお前はスゲエな」
「何言ってんのよ。アンタこそ学園都市を根本から作り直させた張本人のくせに」

「いや俺とは違って、御坂は成長してちゃんと大人になってんだなあってな」
「そんなこと無いわよ。
 私だって…………13歳の時から変わらないものが1つあるんだから」
「ん?なんだって?」
「なんでもないわ。それに今それを言っちゃたらルール違反だからね。
 でも、いいこと!アンタが今の気持ちを整理できたら…………
 もしその日が来たなら……
 その時は私の話をしっかり聞いて貰うからね。いい!約束よ!」

「ああ、約束するよ」
「じゃあね。私はもう行くわ」
「じゃあ、またな」
(まったく、あの子がこんなメールを送ってくるから調子が狂っちゃうじゃない)

丘の小道を下っていく御坂美琴は携帯を取り出すと一通のメールを開いた。

「親愛なる美琴お姉様へ
 このメールがお姉様に届いた時には私はもうこの世にはいないでしょう。
 私にはお姉様にどうしても伝えなければならないことが2つあります。

 1つ目は、あの日当麻さんをお姉様から奪ってしまったことをお許し下さい。ずっとこ
 の一言が言えませんでした。
 あの日あんな告白をすれば当麻さんならきっと私が死ぬまで私の傍に居てくれると思っ
 ていたのは事実です。非道い女だと自分でも思っています。本当に済みませんでした。

 2つ目は、私の唯一の心残りは当麻さんの子供を授かることができなかったことです。
 私がこんなことを言うのは厚顔無恥も甚だしいことだと思います。でもお姉様が当麻さ
 んと結ばれてお二人の間に元気な子供が生まれることを願っているのも私の偽らない
 気持ちです。

 お姉様の妹としてこの世界に生まれその生を全うできたことはとても幸せなことでした。
 お二人の幸せを心よりお祈りしています。

 あなたの妹、御坂唯より」

     〜 Fin 〜

160■■■■:2009/10/02(金) 23:00:34 ID:U9LI6Wgw
以上です。
これは「ミサカ、巫女と美琴」のエンディングとして当初考えていたエンディングの一つ
「ミサカEND」を少し手直ししたものです。
ちょっと寂しい終わり方だったので自分の中ではボツにしたのですが、せっかく書いたの
で投下することにしまいました。ミサカファンの皆さん、ちょっと微妙な終わり方ですみ
ませんでした。
ところで、本来はここでする話では無いのですがSS自作スレ編集者の方に質問がありま
す。SS自作スレ内の未編集作品の編集も書いた本人がした方が良いのかなと最近思いつ
つも、残念ながらネット初級者の自分にはそのやり方が良く判りません。どこかに作品の
編集の仕方に関するテンプレートを作って頂けると助かります。
また、実は過去ログの「ミサカ、巫女と美琴」の1〜6がレス番号と内容が合っていない
ことに気付いたので修正したいのですが、過去ログ編集の仕方を見ながらとはいえ素人が
手を出して大丈夫かなと尻込みしています。もう少し勉強してから手を付けてみたいと思
っています。もし変なことになった場合は編集人の方に泣きつくかもしれません。その時
は助けて下さい。よろしくお願いします。

161超電磁砲放送開始記念小ネタ・軽くネタバレ注意:2009/10/03(土) 15:28:58 ID:u37nhzj6
「おま…OPの超電磁砲が必殺技じゃねーか!」
「ふふーん、羨ましい? アンタ、自販機のとこ通り過ぎるだけだもんねぇ」
「うっ……。い、いいんだよ!二期OPでは俺が主人公になってやるぅ!」
「一方通行編をやるのかわかりませんけれども」
「黒子!」
「ひ、ひどい…」
「お姉様!わたくしの活躍どうでした!?」
「ええい!その手の動きやめい!それにアンタはなんで前かがみなのよ!」
「え、あ、ぶふぁっ!?」
「この類人猿がぁあああああっ!お姉様の裸はわたくしだけのものですわーっ!」
「黒子のものでも無いわーっ!」
弾ける閃光、煌めくコイン。次には轟く超電磁砲。
「不幸だぁああああああ!」
「お姉様ぁあぁああぁぁ!」
「はぁっ…はぁっ………。『とある科学の超電磁砲』をよろしく!キラッ☆」
「おま…それ」
「ヤック・デカルチャー…ですわ」


糸冬

162■■■■:2009/10/03(土) 23:04:32 ID:9fhZ4aVg
二つの作品に送るgj
唯悲しすぎるよ!でもそこが良い!
僕なりには「美琴END」も見たい、と言うか出来れば全ての終わりが見えるようにお願いします!

163ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/10/05(月) 21:16:32 ID:YoQO8l7.
ネタをひとつ

『上条さんがジョーカーのガイアメモリを、一方さんがサイクロンのガイアメモリを拾って御坂関係でいろいろあって、ぶちぎれたようです』

「力貸せよ、『相棒』」
「しょうがねェなァ」

『サイクロン!』
『ジョーカー!』

「「変身!」」

『サイクロンジョーカー!』

「「さァ、アレイスター!お前の罪を数えろ!」」

Wの衝撃が学園都市に疾る!

164■■■■:2009/10/06(火) 00:06:04 ID:8QLRVPiw
不覚にも吹いてしまった。

165混沌調和:2009/10/07(水) 23:08:43 ID:W3i8nv1k
アニメ化されてうれしいです
小説が書けないのが残念ですが、皆さん応援してます!

166■■■■:2009/10/07(水) 23:37:39 ID:DnNlIXfI
>>165
コテは作品の伏線ですか?

167■■■■:2009/10/08(木) 10:10:09 ID:gQtAz9Iw
ttp://2d.moe.hm/index/img/index0754.jpg
ttp://2d.moe.hm/index/img/index0757.jpg
『酔いどれ騒動』漫画化!
GJGJGJGJGJGJ〜〜〜〜〜〜

168■■■■:2009/10/08(木) 11:12:00 ID:jUcZInf2
いったい何処でこんな物を・・・

169おいで^^:2009/10/08(木) 22:53:54 ID:zgu5JC/Q
すごく好評のブログw
ちょっとHでどんどん読んじゃうよ。
更新もしてるからきてみてね^^

ttp://stay23meet.web.fc2.com/has/

170■■■■:2009/10/08(木) 23:47:47 ID:HnqYJQao
>>167
詳細キボンヌ。てかすげえwww

171■■■■:2009/10/09(金) 00:00:05 ID:Eqwa78ac
てか、HAO氏はまだか?

172■■■■:2009/10/09(金) 00:42:20 ID:R3bXlnr2
俺はHAO氏の作品が一番好きだ

173■■■■:2009/10/09(金) 06:49:36 ID:eGVZWFNE
>>167
いろいろな意味で大丈夫なのか

174■■■■:2009/10/10(土) 01:16:24 ID:v9C69ZOY
禁書新刊の表紙期待通りでかっけぇー!俺的に歴代ベストかも

175■■■■:2009/10/10(土) 16:33:10 ID:T9xSRAqc
『空間湾曲(ディバイディングドライバー)』
空間支配系能力者最高峰

176■■■■:2009/10/11(日) 00:41:14 ID:JthqSE/Q
勇者ロボが使ってた工具(武装)じゃねーか

というかスレ違いだろオイ

177■■■■:2009/10/11(日) 01:26:13 ID:sMsgK7aE
>>174
はげど
そういえば最近totoさん見ないな

178■■■■:2009/10/12(月) 17:17:21 ID:GoDARIRc
『上条さん宅のベランダに、明日に舞うタキシードが引っかかったようです』
「こーんなに天気が良いんだから、雨なんて…」
「すみませーん、この店で一番安い食べ物と、それとありったけの調味料をください」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「エレナァァァァーっ!」
「御坂ぁぁぁぁーっ!!」

おや?
アレイスターの水槽が……


ガンソ全話終了後のヴァンが流れ着いたようです

179■■■■:2009/10/14(水) 18:53:52 ID:WqCcCso.
「秋だなぁ」
「秋ねぇ」
「秋はいろいろな○○の秋がありますわね」
「秋だからなァ」
「ミサカの秋、とミサカはミサカはどさまぎで言ってみたり」
「おい、クソ上司、とミサカは頭を小突きながら存在をアピールします」
「初春の頭の花……それってまさか」
「えへへー、たまには樹木をやってみました」
「秋だなー」
「一万人以上の妹達の姉の私が言うのもなんだけど、アンタの知り合いって殆ど女の子ばっかじゃない」
「いやー、秋だから」
「笑って誤魔化すんじゃないぜぃ、カミやん」
「僕達も居るんでっせー」
「あー、なんかもう画面に入りきらない人が沢山。てか知らないメルヘン野郎、誰だアイツ!?」
「あン? 一応多分俺の知り合い」
「レベル5の方ですか。つかレベル5揃ってるのは気のせいですか気のせいですね」
「女教皇様の堕天使エロメイドと五和の大精霊チラメイドとその他ゲテモノメイドの大集合なのよぉおおぉお!」

「知り合いがこんなのばかりな俺って………不幸だぁああああああああ!…すんません睨まないでください」

180youki0211:2009/10/14(水) 21:01:43 ID:ChsG2qp6
これから書こうと思っております。

181みき:2009/10/15(木) 12:15:15 ID:pyTJEclg
好きな人にあんなこと言われて…
これほどワクワクしたの初めて♪
ドキドキしちゃった〜★★★
url007.com/pr

182youki0211:2009/10/15(木) 14:03:33 ID:G0Pptv1E
投下します。
題名は「とある美琴の他寮生活<アウトドア>」
です。

183youki0211:2009/10/15(木) 14:04:01 ID:G0Pptv1E
「お姉さま〜」
突然黒子が話しかけてきた。
(……一応返事しておこうかな)
「何よ黒子?」
「今日が何の日かわかりますの?」
初春さんと佐天さんもいる。
(……二人に訊くか)
「ねぇ、今日って何の日かわかる?」
先に答えたのが初春さんだった。
「し、知りませんよ。普通の日じゃ」
そこで佐天さんが答える。
「ずいぶん前にも訊かなかったっけ」
(ん?どういう意味なの?)
「私たちが出会って1週間たった日。」
(ってまさかっ)


 「とある美琴の他寮生活<アウトドア>」


「今日でその日から5ヶ月くらい経ったんじゃない」
「そうですわよ、お姉さま。お忘れになられたのですか」
「い、い、いやー、そんなわけ……」
「お顔が赤いですわよ」
「さーお姉さま。今日こそこのわたくしと決着を……」
ズドーーーーン!!と電撃が。
「黒子の愛を受け入れていただけないのでしたらわたくしと戦ってくださいまし」
「黒子ーーーっ、うっ」
(……寮監っ)
「どうしましたの、お姉さ……」
「寮則第9条、寮内での能力の使用は、これを固く禁ずる。よもや忘れたわけではあるまい白井、ん」
「ここここれはご機嫌麗しゅう、寮監様。これには深ーい理由が」
「なーるほど。よんどころない事情というやつか。」
「そ、そうなんですの」
「だが、」
黒子の首から、グキリッ!!という音がする。
「ひっ」
としか言えない美琴。
「そんな事情を詮索していては寮の規律を守ることはできん。規則破りには罰が必要だ。そうは思わんか、御坂」
「は、はい」
「これで何度目だ。何度ドアを壊した」
後ろを見る美琴。そこには木っ端微塵にされた上、電撃で丸焦げになった灰の塊しかない。
「そ、それは」
「寮を出て行ってもらおうか」
「そ、それだけは」
(いやに決まってる。だって、行くところが……、ないわけでもないか。)
「調べさせてもらったぞ、御坂。お前はとある高校生によく会ってるらしいじゃないか」
「それはそれで」
「事前に連絡はしている。早く荷物を片付けな、御坂」
「す、すぐにっ」
(何でこうなるのよ? よりにもよってアイツの部屋かよ)
「何を思っている、御坂」
「な、何でもありませんっ」
「引越し屋が来ているんだ、早く頼むぞ、御坂」
こうして、上条と御坂の不幸な生活が始まる。

184youki0211:2009/10/15(木) 14:08:53 ID:G0Pptv1E
ごめんなさい。
第1章って書くの忘れてました。
ほんっとうにごめんなさい。

185とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/15(木) 14:44:04 ID:G0Pptv1E
とある美琴の他寮生活<アウトドア> 第2章-1

「おっすー、ビリビリ」
インターホンから聞こえてきた声はアイツだった。
「ま、間違いないよね、と、とうま」
「ああ、そうだけど、アンタって言わないって珍しいな」
「そ、そんなことはないわよ、入るわよ。」
「どうぞ、それと、管理人さんに挨拶しときなよ。」
「え、あ、挨拶?」
「変なこと言ったら2メートルの日本刀で追っかけまわされるぞ」
「う、ウソーーーー」
「嘘。今はいねーよ。とにかく入ってこい」
荷物は引越し屋にまかせて、彼女は階段で上がってくる。
ガチャッ!と音を出してドアが開く。
「意外ときれいなんだね」
上条は馬鹿にされたみたいだ。
「あったりめーだろ。お前が来るっていうから急いで片付けたぜ」
彼女はあることが気になった。
「ねえ、アンタ。銀髪シスターは?」
「イギリス」
即答。
「管理人の名前、神裂っていうんだけど、そいつと一緒に行った」
「え、じゃあ、土御門はいるの?」
「あの二人も行った」
「えーーー」
「メイド研修だってさ。サングラスはインデックスと一緒に」
「ふーん、じゃ、仕方ないか」
(何をしよう? あ、そうだ、携帯をカップルで登録したらゲコ太もらえるキャンペーンが)
「ね、ねえ、アンタ、携帯をカップルで登録したらゲコ太もらえるキャンペーンやってるんだけど、しない?」
「あー、暇だし、行くか」
ピーンポーン!と音が鳴る。
「上条さんのお部屋はこちらでよろしいでしょうか?」
「はい」
「御坂さんのお荷物をお持ちしました。今から届けるので、よろしくお願いします」
(……え、まさかここに大量の荷物が?)
「わ、わかりました」

 10分後

「やっと全部ね」
「意外と少ないな」
「ほっといてよ。アンタが多いだけでしょうが」

 30分後

「やっと片付いたわ」
「んでさ、御坂。どこで寝る気だ?」
「え、そ、それは」
顔が赤くなる。
「ベッドか?」
「アンタはどこで寝てんのよ」
「風呂。」
「え?」
ベッドをインデックスに取られていた。
やっとベッドで寝られると思った上条さんは
(また風呂か?)
と一瞬思うのだった。
「そ、それはともかく、さ、行きましょう、ほら」
上条の腕を掴んで引っ張る美琴。
彼女の顔は笑顔だった。

186とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/15(木) 15:21:35 ID:G0Pptv1E
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第2章-2

「ここでいいかしらね」
(大丈夫なのか? ま、こいつとのメールと電話が無料になるらしいしな)
さっそく店に入る。
たまたま同じ会社なのか、上条はMNP(Mobile Number Portabilty)で他社に変える必要がなかった。
「それでは、この書類に記入してください」
そこには、郵便番号、住所、氏名、年齢、携帯電話番号など、たくさん記入するところがあった。
「はい、結構です。えーっと、御坂様に、上条様ですね。」
「はい。」
「あっ、もしかして、以前こちらに登録しに来ましたか?」
「え、あ、そうですけど」
(おーいビリビリ、黙ってんじゃねーよ)
「やはり」
「あのときはすいませんでした、勝手に出て行くなんて」
「いえいえ、今日登録するのであれば、大丈夫ですよ」
「スイマセン」
(店員の顔を見るとまだ何かありそうだな。なんなんだ?)
「それで、カップルだという証拠にツーショットの写真を……」
「またかいっ」
「いつもそうでございますが」
(仕方ねー。撮るか)
「ちょっと撮ってきます。ほら、ビリビリ、行くぞ」
「えっ、ちょっと」
ある意味無理やりだが、店の外へ引っ張っていく。

「じゃ、撮るぞ」
「ちょっと、近いって」
「画面にはいんないし」
「えっ、うそ」
「撮るぞー」
パチーン!という音とともに彼女は目を瞑る。
「なんか無理やりって感じだな。次お前が撮ってくれ」
「あ、あたし!?」
顔が赤い彼女は今にも倒れそうな感じだ。
(こいつ、オーバーヒートしねーよな?)
「撮ったらいいんでしょ、ほら」
上条に寄ってきた。
これでいいのか?
そこに上条の手が彼女の肩に触れ、引き寄せてくる。
パチーン!と今度は彼女の携帯から音が出る。
「これでいいか」

「はい。了解です。では、ゲコ太ストラップ、最後の2つですよ」
「あーーーー、ゲコ太ーーーー」
「おーい、帰ってこーい」
今度こそ無理やり店から引っ張り出した。
店員さんは笑うしかできないようだ。
最後の2つと言っていたゲコ太。
よくみると、同じ種類のゲコ太ではないようだ。
上条のはスーツを着ているが、彼女のは頭にもう一匹の蛙が乗っている。
それを見た彼女は、
「それ欲しいなー」
といきなり態度を変え、デレデレモードに突入。
「ん」
渡すしかできない上条さん。
彼女はいつもの自販機で『ちぇいさー』をし、怪しげなドリンクを飲んでからまた上条に甘える。
「ねーおんぶしてー」
上条の右手は『幻想殺し(イマジンブレイカー)』。でも、さすがにデレデレモードからは脱出させられない。
(一応触れとくか)
変化なし。
「ねーとうま、はやくぅー」
ここまで来ればもうするしかない。
(白井と青髪ピアスはいねーよな?)
風紀委員(ジャッジメント)の白井黒子とクラスメートの青髪ピアスを気にする上条。
仕方なく、周りを気にしながらおんぶしてかえる上条さんであった。

187■■■■:2009/10/15(木) 19:17:46 ID:gMD49nlc
gjと言うかこんなの待ってた!美琴と当麻が一つの部屋で、二人の邪魔をするインデックスは居ない!
ただ今度からはEメールの所に「sage」って入れようね!
 ところで神崎は管理人やっているのは美琴にとってヤバくね!と言うか天敵(?)
 5巻の88ページに当麻さんの好みの女性が「寮の管理人のお姉さん」と書いてある。

188■■■■:2009/10/15(木) 20:45:54 ID:RI8M9R7c
うるせえ

189toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/15(木) 22:06:18 ID:EvvdKb8s
お久しぶりです。
『並行世界(リアルワールド)』
投下します。

190『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/15(木) 22:08:13 ID:EvvdKb8s
(二日目)13時33分

第七学区。
『学び舎の園』の地下七〇〇〇メートルにある大施設。
核シェルターR-177。
約一〇〇〇〇人程度の人間が生活を送ることが可能な設備を持ち、施設内の人間全てが入るほどの多目的ホールがあった。中央には、巨大スクリーンがあり、地下までの有線を通して、外部の情報を得ることが出来る。
午後には、携帯食料や水が配られ、人々はそのホールに待機していた。
大半は近辺にある生徒であり、『警備員(アンチスキル)』を除けば、大人は非常に少ない。
これほどの大規模な民間人の避難は前代未聞だった。一種の緊張感に駆られ、話題のネタとしては格好のモノであろう。
しかし、
周囲は、凍りつくような静寂が支配していた。
誰一人声を上げていない。
話声も聞こえない。
カラン、と空のスチール缶を蹴った音だけが、ホールに鳴り響いた。
その異様な沈黙の中に、一人の少女が現れる。
黒いマントを羽織った長点上機学園の女子生徒、『超能力者(レベル5)』第三位、『心理掌握(メンタルアウト)』至宝院久蘭。
手すりにつまかり、自力では歩行すらままならない程、視界が揺れていた。
徐々に意識が遠のいていく。
異変を察知した彼女は、いち早くこのシェルターを回った。
厨房で料理を行っている人々も、シェルター内にあるエレベーターを警護している『警備員(アンチスキル)』も、御坂美琴によって一悶着あったエレベーターエリアも、修理の途中で人々は気を失っていた。
次々と人が倒れていく中、至宝院久蘭はその「根源」を突き止めた。
そして、理解する。
(こういうこと、だった、のですね―――)
薄れゆく意識の中、彼女の心に輝くのは愛しい人の姿。
(私は――貴方に――すべてを捧げます)
光に手を伸ばした。
ただただ、彼が愛しい。
あの日から、彼女の心は上条当麻が潜むようになった。
彼の心に、至宝院久蘭がいなくとも、彼女の心には彼しかいない。
だからこそ、彼女に身に起っている事を、自ら受け止めた。
(私は、貴方を愛しています――――当麻様)
そして、至宝院久蘭の意識は闇に落ちた。

191『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/15(木) 22:08:52 ID:EvvdKb8s
同時刻。
第一八学区。
「これが…本当に能力者同士の戦い?」
「うっわー!すげえ!見てよあれ。樹木が高層ビルの中央に刺さってる!」
「竜巻が大量発生した後に、数発ミサイルをブチ込まれたってほうが納得できるね」
「バターを切るように切り裂かれているビルの光景は、むしろ芸術にすら見えます、とミサカは――」
モノレールに乗りながら、窓から見える『魔神』と『魔王』の戦いの惨状を見て声を上げる少女たちを見て、
ぶちっ。
黒マントを羽織る御坂美琴は、
「何でアンタたちがいるのよ?!てか誰!?」
と叫んだ。
その大声に、
「「「「「ほへ?」」」」」」
車内の床で、コンビニの弁当を食べる少女たちは振り向いた。
四人は黒のスーツを着込んでいるが、四人とも中学生程度の未成年であるため、服装に違和感がある。
その上、機械仕掛けの羽やら、装飾に凝ったデザインの槍やらを所持しているため、その異様さは見てとれる。
「それに風水!アンタは久蘭の傍にいるんじゃなかったの?!」
ビシィ!と指さした先には、メイド服姿の少女がいた。
栗色のフワフワした髪に、子犬のように可愛いクリクリとした瞳、身長一五〇センチ弱にして若干一四歳で九〇センチの驚異的なバストを持つ、久蘭終身専属萌えメイドこと剣多風水がそこに佇んでいた。
「私は、久蘭御姉様に命じられただけです。他意はありません。美琴御姉様」
と、一切感情を出さない表情と口調で、御坂美琴に返答した。
可愛らしい表情であるがゆえに、機械のように喋る剣多風水は、妙な迫力がある。

御坂美琴を含める少女たちは、モノレールの先頭車両に乗っていた。
席には、御坂と同じ顔をした少女たちがズラリと座っているので、八人の彼女たちは操縦席の前にある壁に寄り掛かっていた。
『妹達(シスターズ)』。
頭にはゴーグルを付け、膝にはアサルトライフルが置いてある。頭上の荷物置き場には、黒い長方形の箱が規則正しく置かれていた。
このモノレールに乗っている人数は二〇〇人程度で、他の『妹達(シスターズ)』は、五〇〇台に及ぶトラックで、とある『荷物』と共に移動している。
車内の先頭に、シスターズと異なる少女たちはいた。
黒マントを羽織った御坂美琴。
他のシスターズの管理者であり、美琴と瓜二つの唯一のロングヘアーを持つ『第能力者(レベル4)』ミサカ一〇〇三二号。
髑髏の帽子を被り、カジュアルな私服を着込んでいるミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』。
能力は『体内電気(インサイドエレクトロ)』であり、体内の電気信号を操ることで常人を逸した身体能力を有するが、電気の出力自体は静電気以下の電力しかなく、体外に電気を放出できないため、判定は『無能力者(レベル0)』。
至宝院久蘭の忠実な僕にして、久蘭派閥の二代目当主。兼お世話係の剣多風水。
ちなみに、白井黒子は意識が戻りかけたところを、ミサカ一〇〇三二号によるクロロフォルムで再び眠らされ、ミサカ一〇〇三三号の隣に座っていることをここに明記する。
ミサカ一〇〇三二号は、『お姉様(オリジナル)』に『あるもの』を手渡した。
 『あるもの』を見つめながら、御坂美琴は自嘲気味に呟いた。
「…まさか、私が『これ』を使うハメになるなんて、夢にも思わなかったわ。一体何の因果かしら?」
「ですが、これしか方法がありません、とミサカは冷静に判断しました…」
「まあね。あのバカを叩きのめすためには、私は『これ』に頼るしか無いのよね…風水、貴女からも至宝院お姉様に伝えてくれる?『感謝します』って…」
「…了解しました」
目を閉じたまま、メイド服姿の少女は呟いた。
 お姉様…と、寝言で呟く白井黒子は無視された。
レッサーは、御坂美琴を上から下まで見回すと、唐突に口を開いた。
「でもさー。当麻様が選んだ女だって聞いてたから、絶世の美女かと思ったら…」
「中の中ですね」
「なっ!?」
簡潔かつ辛辣な言葉が、美琴の心を抉った。
「当麻様の好みが分からないな。私的にはランシスの方が可愛いと思うけど」
「フロリスなんて、2回当麻様に抱きしめられたのにね。しかも、どっちも水ぬれで」
「やっぱり、温泉の抱きつきイベントの時、食い下がらないで襲っておくべきだったなぁ…ねぇ…ベイロープ」
「そうねー…全員ヌードで迫ったら、私たち今頃、当麻様に仕えるメス犬ペッ…」
四人の少女、『新たなる光』のメンバー、ドロシー、ランシス、フロリス、ベイロープが口を揃えて言葉を吐く。

192『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/15(木) 22:10:02 ID:EvvdKb8s
もちろん、彼女たちが、所属する『神上派閥』のリーダーである上条当麻に、どのような感情を抱いているかは、先ほどの発言で明白である。
追いうちのように、御坂美琴と瓜二つの容姿をした少女が、
「今のお姉さまの立場を的確に表現した言葉です、とミサカは一言付け加えます」
「いやっ!付け加えちゃダメだろ!」
ビシィ!とミサカ一〇〇三二号の危険発言に、右手でミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』は突っ込みを入れた。制服姿の御坂シリーズと異なり、一人だけカジュアルな私服を着込んだミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』はとても目立つ。
常盤台の制服は着ておらず、ジーンズにブラックとイエローのバスケットシューズ。男が舌を出している絵の入ったプリントシャツ。半袖の紺のジャケットに三日月型のシルバーネックレスを身につけている。
もっとも、一際異様に見えるメイドこと剣多風水は、初めから除いている。
彼女は、目と口を閉ざしたまま、壁に寄り掛かることも無く、人形のように直立していた。
コソコソと、フロリスはミサカに話かけ、
「ねぇ…もしかして貴方のクローンって、当麻様の日替わりペッ…」
「それ以上の発言は良俗違反となるのでコメントを控えてください、とミサカは公的意見を述べつつ、実はそれこそが我々『妹達(シスターズ)』の悲願であると一言付け加えます」
「だから!付け加えちゃダメだろ!」
「…ゼロ。貴女も当麻様の女になることは本望でしょう?」
「…あ…いや、それは、そうなんだけど…ひぃ!」
バチバチィ!と頭上で電気をならす御坂美琴を見て、ゼロはおし黙った。
「ちょっと!『新たなる光』のやつら!アンタたちも神上派閥のメンバーでしょ?!」
「…同時に貴女のライバルでもあります、はい」
下目で睨みつけるフロリスに、うっ…と声を潜める御坂美琴。
「そうよ。私が上条当麻の恋人よ!何か不満?」
『不満タラタラDEATHよ!』
四人の声が一斉にハモった。
あまりの迫力に御坂美琴も気圧され、ドロシーが口をモゴモゴして喋り始めた。
「なぁーにが、『俺の恋人を守ってくれ』ですか!この命令を受けた時のショックときたら…くぅー!!当麻様の命令だから、従っているんですよ!し・か・た・な・く・ね!もしも貴女が私たちの足を引っ張るようなことをすれば、普通に殺しますから!」
と、堂々と殺人予告をつげられた。
「なぁっ!?」
冷たい目でベイロープは、
「そうゆうことよん♪ミス・ミサカ。上条当麻を狙っている女性は、星の数だけいると想いなさい」
「ベイロープ?あんた…くやしくないの?こんな●ャップが当麻様の恋人だなんて…」
「確かに、内心穏やかじゃないわ。むしろ、この場で殺してやりたいくらい♪」
「っ!?」
ランシスをなだめるベイロープも笑顔で、殺意をむき出しにする。
御坂美琴は黒マントを揺らせ、体勢を身構える。
ベイロープの碧眼が、当麻の恋人を射抜く。
「でもね。当麻様が愛するだけのモノを、貴女は持っているんでしょう?チカラもかなり凄そうだし…それくらいは分かってるでしょう?みんな」
彼女の言葉に、『新たなる光』のメンバーはうつむいた。
そうして、彼女たちは思考を冷静にし、御坂に対する敵意が徐々に薄れていく。

その姿を見て、ああ…と、御坂美琴は思う。

彼女たちも、本気で上条当麻を愛しているのだ、と。
このような事はいつものことなので御坂は慣れ切っていた。だからこそ、彼女たちの立場を考えることは避けた。そうしてしまうと、いくら精神力が強かろうと押しつぶされてしまいそうで。
(…当麻、この事はきっちりと「払って」もらうわよ)
と、心の中で思いながら。
瞳にくやし涙を浮かべるフロリスは、もう一度、御坂を睨みつけると、
「そこのメイドの子!貴女もオンナならわかるでしょ!好きな男に対するこの気持ちが―」
その言葉に、剣多風水はゆっくり目を開け、


「私には理解できません。私は真性のレズビアンなので」


空気が凍りついた。
会話を無視していた『妹達(シスターズ)』さえ、ザザザッ!と一斉に彼女の方向に視線を傾けた。
「…彼女の爆弾発言には突っ込まないのですか?とミサカはミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』に問いかけます」
「いやっ!内容がヘヴィすぎて突っ込めねえから!」
ビシィ!と即座に、ゼロはミサカ一〇〇三二号につっこみを入れた。

193toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/15(木) 22:12:41 ID:EvvdKb8s
今回は短いですが…
年内には書き終わるつもりです。
なぜかエピローグは書き終えてしまったので、
そのままラストまで書き続けようと思います。
ではでは。

194■■■■:2009/10/15(木) 22:23:11 ID:6fPs8g0c
リアルタイム北!待ってました!大本命!
そして当麻は愛されすぎ

それと重箱の隅をつつくようで申し訳ないですが10032号の能力説明のところ"第能力者"になってますよ

195■■■■:2009/10/15(木) 23:13:24 ID:xDh73moQ
>>182-186 youki0211氏
投下乙
ひとまずは「sage」を覚えることから始めようか。
それと、投下時刻から察するに、直書きしてるんじゃないかい?
いっぺんメモ帳にでもまとめておいて、そこからコピペするのを推奨。
推敲もきっちりできるだろうしな。
あと、>>184で謝ってるけど、「第1章」が抜けたとか、読者はたいていその辺たいして気にしてはいない。
(それほど大いに困る問題というわけではないだろう?)
それよりも投下終了宣言の方が欲しい。
レス着けるにも実は終わってなくて挿まれるのは嫌だし、次の作家が投下するのにも困る。

>>193 toto氏
GJ 久蘭にも魔神の従僕フラグが立ったようです

196youki0211:2009/10/16(金) 12:16:39 ID:ILxpUjFg
>>195 ■■■■様

■■■■様、ご指摘いただき、ありがとうございます。
“sage”の意味については調べましたが、意味がわかりにくかったということです。
できれば、教えていただけないでしょうか。
また、直書きはしておりません。予めメモ帳で作成し、推敲しておいたものを投下しただけです。
投下終了宣言がなかったことで禁書板利用者に迷惑をかけたことは、お詫び申し上げます。
まだまだ初心者ですが、よろしくお願いします。

197葉月ちゃん:2009/10/16(金) 14:05:25 ID:wsPH2Rew
コレ先にするの忘れてた><
左の子の方が肉感あるような?
↓    ↓    ↓
ttp://kiss-for-luck.com/?sk4

右が葉月だけど胸は負けてる・・・汗

198■■■■:2009/10/16(金) 14:26:44 ID:0hjhEiHk
このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際にはメール欄に半角で「sage」と入力すれば良い。
と言う事です。
youki0211さん

199■■■■:2009/10/16(金) 17:32:40 ID:8TQeMi7o
>>193
totoさんGJ!
今後は怒濤の展開が繰り広げられそうで期待大

200toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/16(金) 21:17:58 ID:AO0nREco
a

201toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/16(金) 21:19:04 ID:AO0nREco
すいません。間違えましたwwww

202■■■■:2009/10/16(金) 21:35:17 ID:0fSai74g
難しくてわかんなかった…

だれかtotoさんの書いてるの要約して

203■■■■:2009/10/16(金) 21:55:26 ID:CBP7C.l6
>>201
乙&和みw

>>202
どんまい


軽くギリギリな小ネタをひとつ

舞台背景
暑い日が続いて、黒子が美琴に媚薬入りのジュースを渡し、そこに旗男狩りから逃げ切った上条さん登場。

「はぁ……はぁ……」
「あら?アンタ、どうしたの」
「息も切れ切れで……全力疾走してきました、って感じですわね」
「そ、その通りなんでせう……。何か飲み物、あれば嬉しいんでせうが……」
「飲み物ねー、あ、あったあった。はい、これ」
「お姉様!? そ、それは」
「あー、サンキュー!…ぷはぁっ…おや?」
「あっちゃー、ですわ……」
「か…体が熱い」
「ねえ黒子」
「な、なんですの?」
「もしかして、私が渡した飲み物って……」
「わ、わたくしがこっそり媚薬を入れたとでも言うんですの!? そんなわけ…ひゃうっ!?」
「!?」
「し、白井…、御坂……。体が熱いんだ!」
「え、あ、ちょ!?」
「わたくしの純潔はお姉様だけのものですわアッー」




/(^o^)\

204youki0211:2009/10/17(土) 00:10:59 ID:hXwLe3Dc
>>198
そういうことだったのですか。
どうもありがとうございます。

205youki0211:2009/10/17(土) 13:16:30 ID:hXwLe3Dc
投下します。

206とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/17(土) 13:17:38 ID:hXwLe3Dc
とある美琴の他寮生活<アウトドア> 第3章-1

結局おんぶして帰った。
彼は相当疲れたようだ。
なんとか青髪ピアスには見つからなかったが、
御坂妹と打ち止め(ラストオーダー)に見つかってしまった。
『あなたはここで一体何をしているのですか、とミサカは目つきを変えて尋ねます』
『ねーねー、何してるのかミサカにも教えてー、ってミサカはミサカは同じように目つきを変えて尋ねてみたり』
その横には、
『なンだ? お、これはおもしれェやつが彼女といるじゃねーか』
こんな反応を見せる一方通行(アクセラレーター)が珍しい。
それに対して上条は、
『べ、別に何でもねーよ。ただ、こいつがおんぶしてくれってうるさいからやったっただけだ』
と言うと後ろから美琴が、
『してくれーじゃなくてしてよぉーだよぉー。間違えないでね、と・う・ま』
と言うので、上条は慌てて、
『と、とにかくこいつを連れて変えらなあかんしな。それに、お前ら、うち来る?』
と適当に言うと、
『今後の様子が気になるので、とミサカは行きたいと別の表現を使って言います』
『ミサカも行くー、ってミサカもミサカも行きたいと言ってみる』
『おれはいいぜェ、お前ンちなど行く気がしねェー』
『えーー、じゃあ、ミサカも行かなーい、ってミサカはミサカは仕方なく断念してみる』
というわけで、来るのは御坂妹だけということになった。
『じゃ、行くか』

ということで、結局3人で寮に到着。
部屋に入った瞬間に御坂妹は言った。
「意外ときれいね、とミサカはびっくりした顔で言ってみる」
これで何回目だろうか、と上条は考える。
それに、時間が時間。
(晩飯つくらな……)
「おーい、ビリビリー?」
「な、なによ」
「晩飯何食べたい?」
「べ、別に何でもいいわよ」
「ふーん」
仕方ない。
「ミサカもなんでもいい、とお姉様(オリジナル)と同じことを言います」
めんどくせー、野菜炒めでも作るか。

結局夕食中は一言も話さなかった。
テレビがついているが、イケメンの一一一(ひとついはじめ)がいるだけだ。

終わると同時に彼女が、
「ねえ、デザートとかないの?」
当然あるわけない。インデックスが全部食ったのだから。
「ねーよ」
「サ−ビス悪っ」
「うっさい。つか太りそうだとか気にしねーのか?」
「そ、それは、く、黒子だけよ」
言いたくない美琴。
御坂妹を送って、どこで寝るか考える上条。
(どうする? 風呂はティシューの無駄遣いだしなー)
「そういえば、お前どこで寝るんだ?布団とかないし」
「ベッド?」
「それは俺だよ」
顔が赤い。
「べ、別にアンタとならいいかも……」
「うぇっ」
(げーまさか御坂さんと一緒なんて上条さんはどうかしてるー、どうしよどうしよ、寮監の番号知らないし)
まず、固定電話がない。ケータイオンリーの上条は番号をメモらない。
五和とかステイルはその場で登録したわけであり、『常盤台に電話することなんかねーよ』という上条さんは本当に何も知らない。
「とりあえず、風呂っていいたいとこなんだが、インデックスが壊しちゃってるから」
「え、そんなの……、うそでしょ」
「銭湯行くか」
警備員(アンチスキル)に見つからないか心配だが、行くしかない。
お湯が出ないのに風呂と言えるかっ。
冬です。学園都市は冬です。雪は降っていないけど冬です。
『樹形図の設計者』(ツリーダイアグラム)は12月の後半から2月の前半までが厳しい寒さになるという結論を出した。
といっても、『樹形図の設計者』(ツリーダイアグラム)はすでになぞの攻撃で撃墜されている。
そのため、学園都市は2号機を打ち上げたというわけだ。
演算処理速度の向上、コアの数を2倍にした2号機は、スーパーコンピュータとの技術の差をさらに開いた。
それで、カエル顔の医者は一方通行(アクセラレーター)のために、『樹形図の設計者』(ツリーダイアグラム)接続用のチョーカー型電極を開発。
これにより、妹達(シスターズ)の負担を軽くし、延命させることができる。
御坂妹は上条と長く一緒にいることができると思っている。
当然、このことは上条は知らない。

銭湯に着いた美琴はあるものをじーーーーーっと見る。
『カップルで入浴したペアにはもれなくゲコ太ストラップをプレゼント。詳しくは受付又は係員まで』
これに気づいた上条。
「え、まさかこれって」
「ゲコ太もらうわよ」
そう言って彼の腕を掴んで受付めがけて走っていった。

207youki0211:2009/10/17(土) 13:18:17 ID:hXwLe3Dc
受付係は、
「混浴になりますが」
上条は、
「う、嘘だろ」
「では、ツーショットの写真でも」
「そっちで」
彼は早速見せる。
「はい、ゲコ太ストラップです。では、ごゆっくり」
渡したすぐ後に
「うわーーーーゲコ太ーーーーー」
「おーい、帰ってこーい」
これで本当にいいのか。
上条は考えた。

208youki0211:2009/10/17(土) 13:18:43 ID:hXwLe3Dc
投下終了です。

209■■■■:2009/10/17(土) 13:47:48 ID:KaV9uuB6
>>208
とりあえず、投下乙。
で、つっこみどころがちらほらと。
・一方通行(アクセラレーター):× 一方通行(アクセラレータ)
 あと、一方通行とか樹形図の設計者とか、禁書独自用語に逐一ふりがな振ってあるけど、
 ここ読んでる人はたいていふりがな打たなくても読んでくれるから「なし」or最初の一回に留めた方が。
・ミサカの口調
 打ち止めが混ざっているようなのが一カ所。(カミジョーさんちについた直後の奴)
・地味な表現の違い
 接続詞が微妙に違っているのか、なんだか妙な印象を受けた文がありました。
灰姫遊戯とか並行世界や風紀に慣れたせいか、地の文がまだ少ない気がしたのはきっと自分だけ。

>>wiki編集人
仕事早いな (アウトドアに限ってだけど。
最新なんて投下直後だしな。

210■■■■:2009/10/17(土) 13:51:46 ID:KaV9uuB6
>>209での書き損ね
でもログ分はきっちり録ってからやろうぜ
「1章が続かないのわかってるのにタイトル『1-1』はどうなの?」と見ていて思ったからさ

211■■■■:2009/10/17(土) 14:26:37 ID:C.h.ZbFY
アレイスターって無論「魔神」だよね?今更だけどさ
どんだけ強いんだろ?登場楽しみー

212■■■■:2009/10/17(土) 16:02:59 ID:FgbLLliQ
youki0211さん
書くの早いしマジ最高gj
最初にある一方通行との会話で「つれて変えらなあかんし」とあるが、「つれて帰らなあかんし」じゃね

213■■■■:2009/10/17(土) 18:38:48 ID:OQGeq3Vg
ヘヴィオブジェクトSSもここでおk?

かまちー著作総合SSスレということでいいかな?

違うSSパロスレだと統一したみたいだからさ

214youki0211:2009/10/17(土) 18:53:31 ID:hXwLe3Dc
>>212
すんません。
見落とすことがよくあるもんで…

215■■■■:2009/10/17(土) 19:08:55 ID:7E.UX92Q
>>213
ここは禁書板、エロパロとは違うんです
あっちではルールとして作家/会社/シリーズ等毎にまとめないといけないらしいけど

216■■■■:2009/10/17(土) 19:13:51 ID:SNYFtwd2
>>213
どうだろ。
あっちは板のルール上、作者で統一しないといけないけど、
こっちは必要であればわけることもできるはず。

217■■■■:2009/10/17(土) 19:21:29 ID:JxK/JBG.
ヘヴィオブジェクトSSはいらない

218■■■■:2009/10/17(土) 20:23:03 ID:OQGeq3Vg
wikiにヘヴィオブジェクトがあるんだから

統一しないってことでFA?

219youki0211:2009/10/17(土) 21:32:17 ID:hXwLe3Dc
頻繁ですいません。
何度もチェックしましたが、変換ミスがあるかもしれません。
データ消えたら思い出せないので投下します。

220とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/17(土) 21:34:11 ID:hXwLe3Dc
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第3章-2

混浴しかないことに後で気づいた上条は悩んでいた。
10分経っても20分経っても美琴が出てこない。
何があったのか?

入浴中、
『ねえ、アンタ』
『なんだよ』
他には誰もいない、二人しかいない風呂。
『アンタはどうなのよ、学校』
『普通だけど』
『ふーん』
『お前こそどうなんだよ』
『別に』
顔を赤くしている。
(やっぱり白井を気にしているのか?)
『私がこうしてここにいるのもあの子が原因なのよね』
『でも、あいつが居なかったらこうして二人で入っていないだろ』
『あの子がいないのもいいかもね』
『そんじゃ俺たち会ってないじゃん』
『それもなんかいやよね。』
『そうだな』
『ここって地下って感じがしないのよね、話変わるけど』
『ああ、地下なのにな』
そう、ここは地下。
第二二学区。
学園都市でもっとも小さい学区で、地下数百メートルまで開発が進んでいる。
その中のとある階層にある銭湯を利用している。
五和とインデックスと3人で来たことを思い出す。
そういえば、あの時もあいついたな。
『前、ここで会ったな』
『あのときね』
『「後方のアックア」の時だっけ』
『知らないわよ、そんなの』
知るわけないか。
『んじゃ、先に出るぞ』
『待って、寂しいから』
一人になることを忘れていた。
『すまん』
『こうしてずっと一緒にいたいものよね』
(さーねって言っておいて自分で言うとは……)
『珍しいな、そんなこと言うとか』
『べ、別にそんなんじゃ。ただ、』
『ただ?』
『アンタと一緒に居たいだけよ』
『そういうもんなんか?』
『そういうもんよ、恋人関係だったら』
(うっ、これがビリビリの本性?)
『んじゃ、出るか』
『そうね』

というわけなのだが、一向に出てこない。
倒れたのかな?と思った瞬間、
「お待たせー」
笑顔で出てくる。
「明日もあるんだから、わかって……」
「わかってるわよ」
本当にー?ときく上条。
本当よっ!と言う美琴。
他人から観れば完全なるカップルである。
でも、そんな関係ではない二人。
上条はコーヒー牛乳を2本買って1本彼女に渡し、
「んじゃ、乾杯ー」
ゴクッ!!と二人は音をたてながら飲んだ。
二人しかいないからできることだ。
店員さんは笑っている。
「じゃ、帰るか」
「そうね」
二人は家に向かって歩き出した。
もらったゲコ太を鞄につけ、仲良く手をつないで。

221youki0211:2009/10/18(日) 10:54:28 ID:bcMd8LIk
投下終了です

222■■■■:2009/10/18(日) 13:02:46 ID:YXNDLipI
GJです。
完結じゃないですよね?

223■■■■:2009/10/18(日) 15:34:05 ID:R1AbHrek
gj
過疎っているよりは頻繁にある方が良い!なんせ人生の中で唯一の生き甲斐ですから!

224youki0211:2009/10/18(日) 18:15:35 ID:bcMd8LIk
>>222
>>223

独り言なのですか?
それとも私に言っているのですか?
そうであれば>>222に対して返事はしますが……

225■■■■:2009/10/18(日) 20:20:25 ID:iounwYNE
半年ROMることをおすすめする

226youki0211:2009/10/18(日) 21:05:28 ID:bcMd8LIk
>>225
え?なんで??

227youki0211:2009/10/18(日) 21:20:46 ID:bcMd8LIk
投下します。

228とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/18(日) 21:24:08 ID:bcMd8LIk
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第3章-3

「寒いわね」
外に出た瞬間、彼女は言った。
第22学区、それは学園都市最小であり、地下区画が最も発達している学区。
学校から店、オフィスまで地下。
地上にもビルなどはあるが、人通りは少ない。
風力発電装置が多い。
そんな学区の地上。
地下は暖房が効いてたが、外は何もない。
彼女は上条に寄ってくる。
仕舞いには彼の腕に抱きついている形になる。
よっぽど寒いみたいだ。
「そうだな」
と彼は返事する。
常盤台の制服はスカートが長くない。
足が冷えるのはよくわかる。
あいにくカイロがない。
「すまんな、俺で」
「いいのよ、ってか何言ってるのよ」
よくわからないことを言った上条。
んー、話題は何がいいか、と考えているときに彼女がいきなり話し出した。
「ねえ、アンタって高校卒業したら何するのよ?」
「考えてねーな。そういうお前はどうするんだ?」
「常盤台って高校があるとは聞いたことがないのよ。アンタ、留年してくれる?」
え?
「できるかわからねえ」
留年どころか、落第しそうだ。
とはいっても上条は高一。
2年留年すれば彼女と同じ学年になる。
というより彼が3年になったら彼女は1年。
ん?と上条はあることに気づく。
「てか、こっちの高校に通うつもりか?」
「常盤台に高校がなかったらね」
まじでー?
ある意味困るが、今の寮で一緒に住んでいたらそうなるかも。
でも、インデックスはどうするのか?
突然携帯が鳴る。
「もしもし」
『とうま?とうまだよね』
「そうだけど」
『すごいね、けーたいって。とうまの声がイギリスでも聞けるんだよ』
「そりゃそうです」
『でね、とうま。私はこれからこっちで住もうと思うの』
「突然」
『スフィンクスは連れてきてるからいいんだけど』
「なんかあるのか?」
『毎年1回とうまに会いに行くね』
「それはいいんだけど、次の寮監はだれになるんだ?」
『んー、じゃあ、かんざきに替わるね』
「はーい」
と、神裂に替わる。
『一応きいてみた』
「で、誰になったんだ?」
『五和ちゃん』
まじでー?(本日2回目)
『明日到着だから、23学区に迎えに行ってあげて。場所はメールするから』
「っちょ、ちょっとま」
ぷーぷーぷーぷー!と無視するかの如く、切断を意味する音が流れる。
「どうしたのよ」
「なんでもない」
明日学校だよな。夕方かも。と思ったらメールが。
『明日の午後5時、第23学区のターミナル内A-01ゲート前』
A-01って、学園都市のVIP専用じゃねーか。
ということは、あの恐怖の超音速旅客機に乗ってくるのか?
「どうしたのよ」
「なんでもない」
このフレーズは……
「じゃあ、いいわよね、ずっといるの」
「まあ、いいんじゃね。あと」
「あと?」
「明日23学区に行くから」
「ついて来いって言いたいの?」
「ああ」
ある意味危険だが、一人で放っておくのも危険だ。
というわけで、美琴に抱きつかれる形になっていた彼は第22学区と第7学区の境に着いた。

229■■■■:2009/10/18(日) 21:34:03 ID:iounwYNE
投下終了ならすぐに書き込んでくださいよ

もう一番初めからこのスレ見直してくれ

230youki0211:2009/10/18(日) 22:30:05 ID:bcMd8LIk
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第3章-4

ここから寮までは近い。
手続きを済ませ、第7学区に入る。
まだ抱きつかれたままだ。
「ねえ、アンタ」
「なんだ?」
「アンタって、銀髪シスターに会うまで寂しくなかったの?」
「そうだな、寂しいって思ったこともある。お前は?」
「私はないわよ」
「そういえば、俺達会ってから半年くらい経ったんじゃね?」
「そうね。時間って早いんだね」
このまま時間が止まってくれれば、と彼女は考える。
「今までいろいろあったもんだよな。恋人の振りをしてほしいとか」
「あ、あれは」
「すんげー楽しかったぜ、あの時」
「そ、そうかな?」
「今だから言えることだけど、あの魔術師倒したときに俺はあいつに頼まれたんだ」
「何って?」
こっちを向いている。
気になるのか?
「あの子を頼む。僕はもうだめだからな。お前のその手であの子を悪人から救ってやるんだぞ。とな」
「え、そうなの?」
「ああ。あいつ、海原光貴になりすましていたわけなんだが、お前のことが好きだったんだと」
「うそ」
「だからこんなことはしたくなかった、と言っていた」
「でも、私にはあんたがいるじゃない」
「ああ、今はな。でも、あの時は見せかけだったじゃねーか」
「知らなかっただけよ」
「だからさ、俺はあの時誓ったんだ。統括理事会が動いても、誰かがお前を狙っていても、殲滅白書(Annihilatus)が攻めてきても、俺はこの手でお前を助けてやる、と」
「私には超電磁砲(レールガン)だって雷撃の槍だってある。でも、何で?」
「お前が傷つく姿をもう見たくないんだ」
そう、あのとき。
とある橋の上で上条を殺しかけた。
けど、何度も立ち上がって私が一方通行(アクセラレーター)のもとへ行こうとするのを阻止した。
何度も、何度も。
雷撃の槍を何度も撃っても。
心臓が止まってるかもしれないと思ったほど撃ってしまったのに。
それでも上条は立ち上がった。
そして一方通行のもとに。
彼女は涙を流す。
上条は止まって、
「もうお前を悲しませたりはしない。だから、俺と、」
涙が止まらない彼女は頭を上げて彼を見る。
「な、に?」
「付き合ってくれ」
そういって彼女を抱きしめた。
何があってもこいつだけは必ず守ると。
絶対離さないように。
絶対。
無能力者(レベル0)が超能力者(レベル5)を守るなどという矛盾をすてて、
彼女を一人の女の子としてみる。
「わかった。私も、あんたとずっと一緒にいたい」
そう、それだけのことだったのよ。
「ずっと、一緒だ」
そう、これだけのことだったんだ。
なにも超能力者(レベル5)としてみなくてもよかったんだ。
いつもこいつが攻撃して俺が打ち消し、エスカレートする毎日。
でも、視点を変えれば俺達って結構上手くやってたんだなと。
寮に着く。
離さないように。
部屋に着くとすぐにベッドに寝かせる。
「ねえ、一緒に寝よ」
といわれる上条。
「そうだな」
仲良く寝る。
明日もあるんだ、早く寝よう。
そう思った彼は再び彼女に抱きつかれながらも、
深い眠りにつくのだった。

231youki0211:2009/10/18(日) 22:31:07 ID:bcMd8LIk
これで終わりなんですけど。

↑ファイルがどっかに行ったので探してました。
(理由にならないけど)

232youki0211:2009/10/18(日) 22:31:47 ID:bcMd8LIk
>>229

気をつけます!!

233■■■■:2009/10/18(日) 22:47:40 ID:YXNDLipI
良かったです!お疲れ様でした
でもなんで殲滅白書が出てきたのだ?ww

234youki0211:2009/10/18(日) 23:58:22 ID:bcMd8LIk
とある魔術の禁書目録ノ全テ

これを見ていたときに偶然目に入ったので。

攻めてくることは無いのですが……

235youki0211:2009/10/19(月) 00:01:22 ID:KCW8NuGM
投下してから次に投下するスピードが速いyouki0211ですが、
またまた投下させていただきます。
今回は(も?)2話連続です。
これのせいで母に怒られています

236とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/19(月) 00:02:02 ID:KCW8NuGM
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第4章-1

朝だ。
こいつはまだ寝てる。
起きたい、けど、抱きついてるから起きたくても起きられない。
「おーい、御坂ー、起きろー」
「ん?んー、んあ?」
まだ寝てるな。
「起きないやつにはお仕置きだな」
と言って彼は逆に抱きしめる。
「う?ん、なあ、う、う、う、うーん、ん? へ? え? あーーー!!」
「やっと起きたな」
「なにするのよ」
「お前がずっと抱きついてるから起きられなかったからさ」
「え、あ、えーっと、あはーーー、あはははは……」
こいつ、本当に昨日のこと覚えてるのか?
「おーい、今日夕方どこ行くんだっけー?」
それに対して彼女は、
「へ? えーーあーー、どこだっけ?」
(思い出せない、どうしよう……確か昨日こいつが告ったような気が、って、あ23学区?)
「第23学区?」
「覚えてたのかー、よかったよかったー」
「よかったじゃないわよ」
「何で?」
「アンタ、きのう私に告ったでしょ」
「それも覚えていたかー」
え? 間違いない? じゃあ、夢の中の世界って、現実?
「ねえ、私って昨日泣いてた?」
「ああ」
「私って昨日抱きついてた?」
「ああ」
「昨日私って一緒にいたいって言った?」
「ああ」
「昨日……」
「何回訊くんだ?」
「そ、それはー、ねえ、あは、あははは……」
「……おかしいぞ」
昨日確かに俺は告ったぞ。
でも、こいつ、なんか変。
「それよりさ、今日学舎の園の入り口で待ってるぞ」
「あ、うん、わかった」
「じゃあ、朝飯作るか」
そういって彼は台所へ行った。

「いっただきまーす」
三食すべて食堂の料理を食べていた彼女は上条の料理を知らない。
前日の夕食は夕食といえないものだった。
野菜炒めの山盛り。
それにご飯とお茶、漬けもんがついただけの超々ヘルシーカミやん特製野菜炒めセットだった。
それに比べ、朝食は、
ご飯、味噌汁、漬けもん、焼いた秋刀魚など、これまたヘルシーな料理。
(これが男料理というものね。私もこいつに負けない料理を作ってみたいものね)
とかんがえる彼女。

というわけで食べ終えた2人。
片づけを終えると2人は準備し、部屋を出る。
「確認するぞー。学舎の園には入られねーから入り口のゲートの前にいる」
「わかったわ」
「んで、出てきたら第23学区まで行くと」
「でも、学校終わるの2時半なんだけど」
「それからはデートでも何でも」
「え?」
「行きたいとこがあるなら行っていーぞ」
「じゃあ、Seventh Mintでもいい?」
「ああ」
「変更があったら電話して来い。メールでもいいぞ」
「わかった。じゃあ、行くわよ」
学校に向かって歩き出す2人。
もうカップルにしか見えない。

237■■■■:2009/10/19(月) 00:02:10 ID:3.I5gFaQ
続きを書けるかは判らない。だが眠らせるのは惜しいと思った。
だから、がんばって書いてみたプロローグっぽいものだけでも投下してみる。自己満足乙って奴かもな。
まぁ、行くぞー。

238■■■■:2009/10/19(月) 00:03:33 ID:3.I5gFaQ
と思ったけど割り込んだっぽいから止める。リロード大事だね・・・

239とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/19(月) 00:03:38 ID:KCW8NuGM
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第4章-1

「じゃあ、また後でな」
「うん、じゃ、あとでね」
そういって彼は学校に入っていく。
「上条ちゃん、あの常盤台の制服を着た人は誰なのですか?先生気になります」
「ああー、あいつは常盤台に頼まれて泊めてるだけだけど」
「実は常盤台から連絡を受けたのがこの私なのですー」
「え?月詠センセ?」
「そうなのですよー、上条ちゃん。でも、可愛かったですよねー」
「そういってくれるとうれしいんじゃないかな、あいつは」
担任が連絡を受けたなんか聞いてねーぞ。
なんとか丸くおさめて教室に入る。
「おっすーカミやん。昨日はなにしとったんやー?」
「なにって、別に」
「ほら、電話したやろー、カミやんでんかってー、何回かかけたんやけどなー、何しとったん?」
携帯の着信記録を確認する。
時間は、21時13分。
ちょうど美琴と帰っている最中。
「それでカミやんの部屋まで見に行ってん、そしたらカミやん、知らん子と2人で歩いてんねん。誰やったん?」
またか。
「ああー、あいつか?」
「誰や誰や?」
そこに顔が2つ加わる。
「誰。あの子? 私。窓から見てた」
「あなたは一体何をしていたのか、健康グッズあげるから吐きなさい」
「姫神と吹寄、なんで」
「「「いいから早く!!」」」
久しぶりに怒鳴られたような気がする。
「あれはな、常盤台に頼まれてうちに泊めとる。前から仲はよかったんやけど」
「「「あ、あのお嬢様学校?」」」
「そうです。文句は?」
「「「うちにつれてきてください、お願いします、上条様!!!」」」
「やーだ」
「最低。夢。壊された」
姫神の髪が浮き、目が赤くなる。
「あなたは私の血を吸って死にたいの?」
「怖ー、やめてください、すみません姫神様!!!!」
2人は気絶。
結局説教させられて廊下で1時間、バケツを持って立たされることになった。
「ま、上条ちゃんだからできることなのですよー」
教室からは恐ろしい言葉が聞こえる。
「もうこれくらいにしてやるのですよ、上条ちゃん」
「よかったー」
「もっとしたいのですか?」
「したくないです! 教室に戻らさせてくださいーー!!」
普通どおりの時間だったみたいだ。
授業が終わると、
「さーて、朝の続きでもするかー」
と上条の席を3人が見た瞬間、
「用事があるんだーーーーーーーーー」
と言って走って出て行った。
(やばい、青髪ピアス追ってこねーか?)
と心配しながらも逃げる上条だった。

240youki0211:2009/10/19(月) 00:05:07 ID:KCW8NuGM
終了です。

241youki0211:2009/10/19(月) 00:06:16 ID:KCW8NuGM
終わりましたよー。
気になるんで、お願いします!!

242■■■■:2009/10/19(月) 00:08:14 ID:372CDGEg
うーん・・・・・・

243youki0211:2009/10/19(月) 00:08:42 ID:KCW8NuGM
どうか……

244youki0211:2009/10/19(月) 00:28:18 ID:KCW8NuGM
もう寝ます

245■■■■:2009/10/19(月) 00:47:25 ID:X03Ordtc
Seventh 「mist」な。
たまに誰が喋ってんのか分からなくなる
でも、良作だと思う

246■■■■:2009/10/19(月) 00:51:29 ID:Lhq/yv9U
>>youki0211氏
無駄なレス消費し過ぎ。ここはチャットではありませんし、
ましてや、あなたの日記帳でもありません。

半年ROMれ=掲示板の様子を見てルールを覚えろ。
…まさか>>225にマジレスするとは思ってなかったよ。ひょっとして釣り?
俺からも送ろう。
 半 年 R O M っ と こ う か

…作品はまあいいのだが、それ以外がなー

247■■■■:2009/10/19(月) 01:20:21 ID:zw1vfy.w
>>youki0211氏
>>246に概ね同意
もう少し常識を学ぶべき

248■■■■:2009/10/19(月) 01:20:47 ID:QtqlS2qA
ちゃんと原作読んでる?
wikiおk?
日記でもチャットでも無いし、正直チラシの裏でやれよ
そんなに反応欲しいなら自分のサイトでやれ

やっぱりリア厨リア工か何かですかァ?
誘い受けは自重汁

もうやだこのスレ
まだ>>300にも行ってないのに早くこのスレ消化したい
俗物失せて><

249■■■■:2009/10/19(月) 01:46:56 ID:3.I5gFaQ
何か空気悪くなっちゃってるなぁ。
…いいや、ここはあえてKYな子になろう。
4レスほど使いますねー。>>237でも書いたけど続きは書けないかも。

250とある少女の幼年時代(プロローグ):2009/10/19(月) 01:48:16 ID:3.I5gFaQ
御坂美琴。
携帯がさっさと出ろとばかりに喚き立て、ディスプレイにはその名前が浮かんでいた。
その名前を見た瞬間、今度はどんな無理難題を吹っかけるつもりだ、と少々身構えたのは事実。
が、それを何だか楽しみにしている自分も確かにいて。
「あいよ、上条さんに何か御用ですかねー、御坂さんー?」
それが少し癪だったので、気のないそぶりでそんな風に応対してみた。
が。
『やっと出やがりましたわね!』
「は? ・・・白井?」
『お姉さまの携帯にどうして貴方の名前があるのかはこの際問いませんわ。とにかく、今すぐうちの寮まで来てくださいまし!』
「・・・はい?」
当麻としても言いたい事聞きたい事は多々あるのだが。
「・・・わかった。お前が何で御坂の携帯持ってるのかはこの際置いておいて。一大事なんだな」
『そうなんですの! お早くお願いしますわ!』
それだけ残して、黒子の声は途切れる。
「・・・ったく、どんな厄介ごとだよ。はー、不幸だ」



常盤台は女子校である。
当然、寮だって男子禁制である。
入った経験があるのが少々おかしい気もするが。
そして今現在も、白井黒子の手引きがあるとはいえ、女子校の寮に忍び込んでいるわけで。
「…見つかったらどうなるんだろうな、俺」
「寮監に殺されますわね」
「…えっと、比喩、だよな」
「………ふ」
「おい、黙らないでくれ。マジで怖いんですけど・・・!?」
そんなやり取りを交わしながら、美琴と黒子の部屋へと入り込んだ。
背格好がばれないように被っていた女物の帽子と、何でもミサの時に着るとか言うローブを外しつつ、当麻は部屋を見回す。
「んで、御坂はどーしたんだよ?」
「それなんですの…」
黒子は沈んだ顔をして、指差した。
左のベッド。確かこっちが美琴のベッドだと聴いた記憶がある。
その真ん中に、不自然に膨らんだ部分。布団の下に何かが入り込んでいるようだ。
が、美琴が寝ているにしてはあからさまに小さい。
「…御坂?」
その声に反応したのだろうか。もぞもぞと布団の下の何かが動いて。
恐る恐る、『それ』は顔を見せた。
「………ら、打ち止め≪ラストオーダー≫?」
「…らす?」
『それ』は首をかしげる。
当麻は改めて『それ』をよく見てみた。
一瞬打ち止めに見間違えたが、それよりももう二つ三つ幼く見える。
美琴の妹事情を知る当麻は、一応、聞いてみた。
「え、えーと…お前、ミサカ何号?」
「……?」
首を傾げられた。
頭を掻いて、最後の問いを発する。
「…お前、名前は?」
「…みことの名まえは、みさかみこと」
当麻は思わず天を仰いだ。
これは相当な厄介ごとだと、この瞬間嫌と言うほど理解したのだ。
「白井ー」
「何ですの?」
何故か黒子はみことから思いっきり距離を取っている。
珍しいことに。
「…お前、何でそんな離れてるんだ?」
「…ふ」
非常に形容しがたい笑みが浮かんだ。
と、みことは黒子の姿を認めた瞬間、慌てて布団に潜り込む。まるで逃げ込むように。

251とある少女の幼年時代(プロローグ2):2009/10/19(月) 01:49:55 ID:3.I5gFaQ
「…お前、何したんだ?」
「お姉さまの」
「…ん?」
「お姉さまの『生』幼少時代が目の前にあって、理性など保てましょうか!? いえそのようなはずありませんわ! むしろ保つような理性など要りません!!」
「いや、それは持っとけよ。人として」
うめく様に注意を一言。当然聞いてない。
「黒子は、黒子は、己の本能の命ずるままに行動したのです…っ。ですが…」
「ですが?」
黒子は突然どんよりとした雲を背負って。
「……泣かれましたの」
「…は?」
「わんわんと。『お母さん助けて』と。『怖い人が来る』と。わんわんと泣き出されて。く、黒子は、黒子は…、ああううううう………」
泣き崩れた。
けど何故だろう。
ちっとも同情心が沸かないのだが。
と。
黒子の割とどうでもいい嗚咽の中に、別の泣き声が混じっているのに気づいた。
「…おかーさん」
布団の中で、くぐもった泣き声が聞こえた。黒子が口にした「お母さん」という単語のせいだろう。
当麻は肩をすくめる。どうにかしなければならない。とはいえ、まずはその糸口を探さなければ。
「白井、何でこうなったんだよ?」
「すんすん…。わたくしも判りませんの。朝起きたときまでは普通でしたわ。ですが、お姉さまが制服の用意を済ませて、わたくしが前日隠してしまった短パンを探しておられる最中に」
「だからお前は何してるんだよ」
溜まらずどうでもいいところに突っ込みを入れてしまったが。
「突然まぶしい光が満ち溢れて…」
スルーされた。
「気がついたときにはお姉さまはそのようなお姿に…」
そこまで聞いて、当麻は改めてみことの潜り込む布団を見た。
「…科学的に考えりゃ、人間がいきなり若返るなんてありえねぇよな」
そう、ありえない。
だから。
「…魔術側、呼びつけるしかねーかなぁ」
絶対ひと悶着あるだろうが。
この際、仕方ないだろう。が、やっぱり一言だけ言わせて欲しい。
これから起こるだろう騒ぎを思って、当麻は小さく呟いた。
「あーもう、不幸だ」

252とある少女の幼年時代(プロローグ3):2009/10/19(月) 01:50:51 ID:3.I5gFaQ



「で、とうまが珍しく私を頼ってくれたと思ったら」
米神を引きつらせながら、十万三千冊の魔道書を記憶する少女、インデックスが笑う。
「いや、えーっと、インデックスさん…?」
「とーま! 短髪の為ってどーいうことさ!! ていうか、何で短髪の部屋にいるの!?」
「おお、落ち着け! これは別に俺の意思で来たと言うわけではなく!」
「上条さん、それはつまり、お姉さまのことはどうでもいいと?」
「それも違う! ああもう何言えばいいんだよもう言うぞこの野郎3、2、1、ふこうだあああああああああ!!」
白いシスターがやってきた直後に発生した大騒ぎに、天岩戸に閉じこもるみことが再びそっと顔を覗かせた。
「む」
当麻の頭にかじりついていたインデックスがそれを見て。
「……」
「……」
口を離した。
「いって〜…。インデックス?」
「とうま。一体何があったの? これって、短髪?」
緊迫した表情で、インデックスはみことを見つめる。
「ああ、どうもそうらしい。何でこうなったのかはわかんねえ。お前なら…」
「そんな! ありえないよ!!」
突然、インデックスが叫ぶ。
「な、何だ、そんな拙いのか?」
「だってとうま! おかしいんだよ! だって」
インデックスはみことを指差して。
「短髪がこんなに可愛いなんて!! 思わずお持ち帰りしたくなっちゃったんだよ!?」
「………」
空気が止まった。
沈黙。
「………こほん」
インデックスは咳払い一つ。
当麻はジト目。
黒子はしきりにうんうんと頷いている。
「ま、まぁおかしいのはホントなんだよ」
「ほんとーだな?」
「うん。何かね、このちっちゃい短髪の周りに妙に変な魔力が集まってる。ううん、それだけじゃないね。何かこの部屋、っていうか、この寮そのもので変な術式が発動した形跡がある」
言いながら、インデックスは部屋の真ん中まで歩く。
その後姿を見ながら、黒子は当麻に囁いた。
「…何を言ってますの? この子」
「あー、一応、こーいう不可解現象の専門家みたいなもんだ。黙って聞いとけ」
茶々入れられると話が進まなくなる。
「…ここで術式が発動したってことは、術の中心になるようなものがありそうなんだけど…。ねぇ、その光ったって時、短髪、何か変なもの持ってなかった?」
「え? えーっと…」
黒子が記憶をたどる。

253とある少女の幼年時代(プロローグ4):2009/10/19(月) 01:51:38 ID:3.I5gFaQ
「あの時のお姉さまは珍しく柄の無いついでに色気も無い真っ白のショーツとブラで…」
「とーま!! 耳ふさぐんだよ!!」
「ぐはぁ!? お、おま、耳に指突き入れるんじゃねぇ・・・!」
唐突に酷い痛みを叩き込まれ、当麻は悶絶しながら辛うじて抗議を残す。
「そういえば、魚のアクセサリーなど持ってらっしゃいましたわ。えらく嬉しそうにしてらっしゃいましたけど」
「……」
何故か身の危険を感じて、当麻は目をそらした。
先日美琴にUFOキャッチャーで勝負を挑まれ、当麻が取った戦利品なのだが。
使う当ても無いから欲しいならやる、と言うと欲しいのか欲しくないのか判らない言葉を並べ立てつつ、雷光もかくやという勢いでぶんどられたりした一品。
「…魚は水、海の象徴。白は雲に近しいし、確か花のヘアピンつけてたよね、あれは大地の象徴になりえる。もしかして、短髪自身が地球の象徴として扱われた…?」
「は?」
「でもそれだけじゃ足りない。位置関係とかよくわかんないし。でもこの建物一帯を覆う魔力…」
変なものとか、象徴とか、位置関係とか。
そんな言葉が関わる事件には、当麻も心当たりがある。
学園都市の外で起こった、世界規模の大魔術。
「なぁ、インデックス、お前、まさか御使堕し≪エンゼルフォール≫みたいなことが起こった、って言ってるのか?」
インデックスは、躊躇いがちに頷いた。
「いや、だってありえないだろ!? あんなのがそう何度もあって溜まるかよ!」
「とうま、エンゼルフォールは確かに特異な結果だけど、別に術式が偶発的に発動すること自体は無い訳じゃないんだよ」
当麻の言葉に、インデックスは真剣に答える。
「神隠し、って知ってるよね。あれも同じ類。何らかの象徴が偶々正しい位置に重なって、唐突に発動してしまう魔術なんだよ」
「ちょ、ちょっと待ってくださいまし。いきなり天使だの神隠しだなんて…。何を言ってるのかわたくしさっぱり」
「んと…」
インデックスはみことを改めて見る。
見つめられたみことは、びっくりして布団で顔を半分隠した。
「…確証は無いんだけど、起こった事象の規模と魔力の残滓と、その中心。そして私の十万三千冊。そこからたぶん、真実に一番近い答えは見えるよ」
そして、再びインデックスは当麻を見上げた。
「短髪が消えて、代わりに小さい短髪が現れた。若返りって可能性もあるけど、それなら私たちのことわからないとおかしい。それに残った魔力の密度も酷い。天体規模の魔力が爆発した直後みたい」
そこまで言って、インデックスは一度言葉を切ると、
「十万三千冊の中にね、こういう偶発術式を研究してるものがあるんだよ。その中の一説に、この状況は酷似してる」
そして、自分にも言い聞かせるように、呟いた。



「起こった事象は…、たぶん、時空移動、だよ」

254■■■■:2009/10/19(月) 01:53:13 ID:3.I5gFaQ
以上、謎吹っかけるだけ吹っかけて投下終了。
とある少女の幼年時代<タイムリープ>、遠日連載開始です。キタイシナイデネ

255■■■■:2009/10/19(月) 01:54:54 ID:QtqlS2qA
ありがとう
このギスギスした空気の中、投下してくれて

久しぶりにまともな禁書目録かと思ったが、そんなことは無かったぜ!

256■■■■:2009/10/19(月) 02:17:34 ID:X03Ordtc
Good JOBです
期待大でございます。

257youki0211:2009/10/19(月) 23:15:25 ID:KCW8NuGM
>>246>>248

大量にレスを消費したことはお詫びする。
ただそれを言うだけならいいが、無駄な言葉が多すぎ。
それにひとつのレスにまとめてくれたら読みやすい。
「大人気ない」「蛇足」という言葉があなたには当てはまる。
良作だと言っているのはいいが、冷静になれ。
一応あれからひとつ作ったので投下します。

258246:2009/10/19(月) 23:15:55 ID:mzaf4AXw
>>254
空気を変えた貴殿に敬意を表する。
うん、期待せざるを得ない終わりかただ

>>248
きっかけになった自分が言うのもなんだけれど。
君のレスも後半は余計だったよーな。

259とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/19(月) 23:16:10 ID:KCW8NuGM
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第4章-1

「じゃあ、また後でな」
「うん、じゃ、あとでね」
そういって彼は学校に入っていく。
「上条ちゃん、あの常盤台の制服を着た人は誰なのですか?先生気になります」
「ああー、あいつは常盤台に頼まれて泊めてるだけだけど」
「実は常盤台から連絡を受けたのがこの私なのですー」
「え?月詠センセ?」
「そうなのですよー、上条ちゃん。でも、可愛かったですよねー」
「そういってくれるとうれしいんじゃないかな、あいつは」
担任が連絡を受けたなんか聞いてねーぞ。
なんとか丸くおさめて教室に入る。
「おっすーカミやん。昨日はなにしとったんやー?」
「なにって、別に」
「ほら、電話したやろー、カミやんでんかってー、何回かかけたんやけどなー、何しとったん?」
携帯の着信記録を確認する。
時間は、21時13分。
ちょうど美琴と帰っている最中。
「それでカミやんの部屋まで見に行ってん、そしたらカミやん、知らん子と2人で歩いてんねん。誰やったん?」
またか。
「ああー、あいつか?」
「誰や誰や?」
そこに顔が2つ加わる。
「誰。あの子? 私。窓から見てた」
「あなたは一体何をしていたのか、健康グッズあげるから吐きなさい」
「姫神と吹寄、なんで」
「「「いいから早く!!」」」
久しぶりに怒鳴られたような気がする。
「あれはな、常盤台に頼まれてうちに泊めとる。前から仲はよかったんやけど」
「「「あ、あのお嬢様学校?」」」
「そうです。文句は?」
「「「うちにつれてきてください、お願いします、上条様!!!」」」
「やーだ」
「最低。夢。壊された」
姫神の髪が浮き、目が赤くなる。
「あなたは私の血を吸って死にたいの?」
「怖ー、やめてください、すみません姫神様!!!!」
2人は気絶。
結局説教させられて廊下で1時間、バケツを持って立たされることになった。
「ま、上条ちゃんだからできることなのですよー」
教室からは恐ろしい言葉が聞こえる。
「もうこれくらいにしてやるのですよ、上条ちゃん」
「よかったー」
「もっとしたいのですか?」
「したくないです! 教室に戻らさせてくださいーー!!」
普通どおりの時間だったみたいだ。
授業が終わると、
「さーて、朝の続きでもするかー」
と上条の席を3人が見た瞬間、
「用事があるんだーーーーーーーーー」
と言って走って出て行った。
(やばい、青髪ピアス追ってこねーか?)
と心配しながらも逃げる上条だった。


投下終了です。

260■■■■:2009/10/19(月) 23:24:10 ID:QtqlS2qA
はいはいすみませんでしたー^^

261■■■■:2009/10/19(月) 23:25:00 ID:pdrW/JxI
なんで急に口調変わったんだか

とある少女の幼年時代<タイムリープ>、これは期待できそうですね!
2年でも3年でも続き待ってますwktk

262■■■■:2009/10/19(月) 23:31:52 ID:QtqlS2qA
>>261
顔真っ赤にしてるから触れてやるなよ


  いいぜ ヘ(^o^)ヘ
        |∧
        /
てめえが
何でも思い通りに
出来るってなら
         /
      (^o^)/
     /( )
    / / >

   (^o^) 三
   (\\ 三
   < \ 三
`\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想をぶち殺す

263youki0211:2009/10/19(月) 23:40:51 ID:KCW8NuGM
それをレスの無駄遣いというんじゃないですか?
何をしようと勝手ですが。

264■■■■:2009/10/19(月) 23:46:46 ID:W0G5jlxc
なぜそこで煽るのかね
ID:KCW8NuGMは自重という言葉をA4ノートにびっしり書いてから
半年ROMってくれ

265■■■■:2009/10/19(月) 23:52:46 ID:pdrW/JxI
じゃあ誰から見ても無駄遣いじゃないといえるかもしれないレスを

アドバイス。
・一人称視点三人称視点入り混じってる
しかも一人称視点でも当麻視点と御琴視点っぽいのが混じってる
・主語抜けが多い
適度に抜くのはいいけど、主語が分からなくなるぐらい抜くのはダメ
・口調間違い
明らかに当麻の発言なのに関西弁、発言者を勘違いしている?
・姫神の能力
姫神が血で殺せるのは吸血鬼だけ
・漢字変換
わざとではないと思うけど、かんがえるとか変換忘れ多い

ついでに同じの2回投下してる

266youki0211:2009/10/19(月) 23:55:00 ID:KCW8NuGM
A4ノートをバカにするな。
勉強に使うもんを粗末にしろと言うのがムカつく。
注文するならお願いしますぐらい言え。
今んとこROMる気は無い。

267■■■■:2009/10/19(月) 23:56:59 ID:EDuSzujA
>>257
>>246~>>248の書き方がどうであれ
注意を受けておきながら偉そうに文句を言う君は何様なのかと問いたい。
キャラの書き分けも出来ないうえに描写も下手な作品が良作だとは思えないし、
そこまで読みたいとは思わない。
1レスのみの投下なんて小ネタでもほとんどないのに
それを複数回に分けて投下しただけで「投下スピードが速い」と自称するとは幸せな頭ですね。
正直テンプレを読まないで作家気取りしてる奴なんて目障りなだけ。
少なくともまとめてから投下しろ。


雰囲気悪くしてスマンかった
俺も半年ROMっとくわ

268■■■■:2009/10/19(月) 23:58:03 ID:QtqlS2qA
なら氏ね
厨学生は勉強に集中しろよ

ネタにマジレスは釣りということで
というわけで釣られてやんよ

269■■■■:2009/10/20(火) 00:00:00 ID:T0ROCFGA
スーパーフルボッコタイムktkr

270246:2009/10/20(火) 00:04:03 ID:GyhdZSp6
>>260,>>262
お前もいちいち煽るなよ

>>263
>>246-248についてはIDをよく見ましょう。
3人につっこまれたことがわかるから。(>>248は煽り過ぎだが)
自身の非を咎めた相手に対して「大人げない」だの「冷静になれ」だの言うのを、
世間では「逆ギレ」と申します。
少しでも改善されれば、と老婆心ながら口を出したのも、完全に無駄だったわけですね

肝心のSSもシチュエーションがいいから期待していたものの、
>>265の言う通り、文章の粗が酷くて、もう読むに堪えません。

>>wiki編集人
仕事の速さが仇となっちゃったな…

271■■■■:2009/10/20(火) 01:37:09 ID:ByxcqaYw
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「首領ホワイトバニーの幻影(仮)」
を2レス分投下します。
前スレに第2話を投下してからこのSS本編の続きを投下するのは2ヶ月ぶりなのでほと
んどのの方がこのSSを知らないと思いますがこの話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設
定が違います。姫神秋沙の口調などに違和感があると思いますがご容赦下さい。
また「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使の
ささやき)」の設定を流用しており、『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御
使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
上記の2作品を読んでおられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思
っていただけると幸いです。

>>wiki編集人
自作SSまとめ@wiki内の「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see
you again? (天使のささやき)」と「ミサカ、巫女と美琴」を編集したのは私です。その際、
文章をかなり手直ししましたがそれも私がやりました。
あとどなたかは判りませんが上記作品の編集中にお手伝い頂きました方にここでお礼をさ
せて頂きます。ありがとうございました。

272■■■■:2009/10/20(火) 01:40:06 ID:ByxcqaYw
(3−1)
季節外れの暑さに見舞われた秋晴れのある日、とある建物のとある一室に2人の美少女と
平凡そうな1人の男子高校生がテーブルを囲んで座っていた。扇風機がウィンウィンと音
を立てながら回っているものの少しも涼しくならないせいか彼らはイライラしている様子
だった。
そしてついに一人の美少女が大声をあげた。

「なんなのよーっ。この扱いの違いは!」
「仕方ありません、とミサカは諦め口調で呟きます」
「全くなんで私達が扇風機しかない相部屋なのよ。納得できないわ」
「何ブツブツ文句言ってやがる。俺の部屋なんてただの倉庫だぞ。窓一つねぇぞ!
 ここが気に入らねぇなら替わってやるよ」
「遠慮する。あーあ、今頃秋沙はクーラー付きの個室でくつろいでいるのよね。きっと」
「「「 はあぁぁっ 」」」

大きなため息をつく上条、御坂美琴、御坂妹であったがその姿は滑稽でしかない。
上条達は今学園都市にある巨大遊園地クラウンパレスに来ている。
とはいえ上条達は客として来ている訳ではなかった。

上条、御坂美琴、御坂妹はそれぞれライオンの王様、キツネの王妃様、ウサギのお姫様の
着ぐるみを着て特設ステージ裏の控え室にいる。
頭部を外しているとはいえ通気性の悪い着ぐるみを着た3人の額には珠の汗が光っている。
とはいえ上条達はアルバイトとして来ている訳でもなかった。

秘密結社キシサクマアがこの遊園地で行うと予告した犯行を阻止するためである。

「総司令(ラストオーダー)も何考えてんのよ。犯行予告があったんならここを休園にす
 りゃ良いだけの話じゃない。何でわざわざ相手に合わせるのかしら?」
「上位個体は『面白ければ良い』としか思っていないのでしょう、とミサカは上位個体に
 は何を言っても無駄でしょうと思いつつお姉様に相槌を打ってみます」

一週間前、画面に大写しされた男は例のごとく高笑いしたあと次の犯行を予告してきた。

「貴様達!ヒヨコ爆弾を処理したからといっていい気になるんじゃない。あんなものは
 小手調べにすぎないのよな。次の標的は学園都市最大の遊園地クラウンパレスなのよ。
 週末そこで行われるキャラクターショーに乱入してショーを見に来た子供達の夢を破壊
 してやるから覚悟しておくが良い。
 貴様達に我々の行動を止めることなぞ出来んぞ!うわっはっはっは─────っ!」
「「「「 はあぁぁぁぁっ 」」」」

例によってあまりのくだらなさにため息しか出ない上条、御坂美琴、姫神秋沙、御坂妹で
あったが総司令(ラストオーダー)だけはなぜかやる気満々だった。

「秘密戦隊『Railar(レイラ)』の諸君!
 我々は秘密結社シキサクマアの野望を打ち砕かなければならない。
 諸君の健闘を祈る、ってミサカはミサカは張り切って皆を激励してみる」
「総司令(ラストオーダー)!そんなことしなくても犯行予告があったんなら、その日は
 そこを休園にすれば良いだけでしょ。何でわざわざ相手に合わせるのよ!?」

「休園なんてしたらショーを観たいっていう子供達の夢を奪うことになるの。そうなった
 らその日を楽しみにしている子供達がどれほどショックを受けるかお姉様は想像できな
 いの?ってミサカはミサカは真剣な目でお姉様に反論してみる」
「うっ、そう言われればそうだけど………判ったわよ。やりゃぁ良いんでしょ!」
「ありがとう。それじゃお姉様達だけ働かせる訳にはいかないから今回のミッションには
 私も参加するのって、ミサカはミサカは総司令自ら現場に出動することで部下思いの一
 面を見せてみたりして」

「ラストオーダー!ホントは自分がショーを観たいだけじゃないの!?」
「えへっ!そうなの。ホントは遊園地のキャラクターショーって一度見てみたかったの
 ってミサカはミサカはキラキラ目を輝かせてつい本音を打ち明けてみる」
「それなら私達を巻き込まないで自分でお金を払って見に行けばいいでしょ!」
「だって、あの人は全然家には帰ってこないし、黄泉川も芳川も忙しいの一点張りで連れ
 て行ってくれないんだもの、ってミサカはミサカは日頃の不満をぶちまけてみる」
「あんたが普段何しているかは知らないけど、それって公私混同って言うのよ」
「それじゃあ、お姉様も納得してくれたということで本ミッションの説明を始めるのって
 ミサカはミサカは強引に話を進めてみる」
「こら!私は納得してないわよ!」

文句を言う御坂美琴を無視して総司令(ラストオーダー)の説明は続き、犯行が予告され
たこの日上条達はつつがなく遊園地クラウンパレスに送り込まれたのだった。

273■■■■:2009/10/20(火) 01:40:45 ID:ByxcqaYw
(3−2)
「いくら任務とはいえこんな着ぐるみ着せられたんじゃテンション下がっちゃうわね」
「学園都市とはいえ着ぐるみにまで先端技術が活用される段階には至っていないのですね
 とミサカは遠回しに暑いと愚痴ってみます」
「秘密結社キシサクマアの犯行を防ぐためだからって何で私達が着ぐるみの中に入らない
 といけないのかしら?」
「不測の事態に備えて出演者の安全を確保するためだそうです、とミサカは上位個体が口
 にした取って付けた理由を反芻してみます」
「じゃあ、観客の安全はどうすんのよ?」
「それは総司令が身体を張って警戒するから大丈夫だそうです、とミサカは上位個体を全
 く信用していない口調で報告します」
「それでラストオーダーは観客席の最前列に座っていたのね」
「違うな!あれはただ単にショーを楽しみたいだけだ。左手にジュースを持って膝の上の
 ポップコーンを右手でバクバク食ってちゃ周囲の警戒なんてできる訳ないだろ!」
「「「 はあぁぁぁぁぁぁっ 」」」

またまた3人からは長いため息が漏れた。

「本当になんで秋沙だけがクーラー付きの個室なのよ。もう!」
「仕方ありません。なんと言っても本日のショーは『超機動少女カナミン=ダイバージェ
 ンス=』ショーなのですから、とミサカは同じ文句を繰り返すお姉様にウンザリしなが
 ら同じ返事を返してみます」
「それは分かってるけど……だからってなんで私達には扇風機一台なのよ!」
「それも仕方がないことです。私達着ぐるみ隊は所詮カナミンショーが始まるまでの前座
 に過ぎませんから、とミサカはお姉様にもういい加減にして下さいって感じで呟きます」

ドンヨリとした空気が満たす上条達の控え室に遊園地のスタッフの声が響いた。

「着ぐるみ隊の皆さん。そろそろ出番で〜す!」
「「「はあぁ──い」」」

やる気の無さを醸し出す気の抜けた返事をした3人は渋々重い腰を上げた。
20分後。

「うだあぁあぁぁーっ!」

ステージ裏に戻ってきた上条は着ぐるみの頭部を外すなり絶叫した。
クラウンパレスのイメージキャラクター達によるショーが終わったステージは次のカナミ
ンショーに備えて舞台転換中であり今はスピーカーから流れる軽快な音楽が特設ステージ
を満たしている。

「なに騒いでんのよ!あんたは。鬱陶しい!」
「暑いんですよ。見て下さい。滝のように流れ落ちるこの汗!季節は秋だって言うのに何
 で今日はこんなに暑いんですか?上条さんへの嫌がらせですか?」
「先日の台風がもたらしたフェーン現象のために本日関東地方では最高気温が30℃を突
 破することが予告されています、とミサカは淡々と報告します」
「言っとくけど、私達だって暑いのよ」

「何言ってんだ!お前達なんかイスに座って手を振っていただけだろ!俺なんて会場中を
 走り回されたんだぞ。なんで王様がバク転までしなきゃなんねぇんだよ!」
「しょうがないでしょ!そう言うキャラ設定なんだから」
「もう上条さんはボロボロです。これがあと2ステージもあるだぞ。
 やってられるかあぁあぁぁぁぁっ!」
「男でしょ!諦めなさい」

廊下で上条達が騒いでいると『姫神秋沙様控え室』と書かれたドアが開き姫神秋沙が顔を
覗かせた。

「お疲れ様。上条君」

「どうして私達には労いの言葉が無いのかしら?」
「そこはかとなく感じる悪意は気のせいでしょうか?とミサカも遠回しにお姉様と同意見
 ですと呟いてみます」

御坂美琴と御坂妹の会話は無視して姫神秋沙は話を続けた。

「暑かったでしょ。上条君。
 どう?次の出番まで私の控え室で涼んでいく?クーラー効いているわよ」
「クッ、クーラー!?俺もそっちに入って良いのか?姫神」
「もちろん。それに冷たい麦茶もある」
「麦茶まであるのか?ごくっ……。姫神様!!この上条はあなた様の下僕です。
 是非とも姫神様のお部屋にぐあげはぁひゃあぁぁぁー!」

「あっ、ゴメン!手が滑ったわ」
「ゴォラーッ!御坂。どう手が滑ったら缶ジュースの中身が着ぐるみの背中に流れ込んで
 くるんだよ!?」
「不幸な偶然が重なっただけよ。アンタにはよくあることでしょ」
「あのなぁ!」
「だから謝ってるでしょ。お詫びに身体を拭いてあげるから私達の控え室にいらっしゃい」
「でも、俺はこれから姫神の……」
「いいから来なさい!!」
「ちょっと待て。イテッ!耳を引っ張るな。わっ!御坂妹まで、きゃあ──────」

あっけにとられた姫神秋沙が我に返ったのは上条の悲鳴を断ち切るように御坂達の控え室
のドアがバタン!と豪快に音を立てて閉じられた後だった。

274■■■■:2009/10/20(火) 01:43:25 ID:ByxcqaYw
以上です。

275■■■■:2009/10/20(火) 02:21:27 ID:UksT6DXc
youki0211さんへ
今までROMってたけど我慢できないほど不愉快。

276■■■■:2009/10/20(火) 11:47:28 ID:u6.HNvh2
人が投稿してる、だからそれを無視して喧嘩するな!
 巫女と美琴に贈るgj
次回の天草式との戦いを待ち望む!

277■■■■:2009/10/20(火) 12:56:20 ID:hDX8leds
youki0211さんへ>
ずっとROMってたがここで一言。
266のレスは酷過ぎでしょ…
最初のころはまだマシな対応してたからスルーしてたけど、これは文句を言うしかない。
だいたい自分に対しての批評を受け止めれない人間がここにレスするのが間違い。
そんなに批評されたくないのなら自分のHPでも作って細々と更新してるほうがいい。
てか今の現状だと完全に迷惑をかけてるだけ。

まぁ俺が言いたいのはレスするんならちゃんと他の人の批評とかを聞くべきかと…
こんな文でスレ汚してごめん。半年ほどROMって来る。


「巫女と美琴に贈る」gj!
ROMってる間期待して待ってるぜ!

278■■■■:2009/10/20(火) 16:12:10 ID:q.nHGUlA
>>277
>>266のレスは>>264のあおりに対する言葉では?
まあここ数日のyouki0211氏のレスも酷いけど、氏を煽ってる連中の下劣さもかなりのものですよ。
あれの中には評価や批判や注意では無く、ただ単に氏の神経を逆なでしようとしている意図を感じるのですが如何ですか?
ここは公共の場ですから、少しは言葉を選ぶのが大人だと思うのですが如何でしょうか?
youki0211氏自身、聞くべき所はちゃんと汲もうと努力していたでしょうに。

>>266
ここからはyouki0211氏に読んで頂きたい。
youki0211氏には初心を思い出していただき、またここの環境に慣れていただき、冷静になって対処していただく事を望みます。
後、出来ればSS投下以外ではコテ使用をやめた方がいいと思います。
過去色々なスレを見てきましたが、SS職人が投下以外でコテを使うと必ず荒しの標的になります。
以下SS職人の心得としては、
① 投下前に予告。初投下のSSの場合は簡単な紹介をここに書くとGOOD。
②SS投下。投下は速やかに。あまり時間を開けると他の方に迷惑がかかります。
あと、1回の投下は最低2−3レスくらいになる様に。あまり短いとSSでは無くネタ扱いされます。
本当はSS投下は全部書き終わってから投下するのがGOOD。
③投下が終わったら速やかに簡潔に終了を告知。
④基本SSに対する評価レスに対してレスは絶対に返さない。これも荒しを呼び寄せる原因になりますし、多くが見苦しい事になるので原則禁止です。
他にも色々あるかもしれませんが基本はこの辺りです。
色々うるさい事を申し上げましたが、良いネタを基にしたSSですからぜひ頑張って完結させてください。
よろしくお願いします。

住人の皆さんにはスレに関係無い部分で長文失礼いたしました。
でわ。

279youki0211:2009/10/20(火) 16:40:02 ID:LobiCXqU
現在作成中のSS(未投下)については、変換間違い、主語抜け、口調、人称などを再構成した上で投下します。
多大なる迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
意味の無い投稿は今後控えてSS投下のみとし、評価に対して返さないことをここに宣言いたします。
繰り返しにはなりますが、お詫び申し上げます。

280■■■■:2009/10/20(火) 16:56:12 ID:58l8jHTw
youki0211
この手の掲示板を利用する以上、マナーを守るのは当たり前
最初の方の無駄レスは、この手の板慣れてなくて変に気を遣いすぎたのだと思っていたので許容範囲だったが
ここまでいくとさすがに酷い

確かに酷い煽りもあったが
まずルールを一読
煽りはスルー
肝心の注意だけ受け入れればどういった振る舞いが求められるのかわかるはず
指摘の通りに態度を改めれば非難を浴びることはない
その上でまだ粘着してくるようなレスは荒らしとみなしスルー

作品に関して
個人的には展開が不自然なのが一番気になった
上琴は好きだけど続きを読む気にはなれんかった
文体や構成に関しては先に述べられた通り
読む側はあくまでいいものを読みたくてアドバイスをするので、
鵜呑みにしろとは言わないが、指摘を意識して自分の作品を読みなおして、少しずつ改善できるといい


結局>>278が真理だと思うので、熟読して次から改めればいいと思う
期待しています


偉そうに長レスしましたがスレ汚しすいません

281youki0211:2009/10/20(火) 17:22:15 ID:LobiCXqU
終わりにしました。
もうこの話を続ける意味がなくなったので。
では、第4章-2、最終章を投下します。

282とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/20(火) 17:22:50 ID:LobiCXqU
とある美琴の他寮生活<アウトドア>第4章-2

学舎の園まで走ってきた上条は息切れしまくりである。
(まだかなー、お、来た来た、ってあれ、なんか多くないか?)
よく見ると常盤台が2人、柵川が2人いる。
(何でだ?)
自動改札のようなゲートを出ると彼女はこちらを見るなり、
「あ、いたいた、待ったー?」
「いや、着いたばっかだけど、その2人は?」
「ああ、こちらが柵川中学1年の初春さんと佐天さん。こっちはわかるよね?」
「ああ、白井さん、だっけ?」
「覚えてくださったのですねー、この黒子、幸せものですの、ってお姉さま、なんでこの人がいるのですの?」
「あー、ちょっとね」
横で、
「この人前見ましたよね、佐天さん」
「あー見た見た。御坂さんと一緒に居た人でしょう。かっこいいとは思ってたのよねー」
「へ、一一一(ひとついはじめ)はどうしたんですか?」
「そっちのほうがいいに決まってんでしょー」
「そうですよね」
あははは、と笑う2人。
美琴を見て変な顔をする白井。
それを見ている上条は、「どうすれば……」と思うことしかできなかった。

16:00

そろそろ行くか、と彼が思ったのは午後4時のことであった。
美琴が言った。
「じゃあ、黒子。わたし用事があるからここで」
と言うのを聞いた黒子は、
「お姉さまがそう言うのでありましたら、仕方ないですわね」
と。ここで上条が言う。
「そこに駅があるだろ。そこで乗るか」
この提案に美琴は、
「そうね。それじゃあ、バイバーイ」
それから、2人は第23学区へ向かった。

五和を迎えに行ってクタクタになった2人はすぐに部屋に入る。
「あー、何もする気がしねーな」
と彼が言うのに対して、
「そうね、このまま寝る?」
風呂が壊れているのは仕方が無い。
でも、このままとは……
「じゃあ、寝るね」
そういってすぐに美琴は寝てしまった。

それから1年数ヶ月

「もう春か」
「早いわね」
2人がいるのは上条の学校。
常盤台に高校があったにもかかわらず、こっちを選んだ美琴。
そして、上条は言う。
「この学校には3年が1年と手をつないで入学式会場に入場するというしきたりがるんだけど」
という上条を見て、赤く、ならない美琴は
「そうなんだ。じゃあ」
と言って2人は入学式会場に向かった。
彼は悩んでいた。
彼の両親である上条刀夜と上条詩菜、それに美琴の母親である御坂美鈴がいるためだ。

写真撮影の時間。
するとすぐに刀夜が走ってきた。
「当麻、メキシコの土産はいるか?」
「とうさん!何でそんなものがあるんだよ!!」
とそこに2人が加わる。
「あらあら、当麻さん的にはその人と一緒にいるのがいいのね」
母さん(詩菜)かよ。
「あんたは美琴ちゃんが好きなのかい?」
美鈴かよ。
結局仲良く写真とって終わり。
それだけだった。

283とある美琴の他寮生活<アウトドア>:2009/10/20(火) 17:23:24 ID:LobiCXqU
とある美琴の他寮生活<アウトドア>最終章

その日、上条当麻と御坂美琴は死んだ。
これまた仲良く手をつないで帰っているときに。
上条勢力をつぶすために出てきた猟犬部隊(ハウンドドッグ)により、暗殺された。
天草式、旧アニューゼ部隊、必要悪の教会(ネセサリウス)、神の右席などと猟犬部隊が戦争を起こした。
まさに、科学と魔術が引き起こす第3次世界大戦。
これにより、ヴェネツィアなどの主要都市が破壊され、
学園都市第1学区が丸々消滅した。
結果、上条勢力の中心人物、上条当麻と御坂美琴がアレイスター=クロウリーの手で暗殺された。
そして、
妹達(シスターズ)全体の処分、および学園都市をイギリス清教必要悪の教会(ネセサリウス)の支配下に置くことで和解、終焉を迎えた。

284youki0211:2009/10/20(火) 17:24:21 ID:LobiCXqU
これにて、私の当掲示板の利用を終了させていただきます。

285■■■■:2009/10/20(火) 19:09:55 ID:t1gnrR4E
適当だと思ったのは俺だけだろうか

286■■■■:2009/10/20(火) 19:30:54 ID:IeNL61IU
>>youki0211氏

「俺達がクズだってことが、このガキが抱えてるモンを踏みにじっても良い理由になるはずがねェだろうが」

あなたも禁書が好きでここに来たなら、この言葉の意味がわかるはずです。

287■■■■:2009/10/20(火) 19:45:10 ID:T0ROCFGA
禁書厨に見せかけた禁書アンチですね

288sage:2009/10/20(火) 20:41:50 ID:EJfoo4qk
おいwww
先週の日曜に某オフ会でtoto氏に会ったのだが、有名な某進学校の中2だったぞww
彼女が俺と同い年のコーコーセーなんて羨ましすぐる!っていうか超リア充だしw
中二なのに厨じゃないし…集まったメンバーで一番年下なのに、いつの間にか話題の中心になってたし…
俺もROM専門だが、youki0211氏に言いたい。
toto氏を見習え。
俺は彼の3つ上だが、マジで人間的に負けた気がした。
・・・すまん。書き込みが初めてなのでsageが分からん。許してくれ。

289小ネタなんで保管しないで下さい:2009/10/20(火) 20:55:45 ID:t1gnrR4E
とりあえず、sageます

ここは学園都市のとある大通り。
ツンツン頭の少年上条当麻は居候の銀髪シスターのありえない食欲に悩みながら歩いていた。
そこへ

「あ、いたいた。ねえちょっと」

(あの食欲は最早とどまることを知らないのか?)

「ねえ、あんたちょっと待ちなさいよ!」

(よし!今度からあいつの主食を素麺にしてやろう!)

「ねえってば!」

(いや、そんな事をしたらあのギラリと光る悪魔の歯が襲い掛かってくる!
くそ!おれはインデックスに従うしかないのか!不幸だ〜)

「いい加減・・・人の話を聞けーーーーーー!!」
ビリビリ、バッチーン!
しかし、そこへ!
電撃の槍が上条へ向かう!

バサァ!バタバタバタ!

謎のバットマンが上条を連れ去った!

「一体何なの!?」
そう叫ぶ美琴の前に手紙が舞い降りる。
〈上条当麻は預かった助けたければ呪いの館まで来い。〉
今ここに上条当麻救出大作戦が始まろうとしていた!


一方そのころ、呪いの館では「不幸だーーーーーー!」という声がこだましていた・・・

290小ネタなんで保管しないで下さい:2009/10/20(火) 20:56:47 ID:t1gnrR4E
以上です。アドバイスなどがあれば教えて下さい。

291■■■■:2009/10/20(火) 20:59:29 ID:u6.HNvh2
すまん「御坂達の処分」ってどういう事?彼女らを実験動物みたいに殺したの?

292■■■■:2009/10/20(火) 21:13:02 ID:T0ROCFGA
>>288
許さ゛ん

チラ裏(゚⊿゚)イラネ

>>290
下がってないよん
過去のレス見なさい

「不幸だ〜〜〜」
論外

「聞けえーーー!」より

「聞けえぇええぇえぇぇ!!」
がいいと思う

効果音もちょっと気になったかな

>>291
居づらくなったから適当に終わらせただけでしょ
☆が上条さんを殺すのは計画に支障をきたすはずだし

293小ネタなんでで保管しないで下さい:2009/10/20(火) 21:13:15 ID:t1gnrR4E
しかし、そこへ!と電撃の槍が上条へ向かうが逆だったスマソ

294■■■■:2009/10/20(火) 21:31:24 ID:gKZBlj3c
>>293
志村ー、メール欄に半角sage、メール欄に半角でsage!

謎のバットマンって
「バットマン」が既に答えじゃないかwwww

>>288
toto氏の素性は完全に蛇足な。
あと、sageのやり方は↑の通りだ。

295toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/20(火) 21:56:59 ID:KbIiJUaY

>>288
もしかしてBさんですか?Tさんからメールがあって、ちょっと見てみたんですが…
私のことを高く評価してくれていることは非常に嬉しいのですが、マジレスは勘弁してください。
私のメアドは知ってますよね?連絡お願いします。

あと、管理人さんへ。
勝手に第八章に書き込んですいません。
いつも章のタイトルを時間に変更してもらって、ありがとうございます。
今から改訂した文章をまとめに書き込みたいのでよろしいでしょうか?
それと、『並行世界』の続きを書いているのですが、全体的に3分の2程が終了した段階です。
一日目から数えると、本文がすでに13万字を超えていて…ラノベ一冊を超えちゃいましたww
『とある少女の騒動日記』も書いていますが、短編なので、近いうちにまとめて投下しようと思います。
『とある常盤台嬢の恋愛競争』は、軽く見積もっても、『並行世界』の一日目に相当する文章なので、打ち切りにします。
長々と書きこんですいません。
それでは。

296小ネタ・・・がわたあめに変わりました:2009/10/20(火) 21:59:50 ID:t1gnrR4E
ほんとだ!?以後気をつけます。あとアドバイス有り難うございます。

297シルラ:2009/10/20(火) 22:18:21 ID:vpSdTlDo
toto氏へ
できれば『とある常盤台嬢の恋愛競争』も投下して下さい

298■■■■:2009/10/20(火) 22:50:23 ID:e8s0va86
無意味なコテに無意味なage……

どうしてこうなった(AA略

299■■■■:2009/10/20(火) 22:53:40 ID:T0ROCFGA
次で>>300
以下通常運営で

300249:2009/10/20(火) 23:31:02 ID:IeNL61IU
進展報告に便乗。2年でも3年でも待つほど価値があるとは思えんのだけど…。
「とある少女の幼年時代<タイムリープ>」、がんばって続き書いてます。
どうしても無理と思うとこまでは続けてみるので、恥知らずに投下しに来たときは生暖かい目で歓迎してくだされ。

301■■■■:2009/10/21(水) 00:06:37 ID:./H8OyUs
最後まで心をかけて、丁寧に書いてくれるなら4年待つ!
 その代わり作品を捨てるなよ!期待しています。

302365-shoppingの祝福:2009/10/21(水) 12:42:15 ID:Kob9Vcvs
365-shoppingの祝福

毎日楽しいです

がんばれ !

HP:htt p://www.365-shopping.com

303わたあめ:2009/10/21(水) 18:23:18 ID:dfoIfSr.
皆さん頑張って続きを書いてください!
私は今アイディアを必死に考えてます!

304■■■■:2009/10/21(水) 19:20:15 ID:9o45xPHY
超電磁砲OPfullネ申ktkr

305■■■■:2009/10/21(水) 22:05:21 ID:6rUXk.zs
コテうざい

306■■■■:2009/10/22(木) 00:01:31 ID:yiP8hNBQ
>>303
うん、わかったから、次は作品できた時にその名前で書き込もうか
そして、ちゃんとsageような
ぶっちゃけてしまえば、連載作家でもない限り、生存報告も要らないんだ

>>295 toto氏
自分、管理人ではないがむしろGJ

これも要らないかもしれないがwiki編集報告
・『癒之御使(エンゼルフェザー)』シリーズ第1作に解説まがいを追加
・並行世界2日目10章までのサブタイトル更新
 これまでのログ分に合わせ2-18まで未編集ページへのリンクを作成
>>300までのログを取得

なんか繋がりが悪いのでログ保存は一部途中。

307■■■■:2009/10/22(木) 06:58:14 ID:l5IqfMww
>>303
だったら、ぜひ当麻×黒子を

308■■■■:2009/10/22(木) 08:49:16 ID:Op4dycGQ
>>284
応援してたんですが立ち直れなかったみたいですね。
もうここは見ていないと思いますが、いつかまたSSが書きたくなったら頑張って書いてみて下さいね。
ちなみにこれだけは言っておきますが、必ずしもちやほやされるばかりじゃないと言う事は今回の件も含めて忘れないで下さい。


>>289

>「いい加減・・・人の話を聞けーーーーーー!!」
ここから下を添削してみましたよ。

「いい加減……、人の話を聞けぇぇぇぇええええええええええ!!」
 美琴は怒りの言葉と共に10億ボルトの雷撃を上条めがけて撃ち込んだ。
 しかし、
「うっ、おわああああああああああああああああああ!?」
 美琴が雷撃を放つより一瞬早く、黒い影が上条をさらってゆく。
 上条の叫び声と共に飛び去る姿はまるで――、
「へ? バ……、バットマン……?」
 事態の展開が読めずに呆ける美琴。
 その目の前に一枚の紙切れが舞い降りて来た。
「な、何よ?」
 その紙切れを拾い上げてそこに書いてある文字を読んだ美琴は再び驚愕する。
『上条当麻は預かった助けたければ呪いの館まで来い。』
 今ここに上条当麻救出大作戦が始まろうとしていた。
「(な、何だってんだこのこうもり野郎!! おお、俺なんか食っても旨くないですよぉ ……って、どぉしていつもいつも俺ばっかりがこんな……。もぉ、不幸だあああああああああああああああ――――)」
 謎のバットマンが飛び去った方角からは上条のいつもの叫びがこだまする。
 呆然と立ち尽くす美琴には、その叫びが自分に向けて助けを求めているかのように頭の中に響いていた。

ごめんなさい。地の文ほとんど無くなっちゃいました。
効果音は止めた方が良いでしょうね。
後は言葉で状況と、心の動きをうまく表現するといいでしょうね。(自分もそれが課題ですが……)
あと、言葉を伸ばす時ですが、「誤>人の話を聞けーーーーーー!!」「正>人の話を聞け――――――!!」のようです。
「聞けぇぇぇぇええええええええええ!!」と「聞け――――――!!」は状況によって使い分けてみましょう。
全ては数をこなす事、他の人のSS、小説、ラノベを読んで勉強してみて下さい。
以上、偉そうなことを申し上げました。ごめんなさい。


>>301-302
何とも職人に優しいスレですね。

309小ネタ:2009/10/22(木) 23:42:04 ID:TWKiaa3E
あれから二年たった。
それぞれが元の日常に帰り、または新たな日常に踏み出し。
そして今。
あの戦いの中で絶対への進化を遂げた3人が、ある一室で真剣な顔で睨み合っている。
一人はかつて無能力者と呼ばれた少年。
一人はかつて真の名を忘れ去っていた最強。
一人は変わらぬ努力を続けてここまでたどり着いた少女。

絶対を冠する能力者達は、今、新たな戦場で互いにその手を振るい合っていた。

白い能力者が、米神を引きつらせながら右手を突き出す。
対する、それより若干年下に見える少女も米神を引きつらせながら、彼の右手に握られる3枚から、一枚を選ぶ。
引いたそれを確認して、舌打ち。本来なら青白い電光も走るのだが、何故かそれは発生しない。
最後に、残った黒髪のつんつん頭が、やけくそな笑みを浮かべながら、少女が念入りに混ぜた三枚から一枚抜き取った。
「はっは」
笑いながら少女と同様に念入りにシャッフルする黒髪の少年を睨み付け、白い能力者はもう我慢ならんとばかりに、

「おいこらてめェ!! いい加減この広域幻想殺し解きやがれ!!」
「いい加減泥沼なのよ!! ジョーカー巡り巡ってるのこれで何週目か判る!? 20回超えてるわよ20階!!」
「うっせえよ! そもそも美琴がこの勝負に常盤台給食セット(定価4万円)賭けるから、こちとら財布の厳しい身としては形振り構ってらんねーっつの!!」
「だったら俺ァ関係ねェだろーが!!」
「てめーだって勝ったら勝ったで喜々として奢らせるだろーがしかも二人分!! たまには上条さんの不幸を体感してみろってんだ!!」

レベル6に認定された3人の少年少女は、記憶術の授業中はやることが無いため、ババ抜きに興じていた。
逆に言えば、ババ抜きで能力の無駄遣いができるくらい、平和だった。



こんな風景が見れる最終巻だといいな、とちょっと思った。それだけ。

310■■■■:2009/10/22(木) 23:49:44 ID:ftZd.hZo
アクセロリータがいるなら
打ち止めもその中に入っててほしいぜ

311ユミシロ:2009/10/22(木) 23:59:31 ID:a32m8a9c
小ネタ・嘘予告。

『とある少女の髭紳士蛙(ゲコ太)』
 ある日突然、ゲコ太(人形サイズ)になってしまった上条当麻。
 たまたま通りかかった御坂美琴に「助けて欲しい」と頼む。
「ゲコ太が喋った……?い、生きてる?本物!?」
 上条・ゲコ太を実験動物か何かと勘違いした美琴は常盤台の女子寮(美琴の部屋)に
連れて行って(お持ち帰り)しまう……!
 さらに正体が上条当麻であることを説明する間もなく、白井黒子が帰宅する。
正体を明かしても、元の姿に戻れても生きて帰れなくなってしまった上条当麻。
鼻歌交じりの美琴と二人で入浴、燃え上がる白井の嫉妬の炎、寮を巡回する最強の寮監―――
「常盤台の女子寮は地獄だ……」
上条・ゲコ太の飲む、美琴の缶ジュースは苦い。


勢いで書いてしまいました……。
でも、探せばこんな感じのSSも……あるんでしょうかね?

312ぬるぽ ◆NURUPO/D0I:2009/10/23(金) 00:07:46 ID:ZEXt83rc
久々に来てるね、小ネタラッシュ

>>309
和みそうやな

>>311
是非とも書いて下さい


これから小ネタ、行きます

『守る者と護る者(上条×黒子)』

313『守る者と護る者(上条×黒子)』-その1:2009/10/23(金) 00:08:51 ID:ZEXt83rc
「あぁ、もう!不幸だぁああああああああーっ!」

学園都市の路地裏に、少年の叫び声が木霊する。

少年の名は上条当麻。
毎日が不幸のバーゲンセールだ。本日も例に漏れず、先程、地面に転がっていた空き缶を蹴り上げてしまい、たまたま怖いお兄さん達の頭に命中してしまったのである。

「待てやクソガキィィ!」
「あの学生…足速すぎだろぉぉぉ!」

後方では、絶え間なく一人また一人と脱落者が増える。それでも追跡するのが数名いる。

「早く諦めてくれ……うわっ!?」

建物と建物の間の、人が二人入れるか入れないかの、細い隙間に、突然上条は引っ張られた。

「誰もごうあ」
「……静かに、ですの」

口元を押さえられ、耳元に囁かれた。どうやら敵では無さそうだ。

「チッ…どこ行きやがった!」
「次に見かけたらぶっ飛ばしてやるぜ!」

上条がいる隙間を、不良達は通り過ぎ、胸をなで下ろす。

「いやー、助かりました……って、白井か」
「…白井か、ってなんですの。まぁ、どう致しまして」

目の前にいるのは、常盤台中学の制服にツインテールの少女、白井黒子。
腕には『風紀委員』の腕章を装着している。

314『守る者と護る者(上条×黒子)』-その1(2):2009/10/23(金) 00:09:21 ID:ZEXt83rc
「通報を受けて来てみたら……、本当に貴方は走るのが好きなんですね」
「…うっ……」

はぁ、と溜め息を吐き、呆れたように黒子は続ける。

「ここ一週間ほぼ毎日全て、貴方が不良達に追いかけ回されているのは偶然ですの?それとも狙ってやってるんですの?」
「前者です!…後者は一体どんなマゾだよ!」

どうやら自分と白井は縁があるようだ。助けにくる風紀委員が、いつも白井なのだ。腐れ縁、とでも言うのか。

「貴方、わたくしと共に行動すれば安全になると思いますけど?」

冗談のつもりで言ったのだが、返事がない。
不思議に思って、上条を見てみると、驚きの表情をしていた。

「名案じゃねーか白井!」
「納得するなーっ!ですわ!」
「ぐぇあ!」

渾身の右ストレートが上条の頬に突き刺さった。

315『守る者と護る者(上条×黒子)』-その2(1):2009/10/23(金) 00:09:45 ID:ZEXt83rc
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結局、自分達は一緒に行動することになった。

「痛てて……」
「…少し、やりすぎました……。ごめんなさいですわ」

感情の高ぶり(と、その他お姉様関係のこと)で、結構強めに決めてしまった。

「いいって。俺の方こそ、面倒事増やしてすまない」
「えぇ…でも、一般人を守るのが仕事ですもの」

頬をさすりながら謝る上条を、手で止めさせる。

「守る、か……」

どこか遠くを見詰める上条。そんな上条を、黒子は眺めていた。

(…こうして見てみると、この方も苦労なさっているのですわね)

傷付いた拳が、教えてくれるような気がした。

「見つけたぜぇ?あんちゃん」
「たーっぷりとお礼しねぇとなぁ」

背後から、さっきの集団がじわじわと距離を詰めてくる。

「くそっ…見つかっちまったか」
上条が身構える。
だが、それより先に、黒子の凛々しい声が飛んだ。

「『風紀委員』ですの!」
「白井…!」
「言ったでしょう? 一般人を守るのがわたくし達、風紀委員だと」

真っ直ぐの眼差しで、上条に告げる。

「こんなガキ共、まとめてやっちまおうぜ!」
「うらああああ!」
「喰らいなあ!」

怒り心頭の不良達が、上条達目掛けて襲い掛かる。

316『守る者と護る者(上条×黒子)』-その2(2):2009/10/23(金) 00:10:05 ID:ZEXt83rc
「白井、背中は任せた」
「此方こそ、頼りにしてますわよ」

迎撃態勢の二人は、互いの死角をカバーしつつ、片っ端から無力化していく。

「…たあっ!」
「ぐぅ!?」
「二つ!」
「三つですわ!」
「なんだこいつら!?」
「強い!?」

一人、また一人と倒していく。

「…!」
「うおらあ!」
「ちぃ…っ!」

上条の頬を掠める拳。
すれ違い様に鳩尾に右フックをかまし、返す刀でもう一人も沈める。

「弱い狗程…よく鳴きますわ!」
「んだと!?」
「こちらですわ!」

わざと挑発的な態度を取り、敵の突進を誘う。
見事に引っかかった馬鹿の背後に空間移動し、両脚蹴りを放つ。

「ざっけんなよぉ!」
「白井!!」
「っ!?」

倒れ込む際に、悪あがきで能力を使う名も無き不良。至近距離では避けられない。直撃コース。

「やるかよ…っ!」
「ひゃっ!?」

黒子を引っ張り、抱きかかえるようにして、空いた片手で追い討ちをかける。

「むぐぉ…」

完全に沈黙する不良達。
なんとか勝ったようだ。

「はぁ……疲れた」
「あ、あの…」
「ん?」
「ありがとう、…ですわ」

上条のとっさの判断により、直撃は免れた。因みに、未だ黒子は上条の腕の中であったりする。

317『守る者と護る者(上条×黒子)』-その2(3):2009/10/23(金) 00:10:30 ID:ZEXt83rc
「お、おう…」
「…い、いつまでこうしているんです…?」
「へ…?」

いつまで…?、と質問の意図を検索し、今の自分達の状況を上条は判断した。

「ごっ…ごめん!」
「い、いえ」
「なんならまた殴っても構わないぞ?」
「そんなことしませんわ!」

慌てて、黒子は拒否した。

一息吐き、警備員に連絡する。
「これでわたくしの仕事は終わりですわ」
「お疲れ様」
「ふふ、ありがとうございますわ。…これからどうなさるんですの?」
「そうだな…」

何しようか、上条は大して用事が無い事に気づくと、急に黒子の方を向いた。

「…?」
「白井、これから暇か?」
「え?」

目の前の少年は何を言っているのだろう。
さっきの今で、不意に顔が熱くなる。

「暇なら、ちょっとゲーセンにでも行かないか、と思ったんだが……用事があるなら構わないぞ?」

ああ、そう言えばこういう性格だったか。
わたくしのときめきを返せ、と、また右ストレートを決めそうになったが、それではこの少年が理不尽なことに気付いたので止めておく。

「ええ、行きましょう。上条さん」

たまには、いいかもしれない。黒子は上条の腕を引き、二人は学園都市の人混みに紛れていった。

318ぬるぽ ◆NURUPO/D0I:2009/10/23(金) 00:10:52 ID:ZEXt83rc
以上です

319■■■■:2009/10/23(金) 00:23:44 ID:sHom3xFg
小ネタラッシュGJです
やっぱり上x黒もいいなー

320■■■■:2009/10/23(金) 11:03:01 ID:YmnrrFOs
では、ちょいとつついてみるといたしましょうか。

>>309
>米神を引きつらせ
人間の頭にあるのは「こめかみ」(漢字では「顳顬(需頁)」「蟀谷」と書くようです)。
「米神」は小田原にある地名だそうですよ。

>>318 ぬるぽ氏
>「前者です!…後者は一体どんなマゾだよ!」

>どうやら自分と白井は縁があるようだ。助けにくる風紀委員が、いつも白井なのだ。腐れ縁、とでも言うのか。

>「貴方、わたくしと共に行動すれば安全になると思いますけど?」

>冗談のつもりで言ったのだが、返事がない。
>不思議に思って、上条を見てみると、驚きの表情をしていた。
視点が上条・黒子・第三者カメラの間をゴロゴロと移動しているようです。
状況はちゃんとわかりますが……。

321320:2009/10/23(金) 17:13:59 ID:OLsjPrWA
>>320
戻ってきて重要な書き忘れに気付いた。

皆様、投稿ラッシュGJです

322■■■■:2009/10/23(金) 18:16:18 ID:tdhsykx6
活気があるっていいよね

323■■■■:2009/10/23(金) 19:20:04 ID:ZEXt83rc
>>310
最後、見たことあるフレーズだと思ったら最低野郎ね

324■■■■:2009/10/23(金) 21:53:07 ID:Rw.QFFFM
>>322
とりあえずsage

325toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/23(金) 22:23:35 ID:KGZUjb2I
『並行世界(リアルワールド)』の続きを投下します。

326『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/23(金) 22:24:36 ID:KGZUjb2I
(二日目)14時47分


『天使』は三メートルを超える槍を軽々と振るい、シルビアに猛然と襲いかかる。
彼女は、二刀の剣を眼前で交差し、『天使』の槍の強烈な突きを防いだ。
にやりとシルビアは笑うと、『聖痕(スティグマ)』を発動させ、純白の槍をへし折った。
“Un arbre grandit――”
(樹木に命を宿せ――)
刀身に刻まれた呪文が光りだす。メキメキィ!と太い樹木がアスファルトを突き破って『天使』の体に絡みついた。
だが、それもほんの一瞬。
ジュワッ!と、水が短時間で沸騰したような音が鳴り、『天使』の翼が樹木をドロドロに溶解した。
「っらあッ!」
その隙を、聖人は見逃さなかった。
甲冑を身につけていない首筋に剣を立てる。
『天使』は俊敏に反応し、鋭く伸びる剣先は『天使』の紫色の髪と頬を掠めて、空を貫いた。
身を引いた同時に、
ドドドドンッ!
『天使』の翼から、シルビアに向けて大量の羽が発射される。
樹木を容易に溶解させる『天使』の羽。
瞬く間に、彼女の体が白い羽に包み込まれ――


“Je l'annule!”
(解き放て!)


バァン!という爆発音に、『天使』は身を震わせた。
聖人の身を包む聖鎧が解除され、白い羽は凄い勢いで吹き飛ばされた。まるで四方に飛び散る散弾銃のブレッドのように、鎧のパーツはアスファルトの地面や壁に激突する。そして、シルビアの紫色の騎士服が露わになった。
彼女は袖で額の汗を拭うと、右手に持っていた剣をアスファルトに突き刺した。胸ポケットから赤い糸を取り出し、ブロンドの長い髪を結え始める。
ポニーテールのように髪を束ね、軽く頭を回すと、再び剣を取った。
その間、『天使』は折れた槍を再生し、身構える。
『天使』は理解していた。彼女が剣を手放していても、剣に刻まれている術式が自動的に発動し、同じ罠にかかってしまうことを。
シルビアは肩を回しながら、首をコキコキと鳴らす。
「ふぅー…騎士の聖鎧は重くて性に合わないわねぇ…やっぱりこっちの方が身軽でいいわ」
『天使』は唱える。
“La llama de la purga pasa por usted――”
(清らかなる炎は、全てを浄化する――)
詠唱とともに、槍の先から火の魔術が展開され、紅蓮の炎が『天使』の身を包みこんでいく。
先ほど、五和が発動させた魔術とは比較にならないほど強大な威力を持っていた。
「…天使のくせに、人の使う魔術が使えるなんて」
「そんなに驚くことかい?」
神父の黒服に身を包んだステイル=マグヌスは、背に赤々と燃える『魔女狩りの王(インノケンティウス)』を従えたまま、
「あのツンツン頭の男に関わってからというもの、語るにも語り尽くせない程散々な目にあってね。僕は、何が起きても大抵のことには驚かないようになってしまったよ」
ステイルが右腕を上げると同時に、『魔女狩りの王(インノケンティウス)』の掌に、大きな火球が生み出された。
そして、『天使』の方角に投げ飛ばされ、直撃する。
シルビアと並び立ち、
「『あの術式』を完成させるまで、まだまだ僕たちは時間を稼がなきゃならない。神裂のように、先に倒れてくれるなよ?聖人」
「それはこっちのセリフだ。ヒヨッコが」
視線を合わせず、軽口をたたき合った二人は即座に『天使』へと足を飛ばした。

327『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/23(金) 22:26:42 ID:KGZUjb2I
同時刻。
第一二学区。
『魔神』と六人の魔術師たちが、激戦を繰り広げる戦場から一〇キロほど離れた教会では、違う意味での戦争が展開されていた。
「もがっー!インデックスさんのカレーはまじ最高です!」
「…貴方の食欲の業について、もう注意する気も失せました。アンジェレネ」
「まろやかだが、後味を残さないさっぱりした味わい。そして、口に残るピリ辛のテイスト…心に残るカレーの風味…まさしく『芸術(アート)』だっ!」
教会の大食堂では、二〇〇名を越えるシスターが、インデックス手製のカレーで賑わっていた。
扉を開けた途端、室内に漂うカレーの匂いと、ガヤガヤと騒ぐシスターたちの光景に二人は言葉を失った。
『一方通行(アクセラレータ)』こと御堂シンラは、
「なンだ、この連中は…」
隣にいたアニェーゼ=サンクティスは頭をかかえていた。頭をおさえながら、
「…見苦しいところをお見せてしまって、申し訳ありません」
シンラは、隣にいる赤毛の少女、アニェーゼがこのシスター軍団のリーダーであることは先ほど耳にしていた。この光景は彼女にとっても予想外だったのだろう。あからさまに落ち込む彼女を見たシンラは、
「…心中察するぜ」
と、小さく呟いた。
がつがつをカレーを口に入れる彼女たちは、『一方通行(アクセラレータ)』の肉体を再生するために、気を失うほどの魔力を提供した。その後に、栄養源である食物を摂取することは当然の行動である。
アニェーゼは、空席は無いかとキョロキョロと見回していたところ、

「あー!もしかして君、『一方通行(アクセラレータ)』くん?」

一人の女性が大きな声を上げた。
その声で、カレーを一心不乱に食べていたシスターたちは一斉に『一方通行(アクセラレータ)』の方へ目を向けた。
突然の事に、シンラは息を詰まらせる。
反応が出遅れた『一方通行(アクセラレータ)』を横目に、アニェーゼがギラリと目を光らせる。今度はシスターたちが言葉を詰まされた。だが、彼女の口から出た言葉は皆の予想に反するものだった。
「…仕方ありません。今回ばかりは目を瞑ります」
一瞬の静寂の後、皆は歓声を上げた。
『わお!愛してます!隊長!』『流石はアニェーゼ隊長!やっぱり最高です!』などといおう声も混じり、高い声が上がるばかり。一度大きな溜息をついたアニェーゼは、
「で・す・が!」
「この後もきっちり働いてもらいやがりますからね!魔力を今のうちに蓄えておきなさい!」
『イエス!マイロード!』
ひゃっほう!という声に、彼女たちは再び食事に戻った。品位のかけらも無い。二人分の空席を見つけたアニェーゼはシンラを連れて、長いテーブルの隅に座る。『一方通行(アクセラレータ)』がふと向かい側に目をやると、そこには修道服を身に纏っていない黒スーツを着込んだ一人の女性がいた。
目が合うなりにこやかに、
「私は、オリアナ=トムソン。『神上派閥』専属の運び屋をやってまぁす。国家機密のシロモノから耳寄りな情報まで、何でもね♪」
「…まともな職種につくことをお勧めするぜ」
普通の男ならうっとりと見とれるほどの色香漂う笑顔に、シンラは自分と似た「匂い」を嗅ぎ取った。いくら高級な服や化粧で覆い尽くそうとも、体から身じみでる泥と血が入り混じった匂いは、裏社会を駆けずり回る同業者には見抜かれてしまう。
「同じことを言うのね」
「あ?」
「こうして会うのは二度目なんだけどね。今、記憶が無いんでしょう?」
『一方通行(アクセラレータ)』は思わず息をのんだ。
フフンと笑うオリアナは、言葉を続ける。
「貴方からの依頼はかなり危険なシロモノだったけど、その分マネーは、はずませてもらったから。私にとっては御贔屓の顧客よ?シンラくん。でも、ご主人様の頼みごとでもあったから、お姉さん頑張っちゃったけど♪」
「ご主人様?」

328『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/23(金) 22:27:51 ID:KGZUjb2I
シンラの問いに答えたのは、会話を聞いていた第三者だった。
ドン!とシンラとアニェーゼの眼前に大盛りのカレーが置かれた。
「と・う・まのことだよ!」
カレーを運んできた銀髪碧眼シスター、インデックスは怒りに身を震わせていた。
彼女の心境を無視してオリアナは、
「インデックスちゃん。私にもおかわりいだだける?本場のインドカレーより、私はこっちの方が好きだわ」
「この極東のカレーは、インドカレーとは別物だよ。…ちょっと待ってて」
そう言って、厨房に戻ろうとするインデックスをアニェーゼが慌てて引きとめた。
「ちょ、ちょっと!インデックスさん!貴方が雑用をする必要はありませんよ!」
「いいの。アニェーゼ。これは私が好きでやっていることだから」
「で、ですが…」
「大丈夫。食べ終わった人達は皆手伝いに回ってるから。心配しなくていいかも」
「…痛み入ります。大魔術師様」
大きく頭を下げたアニェーゼは、肩を狭くして再び席に着いた。
隣でその光景を見ていた『一方通行(アクセラレータ)』は、
「インデックスって言ったか…あいつ、そンなに偉いのか?」
「…魔術の世界では、彼女は神と崇められてもおかしくない存在なんです。ですから、魔術師たちの前ではくれぐれも軽率な言動は控えてください…」
「あの娘もご主人様と同格の『魔神』だからね。我々の世界では、知らない者はいないほどの有名人よ?もちろん、この時代の貴方も知っていることだけどね♪」
オリアナはにこにことした笑顔で、シンラとアニェーゼの会話に入った。
いまひとつ人間性が掴めない彼女に対して、『一方通行(アクセラレータ)』は警戒した視線を浴びせる。
「なンでも知ってるって顔だな」
「ええ。知ってるわよ。この作戦の意義も目的も概要も全て…」
「じゃあ、ドラゴンを倒せる唯一無二の方法ってノは何だ?」
「いきなり核心?せっかちなのねん♪」
オリアナの笑顔が癇に障ったが、『一方通行(アクセラレータ)』は無視した。
「…言っておくが、ドラゴンはいくらテメェら魔術師が束になっても勝てる相手じゃねェ…オレたち科学側と手を結んだところで、死体が増えるだけだ」
「シンラくんの言うとおりよ。今の戦力では、ドラゴンには勝てない」
オリアナはあっさりと肯定した。
戦力差は『圧倒的』ではなく、『絶対的』に負けているという事実を。
「…『君』づけは止めろ。次言ったら容赦しねェぞ」
「あらあら…怖い坊やね」
シンラは本気で言った。だが、オリアナはその殺気を真正面から受け止めつつも、顔に張り付かせた笑顔が絶えることは無かった。
「じゃあ、どうするつもりだ?」
「『法の書』って知ってる?」
オリアナの言葉に、『一方通行(アクセラレータ)』は表情を変えた。だが、彼女の表情は依然として微笑んだまま変わらない。
「貴方のお父さんが記した『法の書』にね、ドラゴンを倒すために記された伝説級の魔術があるの。私たちはそれを発動させる。それだけじゃない。『法の書』にはドラゴンの正体についても記されていた。これは――」
「ふははははははッ!!」
『一方通行(アクセラレータ)』は、オリアナの言葉を笑い声で遮った。
口を引きつらせ、声高らかに嘲笑する。
「ハッ!伝説ゥ?そんな御大層なシロモノに縋って、最後は神頼みか?魔術師ってのは現実を直視しない理想主義者(オメデタサン)が多いみたいだな。そンなだから、テメェらは科学に後れをとるンだよ」
「…その意見については、私も否定しないわ」
 オリアナの笑顔を変わらない。だが、彼女が吐いた返答には、多少なりとも重みが感じられた。それを聞き流していた『一方通行(アクセラレータ)』だったが、
「でもシンラ。貴方は勘違いをしている」
「アァ?」
「伝説『級』であって、伝説とは言ってないわよ?」
「話にならねェ…一パーセントでも希望があるから諦めないってか?それは馬鹿がやることだ。
いいか?絶望的な局面から逆転する『奇跡』ってノはなァ。小説やマンガでしか有り得ないンだよ。それが現実的に起こらないから、フィクションで面白いンだ。世間で『奇跡』って言われているシロモノは、『演出された必然』なンだよ。理想と現実の分別もつかねえヤツは、人の上に立つ者である前に人間として終わってンな」
その言葉に、オリアナは腕を組んで、そっと笑みをこぼした。
柔らかくも鋭い視線で、向かい側に入る少年を見据え、

「私の目の前にその『奇跡』がいるっていうのにね…」

329『並行世界(リアルワールド)』:2009/10/23(金) 22:28:12 ID:KGZUjb2I
と、オリアナは意味深い言葉を告げた。
『一方通行(アクセラレータ)』は、彼女の含みある視線と言葉に疑問を持った。
「…なンだと?」
「もう一度言っておくけど、私の言っていることは本当よ?ご主人様から直に聞いたのはこの私なんだから」
見る者全てを魅了するようなウインクと共に、


「もちろん、ベッドの上でね♪」


 と、爆弾を落とした。
その途端、周囲からブバッ!とカレーを吹きだした音が矢継ぎ早に響く。 
無論、隣にいた赤毛のシスターも例外ではなかった。
 カレーライスにスプーンを突き刺したまま、『一方通行(アクセラレータ)』は嘆息する。
 ドダドダドダァ!とシスターがオリアナの前に詰め掛け、咽返るほどのカレーの匂いが、『一方通行(アクセラレータ)』の周囲に蔓延した。
そして、シスターの面々がその真相を探るべく口を開こうとして、
「――っ!?」
言い知れぬ殺気に、シンラは身を震った。


「オリアナ……その話、くわしく聞かせてほしいかも」

 
いつの間にか、オリアナの背後に銀髪碧眼シスターが立っていた。
彼女の座った目と低い声に、シスターたちは一斉に声を殺す。
「あ、あはははは……インデックスちゃん?頼んでいた私のカレーは?」
オリアナの震える声が室内に空しく響く。
その光景を、向かい側の席で見ていた『一方通行(アクセラレータ)』は興味が湧かず、スプーンで掬ったカレーライスを一口頬張った。
インデックスが作ったカレーライスは、シンラの舌すらうならせる絶品だった。

330toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/23(金) 22:39:21 ID:KGZUjb2I
投下終了です。
伏線と笑いのオチって難しいですねww
次回は『とある少女の騒動日記』をまとめて投下します。
投下するのは、最初から全部のほうがいいですか?
全部で10スレほどだと思いますが…

>>194
いまさらですが、誤字のご指摘ありがとうございます。

>>306
まとめの更新ありがとうございます。
編集ページのキャラクター別の詳細を見たときは、マジで感動しました。

今からリアルワールドのまとめを更新するのでよろしくお願いします。
ではではー。

331toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/23(金) 22:59:26 ID:KGZUjb2I
すいません。もう1スレ使わせていただきます。
蛇足なのですが、「とある魔術」における魔術のシステムがよく理解できません。
何度もラノべとサイドブックを読み返してはいるのですが…
『とある魔術』の魔術のシステムを分かりやすく説明しているサイトがあれば、紹介お願いします。

332■■■■:2009/10/23(金) 23:43:14 ID:2yNyBLYA
>>331
サイトは知らないけど
wiki の「魔術」と「偶像の理論」の項目は見てますよね?
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/233.html
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/149.html

少なくとも十字教・北方系は17巻の描写などを見る限り、
神話・伝承などにおける力を偶像の理論を用いる・応用するのが魔術、
という風に見てます。
おそらくアステカ系や土御門のは微妙ですがおそらく同様でしょう。

魔導書関連が不分明なので、魔神やインデックスのことはよくわからんです。

333320:2009/10/23(金) 23:55:17 ID:xSo/0fP2
>>330 toto氏
投稿&wiki収録GJです
オリアナ爆弾吹いたwwww

>>「癒之御使」シリーズ作者氏
えーと、4章はないのです…ね?
(一応4章があることも想定して「おまけ」は「EX-00」でリンクを作って
 コメントアウトに置いてみたのですが)

334■■■■:2009/10/24(土) 00:12:57 ID:/KKZrBz2
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「首領ホワイトバニーの幻影(仮)」
を3レス分投下します。

>>toto様
いつも『並行世界』が投下されるのを楽しみにしております。
『とある少女の騒動日記』も楽しみにしております。

>>wiki編集人
自作SSまとめ@wiki内の「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see
you again? (天使のささやき)」と「ミサカ、巫女と美琴」をあらすじ等を編集しました。

>>306 
編集ご苦労様です。自分はテキストの編集程度ならできるのですが、ページのレイアウト
に手をつけられる程の知識がありませんで助かりました。ありがとうございました。
>>333
今のところ「ミサカ、巫女と美琴」4章は書く予定です。たぶんもう少しのびるかもしれま
せん。お手伝い頂きありがとうございました。ひょっとして前々からお手伝い頂いている
方でしょうか?そうでしたら改めてお礼いたします。ありがとうございました。もし人違
いでしたら申し訳ありませんでした。

335■■■■:2009/10/24(土) 00:13:42 ID:/KKZrBz2
(3−3)
絶好のチャンスを御坂姉妹に横取りされた姫神秋沙は突然のことに言葉を失っていた。

「…………はっ!しまった。先を越された。…………でも次は私の番。…………ふふっ」

残念そうな顔をしたのも束の間、不穏な笑みを残して姫神秋沙も控え室のドアを閉じた。

一方、御坂達の控え室に連れ込まれた上条は部屋の中央にある丸イスに座らされていた。
目の前では丸イスに座った御坂美琴が背後の机に左肘をつきつつ上条を見据えているし、
背後では御坂妹が壁際に立って上条を見下ろしている。三人が身に着けている着ぐるみの
せいで少し間の抜けた空気が室内には漂うものの御坂美琴と御坂妹から発せられる妙なプ
レッシャーに上条は内心ビクついていた。

(いったい上条さんはこれから何をされるのでしょう?)
「脱ぎなさい!」
「え”っ?何を仰っているのですか?御坂さん」
「なに赤くなってんのよ。私はそのライオンの着ぐるみを脱ぎなさいって言ってんの」
「あっ、そうか?」
「変な想像してんのよ。こんの馬鹿!」
「アハッ、アハハハ、そうだよな」

上条がバツが悪そうに頭を掻くと着ぐるみのファスナーを下ろして着ぐるみの上半身を腰
の位置まで下ろした。1ステージを終えてかいた汗と御坂美琴に流し込まれたジュースの
せいでTシャツはずぶ濡れだった。それなのに汗は少しも止まる気配はなく思わず愚痴が
こぼれ落ちる。

「ふいーっ、あっちぃぃーっ」

気付くと御坂美琴も着ぐるみの上半身を腰まで降ろしていた。
首にタオルを引っ掛けたTシャツ姿の御坂美琴はテーブルの上にあった水筒を手に取ると
左手に持ったカップにスポーツドリンクをトクトクと注いでいた。

(本当なら今頃クーラーの効いた姫神の控え室で麦茶を飲んでたはずなのに…………
 なんで他人が美味そうにスポーツドリンクを飲むのを見てなきゃなんねえんだ。
 なんたる不幸)

上条が頭の中でブツブツ文句を言っていると上条の目の前にそのカップが差し出された。

「はい」
「えっーと、御坂。これは何かな?」
「カップに入った美琴さん特製スポーツドリンクよ。見て判んない?」
「それは判るんだけど、渡されたこれを俺は一体どうすれば…………」

「アンタにあげる。ノド乾いてるんでしょ」
「えっ?俺が飲んで良いの?」
「なに、意外そうな顔してんのよ。たまたま今日は水筒いっぱいに作っちゃったのよ。
 一人じゃ飲みきれないからカップ一杯ぐらいならアンタに恵んであげるわ。
 優しい美琴さんに感謝しなさい」
「ホントに良いんだな!後で返せって言っても無理だからな」
「馬鹿言ってないでさっさと飲みなさい!」
「じゃあ遠慮無く。ゴクゴクッ…………プッファーッ、美味い!生き返るぜ」

「そっ、そう?じゃあもう一杯飲んでみる?」
「えっ、いいの?ホントに?」
「あんなに美味しそうに飲んでくれたんだから、もう一杯ぐらいなら良いわよ」

そう言って御坂美琴がカップに注いでくれたスポーツドリンクを上条は一気に飲み干した。

「ゴクゴクッ…………やっぱり美味い!これならいくらでも飲めるぜ!」
「そんなに美味しい?じゃあもっと飲んで良いわよ!」
「いいのか?そんなことしたら御坂が飲む分がなくなっちゃうだろ!」
「気にしなくていいわよ。私ならいつも飲んでるし。
 それに今そんなにノド乾いていないからアンタが全部飲んだっていいわよ」

額に汗を滲ませている御坂美琴が顔を真っ赤にしてそんなことを言っても説得力はない。
しかし今が上条のポイントを稼ぐ絶好のチャンスとみた御坂美琴は多少の不自然さはこの
際押しの一手でなし崩しにするつもりだった。
それにこの特製スポーツドリンクも本当はこの日のために土御門舞夏に頼み込んで作り方
を教えて貰ったものだったし、昨夜遅く黒子が寝入ったの見計らってこっそりベッドを抜
け出して準備した苦労の一品であった。
その甲斐あって上条が絶賛してくれたのだからこうして何回もカップにスポーツドリンク
を注ぐことができるのが楽しくて仕方がない。自然とその頬も弛んでしまう。

「いや、そういう訳にはいかない。作ったお前に言うのも変だけど滅茶苦茶美味いぞ!
 そうだ、今度俺にもこいつの作り方を教えてくれよ」
「えっ!?…………いっ、いいわよ。教えてあげる!
 でもさすがに常盤台の学生寮でって訳にはいかないから私がアンタの下宿に行って教え
 てあげる。じゃあアンタの下宿の住所を教えてよ」
「ああ、良いとも。俺の下宿は第7学区………………」
「ふんふん。………………のとある学生寮の7階ね」

336■■■■:2009/10/24(土) 00:14:23 ID:/KKZrBz2
(3−4)
御坂美琴は携帯端末を取り出し上条の住所を登録し始めたがその手は震えていた。
平静を装っていたが心臓は8ビートを打ち鳴らし頭の中では天使達が舞い踊っていた。
ようやく上条の自宅住所をゲットできたのだ。
これからは上条に会いたくなれば放課後に繁華街を歩き回って上条の姿を探す必要はない。
上条の下宿前で偶然を装って待ち伏せすれば良いのだ。
その上スポーツドリンクのおかげで上条家に上がり込む正当な口実まで手に入った。

(こっ、ここにコイツは住んでいるのね。
 ありがとう!舞夏。アンタが友達で本当に良かったと生まれて初めて思ったわ。

 アンタのおかげでコイツの下宿に行く大義名分が手に入ったし。
 だけどその時ってどんな格好で行けば良いのかしら?
 たまには私服なんてのも良いかな?
 そしたら『私服の美琴も可愛いな』とか思ってくれるかな、えへっ、えへへっ。

 でっ、でもそれなら私服のスカートの下まで短パンっていうはおかしいわよね。
 そうよね。もしもってことがあるから………………ってもしもっていうのは万一転んで
 スカートがめくれちゃったりした時に短パンだったら笑われるかなってだけの話で……
 …………って誰に言い訳してんだろ?私。

 一体どんな格好(下着)だったら笑われないかな?
 お気に入りのUSAちゃん柄やカエル柄っていうのは子供っぽいわよね?やっぱり。
 でも大人っぽい下着なんて持ってないし、どんなのが良いかも分かんないし……
 頼りになるのは黒子なんだけど…………ダメ!黒子に知られるのだけは絶対にダメ!
 となると残るのは佐天さんと初春さん…………はぁっ、やっぱり自分で行くしかないか。
 よしっ!黒子と行ったランジェリーショップへ今度一人で行ってみよう!
 覚悟して待ってなさい。にへへへっ」

現在、御坂美琴は心ここにあらず妄想の彼方へトリップ中である。
そんなこと分かるはずもない上条は携帯端末に住所登録していたハズの御坂美琴が画面を
見つめたまま彫像のように全く動かなくなったことに気付いて「どうした御坂?」と声を
掛けようとした。
しかしその直前御坂美琴の口元がニヤリと緩むと「にへへへっ」と不気味に笑いだしたも
のだから一瞬躊躇してしまった。話しかけるタイミングを完全に外された上条は御坂美琴
がこちらの世界に帰ってくるをただ待つしかなかった。
そんな上条に背後から御坂妹が声を掛けてきた。

「ではミサカが当麻さんの背中の汗を拭いて差し上げます、とミサカはおもむろに当麻さ
 んのTシャツと背中の間にタオルを突っ込んで背中をフキフキしてみます。」
「うひゃひゃっ、くすぐったい!御坂妹。自分でやるからタオルを渡してくれ」
「そうですか?とミサカは残念そうな顔で当麻さんにタオルを渡します。
 では当麻さんの着替えのTシャツはここに置いておきますね」

「サンキュー…………って、ときに御坂妹!」
「何でしょう?とミサカは当麻さんの問い掛けに間髪入れずに返事をします」
「確か俺の着替えは電子鍵をかけた俺の控え室に置いといたハズなんだが…………」
「ミサカの前ではあんな電子鍵なんて無いのと同じですよ、とミサカは胸を張って答えます」

「そんなこと言ってるんじゃなくて…………」
「心配要りません。ミサカが手にしたのはこのTシャツだけです、とミサカは当麻さんの
 心配が杞憂であることを前もって宣言します。ミサカは決してバックの中にあった当麻
 さんの青いトランクスを取り出したとか、それをじっくり観察したとか、ホッペで感触
 を確認したとか、ましてや頭に被ったりとかした訳ではありませんとミサカの潔白を念
 には念を入れて力説します」

「あのなぁーっ」
「なんでしょう?」
「…………もういい」
「そうですか。では最後に、いくら男性の衣服の洗濯とはいえ柔軟剤を入れた方が下着は
 ゴワゴワせずに済みますよ、とミサカは少しヒリヒリする頬をさすりながら当麻さんに
 柔軟剤の使用を強くお薦めしてみます」
「…………」

それ以上御坂妹につっこむのが怖くなった上条は右手に持っていたカップを机に置き、渡
されたタオルを頭に乗せると両手でガシガシと汗を拭きはじめた。
次に濡れたTシャツを脱いで身体の汗を拭うと新しいTシャツに袖を通した。
この時、上条はたとえ上半身だけとはいえ自分の裸を晒しているのが思春期の女子中学生
の前であることに全く気付いていなかった。

337■■■■:2009/10/24(土) 00:15:04 ID:/KKZrBz2
(3−5)
妄想トリップからようやく帰還した御坂美琴が携帯端末から視線をあげると最初に目に飛
び込んできたものは上半身の裸を晒した上条当麻だった。

(きゃっ!なんでレディーの前で裸を晒してんのよ。コイツ!
 ビックリしたじゃない。………………でも、
 服の上からじゃ気付かなかったけど意外と筋肉質なのね。胸板も結構厚いし。
 やっぱり人前でも堂々と着替えができるのは身体に自信があるからなのね。
 ハーァ、私だったら絶対無理!あーあ。なんで私の胸ってこんなに小さいのよ。
 もう少し大きい胸だったらコイツに見られても恥ずかしくないのに…………って何バカ
 なこと考えてんのよ!私は)

あらぬ方向に妄想が脱線しかけた御坂美琴は瞬く間に顔を赤くしていった。
本日なぜか御坂美琴の思考は暴走気味だった。

「おっ、ようやく還ってきたか?」
「えっ、何の話?」
「いや、携帯端末を睨んだまま身動き一つしないし、時々「にへへっ」と笑ったかと思う
 と顔を赤くさせるし、どこかの空想世界にでもトリップしてんじゃないかと思ってさ」
「馬鹿言ってんじゃないの。この部屋が暑いからに決まってるでしょ!
 ほらアンタだってまだ汗かいているじゃない!」

御坂美琴は妄想に浸っていたことを誤魔化そうと首に掛けていた自分のタオルを外して立
ち上がると上条の額の汗をゴシゴシと拭きはじめた。

「冗談だよ、御坂。サンキューな!」と言いかけて今度は上条が固まってしまった。

今、上条の顔前には立ち上がった御坂美琴のTシャツがある。
首にタオルを掛けていた時は気付かなかったが、御坂美琴の汗を含んだTシャツはその下
の薄いピンクのスポーツブラを透かして見せていた。しかも素肌に貼り付いたTシャツは
そのブラに包まれた慎ましやかな双丘の輪郭をくっきりと浮かび上がらせている。
そして上条はその二つの膨らみの頂きでブラとTシャツを下から押し上げる小さな二つの蕾に気付いてしまった。とたんに上条の心臓は激しく鼓動しはじめ心臓から送り出される
熱い血潮は上条の顔を瞬く間に紅潮させていった。

「ん?どうしたのよ?アンタこそ顔が赤いわよ。ひょっとして熱中症?」
「ピ、ピンク……」
「ピンク???何それ」
「いや、なんでも……」
「???変なの」

怪訝そうに上条の汗を拭きながら、ふと御坂美琴は上条が言ったピンクの意味に気付いた。
その瞬間、御坂美琴は慌てて背を丸めると引き戻した両手で自分の胸を隠すように両手を
クロスさせた。
背を丸めた状態でうずくまり上条を見上げる御坂美琴の顔は少し涙目であった。

「みっ、見た?」
「えっ、えーっと…………」
「………………………………」
「そのーっ、ゴメン!」
「………………………………いわよ!」
「な、なに?」
「怒んないわよ!こんなことぐらいで(私だってアンタの着替えを見ちゃったんだし)
 不可抗力なんでしょ!」

「そりゃ、そうなんだけどさ。やっぱりゴメン!」
「だからっていつまでこっち見てんのよ。早くあっちを向きなさい」
「わっ!ホントにゴメン」

上条が後を向いたのを確認すると御坂美琴はようやく上体を起こし自分の胸元に視線を落とす。

(うわーっ、汗でスケスケじゃないこのTシャツ…………って、え”っ!!)

その時はじめて御坂美琴は自分の胸の先端がTシャツを押し上げてその存在を主張してい
ることに気付いた。

(なっ、なんで今日に限ってニプレスを着けてないのよ。私。
 まさかこれもアイツに見られちゃったわけ?
 ひょっとしてエッチな娘(こ)だと思われた?わぁぁーん、どうしよーっ)

御坂美琴は目に涙を浮かべつつ急いで濡れたTシャツを脱ぎタオルで徹底的に身体の汗を
拭き取ると乾いたTシャツを着込み何度もブラが透けて見えないことを確認した上でさら
に念を入れて胸元を隠すようにタオルを首から掛けるとようやく一安心した。
そして大きく深呼吸してから上条に声を掛けた。

「もう良いわよ。こっちを向いても」
「いいのか?じゃあそっち向くぞ!」

振り返った上条と御坂美琴が目を合わせるとどちらも顔を赤らめ照れくさそうにアハハッ
と笑い出した。
上条も御坂美琴も気付かなかったが二人の様子をじっと見つめる御坂妹は少し不機嫌そう
に眉間にしわを寄せていた。

(コードレッド・グレードαの緊急事態発生!発信者ミサカ10032号は本緊急事態に
 対して第23017回全ミサカ評議会の即時開催を要求します)

ミサカネットワークに発信された御坂妹の呼びかけは瞬時に世界中に散らばる妹達(シス
ターズ)の間を駆け巡った。

338■■■■:2009/10/24(土) 00:15:42 ID:/KKZrBz2
以上です。

339■■■■:2009/10/24(土) 10:22:15 ID:TumwVeys
お二方とも投下GJです

340■■■■:2009/10/24(土) 18:00:55 ID:zqNE1EvM
GJです。上条さんと美琴のやりとりは見てて面白い!

341■■■■:2009/10/24(土) 19:21:55 ID:y3SWvMC6
全員さっさとROMれ

342■■■■:2009/10/24(土) 20:16:06 ID:72sUd68w
>>341
ROMれ

343■■■■:2009/10/24(土) 21:45:59 ID:zqNE1EvM
<<341なぜだ?

344343:2009/10/24(土) 22:01:09 ID:zqNE1EvM
間違えた>>341でした。無駄なスレ使ってすいませんでした。

345小ネタ:2009/10/24(土) 22:47:24 ID:u2qasYj.
何かね、並行世界最初から読んでたらちょっとした情景が浮かんだから書いてみたんだけど。
こーいうのって投下していいのかな?

346■■■■:2009/10/24(土) 22:58:21 ID:vUR/ZvKU
おkだと思うよ。
みんなでつかってる掲示板だし。

347■■■■:2009/10/24(土) 23:35:22 ID:0z6DxpME
3次として書くなら作者の許可とってからのほうが良い気がする。
まだ完結してない作品だし、ネタ先取り・設定矛盾なんかが生じる恐れがある。

348toto ◆N7P8AZajuI:2009/10/25(日) 11:48:42 ID:XhjW2CGI
>>345
是非見たいです!
存分にお願いしますww

349■■■■:2009/10/25(日) 19:37:39 ID:QEpenTaI
…なんか前にも三次創作やってgdgdになったような

350■■■■:2009/10/25(日) 20:05:18 ID:sCr.G6eI
>>345投下してくれー

351345:2009/10/25(日) 21:02:29 ID:lOHr1SIw
何かハードルあがってる…。
インスピレーション刺激されたのは、料理をするインデックス、って点だったんだけど…。
満足頂けるかは置いておいて、とりあえず2レスほどもらいますー。

352小ネタ:2009/10/25(日) 21:03:11 ID:lOHr1SIw
インデックス、と今も呼ばれる少女が居る。
本名などもう覚えていないし、今ではこの名前の方が馴染み深い。
だから、調べれば判るかもしれない本名も、調べようとは思わなかった。
と言うより、今現在、彼女の頭は別のことで悩んでいた。
「…困った…、調子に乗って買いすぎちゃったかも」
いっぱいに詰まった買い物袋が二つ三つ。
一年前は家事など縁も所縁も無かった彼女だが、今ではその料理の腕は折り紙付きである。
が、家主がレベル6になって莫大な奨学金をもらえる様になった今でも、長年(現在進行中)染み付いた不幸体質から来る倹約姿勢は健在で。
そんな環境で教育された十万三千冊の魔道書を記憶する家事手伝いは、特売の戦利品のビニール袋4袋を前に腕組みをしていた。
「…困った。困ったよー」
言いながら、袋から一本のキュウリを取り出す。
「人が困ったって言ってるんだよ、ステイル!」
投げ放たれたキュウリは芸術的なブーメラン曲線を描いて裏路地への角に飛び込み、
「ぐは!?」
ぱこん、という音と共に男の悲鳴を上げさせた。
「な、何をするんだ、君は」
「そーいうステイルこそ、そんなところで何してたのか説明して欲しいかも」
「いや、単に通りがかっただけなのだけれどね」
目立たない位置から彼女の護衛をしている(つもりの)ステイルは、白々しく言う。
「うん、年頃の女の子を物陰からじっと見つめてタイミングよく現れるのは、通りがかるとは言わないかも」
「む。しかしだね、君の立場は一年前以上に微妙な――」
「世間一般では、ステイルみたいなのをストーカーって言うんだと思う」
「んな!? え、英国紳士としてそんな男の風上にも置けない真似はしない! 断じてしないぞ!?」
大慌てで誤解を解こうとするステイル。が、インデックスは半眼で彼を見上げると、
「英国紳士っていうのは、禁煙地帯でタバコを吸うの?」
「うぐっ」
「タバコさえ無かったら、インデックスさんも鬼じゃないから、ストーカーの話は水に流してあげるよ」
ステイルは咥えているタバコを意識して、手に取る。
まだ火をつけたばかり。十分吸える。何より、学園都市ではタバコが買える店が少なすぎる。
「…くっ」
「さあ、選ぶと良いよ。ここでタバコを捨てて英国紳士の看板を守るか、タバコを捨てずにストーカーだって私に追い返されるか!」
心なしかインデックスは楽しそうである。
「ああもう、仕方がない!」
「あ、ポイ捨ては禁止だよ。携帯灰皿は?」
「〜〜〜〜!!」
最近妙にこんな調子だ。そんな都合のいいものは持っていないステイルは、念入りにタバコの火を踏み消すと、わざわざ拾い上げて近くのゴミ箱に放り込んだ。
「ヨロシイ」
「全く、いつから君はそんなに喫煙に厳しくなったんだ」
「タバコの煙はよくないんだよ。食べ物だって臭いが付いて美味しくなくなるし」
「ニコチンとタールのない世界は地獄と言うんだ」
「ステイル、ステイル、そーいうのを、『負け惜しみ』って言うんだよ。とーまやみことちゃんも言ってた」
「……あいつらめ」
舌打ちするステイル。
「さ、荷物持って帰るの手伝って」
「何で僕が。しかもそれを食べるのは奴だろう」
「む、そういうこと言うなら、お礼にご馳走してあげようと思ってたけど、キャンセルになるかも」
「さぁ、行こうじゃないか。どこまで運べばいいんだい?」
インデックスの手料理という誘惑にあっさりと敗れ去った不良神父は、さっさと買い物袋を取り上げる。
「で、察するに今日の当番は君なのかい?」
「そーだよ。献立は決めてないから、特別にステイルが食べたいものを作ってあげるよ。何がいい?」
「そうだね。何でも良いが、あいつが嫌いなものをフルコースにしてくれると有難い」
「またそういうこと言う」
長身の神父と銀髪の少女は、不釣合いなバランスの中、のんびり歩いて帰っていく。

353■■■■:2009/10/25(日) 21:04:09 ID:lOHr1SIw
1レスに収まりやがった(汗
以上、短すぎて泣けてきます><

354■■■■:2009/10/25(日) 22:45:28 ID:u2l1ceeg
気づいたけど、ここのSSは上条さんがレベル6になるSSが多いですね。
やはり本編でもそうなるのか!?

355■■■■:2009/10/26(月) 00:03:06 ID:9wZHC7DU
レベル6になってもならなくても、上条さんは上条さん。
立場は完全に変わるだろうけど、
「絶対能力者(レベル6)とか、そんなことは関係ねぇんだよ!」
みたいなことを言ってくれる。

356ユミシロ:2009/10/26(月) 00:52:07 ID:9wZHC7DU
下げ忘れてすみませんでした。

あと、小ネタを一つ。

『とある世界の平行物語(パラレルストーリー)』
 超能力者を育成する学園都市。
『低能力者(レベル1)』から『大能力者(レベル4)』まで上り詰めた御坂美琴は能力開発が
進まなくなってきたことに悩んでいた。
『電撃使い(エレクトロマスター)』である美琴は学園都市で起こる様々トラブルに首を突っ込み、
同じ『大能力者』であり治安維持組織『風紀委員(ジャッジメント)』の白井黒子から注意を受ける
日々を過ごしていた。

 そんなある日、学園都市の『超能力者(レベル5)』第一位が『無能力者(レベル0)』に敗れた、
と言う噂が流れる。

 増加する低位能力者が高位能力者を襲う事件。
 独自に『超能力者』を倒した『無能力者』を調査する美琴。
 そんな美琴にも低位能力者が襲ってくるが、一人の少年が仲裁に入る。
 だが「まだ子供(ガキ)じゃねーか」という少年に、美琴は襲撃者たちごと、雷撃を浴びせてしまう。
 しかし、一人無傷だった少年に美琴は何者かと問い詰めると『無能力者』だと言う。
 『神浄討魔(かみじょうとうま)』と名乗る少年も何かしら調査をしているらしく、美琴に調査に
協力を申し出る。果たして二人は運命は……?

……エヴァとかエウレカみたいなリメイク・パラレル系のものをイメージするなら
『美琴が超電磁砲と呼ばれるまで』みたいな話もありかなーと思ってやってしまいました。
すみません。

357■■■■:2009/10/26(月) 00:57:20 ID:Hyc.FY9o
正直「神浄討魔」って書いてるの見ると萎えるよね

358■■■■:2009/10/26(月) 01:13:14 ID:0NEVbYpE
>>352
ステイル×インデックスってやっぱり良いかも

359■■■■:2009/10/26(月) 10:06:33 ID:rtnTh59Q
上黒マダー?

360■■■■:2009/10/26(月) 19:00:26 ID:6eC6RKak
1-169さんは何処いったんでしょう?

361■■■■:2009/10/27(火) 00:30:06 ID:iHT5bGiU
>>352
カプとまで行かないにしても、二人が普通に話せるような関係になったら(戻ったら)いいなあ。

上条は「神浄」と本編では言われているけど……
禁書の序盤では「人間をやめる」だとか「スタンド」がどうとかの
某奇妙な冒険ネタがちらほら見受けられる

ジョジョ→じょうじょう→上条
という「上条の苗字はジョジョが元ネタ」説

362■■■■:2009/10/27(火) 11:34:38 ID:abqLwkx2
神上だったり神浄だったり上条さんも大変だけど、御坂美琴にも諸説あるよね。
御→神に置き換えたりとかして、神坂尊とか、神逆命とか。

363■■■■:2009/10/27(火) 12:28:40 ID:OrvnA13.
神に逆らう命と神を浄い、討つ魔

364■■■■:2009/10/27(火) 13:55:27 ID:Lg.F1voA
「悪しき神を浄化し討つ魔」だと思っていたのだが・・・・

365■■■■:2009/10/27(火) 15:20:31 ID:K4yJRavc
>>363>>364
自分は「神を浄化し、魔を討つ者」と解釈していた。
……あんまりSS関係ないな、雑談すまなかった。

366■■■■:2009/10/29(木) 18:20:47 ID:d1QhFKhE
いきなり雑談とか投下ラッシュ終わったな・・・

367■■■■:2009/10/29(木) 19:06:42 ID:.LgmhCxE
>>366

なら君が頑張って書いて、投下ラッシュを作り出してね

368■■■■:2009/10/29(木) 23:26:40 ID:/zNsuJr2
>>367
ラッシュと言うのは一人で作れるわけではないよ。

369■■■■:2009/10/29(木) 23:55:00 ID:qCottGuY
雑談終了。
以下からは投稿ムードで進行

370ユミシロ:2009/10/30(金) 01:31:10 ID:6Q2u5W3o
では短いですけど一つ投下します。

『とある欠けた日常』

371ユミシロ:2009/10/30(金) 01:31:53 ID:6Q2u5W3o
『とある欠けた日常』

 いない。

 『あいつ』がいない。
 どれだけ街を歩いても。裏通りを探しても。
 いつもなら『またかよ』とか。
 ふらりと現れて『よー、御坂』なんて声をかけてくるのに。
 いつもあの少年はいるのに。
 いつもあの少年はいたのに。
 いつもあの少年はいてくれたのに。
 ―――あの少年がいないのだ。


「……あいつが、いない」
 ベッドに身を預けた御坂美琴は力なく呟いた。
 全身に疲労が重く圧し掛かり、それでも他人には悟られぬよう虚勢を張り続けた。
 美琴は数ヶ月前に起きた、真夏の悪夢のときのように奔走した。
 能力を使える限り使った。体が動く限り動かし続けた。
 あの少年の携帯にメールを送っても、何の返信もない。通話にも出ない。
 少年の寮の電話番号を調べ上げて電話をかけたり、部屋に向かい隣室や管理人にも行方を尋ねた。
 街中を歩いた。一つ一つの学区の様々な場所を回り、聞き込みをして、監視カメラの記録を片端から
調べ上げた。
 そんな美琴を見て、ルームメイトの白井黒子は風紀委員(ジャッジメント)の権限を用いた調査を
提案したが、美琴は首を縦には振らなかった。
 少年がとある日を堺に出国した後、帰国した記録や目撃証言も一つもなかったし、美琴自身これ以上
の調査に意味はないとほぼ断定していたのだ。
 学園都市の外部となれば能力を用いても手は届かないし、世界のどの国を調べればよいのか皆目見当も
つかなかった。
 それでも調査を断念するのに時間が掛かったのは、気持ちの問題だろう。
 そして、美琴は普段通りの生活に戻った。
 

 たまに、ふと振り返る。
 美琴の最近の癖だった。何気なく、後ろを振り向く。
 振り返って、人の姿が無いことを確認すると何事も無かったかのように向き直る。
 人気のない公園で、美琴は自販機を前にぼんやりしていた。
 ここで、あの少年と決して長くはない会話をして、どれだけの時間が流れただろうか。秋が、少しずつ
終わりに近づいている。
 今年の六月からちょくちょく顔を合わせていたあの少年とのやり取りが、自分にとって一つの日常だった
のだと美琴は近頃になって、ようやく気づいた。
 美琴はぽつりと呟いた。
「……何でよ」
 唇がわずかに震えている。
「何で、今頃になって……」
 俯くと、雫が零れ落ちて地面を濡らした。
 袖で拭うと、自販機に硬貨を入れた。

『ありゃ?……なんか素直だな。あの御坂が自販機に硬貨を―――』

 美琴は、はっとして振り返った。
 いるはずのない、少年の声を、幻を見たような気がして―――
「早く、帰ってきなさいよ……!あのバカあああ―――ッ!!」
 自販機に思い切り、久しぶりに回し蹴りを入れた。
 
end

372ユミシロ:2009/10/30(金) 01:33:57 ID:6Q2u5W3o
投下終了。
個人的には美琴以外(妹、インデックス、五和、吹寄、一方さん、打ち止めとか)
書きたいけど時間がない……

373■■■■:2009/10/30(金) 02:29:19 ID:shbTi4rc
インデックスが一番見てみたいな。

待つことに一番慣れてる彼女だけど、
今はフィアンマそげぶするまで、苦しみながら
待ち続けなくちゃいけないからなあ。

374■■■■:2009/10/30(金) 19:19:38 ID:A6enm4CM
禁書における力のヒエラルキーってどうなってるんだろう?

魔神≧フィアンマ≧一方通行(全盛期)>アックア>聖人≧未元物質>超能力者>教皇

みたいな認識でいいのか。
どっかに掲示板無い?

375■■■■:2009/10/30(金) 20:03:52 ID:tfT3YFbs
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1243739154/60-
このへんがまあ妥当なとこだろ

376■■■■:2009/10/30(金) 20:48:15 ID:XTTzaOJ2
>>374
その関係だと
すごいパンチ>教皇かw

377■■■■:2009/10/30(金) 22:54:20 ID:4A36VVmQ
今投下をしてくれたらウチの舞夏を一日レンタルさせてやるぜい・・・監視カメラ付きでな!

という冗談はさておき投下しておくれー

378■■■■:2009/10/30(金) 23:11:12 ID:1kbm3xFk
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話を2レス分投下します。
第3話の前半文章を手直ししている間に色々と話を脱線させてしまった結果、ホワイトバニー
の出番が第4話へずれ込むことになってしました。そこで急遽第3話のタイトルを「首領ホワ
イトバニーの幻影(仮)」から「宿敵。その名はブラックキャット!」に変更します。

379■■■■:2009/10/30(金) 23:11:57 ID:1kbm3xFk
(3−6)
ミサカ10032号がミサカネットワークに呼びかけるとすぐに世界中の妹達(シスター
ズ)から応答があった。

(一体何事ですか?とミサカ19920号はまだ眠い目をこすりながら問い返します)
(今夜着るパジャマの柄をヒヨコにするかカエルにするかで迷っているミサカ14301
 号は現在通常の19.7%しか思考を割けないことを予め言い訳しておきます)
(その代わり現在入浴中のミサカは通常より思考速度を7.4%UPできるでしょう、と
 ミサカ15111号は入浴剤『日本の名湯〜登別の湯〜』のリラックス効果に上機嫌で
 応えます)
(前回の緊急議題は『お好み焼きに白ご飯は是か非か?』でしたが今回はそんなくだらな
 い議題ではないでしょうね、とミサカ16358号は念のため釘を刺しておきます)
 
(今回の議題は妹達(シスターズ)の存在意義に関わるものです、とミサカ10032号
 はセンセーショナルに本議題の重要性を示唆します)
(了解しました、とミサカ10039号は手短に賛同の意を表明します)
(ではこれより第23017回全ミサカ評議会の開催します、とミサカ12581号は全
 ミサカに宣言し、ミサカ10032号に対して議題を提示するよう促します)

(ついにお姉様(オリジナル)が私達の当麻さんに対して攻勢に転じました!とミサカ
 10032号は発生した緊急事態を簡潔に述べます)

ミサカ10032号の報告はミサカネットワーク内に無数のざわめきを生じさせた。

(あの素直でないお姉様が反攻作戦にでたというのならば確かに一大事です、 とミサカ
 17663号はより詳細な戦況報告を要求します)

(本日一一○○、お姉様は新兵器(手作りスポーツドリンク)を実戦投入。
 新兵器の威力は絶大。お姉様は大戦果を上げた(当麻さんの住所を入手した)のみなら
 ず当該兵器の技術移転の名目で上条家に進軍する大義名分を確保。
 お姉様の攻勢に対しミサカも陽動作戦(お背中拭きます作戦)を発動するも、お姉様の
 スケスケTシャツ攻撃を受け敗走。
 もはやミサカにお姉様の上条家侵攻を阻止する有効な手段は残っていません
 とミサカ10032号は報告を締めくくります)

ミサカ10032号の戦況報告にミサカネットワーク内にさらなる動揺が広がる。そして
ネットワークを飛び交う質問と回答そして推論と反論。抑揚のない口調の妹達(シスター
ズ)でなければさながらそこは怒号飛び交う戦時の作戦司令部だったろう。

(当該作戦にお姉様が投入すると予測される戦力は?とミサカ13962号は尋ねます)
(当麻さんへの有効な戦力は食料品であることは間違いありません、とミサカ13577
 号は断言します。戦線に投入されるのは小火器(お菓子)あるいは重火器(手料理)で
 間違いないでしょう)

(最終兵器(お姉様自身)が使用される可能性はありませんか?とミサカ19961号は
 昨夜見たティーンズラブの内容を思い出しつつ少しぶっ飛んだ妄想をしてみます)
(果たしてお姉様が最終兵器使用に踏み切れるでしょうか?とミサカ16334号はその
 ティーンズラブの内容について質問したいという本音を押し殺しお姉様の最終兵器使用
 の可能性については疑問を投げかけてみます)

(通常ではあり得ないでしょう、とミサカ12666号はお姉様の普段の行動パターンと
 性格を分析しその可能性は極めて低いと判断します)
(しかし近頃頻発する姫神秋沙の領海侵犯(当麻さんへのアプローチ)にお姉様が不満と
 危機感をずいぶんと募らせているのは事実です、とミサカ19090号はあえて不安材
 料を投げ込んでみます)
(それに当麻さんのクラスメイトでないもどかしさがそれに拍車をかけている模様です
 とミサカ13577号はさらに危機感を煽ってみます)
(その不満が臨界に達したときお姉様の一途さが暴走するのですね、とミサカ19961
号は昨夜見たティーンズラブみたいに「片思いの先輩が他の女に奪われるぐらいならと
 思い詰めた女子中学生が先輩の下宿に押し掛けて「もう遅いから帰れない」的な流れで
 甘い一夜を過ごす」といった展開に身を委ねるお姉様の姿を妄想します)

380■■■■:2009/10/30(金) 23:12:35 ID:1kbm3xFk
(3−7)
(いい加減にしなさい!とミサカ12581号は本題からずれ始めた会議を元に戻すため
 に、上条家最終防衛ラインの迎撃体勢はどうですか?と新たな質問をぶつけてみます)
(残念ながら最終防衛ラインを守る戦力(インデックス)は当麻さん自らの手によって他
 方面へ転進させられる(小萌宅のお食事会に送り出される)ことが予測され、事実上無
 防備状態でしょう、とミサカ10032号は結論づけます)

(万一お姉様が上条家に橋頭堡を築いた場合、ミサカによる陣地奪還の可能性は残されて
 いますか?とミサカ10867号は少し弱気に尋ねてみます)
(極めて低いと結論せざるをえません。それどころかミサカの存在感が今より薄く巫女さ
 ん以下になることすら懸念されます、とミサカ19982号は深刻そうに応えます)

(新たな迎撃プランはありますか?とミサカ15399号は全ミサカに意見を求めます)
(お姉様の作戦発動日時は未だ不明。ただし既にカウントダウン状態であることは確実。
 もはや時間的猶予はないでしょう、とミサカ10032号は推測します)
(白井黒子を参戦させるよう情報戦を仕掛けてはどうでしょう?とミサカ17255号は
 提案します)
(あれは大量破壊兵器です。敵(お姉様)味方(ミサカ達)関係なく多大の被害を被るで
 しょう、と以前地下街で執拗に追いかけ回された恐怖を未だ忘れることはできないミサ
 カ10032号は提出プランに反対の意見を述べます)

(お姉様を迎撃するより先手をとって当麻さんにアタックをかける方が良いのでは?と
 ミサカ16483号は前向きに考えます)
(なるほど。攻撃は最大の防御という訳ですね、とミサカ17992号は前向きな意見に
 賛同します)

(ではお姉様以上のインパクトを当麻さんに与えるにはどうしたら良いでしょう?とミサ
 カ10378号は現在直面する最大の難問についての検討を始めます)
(ミサカが習得した必殺技(悩殺ポーズ)ですら当麻さんには有効打となりませんでした、
 とミサカ10032号は追加報告します)
(それは単に魅力(バスト)が乏しいミサカ10032号に原因があるのでは?とミサカ
 18468号はズバリ核心をついてみます)
(むむっ!ならばミサカより魅力(バスト)のあるミサカは名乗り出て下さい、とミサカ
 10032号は全ミサカに問いかけます)

少しの間をおいて全世界のミサカから次々とバストサイズが送られてきたが、やはりその
数値はmm単位で同じあった。と同時にそのレベルの低さにため息をつく全ミサカ達。

(ではウエストサイズで優劣をつけましょう、とミサカ19090号は緊急提案します)
(((((((((((((((((((((((((((((((( 却下します ))))))))))))))))))))))))))))))))
(……………………………)

ミサカ19090号の提案はミサカ19090号を除く全ミサカによって一瞬で却下され
てしまった。

(質が問題ならば量でカバーしてはどうでしょう、とミサカ15678号は『コロンブス
 の卵』的発想を披露してみます)
(10人でご奉仕すればその効果も10倍ということですね、とミサカ10039号は目
 からウロコ的発想に感動し激しく同意します)
(『ご奉仕』。なんとも艶めかしい響きです。とミサカ13577号は頬を赤らめながら
 呟きます)
(では学園都市に在住する全ミサカは各自速やかに装備を調え行動を開始して下さい、と
 ミサカ12581号は締めくくり第23017回全ミサカ評議会の閉会を宣言します)
(((((((( 了解(ラジャー) ))))))))

こうして学園都市に在住する8人のミサカ達はミサカ10032号をサポートすべく遊園
地クラウンパレスへと向かうのであった。

381■■■■:2009/10/30(金) 23:14:55 ID:1kbm3xFk
以上です。
今回は文章の見直し回数が少なかったのでいつも以上に誤字脱字があるかも
しれませんがご容赦下さい。

382小ネタ?:2009/11/01(日) 12:46:57 ID:qogv8ndM
「な、なんですかこのOSは!?…めちゃくちゃですよぅー!」

 頭に花を生やした少女ーー初春飾利は、とある人型機動兵器のコクピットで愚痴る。

「マニュアルの構成変更、スラスター出力と左右のバランサー比率の調整、反応速度…綻びを補修」

 素早くキーを打ち、OS自体を書き換える。様々な方法で、まともなOSにしていくのだ。

「電力供給を前面装甲に集中、センサー類に異常無し」

「メインエンジン起動です!」

 人型機動兵器の瞳に光が宿り、立ち上がる。

「武器は……アーマーシュナイダー!…これだけですかぁ!?」

戦火に巻き込まれる学園都市を守り抜け!ガンダ○!

『とある初春の種割物語』


反省はしている
後悔はしていない筈がない

383■■■■:2009/11/01(日) 17:04:02 ID:JWvonqvM
>>381GJです!御坂妹いいね〜

384■■■■:2009/11/01(日) 19:36:09 ID:XkvOPOf2
学園都市の科学力なら二足歩行巨大ロボット程度余裕で作れそうだしなw

385sage:2009/11/02(月) 02:22:26 ID:CSV4JmBY
OSを書き換えれても初春なら生き残れ無いな

386■■■■:2009/11/02(月) 15:39:47 ID:9Ohgkf32
禁書×ジョジョ四部のつもり。お目汚し失礼。


「キミ、えーとカミノ君」

「しつこいようですけど上条です・・・・・・」

「うん、そうじゃったなカニジョー君。浮気はイカンぞ浮気は」

「いや、あのー、浮気どころか、そもそも浮気する相手がいないんだけど・・・・」

「恋多きことは『イイ』。若いうちは色々経験しておくもんじゃ。しかし、浮気は『イカン』。
 もし仮に発覚してしまうと、本当にヒドイ目にあう。そういう時の女は究極生物【アルティメットシイング】よりも恐ろしい」

「・・・はあ。(なんだよアルティメットシイングって・・・・・・)あの、つまりバレなきゃいいってことっすか?上条さん的には正直そういう考え方はちょっと・・・」

「ハミリョーくん、君はまだ若いから知らんかも知れんがね・・・・・・夫が妻に対して隠しとおせることなんて何一つないのさ。『正真正銘何一つ』ね」

そういってジョースターさんは遠い目をした。


勢いでやった。反省している。

387■■■■:2009/11/02(月) 16:02:12 ID:UTIiyAy6
上条(じょうじょう)さんですね、わかりますん><

388■■■■:2009/11/02(月) 20:59:22 ID:Qev6ZEgg
>>385

>>70参照

389■■■■:2009/11/02(月) 21:53:08 ID:h7BDPK8c
上条当麻がロシアで死亡したという噂を耳にした美琴

美琴「そ…そんな…あいつがなんで!許さない…誰だが知らないが絶対ぶっとばしてやる」

こうして美琴の復讐がはじまった
いろいろ調べ、ついに上条当麻を殺したといわれるフィアンマという人物にたどりついた

フィアンマ「しあわせだねぇあいつも」

美琴「うるさい死ね!」

美琴は超電磁砲を放つがフィアンマの謎の手によりかき消された

美琴「…」

フィアンマ「もう終わりかい?あっけないなー」

フィアンマは美琴の両手両足だけを吹き飛ばした

みこと「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」

フィアンマ「ふはは俺様は今むしゃくしゃしてるところだ だから楽に死なせねー」

美琴はミリ単位で全身をゆっくり刻まれた
もう死を受け入れようとしたその瞬間

上条「よーフィアンマご苦労」

美こと「!?」

フィアンマ「あーいいってことよ お前の右手が手に入るんなら
       『上条当麻が俺に殺されたことにしてこいつを誘き寄せて殺す』なんてお手軽な計画いくらでもやってやる」

美こと「!!」

上条「正直お前の野望が達成されるのは気に入らないけどそこのクズ女に一生付きまとわれるよりはマシだからな」

フィアンマ「ひゃははは お前もなかなかのクズだな!」

上条「お前もこいつに好かれたら分かるぜ 正直うざってぇ」

美琴「………」


美琴は絶望した
そんな風に思われていたなんて殺したいほどうざがられていたなんて
心も体もボロボロになった美琴


絶望しながら息を引き取った

390■■■■:2009/11/02(月) 22:35:08 ID:oqQ/0L8I
美琴カワイソス

391■■■■:2009/11/02(月) 23:02:17 ID:.BV.CpYY
ここって別作品のクロスはアウトですかね?
別作品クロスが可能ならシャナと禁書のスペシャルコラボを今考えてるんですが

・・・まあ、まだ発想の段階なので投下できませんが、いずれは投下したいと思うのですが
そういうのここっておKでしたっけ?

392■■■■:2009/11/02(月) 23:05:06 ID:oqQ/0L8I
いいと思う

393■■■■:2009/11/02(月) 23:13:15 ID:iVYn7UI2
>>391
おkではあるよ
評価されるかどうかは度外視すれば、だけれど

コラボが評価されない主な理由
・両方の作品を知らなければ楽しめない(ものが多い)
・2つ以上の世界観を混合した上で良作に仕上げる技量が必要である
 (ノリだけで始めてどうにもできなくなる二次作家初心者が多い)


いっぺん、禁書単品でやってみて様子見た方がいいかも?

394■■■■:2009/11/02(月) 23:53:37 ID:oqQ/0L8I
シャナ分からへん

395■■■■:2009/11/03(火) 12:24:45 ID:3jbGQYvs
>>394
一々書き込む内容でもないだろ

396■■■■:2009/11/03(火) 12:49:24 ID:QCuA1X/2
プロットができたので可能なら年明け後に投下してみようと思います>禁書×シャナ
文章に起こすとたぶん単行本1〜2冊分(両方の世界観に関しての説明が必然的に多くなるため)になるのでちょっと大変ですが・・・

まあ投下できない可能性のほうがずっと高いのであんまり期待しないほうがいいかも。

397■■■■:2009/11/03(火) 20:32:22 ID:gqHgF3Fg
投下予告するなら投下してくれよ。期待して待ってるぞ〜

398■■■■:2009/11/03(火) 22:06:30 ID:2PPwO6dw
首を長くして待ってるぞー

399■■■■:2009/11/04(水) 22:18:35 ID:vt5RYxNs
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」
(「首領ホワイトバニーの幻影(仮)」から改題)を3レス分投下します。

400■■■■:2009/11/04(水) 22:19:18 ID:vt5RYxNs
(3−8)
一方の上条と御坂美琴はミサカネットワークにおいて不穏な計画が進行中であることなど
露知らず未だ互いの顔を直視できずにいた。

(落ち着け!落ち着くんだ。上条当麻。
 いくらブラジャーが透けて見えたからっていっても相手(御坂)は中学生だ。
 そう、冷静になれ!
 確かに御坂は美少女だ。それは認めよう。
 だからって発育途上の中学生の胸に高校生がときめくっていうのはマズイ。
 いくら濡れたTシャツが張り付いてあんなにはっきり胸の輪郭が見えたからって……)

冷静になろうとする上条であったが脳裏に御坂美琴の胸の輪郭がフラッシュバックする度
心臓はドックンドックンと激しく脈打ち戻り掛けていた顔の赤みも再び増してしまう。
(だあぁぁっ!)
思わず頭を激しく振り妄想を追い払おうとする上条であった。
(この状況はマズイ。早く別の話題を見つけないと上条さんはどうにかなってしまいます。
 何か別の話題…………そうだ!)

「そう言えば、さっきは観客席に男子中学生とか高校生とかも結構いたよな」
「そっ、そういえばそうだったわね。ハハッ」
「ここのショーってそんなに人気があるのか?」
「さあ?私はテレビってあんまり見ないからよく知らないけど高校生にも結構な数の隠れ
 カナミンファンがいるらしいわよ。
 でも遊園地のショーにまでやって来る物好き(マニア)は少ないと思うんだけど……」

「じゃあ、何でだろう?」
「本日当遊園地にて第3学区の小・中・高校による合同交流会が行われるとの情報があり
 ますので高校生達は小学生の付き添いだと推測します、とミサカはさりげない素振りで
 お姉様と当麻さんの会話に割り込んでみます」

「そうか。今日は暑いから大変だろうな。まあ俺達よりはマシだろうけどさ」
「それならもう一杯スポーツドリンクをあげるからそのカップを持ちなさい!」
「おっ、サンキュー。ゴクゴク…………プファァアー、ふぃぃーっ」
「プファァ、ふぃぃーって、アンタは居酒屋の酔っぱらいサラリーマンか!?」
「てやんでぇ!あたしゃ酔っちゃいませんよ。御坂の旦那も一杯どうです?ヒック!」
「バカッ!もう何でアンタはそんなにノリが良いのよ!」

話題が替わったおかげで上条はようやく御坂美琴にいつもの軽口が言えるようになった。

「悪りぃ。悪りぃ。それだけお前のスポーツドリンクが美味いってことだよ」
「えっ、あっ……………………ありがとう」

上条の褒め言葉に思わず顔を赤らめてしまう御坂美琴であった。
いつものように無自覚に女心をくすぐる上条当麻。本当に罪な男である。

「そうだ、さっきも言ったけど俺だけ飲むのは申し訳ないからお前も飲んでみなよ」

上条は半ば強引に御坂美琴にカップを渡すと御坂美琴から水筒を受け取り、そのカップに
スポーツドリンクを注いでいく。
その様子を何気なく眺めていた御坂美琴はある重大なことに気付いた。

(あれ!?……………………
 このカップってさっきコイツが使ったやつよね。…………
 はっ!ということはこれってラブコメ漫画お約束の『間接キス』イベント!?)

とたんに御坂美琴の心臓は激しく鼓動し始める。
ドキドキと高鳴る鼓動が上条にも聞こえているのではないかと御坂美琴は身体を強張らせた。
しかしスポーツドリンクを注ぐ上条に気付いた様子はなく御坂美琴はホッと胸を撫で下ろした。
ならば気付かれる前にコト(間接キス)を済ませてしまおうと上条が注ぎ終わるのを今か
今かと待っていた。
しかし穴も空かんばかりにカップを見つめる御坂美琴はある重要な見落としに気付いた。
御坂美琴は正面の上条から渡されたカップをそのまま持っていた。
ということは上条が口を付けた部分は必然的に御坂美琴から最も遠い場所になる。

(あっ! しまった。
 でもいまさら唐突にカップを半回転させたりしたら不自然よね、きっと。
 どうしよう?……………………そうだ!
 一旦カップを机に置いてちょっと会話してからさりげなく持ち直せば良いんじゃない。
 ナイスアイデア!さすが美琴さん!)

御坂美琴は手に持ったカップをさりげなく机の上に置くために上条に話しかけた。

401■■■■:2009/11/04(水) 22:20:01 ID:vt5RYxNs
(3−9)
「そうだ!これの作り方だけど次の金曜日に私がアンタの下宿に行って教えてあげる」
「えーっ?金曜日!?」
「なによーっ!そんな顔して。なんか予定でも入ってんの?」
「いや、別に予定はないけどさ……」

「じゃあ、良いじゃない。次は土曜日で学校は休みなんだし丁度良いでしょ」
「なにが丁度良いんだよ!」
「えっ、イヤね!そんな意味じゃなくて…………ほら!アンタだって女の子が下宿に来る
 んだからそれまでに色々片付けなきゃなんないことがあるんじゃないの?」
「バカ野郎!俺の部屋に御坂に見られて恥ずかしいもんなんてねえよ!」

そう言いつつ上条はインデックスをどうしようかと思考をフル回転していた。
そして結局(ここは小萌先生に頼んでインデックスを泊めてもらうしかない)という妹
達(シスターズ)の推測通りの結論に達していた。

一方、御坂美琴は目の前で上条が何か考え事を始めた今がチャンスとばかりにカップにそ
っと手を伸ばす。
しかしあるハズの場所にカップはなく伸ばしたその手はむなしく宙を切っていた。
御坂美琴が(なんで?)っと周囲を見回すとなぜかカップは御坂妹が持っていた。

「お姉様が飲まないのならこのスポーツドリンクはミサカが頂きましょう、とミサカは
 お姉様に反論の隙を与えず一気に飲み干します」

そう言って御坂妹は上条が口を付けた側に口を付けてスポーツドリンクを飲み干した。
予期せぬ展開に御坂美琴は一瞬言葉を失ってしまった。

「な”っ!
 なんてことすんのよ!アンタはああぁぁぁ!」
「はっ?何のことでしょう?
 お姉様。食べ物を粗末にするともったいないお化けが出るのですよ
 とミサカはお化けという非科学的事象を引用してミサカの正当性を主張します」
「誰も飲まないなんて言わなかったでしょ!」
「「……………………」」

二人とも無言ではあったが(お姉様の魂胆などお見通しです)と挑発するミサカ妹の視線
と(あとで憶えてなさい)と凄む御坂美琴の視線が見えない火花を散らせていた。
しかしこの緊張感溢れる状況にあっても上条は朴念仁らしくピント外れのことを言ってし
まう。それがどれだけ御坂美琴を追い詰めることになるのかも知らずに。

「おいおい、ちょっと待て!たかがスポーツドリンク一杯で姉妹ゲンカしなくても」
「うっさい!アンタは黙ってて!」
「そんなに怒るなって!御坂妹だってノドが渇いてたんだと思うぞ。
 御坂妹、どうだ美味かったろ?」
「美味しいです!特にこのカップで飲むと美味しさが倍増します、とミサカは余韻を楽し
 むようかのような表情で絶賛します」

「じゃあ、御坂にちゃんと礼を言わないとな」
「ご馳走様でした。当麻さん!とミサカは頬を赤らめながら当麻さんにお礼を述べます」
「いや、だから俺じゃなくて御坂に礼を言えって!」
「ご馳走様でした。当麻さん!と言っているのに当麻さんはまだ気付かないのですね、と
 ミサカはやはりこの人は筋金入りの朴念仁なのですねと嘆息しつつ呟きます。
 間接キスですよ間接キス、と鈍感な当麻さんにも判るよう単刀直入に説明します」
「へっ?」

上条は一瞬何を言われたのかが判らなかった。
(カンセツキス?官設奇数?関節鱚?間接キス…………キスううぅぅぅ!?)
頭の中で四回繰り返しようやく事態を飲み込んだ上条は顔を一気に赤らめた。

「ばっ、バカ野郎!年上をからかうんじゃない!ははっ、
 御坂妹のヤツ、おかしなこと言ってるよな。なあ御坂…………って、御坂?」

その時御坂美琴は少し俯いたまま両膝に置いた手をぎゅっと固く握りしめていた。
上条に声をかけられて御坂美琴は紅潮した顔を上げた。
その口元はギュッと結ばれており少し涙を浮かべた目は訴えるように上条を見つめている。
何かを思い詰めたような御坂美琴の様子に上条も心配になった。

「どうした、御坂?」
「わっ、わっ、わたしはねぇぇぇぇ!」

御坂美琴はそう叫ぶなり御坂妹からカップを奪い取って手酌でスポーツドリンクを注ぎ出す。
(一体何事なんだ?)と戸惑う上条の前で、それを一気飲みすると今度は上条を睨み付け
手に持ったカップを半回転させてから上条に差し出した。

「えーっと、これは?」
「受け取りなさい!」
「はあ?」
「なによ!アンタは美琴さんの酌が受けられないっていうの!」

上条に強引に押しつけたカップにスポーツドリンクを注ぐとまたしても上条を睨み付けた。

402■■■■:2009/11/04(水) 22:20:44 ID:vt5RYxNs
(3−10)
上条は御坂美琴が何か思い詰めていることは判っていたがその理由に見当がつかなかった。

(えっーと、この状況ってこれを飲めってコトだよな。
 でもこのまま口を付けたら今度は御坂と間接キスになるんじゃねえのか?
 御坂妹といい御坂のヤツといい、一体どうしちまったんだ?
 まさか、これって何かのトラップってことじゃないよな?
 本当にこのまま飲んじまって良いのか?
 どうする?上条当麻)

さりげなくカップを回そうものなら御坂美琴の突き刺すような視線が上条を牽制する。
(飲みなさい!)と凄む御坂美琴の迫力にとうとう(ええい、もうどうにでもなれ!)と
上条はそのスポーツドリンクを一気飲みしてしまった。

すると御坂美琴は上条が飲み終えたカップを奪い取りまたしても半回転させると自分で注
いだスポーツドリンクを一気に飲み干し上条を睨み付けた。

「どう?これで判った?」
「えっ?どうって……………………良い飲みっぷりだね…………とか?」

その瞬間御坂美琴から10億ボルトの雷撃の槍が放たれた。
とっさに上条がそれを右手で打ち消せたのは骨の髄までしみこんだ条件反射のおかげだろう。

「おっ、おまえなあ。今のは普通死ぬぞ!」
「ア、ア、ア、アンタってヤツはあぁぁぁ!」

顔を真っ赤にした御坂美琴は握りしめた右拳をワナワナと震わせている。
御坂妹の挑発にとことん追い詰められた挙げ句、一生(13年)分の勇気を振り絞って告
白したつもりが「良い飲みっぷりだね」では御坂美琴も浮かばれない。
とはいえ余りに回りくどい上にほとんど相手を脅迫している先ほどのやりとりを告白と呼
べるのかどうかは意見が分かれるところであろう。
とことん恋愛に不器用なツンデレガール御坂美琴であった。

「や、やめろ!御坂。
 こんな狭い部屋で超電磁砲(レールガン)なんてぶっ放そうとするんじゃない」
「うるさい!アンタなんかいっぺん死んじゃいなさい!」

必死の告白を気付いてもらえなかった恥ずかしさで御坂美琴は今自分がいる場所を忘れていた。
万一上条が超電磁砲(レールガン)を受け損なった場合、観客で溢れる特設会場にどんな
被害がでるかわからない。
普段であれば御坂美琴がこんな場所で超電磁砲を使うことなど絶対にあり得ない。
だが今は必死になだめようとする上条の目の前で御坂美琴の右手は急速に放電量を増し続
け、もはや超電磁砲の暴発は避けられないように思われた。
しかし超電磁砲の暴発は遊園地スタッフのちょっと間の抜けた館内放送によって回避された。

「もうすぐ『カナミンショー』開演の時間で〜す。出演者の皆さんはスタンバイして下さ〜い」

その間の抜けた呼びかけに緊張の糸を切られた御坂美琴の放電は急速に収束していった。
上条もここぞとばかりにたたみ掛ける。

「ほっ、ほら!もうすぐ出番だって!御坂も御坂妹もそろそろ準備しなきゃ!」
「聞こえてるわよ!
 あーっ、もう!わかったわよ!
 でもね。この件は後でキッチリ話をつけるから覚悟してなさい!」
「ああ。わかった。わかったから。なっ!」
「じゃあ、私達は着替えるからアンタも早く着替えてらっしゃい!」

こうして遊園地クラウンパレス史上に残る怒濤の『カナミンショー』の幕が切って落とされた。

403■■■■:2009/11/04(水) 22:21:32 ID:vt5RYxNs
以上です。

404■■■■:2009/11/04(水) 22:54:35 ID:GKNbpksg
GJです!くそ!上条、俺とかわれ〜ww

405■■■■:2009/11/04(水) 23:01:17 ID:jfrEG7Ng
GJ!
姫神さんすっかり空気だなw

406■■■■:2009/11/05(木) 00:10:02 ID:lfQWpQbU
>>400-402
上条美琴じゃなかったらGJといえた

407■■■■:2009/11/05(木) 16:58:27 ID:bI8S5BL6
>>406上琴を馬鹿にするんじゃな〜い!

408■■■■:2009/11/05(木) 19:18:35 ID:/AvXyWHk
上条美琴だからこそのGJ

409■■■■:2009/11/05(木) 19:20:44 ID:lfQWpQbU
上条美琴以外のssお願いします
もう飽き飽きです

410■■■■:2009/11/05(木) 20:07:29 ID:mxjRwLZo
>>409
普通にリクエストならまだしも好みを押し付けているようにしか思えないんだが

411■■■■:2009/11/05(木) 20:50:04 ID:pG8fdHAw
>>410

>>409は美琴アンチのいつもの人だよ

412■■■■:2009/11/05(木) 23:14:06 ID:bI8S5BL6
>>406上条美琴じゃなかったらって何に対してのGJだよ

413■■■■:2009/11/06(金) 00:31:05 ID:Szve3eZU
>>409
ああ、例のwwww …と思いきや、ID違ったww

とはいえ、カップリング論争は平行線辿って面倒なことにしかならないんで他所でどぞ
あと、その書き方は押しつけっぽいから自重

上琴以外のSSが所望ならばこれを機に自分で書いてみてはいかがかな?
(まあ、評価が貰えるかについては保障できないが)

414通りすがり:2009/11/06(金) 16:13:12 ID:UeI7MTD6
 美琴のツンデレはサイコーだにゃー。

415■■■■:2009/11/06(金) 18:56:05 ID:heG7XPTw
まあ、美琴アンチはほっときましょうか。

416■■■■:2009/11/06(金) 19:08:02 ID:CdkkWMrk
やだなぁネタですよw
そんなことも分からないって新参(笑)ばっかですかw

417■■■■:2009/11/06(金) 21:15:09 ID:wbWnAoZY
自分の実態を知られ、顔を真っ赤にして必死に弁明しようとする。まさに三流のやり方だな。軍曹。こちらとしては早く上黒モノが読みたいものだ。

そして、コッペパンを要求する!

418■■■■:2009/11/06(金) 21:25:20 ID:CdkkWMrk
上条美琴がありすぎるからネタにしたんですよw
ネタくらい分かってくださいよw

419■■■■:2009/11/06(金) 21:32:28 ID:3/0DJwaw
必死すぎるわー

420■■■■:2009/11/06(金) 21:45:18 ID:CdkkWMrk
まるで俺が必死で弁解してるように仕立て上げようとしてるのか
醜いなぁ美琴信者

421■■■■:2009/11/06(金) 21:46:39 ID:CdkkWMrk
↑あ、これはネタじゃないですよw
 美琴信者に対する皮肉

422■■■■:2009/11/06(金) 21:59:44 ID:tq87e6Lk
>>416〜421
お〜い、両方ともそろそろストップするじゃんよ。
かなりの浪費になってるじゃん。

423■■■■:2009/11/06(金) 22:01:02 ID:heG7XPTw
>>421無駄にスレを使うんじゃない

424■■■■:2009/11/06(金) 22:21:03 ID:ZMD7QT9c
では気分を変えて。
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」
(「首領ホワイトバニーの幻影(仮)」から改題)を3レス分投下します。
この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違います。「When You Wish Upon a Star(星
に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、『吸
血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を
持っています。また、本編より饒舌で積極的な性格になっていて口調などに違和感がある
と思いますがご容赦下さい。

425■■■■:2009/11/06(金) 22:21:40 ID:ZMD7QT9c
(3−11)
ついに『超機動少女カナミン=ダイバージェンス=』ショーが始まった。
あらすじはクラウンパレスの玉座に隠された秘宝『ブルークリスタル』を狙う怪人コック
ローチン(ゴキブリ男)をカナミンがやっつけ改心させるというものだ。
伏線も謎解きもないシナリオライターのやる気の無さをヒシヒシと感じさせる一品である。
そして舞台上では怪人が王女を人質に取り王妃から秘宝『ブルークリスタル』を脅し取ろ
うとしていた。

「うわっはっはーっ!我が名は怪人コックローチン!
 王妃よ!王女を死なせたくなければおとなしく秘宝『ブルークリスタル』を渡せ!」

その時静まりかえった会場に澄んだ少女の声が響き渡る。

「そんなことはさせない!」
「だっ、誰だ!?どこにいる!?」

こういうショーでのお約束通り、怪人は折角の人質(王女)を放り出すと声の主を探して
観客席の小学生に「お前か!?」などと尋問し始める。
するとまた会場に少女の声が響き渡る。

「へーんしーん!」

そしてスピーカーから流れだす『超機動少女カナミン』のテーマ曲。
すると突然空中にカナミンが現れ、舞台上手に建つ塔の先端にヒラリと舞い降りた。

「超機動少女(マジカルパワード)カナミン!華麗に見参!」

登場したカナミンの決めセリフに観客席の小学生達から大きな声援と拍手が沸き上がる。

「わーっ!」
「きゃーっ!」
「カナミ────ン!」

その小学生達の声援を遮るように怪人の叫び声がこだまする。

「出たな!カナミン。これでも喰らえ!!」

そう叫ぶなり怪人は舞台下手に置かれていたロケットランチャーを肩に担ぐ。
「ボッシュッ!」という大きな発射音が鳴り響くとロケット弾(学園都市製高性能ペット
ボトルロケット)がカナミンめがけて飛び出す。
対するカナミンも怪人に対抗して次々と魔法を繰り出していく。

「イージスフィールド!」

カナミンの前面に展開した薄紫色に輝く魔法障壁が飛んできたロケット弾を弾き飛ばす。

「シュプラッシュウィップ!」

マジカルステッキからほとばしる水が鞭となって怪人に襲いかかる。
水の鞭がロケットランチャーに巻き付くとカナミンはマジカルステッキを振るってそれを
怪人から奪い去った。

「クリスタルブリザード!」

カナミンの周りに何本もの氷の槍が出現しマジカルステッキの動きに合わせて怪人めがけ
て矢のように飛んでいく。
飛来する氷の槍を紙一重で避ける怪人。
そして舞台の床に突き刺さる何本もの氷の槍。

「姫神のヤツ、ずいぶんと気合いが入っているなあ」

そんな感想を漏らす上条は現在怪人の着ぐるみの中だったりする。
というのも今舞台で魔法を繰り出しているカナミンが学園都市製の立体映像などではなく
姫神秋沙が操る本物の魔法少女であり繰り出される魔法も全て本物だからだ。
だからこそ敵役は上条でなければならず、魔法が直撃する寸前に右手で魔法を打ち消し、
同時に着ぐるみに付けられた火薬の爆発と照明・音響効果によって舞台のスタッフが戦闘
の雰囲気を作り出す段取りになっていた。

しかし姫神秋沙は上条が思うような『気合いが入っている』状態ではなくどちらかというとご機嫌斜めであった。

(なによ。上条君ったら。御坂さん達とだけ楽しそうにはしゃいじゃって。
 私の事なんてどうでも良いんでしょ!)

先ほどの上条争奪戦において御坂姉妹に遅れをとったことを未だ根に持っていた。
確かに今回は自分だけクーラ付きの個室を割り当てられたので優遇されてはいるのだろう。
しかしどんなに快適な部屋だろうが一人っきりで飲む麦茶が美味しいはずがない。
それよりも上条と色々雑談しながら一緒に休憩時間を過ごしたかった。

しかもようやくやって来た絶好のチャンスすら目の前で御坂姉妹にさらわれてしまった。
その時は仕方ないと諦めてはみたものの御坂姉妹の控え室から楽しそうにはしゃいでいる
(?)声が壁を通して聞こえると無性に寂しくなってしまう。
でもこれは上条君のせいじゃないからと自分に言い聞かせカナミンショーが始まる時は笑
顔で「上条君。頑張ろうね」と言ってあげようと心に決め、上条が御坂姉妹の控え室から
出て来るのを廊下でずっと待っていた。

それなのに飛び出てきた上条は「あっ、あの。上条君」と声をかける姫神秋沙に「悪りぃ、
姫神。急いでるから後で!」とだけ言うとさっさと自分の控え室に入ってしまったのだ。
それでも姫神秋沙は上条の着替えが終わるのをギリギリまでドアの前で待っていた。
ただ一言「上条君。頑張ろうね」と言うために。

426■■■■:2009/11/06(金) 22:22:11 ID:ZMD7QT9c
(3−12)
しかし結局スタッフに急かされた姫神秋沙は上条と顔を合わせることすらできずに舞台へ
向かったのだった。

(もう!上条君がギリギリまで御坂さんの控え室ではしゃいでいたからいけないのよ!)

ご機嫌斜めの姫神秋沙が打ち合わせでは1本だったハズの氷の槍をつい1ダースも上条に
投げつけたのは仕方のないことかもしれない。

小学生達は現れたカナミンが立体映像ではないことに気付くと一段と大きな歓声を上げた。
まるで『多重能力(デュアルスキル)』のようにカナミンから繰り出される七色の魔法に観
客席の小学生達は目を奪われていた。

当然これらの攻撃と受け身のタイミングは事前にしっかり打ち合わせしていたものである。
とはいえ本番では多少タイミングが狂うことがある。
その場合は上条がアドリブで対応することになっていた。
今も上条は予定と違う『シュプリームフレア』の炎を紙一重で交わしたところだった。
表面上は平静を装っていた怪人(上条)であったが内心はドキドキしていた。

(やっべーっ、今のはホントに当たるかと思った。タイミングが少しズレちまったか!?)

一方、攻撃側の姫神秋沙は上条とは少し違うことを考えていた。

(あれっ!また外れた。
 どうして上条君は避けちゃうのかな!?
 心配しないで。上条君。大怪我したって私が付きっきりで介抱してあげる。
 さっきは御坂さん達と一緒だったんだから。
 この後は私と一緒にいてくれても良いでしょ。
 『癒之御使(エンゼルフェザー)』を使えば一瞬で治っちゃうけど今日は使ってあげない。
 その代わり怪我が治るまで私が心を込めて介抱してあげる。
 だ・か・ら。素直にやられなさい!)

上条の気を引くために、最初は打ち合わせより少しだけ威力の高い魔法で上条をちょっと
驚かせてやろうと思っただけの姫神秋沙であった。
しかし繰り出す魔法全てを上条が避けていくため徐々に魔法の威力は強くなり今姫神秋沙
は本来の目的を忘れかけていた。
しかも本番前に上条と話すこともできなかった寂しさが不満へと変わり、とうとう(魔法
を当てれば上条君を付きっきりで介抱できるじゃない)というちょっとダークな考えにた
どり着いてしまっていた。
そんな訳で涙目で(止めてくれ!)と懇願する上条に今度は氷の槍が雨あられと降り注ぐ。

(うひゃあぁぁぁっ!姫神。打ち合わせと違う!止めてぇぇー!)
(ちょこまかと魔法を全部かわしちゃってくれて。上条君ったらもうっ!
 私と二人っきりになるのがそんなに恥ずかしいの?
 それとも大怪我しないようにって手加減しているのがいけないのかな?
 じゃあもっと激しく攻めてあげる!」
(ひっいぃぃ!死ぬっ、死んでしまう!
 こんな魔法が一発でも当たったら上条さんは確実に死んでしまいます)

もはや、完全に当初の目的を忘れている姫神秋沙であった。
『癒之御使(エンゼルフェザー)』のおかげで内気な性格を改善できたのは良いのだが、
その反動で最近ちょっと上条へのアタックが暴走気味になっている。

シナリオ通りなら怪人がカナミンの魔法にやられるハズの予定時刻はとうに過ぎている。
しかし舞台上ではなぜか打ち合わせとは全く関係のない闘いが延々と繰り広げられていた。
もっとも攻撃するカナミンから怪人(上条)が逃げ回っているだけの状態を闘いと呼んで
良いかは別問題である。
カナミンが繰り出す連続魔法攻撃の迫力とそれを紙一重で避け続ける怪人(上条)の攻防
を観客席の小学生達は時間が経つのも忘れ手に汗握り観戦していた。
一方スタッフ達はカナミンの魔法によって舞台装置が次々と焦がされ破壊されていく様子
に頭を抱えながらもうどうにでもなれとばかりに達観するしかなかった。

427■■■■:2009/11/06(金) 22:22:40 ID:ZMD7QT9c
(3−13)
とうとうカナミンの連続攻撃を捌ききれなくなった上条がバランスを崩して転んでしまう。
そして右手をついて倒れた上条に『シュプリームフレア』の炎が放たれた。
逃げることも右手で防ぐこともできないタイミングで放たれた一撃に(これはかわせない)
と上条が覚悟した瞬間、上条を護るように舞台に細長い棒が突き刺さり『シュプリームフ
レア』の炎を霧散させた。
そして会場内に「おーっほっほっほっ!」という女性の高笑いする声が響き渡った。

上条はその棒に見覚えがあった。
見間違いであって欲しかったがどう見てもそれは海軍用船上槍(フリウリスピア)である。
謎の秘密結社がキシサクマアでフリウリスピアとくれば笑い声の主は一人しかいない。
上条は一瞬躊躇ったものの意を決して声の方へ顔を向けた。
そこには上条の予想通り五和が立っていた。
だがその姿は上条の予想を遥かに越えるものだった。

黒革製のボンデージ風コスチュームに身を包む女性は鼻から上を黒い猫耳の付きマスクで
隠していたがその顔は五和以外の何者でもない。
そして五和のボディーラインを隠すものはビキニ程度しかなく、その小さなブラは五和の
特大オレンジ並の豊満な胸をこれでもかと強調している。
さらに背中とお尻に付いた悪魔のような小さな羽と尻尾のオブジェがエロさを醸し出す。
小悪魔エロキャットの衝撃に上条は口をただパクパクさせることしかできなかった。

一方、それまでは低学年向けキャラクターショーにいやいや付き合わされている感じのあ
った男子高校生&中学生であったが、突然現れたちょっとエロッちい悪の女幹部に彼らの
テンション降下曲線は反転急上昇する。
「ハァッ!」という掛け声と共にその女幹部が舞台に飛び降りてきた時には会場内から
「「「おっおおぉぉぉぉーっ!」」」という野郎どもの野太い歓声が沸き上がったほどだ。

女幹部は舞台に刺さった海軍用船上槍(フリウリスピア)を引き抜くと穂先をカナミンに向けた。

「私の名はブラックキャット!学園都市に制裁を与えるためにやって来た。
 覚悟しなさい。カナミン!そして我が槍のサビとなりなさい!」

上条はこのエロっちい人物が五和であることを否定する材料がもはや一つも無くなったと
悟ると思わずため息を漏らしてしまった。

「ハァーッ、おっ、お前だけはまともだと信じていたのに………………」

上条のつぶやきが聞こえた女幹部(五和)は一瞬身体をビクッと震わせる。
そして小刻みに震えだした手でフリウリスピアを握り直すと消え入りそうな声で言葉を吐
き出す。

「私だって…………好きでこんな格好してる訳じゃありません」
「五和…………」
「いいんです。もう。どうせ私はこんな汚れ役がお似合いなんです。ふふっ
 うふっ、うふふふっ、ハハッ、はーっはっはっ──────っ!

とうとう何かを吹っ切ってしまった悪の女幹部(五和)は大声で戦闘開始を告げた。

「えぇぇ───い。こうなったら矢でも鉄砲でも持ってきなさい!
 誰だろうが私がギッタンギッタンに叩きのめしてあげます。さあ掛かってらっしゃい!」
「ええ!そうしてあげる!」

大見得を切る女幹部に応えたのはカナミンではなく舞台奥の王座に座るキツネの王妃だった。
王妃の右手が激しく放電したかと思うと斜め上方に目映い閃光が突き抜けた。
そして一瞬遅れて耳をつんざく爆音と衝撃波が舞台上を駆け抜ける。
突然の衝撃波にバランスを崩し掛けた女幹部であったがとっさに床にフリウリスピア突き刺して何とか凌いだ。
閃光が秋晴れの空に吸い込まれると静寂の戻った舞台上にキツネの王妃とウサギのお姫様
の声が響き渡る。

「ふふふっ、いつまでこんな着ぐるみの中で待機してなきゃいけないのかとムシャクシャ
 していたんだけど、これでもう思いっきり暴れても良いのよね」
「クラウンパレスの王妃と王女というのは世を忍ぶ仮の姿、その正体は学園都市の平和を
 守る『雷光の双子(ジェミニ)』!学園都市の平和を乱すつもりなら私達が許しません
 と『雷光の双子(ジェミニ)』は貴女に最後通告します」
「「とうっ!」」

掛け声と共に着ぐるみから二人の少女が飛び出した。
少女達はレオタード風ボディスーツとヘッドギアとバイザーを合わせたようなヘルメットを身に着けていた。
身体のラインが浮かび上がるレオタード風ボディスーツに沸き上がる客席の男子高校生&中学生。
しかも目元をバイザーで隠しているものの一目で美少女と分かる顔立ちに観客席はさらに
ヒートアップしていった。

428■■■■:2009/11/06(金) 22:24:27 ID:ZMD7QT9c
以上です。
注)途中に出てきたカナミンの魔法は適当な名前を付けています。
公式データではありません。
ちなみに続きの投下は、今ちょっと忙しくて来月になりそうです。
では。

429■■■■:2009/11/06(金) 22:36:05 ID:P.0ybTCI
来月か…頑張ってくださいね
五和・・・カワイソス

430■■■■:2009/11/06(金) 22:56:06 ID:wbWnAoZY
怪人コックローチンはコックローチドーパントの容姿だと幻視した

『コックローチ!』

431■■■■:2009/11/06(金) 23:53:41 ID:nzC4VdIg
GJ
姫神にヤンデレ属性が付与された模様です
しかし、この面々、ノリノリである(約1名除く)

が、このカオスなヒロインショー、スタッフに怒られそうで心配(笑)
…え? そもそものシナリオがこうなの?

432■■■■:2009/11/07(土) 03:00:02 ID:eLQIzcok
19巻はネタの宝庫ですな。
あわきんとかエツァリとか一方さんとか。

そして浜面、かみやん病がもう手遅れな程に進行してるぜ…
滝壺と絹旗だけかと思ってたら(ネタバレにつき略

433■■■■:2009/11/07(土) 05:29:18 ID:HS0Y.v.c
>>432

19巻は科学サイドだよ〜

434■■■■:2009/11/07(土) 14:40:29 ID:ZdbtZswI
>>433
既出

435■■■■:2009/11/07(土) 20:47:29 ID:hPGXC9ws
>>432
>>1

436■■■■:2009/11/07(土) 22:40:15 ID:6mb/zLcI
19巻いつ発売?

437■■■■:2009/11/07(土) 22:52:34 ID:uNAcoWiY
>>436
公式には11月10日だけど、大阪で今日買えたから、大きな書店では
すでに販売しているのでは?

438■■■■:2009/11/07(土) 23:34:06 ID:Nf/WkbD6
そろそろスレチだけど、
ttp://books.livedoor.com/item/3639566?iid=topnew
ここでは発売日:2009年11月06日になってるな

439■■■■:2009/11/07(土) 23:49:11 ID:wI4wmUGA
今日買って既に読了してるぜよ

10日が火曜で土日挟むから出荷早くて早売りなんだろうね

まさかあの人とあの人があんなことになってああいうことをするとは思わなんだ

440■■■■:2009/11/08(日) 00:02:44 ID:VawennvE
>>439
うぅぅ。都会がうらやましい。本屋に聞いたら早くて来週月曜入荷だと。
ああもう不幸だぁー!!!!!

441■■■■:2009/11/08(日) 00:18:09 ID:Sipt4ncY
公式には 11/10 なんだから、内容を話題にするのはやめようよ。

442■■■■:2009/11/08(日) 00:53:17 ID:xhlId6Zw
ネタバレスレのウラル持ってたら教えて欲しい

行き方忘れた

443■■■■:2009/11/08(日) 00:58:23 ID:IRWS2qG6
>>442
禁書板でググりゃあええがな。

444■■■■:2009/11/08(日) 11:31:47 ID:f9.7cpKo
平行世界の続きが読みたくて手が震えてきた・・・

445■■■■:2009/11/08(日) 15:55:16 ID:VawennvE
>>444
俺も同じだ。手どころか全身ががくがく言ってやがる。
早く、続きが読みたい。

446■■■■:2009/11/08(日) 17:56:44 ID:vZDdw516
>>440
都会じゃないとこでももう出てる @松江
案外小さい本屋が発売日無視してること多いよ

447■■■■:2009/11/08(日) 20:00:10 ID:m67Tel3k
俺はTSUTAYAで買ったぜ!

448■■■■:2009/11/08(日) 20:09:59 ID:q9sDdOfM
>>446
書店で11/6発売とpopに書かれてたぞ。

449■■■■:2009/11/08(日) 21:12:58 ID:xhlId6Zw
上条さん…アギト
一方さん…ギルス
はまづら…G3

450幻想作り:2009/11/08(日) 21:45:09 ID:5e0iRT56
【とある女達の最終兵器 予告編】
「おいおい・・・何でこんなことになってんだ!アル意味不幸だああああ
ああああああああああ!」
今上条の部屋にいるのは堕天子エロメイド、大精霊チラメイド、そして、
謎の猫耳ミニメイド!
三人のコスプレメイド達が交差する時、女達の戦いが始まる!!!!




できなかったらごめんなさい・・・。

451幻想作り:2009/11/08(日) 21:45:32 ID:5e0iRT56
【とある女達の最終兵器 予告編】
「おいおい・・・何でこんなことになってんだ!アル意味不幸だああああ
ああああああああああ!」
今上条の部屋にいるのは堕天子エロメイド、大精霊チラメイド、そして、
謎の猫耳ミニメイド!
三人のコスプレメイド達が交差する時、女達の戦いが始まる!!!!




できなかったらごめんなさい・・・。

452幻想作り:2009/11/08(日) 21:45:55 ID:5e0iRT56
【とある女達の最終兵器 予告編】
「おいおい・・・何でこんなことになってんだ!アル意味不幸だああああ
ああああああああああ!」
今上条の部屋にいるのは堕天子エロメイド、大精霊チラメイド、そして、
謎の猫耳ミニメイド!
三人のコスプレメイド達が交差する時、女達の戦いが始まる!!!!




できなかったらごめんなさい・・・。

453■■■■:2009/11/08(日) 22:23:16 ID:FBD2tcZE
何故に連続投稿?

454■■■■:2009/11/08(日) 22:41:22 ID:r.xPJpgQ
>>449
最終決戦で
浜面が「ただの無能力者だ!!」と言って
神の使いを圧倒するんですね、わかります。

455■■■■:2009/11/08(日) 22:43:25 ID:BmLjVS7I
sageろ

456■■■■:2009/11/09(月) 12:20:44 ID:yw9g7Ia2
スレ違いかもしれないんだが

ttp://579.blog.shinobi.jp/Entry/86/



ttp://de3gxz4s.blog100.fc2.com/

の一番新しいのだけど

これ同じ人?

457わたあめ:2009/11/09(月) 18:44:17 ID:n0FG9chM
投下します。
題はミニマム当麻です。

458ミニマム当麻:2009/11/09(月) 18:45:28 ID:n0FG9chM
「ふあーあ、もう朝か。」
ここは学園都市第七学区とあるマンションの一室である。
部屋の主上条当麻は眠たい目をこすりながら朝食の準備をしようと台所へと向かった。
「ん、なんだ?やけに周りが大きい気がするが。」
いつもは自分の腰のあたりまである風呂場のドアノブが自分の頭の上にあった。
しかし当麻は気にも留めず(ま、気のせいだろ。)で済ませていた。
「今日の朝食は昨日の余り物でいっか。お〜いインデックス!そろそろ起きろよ〜」
当麻は自分のベットに寝ているインデックスに声をかけたが全く起きる気配がない。
「じゃあ朝飯は俺だけで食っちまうか。」
「と、当麻!それはだめなんだよ!」
インデックスは朝食という単語を聞いた瞬間飛び起きてきた。
(こいつの頭の中は食い物だけか?)
そう考えていた上条さんを前にインデックスは顔を真っ赤にしながら何かを叫んでいた。
「と、とととうま。なんか変なんだよーーー!?」
「な、なんだよインデックスお前どっか調子悪いのか?」
「違うんだよ当麻!当麻の体がちっちゃくなってるんだよ!?」
当麻はそう指摘され初めて自分の姿を見た。
「な、なんじゃこりゃー!」
と昔のとあるドラマみたいなセリフを叫びながら洗面所へと走って行った。

459ミニマム当麻:2009/11/09(月) 18:46:00 ID:n0FG9chM
「なんだこれ!めちゃくちゃかわいい・・・じゃなくて!なんでこんなにちっちゃくなってんだーーー!?」
「当麻!とりあえず落ち着こう!昨日何か悪いものでも食べた?」
当麻はしばらく考えていたが結局思いつかなかったようだ。
「俺なんか悪いもんでも食ったか!?くそ昨日食べたのなんて目がついてる若干紫色のキノコだけじゃねえか!」
「それが悪いもんだよ!!」
インデックスに魂のツッコミを入れられた当麻は一瞬うっ!とひるんだが
「だってあのキノコ定価の90%オフだったんだぜ!これは買うしかないだろ!?」
「なんで当麻はそんな不幸の塊を買うのかなー。もう私は知らないかも。」
インデックスは呆れ果ててリビングへと戻って行った。
「あ!ちょっと待ってインデックスさん!お願いだから放っておかないでーーー!」
「スフィンクス〜今日は何して遊ぼうか?」
インデックスは無視してスフィンクスと遊んでいる。
当麻はどうしよう、どうしよーーう!と悶えている。
ふと時計を見た当麻は
「やべ!そろそろ学校行かないといけねーじゃん!くそ休みたいがこれ以上休むと留年しちまう。ああ〜もう不幸だ!」
そうして仕方なく学校へ行こうとしたがふと疑問に思った。
(制服どうしよう・・・)
そう思い制服を掛けてあるハンガーを見ると見事なほどに綺麗な当麻の学校の子供用の制服が掛けてあった。
「はあ!?何でちっちゃい制服が掛けてあるんだ!?」
もちろん筆者の仕業である。
「ああ〜もう!しゃあねえこの制服着ていくか!」
そして着替えを終わった当麻は学校へパン一枚食べながら走って行った。
「当麻!私の朝ごはんは!?」
インデックスが外に出たときにはもう当麻の姿はなかった。
「うがー!!と〜う〜ま〜!帰ってきたら覚えておくんだよ!!」

460わたあめ:2009/11/09(月) 18:48:46 ID:n0FG9chM
一応以上です。スレ一つでよかったかな?

461■■■■:2009/11/09(月) 19:10:31 ID:SVBKJ5ng
>>456
上のサイトの人のを下のサイトが盗作してる
下のサイトはそれ以外にもエロパロ保管庫からパクリまくってる

462■■■■:2009/11/09(月) 19:34:08 ID:waMuP8kk
>>461
それって24してもいいレヴェルじゃね?

463■■■■:2009/11/09(月) 20:36:06 ID:kocP0/3o
>>461
やっぱり下がパクリだったんだ
他のサイトからもやってるよね
リアなのかな…

464■■■■:2009/11/09(月) 21:00:28 ID:BxAicTys
>>460
続き期待

465幻想作り:2009/11/09(月) 22:27:24 ID:N2yX6EFw
すいません。こういうのは初なものでして…。
家庭の事情でしばらく投下できないかもしれないので、
本当にすいませんが、気長にお待ちください。
お願いします。

466■■■■:2009/11/09(月) 23:31:47 ID:waMuP8kk
sageろ
半年ROMって
スレの空気嫁

ネタバレが待ち遠しい

467■■■■:2009/11/10(火) 00:14:10 ID:4.TF6.rg
>>450 幻想作り氏
作者には悪いが、どことなく地雷臭がする
この僅かな文の中で誤字がゴロゴロしてるし、書き方も首をひねりたくなるし、
>>465だし(>>466参照)

>>460 わたあめ氏
投稿乙。続きに期待。…もしかして続かない?

が、書き方にはずいぶんとつつきがいのあるものが
禁書の呼び方:×「当麻」 ○「とうま」
 禁書が日本人の名前を口にする際は徹底してひらがなのみ
 他キャラでも特徴的な口調を間違うとファンが飛んでくるので気を付けて(違
・・・、ーー:「…」「――」使ってあげようよ
 …を・・・で代用すると間延びして見えるから好まれない
 前にこのスレ内で誰かが指摘していたね
目についた部分はこんなとこ
細かいところでも気を付けて仕上げると、よりいいものになるはず
長文失礼

468■■■■:2009/11/10(火) 02:38:34 ID:SIIsK/A.
うむ、悪いがまだ人に見せられる
レベルの代物じゃないね。

469わたあめ:2009/11/10(火) 08:23:32 ID:D4j6FNcE
>>464
>>467
とりあえず続きはあります。ご指摘の方はありがとうございました。
>>468
えっと、とりあえず私に対する書き込みですよね。
ご指摘をいただいたので続きはもう少しレベルを上げれるかなと思うので一応続きを見て下さい。ご指摘を下さると私は嬉しいですね。

470■■■■:2009/11/10(火) 10:30:51 ID:QxAjiQvU
>>469
私も続き期待します。
それで、私からもぶしつけながら指摘させて頂きますと、もう少し句読点――特に『読点』を使った方が読みやすいと思います。
文に勢いを表現したいのかもしれませんが、あまり長いとむしろだれた感じがします。
むしろ、効果的に読点を使う事によって生まれる『溜め』が、文章内の言葉の強弱や、繋がりを生んでくれます。
難しいかもしれませんが、どうぞご検討ください。
あと、>>468氏へのレス。
文章が文章なので、お気に触ったのかも知れませんが、もう少しやんわりと書いた方が良いと思いますよ。
最後の文、「ご指摘を下さると私は嬉しいですね。」などは、あなたの品位が明らかに下がって見えます。
>>468
内容も稚拙なら、文体も稚拙。
あなたのレスこそ、人に見せられるものではないと思います。
勉強して下さい。

471真理子:2009/11/10(火) 14:21:45 ID:STiEudC6
私のアソコを見てください…
ttp://p18.noneash.com/mrk/

472カルピス:2009/11/10(火) 21:51:18 ID:73VKkGHA
禁書目録19巻 十一月十日発売ってあったけど
八日にもう発売されてました・・・。
なんで?

473■■■■:2009/11/10(火) 21:57:11 ID:.NvnsCOQ
sageろよ
ちょっと上ROMればわかることを一々書くな

474■■■■:2009/11/10(火) 23:43:49 ID:02n55zRU
>>472
メール欄に半角入力でsageと入力
>>473
ROMの意味履き違えてるよな?
ttp://d.hatena.ne.jp/keyword/ROM

スレ汚しごめん

475■■■■:2009/11/11(水) 00:40:58 ID:.5wdGkWQ
>>474
別に似たような意味だし、こまけぇこたぁ

476■■■■:2009/11/11(水) 01:09:37 ID:zyBqSzd.
>>470
すげえイタい…

これも厨二病って言うのかな。

477■■■■:2009/11/11(水) 01:13:36 ID:MfA4h.72
安価つけてまでレスしちゃうほど痛いとは思わないな

478■■■■:2009/11/11(水) 04:16:13 ID:JwUh8AiM
>・・・、ーー:「…」「――」使ってあげようよ
>…を・・・で代用すると間延びして見えるから好まれない

こういうのってきまりがあるの?
好まれないっていうのは誰の好みなの?

479■■■■:2009/11/11(水) 05:22:18 ID:tDs866kE
>>478
・・・は本当は……だよね
とか言い出すときりがないけど
一応文章の記号には決まりはあるよ

480■■■■:2009/11/11(水) 09:13:49 ID:GfBicgYs
本当というか
出版業界の決まり

その決まりにそげぶするつもりならべつに好きに書いたらいい

481■■■■:2009/11/11(水) 09:14:31 ID:GfBicgYs
本当というか
出版業界の決まり

その決まりにそげぶするつもりならべつに好きに書いたらいい

482■■■■:2009/11/11(水) 14:59:23 ID:jVe85czE
突然ですまないが職人の方たちはどうやって作品を二つや三つのレスに分けてるの?
文字数とかを見て適当に区切ってるの?

483■■■■:2009/11/11(水) 19:11:50 ID:.5wdGkWQ
マルチ乙

484■■■■:2009/11/11(水) 22:16:50 ID:Bj9BiF.k
>>482
自分の場合はレス分けは文章をほぼ書き上げてから考えています。
1レスの文字数制限がおよそ1830文字前後なのでひとまとまりの
話の流れがそれに収まるように文章を構成し直しています。
少しはみ出そうな場合は文章を見直して少し短くしたり、2000文字
を超える場合はもう少し小ネタを入れて二つに分けたりしています。

485■■■■:2009/11/11(水) 22:36:41 ID:ZzB3K1j.
酔いどれやら看病やら平行世界やらみたい奴が多すぎる
みんなうまいよなぁ〜

486■■■■:2009/11/11(水) 23:07:20 ID:.5wdGkWQ
天才なんて一握りだよ
語彙力を高めたりするには読書、上手い台詞繋ぎには慣れが一番

487■■■■:2009/11/12(木) 00:02:09 ID:CqS6GuXE
並行世界の続き読みてぇ〜

488■■■■:2009/11/12(木) 00:04:17 ID:VnPP1I7o
人間爆弾も〜〜

489わたあめ:2009/11/12(木) 18:27:21 ID:sVjGkbl6
投下します。
土御門が当麻の後ろの席、青ピが前の席になっています。

490ミニマム当麻:2009/11/12(木) 18:28:51 ID:sVjGkbl6
学校に着いた当麻は、なるべく自分の姿を見せまいと裏口からこっそり靴箱へ行くことにした。
「まあ、靴箱にいる奴らには見つかるけど仕方ねえか。」
そう言いながら周りを警戒して、慎重に進んでいった。
靴箱に着いた当麻は、ふと疑問に思った。

(あれ?何で誰もいないんだ?)

靴箱には人が一人もいなかった。
いろいろと人がいない理由を考えていると、簡単な答えに辿りついた。
「は、8時40分だとぉぉおおおお!?」
時計はきっちり8時40分を指していた。
朝のHRが始まるのは8時30分からである。軽く10分オーバーだ。
しかし、いつもの当麻なら8時28分には学校に着いているはずだった。
なぜ、自分は遅れたのだろうか?などと考えていたが時間は待ってくれるはずがなく、いつの間にか8時45分になっていた。
「やべっ!早く教室行かねーと」
朝に引き続き、全力疾走である。

そして、クラスの前に着いたとき、朝のHRは終わって小萌先生のお話し中であった。
「せ、先生っ!遅れてすいません!」
当麻は、勢いよくドアをあけ遅れたことについて謝罪をした。
「またですか〜?上条ちゃん。先生は何回も遅刻をゆる」
小萌先生の説教が途中で止まったので小萌先生の方を見てみたら顔が青ざめている。
「こ、小萌先生?た、体調でも悪いんでせうか?」
そう言いながら周りを見てみたら、クラス全員の視線が当麻に集まっていた。
「な、なんですかぁ?皆さん私めに驚きや興味の視線を向けられて……」
「こ、これは夢ですね。きっと夢です。さあ、上条ちゃん早く席に着いてくださーい♪」
そういいながら、HRを再開しようとした小萌先生にクラスの皆が
「「「「いやっ!夢じゃないだろ!!」」」」
と、ツッコミを入れた。ツッコミを入れられた小萌先生は我に返り、また顔を青ざめながら当麻に質問をした。
「か、上条ちゃん!?どうしてちっちゃくなったんですか!?」
「いや〜、朝起きたらね、ちっこくなってたんですよ。ははは」
少々適当に質問に答えながら、当麻は、視線を体全体に受けながら、自分の席に着席した。
軽く言っているように見えるが、心臓は小学生の入学式のようにバック!バクである。
小萌先生は、当麻が軽く言ったので問題はあんまりないんだろう、と自分で自己解決をし、少し戸惑いながらもHRを再開した。

そして小萌先生の朝のHRが終わり、1時間目までの自由時間に当麻はクラスの皆(ほぼ女子)に囲まれていた。

「ねえ、ミニ上条君なんでそんなにちっちゃくなったの!?」
「きゃー!ミニ上条くんかわいぃぃいいいぃい!」
「か、ミニ上条君!私の弟になって!」
「うわぁ!ミニ上条君のほっぺぷにぷにー!

女子の間で当麻の名前はミニ上条になったようだ。
そんな感じで、端から見たらハーレム状態のミニ上条さんは迂闊にも女子という守りを捨てて外へ出てしまった。
これはチャンス!!と思った男子たちは、鬼の形相で臨戦体形に入った。
「上や〜ん?僕はちっちゃい子だって容赦せいへんで〜」
「己の罪を数えるんだにゃ〜、上やん」

さあ、皆の者武器を構えろぉぉおおぉお!

という土御門の合図で男子全員が武器を持つ。
「お、おいっ!ほうきとかならまだしも、シャーペンとかハサミとか持って、明らかに俺を殺す気だろ!?」
もちろん、そんな抗議を聴くはずもなく、土御門たちは、今まさに突撃しようとしていた。
そして、

「「突撃ぃぃいいぃいぃぃいいいい!!」」

土御門と青ピの掛け声により上条討伐ミッションが始まった。

491ミニマム当麻:2009/11/12(木) 18:29:46 ID:sVjGkbl6
しかし、ミニ上条の危機を感じた鉄壁の鎧(女子)が男子軍の前に立ち塞がる。
その突然の行動に男子軍は、勢いを失った。
そのスキを女子軍は狙い、男子軍を攻撃した。男子軍は、女子に手を上げられる訳がなく、なすすべもなく敗北した。
敗北した男子軍は皆同じことを思う。

(じょ、女子の体に触れた……。わが生涯に、一片の悔いなし!!)

さすがは、変態共の集まりである。しかし、次の休み時間にも男子軍と女子軍の戦争(男子軍が必ず負ける)が起きるのは、分かり切った事である。

時は飛んで放課後、鉄壁の女子の守りも無くなり、ノーガードになった当麻を狙う男子軍との命がけの鬼ごっこが始まった!
「くそっ!一体俺が何をしたってんだ!?」
絶賛逃走中の当麻は、そんなことを呟きながら校舎の中を、全力疾走していた。(本日3回目)
(あぁーもう!俺は全力少年か!)
そして、次の角を右に曲がった。すると、
「か〜みや〜ん?こっちは通れないぜい?」
土御門部隊が、待ち伏せしていた!
驚いた当麻は後ろへ逃げようとしたが、後ろには、すでに青髪ピアス部隊が追い付いていた。
「上や〜ん?堪忍し〜や〜?」
黒い笑いを浮かべながら、青ピ部隊と土御門部隊が迫ってくる。
「くそっ!逃げ道はないのか!?」
周りを見てみるが、唯一ある逃げ道は図書室だけである。
(ここは3階だから飛び降りて逃げる事はできない!くそっ!万事休すか!?)
そう思いながら半ば諦めてる当麻を前に、

「「敵は、図書室前にありぃぃいいぃいぃいい!!」」

などと明智光秀のような事を言いながらとどめさそうとした。
しかし、そこへ!
吹寄が図書室から出てきた。
「ん、何を貴様らはして……」
吹寄の言葉が止まったのは、青ピと土御門が、吹寄に抱きついているからである。
「にゃ、にゃ−。ふ、吹寄さん?勘違いしちゃいけませんよ?抱きつきたくて抱きついたわけではなくて」
「そ、そうやで。別に下心がある訳じゃ、ぐふぁ!」
青ピと土御門が、吹寄の高速のパンチで吹っ飛ばされた!
もちろん、それくらいで怒りが収まることもなく周りの男子を次々ノックダウンさせていく。
これをチャンスと見た当麻は
(よしっ!今のうちに、逃げる!!)
上条はこの騒ぎを利用して走って逃げた。
「ふ、吹寄さん!上やんが逃げますぜ!?」
「まてやぁぁああぁああ!上やぁぁああぁあん!」
「うるさい!あんなちっちゃくて、か、かわいいのを殴れる訳ないでしょ!!」

「「それは差別だぁぁああああぁあぁああ!!」」


男子軍の悲鳴を聞きながら、当麻は、静かに下校した。

492わたあめ:2009/11/12(木) 18:32:24 ID:sVjGkbl6
投下終了です。
次は街であの子達と会います。あの子達が誰か…わかりますよね?

493■■■■:2009/11/12(木) 21:14:21 ID:k/SVkkAk
乙!
面白いぜ!

494■■■■:2009/11/12(木) 21:14:25 ID:9O3wXfKk
>>492
GJ!!

495■■■■:2009/11/12(木) 22:26:57 ID:m2b03HhE
>>492
GJ!
ショタ上条さんがあわきんと出会ったらヤバそうですね(上条さんの貞操が)

496■■■■:2009/11/12(木) 22:43:07 ID:eeoYmU5g
マイナーなギャルゲーSS祭りを開催したいです。
マイナーなギャルゲーSS祭り!

1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 20本)
EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 20本
エーベルージュ 一話完結型の短編 20本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 20本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 20本
ダーク、18禁、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで20KB以下禁止、20KB〜45KB以内

2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/11/08

3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀SSサイト管理人に賞金10万円を授与します。

497■■■■:2009/11/12(木) 22:43:38 ID:eeoYmU5g
(1) 初恋ばれんたいん スペシャル
初恋ばれんたいん スペシャル PS版は あまりのテンポの悪さ,ロードは遅い(パラメーターが上がる度に、
いちいち読み込みに行くらしい・・・)のせいで、悪評が集中しました。ですが 初恋ばれんたいん スペシャル PC版は
テンポ,ロード問題が改善して 快適です。(初恋ばれんたいん スペシャル PC版 プレイをお勧めします!)
初恋ばれんたいん スペシャルは ゲームシステム的にはどうしようもない欠陥品だけど。
初恋ばれんたいん スペシャル のキャラ設定とか、イベント、ストーリーに素晴らしいだけにとても惜しいと思います。

(2) エーベルージュ
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。
前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。
(音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)

(3) センチメンタルグラフティ2
前作『センチメンタルグラフティ1』の主人公が交通事故で死亡したという設定で
センチメンタルグラフティ2の主人公と前作 センチメンタルグラフティ1の12人のヒロインたちとの感動的な話です
前作(センチメンタルグラフティ1)がなければ センチメンタルグラフティ2は『ONE〜輝く季節へ〜』の茜シナリオを
を軽くしのぐ名作なのではないかと思っております。 (システムはクソ、シナリオ回想モードプレイをおすすめします。)

(4) canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
個人的には 「呪い」 と「花言葉」 を組み合わせた百合奈 シナリオは canvas 最高と思います。

498■■■■:2009/11/12(木) 23:36:27 ID:bSKkYOU6
>>496
GJ!!

499■■■■:2009/11/13(金) 00:05:57 ID:m7M3tj3c
>>498のGJは>>496へのGJで合ってるんだよな。

500499:2009/11/13(金) 00:13:18 ID:m7M3tj3c
忘れてた。すいません、レスを無駄に使って                              >>492                                               GJです!!あの子『達』っていうのはヒントなのか〜ww

501■■■■:2009/11/13(金) 07:12:10 ID:rW.IonVw
>>492
ちょっと地の文が淡白な感じですが、セリフ回しが絶妙GJ!!
みんな生き生きしてますよ。
着実に上手くなってる氏に続きを超期待してます。

502■■■■:2009/11/13(金) 11:23:15 ID:gxiBWm1w
たまに通りすがるwiki編集人です。
wikiについて以下の作業をまとめて行いましたので、ご報告まで。

・PART6スレの>>491までの投下ログを格納
・短編まとめの単独まとめページを作成
・長編完結・打ち切り作品で単独まとめページがなかった分を作成

長編作品のまとめページは中身勝手にいじってくださいませ。
いい編集方法が思い当たりませんでしたので。。。

気が向いたら、次スレテンプレをいじってるかもしれません。それでは。

503■■■■:2009/11/13(金) 17:09:44 ID:uYFfjLHQ
結標の好きな人って誰?

504498:2009/11/13(金) 18:02:01 ID:vcmhTVdM
ミスです。
>>492でした。2と6間違えたOTL
無駄レスだけどちゃんとGJと言いたい。

505■■■■:2009/11/13(金) 19:29:21 ID:.fsYbqZA
>>503
ショタっ子

506■■■■:2009/11/13(金) 22:32:18 ID:UqDqD7is
>>503
上条さん

507■■■■:2009/11/13(金) 22:40:30 ID:T46qkuCc
>>503
一方通行ってミサカはミサカは悪乗りしてみたり

508■■■■:2009/11/13(金) 22:55:05 ID:m7M3tj3c
一方通行の口調って書くの難しくない?なんか決まりとかあるの?

509■■■■:2009/11/14(土) 00:20:11 ID:HrvQXrHw
>>508
wikiくらい見れや


  フコウダー ヘ(^o^)ヘ
        |∧
        /
マイニチマイニチ
フコウダー
         /
      (^o^)/
     /( )
    / / >

   (^o^) 三
   (\\ 三
   < \ 三
`\
(/o^)イイタイコトモイエナイ
( / コンナヨノナカ
/く フコウダーイ

\(^o^)/フコウダー!
/(^o^)\フコウダー!
\(^o^)/マキシマムフコウドライブ!
 \
\(^| /
   |^)/フコウダーエクストリーム

⊂⌒~⊃(、ン、)

510■■■■:2009/11/14(土) 14:35:14 ID:BxOqPWC2
>>492
GJ!

511toto ◆N7P8AZajuI:2009/11/15(日) 02:50:19 ID:cYt6J352
『並行世界(リアルワールド)』の続きを投稿します。

512『並行世界(リアルワールド)』:2009/11/15(日) 02:51:38 ID:cYt6J352
(二日目)15時26分


『魔神』の背後で、『騎士団長(ナイトリーダー)』は魔剣フルティングを振りかぶった。
四人の魔術師が作り出した、一瞬の機会。
「――ッ?!やめろ!」
オッレウスの声が届く前に、彼は剣を振り下ろし、

『騎士団長(ナイトリーダー)』の左肩から、バッサリと肉が裂けた。

血飛沫が宙を舞う。
在り得ない光景に、ウィリアム=オルウェルは絶句した。
「なっ!?」
『騎士団長(ナイトリーダー)』が『竜王(ドラゴン)』を斬りつけた。しかし、斬撃を受けたのは、ほかならぬ本人だった。
「『竜王の鱗(ドラゴンアーマー)』…」
オッレウスは独白する。
「人に神を触れることは出来ない。そして、神を傷つける者には相応の罰が与えられる。神に与えたようとした傷が、そのまま自分に跳ね返る能力。それこそが『竜王の鱗(ドラゴンアーマー)』…『神に近づく者(イカロス)』を名乗るこの俺が持っていたチカラだ」
宙に体を浮かべたまま、『魔神』は笑う。
未だに何が起こったか把握できないでいる『騎士団長(ナイトリーダー)』の表情を見ながら、右手を突きだした。そして、
「『現実守護(リアルディフェンダー)』を解放する」
『魔神』のワイシャツの右腕の袖がはじけ飛んだ。上条当麻が有する『消滅』の能力を発揮し、

『騎士団長(ナイトリーダー)』の右足を消し飛ばした。

513『並行世界(リアルワールド)』:2009/11/15(日) 02:52:29 ID:cYt6J352
 一瞬だった。
気づけば、周囲の大気ごと消滅させられた。
「ぐっがあああああああああああああああっ!!」
 激痛が襲う。
 チッ、と舌打ちするとオッレウスは右手で『何か』を手繰り寄せるように腕を上げた。
 胸に斬撃を負い、右足を失った『騎士団長(ナイトリーダー)』が、物理的に有り得ない軌道を描いて、戦場の遥か遠くに飛ばされた。
ギチギチと、アスファルト魔剣フルティングで削りながら体の衝撃を殺すが、途中で剣から手を離し、無様に転がっていった。
『騎士団長(ナイトリーダー)』は戦闘不能となった。
だが、他の魔術師たちは、負傷した彼に声をかけるどころか、見向きもしない。
単独の魔術師同士の戦いにおいて、仲間の負傷に気を取られた者は、死が待ち受けている。 
『騎士団長(ナイトリーダー)』も魔術師たちもそれを理解していた。
そして、『魔神』がそれをさせない。
「っがッはァア!!」
「貴様の『北欧王座(フリズスキャルヴ)』も、余の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の前では無力だ」
オッレウスの腹部に、『魔神』の拳が突き刺さる。
人ならざる強烈なパンチ力に、オッレウスは口から血を吐きながらも、『北欧王座(フリズスキャルヴ)』を用い、『魔神』の背後にある、ウィリアムが所持していたメイスを動かした。
それだけはない。数本の蛍光灯が飴細工のように曲がり、らせん状の槍が形成された。銃弾と変わらない速度で、『魔神』に襲いかかった。
「――『竜王の翼(ドラゴンウイング)』」
『魔神』の背後が真っ白に塗り潰された。
ドバァア!!という轟音が鳴り響く。
その光景に一瞬呆けていたオッレウスは事態を察知し、『魔神』と距離を取った。
彼は血に塗れた口を拭いながら、
「…ごほ、ごほっ…本当に…強いね、君は」
太陽の光を遮っていた高層ビルが一瞬で消滅したことで、オッレウスの周囲がオレンジ色に照らされた。一二〇メートルを超える高層ビルは、2階から上が綺麗に消滅していた。彼が引き寄せていた鉄くずと一緒に、『竜王の翼』に跡形も無く吹き飛ばされていた。『魔神』は何の感情も表情に出さず、
「貴様は弱すぎる」
侮蔑の声と共に、強烈な蹴りがオッレウスの腹に入れられた。一〇メートル以上もオッレウスの体が宙を浮いた。肺から酸素を全て吐きだし、受け身も取れず、瓦礫の山に叩きつけられた。 
『魔神』は左手をかざす。
 一瞬で、大気が消滅する。
 バオワッ!という轟音が鳴り響き、発生した真空状態の空間に大気が収束する。
ウィリアム=オルウェルが大剣アスカロンを構え、その風圧を防ぐが、バキィ!と『魔神』が大剣アスカロンごと殴り壊した。ガラスが割れるように、崩れ去る大剣。その様を目に捉えることなく、ウィリアム=オルウェルの眼前に――
『Dios guarda llama de la fuego del infierno!』
(神よ!業火をその身に与えよ!)
『魔神』に、一〇を越える火球が直撃した。
 アスファルトやコンクリートが溶け、『魔女狩りの王(インノケンティウス)』すら焼き尽くす炎が『魔神』を呑み込む。
 だが、上条当麻の持つ『幻想殺し(イマジンブレイカー)』には、神のチカラすら、意味をなさない。炎を打ち消され、『魔神』の姿を捉えたバードウェイは、
「―――――っ!!」
バードウェイは思わず息を飲んだ。
『破滅の杖(レーヴァテイン)』を要した炎の魔術が打ち消されたことではない。
彼女の視線の先にあるものは、人ならざる『魔神』の真紅の瞳。
(やばいな。すでに、ドラゴンの覚醒が始まっているではないか…)
バードウェイは内心で舌打ちした。彼女が杖を黒髪の少年に向けると、『ドラゴン』の紅い瞳が、バードウェイを捉える。
『Dios guarda llama de la salud del ――』
(神よ!業火をその身に与え――)
彼女は詠唱を途中で破棄した。
 なぜなら、その方角に『ドラゴン』の姿が無かったのだから。
何処に?という思考が浮かぶ前に、その疑問は解決した。


『ドラゴン』はバードウェイの背後に『在(い)』た。

514『並行世界(リアルワールド)』:2009/11/15(日) 02:53:14 ID:cYt6J352
トンッ…と、『魔神』は彼女の背中を押した。
たったそれだけでバードウェイは意識を失い、両足から力が抜ける。
彼女が被っていた黒いベレー帽が地に落ち、『魔神』はそれを踏みにじる。倒れそうになったバードウェイを『魔神』は抱きかかえた。
 ニヤリと笑う『魔神』の背中から、再び『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』が出現した。
 禍々しく鋭利な爪の指先から伸びる白い糸が、バードウェイの体と繋がる。蜘蛛の糸のように白い糸は本数を増し、彼女の全身を包み込んでいった。
 オッレウスは口に溜まった血を吐きだすと、
「ま、まずい!バードウェイも天使にされてしまう!」
彼は痛む腹部を押さえながら、走りだした。
 『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』の能力は『万物を操る』能力(チカラ)。
 錬金術のように、変哲もない石を金に作りかえることも、『心理掌握(メンタルアウト)』のように他者の思考を操ることも、『御使堕し(エンゼルフォール)』のように、人を天使に変えることも可能である。竜王の腕は、まさに『神の手』と同義の能力を所有している。
「うおおおおおおおおッ!」
『魔神』の意図に気づいたウィリアム=オルウェルは、空中を突進するように『魔神』に接近し、ブチブチィ!と『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』の指ごと引き千切った。
繭のように全身を包み込まれたバードウェイが『魔神』の手から離れ、『北欧王座(フリズスキャルヴ)』の見えない手が彼女をオッレウスの元に引き寄せた。彼は急いで、腰にあるナポレオンダガーでザクザクと繭を斬り裂いた。虚ろな目をしているバードウェイの素顔が糸に絡みついたまま現れた。
「おいっ!気は確かか!」
「……うぐっ…あ、あがっ!…いぎぎぎぎぎギッ!…や、やめろォォオオ!ち、ちが、違うっ!わ、私はァアア!…あああああ!!」
意識を取り戻したかと思われたが、目を開くなり、バードウェイは苦しみだした。いつも冷静沈着な彼女の風体からは想像できない程、半狂乱の状態に陥っていた。オッレウスは声を張り上げる。
「君は『明け色の陽射し』のボスなんだろ!?しっかりしろ!」
「や、やめてくれぇ!私を見るなァアア!見ないでくれ!ち、違うぅう…私はそんなことを、望んでいない…や、やめてぇええ…私の心を、見ないでええええ!」
手足を大きく動かし、瞳孔が半開きになっていた。彼女は赤子のように泣きじゃくっていた。ブロンドの長い髪が頭の動きに合わせ乱れる。彼女の黒のマントが、砂と土に汚れていく。
バードウェイは戦闘不能だ。
天使になることは免れたものの、彼女の精神がズタズタに凌辱された。
「shit(くそっ)!」
オッレウスが悔しさを込めて、地面を叩きつけた。それと同時に、彼がいる瓦礫の山が軽く揺れた。
「!?」
彼の拳の衝撃で揺れたわけではない。
オッレウスの目下で、ウィリアム=オルウェルの巨体が叩きつけられたからだ。
「がばっ!」
 ウィリアム=オルウェルの周囲に粉塵が舞う。
ガラガラと崩れ落ちる瓦礫と共に、『魔神』が砂利をゆっくりと踏みしめる音が響く。ウィリアム=オルウェルは血で濡れた口元を拭うと、痛みに打ちひしがれる事なく、
「Viento. Me vuelvo mi escudo y me vuelvo el colmillo――」
(我が名において力を持つ風の天使よ。私の盾となり刃となれ――)
短縮された詠唱で、風の護符を発現させた。聖人であるがゆえに、人間が使う魔術は扱えない。『聖痕(スティグマ)』を発動させ、人を越えた力を所持しているとしても、メイスとアスカロンを失った今、『魔神』に対抗できる武装は魔術だけだった。
その魔術ですら、彼の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の前では意味を成さない事を知っているとしても、ウィリアム=オルウェルの戦士としての姿勢が揺らぐことは無い。
(―――本当に、厄介な男である)
彼の鋭い眼光の先にいる者は、かつて、拳を交えた敵であり、現在は同志として肩を並べる男。
彼は、どんな絶望的な窮地に立たされようとも、己の未来と正義を切り開いてきた。多くの命を救い、幾多の戦場を駆け抜け、人々に希望を与えた。
そして、人一倍正義感の強く、どこにでもいるような少年は、やがて、世界の命運すら左右しかねない程の存在へと成長した。
それが世界の英雄、上条当麻である。

515『並行世界(リアルワールド)』:2009/11/15(日) 02:54:12 ID:cYt6J352
高層都市が瓦礫の山と化し、灰色の粉塵が舞い、少女の叫び声が鳴り響く中、
「弱さとは、罪だな。聖人」
英雄の声で雄弁と語る少年は、上条当麻ではない。 
彼の身体を乗っ取った『魔神』。
『ドラゴン』。
 真紅の瞳は、まっすぐとウィリアム=オルウェルを見つめた。
「…だからと言って、神であるお前が人間を見下す理由にはならないのである」
腰を下ろし、拳を構えた。
 ギュンッ!と腕と脚部に纏う風が、勢いを増した。竜巻のような風が、ウィリアム=オルウェルの体を包む。
「抜かせ。それは余が決めることだ」
ウィリアム=オルウェルは大地を蹴った。
足元の瓦礫は爆発し、『魔神』との距離をゼロにする。
風の魔術と『聖痕(スティグマ)』で増した聖人の拳。
衝撃は数十トンに及び、列車の一車両を吹き飛ばすほどの威力を持つ。
 『魔神』は何の構えも無く、
「っ!?」
ドゴォオッ!という鈍い音が鳴り響いた。
パンチの衝撃と、風の魔術で引き起こされた強烈な爆風が、周囲の破片を撒き散らす。ウィリアム=オルウェルは確かな手ごたえを感じた。次の瞬間、生温かい液体が頬を濡らした。
(――やったか!?)
拳を捻り、ゴキゴキと体内の肋骨をねじ折った感触がした。骨の鋭い先端が内部の臓物を傷付け、完全治癒が困難な状態まで悪化させる殺人拳。通常の人間であれば、聖人のパンチを腹部に受けただけで、内臓を突き破り背骨に到達する。
幾ら鍛えていたとしても、内臓をグチャグチャにされた激痛を耐えるほどの訓練を積む人間など存在しない。
また、温かいモノが顔にかかる。
 ウィリアム=オルウェルの視界がゆっくりと鮮明になってきた。
 眼前には、赤く染まるシャツ。
 顔を濡らす液体は口からボタボタとあふれ出す血。
 

血塗れになったオッレウスの姿がそこにあった。


「な……に……?」 
ウィリアム=オルウェルは目を見開き、言葉を失った。
「ぐぅ……おえぇう……かひゃ…」
 『魔神』は、右手でオッレウスの体を持ち上げていた。
オッレウスのシャツの腹部あたりが赤く血に染まり、彼の口からは大量の血が零れ落ちている。ウィリアム=オルウェルは無意識にその場から退き、『魔神』はオッレウスの頭から手を離すと、
「く、くっくくくく…ぶわっはっはっはっはぁ!!」
オッレウスは力なくその場に倒れ込んだ。口に血が溢れているため、叫び声を出来ず、途切れ途切れの声を発していた。瀕死の状態に陥った彼を見ることなく、『魔神』はウィリアム=オルウェルに近づいていった。ぺろりと、頬についたオッレウスの血を舐めると、
「お前は知らなかっただろう?余の『竜王の脚(ドラゴンソニック)』のチカラを」
「ッ!?」
『魔神』と同じく、オッレウスの血で顔と拳を濡らしたウィリアム=オルウェルは、仲間を攻撃した事に動揺を隠せずにいた。
「分かりやすく言うなら、『空間転移(テレポート)』と似たようなものでな。オッレウスの肉体を余のところに置き、盾となってもらっただけだ」
まるで遊戯を楽しむように笑う『魔神』の表情と、その辛辣な言葉にウィリアム=オルウェルは冷静さを失った。
「きっ…貴っ様ァァアアアあああああああああ!!」
風の魔術を纏った拳は空を切る。
ウィリアム=オルウェルの背後で、『魔神』は語る。
「余の『竜王の脚(ドラゴンソニック)』は――」
バゴォッ!と振りかえったウィリアム=オルウェルが放った拳が地面に突き刺さり、アスファルトの道路が抉れた。
「余の望むままに、かの地へ辿りつくことができる。余の歩む道に、『距離』も『空間』も無い。そして――」
ウィリアム=オルウェルの拳が、『魔神』の頭部を捉えた。


「『時間』すらも―――」


『魔神』に触れた途端、ウィリアム=オルウェルの腕が『消滅』した。
彼の体は右腕から消滅を始め、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』のリミッター外した上条当麻の能力である『消滅』が、ウィリアム=オルウェルの身体を肉片も骨片も残さず消え去って―――――

516『並行世界(リアルワールド)』:2009/11/15(日) 02:56:03 ID:cYt6J352







彼の手には、全長五メートルを超える『金属棍棒(メイス)』があった。
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――はっ…?」
ウィリアム=オルウェルは左肩にかかる重量感と眼前の光景に、目を疑った。
「何を呆けている、ウィリアム。死にたいのか?」
彼の隣には、右足を失ったはずの『騎士団長(ナイトリーダー)』が両足で立っていた。
折れた信号機の上には、
「『天使』に『竜王(ドラゴン)』…まるでおとぎ話を見ているようだね」
内臓をグチャグチャにされ、口が聞けない程の重傷を負ったはずのオッレウスが無傷でその場に座っている。
「『天使』一人あたりに、幾らふっかけようか。それとも時間制で請求するかな?」
精神崩壊を起こしているはずのバードウェイが、年齢不相応な不敵な笑顔で『魔神』を見ていた。黒のベレー帽と黒マントには、汚れ一つ付着していない。
ウィリアム=オルウェルは、胸に手を当て、周囲を確認した。
傷一つ付いていない。
彼は、眼前を見る。
そこには上条当麻の姿をした『魔神』が宙に浮いていた。
不敵な笑顔と、真紅の瞳で。
 ウィリアム=オルウェルは、思わず言葉を零した。


「――――――『天使』など、何処にいるのであるか?」


「…何を言っている?『天使』は上条当麻の……」
『騎士団長(ナイトリーダー)』の言葉は、そこで止まった。
彼だけでは無かった。オッレウスもバードウェイも言葉を失った。
いない。
眼前には、『魔神』のみ。
一瞬にして、四人に戦慄が走った。
「来るぞ!」
オッレウスたちは構えるが、ウィリアム=オルウェルだけが反応できなかった。ただただ、『魔神』の紅い瞳に吸い込まれるように、彼を見つめていた。
幾ら待っても、『天使』はこの四人を襲ってこない。
当然だ。
何故なら、シルビアとステイル=マグヌスが『天使』の相手をしているのだから。
ニヤアァ、と上条当麻らしからぬ不気味な笑顔で『魔神』は言った。真紅の瞳が、ウィリアム=オルウェルを射抜く。


「『理解(わか)』ったか?―――――――これが余の『竜王の脚(ドラゴンソニック)』だ」


その言葉に、ウィリアム=オルウェルは、手から『金属棍棒(メイス)』を落とした。ドスン、とアスファルトの地面に、鈍い音が鳴り響いた。

517toto ◆N7P8AZajuI:2009/11/15(日) 03:08:29 ID:cYt6J352
投下終了です。
すいません。今日中に「とある少女の騒動日記」の完結編を投下するつもりだったのですが、文章が入っているUSBメモリが行方不明になってしまいました。
今、探していますので、少なくとも一週間以内には投下できると思います。

19巻で「ドラゴン」の正体が判明しましたね。
ドラゴンって『グループ』と同じような非公開組織かと思ってましたww
ちょっとかすってたならなぁ、と淡い期待もしていましたが、見事にはずされちゃったなぁ…グスン。
この作品はオリジナル度がハンパじゃないので(今更ですが…)、『とある魔術』の別モノとして楽しんでくれればと思います。
一応、年内に終わらせるつもりなので、このつたないSSを見てくれている皆さん、最後までお付き合いお願いします。
ではでは。

518■■■■:2009/11/15(日) 04:50:56 ID:fWBfm4dI
乙。面白かったよ

519■■■■:2009/11/15(日) 10:28:54 ID:WZ7wjvPg
GJ!
ドラゴンの強さが凶悪チートだな
原作『ドラゴン』もこのくらいチートなのかね……

520■■■■:2009/11/15(日) 11:26:22 ID:Z8buKsbM
GJ!!
一つだけ言いたい事があンだけどよォ!  オッレルスなンじゃねェのか?

521■■■■:2009/11/15(日) 12:54:22 ID:IF/lj77A
ふぅ・・・
今日読めたからしばらく手の震えが止まるわ

並行世界の続きお待ちしてます

522■■■■:2009/11/15(日) 13:14:20 ID:QHCvhsWA
今月中には読みたい・・ >並行世界

523■■■■:2009/11/15(日) 13:26:19 ID:4Svp.iZ.
そういえばwikiで酔いどれのやつ続きがあるけど更新されてなかったな

並行世界楽しみです!期待してます

524■■■■:2009/11/15(日) 20:31:33 ID:sc7LXeC6
並行最高!!GJ

525■■■■:2009/11/15(日) 20:58:09 ID:.pErc4nc
きゃ〜!並行世界来た!

526■■■■:2009/11/15(日) 21:10:19 ID:zPyp0Y1g
お疲れ様です。
厨二病的強さは最高だwwwww


とある常盤台嬢の恋愛競争の更新、何年後でもいいのでいつかぜひお願いします。

527■■■■:2009/11/15(日) 23:01:32 ID:IobV4mGI
こっちのドラゴンは厨二的な強さだが
原作のドラゴンは反則的な強さだったなあ。
アレ、どう対処するんだ。

ところでこっちは浜面の出番ないのかな。

528■■■■:2009/11/15(日) 23:59:55 ID:C5oXyXFM
並行GJ!!

だが他の■■■■共はだめだな。
くだらねー

ROMっていただきたい。
つーかROMれ!!!

並行サイコーです。

529■■■■:2009/11/16(月) 00:04:16 ID:dx.Ki/Bo
sage

530■■■■:2009/11/16(月) 00:04:25 ID:tfZI41SQ
今更だけど、
「ファミレスの飯は冷凍食品やフリーズドライのオンパレードで不味い」
的なことを言ってるグルメ?な一方さんに
気に入る缶コーヒーなんてあるの?
しかも、学園都市で。

531■■■■:2009/11/16(月) 00:06:09 ID:dx.Ki/Bo
>>528
おい、誰だ貴様!!
俺たちバカにしてんじゃねーだろな、このヤロー!!

すまん、暴走してもた。

532■■■■:2009/11/16(月) 00:08:37 ID:dx.Ki/Bo
>>530
そもそも学園都市に缶コーヒーなんて売ってんの?
ここが気になる。
実験用の変なドリンクしかないっていうけど

533■■■■:2009/11/16(月) 00:19:49 ID:HFcJZuKM
>>532
あるから缶コーヒー飲むんだろ

全部が全部実験品の危険物だったら儲け的にはまずいだろうがそこは学園都市

普通の飲み物くらいあるだろじょしこうせい


こっちもエロパロに似てきたな
雑談多いし

534『幻想殺し上条当麻RX』:2009/11/16(月) 01:27:32 ID:HFcJZuKM
wake up!

光のオーロラ
身に纏い
君は戦う人になれ

傷付くことは
恐れない
心に眠る闘士よ

wake up!
the HERO
右手には
誰かを護る力
掴んで
wake up!
the HERO
幻想よ
愛に勇気にを与えてくれ

イマジンブレイカー!
黒い頭
イマジンブレイカー!
白Yシャツ
イマジンブレイカー!
上条!当麻!



思いつきでやった
最早上条さんがRXキックやリボルケインを振り回すシーンがエンドレスリピートされる

535■■■■:2009/11/16(月) 01:29:12 ID:HFcJZuKM
×勇気にを
○勇気を

536ぬるぽ ◆NURUPO/D0I:2009/11/17(火) 01:29:06 ID:dEgK.A7c
小ネタ
『もし土御門が愛に散るならば…』

 馬鹿野郎、上条は涙声で呟いた。
 目の前には友人であり、かけがえのない仲間、土御門元春が息も絶え絶えに倒れていた。

「にゃー、カミやん。ちょっと無理しちまったんだぜい」

 しかし、そんな状態にも関わらず飄々と喋る彼の肉体は今にも崩れ落ちてもおかしくないくらいに、ボロボロだった。

「土御門……話すな…話さなくていい…!」

 霞む視界。
 上条は引きつりそうな喉でやっと声を出している。

「敵の数はまだ多い…。だが勝ち目が無いってわけじゃあない。どんなに余裕綽々だろうが、隙は必ずある。そこを叩け、カミやん」

 本来は魔術師である土御門が、能力者になるということは、魔術を使えば即死の場合もあり得る体でもあった。それでも彼は愛に生きた。

 例えその身が砕け散ることになっても。
 例え愛する者を欺いてでも、守りたい世界があったのだ。

「カミやん。最後に俺の願いを聞いてくれるかにゃー?」
「…ああ。何でも聞く」
「そうか…。…舞夏に伝えてくれ…馬鹿兄貴はいつでもどこでもお前を見守り続ける、って…ぐっ…」
「土御門!」

 崩壊を迎える肉体。
 威力は高いが、対価は自らの肉体の最高位魔術を使用した土御門。

537ぬるぽ ◆NURUPO/D0I:2009/11/17(火) 01:31:34 ID:dEgK.A7c

「必ず伝える!だから…もう話さなくていい…話さないでくれ……」

 上条の瞳から涙が零れ落ちた。

「泣くな、カミやん。お前は『幻想殺し』だろう?…もしかしたら『このふざけた世界の時間』をぶち壊すことも出来るかもにゃー…。…そろそろ、あばよ…カミやん」

 静かに、土御門元春は逝った。右手でサムズアップをしながら。

「…土御門」

 上条は天を見た。
 そびえ立つ黄金の城。そこに討つべき敵がいる。

「………、」

 上条は振り返らない。彼の拳に宿る勇気の炎が、燃え盛るーーー。



 魔術師であり、能力者である土御門は、舞夏の住む世界を守る為に、命を懸けて彼は散っていった。


思いつきです、すんません

538ふね:2009/11/17(火) 16:20:01 ID:SWRrp0S2
19巻って上条も美琴もでなかったな

539■■■■:2009/11/17(火) 16:22:06 ID:zUQIp0vE
上条は最後に姿だけ出たよ

無駄レスすまん

540■■■■:2009/11/17(火) 18:15:15 ID:vYV.NWCQ
>>538
E-mailの枠にに半角でsageだよ。わかったかい?
次はいくら僕の『冥土返し』でも治せないからね。

541■■■■:2009/11/17(火) 19:28:41 ID:3thlINag
マイナーなギャルゲーSS祭り!変更事項!

1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 10本)

EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 10本
エーベルージュ 一話完結型の短編 10本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 10本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 10本

BL、GL、ダーク、18禁、バトル、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで15KB以下禁止

2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/12/07

3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀TOP3SSサイト管理人に賞金を授与します。

1位 10万円
2位 5万円
3位 3万円

542■■■■:2009/11/17(火) 22:03:15 ID:IpERV4Aw
>>541
ま た お 前 か

科が違うので、他所行ってくださいねー
そして、スレタイ読めないならもう来ないでねー
はい、次の人ー

543■■■■:2009/11/18(水) 17:19:19 ID:GtTKvvFo
てすと

544■■■■:2009/11/18(水) 22:15:10 ID:dWLIaFL6
何のテストだよ。ついでにテストのために使うんじゃない。

545■■■■:2009/11/19(木) 19:14:01 ID:OGSDIHMc
窓の無いビルは宇宙線、放射線を通さないんだよな

だがゲッター線はどうなんだろうか

546■■■■:2009/11/19(木) 20:48:13 ID:oKOYEpkQ
>>545
ゲッター線とは何ぞや?

547デレデレテレポーター 1/5:2009/11/20(金) 00:15:05 ID:xblUi4qA
上条×黒子モノを投下しやす



 時刻は昼下がり。
 本日も快晴一番。実に晴天。晴天を反対にすれば天晴れ、まさに天晴れな太陽の光が暖かな日差しが心地よかった。

「ふわあぁ…」

 大きな欠伸をして、涙が浮かべたのは、純情派高校生上条当麻。土曜日の今日は宛もなくふらふらと学園都市を歩いていた。

「当麻さーん!」

 ふと、聞き慣れた声がして、上条は辺りを見回し、手を振ってこちらを見つめるその主を、微笑みながら名前を呼んだ。


「黒子」

 上条の視線の先には、常盤台中学の制服に身を包んだ、白井黒子の姿があった。名を呼ばれ、黒子は上条の元へと走り出す。

「当麻さん!」
「おわっ!空間移動で抱き付くのは危ないからやめなさい」

 ある程度二人には距離があったものの、黒子は能力で跳躍し、上条に思い切り飛びついたのだ。

「むー、すぐにでも当麻さんに触れたかったんですもの…」
「んなことしなくても抱き締めてやるから」

 首に腕を回し、足を腰に絡めたまま、悲しげな瞳で上条を見る。そんな反応をモロ受けした上条は、たじたじの様子で溜め息を吐いた。

「今日はどこに行きたいんだ?」
「当麻さんと一緒ならどこでもいいですわ」
「そんなこと言われましても……」

548デレデレテレポーター 2/5:2009/11/20(金) 00:15:26 ID:xblUi4qA

 行く宛もなくふらついていた上条にその返し方はなんの解決にもならぬのだが。

「クレープでも食べようぜ。すぐそこにあるからさ」
「はいですわ」

 苦し紛れに視界に入ったクレープ屋台を見つけた上条の言葉に従い、歩きやすいように黒子は一旦離れたが、再び腕に抱き付いた。

(あ、当たってるんデスガ…不幸だ…)

 微かにわかる柔らかな感触に、上条は意識をがっつり持っていかれそうになるが、根性で耐える。

「当麻さん」
「どうした?」

 甘えた声で呼ばれ、更に意識が危ない方にぶっ飛びそうになるが、なんとか制御する。

「ふふ、呼んだだけですわ」
「っ!」

 可愛らしい笑顔を向けてくる黒子に、もう既に上条は限界を迎えようとしていたが、頑張って屋台まで辿り着いた。

(なんか微笑ましい瞳で見られてる…)

 屋台の店主の笑顔が眩しく感じる上条は、腕の黒子の感触を気力で削ぎ落とし、注文した。



「美味いな」
「ええ」

 ベンチに寄り添って座る二人。若干増量気味のクレープを食べながら、上条は天を仰ぎ見た。

549デレデレテレポーター 3/5:2009/11/20(金) 00:15:47 ID:xblUi4qA
 何かしら事件が起きる度に走り回って傷付く上条。毎度お馴染み病院から中継です、的なことはデフォルトになってかなり経つが、変わった点がある。
 それは今、隣でクレープを頬張る黒子の存在が証明していた。

「くっついてるぞ」
「あ……」

 その黒子の唇の横に生クリームが付いてるのを見つけ、上条は取ってやる。
 顔を近づけ、舌で舐め取った。

「とっ、当麻さん!?」
「んー?どうしたー?」

 上条は悪戯に笑う。
 唇と唇が触れたのがわかったが、むしろそれを狙ったのだ。
 頬を朱に染めて、黒子は突然のことにオーバーフロウしている。

「可愛いぞ、黒子」
「ーーーっ!」

 追撃。ツインテールが揺れる。

(あの時)

 満身創痍で強大な能力者に立ち向かって行った黒子。最早これまでのところを間一髪で援護したのは、やはり上条だった。協力して、なんとか撃退することが出来たが、結果二人は共にボロボロになってしまった。

「卑怯ですわ!」
「たまにはこういうのも良いだろ?」
「……そうですわね」

 ザクロのように真っ赤にした顔を背け、呟く姿に上条の胸の奥がこそばゆさを覚えた。

550デレデレテレポーター 4/5:2009/11/20(金) 00:16:06 ID:xblUi4qA
(病室が隣で、よく遊びに行ったり来たりしたな……)

 入院中は暇で、時間さえあれば二人は話をしていた。そして、退院までの最後の三日位に至ってはカエル顔の医者が配慮してくれて特別に同部屋になった。
 一口、クレープを口に運ぶ。その際、黒子を見たが、嬉しそうなのか喜んでいるのか、上条にはわからなかった。

「黒子」
「はい?」
「……、」
「?…んっ…!?」

 クレープの口移し。
 どっかのシスコン軍曹はグロテスクと言っていたが、確かにそうかもしれない、と上条は思った。

「んぐ…。きょ、今日の当麻さんは激しいですわ……」
「優しさよりも激しさが大事な時もあるものさ」

 退院してからもよく交流するようになり、幾度かデート紛いのことや、風紀委員の仕事を手伝ってみたり、と。

(初めてのキスは冷たい小豆の味だったっけ)

 どちらともなく打ち明けた互いの愛という気持ち。其処からはもう早かった。何がというのは禁則事項。
 ふと、ひとつ風が吹いて、静寂が訪れる。

「当麻さん」
「なんだ?」

 名を呼ばれて記憶(かこ)を思い返していた上条の意識が、現在(いま)に戻る。

「大好きです」
「俺もだ。愛してる」

551デレデレテレポーター 5/5:2009/11/20(金) 00:16:25 ID:xblUi4qA
 ただひたすらに守りたいと、護りたいと願う少女が目の前にいる。手伝いとは名目上で、共に戦場を駆け背中を預けあう現在進行形の戦友とも言える。

「………、」
「……ん」

 そっと、唇と唇が触れ、穏やかな瞳で見つめ合う。
 たった一度与えられた命はチャンスだから。守りたいと願う大切な人の未来気付いた瞬間から、全ては変わった。

「わたくし、どこまでも着いていきますわ」
「…ある意味茨の道だぞ?」
「確かに、そうかもしれませんわね。ですが、わたくしは当麻さんと並んで歩いて行きます」

 その瞳に迷いは無かった。
 例えどんな困難が待ち受けようとも二人でならそんなものは容易に乗り越えぶち壊せる。


 自分がいて、愛する者がいるこの日をずっと忘れないだろう。

「行くか」
「…どこへですの?」
「行けるところまで」

 繋いだ手は決して離さない。

「とは言ってもそんな遠くまでは無理だけどな」
「…余計なこと言わなければ最高でしたのに」

 笑顔の華が咲いて、二人は学園都市の街並みに消えていった。

552【投下終了】ぬるぽ ◆NURUPO/D0I:2009/11/20(金) 00:19:24 ID:xblUi4qA
以上です

わかる人にはわかるネタを仕込みました

>>546
メ欄にsage

ゲッター線なんて出たら禁書世界に悪人面出さないといけないじゃないか

553■■■■:2009/11/20(金) 22:25:51 ID:dQsJfnuI
当麻「待ってて…、くれよ」
美琴「!」
当麻「俺、戦うのはやめられないけど、お、お前も…」
美琴「……っ!!」
当麻「ぶっ!? ぱ、パンチ!?」
美琴「か、勝手なことばっか言ってんじゃないわ! 戦いはやめられない? 待っててくれ? あーもう、この男は!」
当麻「み、美琴?」
美琴「もうやめた! 私、我慢する女やめた!! あんたが偽善使いだってことぐらい百も承知よ!
   けど、そのおかげで、『実験』のときも、『天使』のときも、あんたが病院抜け出したときだって…
   あんたのやりたいことばっか考えて…
   でも、私、もうやだ…、これ以上あんたのこと好きだとクタクタになる…」
当麻「あ…、おい…」

ステ「おい、上条当麻! もう行くぞ!」
五和「上条さんー!?」
禁書「とうま見つかった!?」

当麻「くっ」
美琴「………っ」
当麻「!?」
美琴「……。ほら、呼んでるわよ。行きなさいよ。…行っちゃえ」
当麻「な、何だよお前、いきなり、なんていうか、それなのに『行っちゃえ』なんてよ…! 意味わかんねぇよ!」

禁書「とーまー!!」

当麻「…っ、クソッ」


一時後


一方「…ふンッ」
当麻「いってぇ!? な、なにしやが…、一方通行…?」
一方「何ぼさっとしてやがンだァ、最弱ゥ? それとも余裕ってやつかァ? まァ、決戦前に準備もシカトして女としけこんでるくらいだしなァ」
当麻「な、な、な、なんでそんなことを!? …まさか!?」
土御「にゃー、背中刺す刃を甘く見ちゃいかんぜよ?」
当麻「土御門おおおお!! てめぇはあああ!!」
土御「まーまー、気にすることないぜい!」
浜面「ったく、いいか、上条。いいかげんガキじゃねーんだから、キスぐらいでぎゃーぎゃー騒ぐなよ。大体お前らどんだけラブコメやってると思ってんだ。お・そ・す・ぎ・だ」
当麻「ぁぅ…」
一方「大体今度は何やって揉めてンだァ?」
当麻「わ、わかんねーんだよ、それが…。俺が、『戦うのはやめられない』から、『帰りを待っててほしい』って言ったら…、嫌われてよ」
浜面「あー、鬱陶しい」
ステ「ふんっ」
当麻「いってぇ!? また!? 今度はてめーかステイル!?」
ステ「勝って戻ってくることだけ考えればいいだろう、上条当麻」
当麻「え?」
ステ「どうせ君にはそれしか脳がないんだからな」
当麻「……」
一方「ふン、勝って戻ることだけ考えろ、か。いいンじゃねェか? なァ、上条」
当麻「…ああ」

554■■■■:2009/11/20(金) 22:27:54 ID:dQsJfnuI
ついカッとなってやった。今は反省している
単に浜面にあのセリフを言わせたかっただけなんだ。原作で一番乗りだし。

555■■■■:2009/11/21(土) 23:45:16 ID:0I.EKw4g
>>554
GJ
台詞だけの構成だけど
個人的にはこういうシーンでのやりとりなら
むしろすっきりしていて読みやすい
ぜひ続きば

ただ一方さんが「ふン」って言うのはなんか笑えるw

556■■■■:2009/11/22(日) 01:02:02 ID:MMhF7JBk
GJです

最近見てなかったがけっこうすごくなっているね

しょーもないことにレス汚しちゃったけど

夢の世界っていいもんだ

557■■■■:2009/11/22(日) 01:02:55 ID:MMhF7JBk
>>556

「ふン」ってやっぱりいいね

558■■■■:2009/11/22(日) 11:29:45 ID:/Jz5DO1A
嘘予告系ってまだ需要ありますかね?

559■■■■:2009/11/22(日) 17:08:35 ID:MMhF7JBk
あるんじゃないですか?

560■■■■:2009/11/22(日) 17:36:30 ID:/Jz5DO1A
よし、勇気をもらった。では久々に一つ。
※1 あくまでもネタです。
※2 クロス物なので注意。元ネタが分からなかったとしても責任持てません。
※3 ジェネクスにサポートカードを出して欲しい。




 状況は絶望的だった。
 自軍の陣地は無残にも焼け爛れ、石ころ一つ残っていない。屈強な兵士達も、神秘の魔術師達も、魔具も罠も全て白き龍の一撃で消し飛んでしまった。
“彼”は絶望に霞む目で、せめてもの抵抗をと正面を睨んだ。
 そこには白く、白く、どこまでも白い軍団がいた。
 己の剣に魔力を付加させる聖騎士が。
 奇襲を得意とする獣人が。
 輝く翼をもつ天使が。
 あらゆる防護を無にする武僧が。
 そして、神々しさと荒々しさを兼ね備えた白き龍が。
 理不尽なまでの暴力で吹き飛ばされておきながら、なお薄れることのない畏敬の念。
『光の正道』を名乗る最強の軍団。
“彼”はようやく理解する。
 それらは持久戦に持ち込めばとか、入念に対策を用意しておけばとか、そのような浅知恵でどうにかなる相手ではなかったのだ。
 それらに勝つには、理不尽を上回る不条理を以って戦うか、運を天に任せるかのどちらかしかない。
 後者は自分には絶望的である。
 ならば、もし次があるのなら、この身に許される最大限の不条理を掲げて立ち向かおう。
 白き龍が高く首を持ち上げ、最後の攻撃を放とうとしているのを見届けながら、“上条当麻”は自身の敗北を受け入れた――


「《裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)》でとうまにダイレクトアタック! ジャッジメント・ブレス!!」
「ぎゃああぁぁぁぁぁ!!」
「これで今日の晩御飯もおすしーで決定だね!」


 これで十五連敗(一日三食五日分)。
 潔くサイフポイントを支払って食事を用意すればいいのか、それともデッキを強化するためにつぎ込む、いやいやそれでまた負けたらいっそう悲惨なことに……
 というか、俺はなんでこんなことをやってるんでせう?


                      ◇ ◇ ◇

561■■■■:2009/11/22(日) 17:38:09 ID:/Jz5DO1A


「“決闘王国(デュエリスト・キングダム)”?」
「そう。それが今学園都市を……いや、世界を覆っている魔術の名前だ」


 いつかのように狂った世界。
 ただ今回は、“結果は何も変わっていない”。
 そこに至るまでの“過程”がまるっきり変化してしまっている。
 つまる所。
“ありとあらゆる物事をカードゲームで解決する世界になってしまったのだ”。


「来なさい、《双頭の雷龍》!」

「触るとだだじゃァすまねェぞ! 罠発動、《カウンターマシンガンパンチ》!」

「炎の真髄をみせてやろう。《真炎の爆発》……!」


 繰り広げられる決闘(デュエル)。
 舞い踊るカード。
 火花散る読み合い。


「《マインド・オン・エア》を召喚。あなたの手札は以後公開情報となります、とミサカは得意げに告げます」

「いつまで待っても通販で注文したあのカードは届かない……なら、“これ”で満足するしかない!」

「見とくれ! これがボクの嫁デッキや!」


 学園都市は決闘都市(デュエル・シティ)と化した。
 勝ち残るのは強者のみ。
 生き残るのは勝者のみ。


「第一の宣言ですが、《ピケル》と《クラン》はその業績を讃えられ、王女へと位を高めます」

「《身剣一体》。傭兵崩れには過ぎた力(カード)である」

「ここが正念場です……! 《究極・背水の陣》発動!」

「こっちのほうがわたしにはあってるかな。《王立魔法図書館》の効果で一枚ドローするよ」


 そして現れるカードの精霊。
“決闘者の王国”を止める方法はただ一つ。
『幻想殺し』が全ての決闘者の頂点に立つこと。


「って無理だろそれ! 俺の引き運のなさは知ってるだろ!?」
『それをカバーするのが構築力と応用力だ。なに、軽く一万戦ほどすれば嫌でも身につく』
「スパルタっ!?」


 右手にカードの剣を取り、左手にディスクの盾を持て。
 数多のカード、数多の決闘者。それらの運命がデッキという場所で交差する時、物語は始まる。


 とある魔術の禁書目録・異伝
  『とある二人の切札遊戯(アクセラレーション)』

 永遠に公開未定!


終わり。

562■■■■:2009/11/22(日) 17:54:24 ID:fnmx3NFI
ターン!ドロー!
ずっと俺のターン!

563■■■■:2009/11/22(日) 20:00:24 ID:9J1xuRjk
>>561
乙 このスレで遊戯王ネタ見るとは思わなかった

564■■■■:2009/11/22(日) 21:47:09 ID:HfoS3YDo
totoさんへ
ドラゴンが初めて現れたのって
エリザード共和国でしたっけ?

565558:2009/11/22(日) 22:19:26 ID:/Jz5DO1A
コメントありがとうございます。さて、とりあえず一本乗っけた所で……

お久しぶりの方はお久しぶり。
始めましての方は始めまして。
むかしむかしに1-169を名乗ってここに投稿していた者です。
卒論や就活、もろもろあって筆をとることはなくなっていたのですが、今回だけ意を決して戻ってまいりました。

今年の三月に起こったことについて、気づいたのは二日前のことでした。
無責任であったと反省しています。もっと早く、出来るならば当時の内に気づいて名乗り出るべきでした。
スレ住民の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

もう遅いかもしれませんが、当時に34氏に向けて言うべきであった言葉を今、言わせてください。

どんとやれ。

ブログの方、読ませて頂きました。拙作をとても深く読んでくださっているのが伝わってきました。
書き手として素直に嬉しかったですし、その上で貴方の中に浮かんだ物語があったのなら、それを書き出したいという衝動が生まれたのなら、止めることなどできません。

ログを見たところ色々な意見が出ていました。これほど多くの人が灰姫遊戯を知っていてくれたのかと嬉しくなりました。
そして(傲慢かもしれませんが)高い評価を受けていることも認識しました。
灰姫遊戯は、私が一年以上をかけて書き上げた世界観です。裏設定やら出しそびれたあれやこれやは腐るほどあります。
34氏に、その『世界』を預かるつもりがあるのなら。やりたいようにやってください。
私や原作の文章に似ていなくては駄目だとか、こいつらの扱いはこうじゃないだろとか、そういったことは一切言うつもりはありません。
灰姫遊戯がよく原作らしいと言われるのは、そう表現するために苦心したためというよりは、私にとって原作のキャラクター達を動かすのにそのほうがやりやすかったからです。
貴方の世界は、貴方の方法で表現してください。
そして生まれた結果は、貴方のものです。賞賛も罵倒も、一つ残らずです。
いい点は評価して欲しい、という貴方の発言は、正直なところ不快でした。

そして、スレ住民に対する説明不足は明らかに貴方の落ち度です。
もしそれが、過失ではなく故意によるものだとしたら、わずかでも打算があったのだとしたら、作者として絶対に許せません。
過失であったのだとしても、「まあ仕方のないことだった」とは考えないでください。
自身が加害者であると認識し、「これはやってはいけないことだ。二度と許してはいけないことだ」と記憶してください。
ネット社会と現実社会の狭間で、被害者の振りをするのはとても簡単なことです。でもそれは間違っている。
他の誰がどうであれ、自分には他人を傷つける力がある。他の事情がどうであれ、自分は加害者でしかない。
相手の顔が見えないこの場所で、後悔と自省は、溺れるほどに浸っても決して足りるということはないと考えています。
どうか決して許されることなく、許されたと思い違うことなく、その上で自分のやりたいことをやってください。
私の『世界』を預ける人は、そういう人であって欲しいと思います。
そして今度は一読者として、応援させてください。

566■■■■:2009/11/22(日) 23:50:36 ID:OQVx9P6s
20巻はいつでるか分かりますか?
何となく、上条と浜面が出会いそう

567■■■■:2009/11/23(月) 00:43:20 ID:QvcFeoa2
最近こんなんばっかだな

568■■■■:2009/11/23(月) 00:54:22 ID:/WxiVKQg
灰姫遊戯の人か。
貴方の作品は実に面白かったので
また何か書いてほしいなー。

569■■■■:2009/11/23(月) 09:50:12 ID:x6.Lef0A
>>568
激しく同意。
>>565
次回作期待してます。

570■■■■:2009/11/23(月) 20:36:24 ID:p9bKItHs
>>560>>561
乙です
その発想はなかった…
晩御飯が晩御坂に見えたのは俺だけではないと信じたい

571■■■■:2009/11/23(月) 21:24:13 ID:QvcFeoa2
>>570
晩御坂

似たようなの見たことあると思って必死に頭の中巡らせたら


卵かけ御飯が卵かけ御坂に見えた

っての思い出した

572■■■■:2009/11/23(月) 22:03:04 ID:we4xoyCg
SS初めて書いてみたんだけど投下してもよか?(多分、続き物になると思う。)

573■■■■:2009/11/23(月) 22:31:44 ID:5HgQgqqI
>>572
おk じゃんじゃん投下してくれじゃんよ

574■■■■:2009/11/23(月) 22:50:33 ID:we4xoyCg
>>573
んじゃ、了承も得たので早速投下開始!(とりあえずプロローグだけですが)
更新速度はおそらく亀です。
ではどうぞ!

575■■■■:2009/11/23(月) 22:52:20 ID:we4xoyCg
9月某日、日没。

日は沈みかけているというのにいまだにきつい熱気が町中に漂っていた。開発の追試を終えた上条当麻はぐったりと帰り道についていた。もうすぐ秋になるというのにちっともそんな兆しを感じられないあたり、地球の温暖化とやらはこくこくと進んでいるんだな、と彼は思う。
最終下校時刻が過ぎてしまったせいで学バスにのれず、仕方なく徒歩で帰ることになったのだ。しかし、これくらいのことは彼にとっては日常茶飯事なので不運の部類には入らない。

だが―

「いたいたいた!やっと見つけたわよ!」
こればっかりはこう叫ばざるを得ない。

「不幸だ―!!!」
「出会い頭に何よその態度!」
茶色い髪を肩のところまで伸ばした中学生くらいの可愛らしい少女はぎゃああ!!と騒いだ。もう説明するまでのない常盤台中学の超能力者(レベル5)超電磁砲こと御坂美琴がそこにいたのだ。
上条的にはこの少女に出会うことは開発の追試やバスの乗り逃しより不幸度が段違いに高かったらしい。まあほぼ毎回といってもいいほど電撃を浴びせられあり、その他にも面倒なことに巻き込まれているのだがら当たり前といえば当たり前なのだが。

576■■■■:2009/11/23(月) 22:55:32 ID:we4xoyCg
「ごめんなさい!私は非常につかれているのです!だから電撃だけは勘弁してくだせえてかすんな。つかなんであやまってんだ俺。つかもう帰っていいか?」
「あんたって本当に人の神経逆撫ですんのじょうずよね…。ねらってやってんの?」
美琴はわずかに首を下に傾け、少し不機嫌な顔持ちで上条を見つめた。
「いや、スマン。少しばかり疲れでテンションが微妙に変な感じになってたようだ。」
「ん…ならいいけどさ。」
べつに避けられてるわけじゃ…ないわよね、と美琴は呟いたが上条には聞こえない。
「で、なんだ御坂。俺を探してたみたいだけどなんか用か?」
「い、いや別に用事ってわけでもないけどさ…せ、せっかくだし一緒にろうかなって思ってね。」
彼女のツインテールの後輩が聞いたら卒倒してしまいそうな台詞だが、上条はその言葉を聞いたとたん固まりついた。しばらくしても返事が返ってこない上条に美琴はなにか言おうとした瞬間―――。
「み、御坂。」
「な、なに?」
まさかさっきの気づかれた!?こ、こいつに―、そう思いかけた瞬間上条は言った
「そっか、おまえそこまでして俺に勝ちたいんだな。」

「―――――――――――は?」

美琴は予想外の返答に言葉を失った。

577■■■■:2009/11/23(月) 22:57:55 ID:we4xoyCg
「いやまさか俺の後をぴっちりつけてまで俺の弱点を探そういうことか。いやーまさかそこまでお前が執念深いとは恐れ入ったよ。そうゆうことだよな、御坂?」
「え?あ、いやあのその…そ、そうよ!そういうことよ!」
「やっぱりな。そんなことだろうと思ったよ。一瞬ちょっとドキッときたけど俺の油断をさそうためにそこまでするとは侮れんな、御坂!」
「あ、あははは、あたりまえじゃないの!そうでもなきゃ誰があんなこっぱずかしいセリフ言うってのよ!」
そうかそうかと上条は納得したが、そのうしろで『なんで否定しちゃったのよ私のバカ―――!!』と身悶えている美琴の姿には気づかない。
「まあ別に普通に帰る分にはかまわねえよ。さ、行こうぜ…って何やってんだ?お前。」
「(何が悪かったのかしら…そりゃまあいままではちょっと悪いことしちゃってたけどあんなに嫌がること…ぶつぶつ)って、へ?なに?」
「いやだから一緒に帰ろうぜって…大丈夫かお前?」
次の瞬間、美琴はぱあぁとまるで誕生日にもらったプレゼントを開けてそれが一番ほしかったおもちゃだった時のような笑顔をして上条に向き直った。
「な、なんだよ。いきなり機嫌よくなったりして、気持ち悪いな。」
「き、気持ち悪いって何よ!失礼ね。」
あ、そうだ、と美琴は質問した。
「なんでさっき私と会ったとき嫌そうな顔したのよ。」
「…怒りませんでせうか?」
「怒らない。怒らない。」
「いやだってお前と会うと必ずといっていいほどめんどくさい目にあうじゃん?さっきも言ったとおり俺疲れてるからさ、早く帰りたかったわけ。」
「……ふうん、そっか。」
わかっていただけましたか!と上条が喜ぼうとした瞬間――。

「あんたはよっぽど私に消し炭にされたいということがよくわかったわ♪」
なんで!?なんでそうなるの!!?と上条に返答させる間もなく、美琴はいつもより強めの電撃を上条目掛けてはなったのだった。

「不幸だぁ―――――――――!!!!」

578■■■■:2009/11/23(月) 23:10:12 ID:we4xoyCg
終了です。
こういうの初めてだからスレの区切り方がよくわかんなくてすみません。

あとタイトル入れ忘れてました。とりあえず「とある二人の恋愛物語」で行きたいと思います。(なんか似たようなSSのタイトルがあった気もしなくもないが…)

所々誤字脱字とかがあるかもしれませんが、そこは脳内変換してくれると幸いです。
できる限り早めに更新して行きたいと思っています。こんな駄文を読んでいただいた方ありがとうございました。

579■■■■:2009/11/24(火) 00:35:01 ID:VGNwhS7s
GJ!おもしろそう。

580■■■■:2009/11/24(火) 01:05:02 ID:N4dhOJTc
GJ!
上条×美琴SSで上琴厨の俺歓喜

581■■■■:2009/11/24(火) 16:54:40 ID:8a6sD1dU
>564
エリザードではなく
エリザリーナ独立国同盟です。
まあ、ややこしい名前ですけれど。

582■■■■:2009/11/24(火) 18:16:43 ID:.kcla1sU
>>581
そのレスのためにあげる意味が分からない

583■■■■:2009/11/24(火) 18:40:00 ID:skFV6Moo
>>578
GJです
>>580氏と同じく上琴派の俺としては期待せざるを得ない

ただ、初めてということで文章はまだまだ改善の余地がありそう
とりあえず
変換忘れなのか、所々平仮名なのに違和感(ex.こくこくと、じょうず)
言葉の言い回しに違和感(ex.きつい熱気、固まりついた)
文体はもう少し書き慣れるといい感じになるのかな
といったところです
素人の戯言ですが参考程度に

続きを期待しています

584■■■■:2009/11/24(火) 19:45:39 ID:fivWMT8E
>>578
乙 続き期待

585ルッシー:2009/11/25(水) 18:56:38 ID:a3kO5hqs
お久しぶりです。
約3ヶ月ぶりでしょうか…。
ちょっとPCが壊れたり体調を崩したりと、暫く筆を取る時間が無く放置という形になってしまいました。
今は完全復活し続きも書いています。予告もなく更新停止という形になってしまってすみませんでした。

と、言うわけで早速投下します。
今回から第3章突入です。

586『とある暗部の未元物質』:2009/11/25(水) 19:00:36 ID:a3kO5hqs
第3章  光明を掴む者達  Justice_chevalier



「(一体何がどォなってんだァ?)」

白髪の少年は一般的なオープンカフェの一角に腰掛けていた。
もちろん彼自身の意思でここにいるわけではない。
その向かい側には頭に花をつけた(一瞬頭髪の一部かと思い目を擦ってしまったが)少女がウェイトレスに何やら注文を頼んでいる。

そもそも何故こんな事になったかと言えば、一方通行が適当にコンビニでコーヒーを買おうとしたところ花をつけた少女と遭遇。
目が合うなり、『もっとおいしいコーヒー飲める所知ってます!』とか何とかで、状況をイマイチ掴み切れていない一方通行を半ば無理矢理連れてきたというわけだ。
いきなり腕を引っ張られ連れまわされた事で一瞬イラッときたが、一方通行自身『おいしいコーヒー』という単語に惹かれた部分も多少なりともあったわけなのだが・・・。

「(だめだ…思い出せねェ。こいつ誰なンだァ?)」
頭の中で適当に考えるが名前はおろか、こんな少女と面識があったという記憶も無かった。(そもそも彼がいちいち他人の顔など記憶するはずがないが)
そんなこんなで一人黙考する一方通行などお構いなしに花の少女は一人話し始める。
「いきなりですみません。どうしてもあの時のお礼がしたくて…」
「(あの時…?お礼だァ?)」
「本当だったらすぐにお礼をすべきだったのでしょうけど…あんな状況ですし…あなたもあっという間にいなくなってしまったので…本当に、あの時は助けてくれてありがとうございました!」
花の少女はもの凄い勢いで頭を下げた。
ここで一方通行は考える。こんな少女を助けた記憶は一切ない。というか、ここ最近の『仕事』を考えると人を助けるどころか殺してる方が圧倒的に多いはずだ。
憎まれる事ならあれど、感謝される覚えは一切ない。
本来なら『ンなもン知らねェよ』と答えてさっさとこの場を立ち去るはずなのだが、頭を上げた彼女の顔があまりにも真剣すぎるので思わずその言葉が喉で止まってしまった。
「実はあれからずっとあなたの事を探していたんです。私を襲ったあの能力者は御坂さんと同じくらいの能力者だって私にもわかりましたし、その能力者を退けたあなたならすぐに探せると思ったんですけど、中々見つからなくて…」
花の少女は少し緊張気味なのか妙に肩をすくめて話していたが、ウェイトレスが注文(二十種のスイーツてんこ盛りデリシャスタワーパフェ(高さ23センチ))を持ってくると満面の笑みを浮かべた。
一方通行は自分の手前に置かれたコーヒーを一口飲もうとした瞬間、例のてんこ盛りタワーがコーヒーとは時間差で自分の前に置かれて固まった。
「……ちょっと待て、何でこれが二つもあるンだよ?」
「あ、それ一端覧祭までの限定メニューなんですよ。これで大型甘味パフェ(高さ15センチ)と同じ値段なんですよ!あ、会計は私が持ちますので遠慮なく召し上がってください」
花の少女はお目当てのパフェがきたからなのか、先程までの緊張は完全に吹っ飛んでいる。
「(冗談じゃねェぞ…)」
一方通行は戦慄していた。もちろんパフェの値段の事などではない。
一方通行は甘いものが嫌いなわけではない。辛いものも好きだし、コーヒーはブラック派だが、砂糖入りでも飲めないわけでもない。よって甘いものでもOKの人間である。
だが、目の前のそれは一方通行のキャパの遥か斜め上を行くものだった。見ているだけで何かこう、胃の真ん中あたりから得体の知れない何かがこみ上げてくるような、そんな感覚がした。
もちろん味覚のベクトルを操作し、好みの味に変換して平らげる事もできるのだが、そんな下らない事に能力を使ってはいけないと本能のようなものが語りかけていた。
「(こりゃァ逃げ場はねェってか…)」
ある意味で修羅場を迎え、腹を括ろうとしたその瞬間――

587『とある暗部の未元物質』:2009/11/25(水) 19:01:10 ID:a3kO5hqs
チャーラララ〜と、気の抜けたような着信音が鳴り響いた。

「あ、ちょっとごめんなさい」
どうやら花の少女の携帯電話の着信音だったらしく、一方通行に軽く頭を下げながら通話ボタンを押して電話の相手と会話を始めた。
「どうしたんですか?…はい、…はい。いえ、白井さんはこっちにはいませんよ。そちらの寮にもいないとなると…。とりあえず合流します?いつものオープンカフェにいますし、今なら『アレ』も食べられちゃいますよ?」
『本当!?すぐ行くね!!』と、一方通行でも聞こえる程の大声が彼女の携帯電話から響いたと思ったら通話はそこで終了していたらしい。
「どうやらお友達が来るみてェだから俺は退散するぜ」
この場を逃れる千載一遇の好機とみて一方通行はそう言ったが、花の少女は食い下がる。
「いえいえ、気を遣わなくても大丈夫ですよ。あの人は誰だろうと気にする方じゃありませんし!」
そいつはねェだろ、と思いながら一方通行は携帯電話を取り出す。
「どうやら俺もお友達からの呼び出しみてェだ」
開かれたそのディスプレイには『登録3』とだけ表示されているが、一方通行は誰からの呼び出しなのかはわかっていた。
「そうですか…。それは残念です…」
花の少女は視線と肩を落とし残念モード全開でしょげている。
そんな少女の姿をよそに一方通行はコーヒーを一口含むと立ち上がりその場を去ろうとする。
「あのっ…お名前は…?また会えますか…?」
彼女は心なしか不安げに、懇願するように一方通行に問いかける。
問いかけに対し一方通行は花の少女に背を向けたまま、
「俺は『悪党』だ。そんな奴とそう何度も会うもんじゃねェよ」
そう言うと一方通行はオープンカフェを後にした。

588『とある暗部の未元物質』:2009/11/25(水) 19:01:32 ID:a3kO5hqs


人気のない公園の奥になぜか設置されていた三人掛けのベンチ。
そこに土御門元春は座っていた。
そんな彼に近づく人影。

「いよう。お楽しみのところ邪魔して悪かったにゃー。埋め合わせはこの土御門さんに任せておけばバッチリだぜい?でも一つだけ…浮気は感心しないにゃー」
「なンだァ?わざわざスクラップになりたくてラブコールしてきたのかァ?だったら綺麗なオブジェに仕上げてやるぜ?」
何も知らない子供が聞いたら身震いするような会話だが、この二人にとってこんな会話に意味などない。

「またクソ下らねェ『仕事』か。面倒臭ェからさっさと終わらすぞ」
一方通行は首をゴキゴキ鳴らしながら、早く立てクソ野郎と言わんばかりに足をトントンと鳴らしている。
「いや、今回はそうじゃない」
土御門は座ったまま顔の前で両手を組みながら一言だけ告げた。
対して、予想外の返答に一方通行の表情が曇る。
「これは完全に俺の独断での依頼だ。だから受けるもよし、断るもよし」
「断る」
「…人の話は最後まで聞け。今の学園都市はかなりヤバイ状態にあるのは知ってるか?」
土御門は一方通行の言葉を無視して話を進める。
「さァな」
「お前は知らなくて無理はないが…学園都市と対立してる集団の中のある人物が学園都市を潰そうとしている」
「はン。結構な事じゃねェか。ついでにそいつに『上』のクソ共を一掃してもらえば万事解決じゃねェか」
一方通行は唇を吊り上げながら笑うが、土御門の表情はフラットなままだ。
「そんな単純な問題じゃない。『潰す』の意味が違う。奴は学園都市の『闇』の存在を全て消し飛ばそうとしているだろう。その意味…まさかわからないわけじゃないだろう?」
「………」
「『打ち止め』だって例外じゃないはずだ。いや、むしろあいつはある意味で学園都市の中枢を担う存在。真っ先に狙われたとしたって不思議じゃない」
「へェ……」
「お前だってまさかそれを黙って見過ごすわけじゃないだろう?」
「…。どうでもイイが、さっき受けるもよし断るもよしだなんて言ってたが、ここまでの話聞く限りじゃ選択の余地なんてねェじゃねェか」
「そうでもない。お前には二つの選択肢がある。『打ち止め』を間接的に守る為に学園都市をかけて戦うか、『打ち止め』を連れ学園都市の外に逃げるか、だ。お前の力なら単独でも問題はないだろう?」
「ハッ、問題大アリだ。『コレ』の手綱は誰が握ってるのか忘れたのか?学園都市を放棄しようとした時点で俺は無能力者以下だろうなァ」
一方通行は首のチョーカーをトントンと叩きながら自虐の言葉を吐く。しかしその顔はどこか楽しそうにも見える。
「契約成立か」
「タヌキが。ハナからこうするつもりだったンだろォが。そのふざけたサングラス毟り取ってやりたい気分だ」
「そいつは困るな。これはお前のチョーカーと一緒でな。このサングラスのお陰で土御門さんのパワーは三割増しになるんだよ」
「三割増しでそんなザマなら同情するぜ。俺だったら頭打ち抜いて死にてェ気分だ」
全くふざけた野郎だ、と半ば呆れた一方通行は松葉杖で土御門を軽く小突いておいた。

「そうとなれば早速行動開始だ。まずは勝手に遊んでるあいつらと合流だ」

589『とある暗部の未元物質』:2009/11/25(水) 19:03:30 ID:a3kO5hqs


第十九学区に一台の黒いキャンピングカーが走っていた。
この学区は他の学区に比べると建物が少なく、人も少ない。正午近い時刻で街に活気が出てきてもおかしくないというのに、ここ一帯はそんな雰囲気は一切無かった。
辺りの店のほとんどはシャッターが閉められ、所々点在しているコンビニくらいしか営業している店は見当たらなかった。
そんな街並みを助手席の窓越しに見ながら男はポツリ、とこんな事を言った。
「で、どうだったんだ?特久池君」
「ん…。まぁ…流石はセラフィムと言ったところでしょうかね。もっとも彼は本来の力の1%程度しか出してなかったでしょうけど」
後部座席に座り、途切れ途切れの声で答える特久池はその過程を思い出し、やや唇を噛んだ。
そんな彼の心境を知ってか知らずか、助手席に座った男は素直な疑問を突きつける。
「じゃあ何で特久池君は生きているんだろうな。そんな化け物じみた奴と戦って生き残ってるなんて俺には信じられないんだが」
対して後部座席からはこんな答えが返ってくる。
「そんな事を…っ!私に聞かれましてもね…。ただ無事ってわけじゃないですよ…。指は何本か無くなってますし、左腕も全く動かないですからね。腱でも切られたんでしょうかね」
「ははっ。そんな程度なら大丈夫さ。噂だが、この学園都市にはDNAさえあれば肉体再生ができる技術があるらしいぞ?」
助手席の男は相手の状態をさほど気にかけていないのか、あっけらかんと笑い話に変えてしまう。が、当の負傷している特久池からすればそんな得体の知れないモノに自分の体を託そうとは思えなかった。
「まぁ冗談はさておき…困ったな。特久池君でそれじゃあ我々が束になってかかったところで一蹴されてしまうのがオチだな」
「相性とかそれ以前に出力があまりにも違いすぎましたからね。正直、あれよりも上がいるなんて思うと自分の能力が馬鹿らしく思えますよ」
「それは言わないでくれよ。俺の立場がない」
ハハハッ、と助手席の男は豪快に笑う。それはこの場には相応しくないモノではあったが、特久池はどこか安心したような感覚がした。

キキッ!とブレーキ音が鳴りキャンピングカーは放置された工場に隣接した駐車場に停止した。
「さあ、着いたぞ」
助手席の男は言うなり、ドアを開け放ち外に出る。2mはあるだろうか、その巨体をグーっと伸ばすとブハッ!と息を吐いて身体をほぐした。
そんな光景を見て特久池は一言――。
「やめて下さいよオヤジ臭い。一応二十歳なんですよね?」
「一応とは何だ。俺はれっきとした二十歳であって、まだ煙草も吸った事がないピュアで健全な青年なんだぞ?」
口髭と顎鬚をたっぷり蓄え、ありがちな童話に出てくる木こりのようなナリでそんな事を言われても、信じるのは敬虔なシスターくらいだろう。
特久池はそんな事を思いながら呆れていると巨漢な男が、
「お、取引先のお出ましだ」
と言うと、その視線の先には真っ赤な衣装を着た女が立っていた。その派手な色ばかりに気を取られがちではあるが、その出で立ちはシスターそのものだった。
本当にシスター出てきちゃったよ、と思わず口が動いて(声には出さなかったが)しまった特久池と腰に両手をつけ仁王立ちしている巨漢をそれぞれ一瞥したシスターは何の感情の起伏もなく告げる。
「やはり『標的』は抹消できませんでしたか。せめて『捕縛』くらいは…と思っていましたが。それほどまでに手強い相手だったんですか?」
対し、交戦した特久池は答える。
「手強いなんてレベルじゃないですね。正直、我々の手には負えません。例え、貴女方の『不思議な力』をもってしてもどうか…」
「そうですか…わかりました。そうとわかれば後は私達で何とかしてみましょう。貴殿らはもうこの件には関わらなくても結構です。事態も変わってしまいましたからね」
「事態が変わったってのは何なんだ?」
訝しげに質問したのは巨漢の男。しかし赤のシスターは冷たく即答する。
「貴殿らが知る必要はありません。知ったところで何もできる事はありませんからね」
「そっか、そりゃ残念だ」
簡単にあしらわれたというのに巨漢の男はそれ以上問い詰めようとはせずにあっさりと退く。
「それと私達との一連のやりとりは口外しないよう。お互いの為になりませんからね」
「安心しな。『マジュツシに頼まれました』なんて言ったってここじゃ笑い飛ばされるのがオチさ」
そういう問題では、と赤のシスターが言おうとしたが、巨漢の男は特久池と共にさっさと黒いキャンピングカーに乗り込んでしまう。


キャンピングカーがその場を去り、駐車場には赤のシスターだけがポツンと残された。
「さて、彼らが使えないとなると『彼女』に連絡を取らないといけませんね…」

590『とある暗部の未元物質』:2009/11/25(水) 19:06:01 ID:a3kO5hqs


学園都市には無数の研究施設がある。
能力開発はもちろん、軍事設備や普通の生活に使用する家電製品の開発など、多岐に渡る研究開発を行う為の施設だ。
そしてこの第十七学区は、その学園都市の中でも研究施設が比較的多い学区でもある。施設の密集度から言えば第二十三学区を上回るとさえ言われている。
施設の屋根に止まっている鳥よりも研究施設の方が多いとさえ言われているくらいだ。
そしてそれが数多く立ち並ぶ研究施設の中には一般人には知られていない研究をしている施設が紛れている。
垣根帝督はその施設の一つにいた。

「(虚数研ねぇ…。話では虚数学区の出現条件を割り出す為に珍しい能力者を呼んでは色んな実験をしてたらしいが…この様子じゃ頓挫したみたいだな)」
完全に人気のない研究所内に垣根の足音がコツ、コツ、と響く。
するとカツン、カツン、と明らかに垣根のそれとは違う足音が混ざってきた。
垣根は少し警戒心を強めたが、その必要はすぐに無くなった。

「あら、生きてたの?」

声の主は女。華奢な体に似合わず、背中を大胆にさらけ出したドレスを着ていて年齢以上に妖艶さを感じさせる少女。そう、元『スクール』の少女だった。
「おいおい、久しぶりに感動のご対面だって言うのに随分じゃねぇか」
「別に私達そういう関係じゃないでしょ。むしろあなたがいない間、私が『スクール』としての後始末を全部やったのよ。砂皿の奴も生きてたし、それで色々と面倒だったんだから」
「悪ぃ悪ぃ。いや、別に俺だって好きでくたばってたわけじゃないんだけどな」
ドレスの少女は毒づくが垣根は悪びれる様子は全くない。
「あんな自信満々で一方通行に挑んだっていうのに、見事に返り討ちにされたみたいね。今ここにいるって事は…情けでもかけられちゃったのかしら?」
「どうなんだかな。あのクソ野郎にでも聞いてみろよ」
そう、と言うとドレスの少女は再び歩き出した。
「おい、どこ行くんだよ」
「ちょっと探し物をしてるのよ。まぁ、ここには無いみたいだけど」
「探し物?」

「『ドラゴン』について、よ。」

聞き覚えのある単語に垣根は眉を顰める。『ピンセット』で見た『ドラゴン』という単語。
学園都市へ直接交渉権を得る為の足がかりにしようとしたモノ。そしてその正体を垣根は知っている。
ドレスの少女に『ドラゴン』の正体を明かそうかと思った。が、止めた。恐らくこいつが知っても意味が無いだろう、と垣根は思っていた。
「…あなたは何をしているの?」
「ん、あぁ。能力の調整に来たんだよ。多分ここなら機材があるだろうしな。別にここじゃなくてもいいんだが、人がごちゃごちゃいる所は面倒臭い」
「そうだったの。てっきり故郷が恋しくなったのだと思ったわ。何せ虚数研で多大な功績を収めた能力者だったんですものね」
「そんな事もあったなぁ。人が知らねぇ間にコソコソ俺のAIM拡散力場を利用してたらしいな。まぁ頭きたから全員消したけどな」
「でもあなたがいなかったら虚数学区の存在すら解明できなかった。これって凄い事だと思わないの?」
「別にどうも思わねぇよ。虚数学区がどうであろうが俺にはあんま関係ない事だし。何よりアレイスターの野郎のアシストをしてたと思うと胸糞悪い」
垣根はそう答えると背を向けた。これ以上話す事は無いだろう、と。
ドレスの少女はそんな垣根の様子を察したのか、最後に、と前置きしてこう告げた。
「最近、学園都市に変な連中がいるらしいわよ。何でも大小問わず稀少な能力者を襲撃するっていうね。心当たりない?」
垣根は一瞬の間を置いてこう答えた。
「ねぇな」
「そう。まぁあなたなら心配はないでしょう。それじゃお元気で。もっともこの世界にいればいずれ再会するでしょうけど」
そう言い残すとドレスの少女は建物の外へと消えていった。

「さってと…さっさとやる事済ませてまたあいつに話聞かないとな」
独り言のように呟くと垣根は薄暗い建物の中に消えていった。

591ルッシー:2009/11/25(水) 19:07:10 ID:a3kO5hqs
とりあえず今回は4話投下でした。
これからはきっちり更新していくつもりなので宜しくお願いします。

592■■■■:2009/11/25(水) 20:24:16 ID:oUF1ypDs
お久しぶりです

593カンナギ:2009/11/25(水) 23:43:22 ID:esLXlRtM
どうも、>>578です。先日はどうもありがとうございます。
まさかここまで受け入れられるとは思いませんでした。
禁書スレ住民の心の広さに感謝します。

>>579>>580>>584
ありがとうございます。そういった言葉を掛けてくれるとやりがいがあります

>>583
指摘ありがとうございます。
文章表現についての知識が欠如している私にとってそうやって指摘してくれるとすごく助かります。

コテハンつけました。カンナギでよろしくお願いします。

では、「とある二人の恋愛物語」を投下します。

594とある二人の恋愛物語:2009/11/25(水) 23:47:07 ID:esLXlRtM
1日目

9月某日 PM7:30

「……で、なんでこうなってんだ?」
「なによ、男だったらつべこべ言わないの。」
あれから上条と美琴は少し歩いた繁華街にあるファミレスに来ていた。最終下校時刻が過ぎているので開いている店はあまりないがそれなりに人が溢れていた。
「あんたが言ったんじゃない。さっきの侘びに晩御飯奢るって。」
「半ば強制的でしたけどねぇ!!壁に追い込んで電撃十二回もぶっ放されたらそんな和解策でも出さない限り収集つかねえだろうが!」
「男に二言はないって言うでしょ?自分が言った言葉には責任取りなさいよね?」
当初の上条の予定ではその辺の安いファーストフード店にでも入ってハンバーガーでも奢ろうと思っていたのだが、そんな上条の浅はかな考えを踏みにじるように、店の前に吊るされた看板には無慈悲な文字が綴られていた。

『改装工事中』

―――というわけで仕送り日前にもかかわらずファミレスで外食という上条的には贅沢な食事をとる羽目になってしまった。

(不幸だ……。)

とはいえ、美琴の言うとおり自分が言った言葉に責任は感じているようで、それ以上のことは言わなかった。

「仕送りあと幾ら残ってたっけな…。あんまり高いのは勘弁してくれよ?」
「わかってるわよ、さすがにそこまで酷な事はしないって。」
上条はため息をつくと携帯電話を取り出し、会計アプリを起動させた。
「なにしてんのよ?」
「ん?家計簿。少ない仕送りで遣り繰りすんのもなかなか大変なんだよ。」
「あんたって意外とマメなのね…。」
意外とはよけいだっての、と上条は軽く流す。こういった面に関しては彼は小心者なのだ。
「どうでもいいけどさ、お前門限とか大丈夫なのか?常盤台ってそういうとこ厳しいだろ?」
「あー、まあ少しやばいけど多分その辺は黒子がなんとかしてくれるでしょ。」
軽く言っているあたり、美琴の門限破りはもはや日常茶飯事のようだ。妹達とかの件もあったが、それを除いても私用でしょっちゅう抜けている事が多いのだろう。
「まあ俺が言えた口じゃねえけどさ、夜遊びもほどほどにしとけよ。いくら超能力者(レベル5)だからって常盤台中学のお嬢様が一人で町を出歩いてるってだけでも悪い虫に絡まれるかもしんねぇしさ。」
「そんなの日常茶飯事よ。つかあんたが一番分かってるでしょうが。」
「?」
それはいつの話だろうかと上条は考えていた。少なくとも今まで美琴が不良に絡まれている光景を見た覚えはない。記憶を失う前の話なのだろうか。だがここで何も返事をしないのは怪しまれるので差しさわりのない返事を考えていると、店員がオーダーを聞きにきた。

595とある二人の恋愛物語:2009/11/25(水) 23:55:17 ID:esLXlRtM
「この店で一番安くて腹にたまるメニューでお願いします!」
「は、はい?」
上条のウェイターの営業用マニュアルには載っていないであろうあまりにイレギュラーな注文に店員は少し戸惑った。まあとうぜんだが。
「ア、アンタなに恥ずかしい注文してんのよ!どんだけお金にこだわってんのよこのバカ!!」
「バカとは何だ!貧乏学生にとって、仕送り日までの残り一週間弱をどう効率よく切り抜けるかは死活問題なんだ!常盤台のお嬢様にはわかるまい!」
「少しは一緒にいる私の気持ちも考慮に入れなさいよ!恥ずかしくて今度からこの店使えなくなるじゃ…な…い?」
「? どうしたんだ?」
「な、なんでもないわよ!」
(そういえば前にもこんな会話したような…。確かあの時は――。)
『貧乏学生にとって、特売品を手に入れられるかどうかは死活問題なんだ!常盤台のお嬢様にはわかるまい!』
『こっちだって大変だったんだから!汚れたスカート脱ぎだすわ、しょうがないから洗ってあげるわ、挙句の果てにツン―――!!?』
『…ツン?』
(………な、なんて事思い出してんのよ!そしてなんで赤くなってんのよ私はあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?)
「おい大丈夫か?なんか顔赤いけど熱でもあるんじゃ…」
上条はテーブルから身を乗り出して自分の額を美琴の額に重ねた。
「!!?」
美琴はあまりの状況変化に言葉が出ず、口をパクパクさせた。
「んー、ちょっと熱いような…ってなんで、お前、なんで全身ビリビリっつーかバチバチいってんの!?俺またなんか悪いことしましたか!!?」
はっとようやく正気に戻ったのか、美琴はただでさえ赤かった顔をさらに赤く染めて俯いてしまった。
「? なんなんだ?」
「あ、あのー、ご注文の方は……?」
すっかり忘れてた。ずっと蚊帳の外に置かれながらも、それどころか電撃だって巻き込まれてたかもしれないのにしっかりとさっきと同じ姿勢で立っている事に上条は感心した。単に固まって動けなっただけかもしれないが。仕方ないので俯いてしまった美琴の代わりに何か手ごろな女の子向けの料理を探し始めると――。
「あ、あの、ただいまキャンペーンを実施しておりまして、こちらの期間限定カップルメニューからお選びいただきますとドリンクバー無料で二割引になっておりまして、さらにご会計後にゲコ太キーホルダーをプレゼントさせていただいてます。」
「え!?ゲコ太もらえるんですか!じゃあそれに……!!」
「おぉ、復帰した、って二割引?しかもドリンクバー付で!?しかもお手ごろ価格じゃねぇか!」
「………」
「………」
「「はあ!!?」」
「カッカカカカカカカカカップルてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
上条は店内という事も忘れて叫んだがショックがでか過ぎたのか呂律が回らない。そんな上条たちに店員はこの人たち何!?みたいな顔で少し引いている。だがそんなのは関係ない。
「え、ええ。あ、まさか違ってました…?」
「違うも何も俺とこいつはそんな――!」
(ん?待てよ……?このまま弁解してしまうと二割引はパァになり、余分に支払わされるだけだ。しかし、御坂を彼女ということにしておけば料金も安くなって、御坂の欲しがっているなんだかカエルみたいなマスコットももらえるらしい。それは御坂の機嫌も良くなることにも繋がる。ということは―――。)

(一石二鳥じゃねぇか…!)

「そ、そうなんですよぉ!俺たち付き合い始めたばっかりでまだ実感が沸いてないんですよ!」
「なっ!!?」
美琴がなんか喚いてるが上条は気にせず続ける。
「いきなり言われたんでちょっとてんぱっちゃって、な!みさ…美琴!」
「え!?あの、その…は、はい。」
「そ、そうですか。で、では改めましてご注文の方をどうぞ。」
「じゃあオススメAセットで、みさ…美琴は?」
「お、同じので……。」
「かしこまりました。出来上がり次第お持ちします。」
そう言ってウェイターは水とお絞りを置き、メニューをさげて厨房に戻っていった。
「よし!これで残りの仕送り日まで何とかつないで行ける…ってどうしたんだ御坂?」
「な、なんでもないわよ!……バカ!」

(…?変なやつ。)

PM7:30終了

596とある二人の恋愛物語:2009/11/26(木) 00:08:33 ID:YxpRuWmA
終了です。

次回の投下は結構間が開くことになると思います。
現実世界でちょっと戦わなければならないことができたので(笑

できるだけ早めに上げたいと思います。

ちょっと訂正がひとつ。

1レス目と2レス目のつなぎが若干不自然になっていますが、コピペする際に一行抜かして上げてしまいました。

重要な文という訳ではないので一応話は分かるはずですが、「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」という一文を追加してください。

ほんとにすみません(汗

597■■■■:2009/11/26(木) 00:49:45 ID:.TbAtDXQ
乙です!
ニヤニヤしちまった〜w

598■■■■:2009/11/26(木) 01:03:06 ID:Le64lnOM
>一番安くて

ここだけ見た瞬間ヴァンが来たのかと

599■■■■:2009/11/26(木) 01:25:07 ID:yRE7Ioa.
GJ!
やっぱ上琴いいよ上琴

600■■■■:2009/11/26(木) 16:56:36 ID:UCCAQFXs
>>596
GJ 2828

601■■■■:2009/11/27(金) 23:05:18 ID:h72IG6Os
上琴は食傷気味

もっとマイナーでオンリーワンカップリングとかをだな……

あえての上垣とか

602■■■■:2009/11/28(土) 00:45:53 ID:ytBiNmCs
>>601
アッー!

それこそ人を選ぶじゃないかww
少なくとも自分はスルーするwww

603■■■■:2009/11/28(土) 00:46:24 ID:jlgOiId2
>>601
マイナーものが無くて不満なら自分で書くんだ

604■■■■:2009/11/28(土) 11:29:22 ID:bE0weSaA
こっちも向こうも乞食と厨房が多いスレですね^^;

605■■■■:2009/11/29(日) 06:10:37 ID:92pxbJCI
いつの間にか酔いどれお嬢の続きがあったのね
楽しませてもらいました 乙

606■■■■:2009/11/29(日) 13:49:44 ID:JWNXVSlI
531 :名無しより愛をこめて:2009/11/28(土) 23:19:00 ID:sOk4ubrK0 ふと思ったけど、アギトの世界でアンノウンはアギトになる可能性の者を殺すんだよね
何かしら特殊能力や超能力を持ってる奴でもアギトとは無縁の人間でも殺されるのか?
もし、とある魔術の世界とアギトの世界が融合してしまったら....ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル

532 :名無しより愛をこめて:2009/11/28(土) 23:20:38 ID:n4CExuF60 >>531
大丈夫幻想殺しのイマジンブレイカーがアギトっていう幻想を
ぶち壊すさ

607MK5:2009/11/29(日) 14:59:09 ID:L5nHwQto
思いついたんだけど、龍騎もありじゃないか?
龍騎=上条
ナイト=アックア
ゾルダ=浜面
王蛇=一方通行
ミラーワールドというまったく違った『界』

608■■■■:2009/11/29(日) 20:42:16 ID:ZZ0UTTYU
555も捨てがたい

609■■■■:2009/11/29(日) 20:53:43 ID:vUzSpj/6
605の方どこに酔いどれお嬢ありました?
ずっと楽しみに待っていたんです

610■■■■:2009/11/29(日) 21:55:35 ID:ZZ0UTTYU
>>609
あれ 放置らしいぞ

611■■■■:2009/11/29(日) 22:44:07 ID:vsxLRxYc
ダブルの相方の検索、インデックスそのものだよね。

612■■■■:2009/11/30(月) 00:06:31 ID:3DRJObvM
でもフィリップのがヒロインで活躍してるけどなw

613■■■■:2009/11/30(月) 10:28:46 ID:j4zFpw.M
555だとしたら。
Φ=上条
Χ=一方もしくは御坂
Δ=浜面もしくは禁書
Ψ=アレスタ?
Ω=ウィリアム
量産ライダー=ミサカ1万人
・・・・・ミサカが1番合ってるなw

614来てね♪:2009/11/30(月) 11:48:50 ID:Esy/EVEc
とってもおもしろいブログだよ♪

たまに更新もしてるから見に来てください☆ミ
ちょっとエッチなプライベートブログです(*^^*)

ttp://stay23meet.web.fc2.com/has/

615■■■■:2009/11/30(月) 14:18:59 ID:/nQGxshQ
いいかげんsageぐらい覚えろよ脆弱ども

616■■■■:2009/11/30(月) 15:19:35 ID:8Tsi0Fik
>>615
同意する。もう何回同じ文章書いたかわからん・・
>>607 >>613 >>614
メール欄に半角でsageと入力

617■■■■:2009/11/30(月) 19:13:34 ID:8sf9JUM.
3人のヒーローがロシアに行った・・・・・。
となると、今学園都市にいるのは誰?

618■■■■:2009/11/30(月) 19:29:44 ID:3DRJObvM
このバカどうすればいい?
やっぱりバカに付ける薬は無ぇってか

619■■■■:2009/11/30(月) 19:46:24 ID:8sf9JUM.
すいませんすいません。
コテハンしたつもりはなかったのに・・・・
どうして緑になっちゃったの?

620■■■■:2009/11/30(月) 20:59:25 ID:3DRJObvM
言い方きつくてすまんかった

恐らくメ欄と名前欄の入力位置をミスったんだろう

621■■■■:2009/11/30(月) 21:07:48 ID:0dmFvXv2
まぁちなみに>>614は業者

622■■■■:2009/11/30(月) 21:57:01 ID:ol1ZVVUY
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」
を4レス分投下します。

623■■■■:2009/11/30(月) 21:57:48 ID:ol1ZVVUY
(3−14)
御坂美琴達がわざわざ芝居じみた登場をしたのには訳がある。
総司令(ラストオーダー)のシミュレーションではキシサクマアの乱入により混乱した観
客が一人でも能力を使用すればそれが連鎖反応を引き起こし、無秩序に使用される能力に
よって多くの負傷者が生じると結論づけられた。
その被害を防ぐためにはキシサクマアの乱入をあたかもシナリオ通りであるかように振る
舞う必要があった。
その甲斐あってラストオーダーの思惑通り物語の急展開にも関わらず観客席の小学生達は
大きな歓声を上げている。
ついでに言えばラストオーダーがその中で一番はしゃいでいるように見えるのだが……
(それはきっと気のせいなの、ってミサカはミサカはさりげなく独り言を言ってみる)

「これ以上の暴挙は『雷光の双子(ジェミニ)』が許しません。
 速やかに武器を降ろさなければこのサブマシンガンが火を噴きますよ
 と『雷光のブルー』は腰だめに構えた銃の引き金を絞りつつ警告を発します」

その棒読みのセリフに呆れたように「ふッ」と鼻から息が漏れるブラックキャット(五和)。
その瞬間、御坂妹はマシンガンを三点バーストでぶっ放した。
火を噴くマシンガンから排出された薬莢がカラ、カラ、カランと床で乾いた音を響かせる。
当然装填されているのは実弾ではなくゴム弾頭の模擬弾であり当たっても死ぬことはない。
だから御坂妹は躊躇無く引き金を引いたのだ。
もっともこんな至近距離から撃たれれば痛い程度では済まないのだがこの際そのことは
考えないことにした。

しかし目標への着弾を確認した御坂妹の顔に困惑の表情が浮かび上がる。
銃撃を受けたハズの五和が何事もなかったかのように舞台に立っていたからだ。
唯一の違いは心臓をガードするように引き上げられた左腕だけだろう。
その左前腕部には直径20cm程の円形楯が装着されている。
火薬量を減らした模擬弾とはいえ高速で飛んできた3発もの銃弾を五和は全て左手の円形
盾で防いでいたのだ。
そんな神懸かり的芸当をやって見せた五和が口を尖らせる。

「あのですね!こちらが返事する前に発砲するなんてちょっと非道いんじゃないですか!?」
「どうせ投降する気はないのでしょう、と『雷光のブルー』は貴女の抗議にしれっと反論してみせます」
「そうですか…………じゃあ、こちらも遠慮しませんよっと!!」

そう言うなり五和はフリウリスピアを御坂姉妹に向けて電光石火のスピードで繰り出す。
とっさに左右に飛び退く御坂姉妹。
スーツによって強化された脚力は4mを越える跳躍を可能にしていた。
御坂美琴は舞台奥へ、そして御坂妹は舞台下手に着地する。

「ではこちらも手加減しません、と『雷光のブルー』は宣言通りにサブマシンガンをフル
 オートに切り替えます」

火線上に一般人がいないこと確認した御坂妹は着地と同時にフルオートでぶっ放す。
しかし五和は銃撃を避けるどころか逆に発砲する御坂妹に向かって大きく踏み込んできた。
そして円形盾を装着した左腕でゴム弾を防ぎつつ、右手一本でフリウリスピアを繰り出す。
その穂先が金切り音を立て御坂妹のマシンガンに食い込むと一気に機関部まで引き裂いた。

その衝撃で装填中の銃弾が暴発し、「バンッ!」という大音響を立て機関部が爆発する。
御坂妹はとっさにサブマシンガンを手放し両腕で顔をガードしつつ後方に跳び退く。
しかし至近距離で爆発した銃から砕けた部品が散弾銃のように御坂妹に襲いかかった。
もし学園都市製スーツを着ていなかったらきっとタダでは済まなかっただろう。

不本意な形でスーツの防弾・防刃・耐爆性能試験の被験者にさせられた御坂妹はお返しと
ばかりに電撃を放つ。
御坂美琴の1%の出力とはいえ1000万ボルトもの電撃が五和に襲いかかる。
しかしその電撃ですら五和はフリウリスピアの一振りで霧散させてしまった。
圧倒的力量差を見せつけた五和は左手を腰に当て右手に持つ槍を垂直に立てるとまるで勝
利宣言のように石突きで床をトンと打ち鳴らした。

「残念ですがその程度のオモチャではこの楯すら砕けませんよ」
「確かに正面きって闘えばこちらの勝機は0.01%以下でしょう、と『雷光のブルー』
 は現状を正確に理解し苦虫をかみつぶしたように呟きます。
 どうやら別の攻撃方法を模索する必要がありそうです」

『雷光のブルー』こと御坂妹が下手へ退場すると舞台は一瞬の静寂に包まれる。
しかし、バチン、という破裂音がその静寂を引き裂いた。

624■■■■:2009/11/30(月) 21:58:21 ID:ol1ZVVUY
(3−15)
こちらを向きなさい、と恫喝する凶悪な音色に応えて五和は静かに破裂音の主に正対する。
そこには『雷光のレッド』こと御坂美琴の姿があった。
バチン、と再び御坂美琴の前髪から青白い火花が散るとビリビリと大気が震えだした。

「そんな戯言は私の超電磁砲(レールガン)を受けてきってから言いなさい!」

五和を睨み付ける御坂美琴の体内電圧は臨界を迎えていた。
押さえきれない電流が青白い電気の蛇となって御坂美琴の身体にまとわりつき、凶暴な音
色を立てながら獲物に牙を剥く時を今か今かと待ち構えている。
しかし臨戦態勢に入った学園都市第3位の超能力者(レベル5)を前にしても五和は不敵
な笑みを崩さない。

「ええ、受けてあげますって言いたいところなんですけど。
 貴女はレールガンを撃つことなんてできませんよ。きっと。ふふっ」
「どういうこと?」
「だって、もし私がレールガンを避けちゃったらどうなります?
 私の後ろは観客席ですよ。それでも撃ちますか?」
「くっ!…………」

確かにこんな状況でレールガンを撃つほど御坂美琴は馬鹿ではない。
先ほど控え室で暴発しかけたことは当人の名誉のため魔が差したということにしておく。
ビリビリと大気を振るわせていた凶暴な青白い蛇達が御坂美琴の身体に身を沈め始める。
しかしそれは降参を意味するものではない。

「でもね。私の攻撃はレールガンだけじゃないのよ!!」

そう叫んだ御坂美琴の身体から青白い電気の蛇たちが一気に溢れ出すと10億ボルトの雷
撃の槍となって舞台中央に立つ五和に襲いかかる。
その瞬間舞台には激しい爆音が鳴り響き、舞い上がる爆煙が視界を防いだ。

強烈な閃光と爆音に思わず目を閉じ耳を塞いでしまった観客達が恐る恐る目を開けた時、
薄まりつつある爆煙の中に全く無傷の五和が立っていた。
あり得ない状況に驚く御坂美琴は五和の50cm前方の舞台に不自然に刺さった一本の
鉛筆にも気付かない。
御坂美琴から再び雷撃の槍が放たれるが、五和を貫くハズの雷撃の槍は途中で方向をねじ
曲げるとその鉛筆に吸い込まれていった。

「なっ!?」
「避雷針、って思ってくれたら良いですよ。
 ただ魔術(オカルト)サイドのものは科学サイドのとはちょっと違いますよ。
 この鉛筆がある限り貴女の雷撃の槍は決して私には届きません」

科学的に考えれば地面に刺さった僅か10cmの鉛筆が避雷針になる訳がない。
そもそも只の鉛筆が床に深々と突き刺さっていること自体が不自然なのだ。
御坂美琴には信じ難いことだったが、相手が『魔術』と言った以上、原理は分からないが
そういう機能を果たす装置であると考えるしかない。
もし『ヒヨコ爆弾』事件において姫神秋沙から魔術の話を聞いていなければ、御坂美琴は
きっと何が起こったのかも判らない内に五和に叩き伏せられていただろう。

「わざわざご丁寧にタネ明かしまでしてくれちゃって……とことん私を舐めてるのね?」
「まさか。舐めていないからこんな事するんですよ。
 超電磁砲の雷撃をまともに喰らって無事でいられると思うほど自惚れていませんから」
「その口調が余裕綽々なのよ!だったらこれでどう?」

御坂美琴が地面に向けて降ろした右手の指を開くと地面に向けて何本もの稲妻が走る。
すると御坂美琴を中心にして黒い霧が渦を巻きながら集まってきた。
そして黒い渦が稲妻に逆らって舞い上がると長さ1mほどの黒剣を形づくる。

「砂鉄の剣(これ)でアンタのチャンバラごっこに付き合ってあげるわ」

余裕の笑みを浮かべる御坂美琴であったが内心は冷や汗ものだった。

(ふぅーッ、なんとか剣の形になったけど…………
 特設会場(ここ)は舗装されているから砂鉄が集まらない。
 もし秋沙が魔法でそこら中を破壊してくれてなかったら砂鉄のナイフしかできなかったわ。
 でも砂鉄の剣(これ)ができたからにはあんな古くさい槍なんかに負けるもんですか!)

625■■■■:2009/11/30(月) 21:58:55 ID:ol1ZVVUY
(3−16)
切り札である超電磁砲(レールガン)と雷撃の槍を封じられた上、性能を著しく制限され
た砂鉄の剣で4m以上の長さを持つフリウリスピアと対峙しなければなくなった御坂美琴
は敵戦闘力の分析を行う。

単純な武器として比較するならば、刺突・斬撃・打撃を駆使できる強力な白兵戦用武器で
ある槍と遠い間合いで斬り合えば剣に勝ち目はない。
接近戦になれば槍はその長さが仇となるが、逆に言えば懐に飛び込まない限り剣が槍に
勝つのはできないということだ。

ただし彼女たちが持つ武器はともに普通の武器ではない。
御坂美琴が能力で造り上げた砂鉄の剣、五和が魔術的補強を施したフリウリスピアの優劣
は常識では計れない。

御坂美琴は砂鉄の剣に絶対の自信を持っている。槍の穂先だろうが簡単にぶった切ると。
ただその自信ゆえに闘い方の自由度を自ら狭めてしまった。
たとえ突き出された三つ又の穂先を砂鉄の剣で受け止めても一つの穂先を一瞬で切り落と
してしまうなら残りの穂先が勢いを落とすことなく自分に突き刺さってしまう。
そのことを心配する余り、刺突を体捌きでかわして槍の柄を断ち切る、もしくは相手の懐
に潜り込に相手に斬りつけるという選択肢しか残らなかった。
どちらにしても体捌きのみで槍の刺突をかいくぐる必要があった。

確かに御坂妹を軽くあしらった技量は決して侮ることはできない。
無駄と思えるほど長い槍をわざわざ持っている以上は懐に飛び込まれないための対策も
当然練っているハズだ。

それでも御坂美琴には自信があった。
なんと言っても今着用しているのは学園都市製のバトルスーツである。
そのパワーアシスト機能は筋肉へ伝達される筋電信号に反応しタイムラグなく通常の5倍
の力を引き出してくれる。
そして生みだされる瞬発力は相手を惑わすほどのダッシュや方向転換を可能にしている。
相手の予想を越える素早い動きで刺突をかわして懐に飛び込むつもりであったし、いざと
なればスーツの防弾・防刃・耐爆性能に頼った強引な突進も試みるつもりだった。

一方、相手はビキニアーマーも真っ青な、どう見ても防御力の低そうなボンテージ風
ファッションに身を包んでいる。
というよりは、露出狂と言った方が手っ取り早いだろう。
ほとんど素肌を晒しており、僅かに素肌を隠す素材ですら革製にしか見えない。

(なんなのよ、あの格好!
 そりゃ動きやすいかもしれないけど、どう考えても防御力0(ゼロ)よね)

防具に関しては私の完勝よね、と余裕の御坂美琴はつい余計なモノまで分析してしまった。

(ぐッ!トップ88cm、Dカップ…………)

バストサイズに関しては御坂美琴の完敗であった。

(巨乳(それ)を私に見せつけるためにわざわざそんな露出度の高い格好をしたってこと?
 …………いい気になるんじゃないわよ。この巨乳女がァァあああああ!
 こうなったらAカップの意地にかけてアンタを叩きのめしてやる!!)

闘志が燃え上がった御坂美琴は五和に最後通告を突きつける。

「おとなしく降参するなら許してあげるけど、その気はないのよね。
 でもね。この砂鉄の剣って一種の超音波ブレードなの。
 高速で振動する砂鉄は鋼鉄だって一瞬でぶった切るわ。
 あなたの槍なんて触れただけで真っ二つよ。それでも良いなら掛かってきなさい!」

投降を促す御坂美琴に対して五和もニッコリと微笑み返す。

「それはご親切にありがとうございます。では遠慮無く!」

ゆっくりと傾き始めたフリウリスピアの穂先が御坂美琴に向いた瞬間、五和は電光石火の刺突を繰り出した。

五和が繰り出した雷光のような刺突を身体を捻って辛うじて避けた御坂美琴であったが、
予想を超えた刺突の速さにバランスを崩してしまう。

(くッ、速っ!ひとまず体勢を整えないと)

御坂美琴は体勢を立て直すためいったん後方に大きく跳び退く。
御坂美琴がスーツの力を借りて跳躍した距離は4mもあった。
しかし五和は生身とは思えないスピードで一気にその間合いを詰めると、着地の瞬間を狙って再び刺突を繰り出す。
体勢を立て直す隙もなく御坂美琴は着地と同時の左サイドステップで辛くも槍の穂先をかわす。

626■■■■:2009/11/30(月) 21:59:28 ID:ol1ZVVUY
(3−17)
それでも五和は追撃の手を弛めない。
五和は突き出した槍の柄を脇で挟むとそこを支点として右手一本で槍を水平に払い御坂美
琴の横っ面に穂先を叩き込む。
紙一重で身体を沈めた御坂美琴の頭の直ぐ上をフリウリスピアの穂先がうなりを立てて通過する。

(なっ、なんなのよ。コイツ。スーツを着た私の動きに付いてくるなんて…………
 本当に人間!?まさかサイボーグじゃないでしょうね?)

御坂美琴は五和の攻撃を何とか紙一重でかわしているがこのままではジリ貧なのは間違いない。
どうやって反撃しようかと考えたとき一瞬の隙が生まれてしまった。
気付いたときにはフリウリスピアの三つ又の穂先が御坂美琴の視界に飛び込んでいた。
御坂美琴は思わず砂鉄の剣を眼前にかざしフリウリスピアを受け止める。
「ガキッ!キィィィィィィィィッ!」と特設会場内に金属が擦れ合う甲高い音が鳴り響く。
そして高速で振動する砂鉄の剣とぶつかり合うフリウリスピアの穂先が盛大に火花を散らす。

(えっ!?)その時御坂美琴は驚いた顔をしていたに違いない。
御坂美琴は古くさい槍の穂先なんて砂鉄の剣で簡単にぶった切れると思っていた。
だからこそ槍の穂先をわざわざ体捌きだけで避けていたのに現実には槍の穂先は砂鉄の剣
と打ち合ってもビクともしなかった。

(なんなのよ。砂鉄の剣と打ち合ってもびくともしないなんて…………
 一体どんな合金使ってんのよ!?それとも硬質多層膜コーディング?
 とにかくこの距離は完全に槍の間合いだわ。
 どうにかして懐に飛び込まないと私の切っ先はコイツに届かない。
 コイツがこの槍を引き戻す時がチャンス!タイミングを合わせて跳び込んでやる)

激しく鍔迫り合いしながら美琴は五和が槍を引く予兆を読み取っていた。
そして五和の右肩の筋肉がピクリと動いた瞬間、御坂美琴は引き戻される槍に合わせ一気に五和の懐に飛び込む。

その時御坂美琴の目には後ろを振り返る五和の背中が映ったのだが、とっさのことに御坂
美琴はそれが何を意味するのかが判らなかった。
それでも右から迫る殺気が身体を貫くと御坂美琴は歯を食いしばり前進を踏みとどまる。
そして急激な方向転換に悲鳴を上げる脚の筋肉を強引に動かしスーツの力も借りて後方へ跳躍する。

同時に御坂美琴の胸元僅か数mm先を横薙ぎに払われた穂先が「ビュッ!」と風切り音を立てて通り過ぎる。
五和は御坂美琴が飛び込んでくることを予測し、引き戻した槍の勢いに身体の捻りを加えて槍の中央を脇に挟んだまま身体ごと一回転したのだ。
もしそのまま飛び込んでいたら御坂美琴は槍の穂先に胴を薙ぎ払われていただろう。

(痛うぅっ!あっぶなかっ…………げっ!)

しかし御坂美琴には脚の痛みを気にするどころか冷や汗をかく隙も与えられなかった。
御坂美琴の目の前で槍の穂先が回転の勢いを殺さずに左上方に跳ね上がると五和の頭上で
弧を描くように大きく旋回する。
遠心力を使ってさらに加速した穂先が右斜め上から御坂美琴に袈裟懸けに叩きつけられる。

白い光の尾を引いて流れる槍の穂先を御坂美琴は右前方に肩から倒れ込むように一回転してかわした。

(いつまでもいい気になってんじゃないわよ!)

今度は御坂美琴が攻撃に移る。
御坂美琴は回転した勢いで素早く上体を起こすと膝立ちのまま五和の足首を狙って砂鉄の
剣を横一閃に振り抜く。

「ちっ!」っと舌打ちした五和は御坂美琴の斬撃を2mも跳び上がってかわす。
そして上空から御坂美琴に全体重を掛けた一撃を叩き込む。
御坂美琴は上空から襲いかかる一撃をとっさにもう一度身体を側転させてかわす。

紙一重でかわしたフリウリスピアの穂先は「グァシィィッ!」と音を立てまるでバターに
熱いバターナイフを突き刺すようにコンクリートの床に深々と突き刺さった。

「もらったあぁぁぁぁ!」

御坂美琴は回転した勢いも使って舞台に突き刺さったフリウリスピアの柄に砂鉄の剣を叩き込む。

しかしフリウリスピアの柄は「ガキィィィィッ!」と悲鳴のような金切り音をあげたもの
の砂鉄の剣の一撃を受け止めた。

(えっ!?一体なんなの?この槍!柄もただの木じゃないってこと?)

着地した五和がフリウリスピアを引き抜くと、呆然としてしまった御坂美琴の一瞬の隙を
狙って穂先を螺旋のように回転させて砂鉄の剣を跳ね上げる。
(あっ!)と御坂美琴が我に返った時、その胴はガラ空きになっていた。
その無防備な胴にフリウリスピアの穂先が叩き込まれる。

627■■■■:2009/11/30(月) 22:00:25 ID:ol1ZVVUY
以上です。

628■■■■:2009/12/01(火) 19:49:55 ID:wYG1RQcQ
GJです

629■■■■:2009/12/01(火) 22:32:38 ID:n9gGJwvo
GJ

630■■■■:2009/12/02(水) 03:51:30 ID:q9.A6nkg
もしのギャグIFストーリー
上条が外道だったらって需要ある?原作崩壊っていうレベルじゃないし
インデックスは何か感化されて外道化してるし、10万3000冊の蔵書にSM本が混じったりするわ
勝てれば良かろうなのだァ!な上条さんに、何かおかしい先生方
何より上条さんの頭が良いそんな話でも投下しようと思ってるんだけど

631■■■■:2009/12/02(水) 04:01:03 ID:JTjifxbY
投下してから考えればいいと思います

632■■■■:2009/12/02(水) 09:12:42 ID:muuV08XU
外道な上条……鬼畜戦士ランスのような行動原理になるんだろうか。
その場合シィルの立ち位置に御坂妹? で、メインヒロインのインデックスは……リアだろうな。

633ディケイド禁書目録ライダー大戦2010:2009/12/02(水) 09:40:09 ID:0EhHVrrA
「てめぇがなんでも出来るってなら、まずはその幻想を破壊してやる!俺は通りすがりの仮面ライダーだ!」
『カメンライドォ ディディディ ディケェイ!』
 ディケイド/上条当麻

「見てなさい……あたしの『変身』!」
 クウガ/御坂美琴

「小悪党がうるせェんだよ。イクサ……爆現!」
 イクサ/一方通行

「チッ…こいつだけは使いたくなかったんだがにゃー……」
『ガブッ!』
 仮面ライダーダークキバ/土御門元春

「俺は無能力者だ!人間だ!」
 G3-X/浜面仕上

「『風紀委員』の名の下に、あなたを制止させていただきますわ。変身!」
(complete!)
 デルタ/白井黒子

「行きましょうステイル!」
「あの子を守る為なら…!」
 ナイト/神裂火織
 龍騎/ステイル=マグヌス

「鍛え方が違えんだって鍛え方が。とてつもないボーイス」
 響鬼/削板軍覇

「…戦わなければ生き残れない」
 オーディン/アレイスター=クロウリー

全てを破壊し全てを繋げ!

634■■■■:2009/12/02(水) 09:45:51 ID:q9.A6nkg
>>631
それじゃあ投下して様子見ますね、一応警告文は腹いっぱいつけさせてもらいますが
>>632
友情何円?って聞いて来る、だけどランスで言うと戦国位、PCエンジン程鬼畜じゃない

それでは投下します、警告、IFストーリー、ホモネタ、キャラ崩壊、外道化
当麻が少し金の亡者化や、敵のアホの子化による弱体化、完全なギャグ化(もしかしたらもっと酷いかもしれない)
催眠ガスや、閃光手榴弾で戦う当麻なんて見たくないという方は
名前欄の魁!外道塾!を飛ばすか、NG設定していただけると幸いです。
ではそれでも良いという方はどうぞご覧になっていってください

とある所に子供が生れ落ちた。
その子供は大きくなり少年になった、そしてその少年はつくづく不幸だった。
ある時は不良に喧嘩を売られ、ある時は生傷が絶えず、ある時は不可解な事故を起こした。
それは右腕のある能力のせいなのだが、ココにおける説明は省く。
そして少年はやさぐれた、然し父親は言った。

「人間頭が全てだ、女のケツ追い回すよか圧倒的に勉強のほうが大事」

少年は確かに不幸だった、だが不幸と勉強には関連性は無い。
ヤマを張れば外れる、だが然し範囲を全部憶えれば、理解すれば間違える事は無い。
少年は理解した、頭脳と科学こそ己を救ってくれる道だと。
そして少年…上条当麻は東京西部を開拓し、建築した学園都市に入学したのであった。
これは少年、上条当麻が酷くヤサグレ、その代わり頭脳明晰だったら、という話である。

635魁!外道塾!:2009/12/02(水) 09:48:07 ID:q9.A6nkg
>>633
すみません被ってしまいました…しかも名前欄忘れとか…アサリになりたい…

636魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:13:40 ID:q9.A6nkg
第一話「外道ま(ゲェ!当麻!)」

ココは学園都市、外界から隔絶され全ての科学技術において30年分は追随を許さぬ都市。
人口230万人の内8割は学生であり、そしてその学生の殆どが脳みそをこねくり回し、薬漬けにし超能力を開発する都市。
学校の至上は学力、そして超能力の上位者優遇社会、所謂格差社会。
そして今現在ベランダで棒立ちのこの生徒は、この学園都市の一生徒であり、この話の主人公である上条当麻。
能力は無し、性格は下手に手出しをしなければ良好、頭脳明晰、運の悪さもぴか一。
そして普通の生徒との明らかな異例、とでも言うべきなのが特殊武装の所持である。
普段は普通の見た目のこの生徒、ポッケの中や鞄の中身を悪ふざけで調べようとして。
そして、運悪く武装を見つけた者は、タダで帰れた事は無いという噂を持つ。
そして開発された能力は、幻想殺し(イマジンブレイカー)異能の能力全てを打ち消し、破壊しつくす能力である。
然し本人はこの能力を使えない、と思っており、実際この能力の副作用により絶賛不幸のオンパレード。
ある人物から逃げる時意外は全然使えない、と普段から酷評している。
そして蒲団を干そうとベランダに出た当麻、目に付いたのは白い蒲団のような物体。
「あらららら?ボケたかな?年かな?」と思いつつ良く見ると、顔立ちは可愛らしくあどけなさが残る少女が。
西洋の所謂清教徒とでも言わんばかりのシスター姿の少女が、其処でお昼寝をしているのを見つけると。
当麻は臭いものに蓋をしようとばかりにシスターさんに蒲団を被せようとし、シスターさんに手先を噛まれたのであった。

「ウッギャアアアアアアアアアアアアア!!!」
「グルルルルル…」
「分かった!謝る!流石に今回は俺が悪かった!」
「…お腹一杯ご飯を食べさせてくれると嬉しいな!」

637魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:18:03 ID:q9.A6nkg
口から手を離すと少し怒り気味なのか、素敵な笑顔でメシを要求するシスター、デコの青筋が全てを物語る。
当麻はふと台所を見るとブレーカーが落ちたせいで、冷蔵庫の中で腐りきった全ての食物を見てせせら笑う。

(こいつにはこれを処理してもらおう…)

上条は業務スマイルを向けつつ、取り合えず足元の焼きそばパンを机の上に置くと。
笑顔でシスターが食らい付いたのを尻目に、全ての痛んだ野菜と肉を醤油と油で炒め。
少し何故か付いた酸味を誤魔化せるほどに火を通し、皿に盛るとシスターの前に突き出した。
この後で定期的にとある先生と行っている、取引の時間も近い事だし、出来れば身元だけ聞いて追っ払いたい当麻。

「ハハハ、たんとお食べ!」
「わぁ!いただきまーす!」

箸で炒め物をかっ食らうシスター、そういや名前聞いてねぇなぁ…と当麻は思った。
顔も良さそうだし身なりも悪くは無い、取り合えず名前だけでも聞いておこうか。
今度親御さんから謝礼に何か貰えれば、感激の極みだし、と打算で聞いたのが後に少し悔やまれる。

「んで、名前は?」
「んぐんぐ…インデックスって言うんだよ」
「ホントカナー?」
「ホントダヨー?」
「嘘つけ!何がホントダヨー?じゃ!辞書の索引が名前なわきゃねーだろーがこのお馬鹿!」
「おば…!本当何だよ!イギリス清教何だからね!…多分…」
「多分って何だよ!多分って!アレか精神科いこうか!今日は天気がいいし脳みそが緩い人も居るし!」
「信じてないんだね!?しかも馬鹿にしてるね!?それじゃあアレなんだよ!この私の『歩く教会』を攻撃してみれば分かるんだから!」

638魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:22:47 ID:q9.A6nkg
そういってふふんと無い胸を張るインデックス、当麻も後々に冷静に対処すりゃあ良かった…と語っている。
流石の当麻もそれにイラッと来ると、部屋からほっぽり出してやろうと服の襟を掴んだのが不味かった。
ギャーギャー騒ぐインデックスの襟を持ち上げた瞬間、全ての服、帽子すらがバラバラ所か散り散りに空中で霧散した。
そして数瞬の無言の後、全裸のインデックスに頭を齧られ、本日二度目の悲鳴をあげる当麻だった。

―――――――――――――――――――

「…不幸だ…」
「本当に怒ったんだからね?っていうか能力の説明ぐらいしてよね?追い出そうとしたら叫ぶからね?」
「…この…」
「すぅ…」
「マジすみませんでした」

この少女が少し深呼吸をするだけで、立場が危うくなる当麻。
恐らくこの少女が機嫌を直すまで此の侭だろう。
昔の服を奪われ、泣く泣くベットを使わせている当麻。

「もうアレだね!服も痕跡が追えないと思うし、暫く匿って貰うんだからね?」
「え…ぁ…はい…」
「それでアレだよね、キミ性格悪いよね、更正しなきゃダメだよね?」
「え…それはちょっと…」
「…ハァ…けど正直アレは無いよね、バラバラなら未だしも、引き上げたせいで原型が無いって酷すぎるよね?」
「はい…猛反省の限りで御座います…」
「アレだよね、私あの服無いと教会に匿ってすら貰えないんだよね、どうするの?」
「…いや、宗教はわかんないっす…」
「本当に反省してるの?ふざけてるの?」
「マジ反省してるッス…」
「はぁ…もう良いよ…アレだよね、責任取るべきだよね、正直」
「あの…」
「何?」
「ボクそろそろ先生に会って、あるものの材料の補充しなくちゃ…ならないんですぅ…」
「…なにそれ?」
「あの…護身用っていうか…先生にチンピラ対策に材料だけ格安で貰ってて…そろそろ材料が尽きそうで…」
「…その護身用って、凄く強いの?」
「えーっと、そう…です…はい…」

639魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:28:51 ID:q9.A6nkg
数瞬考え込んだ後、にやりと悪徳業者の如く、あくどい顔をするインデックス。
当麻は脳内で不幸だと叫んだ。

「ふーん…その先生にこの話したらどうなるかな?」
「え!?マジ勘弁してください、学校だと優良男子で通ってるんです…こんな事ばれたら…」
「取引」
「はぁ…」
「貴方、私匿う、私、黙るOK?」
「え…ちょ…」
「O・K?」
「ハハッ、如何にでもなーれ(はぁと)」

こうして同居する事になった自称インデックス、正直泣きたくてしょうがなかった。

「私、ここに居る、貴方、行ってくるOK?」
「…不幸だ…」

そう言ってとぼとぼと部屋に鍵をかけて、とある先生、こと小萌先生の家に向かう上条。
歩いて、乗って20分、小萌先生の先生の給料で住んでいるとは思えないアパートに辿り着く上条。
ノック三回、5秒後ノック1回、俗に言う暗号であり、叩く場所も決まっている。
勿論皆にはこの事は内緒だし、言ってはいけない。
材料の供給を今絶たれた瞬間、町中のチンピラに追っかけまわされる結果になるからである。

「小萌っち先生ー」
「上条ちゃん、いらっしゃーい!」

流石に来ることが決まって居るのが分かっているため、部屋の中は片付いている。
そして雷親父の抛り投げそうなちゃぶ台の上には、フィルターや鉄や様々な薬品等が置かれている。
薬品の混合比、成分比率が紙に書いてあり、鉄の変形温度も記されている、後は之を家で加工するだけだ。

「ふむ…今日も良い感じっすねー」
「そうでしょー!そうでしょー!」

得意げに27歳とは思えない風貌で、胸をそらして満面の笑みを浮かべるこの先生は学園都市の七不思議。
見た目は子供、知能は大人、精神年齢は実は子供こと小萌先生である。
当麻が先生に頼み込んで、頼み込んで何とか薬品その他を仕入れてくれる有難い先生である。
とても煽てに乗りやすくて有難い。

640魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:36:14 ID:q9.A6nkg
「それじゃあ今日は之と之…之、之、之、之を之ぐらいで」
「今日は結構持ってくんですー?」
「最近物騒で…部屋にも仕掛けて置こうかと」
「ぶ、物騒ですね…それじゃあ今度私の分もお願いしますねー、んじゃあ之で…139800円ですねー」
「はーい、それじゃあ小萌先生も気をつけてー」
「はいはーい、それじゃあさよならなのですー」
「さよーならー」

之で後半月は安全だろう、然し小萌先生はこの薬品を何処で手に入れてくるんだろうか…そう思いつつ電車に揺られる。
当麻は勉強が出来る、そして見た目より多く入る鞄をしょいつつ、歩いて帰る。
そして出会いたくない奴に出会ってしまう。

「あー!見つけた!」
「ゲッ!またお前か」
「今度こそ私が勝つんだからね!」

と言ってバチバチと電気を帯電させつつある御坂。

「まて、今はダメだ、爆発する、お前のビリビリでここら辺がヤバイ」
「ハァ?そう言ってまた催涙ガスで逃げる気?」
「今日は本当にだめだっつーの、明日12時に○○公園でやってやるから」
「チェッ詰まんないのー」

こいつは御坂美琴、超エリート校こと常盤台のエース、レベル5こと電気を操る能力者。
こいつが喧嘩している時に電撃に一回巻き込まれたが、その電撃を右手で防いで以来。
何かと突っかかってきては催涙ガスやら、煙幕ガスやらで撃退している、容赦なんてしてたら俺が持たない。
前に一度材料を大量に持っているときに不意打ちで攻撃され、二人一緒に病院送りになって以来。
流石に之を持っている時は攻撃しちゃダメだと学習したらしい、俺も全身麻酔やらなんやらで悲惨な目にあった。
そして蛙顔の医者に取り繕って貰いちゃっかり、麻酔の生成の仕方、傷の縫い方なども教わり、特別にモノも売ってもらっている。
…然し一月に一回大怪我して会うたびに、ニコニコ笑顔でナースの話題に洒落込むのは正直どうなのやら。

「じゃあ明日ちゃんと来なさいよ?!」
「あーあー、分かった分かった」

641魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:41:03 ID:q9.A6nkg
まあ朝に来て罠を仕掛けて置くか…と思いつつ家の前に着くと、一人の男が部屋のオートロックの鍵穴に必死に何かをねじ込んでいるのが見えた。
漫画に出てくる魔術師とでも言いたげな服装だが、臭って来る香水で気分が悪い、そして現犯罪者である。
よく見るとピアスに、目の下のバーコード刺青、赤髪、タバコ、多分チンピラだろうと目星をつける。

「…何してるんだテメェ…」
「と、君がこの家の主らしいね」
「泥棒…か…」
「僕はステイル=マグヌス、悪い事は言わない、この中に居る少女インデックスを此方に渡したまえ」
「…人攫い?」
「何だって良いだろう、さあ」
「…渡せって言われると渡したくなるこの心情、どうしてくれようか…取り合えず、ボコしてから考えるか…」

当麻は荷物を脇の水道局のおじさんが開けて、よく弄っている小さなドアの中に大きな鞄を入れると。
自分のポッケから鉄の黒い棒状の物体と、水色の棒状の物体を取り出す。

「まあ、何だか知らないが、君が渡さないって言うんなら、死んで…」
「ていっ」

その塊から安全ピンを抜き、ステイルの前に抛り投げる、そして飛んでいる間にマスクを付けるが。
塊に集中しているステイルは、当麻がマスクをしている事に気が付かない。

「そんな鉄の塊、よけるのもたやs」

次の瞬間、230デシベルの大音響と2秒間の間目を瞑っても眩む閃光が廊下を照らし、気絶ガスが勢い良く煙を上げる。
聴覚と嗅覚、そして視覚を奪われ何が起こったのか分からないまま、煙に包まれたステイルは意識を失った。
そして凄惨な笑みを浮かべる、当麻の顔を最後に見た、気がする。
―――――――――――――――――――

「おい、起きろ」
「ゲフッ!」
「うわぁ!当麻凄いんだよ!ステイルをこんなにあっさり捕まえるなんて!」

腹を蹴られてステイルは目を覚ますと、先ず目の前でインデックスが小躍りしているのが見えた、そして服装が違う事に気が付いた。
ジーンズに、シャツというラフな格好に、思わず一瞬何が起きたのか理解が追いつかない。
が、インデックスのラフな格好も悪くない、とか思ってる当たり根本的にはダメ人間である。

642魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:43:30 ID:q9.A6nkg
「ほひほはへ…!?」(おいお前…!?)
「おっと…インデックス曰く魔術師、だっけ、まあ念には念を、弛緩剤を口に打たせて貰った、之から言うことに首を振って答えろ」
「ほの…!」(この!)
「答えないならドキッ、ホモだらけの公園!ドキドキ全裸ツアーだ、答えろ」
「……ふそは!」(糞が!)
「まず第一問、ホモはお好きですか?」
「はっ!?」

何の話か分からないまま首を横に振るステイル、当麻はニヤニヤしながら言った。

「寝転がって首を横に振ってるんだから、YES、だよなぁ?インデックス」
「そうだね!きっとそうだよ!歩く教会は貴方の異端な恋路を応援します!」
(嵌められた!?)
「第二問、野外プレイはお好きですか?」

今度は首を縦に振るステイル。

「おいおい、首を縦にって事はYESだよなぁ?インデックスゥ」
「そうだよね!きっとそうなんだよ!歩く教会は貴方のアブノーマルな趣味も応援します!」
「ふぉ、ぉおおおおおおおおおおおお!」
「それじゃあ、7月といっても夜はまだ肌寒いからね!たっぷり暖まっていってね!」
「じゃあねなんだよ!」

ふと周りを見回すステイル、部屋かと思ったのは公衆トイレの一室で、便器が無い個室に転がされていたらしい。
そして目の前で当麻が数人のおっさんや、ムキムキの男から紙幣を受け取るとそそくさと去っていく姿が見える。

「今日は外人かぁ…」
「お、しかも中々の上物じゃないの、上条ちゃんもやるねぇ…」(個人的には上条ちゃんも食べてみたくもあるなぁ…)
「チンピラも退治できるし、僕たちも満足、いやぁ良いシステムだよねぇ、警備員もこのシステムに暗に賛成してるし」
「そうそう、俺も警備員だけど、このシステムのお陰で犯罪率が低下して良い傾向だと思うよ」
「ハハハ!本職の方も言ってる事だし、問題ないよな!」
「おおっと、ココは始めてかい…? ケ ツ の ち か ら ぬ け よ 」
「ふぉ…ほれのそはにひはひょるなぁああああああああああああ!!!!」(俺のそばに近寄るなァァアアアアアアアアア!!)
――――――――――――――――――――

643魁!外道塾!:2009/12/02(水) 10:47:09 ID:q9.A6nkg
「ケッケッケ…大量大量…」
「当麻ー!そろそろご飯が食べたいなー!」
「今日は大量に臨時収入があるからなぁ…外に食いに行くか!」
「おーぅ!」
「たまには先生に恩返しもするべきだしね!」
「意外と良い奴なんだね!とうま!」
「そう褒めるなよ、朝、昼食ってないしなぁ、焼肉食い放題に行くか!」
「わーい!」

そう言うと携帯を取り出し、小萌先生に連絡を取る当麻。
携帯には胸ポケットと鉄糸でつながっているので、落ちる事は無いように出来ている。
数回のコールの後に連絡がつくと、笑いながら先生の家に向かって行く。

「…ど、如何しよう…ステイル死んで無いといいなぁ…」

そしてそれを指を銜えて、相方の心配をしつつ見つめる影が一人居た。

第一話 完

次回
「当麻です、流石夏休み、フリーダムな暑さです、男も茹っている様で大量に売れます」
「荒稼ぎしていたら、やけに体格の良いネーちゃんに喧嘩を売られましたが、流石に女に手を出すのは引けます」
「どうしたらいいんでしょうか、流石に女性に手を上げるのは気が引けます、大切なので二度言いました」
「次回『女は常盤台へ売り飛ばせ』『虫歯』『アレ…?』の三本です」
「ジャン、ケン、グー!うふふふふふ」

以上で投下完了で御座います
>>633氏へ
被ってしまい本当に申し訳ありませんでした

644■■■■:2009/12/02(水) 12:40:11 ID:muuV08XU
乙でしたー。
そういえばココはエロパロ板じゃない、禁書板だった……ステイルに合掌しつつ、神裂が助けに入ることを祈っておきましょうか。

645カンナギ:2009/12/02(水) 22:33:48 ID:hzWMXObQ
どうも。カンナギです。
今、『とある二人の恋愛物語』を執筆しているんですが、みなさんはインデックスが存在するシナリオとしないシナリオどちらが読みたいですか?

私としてはどちらで書き進めても問題はないのですが、これによって若干今後の話が変わってきます。みなさんはどちらがお好みですか?

646■■■■:2009/12/02(水) 22:41:41 ID:6USXF3Ko
インデックスは好きじゃないが
はいったほうが面白いかも

647■■■■:2009/12/02(水) 23:04:29 ID:0EhHVrrA
むしろ両ルートを書けばおk

648ルッシー:2009/12/03(木) 21:57:08 ID:DxaQtkeA
『とある暗部の未元物質』投下します。

649ルッシー:2009/12/03(木) 21:58:00 ID:DxaQtkeA


浜面仕上は普通の人間だ。
浜面仕上はごく普通の高校生だ。
浜面仕上はごくごく普通の無能力者だ。
よってRPGの主人公のように秘められた伝説の力や、映画の主人公のように物理法則を無視したような無茶苦茶なアクションができるわけではない。
しかし、そんな没個性人間・浜面仕上は謎の黒づくめ集団の凶弾から逃げるべく、プロのスタントマンも真っ青なスーパーアクションを決め込んでいる。
どうしてこうなったのか。話は45分程前に遡る。


「あぁ、今日は買出しの日だったわ。途中でスーパー寄ってかないとなー」
浜面は自宅の冷蔵庫の状況を思い出しながらそんな事を呻いた。
浜面が借りているアパートは第七学区の西。第九学区と第十五学区のほぼ境目と言ってもいい場所だった。
なので数多くの学校が密集している中心街や『学舎の園』がある南方面と比べると人気の無い場所でもあった。
とは言っても、今は午後二時を少し過ぎたあたり。まだ辺りは充分に明るいし、ポツリポツリではあるが通行人もいる。もちろんいきなりビームを乱射してきたり、クレーンで襲撃するような事は起こるはずがない。

しかし。

前方十時の方向に何やら蠢く二つの物体。
否、人間。
一つは黒。一つは明るい黄色。

あれー?アレどっかで見た事あるよなぁ?つーかあいつらあれで隠れてるつもりなのかなぁ?どうしよう?俺はここで声かけるべき?orスルー?
などと浜面が色々と面倒になりそうだなぁ、などど考えていると隣にいた滝壺が浜面の右腕をぐいっと引っ張り、
「あの人達、なんか苦しんでるよ」
いやあいつらは絶対そうじゃない、と浜面が返そうとした瞬間、前方にいた人影が気配を察したのか、こちらを向いた。
「む…。お、おおおおおぉぉぉぉ!!浜面じゃねぇか!!」
数年来の親友に会ったようなリアクションで歩み寄ってきたのは黒の物体、改め服部半蔵。トコトコとその後ろを郭がついてきた。
「えーと…。色々とツッコミたいところではあるんだが、とりあえず何してるんだ?お前ら…」
浜面の至極当然の質問に少し逡巡してしまう半蔵。
今現在、浜面はスキルアウトを離れ普通の高校生として生活している。風の噂では普通にアルバイトをしている姿を見た、という話も聞いた。
もう浜面仕上は汚い裏路地で手を汚すような事をしている人間ではないし、するべきではない。その事は半蔵自身、浜面の親友として理解していた。
しかし。スキルアウトのリーダー代理として、浜面仕上という人間に復帰して欲しいという気持ちもまた半蔵の本心でもあった。
だが、後者は絶対に浜面に悟られてはならない。悟られでもしたら浜面の性格だ。「俺が何とかする!」なんて言い出してまた無茶するに決まってる。
なので半蔵は適当に理由をつけて浜面をはぐらかし、早々にこの場所を去ろうとしたのだが――、

「浜面氏。私達、『原石』について調べてたら学園都市の連中に追われる羽目になったんですよ」

うぉぉい!!何でそんなあっさり正直に言っちゃうのよ!俺の苦悩と堅い決意はなんなのよ!!と、言いたげな半蔵は漫画のようなリアクションで郭に無言のツッコミを入れる。
が、当の郭は悪びれる様子はないし、それどころか気付いてもいない。
そんな半蔵を無視して浜面はイマイチ状況が掴めないので首を捻りつつ疑問を投げかける。
「なんかよく知らねえけど…とりあえず『原石』って何だ?お前ら今度は宝石でも作るのか?」
「いや、そうではなくて…。『原石』というのは――」
浜面のあまりにも的外れな話に内心呆れつつも郭が説明しようとしたが、それは叶わなかった。

650ルッシー:2009/12/03(木) 21:58:35 ID:DxaQtkeA
原因は半蔵。
半蔵が浜面に飛びかかり、強制的に地面に伏せさせたのだ。状況が理解できない三人。しかし結論はすぐに導き出された。
先程まで半蔵が背を向けていた壁に刃渡り三十センチ程のサバイバルナイフが突き刺さっていた。それは正確には半蔵を狙ったものなのだが、延長線上に浜面がいた為、結果的に浜面が狙われたような恰好になったのだ。
状況を飲み込み三人の表情にも緊張が走る。
そこからは早かった。
危険と認識するや否や、言葉も交わさずに彼らは散り散りになった。
浜面と滝壺、半蔵、郭、と三方向に分かれて走り出した。
スキルアウトは無能力者の集まり故に、純粋に戦闘に特化した人員はごく一部である。そういった彼らが『警備員』や『風紀委員』、能力者相手に立ち回るには逃げの一手が基本になる。
逃げて逃げて、闇に姿をくらまし相手の不意をつく、それが彼らスキルアウトの戦闘セオリーなのだ。
その為、どんな場所にいてもその場に合わせた逃走ルート、潜伏場所は常に頭に叩き込んである。
特に浜面はスキルアウトの『アシ』の役割を担っていたので逃走ルートの把握は他のスキルアウトのメンバーとは一線を画すものがあった。
実際に浜面が逃げ込んだルートには追っ手の足音が聞こえてくるものの、みるみるその距離を離していっている。

「(何だかよくわかんねえけど、何かおかしな事に巻き込まれたのか!?つーか咄嗟に体が反応して裏路地走り回ってるって…これってある種の職業病なのか〜!?)」


そして今に至る。


「ちくしょう!何となく嫌な予感はしてたんだ!でも何だってあいつら俺らを集中的に追ってきやがるんだ!!ターゲットは半蔵達じゃなかったのかよ!!」
ほとんど吐き捨てるように絶叫し逃走する浜面とその手に引かれる滝壺。
「(今手元にある獲物は護身用ナイフだけか。まぁ普通に生活するんだったら拳銃はいらねえもんなぁ…。もっともあの人数相手じゃ拳銃一丁あったって焼け石に水だろうけどよ!)」
追っ手の黒ずくめの集団は目測で七、八人。ただ、連中が各個撃破で追っていると仮定すれば全体の数は二十人以上は確実にいると思われた。
「(可能性は低いとは思うが、もし半蔵達と鉢合わせになった場合、当然奴らとも鉢合わせになる。そうなれば数的不利は否めないよな。だったらイチかバチかどっかに身を隠してやり過ごした方が得策かな…!)」
浜面は路地の角を左に曲がろうとした。彼の記憶が確かならその先には盗んだ金を隠す為に使われていたスペースがあったはずだ。そこに二人も入るのは厳しいが、隠れる場所としてはもってこいの場所だった。
しかし。

ドス、と何かを突き破るような音が聞こえたと思ったら浜面の動きが完全に止まった。

「ぐっ!?あっつ…!!」
浜面の左脇腹にナイフが突き刺さっていた。波状になったキルパンのようなナイフだった。そのナイフは皮膚を突き破り肉を裂くだけではなく、その傷口を抉り取るような形状をしていた。
別ルートから回り込んでいた襲撃者は浜面がこのルートを通るのを見透かしていたかのように待ち構えていたのだ。
浜面は絶叫しなかった。それは声によって追っ手に居場所を知られるのを恐れたわけではない。ただ単純に痛すぎたのだ。体幹から来る凄まじい痛みに声を上げる事すら脳が拒否していたのだ。
「はまづら!!――!?あうっ!」
滝壺は思わず浜面の名を呼んだが、直後、襲撃者の裏拳を喰らい吹き飛ばされてしまう。
その光景を見た浜面は思考が一気に沸騰する。しかし激痛と激しい怒りでまともな思考が働かない。何より体を動かす事が出来なかった。
「(体の感覚が―な、い?何でだ!?毒か!?奴らの能力か!?くそ!動け、動けよ俺の体!!)」
怒りと混乱と焦りと悔しさで思考が滅茶苦茶になっている浜面をよそに襲撃者は上半身のポケットから一丁の拳銃を取り出した。
浜面は自分の体温が下がっていくのを実感した。
襲撃者は倒れている滝壺に照準を合わせ、引き金に指をかけた。

「(何で何でだ何でだよ!!!何で俺は何もできねえんだ!!ちくしょうが!!これじゃ前と何も変わってねえじゃねえか!!!)」

憤怒による鬼の形相と、悔しさからくる泣き出しそうな表情が混在した浜面を一瞥してから襲撃者はゆっくりと引き金を引いた。

651ルッシー:2009/12/03(木) 22:01:48 ID:DxaQtkeA


「あー…何だってお前らがここにいるんだ?つーかお前らの組み合わせって一体ナニ?」
厄介なモノを見つけてしまった、とばかりにテンションの低い声を出しているのは黒髪ツンツン頭の上条当麻。
「いや、別に僕も好き好んでこんな所にいるわけではなくてね。まぁ有り体に言えば仕事ってところだよ」
こっちこそ変なゴミを拾ってしまった、とばかりに嫌味を交えて答える炎の魔術師・ステイル=マグヌス。
「別にいちいち挨拶するような仲じゃないだろ?時間が無いのだからさっさと始めましょう」
男同士の喧嘩なら後で勝手にやれ、とばかりに呆れているのは大地を掌握する魔術師・シェリー=クロムウェル。

御坂美琴から理不尽かつ無慈悲に電撃を喰らった挙句、待ち合わせをしていた筈の姫神とはぐれてしまい、やや茫然自失していた上条当麻であったがいやはや、また一悶着ありそうだ、とこれまでの経験則からこの先の展開を推測する。


「で、何なんだよ?その仕事ってのは?」
「ん…ちょっと人が多くないかい?この時間帯というのは学校の授業じゃないのか?僕達も馬鹿じゃないし、少しでも人が少ない時間帯を狙って侵入したわけなんだが…」
「テメエは人の質問に答える気は微塵も無いんですかそうですか今は一端覧祭っていう学園祭の準備だからほとんどの学校は授業無し有志の連中がその準備をしてるんダヨ」
上条は案の定とも思えるステイルの返答に対し息継ぎなしの無機質な機械音声のようなトーンで返した。
「成程。いや、僕は先の『使徒十字』の件といい、今回といい、どうも祭りという類のものに好かれているのかな」
「そんなモン知るかよ。で、いい加減に答えてもらいたいんだが、仕事ってのは何なんだよ。俺だって暇じゃないんだし、関係無いならさっさとこの場を立ち去りたいわけなんですが」
「じゃあ私が説明しましょう。上条当麻。お前、『魔神』ってのは知ってるか?」
横合いから口を挟んできたのはシェリー。上条とステイルとのやりとりに無駄な時間を過ごしたという思いが強いのか、上条を見る視線が心なしか少し鋭い。
「マジン…?って何だそりゃ?あれか?漫画とかゲームで出てくるモンスターみたいな奴か?」
科学に囲まれた世界で暮らしているのなら当然の反応な筈なのだが、全く的外れな反応に呆れを隠せない魔術世界で育ったシェリーとステイル。
「『魔神』ってのは魔術を極めた結果神の領域にまで足を突っこんだ人間を指す言葉よ。よってお前の言うモンスターとかいう表現は適切じゃないな」
「人間か…何だかよくイメージが沸かないが、そいつがどうかしたのか?」
上条の何の事も無いような質問に魔術師の二人はこれまでとは少し違ったある種の緊張感のある空気を作りだす。

「その『魔神』が学園都市に向かっている」

言ったのはステイル。
「何だって?でもどうして?」
「それはわからないわね。目的もよくわからないし。ただ確実に言える事は一つ。その『魔神』はこれまでのどんな魔術師よりも強いわよ。はっきり言って神裂が加勢した所で時間稼ぎにもならないだろうな」
「…あの右方のフィアンマって奴よりもか?」
「だろうね。奴の『聖なる右』は結局不完全な顕現だったが…それを差し引いても『魔神』はレベルが違いすぎる」
冗談じゃねぇぞ、と上条は思う。

652ルッシー:2009/12/03(木) 22:02:31 ID:DxaQtkeA
神裂やアックアと言った聖人、騎士団長、前方のヴェント、天草式や騎士派の精鋭、イギリス清教に属する高レベルの魔術師らを総動員してやっと退けた右方のフィアンマを遥かに上回る魔術師がいるとは。
しかし上条には解せない事があった。
「でもさ、そんな強い魔術師が勝手に動いたら色々と面倒が起きるんじゃないのか?ほら、神裂とかは勝手に動けないとか制約があったじゃんか。神の右席が来た時だって一応ローマ教皇の許可があったって話だったじゃねぇか」
「うん、神裂はイギリス清教に属する魔術師だからね。君には理解できないかもしれないが、魔術世界にも色々とルールってものがあるんだよ。彼女はそのルールに準じて活動している。もちろん僕達もね」
だが、とステイルは付け足して、
「『魔神』にはそれがない。奴は魔術世界に身を置きながら、宗派はおろか魔術結社にすら属さない完璧な孤高の魔術師なんだよ」
「孤高の…魔術師……」
上条は息を飲む。
「魔術世界はローマ正教、イギリス清教、ロシア聖教の三者により構築されているのは、これまでの事からわかっているよね。これらはそれぞれが不可侵条約なるものを作って表立った正面衝突を防いでいるわけだが――」
ステイルは吸い終わった煙草を携帯灰皿に入れ、新たな煙草に火をつける。煙草独特の匂いにわずかに顔をしかめたのはシェリー。
「しかし個人で動く『魔神』にはそれが適用されない。そもそも適用された所で奴を止める手段は皆無なんだけどね」
「それで…これからどうするんだ?」
「とりあえず僕達の仕事は禁書目録の保護だ。とは言っても無理矢理君と引き剥がしてイギリスに連れ帰るわけじゃないから安心していいよ。癪ではあるが君も保護対象になってるみたいだからね」
「俺に何かできる事は――」
「勝手に動くのはよしてくれよ。これからあたし達は防御用の結界を張らなきゃならないのよ。あんたのその右手で壊されたら二度手間になるだろ?」
上条の言葉を遮ったのはシェリーだった。
返す言葉が見つからない上条をほくそ笑みながら、ステイルは言う。
「まぁ防御用の結界は保険のようなものだ。戦闘になると決まったわけじゃないし、話し合いで解決できるものであればそれに越した事はないからね。こちらから過剰なアクションを起こす必要もないだろう」
言いながら上条の肩をポンと叩く。
「まぁここまで色々と説明したが、まずはあの子と合流しなくちゃ話は始まらないわけなんだけど…あの子はどこにいるんだい?」
上条は鬱陶しそうとステイルの手を退ける。
「あぁ…そういや小萌先生の所に行くって言ってたな。まぁここからじゃそんな遠くはないし、すぐに落ち合えるだろ」
「よし。じゃあ早速案内してもらおうか。事態は急を要するだろうからね」

653『とある暗部の未元物質』:2009/12/03(木) 22:03:15 ID:DxaQtkeA


垣根帝督は学園都市内のとあるコンビニの中にいた。少し小腹が空いたので食料調達に来たというわけだ。
「(ったく、前だったらこんなもん下っ端の野郎を使い走りさせれば済んだ話だったんだけどな。まぁこうやって俗世に触れるのも悪くはねえが――)」
ピリリリッ、という携帯電話の着信音に垣根の思考は遮断された。
誰だこの野郎、と舌打ちしながら携帯電話を取り出すと、そのディスプレイには番号のみが表示されていた。
「(非通知じゃねぇのか?こっちの番号知ってる奴なんてそんないない筈だし、そもそも連中がこんな番号丸出しでかけてくるわけねぇんだけどな)」
垣根は携帯電話を二つ持っていた。一つは『表』の世界で使うもの。一つは『裏』の世界で使うもの。今鳴っているのは後者だ。
考えても仕方ないしとりあえず出るか、と結論を出し通話ボタンを押す。

『お、やっと出たか。用足さない携帯だと思って呆れそうなところだったんだけど』
「ん?誰だお前?」
『随分な言われ様だけど。お前は三時間前に話した人間の声を忘れてしまう程物忘れが酷いのか?』
「ん…あー雲川か。お前何で俺の番号知ってんだよ」
クスッ、という笑いが電話越しに聞こえ垣根は言葉では言い表せないような不快感のようなものを感じた。
『そこは気にするなよ。乙女の秘密という事にしといてくれると嬉しいけど』
「はいはい。で、何用よ?」
『いやあ、そろそろ学園都市の異変に気付いてもらえたかな、と思ってね。復帰に向けての試運転も上々だったと思うんだけど?』
「テメエ全部知ってやがったのか。あいつはお前の差し金…ってわけでも無さそうだな。お前がそんな事するメリットがあるわけねえもんな」
言いながらレジの店員に商品を預けた。直後、店員がビクッ!と肩を震わせたが垣根はそんな事には気付いていない。
『それはそうだ。学園都市第二位に喧嘩を売るほど私は馬鹿じゃないけど』
「じゃあ何なんだ?『ブレイン』とも呼ばれるお方がわざわざコンタクトを取ってきたんだ。下らん世間話じゃないんだろ?」
『察しが早くて助かるよ。それじゃ早速本題に入ろうか。昼間にお前達の『役割』について話したと思うんだけど――』
「あぁ、一方通行の野郎と俺と、それと…削板って奴の話か?」
『そうだ。まぁお前はある程度知っていそうだが、私の方も色々ツテを辿って新しい情報を掴んだんだよ。それを特別に教えてやろうと思ってな』
「これはこれは有難い、と言いたい所なんだが、またどういう風の吹き回しだそりゃ?何だか色々と後が怖いんだが」
『まぁ黙って聞けよ。お前にとっても悪くない話だと思うけど?』
「…」
沈黙は無言の了承。

『さて、いきなり質問なんだが、アレイスターはどうして学園都市を作ったと思う?』
「あ?そんなの俺が聞きたいくらいなんだが?」
『そうだな。では第二の質問だ。一方通行の能力とは何だ?』
「そりゃ『ベクトル操作』だろ?つーかお前俺の事舐めてるだろ?」
垣根は会計が終わったレジで商品を受け取り店の外に出る。午後の陽気のせいか外が少し静かな感じがする。
『では最後の質問だ。一方通行にも操れないベクトルは存在すると思うか?』
「……」
ない、と答えるのが普通だ。
しかし『ブレイン』と呼ばれる天才少女がわざわざこんなわかりきった事を聞いてくると少し勘繰ってしまう。だからこそ垣根はわずかの間を置いて答えた。
「ある、というのが正解なんだろうな」
『では、それは何だと思う?』
雲川の声に笑いのような感情が混じっているような気がした。
「それをお前が教えてくれるんじゃないのか?」
もったいぶってないでさっさと結論を言え、と垣根は思う。
『そうだったな。いや、失礼。私はどうもこうやってもったいぶって話すのが大好きみたいだけど。まぁ悪く思わないでくれ』
雲川は笑いながら言うと、その笑いが引くまで言葉を止めた。
そして数秒の沈黙の後、彼女は一言だけ、ゆっくりとこう言った。


『「時間」――だよ』

654ルッシー:2009/12/03(木) 22:04:45 ID:DxaQtkeA
以上、今回の3話分でした。
5,6の名前欄が『とある暗部の未元物質』にするのを忘れてました・・・。
まぁその辺は脳内変換でお願いします・・・。

655「とあるクリスマスのバカ騒ぎ」:2009/12/04(金) 00:30:55 ID:UEhR7W6Y
december 24th

イギリス清教の最深部聖ジョージ大聖堂
そこは常に神聖な空気が漂い、静まり返っている・・・はずだが
そこでは二人の女性が言い争っていた。

一人は見た目18歳くらいの簡素なベージュの修道服を着た
アークビショップ(最大主教)ことローラ=スチュワート

もう一人はジーンズを太ももまでカットしたとんでもない服装の
天草式元女教皇こと神崎火織

二人の喧嘩の原因はクリスマス前で忙しいのに
ローラが、『学園都市』に行きたいなどということを言いだしたからだ。

「だから、なんでこの忙しいときに『学園都市』に行きたいとか言い出すんですか?」
ローラは誇らしげに、しっかりとした日本語で
「だって今度はしっかり日本語勉強したから試しに行きたいのよ」
神崎がここまで必死に止めるのには理由があった。

それはおそらく最大主教は真っ先にあの幻想殺しの少年に会いに行って『堕天使エロメイド』の事を聞くだろう
それだけは避けなければならない。
「ステイルや『新生天草式』も行きたいと言ってるし
慰安旅行ということでアレイスターに言ったらokもらえたし、     
ちなみに参加者はあの少年の知り合いに限ったからそんなに多くはないから出発は、明日にしまーす」

ガクッ神崎が崩れ落ちた。

656とあるクリスマスのバカ騒ぎ:2009/12/04(金) 01:48:11 ID:KOrx4OE2
学園都市 男子寮

「ふわぁー、ってさみーぃ」
それもその筈、上条当麻は風呂のバスタブの中で寝ていた。
「そのうち風邪ひくんじゃねえか、でも布団で寝るのは…はぁー」

上条当麻は遅めの朝食を作る。

本当は冬休みだからゆっくり寝たいのだが、同居人が許さないだろう
「当麻、当麻、まだご飯できないの?
もう我慢できないかもガブッといくかも」
「いくかもじゃねえ、もう少しだから待ってくれインデックスもうすぐできるから
痛い、砕かれる、やめて、不幸だあーーー」
同居人とは、この頭に噛みついているインデックスという名前の少女だ。

657とあるクリスマスのバカ騒ぎ:2009/12/04(金) 02:21:43 ID:KOrx4OE2

朝食を食べながら、
「インデックスこの後どうする、俺はクラスの何人かと遊ぶけどついてくるか?」

「今日は小萌の家に行ってくる」
「あんまり迷惑かけんなよじゃあ鍵はここに置いて行くからちゃんと閉めてけよ」
そう言って家を出て集合場所へ急いだ。

658■■■■:2009/12/04(金) 07:37:56 ID:EarfOflU
投下してくれたのはよかったが、sageろ、投下しますなど言った方がいい、投下が終わったら投下終了などの言葉をいれろ。この3つは守ってほしいね

659■■■■:2009/12/04(金) 12:36:07 ID:vOJGJ5Bw
>>657
投稿乙
では>>658でも言われているが2、3指摘を
1.sageよう
 ただし、万人に見て欲しいと言うならば強制はしない。
2.投下宣言・終了宣言
 ないとレスに困るし、投稿を考えていた別の人と被ってカオスになりがち。
 終了を待ってくれている人の為にも。
3.メモ帳に書き溜めろ
 投稿間隔を見る限り、直書きをやっていると見た。
 推敲ができないし、なにより時間を食ってやっぱりレスに困る。
 メモ帳に書き溜めておいて、そこから掲示板へコピペというのが推奨される。
4.誤字脱字・書き方の問題
 初心者にありがちな禁書ルールミスが。
 ・禁書が日本人を呼ぶ時の呼び方はすべて「ひらがな」
  (とうま、かおり、こもえ、ひょうかetc..)
 ・ねーちんは神「裂」火織
 1レス目の「それはおそらく〜」なんか日本語としておかしいと感じた

これらが続編でどうなっているかに期待

660■■■■:2009/12/04(金) 21:51:39 ID:pmvMp.YM
ローラ=スチュアートだ。
スチュワート違う。

661■■■■:2009/12/04(金) 22:44:05 ID:8gsZKosE
時間はスカラーじゃないのか

662カンナギ:2009/12/06(日) 01:20:43 ID:vrNPXeoQ
どうも「とある二人の恋愛物語」を投下したいと思います。
>>646
私もそこまで好きなキャラではありませんが、禁書には欠かせませんよね。やっぱり。
>>647
二つのルートですか。面白そうなので時間ができたら書いてもいいかも。

では、どうぞ。

663とある二人の恋愛物語:2009/12/06(日) 01:21:51 ID:vrNPXeoQ
一日目
PM7:50

注文を終えてから料理は案外速く運ばれてきた。運んできたのがさっきと同じ店員さんだったので、大変気まずい思いをした上条だったが、美琴はさっきから黙ったままだ。さっきとっさに彼女扱いした事に腹を立てているのだろうか。それとも知らぬ間にまた何かしてしまったのだろうか。
「おい、どうしたんだ?」
「………。」
「さめちまうぞ?」
「………。」
返答がないので一旦席を立ち、美琴側のテーブルに回り込んで顔をのぞいた。どうやらなにか考え事をしているようだ。
「おーい、御坂さん?」
「…に………な…私。」
「ん?なんか言ったか?」
「!!?な、なななななななにやってんのよそんなところで!」
美琴は驚いて思わず上条に思いっきりビンタをかましてしまった。
「へぶし!?」
上条は急の衝撃に耐えられず後ろに沿って床に頭をぶつけてさらに悶えた。
「はっ!ご、ごめん!大丈夫!?」
美琴は自分のビンタで床に転がった上条を抱き起こした。
「み、御坂さん…なぜ…?」
「ご、ごめん!で、でもアンタも悪いのよ?あんなデリカシーのないこと…!!」
「うぅ、スマン…。」
なんだか理不尽のような気がしなくもないが、確かに自分にも非があると思うので素直に謝る。上条はビンタされたところを擦りながら席に戻り、美琴もそれに続いた。
「ねえ…。」
「ん?なんだ?」
「さっきさ…私を彼女扱いにした時――。」
「あ、わりぃ、気に障ったんなら謝るよ。俺はただ御坂があのマスコットが欲しかったみたいだし、それに――。」
「そ、そうじゃなくて!」
「?」
「そうじゃなくて……さっき、私の名前を美琴って呼んでくれたじゃない…?」
「ああ。呼んだけど?」
『呼んだ』ではなく、『呼んでくれた』と言っているのだが、そのニュアンスが意味することどころか、ニュアンスの違いにすら鈍感な上条は気づかない。
「せ、せっかくの機会だしさ、これからはずっとそれで呼んでくれない?」
「え?」
「い、いや、たいした意味はないのよ?ほら私ってさ、普段同級生相手でも御坂さんとか、堅苦しい呼び方されるからさ、下級生にいたってはお姉さまよ?だからタメで呼べる相手ってあんまりいないのよ。あんただったら別に気を使う必要もないし軽く話せるからいいかなって、それだけ。」
「……一応俺も年上なんだが?」
「それがどうかした?」
「オイ。」
思わず突っ込んでしまったが、もう正直どうでもよかった。
「まあお前ががそうして欲しいってんならそうするけどな。美琴。」
「!!」
「? どうした?」
「な、なんでもない。じ、じゃあ冷めないうちに食べましょう?」
すこし不審に思った上条だったが特に追求せず、料理に手をつけようとしたところで携帯がなり始めた。
「ん?悪いみさ…美琴。先食べててくれ、ちょっと電話してくるから。」
「え?う、うん。」
上条は席を立ち、お手洗いの方へ足を運んだ。急に呼び方を変えろといわれてもしばらくは慣れそうにない。いままでも時々美琴と呼んでしまった時もあったが、それは無意識に呼んでいたから特に気にしてなかった。まあ本人が望んでるのでその通りにすることにする。
上条は、お手洗いにはいってから携帯を取り出し、通話ボタンを押した。

664とある二人の恋愛物語:2009/12/06(日) 01:23:32 ID:vrNPXeoQ
PM7:55
1.
上条がお手洗いに入っていったのを見てから、美琴は大きく溜息をついた。
「はぁ…どうしちゃったんだろ私」
あの馬鹿と一緒にいるとどうも調子が狂う。いつもなら一発電撃をおみまいして終わらせるのだが、なぜかそれができない。さっき彼女扱いされたとき、そんなに嫌な気分ではなかった。むしろ少し嬉しく感じでいる自分がいた。この気持ちはどこから来るものなのだろう。妹達の事件以降、私のあいつに対する思いが変わった…そんな気がする。あいつが一方通行との戦いの時に殺されるかもしれない境地に立たされたとき、私は超電磁砲の標準を一方通行に向けていた。打ったら自分がどんなことになるか理解していたはずなのに、あの時確かに思った。
私はどうなってもかまわない。だから、私たちのために戦ってくれているこの少年を助けてください。と……。
つい先日も海原に変装していた能力者(学園都市の書庫には幾ら探しても載っていなかったが)と戦っていた。なにか会話していたようだったが美琴には理解できないところが殆どだった。だが、わかったことが一つだけある。彼らは私、御坂美琴という少女のために戦っていたということを…。

「…なにやってんだろうな私、すごく助けられてるのに。なのに…。」
美琴はぼそっと口に出した。

こんな感じで軽く思いにふけっていると、店の入り口から二人組みのお客が入ってきた。そのご飯時なのでそれ自体は珍しくないが、美琴が気になったのはその二人の顔だった。

「(ん?あの二人…どっかで見たような……?)」

665とある二人の恋愛物語:2009/12/06(日) 01:24:03 ID:vrNPXeoQ
2.
「はい、もしもし上条ですけど。」
『あ、カミやん?やっとつながったわー。』
「なんだ青髪か。何の用だ?」
『今、メシ食いにきとるんやけどカミやんもどや?』
「悪いけど俺も外食中だ。」
『ん?自炊派のカミやんが外食とは珍しいわな。いったいどういう風の吹き回し…ってちょっとまってな。』
後ろの方から「代われ」という声が聞き取れた。少し雑音が混じり、その声の主が出た。
『はぁーい、カミやーん。元気かにゃー?』
「土御門か。お前も一緒だったのか。」
『だにゃー。親友二人の誘いを断るって事はまさか女の子と仲良くお食事なんて素敵イベント中だったりするのかにゃー?』
ぶはぁ!と土御門の言葉に上条は思わず吹き出した。
「なななななにを言っていらっしゃるのですか土御門さん??この不幸の塊の上条さんにそんな素敵イベントが起こる幸運なんて持ち合わせてるわけないじゃないですかー?」
『にゃー。なんで敬語かつ最後が疑問形なんだ?まさか本当に…。』
「そんなわけないだろ!第一仕送り日前の上条さんの家計には余裕の文字なんて存在しないのですよ?」
『そうだにゃー。幾ら節操なしのカミやんでもそんなことないわなー。』
そのあと小さな声で(おそらく青髪ピアスに聞こえないようにするための配慮だろうが)ぼそっと『(大方、禁書目録にでもねだられたんだろ?)』と言ったその言葉に適当に相槌を打って誤魔化す。ちなみにインデックスは小萌先生のところにお泊りに行っている。なんでも姫神も呼んで焼肉パーティをやるらしい。できれば自分もご相伴に預かりたかったが、さすがに小萌先生に悪いし、なにより女三人の中に男一人というのも居心地が悪い。だからインデックスが居ない分、食費が浮いてラッキーと思っていたのだが。
「(結局、美琴に奢る羽目になちゃって、俺自身の値段も含めるといつもとあんまり変わらないんだよな……。)」
『しっかし、旗男のカミやんが抜けるとなると今夜も無理かにゃー?』
「あぁ?なんのことだ?」
『ナンパに決まってるぜよー。』
「………は?」
今この変態シスコン野郎は一体なにを言いやがりましたか?
『ナンパぜよ、ナ・ン・パ』
できれば聞き違いであって欲しかった。自分の数少ない友人達が悲しい境遇に苛まれている事を知ってしまうから。いや、いまさらか?
『にゃー、ここ連日この相棒と街中でいい女を見つけてはアタックしかけてたんだが、これがなかなかうまくいかないんぜよ。店にはいった今も探してるんだけどにゃー?』
「念のためにお聞きしますが、それと俺が一体どういう関係があるってんだ?」
土御門から携帯を受け取った青髪ピアスが言う。
『そんなのきまっとるやん。クラスの女の子やおろか、常盤台のお嬢様までもカミやんの手に堕ちた今!カミやんのその女の子属性を逆手にとって、一緒に行動することでおこぼれを頂戴するというナイスな作戦やで!?』
ちなみに考えたのは俺だぜよ?と、後ろのほうから土御門が答える。もうここまで言われると物も言えない。どうでもいいが、それって自力では彼女なんて作れませんって敗北宣言掲げてるのとニュアンス的に同じなのでは……?
『というわけでカミやん!親友の頼みを聞いてくれ!俺達に春を!青春を!!希望を!!!愛を!!!!正義を!!!!!優勝を!!!!!!ぎゃっ。ブッ ツー、ツー、ツー、ツー、』
これ以上聞いていられなかった。
「はぁ…、なんかさらに疲れた。早いとこ美琴のとこ戻って飯を食おう。」

PM7:55 終了

666とある二人の恋愛物語:2009/12/06(日) 01:27:00 ID:vrNPXeoQ
終了です。今回は時間の区切りが短いので二つ投稿しました。
これからもいろんなキャラを出す予定です。
投稿は遅いですが、気長に待っててくれると幸いです

667■■■■:2009/12/06(日) 06:21:02 ID:cXYSbHAc
>>663-665
GJ!!!
気長に待ってますにゃー。

668■■■■:2009/12/06(日) 18:10:37 ID:nP2BHuw6
すっごい今更だけど。
ここで言うべきことじゃないかもしれないけど。

やっぱ当麻と美琴の恋愛って違和感あるよね。

いや、当麻が美琴に恋愛感情を向けるシーン全てが
「偽物」なんだと思うと、途端に冷めちゃうんだよね…
まあ、原作で叶わないことを叶えるのが2次創作だから
間違っちゃいないんだけど。

669■■■■:2009/12/06(日) 18:27:57 ID:hYwUEZE6
>>663-665
GJです
毎回見てますが最初に比べるとによくなっている
不覚にもニヤニヤしてしまった…
今後も期待しています

670カルピス:2009/12/06(日) 23:30:59 ID:3PjmQsCc
気長に待ってますよ〜
とはいっても やっぱり早く見たかったりして(笑)

671■■■■:2009/12/06(日) 23:31:00 ID:aSeYJZVE
>>665
GJ!
美琴の言ってた「あの二人」ってやっぱり青ピとつっちーのことか?

>>668
SSスレで何をほざいとるんだ君は

672■■■■:2009/12/09(水) 20:34:29 ID:zPVlObAk
>>670
無意味なコメントにコテつけてんじゃねぇよ
つか、sageろ

673■■■■:2009/12/09(水) 21:24:56 ID:..2lkRXE
SSS・・・神の力 エイワス
SSA・・・インデックス ヒューズ=カザキリ フィアンマ 
SS・・・黒翼一方通行  アックア(全盛期) オッレルス キャーリサ
SA・・・アウレオルス 一方通行(全盛期) ヴェント アックア ナイトリーダー(テレズマ供給) エリザード 
S・・・神裂火織 一方通行 ナイトリーダー ローマ教皇 テッラ 垣根帝督A・・・ 
A・・・御坂美琴 削板軍覇 麦野沈利 結標淡希 バードウェイ

以下略

禁書のクラスってこんな感じでオッケー?
ってか神裂さんがやたらと下だなァ 「聖人 」なんて怪物だったはずなのに・・・
インフレというのは恐ろしいね!(>_<)

674■■■■:2009/12/09(水) 21:44:01 ID:1wsFv37g
>>673
スレタイを1万回ほど読み返してみたら?
って、ミサカはミサカは皮肉を交えつつ指摘してみたり。

675■■■■:2009/12/09(水) 22:21:41 ID:OxUl2rxY
えーと初めましてー。通行止めな小ネタ投下しまーす
一方通行スレで「勉強を教える一方さんと教わる打ち止め」に萌えたので、書いてみた。
当初の「教え教わる」というシーンを書きたかったハズがいつの間にか脱線してたヨ
ト書きに無理やり地文を足したのでちょっとおかしい所もありますが、気にしないでくたちい。

キャラが崩壊しています。注意

676お前ら何の勉強するつもりだ1:2009/12/09(水) 22:23:07 ID:OxUl2rxY


とある昼下がり。ファミリーサイドというマンションの一室で、全身白ずくめの少年と青いワンピースの少女がテーブルに向かっていた。
ふかふかのソファを陣取って打ち止めが鉛筆を握り、その隣で面倒そうに、何かを諦めた表情で付き合わされている一方通行。
少女が格闘しているのは、黄泉川と芳川が与えてくれた、学園都市のこども用の計算ドリルである。
それとにらめっこしながら、打ち止めは鉛筆をコロコロとあらぬ方向へ転がした。

「うう〜、微妙によくわかんないかも、ってミサカはミサカはうだー飽きた…」
「教えてくれっつったのはお前だろォが…ったく」

ドリルの前半を調子よくスラスラと終わらせた打ち止めは、なんだ楽勝だと高をくくっていたのだが、
発展問題に突入したあたりで雲行きが怪しくなってきたのだった。
打ち止めにはレベル3相当の頭脳がある。理解力はあるのだ。だが、「小学生が習うような」問題には免疫があまり無かった。
小学生用の易しい(かえって回りくどい)問題の提示に、打ち止めはすっかり参ってしまっているのである。

「解りそうなのにもうちょいなのに、ってミサカはミサカは手の届かないもどかしさに呻いてみたりー」

うぐぅー、うだぁ、という声とともに、打ち止めの頭のてっぺんから生えたアホ毛がへにょりと垂れ下がる。仕組みは不明だが。

「何かやる気になるような素敵なご褒美が欲しいかもーってミサカはミサカは貴方をチラ見してみるんだけど?」

ぐでっとテーブルにつっぷす打ち止めの隣で、一方通行は思いきり嫌そうな顔をして怒鳴った。

「ハァ?!図々しいにも程があンだろうが!!
あー…、もーめんどくせェ…じゃあこれが終わったら黄泉川が用意してったドーナツ、俺の分もやるからよォ、さっさと…」
「えぇ…おやつで釣られるわけないじゃないってミサカはミサカは分かりやすい子供扱いに呆れ顔で溜め息をついてみたり」
「クソガキィィ!その顔この上なく苛立つ!!ンじゃ何が欲しいンだよテメェはよォォ!」
「んっとね、じゃあ一個だけ、なんでも言うことを聞くー!っていうのはどうかなってミサカはミサカは衝撃の提案!」
「…はァ…?ンなことかよ」

一方通行は思わぬ申し出にきょとんとした。
どこぞの有名洋菓子店のなんたらいう限定商品が欲しいだの、一つ何万円もする巨大なぬいぐるみを買ってだの、
そういう方向のおねだりをされると思っていたからだ。
なんだそんなことか。一方通行はよく考えもせずに承諾した。

「あれ?いいの?」
「あーはいはい、なンでも構わねェから。こンなモンでやる気になるならとっとと終わらせろ」
「やっったぁー!よっしゃー頑張るぞーってミサカはミサカは俄然やる気になってみたりー!
今なら宇宙の法則だって解き明かせるんだからーってミサカはミサカはハーイテーンショーン!!」

打ち止めは転がしっぱなしだった鉛筆をはっしと握りしめ、そのまま天に突き上げて叫ぶ。何度か小さくガッツポーズもしている。
そこまで喜ぶ打ち止めを見て、一方通行も若干不安になったものの、10歳児の考えることなんて…と気をとりなおす。
言うことを聞かせて喜ぶなんざ、将来が不安だ…全くこんな育て方したのは誰だと内心嘆息した。

「テメェはナチュラルボーンハイテンションだろ。うるせェから黙って解け」
「はぁーい!約束なんだからねー!てミサカはミサっ」
「うるさい」

いい加減に喧しいので、ビシッと音がなるほどチョップを振り下ろした。
涙目になった打ち止めは、一度だけ「見てろよモヤシ」という視線を一方通行にやったあと、がばっとドリルに取り掛かった。

677お前ら何の勉強するつもりだ2:2009/12/09(水) 22:24:46 ID:OxUl2rxY

2時間後…


「おー、わったーっ!ってミサカはミサカは目標達成!!」
「や、やっと終わったァ…」
打ち止めが喜ぶ横で一方通行はぐったりとソファに倒れ込んだ。疲れた、もう二度とドリルなんか手伝わない。
結局最後まで、これはどうするのあれはなんなの問題の意味が解らないの、じゃあこの場合どうなるの理解できないなぜなになんで、
と打ち止めが一方通行に質問責めを続けたせいで、こっそりと途中で逃走を図るつもりだったのだが当てが外れてしまった。
一方通行にとっては遥か昔にやったものばかりで、自分では暗算すらするまでもなく当たり前に答えが浮かんでくる、そんなレベルの問題だった。
だがそれを説明しろと言われ、分かりやすく噛み砕くのには神経が磨り減る。
理論を説くことはできても、それを打ち止めのためにあれに例えこれに置き換えと、それを考える方にすっかり疲れきってしまったのだ。

「二度と…やらねェ…」
「ね、ねぇ、約束なんだけどーってミサカはミサカはおずおず申し出てみたり…」

ソファに沈む一方通行は目線だけ打ち止めにやって、はぁと溜め息した。

「でェ?俺に散々手伝わせといて、更に言うこと聞けってかァ…いいご身分だなお姫様ァ」
「うう…貴方には感謝してるもん…ありがとうってミサカはミサカはお礼を伝えてみたりー」
「ハァ。ンで何をやればいいンだよ」
「えっとね…き、キスして?ってミサカはミサカは貴方に覆い被さってみたりして…」
「……はィ?」

キシッ、とソファが鳴る。仰向けに寝転がった一方通行を見下ろすように打ち止めが一方通行の顔の両脇に手をついた。

「だから、だからね、き、キスして欲しいかも、てミサカはミサカは貴方を見つめてみる。あ、真面目なんだからね」
「……………………」

ビシリと音を立てて一方通行は固まった。ものの見事に固まった。コンクリートよりも固まった。強化プラスチックなんてメじゃない。

打ち止めの顔が近づく。
まるで少女が代理演算をストップさせてしまった時のように、頭は働かず体も動かない。
一方通行は真っ赤になった打ち止めの顔から目を逸らすことさえ出来ずに、驚きに身を強張らせていた。
打ち止めが瞼を閉じる。それさえスローモーションで、混乱した頭は手足に何の命令も送ってくれなかった。
(コイツ、自分から言い出した、くせに、ゆでダコみてェになりやがって、――えっと、なに)


距離が0になり、二人の唇が重なる――

678お前ら何の勉強するつもりだ3:2009/12/09(水) 22:26:21 ID:OxUl2rxY



「奪っ♪ちゃっ♪たー♪♪」
小さなリップ音を立て打ち止めの唇が離れていったあと、打ち止めはばたばたばたーーっ!とソファから逃げ出していった。
部屋の隅でスーハースーハーと深呼吸をして、じたばたと転がって、ふるふると震えて時折キャー!と小さく叫んで。
暫くそうして悶えてから、まだソファで固まったままの一方通行の傍までやってきて、(まだ真っ赤な顔のまま)ニヤニヤと笑って言った。
奪っちゃった、と。

「………(な…なンだただのキスか…ビビったァァァ…
ってそういう問題じゃねェよ!何がどうなってンだよ今何が起こったよ奪っちゃったってオイ奪われちゃったのかよつーか俺が奪われる側とかどーなンだ!?)」

プスン…

「あっ?ど、どうしちゃったのなんだか貴方の様子がおかし…ああっスイッチ切れてるどうしてなの!?ってミサカはミサカはー!」
「ただいまじゃーん…はぁ〜黄泉川さん疲れt」
「ヨミカワーっ!キスしたらあの人が機能停止しちゃったの!ってミサカはミサカは半泣きになってみたりぃぃ!」
「ブホフゥッ!きっ、何だってぇ?アイツついにアンタに手ェ出したじゃんっ??!!駄目じゃんそんな――」
「手を出したのはミサカかもーってそれどころじゃないのヨミカワぁぁぁ!
どうしようーキスしたら死んじゃう生き物なんて初めて聞いたかもーってミサカはミサカは大混乱ッ!!」
「混乱してるのは私じゃんよー!!何があったの詳しく聞かせなさいじゃん!!でも聞いたところで解決出来る気がしない助けて桔梗ー!!」

一方通行は、遠くで聞こえる喧騒をすべてシャットアウトした。もうなんだか考えるのもバカバカしい。奪われちゃったらしいし。
とりあえず3日ほどひきこもろう。そうしよう。それがいい。
子供に振り回されるのは人間なら誰でも通る道だとは言った。確かに言ったが、こういった振り回され方をするなんて想定していない。
(なんかもうどうでもいいや…)

一方通行は投げ遣りな心持ちで、げんなりと目を閉じた。もう、ため息もでない。



初な悪党と積極的な子供のおはなし。

679■■■■:2009/12/09(水) 22:27:30 ID:OxUl2rxY
いじょー。お粗末さまでした。
じたばたする打ち止めは可愛いと思います。
自分からやっといて照れまくる幼女萌え

ではROMに戻りますー

680■■■■:2009/12/09(水) 23:13:24 ID:D0qds4NM
>>679
読破後3分経過。未だニヤニヤが止まらず。
一方さん可愛いよ一方さん。
GJでした!

681わたあめ:2009/12/09(水) 23:35:29 ID:5EVM7iYY
お久しぶりです。わたあめです。
続きができたんで投下します。

682ミニマム当麻:2009/12/09(水) 23:36:25 ID:5EVM7iYY

「ふう、なんとか逃げ切ったか…」

ここは第七学区の大通り、現在当麻は、学校でのリアル鬼ごっこから逃げ切り、下校中である。
(ふははは!逃げることに関して、この上条さんに勝てるとでも思ったか!)
などと、心の中で何かほざいている当麻だが、もちろん逃げ切れたのは、
ほぼゴジラのように暴れまくった吹寄のおかげだった。
(それにしても、まさかあのタイミングで吹寄が出てくるとは思わなかったな……たぶんあいつら、
 明日は顔面に包帯巻いて学校に来るだろうな。お気の毒に……)

そんな感じで当麻が機嫌よく下校している時、学校では制裁という名の八つ当たりが行われていた。

「にゃ、にゃー!ふ、吹寄様、そろそろお怒りを静め―――」
土御門の額に吹寄のおでこDXがたたき込まれる!
「うるさい!あんたたち!今日という今日は勘弁ならないわ!!」
「吹寄はん!?そないやったら上やんもグルギョバ!」
右ストレートがクリティカルヒット!
「黙れ!あんたたちに発言する権利なんてないのよ!それにあんたたち、あたしにちっちゃい子を殴れって言うの!?」
吹寄の怒りはとどまることを知らず、土御門達が発言をするたびに、
攻撃力が上がっていく。
もちろん馬鹿な男たちにわかるはずがなく、どんどん発言をしていくやつから、なぎ倒されていった。
「「上やん!覚えとけよおおぉぉおぉお!!」」

「うお!?なんだ?急に寒気が……」
風邪でも引いたかな?そう思っていた矢先後ろから

「おや?あの少年によく似た子供ですね。とミサカは話しかけてみます。」
「あ?なんだ、御坂妹(10032号)か。」
「何でミサカのことを知っているのですか?とミサカは質問します。」
「あぁ、この姿じゃわからねえのも無理はねえか。俺は上条当麻さんですよ〜」
「そうですか、とミサカは納得してみます。」
(あり?そんなに驚いてねーな。はっ!もしや、俺はそんなことも気にならないほどどうでもいいやつなのか!?」
そんな風に、いろいろなことを考えている当麻をよそに、
御坂妹はミサカネットワークで緊急会議を行っていた。

〜緊急会議、当麻さんの異変について〜

(と、突然ですが、今から緊急会議を行います!とミサカ10032号は他のミサカを呼びかけます。まず、この映像を見てください!)
(一体何の会議ですか?とミサカ10045号は――な、何ですかこれは!?とミサカはこの映像に驚愕してみます!)
(この子は当麻さんに弟か何かですか?とミサカ10123号ははミサカ10032号に説明を要求してみます)
は、早く説明を!この子は誰ですか!などと、いろいろな意見がとびかっている。
(静かにしてください!とミサカ10032号は落ち着きながら呼びかけます)
一瞬でネットワークが静かになった。
(この子供は、当麻さん本人のようです。とミサカは事実を述べてみます。)
(な、なんですって!?この子供が当麻さんですか?とミサカ10082号はこの事実に驚きを隠せません!)
(なぜ、当麻さんが子供の姿に?とミサカ10045号は当然の質問を問いかけます)
(いや、そんなことよりも、このかわいさは反則でしょう!とミサカ10231号は自分の母性本能を必死に押さえてながら発言します)
(とにかく落ち着いてください!とミサカ10032号は他のミサカ達に訴えます)
他のミサカ達の興奮が収まってきたころ、ミサカ10032号はミサカ達に意見を求めた。
(とりあえず、これからどうしましょう?とミサカは意見を求めてみます)
((((様子を見てみましょう))))
ミサカ達の意見がまとまったので、会議はとりあえず終了となった。

〜緊急会議、一時終了〜

683ミニマム当麻:2009/12/09(水) 23:37:21 ID:5EVM7iYY

「おーい、御坂妹?」

御坂妹の反応がなかったので、気になって話しかけてみた当麻である。
話しかけられた御坂妹は、体をビクッ!と震わせたあと、
「何ですか?とミサカは平静を装いながら、質問に答えます」
このとき、ミサカは顔が少し赤かったりするのだが、鈍感な当麻は気付かない。
「いや、なんか反応がなかったから少し気になってな。」
熱でもあるのか?と当麻は御坂妹の頭へ手を当てようとしたが……届かない
手を当てようと、がんばって背伸びなどをするが、やはり届かない。
しかも、その様子を間近くで見ていた御坂妹は、自分の母性本能を必死に押さえようと頑張っている
(この激しい攻撃をやめてください!とミサカは心の中で叫んでみます!)
届かないと理解した当麻は、無駄な努力をやめ、御坂妹との会話に戻ろうとした、が
御坂妹が顔を後ろに向けて、両腕を握りながら、必死に何かを堪えている。
「ど、どうした御坂妹?やっぱり体調が悪いんじゃ……」
「だ、大丈夫ですから、これ以上ミサカを攻撃しないでください。とミサカはお願いしてみます…」
「まあ、とりあえず何の用だ?」
「ムッ!とミサカは少々不機嫌になってみます。何か理由がなければあなたに会ってはいけないのですか?とミサカは質問し返してみます。」
「い、いやっ!そういう意味で聞いたわけじゃないんだが……んじゃ、どっか遊びにい――」
遊びに行こうと言おうとした直後に、後ろから声をかけられた

「あれ?アンタこんなところで何してんの?」

そう声をかけてきたのは、常盤台の超能力者、そして御坂妹のオリジナル、御坂美琴である。
「おや、奇遇ですね。とミサカはお姉さまに挨拶をしてみます。」
「治療は順調に進んでる?って隣のその子誰?」
「ああ、この人は当麻さんですよ。とミサカは当たり前のように説明してみます」
「えぇ!?この子があのバカァ?あはははは、そんな訳ないじゃない。ねえ?」
「悪かったな、バカで。俺は本物の上条さんでせうよ。」
「へ?ええぇえぇぇ!!」
「お姉さま、驚きすぎです。とミサカは耳を押さえながら抗議してみます」
「そうだぞ!俺に失礼だ。」
「いや!そんな堂々と言われても、普通驚くでしょうが!?」
「まあ、そんな事はともかく、これ――」
「ちょっと待ちなさいよ!アンタ、どうしてちっちゃくなったの!?」
「なんか朝起きたらちっちゃくなってたんだよな。」
もう何度も同じ質問をされているので、てきとーに答える当麻である。
「まあ、お姉さまは放っておいて、早く遊びに行きましょう。とミサカは当麻さんをせかしてみます」
「んあ?そうだな。御坂も一緒に行かねえか?」
「へ!?アタシ?ア、アタシはひ、ひまだから、いい一緒にいってもいいわよ!」
そう言いながらも、美琴の顔は真っ赤に染まっていく。
しかし、ここでも当麻は気付かない。
「よし!じゃあどこに行くんだ?」
「「ショッピング!!」」
「ショッピングー?俺金ねーぞ?」
「いいからショッピングにしなさい!」
「ミサカもショッピングという案には賛成です。とミサカは強く指定します!」
「はあー、しゃあねえ、じゃあ行くか……」
(ショッピングに賛成したってことは、この子も同じこと考えているのかしら?)
(ショッピングにしたということは、お姉さまも同じ考えですか……)

((この人(このバカ)を着せ替えよう!))

そんなことを知らない上条さんは、ショッピングセンターまで重い足取りで歩いて行く。

684わたあめ:2009/12/09(水) 23:39:14 ID:5EVM7iYY
投下終了です。
なんかほかの作品と比べたら短い気がするなぁ……

685■■■■:2009/12/10(木) 01:14:57 ID:h3wg5tPI
>>679
GJ
打ち止めも一方通行も可愛いなこんちきしょう!
ヒキコモリータ乙、がんばれ

686■■■■:2009/12/10(木) 03:11:24 ID:0MRmLUtA
>>679
件のスレから見にきちゃったとこっそり告白してみたり
面白かったですGJ!一方さん可愛いです乙!
通行止めは打ち止めの方が積極的なイメージがあるのでにやにやしながら読破させていただきました
ヒキコモリータ頑張れ未来はたぶん明るいぞ

687toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/10(木) 03:35:31 ID:U4.eXtds
『並行世界(リアルワールド)』の続きを投下します。

688『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:37:01 ID:U4.eXtds
「あ…あ……」
戦いにおいて、真の勝利とは、相手の敵対意思を消失させることにある。
戦意喪失。
一人の騎士(ウィリアム)は心を砕かれた。
自分たちが相手にしているドラゴンの強大さに。
「聖人。貴様は『識』っているであろう?この先の未来を」
『魔神』の声に、騎士の心が震えた。
「…何の事だ?」
『騎士団長(ナイトリーダー)』が神妙な視線を浴びせるが、ウィリアム=オルウェルは口を閉めた。
言えるはずもない。
自分が、敗北の未来を『識』っている、などという非現実的な事実を。
「さて、どう出る?」
魔神はウィリアムを真紅の眼でとらえ、右手を広げた。魔神の右肩から、大気を歪ませる無色の『竜王の翼(ドラゴンウイング』が出現する。魔術師たちは瞬時に事を起こす。   だが、唯一人、足が動かなかった。
『既視感(デジャビュ)』がウィリアム=オルウェルを襲う。
オッレルスが高く飛び上がり、バードウェイが『高速詠唱(クイックスペル)』を始め、『騎士団長(ナイトリーダー)』が突撃する。
  その光景が、ウィリアムの脳裏に写る記憶と重なった。
  後に、彼らはドラゴンに倒される。
『騎士団長(ナイトリーダー)』は右足を失い、
バードウェイは精神崩壊を起こし、
オッレルスは、内臓を潰され、
 ウィリアムは――

「やめろぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオ!!」

689『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:37:56 ID:U4.eXtds
男の叫びは、三人の魔術師たちの足を停止させた。
だが、彼の人徳が災いした。ウィリアムの警告に、三人の魔術師たちは耳を傾けてしまった。彼が叫ばすにはいられないほどの罠が仕掛けられていると判断し、行動を中断した。
彼らに出来た一瞬の隙。
圧倒的な破壊力を有する無色の片羽が震える。
魔神の唇が三日月のように薄く歪んだ。
「実に愚かな選択をしたな。聖人」
ドバァア!!と轟音をかき鳴らし、炸裂した。
 空気は、鉄は、土は、圧倒的な力に抉れ、破壊され、分解し、吹き飛ばされる。泥と鉄の混ざった灰色の津波が、『魔神』を中心に引き起こる。その高さは一〇〇メートルを超えていた。
 消滅を本質とする上条当麻の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と異なり、『竜王の翼(ドラゴンウィング)』の本質は『消滅』ではなく『破壊』。物理的な力で物質に干渉する能力でしか無い。だが、そのチカラが、爆弾で生み出されるような爆発力とは比べ物にならないほど強いだけだ。
呪いも神の加護も無い、純粋なチカラ。
それこそが、ドラゴンの有する翼の本質。
魔神は周囲の大気を圧縮した。
ただそれだけで、四人の魔術師は成す術もなく吹き飛ばされた。
「がはっ!?」
「ふうっ!」
「うぐゥ…!」
「……ッ!」
華奢な体躯をしているバードウェイは地面に強く叩きつけられ、脳震盪に襲われ、身動きが取れない。『騎士団長(ナイトリーダー)』は意識を失い、オッレルスは岩盤に体を挟まれている。『金属棍棒(メイス)』を握り締めたウィリアム=オルウェルだけが、無傷でドラゴンを待ち構えていた。
土色の煙幕から現れたのは、大剣アスカロンを左手で持った『魔神』。
ドスゥン!と突如として、西方の建物が崩れ去った。
地盤に体を縫い付けられたステイル=マグヌスが姿を見せた。胸部、腹部、右腕、両足に数本の白い槍が貫通し、大量の血を流していた。
「がば…っ!」
右肩に刺さっていた槍を引き抜いたシルビアは、再びサーベルに手を取る。ふら付いた足つきで立ち向かうが、
グサッ!と三本の槍がシルビアの腹部を貫いた。
純白の翼と鎧を纏う五和の姿をした『天使』が聖人と神父をねじ伏せた。『天使』の槍が二人の体を射抜き、彼らは歩行すらままならない。何の感情も無い瞳が、二人の無残な姿を映している。
五人の魔術師は戦闘不能に陥っていた。
聖人は知る。
『魔神』と『天使』に立ち向かえる戦士は、ウィリアム=オルウェル唯一人となっていたことを。
荒廃した都市に、一人の聖人だけが生き残っていた。
不敵な笑顔を浮かべた『魔神』はフワリと飛びあがり、聖人との距離をあっと言う間に詰めた。五メートルを超える剣から重い斬撃を繰り出す。
大剣アスカロンと『金属棍棒(メイス)』が交差する。
ガキィィイン!と金属音が轟く。
「ッ!!?」
ウィリアム=オルウェルの筋肉が収縮する。
 (な、何だ…この剣圧はっ!)
 『聖痕(スティグマ)』を解放している状態でありながら、ウィリアム=オルウェルは圧倒されていた。聖人の腕力を持ってしても、『魔神』には及ばない。
「ふははは、怖いか?お前に迫りくる死が」
聖人の足が徐々に土に食い込んでいた。剣が音を立てて軋む。人を越えた力がウィリアム=オルウェルの肉体を捉え、『魔神』の瞳がウィリアム=オルウェルの心を捉えていた。
全てを見透かし、全てを掌握するような真紅の眼。
「この音が、貴様の命の音色か?いや、悲鳴にも聞こえるな?」
ザリザリと大剣アスカロンが『金属棍棒(メイス)』を削っていく。聖人は両手で『魔神』の剣圧を防いでいる。『魔神』は左腕の力だけで、聖人を抑え込んでいた。
「これが聖人か…つまらぬな」
『金属棍棒(メイス)』が砕け散れば、己の肉体が真っ二つにされる事をウィリアムは感じ取っていた。強靭な肉体が悲鳴を上げている。
「確か、ヴィリアンと言ったか?お主が守るべき主君は」
「…そ、れがっ…どう、した?」

「光栄に思え。その女を雌として喰ってやる」

690『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:39:21 ID:U4.eXtds
『魔神』の笑みに聖人は凍りついた。
「選べ、聖人。ここで体を裂かれるか?愛しき君主が眼前で快楽に溺れていく様を横目に、死に絶えるか?」
「き、きっ貴様…!」
 外道の言葉を浴びせ、ウィリアム=オルウェルを挑発した。一瞬で頭に血が上ぼる。腕に力が籠るが、『魔神』は徐々に圧していた。『金属棍棒(メイス)』の強度は限界に近い。
だが、聖人の心は折れない。命に代えても守るべき主君の危機に、聖人は屈強な騎士に変わる。この絶対的な力量の差に打ちひしがれる事無く、騎士は背を向けなかった。剣を握り締め、『魔神』に立ち向かう。
騎士は願った。
この状況を塗り替えるほどの剣が欲しい。
己が従う王女を守り抜く剣が欲しい。
『天使』を斬り裂く剣が欲しい。
『魔神』を討ち滅ぼす剣が欲しい。
未来を切り開く剣が欲しい。


その願いは、少女たちによって叶えられた。


「剣、ですか……幾らでもどうぞ」
ガガガガガガッ!と轟音が鳴り、ウィリアム=オルウェルの周囲にある突如としてアスファルトが変形した。
槍のような灰色の針が次々と突出する。多環の炭化水素の油やレジンの中にコロイド状に分散しているアスファルテンと呼ばれる高分子炭化水素がさらに形を変え、茎を形成し、柄を形成し、鯉口を形成し、鋭利な刃を形成した。
「なっ!?」
その光景に、ウィリアム=オルウェルは驚愕した。


彼の眼前に、一〇〇〇を越える剣が現れた。


カットラス、サーベル、ロングソード、レイピア、フランベルジェ、クレイモア、エストック、グレートソード、ショーテル、コピス、スクラマサクス、青龍刀、ダガー、日本刀、バスタードソードなど、古今東西の剣が創造された。
フワフワな栗色の髪をした、身長一四五センチほどの小柄な少女はペコリと頭を下げた。その場に相応しくないメイド服と黒マントを着用したままで、スカートの先端にあるフリルを両手で掴む。
「改めて初めまして。上条当麻様。私は常盤台中学二年、久蘭お姉様の終身メイドを務めております、剣多風水(けんだふうすい)と申します」
両手を前にかざす。
メキメキとアスファルトが音を立て、二本のショートソードが精製された。手元に置かれた剣は、『魔神』に穂先を向け、音速を超える速度で投擲される。ギュン!と耳を劈くマッハ波が鳴り響いた。続いて、背後に精製されていた剣が次々と突撃した。
『天使』と『魔神』に幾多の剣が襲いかかり、数十メートル後退した。
「私の能力は『金属使い(メタルオブオーナー)』。お姉様の盾となり、剣となる従僕。金属を操ることには長けているのですが、周囲に金属が無ければ、私は『無能力者(レベル0)』も同然」
 剣多風水の周囲にある瓦礫が全て剣へと変換される。精製を終えた剣は、一刃の弾丸となり、その勢いは止まる事を知らない。彼女はウィリアム=オルウェルの元へと歩みより、一振りの剣を創造した。
 聖人は眼を疑った。
 漆黒の柄に黄金の竜の刺繍。輝く刀身には剣の名が刻まれていた。
 『GALLATIN』
 アーサー王に仕えた円卓の騎士の一人、ガウェイン卿が所持していたとされる、絶対勇者だけが持つことを許される剣だった。
勇猛果敢で強靭な騎士が、主君を守り抜くために振るう呪破の剣。
偶像崇拝の能力付加を基礎としたレプリカとはいえ、一本の聖剣は、一〇〇〇本の名剣に勝る。
「貴殿は、一体…」
栗色の髪と栗色の瞳をした少女は、淡々とした口調で言葉を発した。


「これもメイドの嗜みです」


ズドンッ!
続いて、秒速六〇〇〇メートルを超える五〇口径二五〇ミリ滑腔砲が『魔神』に激突した。
眩い閃光が大気を切り裂く。砲弾が潰れ、粘着榴弾が爆発する。
粘着榴弾とは目標に着弾後つぶれ、密着した後に起爆する「対戦車用」の砲弾だ。ホプキンソン効果によって、衝撃波が目標車両の装甲を伝わり装甲の裏側が剥離飛散するスポール破壊を引き起こす。飛び散った装甲の破片によって内部の人員、機材にダメージを与え、第二次世界大戦ごろに徹甲弾に取って代わられたアウトオブデイトだが、学園都市では「対能力者用」として改良された粘着榴弾が開発されていた。
現代の戦争において主流である徹甲弾よりも、対人間兵器として特化した弾丸が『魔神』に浴びせられた事となる。
それだけではない。
通常、五〇口径二五〇ミリ砲弾の初速は、毎秒一八〇〇メートル程度である。
外部から受けた一七億ボルトの高電圧により、ローレンツ力とプラズマと共に、速度表皮効果による加速がなされ、その破壊力はさらに増していた。

691『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:44:43 ID:U4.eXtds
すなわち、正真正銘の『超電磁砲(レールガン)』。


砲弾の硝煙が晴れると、五〇口径二五〇ミリ滑腔砲を放った大砲と、二人の少女の姿があった。
ゴーグルを装着している一人の少女は、
「原始的な構造の牽引砲ですが、流石は学園都市最高の『武器職人(ウェポンスミス)』。即席の代物にしては文句のつけようがありませんと、ミサカは高く評価します」
「風水に自ら金属を生み出す能力があったら、とっくの昔に『レベル5(わたしたち)』の仲間入りしてたわよ…」


「ところで…アンタ、何してんの?」


パンパンと手を叩いたもう一人の少女は、爆炎に包まれた『魔神』に声をかけた。
腰まである茶色いロングヘアーに、日本女性の平均よりも高い一六五センチほどの背丈。ベージュ色のブレザーに紺色のプリーツスカートを穿いている。そして、剣多風水と至宝院久蘭と同じ、黒のマント。
学園都市『超能力者(レベル5)』第一位、『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴がそこにいた。
爆弾で羽を失い、全身が煤で汚れた純白の『天使』を目端に、彼女は、
「当麻、五和をどうしたの?」
「なに、甘い言葉を囁き、籠絡しただけだ。ただ嬲るだけには惜しい女だ」
「…恋心に漬け込むなんて、本当に最低」
御坂美琴は心底落胆したような溜息をついた。
 全身を黒に覆うマントが風に靡く。
「a,aaaaaaAAAAH!」
爆発で翼を捥がれた『天使』を横目に、『魔神』は、
「どうだ?心地よい声だろう?快楽に組み伏した時の、お主の鳴き声ほどではないがな」 
『魔神』の真紅の瞳が、二人を見つめた。言い知れぬ悪寒を感じ取ったミサカ一〇〇三二号は反射的にアサルトライフルを構えた。御坂美琴は腕を組んだまま、一息吐くと、

「当麻。大好きよ。世界中の誰よりも愛してる」

 彼女は戦場の中で、意中の男に愛の告白をした。
 遺伝子レベルで同一なミサカ一〇〇三二号すら、御坂美琴の行動が理解できず、思わず彼女の顔を見た。
「貴方が、世界を壊す魔王になるというなら、私は魔女になってみせる。私はね、上条当麻って男にめちゃくちゃ惚れてるの。そこらへんのカップルとか、恋愛小説なんかとは比べ物にならないくらい、私たちは愛し合ってる。
背は結構高いし、顔立ちだって整ってる。運動神経はズバ抜けて凄いし、最近は勉強も出来る。学生なのに、奨学金やら『神上派閥』やらでお金には困らない程の甲斐性ありだし。世界中探したって当麻ほどの超優良物件は無いわよ」

「随分と気の強い女だ。屈服させ甲斐がある」

692『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:46:09 ID:U4.eXtds
ズドドドドンッ!!
一撃、二撃、三撃、四撃、五撃。
一瞬にして上空に暗雲が立ち込み、一〇〇〇億ボルトの雷が不自然に発生した。
バチバチと、青白い高電流が頭上で発生し、
「ねぇ…当麻。私、マジでムカついてんのよ」
三発の落雷は、『上条当麻』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』により打ち消され、二発の落雷は、再生しかけていた『天使』の翼を焼き尽くした。再び『天使』は叫び声を上げながら地に落ちた。『魔神』は右手を空に上げながら、
「…ほう?」
唇を三日月のように歪めていた。
「当麻はいっつもそう。他人の悩みはすぐに気づいて解決しちゃうのに、自分の事は一人で背負い込んじゃう…」
「確かに、この男は――」
『魔神』の声は、彼女の怒号によって遮られる。
「それが、大きな間違いだって言ってんだろうが!悩みを一人で抱え込むなんてのは、馬鹿がやることなんだよ!さらに性質が悪いのは、当麻はそれを一人で解決できるチカラを持っちゃってること!私はねぇ!男に守れられてばかりの女じゃない!アンタの帰りを待つだけなんて真っ平ごめんよ!」
『魔神』を睨みつける御坂美琴の瞳が黄金に輝いた。
(…なに?)
御坂美琴の変化に、『魔神』は眉を潜めた。
彼女は大声で叫ぶ。
「風水!!」
名を呼ばれた至宝院久蘭終身メイドこと剣多風水は、フリルのついたスカートを両手で持ち上げると、頭を深く下げた。
「了解しました。美琴お姉様」
剣多風水も御坂美琴と同じく、栗色の瞳から黄金に変わる。
メイド服の少女の瞳を見て、『魔神』の表情から笑顔が消えた。
「砲口制退器、砲身、駐退復座機、閉鎖機、砲耳、防盾、揺架、平衡機、上部砲架、下部砲架、架尾鐶、駐鋤、固定双脚を構成、三次元同時演算における精製に移行します」
ボゴボゴボゴボゴォ!と剣多風水の左右にある瓦礫の山が歪み始めた。
周囲の異変を察知したウィリアム=オルウェルは、聖剣ガラティーンを引き抜くと揺れ動く足場から立ち去った。倒れている魔術師たちに目を向ける。そこには、御坂美琴を同じ顔をした少女たちがコーグルを被ったまま、彼らの身体を数人がかりで引き上げていた。
「『魔術師(メイガス)』様、早急に離れた方が得策です、とミサカ一四五八二号は率直に警告します」
「…何をする気であるか?」
聖人の問いに答えることなく、『騎士団長(ナイトリーダー)』、バードウェイ、オッレルス、シルビア、ステイル=マグヌスを救出した一三人の『妹達(シスターズ)』は、彼らを抱えたまま後退した。
ウィリアム=オルウェルは足元を見た。地面に落ちている金属や砂利が大群の蟻のように蠢いている。この現象を引き起こしているのは、彼の手元にある聖剣を作りだしたメイド服の少女に違いなかった。
(これが…超能力であるか。魔術でもこれほどの業、出来るかどうか…)
『聖痕(スティグマ)』を発動させ、脚力を爆発させる。
ひとっ飛びで『魔神』と『天使』から距離を離した時、真下に広がる光景を目にして、ウィリアム=オルウェルは再び言葉を失った。


一人の少女によって、一〇〇を越える牽引砲が精製されていた。


一機の牽引砲には、三人の『妹達(シスターズ)』が傍に控えていた。一人は高低標準装置で狙いを定め、もう一人は方向標準装置を設定し、最後の一人は、五〇口径二五〇ミリ滑腔砲を揺架に装填した。
『魔神』と『天使』に、五〇口径二五〇ミリの大砲が向けられている。
瓦礫と崩壊したビルに囲まれた戦場は、瞬く間に、幾多の剣と牽引砲が聳え立つ軍地と化していた。
「標的をドラゴンから『天使』に変更。『マザー』の情報高速処理をバックアップとして、ミサカネットワークを通し、標準はコンマ04の修正を最重要命令として要求」
腕を組んだ御坂美琴は一息を吐くと、

693『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:47:19 ID:U4.eXtds
「撃て」

戦場は轟音に塗り潰された。
断続的に初速一八〇〇メートルの五〇口径二五〇ミリ滑腔砲が放たれる。一発、二発、三発と、標準は寸分の狂いも無く、『天使』に直撃した。
魔術防壁と神の力によって保護されている翼も、一〇〇発を越える強烈な火薬弾頭と衝撃波には耐えられるはずもない。純白の翼を突きぬけ、五〇口径二五〇ミリ滑腔砲は天使の聖鎧に届いた。
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHH!?!」
人間の言葉とも悲鳴とも異なる音を『天使』は発した。だが、その音すらも、大砲の銃声にかき消され、御坂美琴や『妹達(シスターズ)』の耳に届く事はなかった。
人ならざる『魔神』を除いて。
「なにっ!?」
『天使』が数キロ先に吹き飛ばされる光景を横目に、『魔神』の表情に初めて動揺が浮かんだ。
刹那、『魔神』がいる場所へと、一筋の道が現れた。
それは舗装されたアスファルトの道路のようなものではない。地面から発生している高電流によって、浮上した瓦礫の足場。
空中に出来た階段を、御坂美琴は人間離れしたスピードで駆け抜けた。
『魔神』は目を見開いた。
黒マントを靡かせながら、御坂美琴は『魔神』との距離を詰めていく。
『魔神』は右手をかざし、ゴバッァ!と宙に浮いている瓦礫を大気ごと消滅させた。
だが、御坂美琴は止まらない。
常人を超越した反射神経で、右手の消滅を免れた彼女は、自身の能力である電気をコントロールし、瓦礫を浮上させ、幾多の足場を作っていた。一つ一つの瓦礫を蹴飛ばし、数メートル離れた足場を、蝶が飛びまわる様に踏み越えていく。
ゴロゴロオオオッ!!と、御坂美琴は左手から一〇〇〇億ボルトの電流を『魔神』の方向に発射した。だが、電撃は『魔神』ではなく周囲に散乱した。
「!?」
『魔神』を幾多の灰色の刃が襲った。
御坂美琴の能力によって、振動した砂鉄の刃が『魔神』を中心に螺旋状の刃を形成する。ズバァッ!とアスファルトをいとも簡単に切り裂いた。幾多の刃が中心に重なり合う前に、『魔神』は一〇メートルほど飛びあがる。終結した砂鉄は剣山を形成し、間欠泉のように吹き上がった。空中に漂う『魔神』を追い詰める。
『上条当麻』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が、灰色の剣山をただの砂鉄に帰した。
その時、『魔神』と同じく、地上から約一〇メートルほど浮かび上がった足場にいた御坂美琴は『魔神』の射程範囲に入ってしまった。真紅の瞳が、茶色のロングヘアーをした彼女を見つめ、右手をのばす。
「『現実守護(リアルディフェンダー)』を――」
『魔神』はそこで言葉を止まった。
神すら理解できなかった。眼前で御坂美琴の姿が消えたワケが。
背後から聞こえた声に、『魔神』は反応が遅れる。
『魔神』が目の端に捉えたのは、懐から拳銃を引き抜いた御坂美琴の姿。
生まれた一瞬の隙に、彼女は迷いなくトリガーを引いた。
ドゥン!とソレノイドで加速された九ミリパラベラム弾が『魔神』の右腹部を貫いた。


「ぐあああああああああアアアっ!!」


『魔神』は悲鳴を上げた。
『超電磁砲(レールガン)』で右腹部を撃ち抜かれ、激痛が走る。
血が溢れ出る腹部を押さえ、『魔神』は膝をついた。 
その瞬間を目撃したウィリアム=オルウェルは絶句する。
単独で一国の軍事力を誇る『魔王』ですら、
 世界に二〇人といない『聖人』ですら、
最強と恐れられた名高い魔術師たちですら、
『神(ドラゴン)』に弄ばれ、傷一つ負わせる事すら出来なった。
だが、たった一人の少女によってその幻想が打ち砕かれることになる。
その現実を受け入れるのに、聖人は少々戸惑ってしまった。
彼女が操作していた、宙に浮かぶ瓦礫の足場は役目を終え、ガラガラと重力に引かれ地に落ちていく。『魔神』を見下ろしている少女、学園都市『超能力者(レベル5)』第一位、御坂美琴は茶色のロングヘアーをかき上げた。右手に持つベレッタW78には、彼女が施した電気がバチバチと煙を立てて発生している。
 そして、九ミリパラベラム弾の『超電磁砲(レールガン)』の二発目が『魔神』に向け、躊躇なく発射された。
今度は『魔神』は被弾することなく、ズバァン!と『超電磁砲(レールガン)』は土を撒き散らしながら地面を深く抉った。
「『竜王の脚(ドラゴンソニック)』か……ほんっと、当麻の能力って反則レベルよね。努力なんてなんてものが、本当に馬鹿らしく思えてくるわ」 
銃口から噴き出る硝煙に、フッと御坂美琴は息を吹きかける。
 彼女の視線の先には、ワイシャツが血に染まる腹部を押さえている『魔神』が彼女を睨みつけていた。
『魔神』の表情に一切の余裕がない。ただ、言葉を綴る。

694『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/10(木) 03:49:08 ID:U4.eXtds
「貴様の『空間移動(テレポート)』……そのチカラ、『幻想御手(レベルアッパー)』か」

「ご明答♪」
『魔神』の真紅の瞳は、御坂美琴の黄金の瞳を捉えていた。
 そう、御坂美琴が繰り出す一〇〇〇億ボルトの電撃も、剣多風水の大規模な演算処理も、『幻想御手(レベルアッパー)』を用いてミサカネットワークに介入し、『妹達(シスターズ)』と『マザー』の演算能力を借りての能力だった。勿論、先ほど御坂美琴が行った『空間移動(テレポート)』は白井黒子の能力であり、三次元から一一次元への特殊変換を要する複雑な演算も、五〇〇〇人を越える『妹達(シスターズ)』の並列作業でいとも簡単に処理することができる。
 故に、御坂美琴は名実ともに『妹達(シスターズ)』の頂点に立っていた。
 御坂美琴は左手を上げ、黄金の瞳が『魔神』を射抜く。
ゴロゴロォォォン!と、雷鳴に似た音と共に、一〇〇〇億ボルトの電撃が周囲を満たし、大量の砂鉄と金属が宙に浮かぶ。
 数百キロを超える瓦礫が音速を越えて舞い、一〇〇〇億ボルトの電圧を纏う、死の螺旋。
眩い光を伴う竜巻の中心で、御坂美琴は漆黒のマントと長い髪を揺らせながら、


「ドラゴン、耳をかっぽじってよく覚えておきなさい。私は御坂美琴。上条当麻に相応しい女よ」


こうして、神を恋人に持つ一人の少女は、彼に相応しい『雷の女神』と化した。

695toto ◆1UM5rD1z46:2009/12/10(木) 04:01:54 ID:U4.eXtds
投下終了です。
『並行世界(リアルワールド)』もクライマックスに近いなぁ…と、期末テスト終了のうれしさから書き上げましたwww
『とある少女の騒動日記』…USBメモリを見つけたと思ったら、ポケットに雨水が溜まってオジャン…
なにこれ?と一瞬、自分の軽率さに脳が沸騰しそうになりました(帝督的な意味で)

オッレウスじゃなくてオッレルスですね。ご指摘ありがとうございます。
魔術に関する書き込み、ありがとうございます。非常に助かりました。

後、本編にたびたび登場する『マザー』というのは、ツリーダイアグラムの後継機となったコンピュータのことですので。
ではでは。

696■■■■:2009/12/10(木) 17:06:24 ID:IPGLlVPY
並行世界きたー!

697■■■■:2009/12/10(木) 17:37:43 ID:IPGLlVPY
GJ!

698■■■■:2009/12/10(木) 18:41:06 ID:A4rlZWFQ
GJだよーー!!

699■■■■:2009/12/10(木) 18:57:58 ID:Q5WXgYBA
>>697
GJ
突き抜ける中二病(褒め言葉)、だが、それがいい。
オリキャラ無双もラスボスならば許される(ぇ
・ベレッタW78
 そんな銃があるのかとgoogle先生に問えばオリジナル銃との解答でしたw
 でも、たぶん銃もパラベラムも1000億Vの電圧には耐えきれな(ry
・剣多風水と能力
 某菌糸類の固有結界を想起した自分。あと、オーグレ氏の盲目剣士(?)も。

>彼女が施した電気がバチバチと煙を立てて発生している。
上手くいえないけれども違和感のあった部分です。
「バチバチ」は「煙の立つ音」ではなく、「火花が散る音」だからでしょうか。

700■■■■:2009/12/10(木) 23:47:16 ID:NLGkY6Xs
久々の投下ラッシュの予感。自分もこの流れに便乗します。
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」
の続きを3レス分投下します。

>>toto様
GJです。
剣多風水すごい! ただのメイドかと思っていたら
まさか「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」の使い手だったとは。
衛宮士郎みたいで格好良いです。

701■■■■:2009/12/10(木) 23:47:51 ID:NLGkY6Xs
(3−18)
五和が繰り出したフリウリスピアの穂先は御坂美琴の身体を貫かなかった。
その直前、五和の視界から御坂美琴が消え去っていたのだ。
空を切ったフリウリスピアを引き戻す五和は初めて戸惑いの表情を浮かべる。
素早く周囲を探るが御坂美琴の気配を捉えられない。

それもそのはず今御坂美琴は地上10mの高さから五和を見下ろしていた。
照明器具を吊す鉄製の梁に足裏を貼り付けてぶら下がる姿はコウモリのようだ。
スーツの跳躍力と身体を流れる電流をコントロールし電磁石と化した自分自身の磁力を利
用して舞台を覆う鉄傘まで一気に跳び上がったのだ。

幸い、真下のブラックキャット(五和)はまだこちらに気付いていない。
常識を越えた五和の身体能力と槍の強度に押され気味だった御坂美琴はホッと一息付く。

その時ふとスーツの右胸に付いた数㎝の白い線に気付く。
だがそれは汚れではなかった。赤いスーツの裂け目から見える御坂美琴専用の胸部装甲板
(胸パッドともいう。しかも2枚重ね)だった。
フリウリスピアの切っ先は高い耐刃性能を持つバトルスーツを易々と切り裂き、その傷は
胸パッドにまで達していた。

(えっ、なんでスーツが裂けてんの?
 あ─────────っ!胸パッドまで裂けてる!!)

どうやら学園都市製防刃スーツが切り裂かれたことより胸パッドが傷ついたことがよほど
ショックだったらしい。

御坂美琴の脳裏に思い出が走馬燈のように蘇える。
初めての邂逅は黒子と行った『学舎の園』のランジェリーショップであった。
売れ残りの哀愁漂う一画に佇むその偉容に目を奪われてしまった。
その時は買うどころか手にとることすらできなかった。
そんな胸部に自信のない女の子に勇気をくれる夢のアイテムが支給品という形で合法的に
手に入った時は思わず小躍りしてしまった。
その後スーツに着替える度に姿見に全身を映すことが習慣になった。
鏡に向かって色んなポーズをしては将来の栄光(とりあえずはBカップ)を夢見ていた。

だから御坂美琴は悔しくて堪らない。

(裂けたのがスーツだけだったら胸パッドは再利用できたのに……………………
 あっ!でもこれは私利私欲で言ってるんじゃなくて…………えーっと…………
 そう!地球環境を考えれば限りある資源の再利用は人類の義務なんだから!)

そう自分自身に言い聞かせる御坂美琴であった。
だからこそ再利用できないような傷を胸パッドに付けた反エコロジーな悪の女幹部を許す
訳にはいかない、と心の中で結論づける。

御坂美琴は夢を与えてくれた親友(胸パッド)に感謝を、自分の身代わりとなり巨乳女の
刃に傷ついた戦友(胸パッド)に哀悼の意を送る。
もし戦友(胸パッド)がなければ乙女の柔肌に傷がついていたかもしれない。
もっとも上げ底(胸パッド)がなければスーツが傷つくことすらなかったのだが…………
そのことには言及しない方が賢明だろう。
本件終了後『もう少し胸がデカかったら危なかったな。良かったな。胸が小さくて』と言
った上条が御坂美琴にゲンコツで殴られたのは自業自得といえる。

(身を挺して私を庇ってくれたあなた達の犠牲は決して無駄にはしない。
 仇は私がキッチリ取ってあげる。
 見てなさい。あの巨乳女をコテンパンに叩きのめしてあげる!!)

今日一番の闘志を燃え上がらせた御坂美琴は(照明用ライトの一つでも頭に叩き付けて
やろうかしら)と周囲を見回す。
そして左右に吊されている手近な照明用ライトを磁力で引き寄せようとした時、天井の
御坂美琴に気付いた五和と目が合ってしまった。

702■■■■:2009/12/10(木) 23:48:21 ID:NLGkY6Xs
(3−19)
一方、御坂美琴を圧倒しているように見えた五和も実際には余裕など無かった。
表情にこそ出さないが現時点において自分と御坂美琴との差が紙一重ほどもないことを十
分理解していた。
通常、魔術師同士の闘いは敵に遭遇するまでに勝敗は決しているものだ。
敵の力量と闘いの展開をどれほど正確に分析・予測できるか、そしていかに自分に有利な
場所と時間を設定しどれだけの術式を事前に準備しておけるかが勝敗を分ける。

だから五和もこの勝負のために丸5日かけて入念な準備を行ってきた。
なにしろ聖人に匹敵する超能力者(レベル5)が相手である。
考えられるありとあらゆる魔術的補強を施してもし過ぎるということはない。
その対象はフリウリスピアやコスプレ衣装に留まらず、この特設会場にさえ及んでいる。
生身の五和が常人を凌駕するスピードを出せるのも、フリウリスピアが砂鉄の剣と互角に
打ち合えるのも魔術的補強のおかげなのだ。

それに五和は御坂美琴の実力を本人以上に理解している。
可能な限りの魔術的補強を施し防御術式を展開していたとしてもレールガンが直撃すれば
どうなるか?
運が良ければ一撃目は凌げるかもしれない。
しかし一撃目で綻んだ防御術式を組み直す前に二撃目を受ければそれでお終いなのだ。
だから常に観客席を背にしてレールガンを撃たせないようにする必要があった。

避雷針として使った鉛筆は御坂美琴の雷撃の槍を二度防いでくれた。
五和のハッタリを御坂美琴が真に受けたから良かったがもう一度雷撃の槍が放たれていた
ら鉛筆は耐え切れずに跡形もなく砕け散ったに違いない。
御坂美琴自身自覚していないが御坂美琴の性能(スペック)は五和達魔術師から見ても桁
外れなのだ。

フリウリスピアに樹脂を吹きつけてはやすりで削るという作業を1000回以上繰り返し
刻み込んだ『樹木の年輪』の象徴はフリウリスピアの強度を限界まで引き上げている。
そして舗装された特設会場を戦場に選ぶことで変幻自在な攻撃を繰り出せる砂鉄の剣の威
力を大幅に削ぐこともできた。
だから一日の長のある剣技によって御坂美琴を押し込むことができるのだ。

ただし能力者との接近戦を選んだことが五和から魔術攻撃という選択肢を奪ったのも事実だ。
魔術とは能力を持てなかった人間が能力者に近づくために編み出した技術である。
能力者相手にクイックドロー(早撃ち)を挑んでも勝ち目が無いことは判っている。
術式を組み上げている間に能力者の攻撃が魔術師を打ち倒しているだろう。
例えステイル=マグヌスであっても炎剣を出すにはルーンのカードを取り出す時間が必要になる。
だから一流の魔術師はどんな時だろうが無防備な状態は作らないし周囲の警戒も怠らない。

超能力者を前にして術式の組み上げに時間を費やすなどはただの自殺行為でしかない。
だから術式はあと一動作のみで発動するように予め組み上げておかなければならない。
とはいえ不安定な術式をいくつも抱えたまま闘えば何時それらが暴発するか判らない。
結局、携えられた術式はほんの僅かだった。

(あれだけ何日も前から入念に準備して相手の切り札まで封じ込めたって言うのに
 これでようやく対等だなんて……………………
 ホント、超能力者(レベル5)ってバケモノですね。イヤになります)

つい愚痴をこぼしたくなる五和だった。
だが愚痴をこぼす前に、先ほどまでの闘いで消費した気を急いで補充しなければならない。
天井の御坂美琴を見据えつつ、五和は静かに呼吸を整えて丹田に送り込んだ大量の気を
必死に練り上げていく。

703■■■■:2009/12/10(木) 23:48:58 ID:NLGkY6Xs
(3−20)
「そんなところに隠れていたんですか?『雷光のレッド』さん」
「やっと見つけてくれたのね。『ブラックキャット』さん」
「上に逃げたのは良いですけど、それから一体どうするんですか?
 飛び降りてきたら串刺しですよ」
「へーっ、心配してくれるんだ。でもその心配は無用かもねっ!!」

そう言いながら御坂美琴は左右の照明用ライトを磁力で引き寄せ根本から引き千切ると
両手を振るってそれらを五和目掛けて投げつける。
「ゴォーッ!」と唸りをあげて二基の照明用ライトが五和に襲いかかる。
しかし五和はフリウリスピアの一閃でそれらをいとも簡単に弾き飛ばしてしまう。

「そんなもので私にダメージを与えられるとでも……………………えっ?」

フリウリスピアを振り抜いた五和は一瞬前まで天井にいた御坂美琴をまたもや見失っていた。

御坂美琴は照明用ライトが五和の視界を遮った瞬間に天井を勢いよく蹴り飛ばしていた。
空中で半回転したものの墜落と言った方が良い着地の衝撃はスーツで吸収しきれず御坂
美琴の全身を軋ませる。
(痛ぅ──────────っ!)
骨の随まで響く痛みが御坂美琴の踵から背骨を通って頭頂まで一気に駆け抜ける。
余りの痛さに涙が出そうになるがグッと歯を食いしばり堪える。
この一瞬が勝負を決めるのだ。
御坂美琴は未だ痺れが残る両足を無理やり動かし五和に向けてダッシュした。

御坂美琴の奇襲に五和の迎撃は僅かに遅れてしまう。
突進してくる御坂美琴へ向け慌てて刺突を繰り出したものの今までの鋭さは無かった。
半身になってフリウリスピアを右にかわす御坂美琴は身を捻りながら砂鉄の剣を自分の
身体に巻き付けるように振り上げる。
勢いよく振り上げた砂鉄の剣はフリウリスピアを大きく弾き上げる。
そして返す刀でガラ空きとなった五和の胴を水平に薙ぎ払う。
バランスを崩し後方へ倒れかかっているブラックキャットがこの一撃を防げるとは到底思えない。

(勝った!)

しかし御坂美琴のその確信が油断を生んでしまう。
後方に倒れながらも五和は横蹴りを放ちヒールの踵を御坂美琴の鳩尾に叩き込んだ。
本来バランスを崩した状態で繰り出される蹴りに大した威力などあるはずが無い。
これが普通の闘いなら相手の蹴りを警戒しなかったからといって責められることはない。
事実、物理的ダメージなら学園都市製防弾・防刃・耐爆スーツが完璧に防いでいた。
しかし相手が魔術師であることを忘れていたのは完全に御坂美琴の油断だ。
蹴りと同時に踵に組み込まれていた術式が発動すると、その衝撃はスーツを素通りし御坂
美琴に直接ダメージを叩き込んだ。

「うぐぅっ!」

御坂美琴から苦悶の声が漏れだす。
叩き込まれた衝撃はそれが腹から背中に抜ける間に御坂美琴の体温を根こそぎ奪い去った。
今まで経験したことのないダメージに御坂美琴の動きが完全に止まってしまう。
そんな御坂美琴に対して五和は体勢を立て直すとフリウリスピアを大きく振り上げる。

(ダメ!この状態でまともに打撃を喰らっちゃ絶対にダメ!早く避けなきゃ!)

御坂美琴の思考は緊急回避命令を発信するものの身体は全く反応してくれない。

(ダメ!全然動かない!!)

その時「ダァン!バキッ!」とどこかで何かが壊れる音がした。
その音に気を取られたのか槍を振りかぶった五和は一瞬視線を横に動す。
その間も御坂美琴は全身の筋肉に向けて必死に指令を送り続ける。

(動け!動け!動け!動け!動け!)

しかしいくら指令を送っても身体はまだ上手く動いてくれない。

(もう少し。あとちょっとで…………)

しかし御坂美琴が回復する前に五和は再び視線を御坂美琴に戻す。
必死にもがく御坂美琴目掛けて五和は上段に構えたフリウリスピアを一気に振り下ろすと
舞台に「バキッ」っという低い打撃音が鳴り響いた。

その時、御坂美琴は振り下ろされる槍から最後まで目を逸らさなかった。
絶対に気を失うまいと歯を食いしばってその瞬間に備えていた。

しかしいつまで経っても槍は御坂美琴の身体を打ち付けない。
槍が振り下ろされた時、耳の直ぐ傍で低い打撃音が鳴り響いたのは確かだ。
事実、目の前には槍を振り下ろした姿勢の女幹部が見える。
ただ、その視線は自分ではなくなぜか自分の後方を向いている。
御坂美琴はダメージの残る身体をゆっくり捻って後方へ視線を向ける。

そこには薄紫色に光るマジカルステッキを両手で掲げた超機動少女カナミンの姿があった。

704■■■■:2009/12/10(木) 23:49:49 ID:NLGkY6Xs
以上です。

705■■■■:2009/12/10(木) 23:57:42 ID:A4rlZWFQ
ラッシュ最高!GJです!

706とある女達の最終兵器:2009/12/11(金) 11:33:07 ID:vHNETvK6
この日、上条さんはとても気分が良かった。

実は上条さん、インフルエンザにかかって、それを口実にステイルが

「インデックスにうつったらどうするつもりだ!今すぐ向かいに行く!!!」

と言い出して、上条とインデックスが恐れるあの飛行機に乗ってきて、

「さあ!インデックス!!!こいつのがうつったら大変だから、僕のところに
しばらくお泊りだよ!!!」

とほざいて、インデック(+三毛猫)を連れてまた、あの恐怖の飛行機に
インデックス(+三毛猫)を乗せ、イギリスに行ってしまった。

しかし、なぜ機嫌がいいかと言うと、上条さんの体はとても不死身で、
半日もかからずインフルエンザをぶっ飛ばした。
しかもインフルエンザの影響で、治っても二、三日様子を見てから
学校に行けと言われ、しかも、インフルエンザでの休みは休みにならない
ので、上条さんは、とても気分がいいのだ!
そして今上条さんは最近色んな事件に巻き込まれて、溜まりに溜まった
漫画の数々を熟読中である。

「幸せだ…、今カミジョーさんは…、とおおおおおおおおても幸せでえええ
エエエエエエエエエエええええええす!!!!!!!!!!」

時刻は午後1時半、もうお昼の時間を過ぎている。

「インデックスもいない事だし、コンビにで済ませよう!!ステイル…、
お前にこんなに感謝したことは無い!」

そんでもってコンビニでSンデーとMガジン呼んで、カルボナータと牛丼
どちらを買おうか悩んだあげく、牛丼買って、寄り道せずにまっすぐ帰った。

この時、上条は知らなかった。自分を待っている、とんでもない存在を…。

時間は過ぎ午後二時、上条は自分の部屋の前に立ちドアを開けた。
そこに待っていたのは…

「お帰りなさいませ、ご主人様!」

大精霊チラメイドの、五和だった…………。

707とある女達の最終兵器:2009/12/11(金) 11:35:14 ID:vHNETvK6
やっと…、やっと書くことができました!!!
とりあえずここら辺で終了。

708■■■■:2009/12/11(金) 19:10:50 ID:56uTDKxE
カルボナータ売ってるのか!?
スゲーww

709■■■■:2009/12/11(金) 22:07:49 ID:ZBuAeQys
いなくなって喜ばれるヒロインってのも
だんだかなあ・・・・。

710■■■■:2009/12/12(土) 00:10:03 ID:HjzrvC3.
>>707
投稿乙
個人的に気になったところばかりですが、指摘させていただくと

>今すぐ向かいに行く!!!
ステイル、とりあえず日本語の勉強からはじめよう。「迎えに行く」だろ?
>上条さんの体はとても不死身で
上条さんは多少(?)頑丈ではありますが、決して不死身ではないです
あと、不死身と病って別物じゃね?
>とおおおおおおおおても幸せでえええ
>エエエエエエエエエエええええええす!!!!!!!!!!」
歓喜を絶叫として表現したいのはわかるんですが、あまり誉められた書き方じゃないよ、これ
「!」の連打なんて特に。
>カルボナータと牛丼
北イタリアの郷土料理に実際にあるそうです。牛スネ肉の煮込み。
売っているコンビニのクオリティと牛肉料理で悩む上条さんに脱帽。

…総括しますと「推敲不足」ではないでしょうか。
投稿する前に、もう一度誤字・脱字・変な文じゃないかと読み直す。
やる・やらないで大きくレベルが変わりますよ。

711カンナギ:2009/12/12(土) 00:20:39 ID:wTqSuql6
どうも、こんばんわ。定期テストもおわったので「とある二人の恋愛物語」を投下したいと思います。


>>704
GJです。毎回楽しみにしています。

>>toto氏
神展開にワクワクがとまりません!続き期待しています。

>>706
インデックスって原作でもSSでもひどい扱いだ(笑

では、どうぞ!

712とある二人の恋愛物語:2009/12/12(土) 00:22:22 ID:wTqSuql6
1日目
PM8:02

美琴はさきほど店内にはいってきた二人の会話を聞いてた。否、聞こえてしまっていた。彼女も聞きたくて聞いているわけじゃない。ただ彼らの声が少々大きかったから嫌でも聞こえてきていた。彼らのテーブルは美琴たちのテーブルの二つ向こうで、しかも店内もそれなりにがやがやしているにもかかわらず、これだけ聞こえるということはよほど大きい声で喋っているのだろう。無視もできたが、上条も帰ってこないし、先に食べているのなんか嫌だったので暇つぶしに聞いていた。先ほどから繰り広げられている会話に美琴はドン引きしていた。一応、美琴は忘れているが一度彼らに会っている。そして彼らは上条の知り合いだったりする。
「あれ?もしもし、カミやん?切られてもうた。」
それはガラの悪そうな二人だった。一人は髪の毛を青く染めていて、耳にピアスを付けてる。服装は上条の制服に良く似ていた。青髪ピアスはツー、ツーとなる携帯を折り畳み、もう一度開いて掛けなおしたが繋がった様子はない。どうやら相手に電源を切られたようだ。
「にゃー、カミやん抜きとなるとやっぱり自力で何とかするしかないぜよ。」
もう一人は短めの金髪をツンツンに尖らせ、薄い青のサングラスを掛けている。服装は地肌にアロハシャツ。下にはハーフパンツをはいている。おまけに首からは金の鎖をぶら下げている。いかにもな不良っぽい格好をしていた。
「せやかてここ1週間、一つも収穫がなかったんよ?どうすりゃええねん。」
金髪サングラスはうーん と顎を右手で押さえて考え始める。青髪も一緒に考え始めた。
「やっぱりアプローチの仕方に問題があったんじゃないかにゃー。今どき『僕達とそこでお茶しない?』なんて切り出し方はないにゃー」
「じゃ、どうすりゃえーねん?」
「じゃあちょっと変えて『僕達とそこでいいことしない?』のほうがいいんじゃないかにゃー?」
「おぅ、斬新やなぁ!なんだか刺激的な感じがするで!」
だろ?と金髪サングラスはキリッとサングラスを掛けなおす。他人から聞いたら如何わしい事をされるのではないかと誤解されかねないアプローチ方法だ。下手したら風紀委員か警備員を呼ばれかねない。だが突っ込み不在のこの会話に歯止めは聞かない。美琴は知る由もないが彼らの問題点はもっと根本的なところにある。
金髪サングラスこと土御門元春は顔自体そんな悪い方ではないが、見ての通りの性格なので自分からチャンスを逃している節がある。先日も少しうまく行きかけていたことがあったが『僕の妹になってください』発言で自ら破滅を招いていた。(去り際に思いっきりビンタされていた。)
青髪ピアスにいたっては、頭がお花畑(抽象的表現でなく)になっている黒髪ショートヘアーの中学生くらいの少女に話しかけたところ、ちょっと会話しただけで泣きながら逃げられていた。しかも一緒にいた常盤台中学の制服を着たツインテールの女の子に痛い目にあわせられ、風紀委員(ジャッジメント)の詰め所に連行されかけた。(彼らは後知ったが、二人とも風紀委員だった。)そんなこんなで二人は変体発言を連発していると店員がオーダーを聞きにきた。
「い、いらっしゃいませ。ご注文は―――。」
顔が若干引きつっているのは先ほどからの変態トークを聞いてしまったからだろう。二人は気づいていないようだが。
「僕(俺)の彼女をください!いや、なってください(にゃー)!!」
「は、はい?」
「にゃー!抜け駆けは許さないぜよ!!」
「それはお互い様やろ!いくら相棒でもゆずれないちゅーの!!」
今日は変な人たちばっかり!イヤー!!と店員は心の中で絶叫していたが、そんなこと露知れず金髪サングラスと青髪ピアスは にゃー!! シャァー!!と、まるで獣のように威嚇しあっていた。
止めに入ろうと思ったが、すぐに店長が来て二人は静かになった。
この光景に美琴はさらにドン引きしたが、それとは別にほかの事を考えていた。
「(つかあの二人、やっぱどっかでみたような気がするよのね……)」
どこだっけ?と、考えたところでちっとも思い浮かばない。こんなインパクトが強い二人、普通なら忘れない。美琴はしらないが、彼らをみた日はさらにインパクトが強いことが立て続けに起こったので彼らの印象が無意識に薄まってしまったのだ。そんなおぼろげな記憶の中を探っていると、あの馬鹿がやっと帰ってきた。

713とある二人の恋愛物語:2009/12/12(土) 00:23:24 ID:wTqSuql6
PM8:06

「遅い!10分近くも待たせるなんてどういうことよー!!」
お手洗いから帰ってきたら美琴にいきなり怒られてしまった。あの後ついでに用も足したとはいえ、どうやらさきほどのあほあほトークに以外にも時間を取られたようだ。普段からあほあほトークをしている上条にとってこれは以外だった。自分がしている時はそんな時間は経っていないように感じていたのだが、他人から見るとそうでもないらしい。ということは自分はこんなしょーもない会話で青春という時間を浪費しているのかと思うと少し鬱になった。
「? 何落ち込んでんのよ?」
「いや、わりーわり!思ったより話が長かったんですよー!」
「ったく、すぐ帰ってくると思ってご飯に手を付けないで待ってたのにアンタってやつは!」
「だから悪かった……って、あれ?先に食べてていいって言わなかったけ?それで手を付けずに10分近く待っててくれたのか?そりゃ、まあ、悪かったな。」
「………!?」
美琴はビクッと肩を震わせた。
「ち、違っ……あ、あれよ!ちょ、ちょっと気になる輩がいて気になってただけよ。べ、別にアンタのために待ってたわけじゃ……!」
「じゃあ俺待ってないじゃん。何で俺が怒られなくちゃなら…ってなんで美琴センセーはバチバチ体の周りに帯電させてんのー!?」
「もう!いいから座んなさいっ、早く食べるわよ!」
だからなんで怒ってんのー!?と上条は心の中で叫んだが、これ以上何か言うと電撃の槍が飛んできそうなので、素直に従う。上条が座るといただきますと言って、なぜか不機嫌な顔で勢いよくバクバクと食べ始めた。
「も、もしもーし。み、美琴サン?そんなに急いで食べたら咽ますよー?」
「うるさいわね!もぐもく、あんたもさっさと食べなさい!もぐもぐ」
ものを食べながら喋るんじゃありません。と突っ込もうと思ったがやめた。良く分からないが、こういうときは下手に突っ込まない方がいいと経験上分かっているので、上条は習って先ほど取ってきたウーロン茶を少し飲んでから食べ始めた。ファミレスにしてはなかなかうまかった。だが本来、これはカップル向けで分け合いながら食べるものらしい。一人分にしては量が多いし、フォークとナイフとスプーンが二つずつあった。美琴も同じのを頼んだので実質3、4人分くらいあるはずだ。良くメニューを見ずにとっさに決めたのが完全に裏目に出た。
「(まいったな……俺は食えないこともないけど美琴には多すぎるんじゃ。)」
……予想通り、前半は飛ばして食べていた美琴も、後半に差し掛かるとなんだか無理しているのがわかる。
「み、美琴?別に無理して食べる事ないんだぞ?」
「う、うるさい…!こ、これくらいどうってこと……。」
美琴はまた食べるのを再会したが、勢いよく掻きこんだせいで咽返った。
「………!!」
苦しそうに胸をどんどんたたいている。
「ほら、言わんこっちゃない。」
上条は美琴が飲んでいた水をとって飲ませようとしたが、うっかり手を滑らして通路にこぼしてしまった。
「あ、ヤベッ…!」
全部こぼしてしまったので新しいのを取りに行こうと思ったが、美琴は水を催促している。
「しょうがねえ、ほら。」
上条は自分が飲んでいたウーロン茶を差し出すと、美琴はそれを奪い取るように、全部飲み干した。
「だから言っただろ、無理して食べる事ない……ってどうした?」
美琴は顔を赤く染めて上条を睨んでいる。
「これ…さっきあんたが飲んでたやつ?」
「ああ、悪い。お前のうっかりこぼしちまったんだった。代わりになんか取ってくるわ。」
上条はこぼして空になった美琴のコップを取り、ドリンクバーのほうへ歩いていく。
「………だから、ちょっとは気にしなさいよ。……ばか。」
あまりに小さな言葉に上条は気づかなかった。

714とある二人の恋愛物語:2009/12/12(土) 00:24:09 ID:wTqSuql6
PM8:32

結局、美琴は全部は食べ切れなかった。もったいないからと、上条は残りを平らげようとしたが何故か美琴にかたくなに拒否された。無理やり食べようとしたら美琴にアッパーカット(適度なビリビリ入り)を喰らった。
「1487円になります。、あとこれ、キーホルダーです。よかったらどうぞ。」
店員が渡してきたのはカエルのキーホルダーだった。確か『ゲコ太』とかいうキャラクターだった気がする。
「ほれ。」
キーホルダーの袋を美琴に差し出す。
「え?いいの?」
「いいもなにも、お前これが欲しかったんだろ?」
「……あ、ありがとう。」
美琴はキーホルダーの袋を受け取ると、嬉しそうにギュっと抱きしめた。
「(嬉しそうだな……最近の女の子ってこういうのが好きなのか?)」
それは単に美琴がファンシーな趣味の持ち主というだけなのだが上条は知らない。
「(ま、こいつが喜んだならそれでいっか。)」
上条は財布を取り出し、二千円札を取り出しトレイにおき、店員からお釣りを受け取ろうとしたところでなにか背後から殺気を感じた。美琴ではない。彼女は上条の右側にいる。

では誰か?

上条はおそるおそる後ろを振り返ると血に飢えた獣達がいた。
「つ、土御門、青髪…?」
え、こいつらアンタの知り合い?と、美琴は聞いてきたがそれどころではない。
「カミやーん……親友の頼みを断っておいて自分は常盤台のお嬢様と楽しくお食事ですか。けっこうな身分やなー………?」
口調こそいつも通りだが目が笑ってない。おまけに声もいつもよりずっと低い。
「にゃー…カミやん。俺達、義兄弟の誓いを忘れたのかにゃー……?」
サングラス越しでもわかる。今のこいつの目は獲物を狩る目だ。
「お、お二人さん?ここは一つ穏便にですね……?」

「裏切り者には死、あるのみじゃー(にゃー)!!!!!!!!!!!」

弁解の余地もなく、二人は上条めがけて飛び込んできた。

「ふ、不幸だぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!」

PM8:02-32 終了

715カンナギ:2009/12/12(土) 00:27:20 ID:wTqSuql6
終了です。

やっと一日目に区切りを付けられそうです。SSって結構大変…。
でもやっぱりやりがいがありますよね。

次も気長に待っててくれると嬉しいです。

では。

716■■■■:2009/12/12(土) 00:34:03 ID:F6hWfLS2
にやにや

717■■■■:2009/12/12(土) 10:54:13 ID:4DmrL1q6
>>715
乙です。
上琴はやっぱりいいなぁ。

718とある女達の最終兵器:2009/12/12(土) 11:09:35 ID:DopbUzds
710さん…、まだまだ未熟者なので、おおめに見てください…。

誤字はこれからも出てくると思いますが、本当におおめに見てください…。

719■■■■:2009/12/12(土) 20:54:54 ID:/IIvA67o
>>718
ゆっくり頑張ってね!!

720■■■■:2009/12/12(土) 22:43:52 ID:/c7XYiVg
>>718アドバイスは素直に受け取るもんだよ。あなたのSSのレベルがあがるように言ってくれてるんだから。あとsageたほうがいいとおもうよ

721■■■■:2009/12/12(土) 23:39:46 ID:gtHyNykU
>>718
アドバイスを受け取る気がないなら、いっそレス付けないほうがマシかと。
あと、人目につく場所に投下する以上、未熟とか初心者とか言い訳は通用しないよ。

722とある女達の最終兵器:2009/12/13(日) 00:27:14 ID:A067lp0E
はい、参考にさせていたたきます。

723■■■■:2009/12/13(日) 11:25:20 ID:PPbZ/8oU
いまから投下します。
エロ無しですが18禁かと。

724■■■■:2009/12/13(日) 11:26:38 ID:PPbZ/8oU
私が目を覚ますとそこは牢獄だった。
無機質な壁と太い棒が等間隔に配置されたそこをなんと呼べばいいのかすぐに分かった。
すると私は囚人だろうか。それならこの首と両足に付いた鉄の輪も納得できる。
「おはよう、御坂美琴君。いや・・・こんばんわと言った方が時間的にはいいかな?」
いきなり目の前から声がした。
「だれよアンタ。」
「いきなりだな。流石というべきか第三位。なにか質問はあるかな?」
なんなのかしらこいつは。見る限り女性であるらしい事はわかる。化粧っ気はないし着ているものもスーツに白衣、口調も男っぽいけど・・・。
「全部。」
「?」
「全部説明しなさいって言ってんでしょ。」
やれやれといった感じでその女は肩をすくめた。
「まず最初に・・・そうだな、ここはどこだか言っておこう。
 ここは奴隷市場の地下施設だ。そして君はそこで売られる商品というわけだ。」
・・・なにいってんのこいつ。頭沸いたのかしら。
しかしその女は私に構わず続ける。
「あぁ安心してくれて構わないよ。君を競りにかける事はない。もう君は買われている。
 もう一つ朗報だ。買ったお客はいわゆるアレ系の悪趣味な人間じゃない。きっと可愛がってくれるさ。」
もう我慢できない。なにか理由があってこんなことをしてるのなら駆け引きの一つや二つしてやろうと思ったけどもう我慢できない。
「ふっざけんじゃないわよっ!!!」
そういって私は電撃をあたり一面に撒き散らした。

725■■■■:2009/12/13(日) 11:27:07 ID:PPbZ/8oU
そう、私は電撃を出したたハズだった。
「なんで・・・?」
そこには何も変わらない牢獄があるだけ。それ以前に電撃どころか静電気さえ起こしてはいない。
「不思議かな、無理も無い。この部屋は超能力は使えない。たしかAIMとかいうのの応用だったかな?
 そして君自身にもナノマシンを入れて能力を減衰させている。
 それは半永久的なものだからここを出ても能力は落ちてるだろうね。
 レベル2・・・よくてレベル3くらいには落ちてるはずだ。」
「ふざけないでよっ!意味分かんないわ!」
「そう思う気持ちも分からないではないよ。
 自分が売られるのだ、同じ女として同情する。」
そういって女は心底悲しそうな顔をした。
ふざけるな。意味がわかんない。どうして私が。どうやって。
ふと一つのことに気がつく。
「私を拉致してただで済むと思ってんじゃないわよねぇ。」
「どういう事かな?」
「私は学園都市に2桁も居ないレベル5にして全能力者の第3位よ。
 稀少価値や学術的にも学園都市が黙っちゃいないわ。」
そう、私を無くしたら学園都市は大損だ。いくら系統が平凡でもレベル5を理事会や学会の連中が捨てるとはおもえない。
「あぁ、そのことなら気にしなくても良い。きみの代わりはすでに存在している。」
なにいってんのこいつ。私の代わりなんて居る訳ないじゃない。
「クローンのこといってんの?残念でした、クローニングでも能力はコピー出来ないのよ。」
経験のある私だから言えることだ。いくら遺伝子、細胞的に同じでもクローン体は能力が劣化する。
「それができたら?」
「えっ?」
「クローン体における能力完全再現が可能となったらどうする?」
「あり得る訳ないじゃない!2万人も生み出されてそんな妹いなかったんだから。」
ふぅ、ため息をついてその女は答える。
「魔術というものを知っているかな?身に覚えはなくても聞いたことはあるだろう。
 魔術と科学の融合。それによって完全なる同一体が創造できるようになったのだよ。
 そして君のクローンが今現在君がついさっきまで居た場所にいる。」
魔術・・・?そんなものがあるわけ無いじゃない。現実を見なさいよ。そんな事で私を拉致したっていうの?
「なぜクローン体でなく本体を持ってきたかというとね、やはりお金持ちという人種は本物にこだわるのでね。
 いくら同じでもクローンだと値が落ちるそうだ。そういう趣向は私には分からないがね。」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
そうだきっとあいつが助けてくれる。妹を救ったように。いつも怪我だらけで行動しているように。
「愛しの王子様なら来ないよ。言ったろう、もう君の居た場所にはクローンが居る。
 安心したまえ、クローンという以外に君と変わりはない。学業や交友関係にも支障は出さないはずだ。」
そんな幻想をこの女は軽くぶち壊した。
「はは、ははははははははははははははは・・・」
こわれたか、と女がつぶやいたような気がするが今の私には何の意味もなさない。
「しかしだ。私も同じ女、いきなり犯されるというのもかわいそうだ。」
そう言って女はピンク色の液体が入った小瓶を私の目の前に置いた。
「媚薬というか催淫薬といったところか。これを飲めば今から起きる苦痛が快楽へと変わる。
 そうすればあとは落ちるだけだ。快楽に身を委ねれば楽になる。」
慈悲のつもりだろうか。舌を噛み切る方が私にとってはよっぽど幸福だ。
「自殺ならやめて置いた方が良い。ここの医療技術は学園都市と同等だ。
 売られてからの脱走もナノマシンのおかげで不可能だろう。
 君ができることは苦痛に耐えた結果の絶望か快楽に身を委ねた結果の堕落だよ。」
そういって女は振り返り牢獄から出て行った。
「ははははは、はは・・・」
置いていかれた今の私にできることはひとつしかなかった。

726■■■■:2009/12/13(日) 11:28:09 ID:PPbZ/8oU


「主任、お疲れ様です。」
そういって部屋に帰ってきた私に部下がねぎらいの言葉をかけた。
「何時まで経ってもなれないよ、こういう仕事は。」
「ですがクローン体にオリジナルと思い込ませるにはこれが一番の方法なんですよ。」
わかってるよ、と言いつつペットボトルに入った水を一気に飲む。
部下がいった通りあの御坂美琴はクローンだ。
どんなに魔術側と情報、技術交換をしても完全クローンは不可能だった。
しかしそんな事に構わず天然記念物以上の価値がある御坂美琴を欲しがる好事家もいる。そういう奴らを満足させるための彼女たちだ。
遺伝子データはあるのだからクローンはいくらでも作られる。
あとは精神面での心配だが私がさっきしたような方法をとればクローン体にも自分がオリジナルと認識させられる。
そういって作られたオリジナルと思わせられたクローン体はゲス達に買われていく。
彼らが望むのはレベル5の超能力者ではなくただのか弱い少女なのだから能力が低くても何ら問題ない。
ナノマシンは入れてはあるが逃走防止の機能だけで能力低下の要素はない。
もちろんオリジナルは常盤台付属の中学校で今もかわりない生活を過ごしているだろう。
「女じゃないと認識させられ無いというのが難点だが。」
「仕方ないですよ、男だったら途中で気づいたケースが有りますしクレームはひどいらしいですよ。下手すりゃ返品されて大損だ。」
そうだな、とつぶやき私は次に売られていく御坂美琴の情報に目を通した。
こういう仕事は無くならない。人の欲望がなくなるまでずっと。それは幸運なのか不運なのかは私には分からないが。



727■■■■:2009/12/13(日) 15:03:34 ID:a/hXkmwc
何が面白いんだ、コレ?

728■■■■:2009/12/13(日) 15:41:46 ID:TrV0epGc
とりあえず、ジャッジメントに通報すっか。
少なくとも面白くはない。

729■■■■:2009/12/13(日) 16:03:58 ID:qjXl8P4w
結構十八禁ぽいから、エロパロに投稿した方がいいよ。
御坂待ちが、いっばいいるから。 
それよりなんでsageを覚えてない人が増えてるの?

730■■■■:2009/12/13(日) 18:53:23 ID:TQb8/T.Q
この板にも禁書でエロ話スレがあることを忘れないでください

最近はもっぱら使われてないが

そろそろ自治厨呼ぶぞ来るぞ荒れるぞ

731■■■■:2009/12/13(日) 19:15:06 ID:4gtOKg6E
sageに関しては>>1で触れてないのが原因かも


>>723
俺はわりと気に入った。
巧いことクローンの設定使ったね。GJ!
だが次は18禁の場所へ投下することをお勧めする。

732■■■■:2009/12/13(日) 20:32:27 ID:YONPhmj.
確かにそういうものも良いだろうが
ここは18歳未満の人も見るのでここで投票するのはやめてほしい
さらにエロ系のを投票すると、掲示板が荒れるので削除を願います

733■■■■:2009/12/13(日) 21:31:41 ID:8mCWq.Bc
まあまあ、落ち着きましょうよ。確かに18禁の類をここに投下することに関し
ては賛同しかねますが、今後こういったことが起こらないようにするためにも
テンプレに次の注意事項を追加してみては?

一つはsage関連。>>731氏が仰ったとおり、sageをするように住人に促す。
分からない人のためにやり方を明記しておく。

二つ目はジャンルは無制限(但し18禁は不可)に。

次回のスレ立て時に上記二つを追加、変更するのはいかがでしょうか。

734■■■■:2009/12/13(日) 22:14:13 ID:1apdzPcM
え?面白くね?
黒い大人たちの事情ってことで、結構リアルで俺はいいと思ったけど…
可愛い子がクローニングされてたら実際されてるだろこういうこと。
ちなみに俺は未成年です。

735■■■■:2009/12/13(日) 22:19:22 ID:xUfJ/wPE
いや面白いかどうかじゃなくてそもそもここに18禁SS投下するってどうなのよ?って話なんだが

736■■■■:2009/12/13(日) 22:23:11 ID:8mCWq.Bc
>>734
いや、内容の良し悪しではなくてですね…。

未成年の貴方のような方が見る事ができる場に18禁の類のSSが掲載されること
が問題になっているわけでして…。

737■■■■:2009/12/13(日) 23:00:23 ID:32Km7esM
コレ18禁?

738■■■■:2009/12/13(日) 23:47:31 ID:1apdzPcM
内容的にはぎりぎりの範囲だと思うけど、明確な性的描写が無いからいいじゃないの?
投下者は、18禁と明記するんじゃなくて、ちょっとスレスレかも…みたいに柔らかく書き込めばよかったんじゃないか?

>>723が駄目だったら、初っ端から上条と御坂が既にヤっちゃってますみたいな某ssは許容範囲なのかよ

739■■■■:2009/12/13(日) 23:52:15 ID:bpatpmTU
無駄レスやめようぜ。とにかく>>723みたいな作品を見たかったらエロパロにGO。これで終わり!

740■■■■:2009/12/14(月) 02:13:58 ID:KeuHrXkc
>>738
何を子供みたいなことを言ってるんだ。

741カンナギ:2009/12/14(月) 04:33:06 ID:f8/TJO96
なんか遊びにきたら大変なことになってる?

ですが、これ以上レスを重ねるのもあれですし、この話は終わりにしましょう?ね?
おそらく投下するところを間違えただけなんでしょうし、今後気を付けてもらえばいいのではないでしょうか?
>>作者さん
エロパロとしてはアリなんじゃないかな?私はバッドエンドはあまり得意ではありませんがこれはこれで面白いかも。(あくまで私的意見ですが)

↓はまったく関係ない話です。


あと参考までにお聞きしますが、みなさんは「とある二人の恋愛物語」で今後出して欲しいキャラとかいますか?
ストーリー進行上で可能な限りは出したいと思います。無理だったらごめんなさい(汗
とりあえず、黒子は出す予定なんですが…。読んでない方はスルーしてくださって結構です。すみません。(汗

742■■■■:2009/12/14(月) 06:06:29 ID:ffXsNcoc
ttp://de3gxz4s.blog100.fc2.com/
上に出てるけどこいつまだパクってるのな
最初に指摘された時点でやめると思うんだけど

743■■■■:2009/12/14(月) 16:00:10 ID:wFeOxSYs
>>741
御坂妹希望

744■■■■:2009/12/14(月) 16:56:19 ID:vfVfiUDM
>>742
こういうのを確信犯っていうんでしょうねえ。パクリを指摘するコメントには完全無視を決め込んでますし。

745■■■■:2009/12/14(月) 19:58:54 ID:QK6Gb5iU
そこは前にもパクリ指摘された事があったがコメント削除してくるよ

746■■■■:2009/12/15(火) 06:47:09 ID:46vfL4qQ
何でこのスレいっつも殺伐としてるの
もっとほんわかしなよ

747■■■■:2009/12/15(火) 16:56:12 ID:WdeT1otk
まァそんなことのあるスレだけど
新しい作品を温かい目で見守ってますから
どんどん面白いSS書いてくださいね
(前回のような18禁物のSSは御遠慮下さい)

748■■■■:2009/12/15(火) 20:45:11 ID:colp7E4Y
作品を投下してる人がいても特定のCPにしかGJを言わない人もいるからね

あとエロパロスレのように雑談中心になられても困る

749■■■■:2009/12/15(火) 23:47:42 ID:enlRTlJQ
ここでエロはちょっとやめてほしいな〜

750■■■■:2009/12/16(水) 18:07:21 ID:IVW5SSGc
>>748
作品を投下されたら全てマンセーしろとでも?

751■■■■:2009/12/16(水) 18:28:26 ID:Cb8z0Q3U
>>750
反応くらいはしてやれよ

書き手は萌え製造機でも何でも無いんだから

752■■■■:2009/12/16(水) 19:47:52 ID:8B7Lri0Y


「アンタ達早死にするわね。」
それは「グループ」が利用する「休憩場」で結標の口から放たれた一言だった。
「うにゃー?それなんか前にも聞いた気がするにゃー」
「ンでもって前も言ったよなァ、好きなことして死ねンなら幸せだっつーの」
それぞれの食べてる物もまた前回と同じ、チキンにハンバーガーとサラダだった。
「まぁ学園都市最強の一方通行がコレステロール値の上がりすぎで死亡っていうのも面白いだろうけど」
そこらのコンビニで売ってるのとは格が違いますオーラ爆発のサラダにドレッシングをかけまくりながらいう結標。
「あっはっは、そんなにドレッシングかけたら健康サラダも台無しだにゃー」
「やっぱり土御門さんのように手料理が一番じゃないんでしょうか?土御門さんはその料理ご自分で作ってるんですか?」
「いやこれは義妹の舞夏が……ってなんだソレ!?お前の料理イモリの丸焼きにしか見えないにゃー!!?」
いえいえこれは郷土料理ですと言ってイモリを土御門に勧める青年は海原 光貴、グループ全員の共通意識なのだがどうも海原に化けているのは外国人らしい。
「とにかく自炊のできない男なんか需要ないわよ今時」
「あン?テメーだって買ってきたサラダだろうが」
「俺だって料理の一つぐらいできるにゃー」
「嘘付けシスコン」
「黙りなさいシスコン」
シスコンじゃないにゃーーーーーッッ!っと程よく場の雰囲気がヒートアップしてきたところに爆弾発言を投げ込む爽やか青年(※もどき)が一人。
「じゃあ皆さんこうしましょう。次の仕事で集まる時に自分でお弁当を料理してくる。これなら皆さんの料理の腕が分かるんじゃないですか?」

…続く?

753■■■■:2009/12/16(水) 20:15:36 ID:WqN9iWbQ
いつもは見ているだけですが
ちょいちょい仮面ライダーネタが出ているので
自分も作ってみました 
設定としてはなんかいろいろ終った後です(笑)


754ディケイド最終回パロ:2009/12/16(水) 20:16:13 ID:WqN9iWbQ
戦いは終った 
しかしインデックスの表情は変わらない
彼女は知っている この景色をそしてこれから起こることを
「とうま!」と言おうとしたが
それよりも先に一人の男が現れ上条当麻に話しかける
オッレルス「僕の言葉を覚えていますか?」
当麻「お前はあの時の」
オッレルス「あなたは全ての魔術師と超能力者を破壊しなければいけなかった
      しかし仲間にしてしまった それは大きな過ちでした」
当麻「どういうことだ!?」
オッレルス「今から僕の仲間があなたの幻想を終らせます」
男がそう言った瞬間数人の魔術師が当麻の周りを囲んだ
その中には上条当麻が知っている者もいる
アックア「 上条当麻 お前を倒す」
ただ一言それだけ述べるとメイスを構える
当麻「結局こうなる運命か・・・・はあ!!」
 上条当麻の右腕から竜王の顎が現れる


インデックス「このままじゃ夢と同じに」
 インデックスは倒れている一方通行に駆け寄る
インデックス「アクセラレータ!! 起きて!! 早くしないととうまが!!」
打ち止め「やっほ〜 起こしてあげようか〜ってミサカがミサカが提案してみる」
打ち止めは一方通行の額にキスをする
打ち止め「ただしっ {真っ黒い翼}付きでねってミサカはミサカは意味深な台詞を付け足してみる」
インデックスが「えっ?」と言う前に一方通行がインデックスを突き飛ばし起き上がる
そして一方通行の背中が弾け飛びそこから黒い翼が飛び出す
一方通行「ォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」

一方通行の雄叫びを聞き振り返る当麻
当麻「アクセラレータ!?」

その様子をモニターごしに見ている アレイスター クロウリー
「幻想殺しは全てを破壊する 魔術師を 超能力者を そして上条当麻さえを滅ぼすのだ」

当麻「来るならコイ! すべてを破壊してやる!!」
一斉に魔術師達が上条当麻に襲い掛かる
魔術師達の攻撃を時には避け時には幻想殺しで無効化していく当麻
しかしその魔術師達の攻撃を掻い潜り当麻に近づき銃を構えるクラスメートが居た
土御門「上やん・・・」
当麻「土御門!?」
ただ一発の銃声と「とうま!!」と叫ぶ女の子の声だけが響いた


つづきは劇場で!!!

755■■■■:2009/12/16(水) 20:17:36 ID:WqN9iWbQ
え〜〜まあ なんかすいません
なんかいろいろツッコミどころはありますが
ただ作っている分にはめっちゃ面白かったんで調子乗っちゃいました
あと分からない人はホンマすいません
ただこの時の一方通行の目の色は赤ではありません
黒です ここだけ覚えといて下さい(分かる人は面白い)

756■■■■:2009/12/16(水) 20:36:22 ID:8B7Lri0Y

という訳で料理である。ちなみに皆さんのご想像どうりこの中で料理らしい料理をした事あるやつなんか一人も居ないのなんか分かりきってるだろう。
【一方通行】
「料理ってなにすればいいン…」
「とうっ!ってミサカはミサカは旧知の友人のために立ち上がってみる!さて一方通行君!きょうはどんなお悩みなのかないえーい!」
「そーだ、幼女の丸焼きなンかうめェのか?」
「ぎゃー!何でツッコミもしないままミサカに塩をふってんの?ってミサカはミサカはブタさんウシさんの気持ちを味わいつつ脅威の悪の手から逃げてみる!」
別の部屋に走り去った打ち止めをほっといたまま一方通行の思案は続く。
(簡単で栄養があるっつったらサラダかァ?そんじゃ芸がねェな……ってか何でこんな真剣にやってンだ俺)
「台所に立って悩むアナタは今日の献立考え中?ってミサカはミサカは念願のエプロン装備一方通行が見れるかもって胸をときめかせてみたり!」
(最悪コイツの丸焼きでいいやァ)

757■■■■:2009/12/16(水) 20:43:52 ID:8B7Lri0Y

【土御門】
「いやー、何か勢いで料理することになっちまったんだけど全く良い案が浮かばないんだぜい」
こちらも一方通行と同じように台所に立って悩む青年、土御門。
彼には義妹、舞夏という最終兵器があるのだがどうしてもそれを使ってしまったら人としてダメな気がしてならない。
(ってか舞夏の弁当じゃレベル高すぎてバレちまうぜい。あー、どっかに適度なお料理スキル習得済みの男子いないかにゃー?)
一人悶々と悩む金髪サングラス。と、そこにとても良い匂いが漂ってきた。
(うにゃー、誰の嫌がらせだにゃー、こっちは割りと真剣なんだにゃー、はァ)
その匂いの元が彼の隣人上条当麻が作った煮物だという事実に土御門は気づいていない。

758■■■■:2009/12/16(水) 20:49:52 ID:8B7Lri0Y

【結標】
「まったく、なんで私がかんな無駄な事…」
一人キッチンには目もくれずソファに寝転ぶ結標、彼女は元から料理する気なんかさらさら無かった。
(「休憩所」に行く途中で弁当買って詰め替えればバレないわよね、あんなアホ共に味なんか分かるわけないし)
ゆっくりと起き上がった彼女は戸棚の中から弁当箱を探そうとして動きを止める。
「弁当箱なんか持ってないじゃない……」
結標無駄な出費千二百円

759■■■■:2009/12/16(水) 21:34:34 ID:Cb8z0Q3U
てめーらsageろよ、いい加減に

ROMってんならわかるんじゃないのか?ええ?

投下終了なら終了って言えよ
カオスになってんぞ

760■■■■:2009/12/16(水) 22:38:49 ID:DnxxuhHY
書き込むときのマナー

1、まずメール欄に半角でsageと入力。できない奴は頭おかしいぞ?
2、投下宣言、投下終了のコメントをちゃんと入れろ。できない奴は投下しない。
3、短い作品をわざわざ二つや三つに分けない。無駄レス禁止!

一応書いてみたけどルールはこんなとこかな?

761■■■■:2009/12/16(水) 22:49:04 ID:GlKO8yPk
あと、メモ帳に書くだけ書いてコピペで投下ってとろかな?

762toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/16(水) 23:15:21 ID:qG3Zf9lU
『並行世界(リアルワールド)』の続きを投下します。

763『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/16(水) 23:16:37 ID:qG3Zf9lU
二日目 16時55分


第三学区。
セブンズタワーホテルの地下七階に、秘密裏に増設された巨大モニタールームが存在する。かつては、学園都市の裏社会を暗躍する非合法組織を運営、または監視する『ウォッチャー』が使用していた場所であり、学園長の許可が下れば『滞空回線(アンダーライン)』を通じて、より詳細な情報をモニタリングする事が出来る。
現在、『ドラゴン』の状況を逐一確認するため、学園都市に漂う全ての『滞空回線(アンダーライン)』の使用が許可されていた。第一学区から第二八学区までの各部が映し出され、特に一八学区の状況は大きなスクリーンに表示されている。
『魔神』、『天使』と対峙している五〇〇〇人以上の『妹達(シスターズ)』と御坂美琴、剣多風水、『新たなる光』の魔術師達。
負傷し戦線離脱した『騎士団長(ナイトリーダー)』、オッレルス、シルビア、ステイル=マグヌス、バードウェイの五人の魔術師、神裂火織率いる天草式十字正教は、各々で回復魔術を施している。
学園都市最高峰の技術を結集している一室なのだが、妙な構造になっていた。部屋の中央に、コードがいくつも繋がったマッサージチェアのような機械仕掛けの椅子と、何重にも分厚いセキュリティードアの付近に、一台のデスクトップがあるだけだった。ここに集約されている情報の大半は『マザー』の即時適切な処理が行われているため、手動操作の機材が圧倒的に少ないからだ。
「そう落ち込むな。結標」
「…分かってるわよ」
「ならいい」
モニターの光だけが灯る暗いホールで、黒のスーツを身に纏った雲川芹亜は、彼女の肩をたたき、
「お前の取り分は残しておいたじゃないか。まあ、男共はタダ働きになってしまったけど」
「やっぱり、そうだったのね…余計凹むわ」
先ほど、レットインドランドのルールで行ったポーカーの結果、雲川芹亜に『グループ』の報酬は巻き上げられてしまった。土御門とエツァリはチップを全て奪われ、結標はプラスマイナスゼロの元金が手元に残っていた。だが、その結果すらも、『神上派閥』の作戦本部『ジョーカー』のブレイン、雲川芹亜の配慮だった事に結標淡希は気づいていた。
「理(ことわり)を数字で説明するのが科学。理(ことわり)を神の仕業で説明するのが魔術…私にとっての科学など、分かりやすく言えばこの程度の基準(スケール)でしか無い」
「…ねえ、雲川。『無能力者(レベル0)』なんてウソでしょ?脳の異常な発達が貴方の能力だったりするんじゃない?」
「はははっ、それは面白いな。だけど測定では『無能力者(レベル0)』で、この切れすぎる頭は『天然』だよ。そういう意味では、私と総帥は似ているけど」
結標淡希は深い溜息をついて、
「…私が言うのもなんだけどさ…総帥だけは止めておいた方がいいわよ?超電磁砲とは別の女を家に侍らせて、行く先々で愛人を作ってるんでしょ?一度、彼の女性問題が発端で内乱が起きたわよね?イギリスの経済が一時ストップして、数十億ドルの損失が出たって聞いてたけど…」
「…アレは仕方がなかったのさ。たかだか、一〇〇人程度の美女がいる酒池肉林如きで総帥を籠絡させようなど…私もついつい『本気』になってしまったよ」
…これ以上は聞いてはいけない、と結標淡希の本能が告げていた。
「総帥の周りには色恋の話が絶えず、色々と噂は絶えないが、彼は驚くほど硬派だぞ?それも総帥の美点の一つなのだが……お前は知らない方がいいだろう。泥沼の女同士の抗争に参加したくはあるまい?」
「…そんなのこっちからお断りよ。もしも、私が参戦するって言ったらどうするつもりだったの?」
「うん?万が一の場合、カエルのような顔をした医者に診せるのが数分遅れるくらいだが?」
「ちょ!?雲川、それマジで言ってんでしょ!」
「HAHAHAHA」
「うわ、ウザ!っていうかムカつく!」
結標の声を聞き流し、雲川は手元にあるノートパソコンのEnterキーを押す。
中央にあるチェアが音を立てて作動し、結標の頭部を機械仕掛けのヘルメットが覆った。
「雑談はこれぐらいにして…準備はいいな?」
『勿論よ。私が成功しないと世界が終わるんだから、私がどうなっても、任務をやり終えるまでは手出ししないで』
肉声から、フィルターごしの電子音へと変わる。
「無論そのつもりだ。役割を果たす前に脳を焼き切ってしまったりしたら、私はお前を許さないし、死体を切り刻む」
デスクトップには多くのアプリケーションが展開しており、マイク付きヘッドフォンを被った雲川は、パソコンに備え付けられている小さなスイッチに電源を入れた。『Connecting Complete』の文字が表示された。
『あー…てすてす…聞こえますかー?各学区にいる魔術師達に伝えます』
雲川芹亜は告げた。


「『並行世界(リアルワールド)』作戦―――――現時刻を持って、最終段階に入る」

764『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/16(水) 23:17:15 ID:qG3Zf9lU
二日目 16時56分31秒


「ライダーキーック!」
場所は、再び戦場へ戻る。
少女の掛け声と共に、『体内電気(インサイドエレクトロ)』で強化された肉体から、蹴りが放たれた。
的確に『闇』の首を捉え、ゴキィッ!と嫌な音が鳴る。頭部があらぬ方向に曲がった『闇』は霧散し、痕跡も残さず消えた。
「で?これは一体何なのさ?ゴキブリみたいにウヨウヨ出てくるんですけど」
背中合わせで戦っているフロリスに、ミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』は問いかけた。
「国を一夜で滅ぼしたとされる黒魔術、『夜舞う死を恐れぬ軍兵(ゾンビパウダー)』。ヴォドゥンの秘術。本来は死体に施すことによって、リヴィングデッドを作りだす魔術だけど、術式を変容させて、実態の無い『闇』に施して、不死身の兵隊を生み出してるみたい」
彼女の周囲には、人のカタチをしている『闇』が群れていた。各々は剣やら槍やらのカタチをした原始的な武器を持っており、動きは鈍いが、明らかな殺意を持って襲いかかってくる。四方八方から、『妹達(シスターズ)』のアサルトライフルと思われる銃撃音が鳴りやまない。彼女たちも、この『闇』の対処で精一杯なのだろうと、ゼロは推測した。
「ドラゴンって魔術も使えるの?」
「…神なんだから、なんでもアリじゃない?秘術なんて、おとぎ話にしか出てこないほどのシロモノだよ」
「なぁんだかな?私、伝説級の魔術しか見たこと無いんだけど」
「…確かに、『戦争』が起こるまで、神話クラスの魔術がオンパレードに展開されてたからね」
「キリが無いじゃん。こうやって倒してても意味無いじゃん」
「この術式は発動した時点で術者から独立する術式なの」
バンッ!と銃声が響く。ハッとしたフロリスの眼前で、『闇』の頭部が破裂し、消滅した。ミサカ『〇〇〇〇〇号』のベレッタW78が硝煙を上げていた。西部劇のガンマンを気取って、格好良くホルスターに銃を収めると、
「アシスト、次は無いよ?魔術師さん♪」
「それはこっちのセリフだっ!」
フロリスは御符が付加されたナイフで、眼前の『闇』を切り裂いた。
「作戦が最終段階に入ってる。もう一踏ん張り、するとしますかっ!」
ゼロは、振り下ろされる斧を掻い潜り、『闇』の懐に九ミリパラベラム弾を撃ち込んだ。バシュッ!と、大男のカタチをした『闇』は無に帰した。

765『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/16(水) 23:20:14 ID:qG3Zf9lU
(二日目) 16時57分10秒


『元素なる弩(ガストラフェテス)』が精製される。
強固な弦が撓り、勢いよく発射された四メートルの大槍が、『天使』の槍を絡め取った。
剣多風水は、両手に二本の剣を握る。次に地盤を、スプリングを底辺とする鉄板に変えた。弾性力を利用して、空へ飛び上がる上半身を回転させ、無防備な『天使』にカットラスの斬撃を放つ。
『天使』は刃を右手で掴んだ。
剣多風水は、『金属使い(メタルオブオーナー)』の能力を発揮する。
剃りがある剣は忽ち鎖に変貌し、『天使』を拘束した。彼女は全体重を乗せて、遠心力を利用して『天使』に軌道を描かせる。地面に降り立った風水は、
「ふっ!」
ゴシャァアア!と、『天使』を地上へ叩きつけた。
右手を振り上げる剣多風水の演算は止まらない。アスファルトからいくつもの鎖が出現し、『天使』を瓦礫に縫いつけた。身動きが取れない『天使』に『妹達(シスターズ)』が追撃した。
アサルトライフルに取り付けられた大口径の銃口がポップアップされ、グレネード弾が『天使』に撃たれた。
ポンッ!と間抜けな音の後に、爆発音が鳴り響く。
改良された『幻想御手(レベルアッパー)』を使用して、ミサカネットワークを通じ、剣多風水はミサカたちとリアルタイムで情報交換し、連携を組んでいた。『天使』を攻撃する数十人のミサカを見ながら、彼女は剣を突き立てる。
「…はぁー…は、はぁー…」
黒色のメイド服が小刻みに揺れる。
肩で息をする彼女の額から、大粒の汗が零れ落ちていた。


長時間の能力使用に、疲労を覚えていたのは彼女だけでは無かった。
「うぐっ…」
御坂美琴に頭痛が走る。
「お姉様、それ以上の『幻想御手(レベルアッパー)』の使用は脳に多大なダメージを与えますとミサカは…」
「ふん、それはお互い様よ。アンタだって、脳の一部が私と風水に使われていて、本調子じゃない癖に」
「それに加え、『一方通行(アクセラレータ)』の代理演算を常時行っているこの身にとっては何の支障もありませんよ、とミサカ一〇〇三二号は平気な顔でマガジンを装填します」
黄金の瞳がミサカを見つめた。一息吐くと、御坂美琴は背後に備えていたホルスターから拳銃を投げ捨てた。カラカラ…と地面を回るベレッタW78はスライドが伸びきっていた。
(オートマティック拳銃も二発が限界か…バレルが熱で溶けちゃう)
御坂美琴はミサカ一〇〇三二号から新たなベレッタW78を受け取った。彼女がベレッタを愛用している訳では無く、『妹達(シスターズ)』に配布された武器を使っているだけである。彼女はすでに一〇丁以上の拳銃を使い捨てていた。
一〇〇〇億ボルトのソレノイドによって生み出される熱は、一瞬とはいえ五万ジュールにも及ぶ。耐熱性に優れたポリマーフレームを使用しているが、拳銃サイズの武器では御坂美琴の高電圧が起こす熱には耐えきれない。故に、ハンドガンサイズの『超電磁砲(レールガン)』を実現するためには必要な消耗品であった。御坂美琴はセーフティーを解除し、ハンマーを下ろす。慣れた手つきでスライドを引き、初弾を装填した。
リアサイトとフロントサイトに『魔神』が捉えられた。
ズドンッ!と。
音速の一〇倍を超える九ミリパラベラム弾が『超電磁砲(レールガン)』となって突きぬけた。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』で御坂美琴の電撃が打ち消されたとしても、火薬爆発で加速された弾丸を打ち消すことはできない。幾度となく上条当麻と争って身に付けた『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の対処法。昔はパチンコ玉を使って、上条当麻を追い詰めた経験がある。
『超電磁砲(レールガン)』の衝撃を殺すが、爆風を伴うマッハ波までは防ぎきれなかった。
ミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』から得た『体内電気(インサイドエレクトロ)』を用いて、御坂美琴は常人を逸した脚力で空を駆ける。
ゴロゴロォォッ!!!と、一〇〇〇億ボルトの電圧が空気を瞬時に膨張し、眩い雷撃が放たれた。
『魔神』は右手を向ける。しかし、致死量を超えた電撃をまともに受けてしまう。雷鳴を轟かせる閃光が、『魔神』の体を突きぬけた。血に染まったワイシャツは焼け焦げ、吹き飛ばされた身体は瓦礫の地をバウンドした。
『魔神』に致命的なダメージを与えた。
その現実こそが彼女を驚愕させた。

766『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/16(水) 23:20:39 ID:qG3Zf9lU
(右手の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が無くなってる――――?)

御坂美琴の背中に、ゾクッと寒気が襲う。
「『妹達(シスターズ)』!最優先事項!今すぐ、ドラゴンを拘束して!手足の一、二本は構わないから!」
(ドラゴンが自閉モードに入ってる!)
悲鳴に近い『お姉様(オリジナル)』の命令に、同一遺伝子のミサカたちはすぐさまに反応する。
しかし、
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
『魔神』の口から、不自然な音が広がった。
直後、
学園都市に夜が襲いかかる。
オレンジ色の夕焼けは、一瞬で暗闇に包まれた。
突然現れた青い満月。



「神戮―――――――――――――――――――――――――――――――――――――」



ドンッッ!!
地上が揺れる。
魔を帯びる波動が支配した。
時間が停止する。
大気が殺される。
御坂美琴は息を呑みこんだ。
彼女だけではない。
その場にいた人間たちは動きを止めた。
理屈は無かった。
合理性も無い。
ただ、本能が理解する。
自分は死ぬのだと――

「ぎ」
『魔神』は、
「ギィィャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハahasyutwpッ…!!!」
嗤う。
静寂な世界に、『神』の嘲笑だけが木霊した。
「……嘘…でしょ?」
『神』は、ボロボロになった赤色のシャツを破り捨てた。上半身には、五和が刺した刺し傷と、御坂美琴が撃った銃創から血が流れ、所々には、過去の戦いの証とも言える生傷の痕が残っている。『神』の首には、御坂美琴とお揃いのピンクゴールドアクアマリンのネックレスが揺れていた。
突如、禍々しく、黒い『何か』が上条当麻の全身を覆った。
体中から噴出した『何か』が右腹部の銃創と胸部の刺し傷に吸い込まれていく。そして、傷は消去された。
傷一つない筋肉質の肉体。そして、素肌に刻まれていく漆黒の紋章。
まるで群れる蛇のように這いずりまわる刻印は、『神』の顔面に到達した。
狂喜に染まった真紅の瞳が、青く輝く夜を映し出した。
「イMaジンbreakerは、消滅しタッ!余ヲ縛ル鎖は、余を妨ゲる殻は存在死ナい!」
上条当麻の声に、不穏なドラゴンの声が混じりだす。
「なぜ人は現実から目を逸らそウとする!?事象を数字や文字に置キ換えル時点で、齟齬が発生スル事は自明ノ理デハナイカ?故に、人ハ愚かであRu!たダ――――」
ドラゴンは言った。

「在ルガママヲ受ケ入イレレバヨイノダ」

絶対的な恐怖が、少女たちの心を殺した。
断続的に鳴り響いていた銃声すら、ピタリと止まった。
誰も、声を発する事が出来ない。
呼吸すら許されない。
「レールガン、ト言ッタカ?」
その声に、御坂美琴は震えだす。
ブワッ…と、漆黒の『何か』はあるモノを形成する。
禍々しくも神々しく感じられる竜王の頭部が、人間が呑み込めそうなほど大きな口を開いた。
「ナカナカ痛カッタゾ?アレハ…」
『上条当麻』の真紅の瞳と、『竜王の顎(ドラゴンストライク)』の深紅の瞳が、彼女の心を串刺しにした。
御坂美琴の喉は冷え上がった。
「ひっ…!」
視界が揺らぐ。
無意識に涙が溢れた。
視線を逸らし、隣を見た。
「……あ……あっ…い、いぃ…」
その場にへたり込んだミサカ一〇〇三二号は、口を開き、ドラゴンを見つめたまま、失禁していた。
恐怖で、身動き一つ取れない。
(いやだ……こんなとこで、死にたくない…)
竜王の顎が、青白く光り出す。


「失セロ―――――――――オンナ」


ドバァッ!!と。
天空を貫く『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』が、周囲一帯を巻き込んで彼女たちを掻き消した。

767toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/16(水) 23:34:41 ID:qG3Zf9lU
今日はここまでです。冬休みに入っているので時間はあります。年内になんとか書き上げるつもりです。
このSSを見ていただいている皆さん、最後までよろしくお願いします!
クライマックスは近いです!

>>564
すみません。質問の意味がよく分かりません。

>>741
五和希望www

ちょっと、お遊び的な気分で「並行世界」に登場するキャラクターの一部を、サ○ンナイト的なステータスで表したものを書いたのですが、見たいですか?
意見を聞きたいです。皆さん、書き込みお願いします。

768■■■■:2009/12/16(水) 23:44:47 ID:xeoSGiLg
>>767
GJ!
そろそろグループ参戦しそうっすね

769■■■■:2009/12/16(水) 23:49:17 ID:.dorZU86
>>767
GJ

べ、別にステータス見たいだなんて思ってないんだからね!

770toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 00:14:11 ID:Pc0jQ.8E
>>769
ツンデレありがとっ!

書き込みます。
不快に思った人は、なんか電波野郎がへんなの書き込んでる…とか思っててください。
並行世界のドラゴンがいかに中二チートか、ということを理解してくれれば、と書いたやつですので
それではいきます

771toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 00:21:08 ID:Pc0jQ.8E
一般男性(カッコ内は一般女性のパラメータ)の基準は以下の通り。
HP「体力」;200(180)『上限は9999』
MP「魔力or能力容量」;50(50)『上限は999』
ATK「攻撃力」;50(40)『上限は999』
DEF「防御力」;50(40)『上限は999』
SPD「俊敏性」;50(40)『上限は999』
INT「知力」;50『上限は999』
LUC「幸運」;50『上限は999』



上条当麻(一年前)

クラス:世界の英雄
所持武器;特になし
アクセサリー;ピンクゴールドアクアマリンのネックレス
HP;547
MP;0
ATK;255
DEF;221
SPD;78
INT;40
LUC;0

特殊能力
・『幻想殺し(イマジンブレイカー)』
全ての超能力、魔術を無効化する事が出来る。ゆえに、補助魔法、回復魔法も受け付けない。また、霊装や聖剣といった武器も同時に破壊する事が可能。
・『女殺し』Lv.5
イマジンブレイカーのパンチ攻撃で相手キャラクターを撃破した場合、男女問わず自動的に仲間にすることが出来る。
また、相手キャラクターの性別が女の場合、感情度が『愛情』に変化する。

772toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 00:30:59 ID:Pc0jQ.8E
『一方通行(アクセラレータ)』

クラス:ダークヒーロー
所持武器;特になし
アクセサリー;特になし
HP;23
MP;999
ATK;9
DEF;6
SPD;5
INT;489
LUC;60
特殊能力
・『ベクトル操作』威力:− 範囲:縦マス1 横マス1
隣接した物体、キャラクターを任意の場世に移動、または攻撃することが出来る。また、待機は『反射』になっているので、あらゆる攻撃を跳ね返すことが可能。
・『偽・竜王の翼(ドラゴンウィング・レプリカ)』威力;300 範囲;縦20マス横25マス
攻撃対象を中心に、3、10マスにランダムに攻撃範囲が広がり、敵味方問わずダメージを与えてしまう。
・『アクセラロリータ』
『打ち止め(ラストオーダー)』のみに効果がある専用の特殊能力であり、ラストオーダーの感情値が『愛情』から変化する事が無い。



御坂美琴

クラス:上条当麻の嫁
所持武器;ベレッタW78
アクセサリー;ピンクゴールドアクアマリンのネックレス
HP;377
MP;421
ATK;55
DEF;43
SPD;66
INT;139
LUC;50

特殊能力
・『電撃使い(エレクトロマスター)』Lv.5
17億ボルトの電気を操ることが可能。応用性が非常に高い。
「レールガン」威力:50(150) 範囲:縦マス5(10) 横マス1 *通常はコイン。カッコ内は拳銃を使用した場合。
遠距離の通常攻撃。属性は『雷』。消費MPも少なく、使い勝手は良い。
・『ツンデレールガン』
上条当麻には攻撃できない。また、上条当麻の隣に配置すると、半永久的に『魅了』状態になるため注意が必要。
・『ヤンデレールガン』
上条当麻の縦3マス、横3マス範囲に、彼に対して『愛情』のパラメータを持つ女性キャラクターがいた場合、『病んデレ』状態となる。毎ターンごと自動的に、上条当麻かその女性キャラクターに対して、ランダムに『超電磁砲(レールガン)』を発射。その際、威力は『バーサーク』状態と同等であるため、対象キャラクターが死に陥ることアリ。(上条当麻はダメージ0)
上条当麻の隣に配置し、特殊コマンド『説得』or『キス(*感情値に変動アリ)』を使用することで、『病んデレ』状態を解除することが可能。

773toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 00:52:11 ID:Pc0jQ.8E
神裂火織


所持武器;七天七刀
アクセサリー;特になし
(カッコ内はスティグマ解放時)
HP;1400
MP;685
ATK;387(*667)
DEF;399(*650)
SPD;380(*700)
INT;150
LUC;122(*398)

特殊能力
・『聖痕(スティグマ)』
発動から5ターンの間、一時的にステータスを上げることができる。また、スティグマ解放後、自動的にMPがゼロとなり、2ターン行動不能。



『竜王(ドラゴン)』

クラス:神殺しの神
所持武器;特になし
アクセサリー;特になし
HP;100000(限界突破)
MP;100000(限界突破)
ATK;9999(限界突破)
DEF;9999(限界突破)
SPD;9999(限界突破)
INT;9999(限界突破)
LUC;9999(限界突破)
特殊能力
・『幻想殺し・改』威力:− 範囲:縦マス30 横マス30
全ての超能力、魔術を無効化する事が出来る。ゆえに、補助魔法、回復魔法も受け付けない。また、霊装や聖剣といった武器も同時に破壊する事が可能。
また、『幻想守護(イマジンディフェンダー)』を解放することで範囲を拡大する事が可能になった。
さらに、『現実守護(リアルディフェンダー)』を解放することで、物体、キャラクターを消滅する事が可能。消滅したキャラクターは『死亡』と同判定。
・『ドラゴンストライク』ドラゴン系の特殊能力が全て使用可能となる。
「竜王の殺息」威力;888 範囲;縦マス∞ 横マス1
・『ドラゴンウイング』威力:100から999 範囲:縦マス∞ 横マス∞
威力は任意に変更が可能。また、攻撃範囲も単体攻撃、全体攻撃どちらでも変更可能。
・『ドラゴンアーマー』威力:− 範囲:縦マス1 横マス1
受けたダメージを無効化し、攻撃を加えたキャラクターにそのままダメージを与える。
ただし、ドラゴンがオーバーキルになる攻撃を受けた場合は発動しない。
・『ドラゴンクロー』威力:− 範囲:縦3マス 横3マス
上条当麻を除く全プレイヤーに対して、任意にステータスを変更する事が出来る。変更対象は名前、容姿、種族、性別、能力であり、また無生物に対しても能力、付加効力の変更も可能。
・『ドラゴンソニック』威力:− 範囲:−
任意の時間、座標に移動する事が出来る。過去への時間移動を行った場合、その回までのステータスはすべてリセットされる。ただし、ドラゴンのステータスはリセットされない。
また、ドラゴン系の攻撃は全て『神殺し』の能力付加があるため、天使、神、堕天使、悪魔のキャラクターに対しては一撃で死に至る。
・『神戮』威力:− 範囲:−
発動から3ターン後、自動的にプレイヤーの勝利となる。




*本編は「美琴ルート」だが、基本的に、最初に感情値が『愛情』に変化した女性キャラクターのルートに突入する。また、二人以上の女性キャラクターを『愛情』に変化させると、『ハーレムルート』に突入する。
以後、何人もの女性キャラクターの感情値を『愛情』に変化させる事が出来るが選択肢次第では、即BADENDなので、注意が必要。
『百合子ルート』は番外編のみ。

774toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 00:54:30 ID:Pc0jQ.8E
以上です。
ふぅ…すいません。
ついやっちゃいましたww

775toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/17(木) 01:02:16 ID:Pc0jQ.8E
浜面仕上

クラス:一人の彼女のためだけの英雄
所持武器;特になし
アクセサリー;特になし
HP;600
MP;0
ATK;89
DEF;88
SPD;88
INT;46
LUC;99(*999)
特殊能力
・『主人公補正』Lv.5
キャラクター;滝壺理后が浜面仕上の縦3マス、横3マス範囲にいる、または、滝壺理后のHPが3分の1以下の場合、LUCが変動する。
ただし、滝壺理后が上条当麻に寝取られた場合、この能力は自動的に失われる。
・『女殺し』Lv.1
本命の女キャラクター以外に、一人ほどの浮気が出来る程度。


すいません。はまづらを忘れてましたwww
これで終わりです。
ではでは。

776■■■■:2009/12/17(木) 07:52:38 ID:eifvivG2
>767
つまり、上条さんがタイムスリップした空白の一年間の間に、
ドラゴンが現れたのはロシアか学園都市かということです。

777■■■■:2009/12/17(木) 11:33:45 ID:glQwgXX6
>773
百合子たんルートが番外ながらある…だと…!?

778とある女達の最終兵器:2009/12/17(木) 16:15:06 ID:TUJXYiAE
上条は、大精霊チラメイドの五和を見ると、思いっきり戸を閉めた。

(何で?何で五和があの時の神埼みたいなエロイ服着てんの!五和は普通の
女の子で、神崎みたいに好きでエロイ姿になれるわけ無く…、はっ!!そうだよ
五和が神埼みたいにエロイ服は着れない!!だって五和は普通の女の子だよ!!
神崎と違って、あんな格好ができる分けない!!)

とある聖人が聞いたら、刀で切り殺されても切られ続けられそうな事を
考えて
いる上条さんだが、ここでまた、ひとつの疑問が出てきた。

(ん?だったら今ドアの向こうにいる五和は何だ?はっ!!最近欲求不満だから
あんな幻覚を見てしまったんだ!!そうでなかったら、天草式の悪戯魔術だ!!
そうだったら幻想殺(イマジンブレーカー)しでとっととかたずけよう!!)

上条はそう考え、戸を開け、幻覚の五和が話しかけてきたが、それを無視して
五和の頭に触れる(もちろん右手で)が、

「あれ?」

幻覚の五和は消えなかった。

「ええええええええええええええええええええええええええええええええええ
ええええええええええええええええええええええ!!」

(っつーことは何ですか!!この目の前にいる五和はマジモンですか!!
うそだああああああああああああ!!)

上条は目の前の現実を認めたく無いらしく、五和の頭に触れ続けるが、目の前
にいる五和は消えない。しかし、今の上条の行動はどう考えたって、

『いいこいいこ』である。

「か、かみじょ…じゃなかった。ご、ご主人様、私はまだ何もしてないのに
褒められるのはまだ早いですよ。」
「じゃなくて五和!何でお前はそんな格好してるんだ!!それになんでお前が
学園都市にいるんだよ!!」
「今までのお礼ですよ。天草式のメンバーが私に大精霊チラメイドになって
病人のご主人様の看病をするのが一番だと」
「じゃあ何ですか?つまりお前は強引にその服を着せられたんでせうか?」
「あ、当たり前じゃないですか!こんなふしだらな格好、好きでするはず
ないじゃないですか!」

(よかった!五和は好きでこんな格好してるんじゃないんだ!)
と上条は胸をなでおろした。

一方、全身全霊で否定してから、『こんなふしだらな格好』をしている五和
はその事実を再確認して、顔を全部真っ赤にしてしまっていた。

「あ、でも俺もう治ったから大丈夫だよ。」
「いえ!それでは私や天草式の気がすみません!それに風邪は治った後が大変
とかいうじゃありませんか!」
「インフルエンザだけどね。」
「と、とにかく、寝てください!私が気持ちよくさせてあげますから!」
「はあいいいいいいいいいい!?」
五和が爆弾発言し、また熱を上げそうな上条さんなのだった。

779とある女達の最終兵器:2009/12/17(木) 16:52:13 ID:TUJXYiAE
「いいいいいい五和さん!いったい今の言葉は何ですか!」
「なんですかといわれても…、言葉のとおりですが?」

キョトンとする五和に上条さんは

(うおおおおおい!何だ!お礼で体でお返しとは、よくあるパターンだがオチ
に…、オチ…?はは!そうだよ!オチだよ!きっとオチにマッサージで気持ち
良くするとかそういうオチなんだよ!うん、きっとそうだ!だって五和は
普通の女の子だもん!あれ?でも悲しいのはなぜでせう?)
と、かってに悲しむ上条なのだった。

(でも、そうと分かれば安心だ。安心してうつ伏せになるか。)

と、上条が安心してベットでうつ伏せになったら


「ご主人様、それじゃあ、気持ちよくできませんよ?仰向けになって
下さい。」


五和がまたしても爆弾発言をした。

「はあいいいいいいいいいいい!?」

(そうだ!足だよ足!足をマッサージしてくれるんだ!そうに違いない!ああ、
五和に恥ずかしい!でも俺の足くさくないかな?)

と、上条がかってに自分の足のことを考えていると


「うつ伏せだとのれないじゃないですか。」


「乗れないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

上条が絶叫してる間に五和が強引に上条を仰向けにした。

「五和!考え直せ!今ならまだ間に合うんだ!」
「私の成果、見せてあげます!」

(ああ、お父様お母様、今から私目は女の子に強引に押し倒されて、今、
男になります!)

と、上条がかってに祈っていると、


ピタリと、頭におしぼりがのせられた。


「へえ?」
「どうですか、また一段とした私のおしぼりは」

(はずかしい!かってに変なことを考えていた俺がはずかしいいいいいいい!)

と上条が顔を真っ赤にしながら自分の考えを悔やんでいた。

780とある女達の最終兵器:2009/12/17(木) 16:54:27 ID:TUJXYiAE
終了です

781■■■■:2009/12/17(木) 19:38:05 ID:OUw667j2
gj
ただ君は何回もsageの説明を聞いてるだろ。お願いだよ、メール欄にsageとつけるだけ。
なぜ最近になってsageできない人増えたの?スレせめて一から見直してこい!絶対意味ある良い作品の説明もあるから。

782とある女子寮の狂想曲:2009/12/17(木) 20:24:53 ID:6TmbZtPk
イギリス、ロンドン。
表向きには世界有数の観光地であり、町の一角には日本街などもあったりする。

ただしそれは表の顔、実際には宗教魔術国家イギリスの中心、聖ジョージ大聖堂などの魔術的施設が多く立ち並ぶこれまた世界有数の魔術都市となっていた。

そんな町の一角に一軒のマンションのような建物が建っていた、それは古き町並みを残すロンドンの中でも一際年代を感じさせる風合いの建物だ。

完璧に風景に溶け込むようなその建物はイギリス清教でも魔術師との戦闘に特化した集団…「必要悪の協会(ネセサリウス)」の戦闘員が使用する女子寮だった。

この建物はロンドンに潜伏する不穏分子をおびき寄せるための「エサ」としての役割も兼ねており、魔術による防御策のようなものは一切施されていない。

よってこの女子寮は何時攻撃されるか分からないような緊張感、そして何時でもそれを迎撃できる警戒感が漂っている、否、漂ってるハズ。

ゆっくりと煙草の煙を燻らせながらそんな事を考えていた炎の魔術師ステイル=マグヌスの幻想は件の女子寮に到着した時点でぼっこぼこにブチ壊された。

「シスター・アンジェレネ!それは生チョコです歯ブラシに付けて口に含むものではありません!!」

「ふえぇェェェっっ!?甘い歯磨き粉かと思ってました!!」

「茶色い時点で気づきなさい!!」

「かっ、神裂さん!?洗濯機が火噴いちまってんですけど!?」

「火ですか!?もはや煙を通り越したのですか!!?」

「おや、皆さん朝からお元気でございますねグゥーー」

「シスター・オルソラ!それは私の修道服です顔を拭かないでください!!」

この時点でステイルは女子寮のベルを鳴らすことを放棄し、くるりと踵を返す。

そこに浴びせられる戸惑いの声。

「おいステイル?お前が居なくなっちまったら俺どうすんだよ!?めちゃめちゃ気まずくねぇか!?」」

「知った事じゃ無いね、むしろ万々歳だ」

「うぅ…もはやこんな小さな事でも不幸を味あわされるのか…」

「良かったじゃないか、とてもお似合いだよ上条当麻」

          ○

朝から壮絶なるドタバタを繰り広げていた「必要悪の協会」女子寮は一旦の落ち着きを取り戻していた。

「全く…何でまた洗濯機に食器を入れてしまったんですか貴女は。」

いやそのあのですね、と真っ青な顔で絶賛懺悔中のアニェーゼを全力で叱る訳にもいかず、かと言ってこのまま洗濯機をほったらかしとくのもうーん、と悩む神裂、と。

「おい神裂、客だ。」

いつものスケスケ、でも鉄壁ガードというとんでもない寝巻きで現れたのがシェリー=クロムウェル、「必要悪の協会」のゴーレム使いである。

「また貴女は朝まで石彫りを続けていたのですか?…ていうかその格好で客人を迎えたのですか!?」

「大丈夫よ、アンタも私も知ってる奴だから。」

「…?」

神裂は何も知らずに玄関へと急いだ。





続く

783■■■■:2009/12/17(木) 21:13:21 ID:twzpQ0W.
なんだか妙にsageにこだわってる人居るけどさ
外部板でsage強制する必要あるか?
2chじゃないから、そうそう業者の書き込みとかないだろ。
むしろsageの有無が荒らしの判定基準になるし、このままでもいいんじゃないか?

784■■■■:2009/12/17(木) 23:28:59 ID:zQ3J3A8I
上にあればある分、業者が書き込む可能性が高くなる

SSスレで投下中に容量オーバーしたら嫌だろ?

ああ、何も知らない厨房の方でしたか^^;

785■■■■:2009/12/18(金) 02:14:06 ID:TkFRTZbI
ここ数年したらばずっと使ってるけど
業者書き込み自体見たことほとんどないけどな

786とある女達の最終兵器:2009/12/18(金) 11:34:51 ID:iJdg0eJU
一方その頃上条当麻宅に、カメラ数十個を、誰もきずかれない所に設置して
いた天草式は、とある男性寮の屋上で、その光景を見ていた。

「ノー!なぜ五和は、おしぼりなのよ!ふつう押し倒したらそのままやって
しまえばいいものおおおおおおおおおお!!これじゃ、大精霊チラメイドを
着せた意味がないのよねええええええええええ!これじゃ、『神』が用意
してくれた作戦の意味がないのよねええええええええええええ!!」
「落ち着いてください教皇代理……いや、建宮さん!効果は絶対ありました!」
「そうですよ!上条当麻は男の顔をしてました!」
「しかしなのよね!これじゃあ、『神』の報告書のフラグ総数5桁を持つ上条当麻
には


           日常茶飯事なのよね!!」


「「「「「「何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」」」」」
「フラグ総数5桁ですか!?せいぜい2桁だと思ってました!!しかものがあれほど
のものが日常茶飯事ですか!!」
「そんなんじゃあ、上条じゃなくてまさに神上じゃないですか!!」
「そうなのよね、もうローマ正教は上条当麻を崇めるべきなのよね!!」
「フラグ総数5桁…、五和はその中の一人とでもいうんですか!!そんなん
じゃあ五和勝ち目0じゃないですか!」
「まて!今回は五和の応援だけではなく、他の目的もあるのよね!!それを
忘れたか!!」


「「「「「堕天使エロメイドVS大精霊チラメイド!!!!!」」」」」


「そうなのよね!!『神』が創ってくれたこの作戦!!成功させるのよね!!」


「神神神って、誰のことだにゃー?」


「「「「「神よ!!!!!」」」」」

そう、さっきからちょこちょっことでてきた『神』とは…

「土御門様参上ぜよ。」

「神よ、来てくれたのですね!!」
「おお!まさにこの輝き!女教皇様(プリエテス)に堕天使エロメイドを着せた
神の輝き!!」
「今度からは『二度目』だけどにゃー。」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
「まあ、そんな感じで、神崎ねーちんの方は、


          準備してやったにゃー!!」


「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」

そんなわけで、天草式男共+神(土御門)のバカ騒ぎは………これからである!!

=つづく!

787とある女達の最終兵器:2009/12/18(金) 11:41:49 ID:iJdg0eJU
  



             今日中にあと一本かくぜよおおおおおおおおおおおおお!!

788■■■■:2009/12/18(金) 13:46:14 ID:XfnU4pNs
とりあえず>>783>>785がこのスレの書き込みですら見落としていることは判った

業者の書き込みに安価つける必要も無いがこのスレだけでも7レス以上ある
多いか少ないかは問題じゃねぇと思うが

専ブラ入れとけば自動で下げられるだろうに

789とある女達の最終兵器:2009/12/18(金) 14:18:42 ID:iJdg0eJU
なんだかさっきから屋上がうるさいが、そんなことよりやって
おかねばならぬことがある。
「…五和。」
「はい!」
「着替えろよ。」
「はい?」
「だから、ふつうの服着替えろよ。」
「は、はい!ご、ご主人様のいうことだから、しかたありませんよね〜。
ちょっと待っててください。今、天草式に連絡します!」
「ちょっとまて、何で天草式に連絡しねーといけないんだよ。」
「普通の服を置いてきてしまったんですよ。」
「えっと、つまりなんですうか?その服でイギリスから来たのでせうか?」
「そんなわけないじゃないですか!屋上で着替えたんです!」
「…五和が…、五和が露出狂…?」
「違います!え〜ほら!なんて言うんでしたっけ!よくマジックとかで、早く
きがえたりする時に、布をパッてあげるやつあるじゃないですか!
あれですよ!あれ!」
「な〜んだそうなんだ。でも五和もマジックとか見たりするんだ。魔術師
なのに(よかった、やっぱり五和は普通の女の子だ…。
俺の幻想は、守りきったぞ!)」
「ええ、まあちょっとくらいは…。」
「それでは早くそのふしんだらな格好をどうにかしてください。」
『そのふしだらな格好』をしている五和はその事実を再確認して、顔を全部
真っ赤にしてしまっていた。
 



                〜数分後〜




「論破されました…。」
「そんなふしんだらな格好にならなければいけない理由があるんですか!」
『そんなふしだらな格好』をしている五和はその事実を再確認して、顔を全部
真っ赤にしてしまっていた。しかも五和は「上条当麻の心を鷲づかみする
チャンスを棒に振るのかなのよねえええええええええええええ!!」という言葉で
論破されたとは、口が裂けてもいえない。
「まあ、あんまり良くないけど飯にしようぜ。あ、でも牛丼一つしかないんだった。」
「いえ結構です!それに病人がお弁当だなんて不健康ですよ!私がごはん作りますよ!」
「いいんですか!」
「は、はい!よ、喜んで!!」
「そうか、五和が俺のために料理してくれるのか!五和の料理はおいしいからな!
上条さんは感激物ですよ!」
と、上条が喜んでいる一方、
(わ、私の料理が、お、おいしいって言われた!)
と、五和は喜んでいた。

790カンナギ:2009/12/18(金) 15:47:46 ID:V/PLWO1U
えっと、投下してもいいのかな?

では「とある二人の恋愛物語」投下します。

791とある二人の恋愛物語:2009/12/18(金) 15:49:46 ID:V/PLWO1U
一日目
PM8:53

上条は日常的に美琴がご厄介になっている自販機がある公園にきていた。迫りくる野獣達か
ら命からがら逃げてきた上条は意気消沈気味だった。

(うぅ、不幸だ……。なんだってあいつらピンポイントであのファミレスで食ってんだよ。
しかもあいつらに襲われたおかげでお釣りもらい損ねたし…)

確か、二千円札をだしたから大体五百円くらいだろう。かといって、今からファミレスに戻
っても土御門達と鉢合わせになる可能性が高い。しかし後日言ったところでレシートも受け
取ってないし、毎日大勢の客を相手にしているのだからそんな瑣末なこと覚えていないだろ
う。そうなると、上条の元に五百円が戻ってくるのはもはや絶望的である。

(不幸だ…。しかもとっさのことで美琴置いてきちまったし、あいつ怒るかな…起こります
よねやっぱり)

「ちょっと!いきなり走って置いてくなんて酷くない!?」

(そうそう、きっとそんな感じに今度あった時罵倒されるかもな…)

「ちょっと?ねえってば。聞いてるの?」

(はぁ…やっと機嫌もなおったのに。やっぱり不幸だー)

「だから…、無視すんなって言ってるでしょこのボンクラァァァアアアアアア!!」

上条はその叫び声でようやく美琴の存在に気づく。そして彼女の前髪から電撃の槍が飛んで
くるのもほぼ同時だった。上条はなんとかそれを右手で受け止める。あまりの不意打ちに上
条は少し涙目だ。

「あ、あぶねえじゃねえか!たまにはもう少しやさしく呼びかけるとか肩を叩くとか、そう
いう普通の選択肢を美琴センセーは持ち合わせていないんでしょうか!?」

「うっさい、あんたが無視すんのがいけないんでしょうが!あーもう、ムカつく!たまには
素直に喰らってなさい!」

「死ねって事ですか!?」

ぎゃああ! と二人はいつも通りの言い争いを始める。しばらくしてお互い不毛に感じたの
か、二人してため息をつき近くのベンチに座り込んだ。

「つか、あいつらが追っかけてこなくなったのはまさかお前の仕業か?」

「そ。まあアンタの知り合いっぽかったし、手加減はしといたわ。って言っても改造スタン
ガン押し当てられたときぐらいの衝撃は感じたでしょうけど、まあ死にはしないでしょ?」

「…なんで最後が疑問系なんだ?」

上条は土御門と青髪ピアスの冥福を心よりお祈りしていると、

「あ、そうそう。はい、これ」

美琴はスカートのポケットに手を突っ込み、いくらか小銭を取り出す。大体五百円ぐらいか
と上条は見積もる。

(ん?五百円?……!ま、まさか……!!)

「み、美琴さん??ましゃか、ましゃか…?」

「? なんで幼児言葉になっんてんのよ。アンタお釣り受け取らないで逃げちゃったから代
わりに受け取っといたわ。感謝しなさいよね……って、何泣いてんのよ?!」

「美琴…おまえ…やっぱ良い奴だなぁ……グス」

「い、言っとくけど!べ、別にアンタのために受け取ったわけじゃないんだからね!?えっ
と…そう!ただ、アンタに貸しを作っといたほうがなんか後々役立つと思っただけ…ってち
ょっと、人の話ききなさいよっ!地べたに這いつくばって土下座すんな!」

美琴は思わずスカートを抑える。どうせ短パンで見えないはずなのだが気分的な問題がある
ようだ。美琴は上条の頭を軽くひっぱたいて正気に戻すとお釣りを上条に渡した。。

792とある二人の恋愛物語:2009/12/18(金) 15:50:40 ID:V/PLWO1U
「つかそもそもアンタはなんで逃げていた訳?」

「それを話すとあいつ等の人権に関わってくるから深く突っ込めねえけど、要は俺とお前が
楽しそうにいちゃいちゃしてた(ように見えた)のが気に食わなかったんだとさ」

「………!?」

美琴の顔がに一気に真っ赤に染まっていく。頭からは煙が出てるように見えた。

「い…いちゃいちゃってななななな、なに言ってんのよこのド馬鹿!」

ズバチィ!と凄まじい音がしてさっきよりはるかに強いであろう電撃が上条を襲う。それも
なんとか受け止める。正直さっきの不意打ちの時にこれをかまされていたら受け止められた
自信がない。そう思うと上条はゾッとした。

「い、今のはマジであぶなかった…。こらビリビリ!さっきといい、俺を殺す気か!」

「うっさいわね!やっぱアンタムカつく!ここで半殺しにしてやるからじっとしろ!」

「それがわかっててジッとしている馬鹿なんているわけねぇだろうが!」

ぎゃああ!とまたもや言い争う。上条は気付いていないがここは公園だ。何も知らない人が
この部分だけ見たら常盤台のお嬢様と高校生のカップルが痴話げんかしているようにも見え
るわけで、その証拠に先ほどから上条たちをチラ見してはひそひそ話をしているのがわかる
。そのことに美琴は気付き、恥ずかしくなったのか素直に再びベンチに座り込んだ。

「ふぅ…なんかどっと疲れたわ」

「こっちの台詞だっつーの……」

なにをう?と美琴は軽く睨んできたが上条はスルーする。上条はポケットから携帯電話を取
り出し画面を開く。気付けばもう9時を回っていた。

「美琴、もう遅いし送っていくよ。」

「え?べ、別に良いわよ。子供じゃないんだから一人で帰れるって!」

「いいよどうせ途中まで帰り道だし、常盤台の寮から俺んちだったらそんな遠くないしな」

「い、いやでも…」

「遠慮すんなって、らしくないぜ?おまえが遠慮なんて」

「…し、しょうがないわねえ、素直に送られてやりますか」

「なんだそれ?」

上条は少し苦笑して、ベンチから腰を上げた。チラッと後ろを見た時の美琴の顔がなにか嬉
しそうだった。上条は少し首を傾げたが特に気に止めず、前に向き直った。

「あ、ちょっとまって。喉乾いちゃったからジュース取ってくるわアンタもなんか飲む?」

「あ?いいよ別に」

「こういうときは遠慮すんなっていったでしょ?すなおに奢られなさい」

(やれやれ…こういうことに関しては意地っ張りだよなこいつも…ん?とってくる?ま、ま
さか…!)

上条の嫌な予感は的中した。美琴は自販機の前まで行き、息をすぅー と吐くた。そしてち
ぇいさーっ!というふざけた掛け声とともに自販機の側面に上段蹴りを叩きこむ。ここまで
はいつも通り。だが今日の自販機はとても不機嫌だったらしくジュースが出てこなかった。

そのかわり―――

「あれー?この自販機じゃなかったっけ、おっかしいなー?ってちょっとなに!?」

上条は美琴の手を取り、一目散に自販機から離れた。後ろから聞こえてくる夜の公園の静け
さをかき消すような自販機の絶叫と、先ほどまで上条たちが立っていたあたりに警備ロボが
数台群がってくる音が聞こえるが上条は決して振り向かなかった。

793とある二人の恋愛物語:2009/12/18(金) 15:52:07 ID:V/PLWO1U
PM9:26

上条と美琴はしぶとくついてくる警備ロボの追跡を振り切り、なんとか帰路についていた。
二人で並んで歩いているので傍から見たらカップルに見えなくもないが、今の上条は気にす
る余裕などなかった。警備ロボを美琴が操っていなかったら上条は今頃、警備員(アンチス
キル)のお世話になり、どうみてもよくて小学生にしか見えない担任教師の小萌先生を泣か
せ、後日クラスメイトたちにタコ殴りにされるという結末を辿っていたことだろう。

とはいえ――

「はぁああああ……、やっぱり不幸だ」

「なにさっきからため息ばっかりついてるのよ。なんか嫌なことでもあったの?」

「そのセリフまじめに言っているんだとしたらその理由、意見、感想を含めて三時間は語り
つくす自信がありますよ!ハイ!!」

「むぅ…悪かったってば、まさか失敗するとは思わなかったんだもん……」

美琴は少し俯き加減になって落ち込んでしまった。彼女もいつもやっている事なので失敗す
るとは思わなかったのだろう。上条は思わず「うっ!」と怯む。こんな事されたら許さない
わけにはいかないじゃないか、こういう時って本当に女の子ってずるいと上条は思った。

「はぁ…もういいよ、わざとじゃなかったんだろ?ならこの話は終わり。だから――」

上条は美琴に慰めの言葉を掛けようとしたら、

「あ、でもアンタの顔はバッチリカメラに撮られたと思うわよ。細工はしたけど私の所だけ
映らないように細工したから」

「俺の慰めの言葉を返せえぇぇぇえええええええええええええ!!」

「くっ、あはははは!!バーカ、冗談よ冗談。なに本気にしてん………くくっ、あはは!!
ってジョーク!ジョークだってば!臨戦モードで間合はかんなって!」

「ったく、人がせっかく心配してやったってのに。こいつは」

「あはは、ごめんごめん。でも礼は言っとくわ」

「あ?」

すると美琴は上条の前に回りこみ、


「わたしのこと、本気で心配してくれてありがとね」


それは普段の彼女からはみられないとても柔らかな笑顔で、上条の心を大きく振るわせた。
ドクンと鼓動が高鳴るのが胸にてを当てないでも伝わった。

(………や、やべっ中学生相手になに動揺してんだよ俺、しかもあの美琴だぞ!気を確かに
持て!)

「クスッアンタ、今ドキッっとしたでしょ?いつもの私らしくないって」

「なっ!?」

図星だったので返す言葉が出てこない。うまく回らない頭で言い訳の言葉を考えていると、

「ははっ確かに今のは私らしくなかったかな、でもずっとお礼言いたかったの。良く考えて
みたらちゃんと言えてなかったし」

「? なにがだ?」

「妹達(シスターズ)の件やその他諸々のことよ。今更だけどさ私だけではどうにもならなか
った。アンタが助けてくれなかったら今頃私はここにいなかった、一方通行に返り討ちにあ
って殺されてこの世にすらいなかったはず。今、ここでこうして普通の日常を送っていられ
るのもアンタのおかげ、ありがとう」

「ん……まあ……どういたしまして?」

794とある二人の恋愛物語:2009/12/18(金) 15:53:34 ID:V/PLWO1U
上条は照れ隠しに頭をガシガシと乱暴にかいた。こういうことを面と向かって言われると結
構恥ずかしい。面と向かって直接本人の口から感謝の言葉をかけられるのはこれが始めてで
はないが、こういったことは幾ら言われても慣れるものじゃない。

「アンタってホントおせっかいよね、思えば始めて会った時からそう、関わらなくてもいい
ような問題に首突っ込んで怪我をするなんて馬鹿のすることよ」

「馬鹿ってお前な…」

「ねえ―――」



「もしまた私が危ない目にあったらさ、たとえ地獄の底でも救い出しにきてくれる?」



上条はこの時強烈なデジャブに襲われた。そう、過去に似たようなことを誰かに言われたよ
うな気がした。記憶のない上条にはそれがいつの事だったのかわからない。しかし心はこの
言葉には真面目に返事すべきだと叫んでいる気がした。

「……さあな、俺はただのおせっかいな人だからな」

「………」

「でも、もしもお前がそんな状況になったとしたら迷わず俺は絶対助けにいく。漫画の中の
ヒーローみたいにうまくいくかはわかんねえけど、絶対助けにいく。どうにかならなくても
どうにかしてみせる。そんな誰かが不幸にならなくちゃならない物語があるんなら、そんな
つまんねえ幻想はおれがぶち壊してやる」

上条は自分の右手を一瞥して強く握り締め、上条は笑った。その言葉は何の根拠もなく、乱
雑な言葉だったが、なにか重い信念のようなものを感じた。まるで、なにがあってもこの少
年ならばどうにかなってしまうのではないかと思うほどの力強さが込められていた。たとえ
明日世界が終わるとしても諦めないと言うかのように―――。

上条の言葉を聞いてから、美琴の顔は真っ赤に染まっていた。夏休み最後の日に聞いたあの
言葉と今の言葉が同時に頭の中を駆け巡る。胸の鼓動は上条に聞こえてしまうのではないか
というくらいに高鳴っていた。

「な、なななななに言っちゃってくれてんのよアンタ……!ち、ちょっとした冗談だっての
に……」

「別に俺は冗談言ったつもりはないぜ?さっきの言葉は大マジだ。いつでもヒーローみたい
に駆けつけて、なにがあっても守ってやるよ」

それはある魔術師との約束でもあった。

「――――!そ、そっか…。じゃあ今の言葉、忘れないことね。破ったら背後から超電磁砲
お見舞いしてやるんだから、まあせいぜいがんばんなさい」

それは恐ろしいと上条は思う。あんなもの人体に当たったらそれこそ肉片すら残るまい。い
くら幻想殺しで無力化できるとはいえ、右手に当たらなければ意味がない。よって奇襲とい
うのは一番怖い。

「じゃあ、はい」

美琴はかばんから袋を取り出し、さらにその中から二つのビニールの小包装を取り出す。さ
っきファミレスでもらった『ゲコ太』キーホルダーだ。その内の一つを上条に渡す。

「? さっきのキーホルダー?」

「そ。アンタと私、同じセット頼んだから二個もらえたの」

「これがどうかしたのか?」

「それを肌身離さず持ってなさい。絶対無くさないでよ?約束を交わした証みたいなもなん
だから、なんかロマンチックじゃない?こういうの」

「約束の証か、わかった。絶対になくさねえから心配すんな」

そう言うと目の前にいる少女は、

「……ありがとね」

またにっこりと笑った。上条はこの瞬間、『この少女のこの笑顔は絶対に守る。』そう心に
誓った。

PM8:53-9:26 終了

795カンナギ:2009/12/18(金) 16:01:56 ID:V/PLWO1U
終了です。

最近投下が多いですねー超電磁砲効果?

まあ禁書ファンが増えるのは私も嬉しいです。

一日目終了にしても良かったのですが、もうちょっとだけ続きます。また番外
編も。あの人達はこのとき、みたいなかんじです
ただ、最近結構忙しいので投下が遅れるかもですが堪忍していただけると助か
ります、とミサカはぺこりと頭を下げます(笑

では

796■■■■:2009/12/18(金) 16:37:02 ID:79adpV2c
天草式は様々な生活用品の中に魔術的な記号を見つけ出し、埋め込み、何処へも溶け込む事ができる。
……色物メイドシリーズにはどんな魔術的記号が発見されるのだろう。下手をするとサーシャのようにメイド服が普段着状態になる五和とか。

797とある女達の最終兵器:2009/12/18(金) 16:47:19 ID:iJdg0eJU
カンナギさん…GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
ここで皆さんにご報告

次回はねーちんとあのツンデレが出てきます!
乞うご期待!!

798■■■■:2009/12/18(金) 16:48:02 ID:va4eTdFc

ttp://www.geocities.jp/lunaway2007/frame.html

799■■■■:2009/12/18(金) 17:55:51 ID:DCV71Z1g
>>789
投下終了宣言せんかぁああいいいいい!!!!

それはともかく、皆様GJです!

800■■■■:2009/12/18(金) 19:09:59 ID:LMQJGU5E
貴様らは歪んでいる

801とある女子寮の狂想曲:2009/12/18(金) 19:27:02 ID:Id4pn8IA
さて、話が変わるがこの女子寮には和室が存在する。
実質使用しているのは神裂のみなのだが、日本人の客のどをもてなす時などにも活用される。
そんな障子で仕切られた部屋に正座する人間が二人、片方は日常的にこ部屋を使用する神裂であり、ここまでは何の違和感も無い。
さてもう一人。
今世界中で巻き起こる紛争及び戦争の超中心人物であり超平凡な高校生、その名は。
「何でここにいるのですか上条当麻!!」
「ええぇぇぇェェェっっっっ!?別にまだ上条さん怒られるようなことしてませんのことよ!?別に今日は変な魔術師の団体に命狙われてねぇし!!」
「ちょっと待ってください、だってもう学園都市の外にいる時点でイレギュラーでしょうに!!しかも何故ここ!?」
「知らないもん!何か担任の先生に「上条ちゃんは馬鹿なので外国で修学旅行なのです…?」とか変な疑問形で言われただけだもんね!!」
実際には学園都市の長アレイスターによる「プラン」省略のための布石だったりするのだがそんなことを超平凡な高校生が知る筈もなく。
「で、何かローラさんとかいう人が面白そうだから此処に泊まれって。」
「馬鹿ですかあの女狐ェェェェェェェっっっっ!!!」
何時に無く荒れる神裂にビビりまくる上条、当の本人は知らないがここは女子寮である。そこにこの人間を泊まらせるとなると……、
「い、いったい何人修道女を辞めなければならなくなるのでしょうか……」
「どういうこと!?アナタの目には私は貪欲な変態魔神に見えてるのでせうか!?」
「そこの障子から何人かが興味深そうに覗いてる時点でもう危ないんですこの旗男が!!!」
どぴっしゃーーーん!と聖人の力をフル活用して障子を閉める神裂に震えまくる上条はでっかい鞄から包みを取り出し
「かかかかかか神裂さん!?ここは一つお土産で気を落ち着かせてくれませぬか!?」
「……日本人が日本のお土産を貰うのはどうなんでしょう」
そう言いつつもやっぱりちょっと嬉しそうにしてしまう神裂、それを見た上条は
(ありがとう土御門!お前から渡されたお土産で俺の命は救われた!)
「開けてもいいですか…?」
「どーぞどーぞ」
(何でしょう、触ったところ何か服のような物でしょうか…?)
曲がりなりにも上条当麻からの贈り物ということで若干ドキドキしてしまう神裂火織十八歳。
色々と期待しながら包みを解いていく彼女が見たものとは、

派手なピンクの衣装とそこに張られた「女子高生ツンデレメイド」の文字だった。

「上条当麻ァァァァァァァァァァぁぁぁッッッッ!!!!」
「なっ、何なんでせうかってオイ!何持たせてんだよ土御門!?…神裂さん!?これは土御門のアホンダラが仕掛けた愉快なハニートラップであり上条さんは何一つ悪くないのでありましてですねーーッ!!?」
そんな血なまぐさい光景をオルソラやアニェーゼなど幾百人ものシスターが覗いていたのはまた別の話。


続く

802とある女達の最終兵器:2009/12/18(金) 20:38:11 ID:iJdg0eJU
799さん…、どこら辺がダメでしたか?

803■■■■:2009/12/18(金) 20:48:14 ID:iK6hG9yg
一方通行が上条当麻に敗北後

もし垣根帝督がレベル6実験を受け継いだら IF SSが読みたい!!

上条当麻 VS 垣根帝督

804■■■■:2009/12/18(金) 21:10:52 ID:XsI/cQuA
>>801
投稿前に読み返そうな。誤字脱字が得意ですねとの評価が下るぜ

>>802
ちゃんと>>799を読んでいればわかるはずだよ
なぜ投下終了が欲しいのか、についてはこのスレ最初から読み返していけばわかる。
あと、その2レス程度ならば
 思いついた!→掲示板に投下だ!→「続きは後で書くぜ!」
よりは、
 思いついた!→メモ帳に書き込んで…→続きもできた→2レス分投下!
の流れ推奨

結論:両者ともに投稿乙(ただし、GJとは言わない)

>>803
言い出しっぺの法則は知っているな?
さあ、はやくPCを点けてメモ帳に向かうんだ
需要があるのか? そんなものは知らん(まて

805■■■■:2009/12/18(金) 21:12:23 ID:XsI/cQuA
>>804追記
つーか、>>803マルチじゃねーかwww
ならばこっちだったな

 お 帰 り く だ さ い

806■■■■:2009/12/18(金) 23:15:51 ID:mSS/Aljg
>>804
なんか忙しそうだな...

807toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/18(金) 23:30:59 ID:OnBZyG1g
ちょいと荒れてるけど…
『並行世界(リアルワールド)』の続きを投下します。

808『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/18(金) 23:32:12 ID:OnBZyG1g
ありとあらゆる物質は、轟音をかき鳴らし吹き飛ばされていく。
ビルを突きぬけ、学園都市の城壁を突きぬけ、山を貫通し、空を貫く。
雲が左右に引き裂かれ、青白い閃光が一本の線を描いた。
右手から解放されている『竜王の顎(ドラゴンストライク)』は現界し始め、その姿はリアルさを帯びていた。
人の腕と同じ長さがある尖った牙、二メートルを越えた口。分厚い皮膚を覆う漆黒の剛毛、そして、『魔神』と同質の真紅の瞳。
四つの眼が、『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』で焼け焦げた大地を見つめていた。
両脇には、荒廃した都市が残っている。
「…フッ」
ドラゴンが、
「フハハハハハ…」
小さな笑みをこぼした。
「…余ハ待ッテイタゾ」
そして、問いかける。


「『魔神』ヨ…」


ドラゴンの背後にいたのは、三人の少女だった。
一人は、『幻想御手(レベルアッパー)』を解き、力抜く御坂美琴。
もう一人は膝をつき、茫然自失としているミサカ一〇〇三二号。
そして、
ドラゴンに対して、二人の少女を背に立ちはだかる者は『魔神』だった。
「大丈夫?みことちゃん。ミサカ」
「…うん」
「…………」
一言も発せず、視点が定まらないミサカを見て、
「…『魔の波動』に精神をやられちゃってる。早く避難させて。魔力はこれ以上使いたくないから」
「了解…」
御坂美琴はミサカ一〇〇三二号に黒のマントを着せ、彼女の肩を担ぐ。
少女は再び、ドラゴンに目を向けた。
『歩く教会』と呼ばれる修道服を身に纏い、腰まである銀の長髪。整った容姿に碧眼の瞳、一六三センチほどの背丈。
一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶する世界最高の魔術師。
正式名称『Index-Librorum-Prohibitorum』。
魔法名、
「献身的な子羊は強者の知識を守る(dedicatus545)――――――――――――――」
『魔神』こと、インデックスは告げた。
大気中に溢れる莫大な魔力が、急激に収束する。
碧眼に宿る想いは、強固な意思。
ドラゴンは言った。
「ドウダ?余ト並ビ合ウ女ニハオ前コソ相応シイ。喜ベ、『魔神』。貴様ハ神ニ選バレ、生キル事ヲ許サレタノダ」
「神様は神様でも、『神(バケモノ)』に興味は無いの」
ふん、とインデックスは鼻で笑った。
「とうまはみことちゃんっていう恋人がいるのに、他の女の子といっぱい浮気するし、フラフラしてる男はもっと大っ嫌い!」
いつものように、上条当麻に説教をするが如く、インデックスは叫ぶ。
「それにね。貴女は私が好きなんじゃない」
「?」
「貴方はね。私が怖いんだよ」
「余ガ?オ前ニ恐怖ヲ抱イテイルダト?」
ドラゴンは、初めて『魔神』に振り返った。
一七九センチの身長に、ツンツンとした黒髪。
赤く染まった真紅の瞳。
露出した上半身に刻まれている漆黒の刻印。
右腕から出現した『竜王(ドラゴン)』の頭部。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』はすでに消滅し、上条当麻の中で再構築されたドラゴンは、封印を解かれようとしている。
「貴方は私と対等って言ったよね?それは私が貴方を滅ぼせる唯一の存在ということ。だから、私を籠絡しようとしてる」
「フハハハハハハハha!!貴様ガ余ヲ殺スダト?!」

「私は『識』ってるよ。貴方を、ドラゴンを殺す方法をね」

809toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/18(金) 23:34:48 ID:OnBZyG1g
「図ニ乗ルナァ!!小娘ガァアア!!」
嘲笑は突如として怒号に変わる。
大気を震わす波動。
凶暴な闇が地上を覆う。
漆黒に染まった『竜王の翼(ドラゴンウイング)』がついに顕在化した。
『一方通行(アクセラレータ)』の不完全な翼とは違い、輪郭が明確に見える。
例えるならば、『堕天使』の翼。


「お前こそ、人間を甘く見るな」


『L'homme courageux confronte plusieurs mille ennemis à une épée――』
『Le sage unifie les gens avec la connaissance abondante――』
『Lorsqu'un ange descend dans la terre, les gens se les prosterneront à l'ange――』
『Le diable tente un être humain fidèle――』
『Les êtres humains entassent et provoquent le pouvoir énorme――』
魔神は唱えた。
重複詠唱は、二重の意味を持つ言葉を並列させ、同時に二つの呪文を唱えると言った事が多い。日本語においては、掛け言葉を用いると言った方が理解しやすいだろう。母音と子音を並行させ、一つの呪文に二重の意味を持たせる。これが『二重詠唱(ダブルスペル)』の基本である。
だが、インデックスの行った重複詠唱は次元が違う。
発生する声を時間ごとずらした異時間収束詠唱であり、幾多の魔道書を応用した『五重詠唱(ペンタスペル)』。

『我、耐え忍ばん(ペル・デュラーヴォ)――!!』
『真理の力もて宇宙を征服せり(ヴィ・ヴェリ・ヴィンバースム・ヴィヴス・ヴィシー)――!!』
『大いなる獣(メガ・テリオン)――――!!』
『最高位の神よ、我に力をお与えください(ケテル=アデプタス・マイナー)――!!』
『神々の楽園(ヴァルハラ・ディ・リューベヌ)――!!』

光が爆発する。
三日三晩唱え続けねばならない詠唱は、『高速詠唱(クイックスペル)』によって一瞬で終わり、伝説級の大魔術が同時に発動した。
『魔神』を幾多の紋章が覆う。
魔法陣を描く色は、白、黒、赤、青、黄、緑、紫の七つ。
全ての属性を表す七色の光が世界を彩った。
解き放たれる対軍式教皇魔術。
禁忌とされた広範囲爆撃の殲滅術式。
『全能神(ゼウス)』のみが使役できる伝説の神獣。
神の崇拝によって、人々の能力を向上させる上級魔術。
天使の加護を顕在化した治癒魔術。
魔力は刻まれた術式を流れ、姿、性質を変えていく。
「ナァッ…!」
ドラゴンは圧倒された。
震える大地。
闇を切り裂く光。
その光景に、魔術師たちは絶句した。

810『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/18(金) 23:41:19 ID:OnBZyG1g
(二日目)16時59分44秒

戦場から数キロ離れている天草式に、変化が訪れる。
「光る…雨?」
キラキラと光る雫が、周辺に降り注いでいた。
光は、負った傷口へと触れて、
「傷が、癒えていく…?」
意識を失った者は取り戻し、怪我は目に見える速度で治っていく。
血が溢れだしていた腹部が徐々に塞がり、神裂火織は目を覚ました。
心配していた仲間たちは声を上げた。
「プリエステスさ…ま?」
「…あ…よ…よか、った……」
「目を、開けた…プ、プリエステス様ぁ…」


「……すごい」
御坂美琴は目を奪われていた。
インデックスが、ドラゴンを圧倒している。
一〇〇〇億ボルトの電撃とは比べ物にならないくらいのチカラで。
普段は、当たり前のように当麻の隣を独占していて、つまらない理由で当麻に噛みつくだけの少女だった。
可愛くて、賢くて、いつも何か食べている食欲旺盛な女の子、というのが彼女の印象だった。
だが、戦場に立つとその姿は豹変する。
並び立つ者は存在しない。
最強であるがゆえに――
『魔神』であるがゆえに――
だからこそ、彼女は、上条当麻の隣にいる。

『魔神』は告げる。

雲川芹亜は告げる。
「結標!」
『ああ――――分かってる…わ、よっ!』
第三学区で待機していた結標淡希の眼には、戦場のリアルタイムの映像が映されている。『竜王』、『魔神』、『超電磁砲』、『妹達』のビジョンがあり、その下にはアルファベットと数字で表された座標が掲載されていた。
強烈な頭痛に、結標淡希の意識は揺らぐ。
(――――――――っ…あっ……―――――――!)
彼女の瞳は黄金に輝いていた。
全身が震えていた。あごが震え、ガチガチと歯を鳴らす。頭をバッドで何度も殴られているような衝撃が、彼女を襲っていた。唇を噛みしめるが、痛みがまったく感じられない。気を引き締めないと、今にも意識が遠のいてしまう。
しかし、これは当然の結果だった。むしろ、こうして彼女が意識を保っている事自体、奇跡と言ってもよい。

811『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/18(金) 23:45:05 ID:OnBZyG1g
なぜなら、『幻想御手(レベルアッパー)』を用いて、避難している二三〇万人の脳を統括しているのだから。

第七学区の避難シェルター内の人間だけではない。今では全学区の避難した人々は、『幻想御手(レベルアッパー)』の音楽を耳にして、気を失っている。人々は、脳内の波長を強制的に雲川芹亜と合わせられていた。
至宝院久蘭はこの事に気づいたが、それを甘受した。
ドラゴンを倒す方法だと悟ったからだ。
エリア内のAIMが大きく歪み、雲川芹亜は膝をついた。モニターが赤く点滅し、アラームが鳴り響くが彼女はそのスクリーンを「機械は、黙っていろっ!」と叩き壊した。
(い、今なら―――『絶対能力者(レベル6)』にも、勝て――る気が、す、る―――――)
朦朧としている意識の中で結標淡希は笑った。鼻と目から血が溢れている。
雲川芹亜は小型マイクを手に、
『第一学区から第一四学区、一六、一七、一八、二〇学区内に待機している魔術師達に告げる!今から固定座標に向け、テレポートを行う!用意はいいな!失敗は許されない!では、いくぞッ!!』
黄金の瞳は輝いた。
結標淡希はチェアに座ったまま、ケーブルを引き千切り、両手を天に上げた。
(一二五号四四分二八秒八七〇一傾斜〇〇二二―――――――――――――――固定完了。
一二五号四四分二七秒八九四五傾斜〇〇一九―――――――――――――――固定完了。
一二五号四四分二七秒八九〇六傾斜〇〇一八―――――――――――――――固定完了。
一二五号四四分二七秒八八一四傾斜〇〇一九―――――――――――――――固定完了。
九八四号三二分七八秒四八三四傾斜〇〇〇五―――――――――――――――固定完了。
九八四号三二分七八秒四八七八傾斜〇〇一二―――――――――――――――固定完了。
九八四号三二分七八秒四八二二傾斜〇〇二〇―――――――――――――――固定完了。
五一一号六九分五九秒八八八八傾斜〇〇三一―――――――――――――――固定完了。
五一一号六九分五九秒〇四七七傾斜〇〇三四―――――――――――――――固定完了。
四四三八号七八分〇一秒〇〇二九傾斜〇〇〇〇―――――――――――――――固定完了。
コードP9C2000568S―シークレットコード『オメガ』。
承認しました。
『マザー』は、第一二学区エリアにおける移動先の固定座標を表示します。
以下、
EA〇〇〇一九八AA.
EA〇〇〇一九九AA.
EA〇〇〇二〇〇AA.
EA〇〇〇二〇一AA.



『転送』を開始します―――――――――――――――――――――――――――――)
数キロから数十キロ離れている九〇〇名以上の人間を、『超能力者(レベル5)』第五位、結標淡希は『座標移動(ムーブポイント)』を使い、一か所にテレポートさせた。
役目を終えた瞬間、彼女の意識は吹き飛んだ。

812『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/19(土) 00:17:27 ID:lxnvGqrw
第一二学区。
九九六名の魔術師たちは突如、姿を現した。
その存在を感知したドラゴンは、
「――――――ナンダ?」
ドラゴンを囲むように、多くの魔術師たちは唱える。
全身の詠唱が一致する。

『El grupo de cielos da el velo――――――』
(天界の一団がヴェールを上げる――)

『Todos los hombres, todas las mujeres son las estrellas――』
(すべての男、すべての女は星である――)

『Todos los números son infinitos. Hay ningún cualquier amable de diferencia allí, también――』.
(すべての数は無限。そこには如何なる差異も無し――)

『Tú como mi núcleo confidencial.Vuélvete mi corazón y mi lengua!――』
(わが秘密の中枢たるハディートよ、わが心臓、そして我が舌となれ!――)

『Parece. Los sirve. Fue revelado por ella――』
(見よ。それはパール、パアル、クラアトに仕える、アイリスによりて啓示された――)
『Hay él en ella, pero no hay ella en él.――』
(クハプスはクーに在るのであり、クーがクハプスで在るのではなく――)

『Ríndete culto a Dios si salgo. ¡Y debes ver a mi ser ligero vertido en ti!』
(さればクハプスを崇めよ、そして、わが光がおまえの上に降り注がれるのを見るがよい!)

『Realiza un lugar para hacer quiere del tú. No se vuelve todos ley――』
(汝の意志するところを行え。それが法の全てとならん――)

同じ魔術師とはいえ、かつては騙し合い、殺し合っていた。
科学を憎んでいた。
しかし、今、魔術師は一つの目的の為に互いに助け合い、共闘していた。
声も、心も、魔力も一つになり、一つの術式を完成させる。
『法の書(リベル・ギレス)』に記されていた伝説級の大魔術、
『魔神』は命名する。
その名も――――


『並行世界(リアルワールド)――――――――――――――――――――――――!!』


時刻は、
17時00分00秒
を指していた。

813toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/19(土) 00:19:56 ID:lxnvGqrw
すいませんwww
ネットが切れてました。
今日はここで終わりです。

814■■■■:2009/12/19(土) 00:34:26 ID:2wY1xbyI
GJ!!
途中書き込みが止まってまだかまだかと
今回でようやくタイトルが出ましたね、続きが楽しみだ

815toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/19(土) 00:40:51 ID:lxnvGqrw
あああああああああ!
ミスったあああ!
>>811
の3行目。
雲川芹亜→結標淡希です

>>776
フィアンマの戦いの最中、ドラゴンの片鱗が現れたのはロシア。
『戦争』が起こったのは学園都市。上条がぶち切れて、ドラゴンが覚醒してそれどころじゃなくなって、魔術側と一時的に手を取り合ったのも学園都市、です。
上条勢力が無視できなくなったのも戦争の火種の一つで、神上派閥が正式に組織されたのはその後です。

816■■■■:2009/12/19(土) 02:38:56 ID:6NKK63BY
いい意味で厨二展開全開で楽しんでたけど
そろそろ終盤ですかね?
どう決着をつけるのか、楽しみです。

あと今更だけど
>>775
上条さんに寝取り属性はないッ!…はず。
てゆーか、はまづらと滝壺の結びつきの強さは
禁書界で随一だと思うのです。

817■■■■:2009/12/19(土) 13:04:08 ID:jWWfoJ56
並行世界イイ!!!
先がとても楽しみです‼
できれば今日の夜くらいに更新してほしいですね

818■■■■:2009/12/19(土) 15:02:23 ID:T3U.oBLE
並行世界!並行世界!

819■■■■:2009/12/19(土) 20:51:07 ID:jWWfoJ56
話が変わりますが
禁書目録のラジオドラマの2,3が
アップされていたのでお知らせしておきます。
「とある魔術の禁書目録 ドラマCD」と、ユーチューブで検索すれば出るようです
レスと関係はないのでスルーしてもらって構いません
(自分が投稿したのではないのでご注意。自分は第三者)

820■■■■:2009/12/19(土) 22:39:15 ID:fZVVDqZ2
並行世界GJです!!ついでにとある女達の最終兵器さん、あなたはわざとsageてないのか?わざとsageてないんなら投下やめてほしいね。俺が間違ってると思うなら意見をいってください

821toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/20(日) 02:44:26 ID:nIAkOnPg
『並行世界(リアルワールド)』投下します。

822『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/20(日) 02:45:42 ID:nIAkOnPg
『竜王(ドラゴン)』は初めて、気づいた。
全ては布石だったのだと。
『魔王』の襲撃も。
魔術師たちの攻防も。
能力者たちの戦いも。
この術式を完成させる為の時間稼ぎでしか無かった。

あらかじめ、学園都市に潜り込んだ魔術師達は、『竜王(ドラゴン)』に悟られないように、各学区の片隅で隠れて詠唱を始めていた。『必要悪の教会(ネセサリウス)』のアニェーゼ軍団は、『一方通行(アクセラレータ)』の回復魔法の為に外されていたが、残り九九九名の魔術師は、大魔術の準備をしていた。避難した二五〇万の人々を『幻想御手(レベルアッパー)』の被験者として用い、それを『超能力者(レベル5)』第五位の『座標移動(ムーブポイント)』、結標淡希の能力を爆発的に向上させたのだ。
そして、詠唱が最終章に入る頃合いを見計らって、インデックスの合図と共に、大魔術『並行世界(リアルワールド)』を行う為の的確な位置、方角へ魔術師達を瞬時に移動させる。
これが、『並行世界(リアルワールド)』の大まかな全容である。
『竜王(ドラゴン)』は空を見上げた。
暗黒の夜に浮かぶのは、天を覆う巨大な魔法陣。『王冠(ケテル)』、『知恵(コクマー)』、『理解(ビナー)』、『慈悲(ケセド)』、『峻厳(ゲブラー)』、『美(ティファレト)』、『勝利(ネツァク)』、『栄光(ホド)』、『基礎(イェソド)』、『王国(マルクト)』を意味する一〇のセフィラが輝き、二二のパスが繋がる。
だが、『創造神(エイン・ソフ)』が作り出した世界には、もう一つの要素が足りない。それは人を『楽園(エデン)』から追放した根源であり、一一つ目のセフィラ、『知識(ダアト)』が出現する。
そして、セフィロトの樹が完成した。
(…まさか、神と守護天使を魔力の大器として使う気か?!)
『竜王(ドラゴン)』が驚くのも無理はない。
セフィロトの樹は、魔法陣の一部でしか無かった。
生命の樹を刻んだ六つの円陣が存在し、『(始祖の六芒星)HeXagram of Crowley』を形成していた。
故に、莫大な魔力を必要とする大魔術『並行世界(リアルワールド)』を、『魔神』はセフィロトの樹をエネルギー源として実行したのだ。
グルリと、天空を覆う魔法陣は回転した。
『竜王(ドラゴン)』は戦慄する。
脚部が漆黒の『何か』に覆われ、トカゲのような、地面に食い込む足のカタチに変貌した。
だが、
「時間移動なんて、させないよ!」
『竜王の脚(ドラゴンソニック)』を解放すると同時に『魔神』が仕掛けていた術式が発動し、竜王の足は、ジュワッ!と赤い炎に包まれた。
菱形模様の網目の鎖が、竜王の足を絡め取る。
「小癪ナァ…!!」
『竜王の顎(ドラゴンストライク)』と『竜王の翼(ドラゴンウイング)』が、真の威力を発揮する。

グバァァッ!!と。
絶対的なチカラによって、白の世界が生まれた。

天を貫く『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』。
一瞬にして、数百キロの大地を灰と化す『竜王の翼(ドラゴンウイング)』。
あのフィアンマを持ってしても、『竜王(ドラゴン)』の一部である『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』を完全に操る事が出来なかった。人間の脳では、神の肉体を制御することで精一杯だ。
全知を持つ『竜王の顎(ドラゴンストライク)』だけが、己の肉体を司り、自在に操る事が出来る。
一撃でもまともに当たれば、人間は瞬時にして水と二酸化炭素となり、跡形も残らない。
『魔神』は告げる。

『全知全能神の盾(アイギス)―――――――――!!』
『全知全能神の盾(アイギス)―――――――――!!』
『全知全能神の盾(アイギス)―――――――――!!』
『全知全能神の盾(アイギス)―――――――――!!』
『全知全能神の盾(アイギス)―――――――――!!』

823『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/20(日) 02:47:11 ID:nIAkOnPg
あらゆる魔術や核兵器すら防ぐ絶対防御魔法。
その防護陣は、聖ピエトロ大聖堂や聖ジョージ大聖堂の防壁を遥かに上回る。
『五重詠唱(ペンタスペル)』によって、五つの黄金の盾が同時に出現し、『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』と『竜王の翼(ドラゴンウイング)』を防いだ。黄金の盾と言っても、五つの盾の周囲には、黄金の膜のような魔術障壁が、『竜王(ドラゴン)を覆うように半球体の形を象っていた。
だが、
「嘘っ!?間に合わなかったの?!」
『魔神』は驚愕する。
ビキリ!と、『全知全能神の盾(アイギス)』に亀裂が走った。
圧倒的なチカラは、絶対的なチカラには勝てない。
『並行世界(リアルワールド)』はまだ完成していない。今、天空にある巨大な術式が破壊されてしまえば、全てが水の泡だ。
『魔神』は、聡明すぎるがゆえに理解してしまった。
人間の敗北を。

「世界は……終わる」

『竜王(ドラゴン)』は理解した。
己の勝利を。
「フハハハハハハッ!所詮、貴様ラハ微弱タル動物ダ!幾ラ群レヨウトモ、神ニハ及バヌ!死ヲ持ッテ知ルガヨイ!」
『魔神』の目に、涙が滲んだ。
「ごめんなさい……皆」
『全知全能神の盾(アイギス)』の裂け目から、『竜王の翼(ドラゴンウイング)』の光が噴出していた。亀裂は更に増していく。
『魔神』は魔術を使って空に浮かび上がり、『竜王(ドラゴン)』と『並行世界(リアルワールド)』の魔法陣の間に立ち塞がった。
ほんの一瞬でいい。
『歩く教会』を盾にすることで、時間を稼ぐ。
彼女に出来ることはそれだけだった。
御坂美琴を含める能力者と魔術師たちは、無数の『闇』の軍勢と戦っていた。『神々の楽園(ヴァルハラ・ディ・リューベヌ)』で完全治癒を施し、負傷したウィリアム=オルウェルたちも復帰している。
『夜舞う死を恐れぬ軍兵(ゾンビパウダー)』は、半永久的に『闇』から兵を作り出す魔術であり、闇の世界である夜に、幾ら倒してもキリが無い。
だが、皆はあきらめない。
九九九名の魔術師も勝利を信じ、唱え続けている。

地上を見下ろす最期の景色としては、あまりにも惨めだった。

824『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/20(日) 02:48:38 ID:nIAkOnPg
インデックスは心の中で、
(ごめん…とうま。約束…守れなかった)
五つの『全知全能神の盾(アイギス)』は完全に破壊され、全てを無に帰す『竜王の翼(ドラゴンウイング)』は、瞬く間に広がり始めた。
眩い閃光が、インデックスに直進する。
(終わる―――)
その時だった。



バギンッ!!!



『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』と『竜王の翼(ドラゴンウイング)』が一瞬で打ち消された。
「あーっはっはっはっはっはぁ!!」
夜空に、光り輝く羽が舞い散る。
「美琴にキスしたら、顔真っ赤にしてそのまま気絶するし!」
空から、
「久しぶりだったんで、小萌先生を抱きしめたら、顔真っ赤にして倒れて授業できないし!」
少年の声が聞こえた。
突然現れた少年は、空中で、銀髪碧眼の少女を抱きとめた。
彼女が一番聞きたかった声。
彼女をいつも安心させてくれる少年の声。
彼女が大好きな笑顔で、



「ただいま。インデックス」



「とうまぁああ!!」
インデックスの瞳に涙が濡れる。
『竜王(ドラゴン)』だけでは無い。
皆、その光景に目を奪われた。
それはまるで、一枚の絵のよう。
世界を最も美しい、ボーイミーツガール。

地上で戦っていた二人の聖人は、
「…おいおい。この登場は格好良すぎだろ」
「ふん。随分と登場の遅い英雄である」
暗黒の夜は、一筋の光に照らされる。
地上にいた『闇』は光を浴び、瞬時に消え去った。
その長い光の中を、二人の少年と少女はゆっくりと降り立った。
「ひぐ、ひぐっ…もうダメかとおもったよぉ……とうまぁ」
「おいおい…魔力を使い過ぎて、ボロボロじゃないか」
少女は涙でぐしゃぐしゃになっていた。少年は彼女の涙を拭いながら、
「作戦成功だな……よくやった」
ツンツンとした黒髪に、一七〇センチ前後の背丈。
白いワイシャツ、黒の制服ズボンに、真新しいスニーカーを履いている。

一年前の上条当麻が、そこにいた。

825『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/20(日) 02:49:31 ID:nIAkOnPg
『天使』は困惑する。
仮面のような表情に、初めて明確な感情が浮かんだ。
「うわあああああああAAAAAAAAッ!!」
『悲鳴を上げ、純白の槍を上条当麻に狙いを定めた。
インデックスは即座に反応するが、戦う余力は既にない。
「とうまっ!」
バギギギギンッ!
『天使』の槍が砕け散っていく。突き出した右手の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が『天使』額に届いた。
バギンッ!
ビキリと、『天使』の聖装に亀裂が走る。
純白の翼が散乱し、
「気づいたか?五和」
砕け散った聖装から、一人の少女が目を覚ます。
上条当麻は、彼女を抱きとめた。
「え……わ、た…し」
視点が定まらない五和は、少年の腕の中で力を失っていた。
「五和!」
「五和ちゃん!」
天草式のメンバーが駆け寄ってくる。
皆、統一性の無い武器を抱えていた。衣服はボロボロで、所々に多少の血がこびり付いているが傷一つない。彼らの先頭には長である神裂火織が、
「上条当麻…」
「もう心配すんな、火織。後は俺に任せろ」
「…はい」
気を失った五和を聖人に預けた。
彼らの間に何が起こったのか知らないが、五和が操られていた事だけは理解した。
少年は振り向く。
目の先にいるのは、全ての元凶。

『竜王(ドラゴン)』。

「上条当麻ァ…」
「あららら、すっかり覚醒しちゃったか…ちぃっとばかり、予定が早いな」
二人の上条当麻が、言葉を交わす。

大魔術、『並行世界(リアルワールド)』。
それは異なる時間を繋ぐ秘術。
一年前の上条当麻は、現在の記憶を保有したままで、この時間に召喚された。

「―――当麻様、御命令を」
いつの間にか、ミサカ一〇〇三二号は上条当麻の前で膝をつき、頭を垂れていた。
「ミサカ…無事だったか」
「…はい。御配慮、ありがとうございます」
身を案じてくれた、という当麻の言葉に、ミサカ一〇〇三二号は頬を赤らめた。嬉しさのあまり、まともに少年の顔を見る事が出来なかった。そんな彼女の感情を知りつつ、
「はははっ。相変わらず堅苦しいなぁ…」
上条当麻は苦笑した。
そして、

「同志として、一人の男として、皆に頼む!神上派閥の総帥なんて関係ねぇ!俺はドラゴンを倒す!だが、俺一人じゃできねぇ!皆!力を貸してくれ!」

『『『『イエス、ユアマジェスティ!!!』』』』
『妹達(シスターズ)』五九四七名の号令が、周囲に響き渡った。
『闇』と戦っていたミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニング)』は、大声を張り上げる当麻を見て、うんうん!と首を縦に振った。
フロリス、ドロシー、ベイロープ、ランティスもそれに続く。
アニェーゼ=サンクティス率いる魔術師達も、
『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師達も、
三人の聖人、シルビア、ウィリアム=オルウェル、神裂火織も頷く。
オッレルス、バードウェイ、『騎士団長(ナイトリーダー)』
天草式のメンバー、ステイル=マグヌス、剣多風水、御坂美琴も、
そして、

「ドラゴンをブチ殺してこい!親友!」

826『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/20(日) 02:50:22 ID:nIAkOnPg
『一方通行(アクセラレータ)』こと、御堂シンラは、上条当麻の背中を叩いた。
「記憶は無事に入れ替わったみたいだな!親友っ!」
「アア…俺がそンなヘマこくかよ!『打ち止め(ラストオーダー)』ッ!!」
『了解!『竜王の翼(ドラゴンウイング)』を起動させるよ!』
御堂シンラの背中から、ブワッ!と黒い翼が噴出した。
爆風を起こして、空に跳び上がる。
一人の少年を中心に、希望と言う名の炎が燃え上がった。
その光景に、『竜王(ドラゴン)』は不快感をあらわにする。
「貴様ガ出テキタトコロデ、何モ変ワラヌ…何故ダ?何故、貴様ラハ余ニ平伏セヌノダ?」
二人は同一人物でありながら、状況は対照的だった。
一人は、絶対的な力を持ちながらも、孤独。
もう一人は、弱小でありながらも、多くの仲間に囲まれていた。
「本当は気づいてるんだろ?ドラゴン」
上条当麻は『(竜王)ドラゴン』に問いかける。
「…何ヲダ?」
『(竜王)ドラゴン』は、その問いが理解できなかった。
否、
理解してはならなかった。


「神とは、人が作り出した幻想!!」


「――――――――――――――ッッ!!」
その言葉に、『魔神』は絶句する。
少年は走りだした。
神の奇跡すら撃ち消す右手だけを頼りに、
「その幻想―――――――――――――――――――――――――――――――――!!」
多くの仲間に支えられ、
世界の命運を背負い、希望を託された少年が、
再び、世界の英雄へと変わる。


「俺がぶち殺す――――――――――――――――――――――――――――――!!」


『無能力者(レベル0)』対『絶対能力者(レベル6)』。
すなわち、
『上条当麻(イマジンブレイカー)』対『上条当麻(ドラゴン)』。
すなわち、
『人間』対『神』。

最終決戦の火蓋が、切って落とされた。

827toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/20(日) 02:55:40 ID:nIAkOnPg
眠い…投下したら寝ます。
っていうか、兄貴が隣の部屋で彼女とセクロスしてるせいで、眠れないww
声聞こえてるっつーの!
クリスマス覚えてろぉ!今度は俺の番だ!
…今日はテンションがおかしいです。
ではでは。

828■■■■:2009/12/20(日) 04:07:10 ID:1o.na1JY
セ…セクロスだとぉ!?

829■■■■:2009/12/20(日) 04:09:16 ID:FgZfhgMQ
……夕べはお楽しみでしたね の名台詞の出番か

830■■■■:2009/12/20(日) 08:52:05 ID:iXgMNkzI
どういう状況だ????
toto氏、がんばってください。クリスマスはもう、すぐそこですっ!

831■■■■:2009/12/20(日) 20:43:39 ID:5tfZtwWA
お前の兄貴は何をしとるんだw
…しかし1年後のとーまは主人公補正∞ですな。
負ける気がしねー。

832■■■■:2009/12/20(日) 23:31:43 ID:4RY6Ghiw
ごめん、なんか頭こんがらがった。1年前の当麻は1年後の記憶を保有してるだけで体は1年前の体ってこと?

833■■■■:2009/12/20(日) 23:40:55 ID:f9kZbbDk
>>827 toto氏
おwwちwwつwwけww

で、>>832の人も混乱しているようだが、
1年後当麻と現在の当麻が意識だけ入れ替わる
 →ドラゴンが1年後当麻の肉体パクって覚醒
 →魔術「並行世界」にてドラゴンの前に現在の当麻(中身は1年後当麻)を召喚
   ↑今ここ
と、解釈したんだが、これで状況おk? 違ってたら補足が欲しい。

834toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/21(月) 00:13:56 ID:wAJBiYvY
>>827
解釈合ってます。
分かりやすい説明をありがとうございます。

やっぱり分かりにくいですよね。
すいません…
今読み返して見ると、誤字脱字のオンパレードの上に、自分でも意味分かりませんww
言い訳ですが、このssは、美琴との絡みと、主人公VS.主人公をやってみたいなぁ…と思ったのがきっかけで、
思いが先走りしすぎていて、書いた瞬間投下したものですから、申し訳ありませんでした。
今、年内にはエピローグまで終わらせようと猛スピードで書いているのですが、誤字脱字、内容の確認は怠らないように気をつけます。

ご指摘ありがとうございます。
ではでは。

835toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/21(月) 00:16:27 ID:wAJBiYvY
いきなり誤字脱字…やばいなこれ。俺重症だww
>>827じゃないです>>833です。

836魁!外道塾!:2009/12/21(月) 22:23:52 ID:i9ZWtlXU
>>827
ドラゴンって破傷風とか放射能汚染で勝てないのかな…火焔茸とか赭熊網笠茸を複合的に食わせてみたいものだ
クリスマス…?私は神道派なので…畜生何が性夜だ…セイント性夜…虚しい…

それでは外道当麻シリーズ第2話を投下します

837外道当麻:2009/12/21(月) 22:24:39 ID:i9ZWtlXU
第二話「異文化拘留」

夏休み初日にして、昨日の食い放題から一日、まさか担任に口移しピールをたっぷり飲まれて。
挙句の果てには、ゲロを顔面にBUKKAKEられるなんて悔しいビクンビクンな当麻。
某青髪ピアスの変態さんなら間違いなく大喜びなワンシーンだが、普通の性癖な当麻さんはクソッ!不幸だ!と叫ぶ。
ついでに足のスネをちゃぶ台にぶつけ、小指をドアにぶつける、神様は俺の右足に御怨念を抱いているご様子だ。
仕方ないのでこの後、流れで銭湯に行く事になったのだが、当麻だけ着替えが無い、今着ている服もアルコールを吸っている。
いっその事全裸で闊歩したいが、全裸で歩いて補導とか悲しすぎる。

「ふぅ…すみませんね、上条ちゃん吐くまで飲むのは久しぶりで」
「…いや…いいんっすよ…ええ…もう…」
「とうま大変だったね!私はお腹一杯だったけどね!」
「まあ良いけどさぁ…」
「それじゃあ先生、先に銭湯に行ってきますねー」
「んじゃあ荷物とって行きますね…俺だけ服無いんで…」
「大丈夫だよ当麻!女は風呂長いって言うし!」
「…そうだと良いんだけど…」

そういって二人と別れてとぼとぼ歩く、酒臭い。
しかもかなり濃い、どうしてくれようか。
そうして歩いていると目の前に、ズボンが足の付け根まで裂けている、というよりファッションだろう。
そしてシャツを臍が出るように結い止めて刀を持っている痴女…基、少女?いや女性が目の前に居るのに気が付いた。
まあ自分は関係ないだろうと思い、横をスタスタ通り過ぎようとした瞬間。

「止まりなさい」

838外道当麻:2009/12/21(月) 22:27:16 ID:i9ZWtlXU
呼び止められた、自分だった思いたくないが、多分自分だった。
渋々振り向きざまに痴女モドキ?それともヒッピー?に爽やかに語りかけた。
出来れば話しかけたのは俺ではなく、実は統合失調症で前に妖精さんが見えるとかそういうキャラであれ。
それかヤク中のラリッピーで、俺を他人と間違えてたとか、そういうのであれと願いつつ。

「何だい、其処行くイケイケガール☆」
「インデックスから手を引きなさい」

無視だった、正直ぐっさり来た。
正直インデックスの意味の分からない魔術結社とか、そういうのだとは違いっていて欲しいと思った。
出来ればインデックスっていう企業への内心通告中だとか、そういうのであってほしい。
INDEX、あ、何か頭悪い企業の名前みたいだ、というかそんな名前の玩具企業があったような…

「私に魔法名を名乗らせる前に、はいと言う返事を頂きたいものです」
「あばよ!とっつあーん!」

そう言ってポッケから青い手榴弾を取り出すと、相手に投げつけた。
何時も通りの戦法、何時も通りの戦術、もはや誤魔化しきれん殺られる前に殺る。
…そういや、この服でも巻きつけて窒息させたらどうなるんだろうか…

「…七閃!」

次の瞬間目の前で青い手榴弾は切り裂かれ、中から大量の煙があふれ出た。
取り敢えず原理はよく解らんが、ピアノ線でも飛ばしているんだろう。
黒いのを投げないでよかった、アレ切り裂かれてたら少し凹んだ、使い捨てで良かったと当麻は思った。

「!?チッ…」

神裂は煙を吸わないように煙の中を走りぬけようとした瞬間、目の前に黒い物体が浮遊しているのが見えた。
そして次の瞬間、目の前で大量の閃光と大音量を食らい、視界と聴覚が塞がる。
もはや自分の身に何が起こっているのか、全くもって理解が及ばず、一歩でも前を歩くのを躊躇われる。

「小癪なぁ!?」

839外道当麻:2009/12/21(月) 22:29:02 ID:i9ZWtlXU
段々視界が復活し始め、聴覚もキーン…という耳鳴りが収まり始めると、少年の姿は忽然と消えていた。
逃したか!?振り向くと、目の前でスプレーを顔に吹きかけようとする少年の姿が見え、顔に鈍痛が走る。
顔が焼け爛れるような、酷い痛みが駆け回る。

「アッァア!?ぅっぁああああ痛いぃいいい!溶けるぅうっ!!」
「あんた不幸になるぜ?俺が不幸にするのさァ」
「卑怯者ぉ!」
「Dead men tell no tales.けどお前はWomenだったな」

顔を押さえて身悶えし、少年の足音が近づいてくるのが聞こえる、武器…駄目だ、間に合わ…
次の瞬間バキィッ!!という音と共に、神裂の意識が途切れた。

―――――――――――――――――――

「ん…っ…」

目覚めた瞬間、酷い頭痛がする、おまけに吐き気に意識が朦朧とする。

「当麻実はこの人たちは馬鹿なんじゃないかなぁ?」
「しょうがないさ、にんげんだもの あいだみつお」
「クソッ…捕まったのか…」
「小萌先生ー女性ってどっかに売り飛ばせません?」
「上条ちゃんだめですよー売り飛ばしちゃあ、あ、けどお嬢様学校なら人気でそうな体つきですよねー」
「…ほう?」
「もし売るとしたら、常盤台なんか高く売れそうですよねーあ、独り言ですよー、後買い物行ってくるんでこの人の事はもう憶えてないかもしれませんー」
「あ、先生ー晩御飯何食べます?」
「昨日は肉でしたから、今日は魚系がいいですねー」
「はいはいどうもー、っと…」

そう言うと当麻はヒッピーの方を向いた。

840外道当麻:2009/12/21(月) 22:29:35 ID:i9ZWtlXU
「…好きにしろ」
「…うーん…お嬢様ってお姉さま系が趣味なのかぁ…」
「え!?」
「インデックスー今日晩飯は魚なー」
「分かったんだよ!」
「お、お嬢様って…え!?」
「質問、名前は?」
「…神裂火織…」
「神裂さんね…キリスト教なのに罰当たりな名前だよね、神を裂くって」
「なっ…!」
「喋るな、インデックスー」
「はーいなんだよ!」
「俺ちょっと用事があるからよ、こいつが起きたら顔面に之ぶっ掛けといて」
「とうまーどうやってやるの?」
「こうやるんだよ」
「や、やめ」

そう言うとニコニコ笑顔でスプレー缶を振ると、神裂口の中に先端を押し込みグリグリ中身を押し出す。
必死に舌で押し出そうとするが、逆に先端を押してガスが口の中で溢れ始める。
ゲボッ、ゲホッと咽る声がするが気にもせず、中身を押し込み続け、段々神裂の目線が定まらなくなり、ついに倒れる。
薄れゆく意識の中、インデックスがニヤニヤしながら神裂を見ている、相当恨みがあるのだろう。
そういや、落とされたって言ってたけど、原因こいつなのかな、そりゃあ恨むわ。

(誰か…たす…け…)
「これ口に押し込むって言うんじゃないの?」
「まあ気にしない気にしない、そういやあいつどうなったんだろ…まあいいか」
「とうまー、何か泡吹いてビクビクしてるけど大丈夫なのこれ」
「…まあ敵だし、良いんじゃないかな!」
「そうだよね!」
「顔写真は之で…まあ20分で帰ってくるから、そこら辺宜しくー」
「はいはーい」

玄関を出た瞬間、足を角にぶつけた、痛い、凄く痛い。
しかし過去なんて悔やんでいてもどうしようもない、其の侭○○公園付近までバスで5分。
ついた先には茶髪のお嬢様学校のエース、御坂美琴が待っていたが。
バスに二千円札を入れたら、却って来なかった死にたい。

841外道当麻:2009/12/21(月) 22:30:56 ID:i9ZWtlXU
「…あ、着たわね!」
「アレ、早いな…」
「前回は落とし穴に引っかかったからね、今度は引っかからないわよ」
「はいはい…」
「そんな余裕も今の内よ!」

実際は余裕ではなく、単にしょげていただけなのだが。
次の瞬間電撃を当麻に浴びせるべく、電撃を先制で流すものの、当麻は右手で普通に弾く。
そして、ボクシングのポーズをとり、素早く移動出来るようにする。

「ハイハイ、何時もどおり、何時も通り」
「くっ、まだまだ!」

次に砂鉄を電気で集め、微振動させ擬似チェンソーを作り上げる。
流石の当麻も、これには少し引く、というかこんだけの量の砂鉄の塊、手で弾くとしても少し痛い。
然し美琴は、チェンソーを振り回し、地面やら何やらを切り刻みながらやってくる。
いい加減意を決し、チェンソーの側部を叩き落し只の砂鉄へと変える、少し痛かった。

「おっとっと…良い案だとは思うけどねー」
「まだまだァ!」

次の瞬間空中の砂鉄を集めなおし、空中で凝固させ塊を作り上げる。
そして砂鉄の塊を当麻めがけて走らせ、自分も当麻の後ろに回りこみ。
後ろから電撃を浴びせようとするも、当麻がバク転し美琴の後ろに回ると、美琴は自身の放った砂鉄の塊を直に喰らい。
空中に投げ出されるも、後ろに立っていた当麻が投げ出された美琴を抱き上げ地面に立たせ、雌雄が決した。

「はい、お仕舞い」
「ッー…!!」
「中々良い線だとは思うんだけどねぇ…やっぱ能力だけじゃ限界あるよ、やっぱ」
「悔しいぃいいいい!こんな奴に負けるなんて!」
「所でさー今回俺の勝ちだから、一つ命令なー」
「なーにーよー」
「お前の学校で女子好きって居る?」
「…は?」
「いや、女好き」
「…はぁ…黒子ー」
「うぅぅぅぉおおおおおおおおおぬぇええええええさぁああああまあぁああああああ!?」
「うおっ!?」

842外道当麻:2009/12/21(月) 22:31:34 ID:i9ZWtlXU
次の瞬間、現れたツインテールの少女は、恐らくこいつが黒子なんだろうが、御坂と同じ服を着ている事から同じ学校の生徒だと予測する。
そして何も無い所から現れた黒子は、御坂の電撃に打ち落とされた。
だが次の瞬間、何事も無かったかのように復活し、御坂に飛びついている。
こいつ…まさかのドMレズビアンか…!?然し本当にこいつの友人は面白いヤツばっかだなぁ。

「…こいつか?」
「どうかしましてぇええ!?」
「黒子、貴方の知り合いに女好きって居る?女生徒で」
「…浮気…じゃありませんよね?」

何でそこで微妙な顔をする、残念そうな、少し嬉しそうな。
御坂もなれたもので、違うわよと否定すると、俺の方を向くと紹介して欲しいんだって、と言った。
不審な目を向けないで欲しい、そういう趣味だとか、そういうのじゃないんだ…

「…私の所属している、女生徒による、女生徒の為の、女生徒スキーの会52人が居ますわよ」
「ありがとう、黒子」

御坂は黒子の頭をなでると、黒子は歓喜に打ち震えていた。
が、次の瞬間、此方を見ると不信感を露にしながら御坂に問いかけた。

「でー…この殿方は…もしや!」

諤々と顔を真っ青にし、黒子は御坂に問いかける。
次の瞬間、目を見開き震えながら喋る、まるでエクソシストのようだ。

「もしや!出来てるってヤツですのおおおおおおおおおおおおおお!?」
「ちょっ!どうやったらそう見えるのよ!」
「…上条当麻です、レベルゼロです、御坂さんのイジラレ役Aです」
「そ、そうですの、そうですわよね、恋人なんて、そんな筈がありませんものね…!」
「まあ良いけどさー、実はさー買い取って欲しい女性が居るのよねー」
「ハァ?女性?人身売買をジャッジメントである私に?」
「うん、後超おっかない、何か刀で襲ってきやがった」
「なんとなんと…?」
「んで捕縛したから物好きに売りつけようかと」
「…そうですわねー…ジャッジメント、としては、止めるべき、何ですけども…物好きとしては気になる所ですわ…!」
「いや、あんたは迷っちゃダメでしょ…」
「お顔拝見願いましょうか」
「ほい」

当麻は携帯の画面を差し出すと、眠っている最中の神裂の写真を見せる。
眠っている間、口から涎が垂れていたが、まあそういう趣味の人には高得点、なのかもしれない。

843外道当麻:2009/12/21(月) 22:34:32 ID:i9ZWtlXU
「…迷いますわ…非常に…女生徒の女生徒による女生徒スキーの為の同好会会長としては物凄く、気になる所ですわ…!」
「まあ何でも良いけど、幾ら出せる?」
「そうですわね…全員で200で?」
「よし売った、男は高くて10万でしか売れないから困るよ」
「まさか…貴方が噂のチンピラハンター!?」
「何だそりゃ」
「あんた一体何やってるのよ」
「…アレか、襲いかかって来るチンピラをホモだらけの便所に縛って、男に売りつけてる事か」
「ゲェッー!本当に何やってるんだあんた!?」
「警備員のオッちゃんが別に良いんじゃないって、買いながら言ってたし」
「本当に何なんだこの都市!?」
「それじゃあ私は今から皆様を説得しますので、少々お待ちを」

そう言うと、黒子はテレポートで消えうせた。
御坂はため息をつくと、不振な目で当麻を見る。

「本当に大丈夫なんでしょうね?そんな事してー」
「ID無いから治外法権上、何の問題もないし、ばれてもそいつが追い出されるだけでしょ(多分)」
「なんて気楽な…」
「んじゃあ、先にそいつの場所に行ってるから、住所伝えるから来てくれ」
「それならメールアドレス交換しない?」
「…まあ其れで良いか、之な」

そう言って紙にメールアドレスを書くと、御坂に渡す。

「赤外線通信は?」
「壊れてる」
「…とことんついてないわねーあんた」
「不幸だろ?」
「不幸よねぇ」
「んじゃあ先行ってる」
「はいはい、また後で」

そう言って当麻は公園を出て、バスに乗り、千円飲まれた、死ね。
家に怒り心頭で階段を上り、ドアを開けようとしてドアに足をぶつけて悶絶、次から作業用ブーツを買おう。
そしてドアを開けると、目隠しされた神裂さんじゅうはっさいが腹をインデックスに蹴られてた。

844外道当麻:2009/12/21(月) 22:35:52 ID:i9ZWtlXU
「…お前ってそういう趣味?」
「あ、お帰り当麻ー、ううん10万3000冊の中の拷問に、こんなのがあってね」
「そんなもん忘れちまえ!」
「ちぇー」
「生きてるー?」
「ぅ……ぁ……」
「お前本当に何した」
「えー?ダメー?」
「ダメダヨー」

御丁寧に耳栓の上に、ロウを垂らして完全に音を聞こえなくしている、入念な奴め。
耳に詰めた蝋で固めた耳栓を外してやり、目隠しを外すと、怯えた表情で此方を見てきた。
結構傷ついた、意外とガラスのハート☆畜生。

「い、いや……嫌…」
「…もうこいつ立ち直れないんじゃ」
「えー?ただ心理的に前が見えてないだけだよ、頬を叩けば直るよ!」
「ホントカナ?」
「ホントダヨ?」

少しこのやりとりが楽しくなってきた所で、手を振りかぶり頬めがけて垂直に手を振り下ろす。
次の瞬間、バチコォン!と頬を叩くと神裂が我に返り、此方を向いたが。
然し心を折られた影響か、心なしか怯えている気がする。
インデックスさん、恨みを晴らすのは良いけど、何もここまでしなくても…

「な、何だ、お、おま、お前か」
「声が上ずってるぞ」
「っ!そっ!そんな事無いぞ!?」

声が裏返っている、床に転がっているスプレー缶の残量は無くなっていた。
…結構あったのだが…缶を見せると、泣きそうな顔をして首を横に振るのがなんとも、こう、そそる。
アレか、先に1980年代のロボトミー手術を、トンカチとノミで行う図を見せつけたらどういう顔をするのだろうか…
…やってみたい…少しやってみたい……ハッ!ダメダオチツケオチツケ。

「殿方様ー?」
「あ、誰か着たんだよ!」

そう言うとインデックスはドアを開けて、黒子と御坂を迎え入れた。
インデックスは少し不審な表情をこちらに向けて居る。
そりゃあ彼女は言動は変態だし、思想もヤバイけど、心意気は淑女そのものだよ、多分。

845外道当麻:2009/12/21(月) 22:36:37 ID:i9ZWtlXU
「黒子ですわ…ってこの子は?」
「インデックスだよ」
「…偽名?」
「本名なんだとー紳士同盟により、襲い来る敵を自由に使って良いって良い代わりに居候させてるのさー」
「よく分かんないけど…何か嫌な同盟だなぁ…」

黒子は神裂の前に立つと、ニヤニヤと笑みを浮かべ、怯える神裂を見下ろした。
神裂は、怯えきった表情でこちらに助けを求める、そろそろ女性恐怖症になるんじゃなかろうか。

「だ、誰!?」
「始めまして、黒子と申します…そそりますわね?」
「そそるんだよ!」
「…少し気持ちが分かるのが悔しい…!」
「た、助けっ、助けて!」
「貴女の新しいご主人ですわ、存分に可愛がってあげますから、覚悟なさい」
「…ごめん、助けれそうに無いわ」
「……」

次の瞬間、神裂は意識を失い、床に倒れた。
これから起こるであろう事象に恐怖したのか、ショックで気絶したようだ。
インデックスさん本当に何したんですか?

「…失神しなされましたわ」
「何したの?これ」
「俺じゃない」
「俗に言うSMって奴なんだよ!」
「…黒子、やるならその、同好会って所でやりなさいよ?」
「分かってますわよ!ええ!本当に!だけど安心してくださいなお姉さま、心はお姉さま一筋ですわ!」
「やかましいわ」
「後上条さん、貴方とは良い友達になれそうですわ、メールを教えていただいてよろしいですわね?」
「御坂に教えといたから、そっちに聞いといてくれ」
「了解ですわ!さあ神裂さん、HEAVENを見せて差し上げますわ!あ、後之代金ですわ」

そういうとずっしりとした袋を貰う当麻、中には3束の諭吉さんが入っている。
ホクホクである流石お嬢様気前が良い、払われる俺も気分が良い。
然しこの街も歪んでるなぁ…男が男を買い、女が女を買う、まあ別に同性でも子供は出来るらしいしなァ。

「多少の色はつけさせて貰いましたわ!それではさようなら良き隣人当麻様!」
「まったく程々にしておきなさいよー」
「ハハハ、じゃーなー黒子、御坂ー」

そう言うと黒子は御坂と神裂を抱え、ワープで消える。
ふぅ…とため息をつき休憩、ふとドアを叩く音がしてドアを開けると、死んだ表情のステイルと、心配そうにステイルを見つめる小萌先生が居た。
多分何時もの癖で保護したのだろう、できればここからケツを蹴ってほっぽり出したいところだ。

846外道当麻:2009/12/21(月) 22:37:20 ID:i9ZWtlXU
「上条当麻…一時休戦だ…?神裂はどこ行った?」
「売っぱらった」
「…ハァッ!?」
「お嬢様は金持ちが多いしね、というか今から追っても間に合わないよ多分」
「クソッ…」
「ざまあみろ、ざまあみやがれ、ざまあねぇ三段活用」
「畜生!憶えてやがれぇ!」

そう言うと全力で部屋から出て行くステイル、ステイルの後ろ足で蹴っ飛ばしたチューハイ缶が当麻の顔にぶつかった。
流石にチューハイ如き、当たっても痛くはないが、二度目のアルコール漬け。
流石にこれにはカチンと来た、もうイラッってレベルじゃない。

「次ぎ会ったら私刑だな…」
「うわぁー流石当麻だよードSなんだよー」
「けどアレは流石に可愛そうでしたねー」
「…まあ良いんじゃない?」

そう言って当麻は立ち上がり、晩飯の事を考えていると、ふと思いついたことがあった。
インデックスの方へ向き直り、口の中を指で開け、覗き込む。
虫歯なんぞになられたら、代金を請求されるだろうし、払うのも億劫だそれなら歯ブラシでも買い与えれば安上がりだし。
何より、美少女の使用済み歯ブラシなど、青髪にはソコソコの値で売れるだろう。

「ひょうまー?」
「あれ、虫歯が無い…歯磨いてたっけ?」
「ひゃんひょみひゃいへるひょー!」
「…何だこれ」

良く見ると、何か魔法陣のような何かがある、触ろうとした瞬間、上条は吹っ飛ばされ。
蒲団の立てかけに追突、急にインデックスの表情が無くなる。

「ゲフッ!」
「ーーー警こk」
「折角親切心で見てやったのに!痛いじゃねーか、この馬鹿!」

僅か5メートル飛んで蒲団に包まれた当麻は、次の瞬間ばねの要領で体勢を立て直し。
あっという間に、言葉を紡いでる側としては、飛ばした瞬間戻ってきたといわんばかりの速さで。
古来からの禁じ手相手が変身中の攻撃を敢行、『首輪』にとって何か理不尽ささえ感じる一発を。
当麻は右腕で、イマジンブレーカーでインデックスをぶん殴り、起動直前だった『首輪』は不吉な音を立て。

「ーーーこの卑怯ものーーー」

割れた、然し当麻は気が付いていなかった、自分がした事、そして今まで何人もがぶち当たった障害は、あっさり、あっけなく消滅した。
本人は、本人たちは誰も気づいてはいないが、まあそういうものなのだろう。

847外道当麻:2009/12/21(月) 22:37:52 ID:i9ZWtlXU
「…おい?インデックス?…寝てやがらぁ…」
「喧嘩はいけませんよー」
「…ちょっと強く殴りすぎたかなぁ…病院行って来ますね?」
「あ、はーい、序にお魚さんも買ってきてくださいねー出来れば鮭がいいです、酒…なんちゃって」
「…分かりましたー」
「うわぁーん!スルーしないでくださいー本気で傷つきまーすぅー!」

当麻は思った、結局こいつの蔵書の心が汚れるってヤツはきっと、腐女子になったりとかそういう範囲なのだろう。
そりゃあ普通は敬遠するわな、特に男なんかもうガチ引き、魔術師ってきっと異能力者のコスプレ集団なんだろ。
そう思う事にした、そしてドン引きした。

――――――――――――――――――――

「だから正直ね?出産プレイは興奮するんだよね?」
「いやいや医者にそんな事言われても普通は引きますって」
「いやだけどね?この前16前後の子がね?出産したんだけどね?すっごいそそるんだよね?」
「先生…本当人として僕でもどうかと思いますよ?それ」
「えー…良いと思うんだけどなぁ…それで今日は何?」
「いやこの子、ちょっと強くはたきすぎちゃって」
「どれどれ」

蛙顔のおっちゃんは、インデックスの頭を触ると告げた。
少しおっちゃんは緊張気味だったが、次の瞬間ため息をついた。

「たんこぶだね、多分すぐ起きるよ」
「あ、そうですか」
「それで、今日は薬要る?」
「んじゃあ、エーテル5リットル、ダチュラの自白剤を45錠、後何時もの」
「183000円だね、毎度ありがとう何だね」
「それじゃあ何時もどおりPCパーツで○○アパート3階○○号室にお願いしますね」
「わかったんだね、それにしても、戦争にでも行くのかね?」
「ハハハ、この街自体が戦争の火種みたいなもんじゃないですか」
「それもそうなんだね」

当麻はインデックスを背負いながら思う。
多分こいつは俺が引き当てた、金づる…!
飯代差し引いても十分なお釣りが来ると予想…!
それにしても…もう一度見たら無かった、あの黒い何かは何だったんだろうか…

第二話 完

848外道当麻:2009/12/21(月) 22:42:03 ID:i9ZWtlXU
次回
「インデックスなんだよ!最近とても体調が良いんだけど何でだろう?」
「当麻も最近なんでだか臨時収入が多くて嬉しいって言ってたんだよ!」
「それにしても熱いなぁ、そう言えば歩く教会バラバラになっちゃったけど、少し恥ずかしいけど涼しいし結果オーライだね!」
「次回は『料理』『筋肉科学』『犠牲になぁれ』の三本なんだよ!」
「ジャン・ケン・パー!うふふふふふなんだよ!」



以上で投下を終了いたします、最初の名前間違え、またSage忘れというポカミス…タヒりたい…
弟がファーストキスの報告をしてくるという事件が多発する今月ですが、これからもしっと団へ清き一票をお願いします

849■■■■:2009/12/21(月) 22:48:22 ID:cetgLJO6
てか2日間も投稿なし!?
みんなラジオドラマ見てるんですか?
結構おもしろかったですけど・・・

850■■■■:2009/12/21(月) 23:00:35 ID:mis.LbN2
>>849
皆さん構想をねっとられるのだよ、きっと。
次回予告…さ○えさんならぬ インデックスさんかっ!?

851■■■■:2009/12/21(月) 23:29:12 ID:MmjO/RsQ
今年のクリスマスイブは夜通しでポケ戦見るんだ……

852■■■■:2009/12/22(火) 00:02:13 ID:XPML/z.U
クリスマスに大量投下してくれることを祈ろうじゃないか…

853■■■■:2009/12/23(水) 15:57:23 ID:ImJIZnrM
この様子ではマジにイブがやばそうだぜい。

たくさん投下してくれることを期待するにゃー。

854ルッシー:2009/12/23(水) 22:37:09 ID:8eZlANIs
『とある暗部の未元物質』投下します。

855ルッシー:2009/12/23(水) 22:38:13 ID:8eZlANIs


重い沈黙があった。
電話の声に垣根は眉を顰めていた。
そして雲川によってその沈黙が破られる。

『まぁ正確に言えば「時間操作」ってところなんだけど』
その雲川の言葉を聞いて垣根もようやく、つまらなそうに言葉を発した。
「面白い話ではあるが、残念だな。時間にベクトルは無いんじゃなかったか?」
『だろ?流石の私も思わず苦笑したわけなんだけど』
返答になっていない返答に垣根は思わず釈然としない表情を浮かべる。
「で、ベクトル云々の話は置いとくとして、その話が何にどう繋がってるんだ?」
『じゃあ順を追って話そうか。一方通行は対象に触れる事で初めてベクトル変換という能力を発揮する事ができる。逆に言えば触れてないベクトルには干渉できない。見方によってはそれが一方通行の唯一の欠点だったわけだけど』
雲川はそう言うが、垣根は違うと断定していた。
あの黒翼はその概念を打ち破った。本来あるべき全ての概念を根底から覆す悪魔の翼。
『つまり時間という存在するかもわからない曖昧なベクトルは触れる事ができないし、当然そのベクトルを感知できないから演算する事もできない。だから一方通行には時間を操る事は不可能、という結論が出ていたわけだけど』
雲川は思考を巡らす垣根をよそに構わず話を続ける。
『ただ、ある一定の条件下でそれが実現可能である、という可能性が出てきたわけだけど』
「黒翼か」
一言だけ。即答だった。
『流石だな。まぁその力の本質はお前が一番知っているわけだろうけど。お前の能力と対極にありながら、限りなく近い質、と言ったところだけど』
一拍の間が置かれた。
カラン、というグラスと氷がぶつかるような音がしたので飲み物でも飲んでいたのだろうか。
『「触れる」という行為が必要ない以上、この地球上の全てのベクトルは一方通行の管理下にあるという事になる。あとはそのベクトルが演算できるか否か、という障害しかない』
「そんなもん無いのと一緒だな。奴に演算できないものなんて無いだろ」
『いや、それがどうでもないんだけど。いいか、時間を操作するという事は、その時間に関わった全ての事象を捻じ曲げるという事だ。それがどういう事かわかるだろ?』
単に物理法則を捻じ曲げるわけではない。
例えば時間を一分前に巻き戻す場合。
今この瞬間、世界中で起こっている事を『全て無かった事にして』、『過ぎた時間をもう一度やり直す』という作業が必要になる。
それはつまり、世界中の生物の行動や思考、植物の成長や地殻の変動、果ては地球の公転自転といった全てを掌握、演算した上でベクトル変換をする。
ビデオテープのように単純に『巻き戻し』という行為を行えばいい、というわけではないのだ。
これほどの作業を一方通行とは言えど、人一人の脳でできるかと言われると首を捻りたくなるのも無理はない。

しかし、これが一人ではなく複数人であったなら。
一万人近い人間の脳の演算能力が合わされば。

「――っ!そうか!ミサカネットワークか!」

856ルッシー:2009/12/23(水) 22:38:39 ID:8eZlANIs
垣根はほとんど直感に近い形で答えを導き出した。
雲川は「ようやく気付いたか」という感じの含み笑いを見せている。
『本来、AIM拡散力場は能力者自身が無意識に発するもの。よって学園都市外では観測する事はできないわけだけど。だが、今現在「妹達」は世界各地に派遣されている』
「学園都市内限定っていうAIM拡散力場のネックを取り払ったってワケか」
『アレイスターもしてやったりだろうけど。何せプラン通りに一方通行を覚醒させ、打ち止めを用いたミサカネットワークで演算能力を限定的ではあるが効率化させ、クローンと言えども能力者を「公式」に外へ配置できたのだからな』
「その分だと俺と一方通行の野郎がやり合うのもプランのうちだったってか?」
『まぁそう考えるのが普通だろうけど。結果的にお前は覚醒したわけなんだろ?』
癪だがな、と垣根は憮然と答える。
『まぁここまで話したが、実際これで「時間操作」ができるかと問われれば、答えはノーだ』
「何でだよ?」
ここまで話しておいてまだダメなのかよ、と垣根は少し呆れてしまう。
が、雲川は当然だと言わんばかりに言葉を続ける。
『一方通行とミサカネットワークの演算能力でもまだ足りないんだよ。理論上ね。だからプラスαが必要なわけなんだけど』
「まさかそれが俺なんじゃねぇだろうな」
『半分正解。いやはや、流石は学園都市第二位の頭脳。こんなにスラスラ進む会話は気持ちがいいんだけど』
どの頭で言うんだこの女、と垣根は思う。
『ここで「原石」の出番さ。よく考えろ。奴らはどこにいるんだ?』
『原石』――。彼らは学園都市の能力者のように能力開発を受けずに、自然界で何らかの要因が偶発的に重なった結果能力が発現している者達。
この特色を考えれば、彼らがどこにいるかなどすぐにわかる。
そして彼らの力をミサカネットワークに上乗せする事ができるのならば――
しかし。
「ん?待てよ。確か学園都市は『原石』ってのを回収してんじゃなかったのか?」
垣根は以前雲川から聞いた話を反芻する。
『あぁその通りだ。だがあれは条件を満たした奴だけだ』
「条件?」
『簡単に言えば、制御できる奴とできない奴だ。学園都市は前者を回収している』
「何だってまた?」
『うぅん…説明するとなるとまずは「原石」について説明しなくてはいけないんだけど…』
雲川は面倒臭そうに溜め息をつくが、これを話さないと話が先に進まないと結論づけたのか、観念したように話し始める。
『「原石」の大部分は自分の能力を制御する事ができない。何せ「自分だけの現実」が極めて幼い状態だからな。それどころか自分が能力者だという自覚が無い者までいるんだけど』
「あー…何だか可哀相な奴らだな」
『自分だけの現実』を極限まで理解している第二位にはそうとしか理解できなかった。
『代表的なところだと上条当麻(イマジンブレイカー)と姫神秋沙(ディープブラッド)か。まぁ前者は「原石」とは言い難いけど。名くらいは聞いた事があるだろう?』
「あぁ、書庫にあった『識別不能』の連中か。確か上条って奴は一方通行を倒したんだってな」
垣根は少し楽しそうに話す。
『特に姫神に関しては顕著でな。能力が自分の意思に関わらず垂れ流しになっている。まぁ今は「とある事情」で抑えられているようだけど』
垣根は『とある事情』が何なのか気になったが、雲川でさえも知らない(あるいは意図的に隠しているのかもしれないが)のならば詮索するだけ無駄だと判断し思考の中から消去する。
『まぁ面倒だから結論を言うぞ。能力を制御できない者をネットワーク上に置いておくと色々と面倒なんだよ。暴走でもしたら、連鎖するようにネットワーク上の能力者が暴走してしまうからな』
「でも普通の能力者はミサカネットワークには介入できないだろ。あいつらは独自の能力と脳波でリンクしてるんだし。一方通行に至っては例外中の例外だろ」
『その問題は既にクリアしているんだけど――』
雲川はドリンクを飲んでからこう言った。
『「幻想御手」っていうのは知ってるか?』

857『とある暗部の未元物質』:2009/12/23(水) 22:39:41 ID:8eZlANIs


凶弾は放たれた。
高性能の防音装置でも施してあるのか、銃声はほとんどしなかった。
そこには浜面の声にならない絶叫と絶望があった。
凶弾は滝壺の肉を飛び散らせ、一撃で確実に絶命させる。

そうなるはずだった。

しかし、弾丸が肉を貫く独特の音はしなかった。
したのは鉄を潰すような鈍い音。
パキッ、ピシッ、という音と共に銃弾はパチンコ玉のような大きさになり地面に落ちた。
そして滝壺の前には一人の少年が立っていた。

「全く酷い根性無しだ。死角からこっそり刺した挙句に、丸腰の相手に拳銃、あまつさえ無抵抗の女に銃弾を浴びせるなんてな。いや、こんな根性無しは見た事がねえ」

そう言っている少年は不思議な格好をしていた。まるで何十年も前からタイムスリップしてきたかのような、少なくとも浜面にはそう見えた。
そして同時に感じ取っていた。この少年の発する異様な強さを。
それはかつて二人のレベル5と対峙した事がある浜面だからこそ感じられたものだった。
強者だからこそ醸し出すオーラ。しかし、そのオーラは悪党とは全く正反対のものだ。
突然の出来事に思わず呆けていた襲撃者だったが、標的の殺害に失敗したと認識すると続けざまに銃弾を二発、三発と撃ち込んだ。
それを見て浜面は思わず肝を冷やしかけたが、
「だからそれが根性無しだって言ってるだろうに」
そう言うと、右手を前に出した。
すると先ほどと同じように鉄を潰すような音が聞こえた。
「ふん。まぁ元はお前の物だからな。とりあえず返すぞ」
言い終わるなり、少年は振りかぶると襲撃者に向かって何かを投げつけた。
その瞬間、襲撃者の左足から鮮血が飛び散った。

「ぐ、あああぁぁぁぁぁ!!」

今まで機械のように沈黙を守っていた襲撃者はあまりの激痛に絶叫した。
少年が行ったのは実にシンプルな行為だった。
拳銃から射出された弾丸を右手で掴み、それを相手に投げ返す。
それだけだった。
しかし、そんな事は常識的に考えて有り得ない行為であり、それ故にこの場にいた誰もが少年が行った一連の動作を理解する事ができなかった。
「おいおい、折角返してやったのに取れないなんて情けないな。根性が無いからそんな情けない姿を晒すんだ」
少年は真面目に言うが、音速に近い速度で投げられた弾丸を掴むなど誰ができようか。
するとバタバタバタ!と、複数の足音が近づいてきて止まった。後方部隊が追いついたのだ。人数はざっと十人弱。
しかし、少年はその人数は見ても臆する事はない。むしろ少し残念そうな表情を浮かべた。
集団は息をつかせぬ勢いで一気に少年に襲い掛かった。
しかし。
ドッパァァン!という爆発音と共に集団は四方八方に凄まじいスピードで吹っ飛んでいった。
どんな理屈なのかはわからないが、とりあえずただ事ではない、と浜面は考えていた。
何しろ大の大人がたった一撃で完全に意識を奪われていたからだ。
「安心しな。とりあえず殺してはいない。根性無しにちょっと制裁を加えてやっただけだ」
少年は浜面の心境を汲み取ったのかわからないが、周りの惨状を見ればちょっとどころではないのは火を見るより明らかだ。

858『とある暗部の未元物質』:2009/12/23(水) 22:40:25 ID:8eZlANIs
「お、っつ…!お前は…誰なんだ…?」
襲撃の恐れが無くなったという事で緊張感が無くなったのか、体が少し動くようになった浜面は少年に問いかける。
「俺か?ふふん、俺は学園都市に七人しかいないレベル5のうちの一人、ナンバーセブン・削板軍覇だー」
決めポーズをばっちり決めると削板のバックに波のような演出が入った。
緊張感に欠けすぎた削板にちょっとげんなりした浜面だったが、今の状況を考えるとこんな所でのんびり話してる場合でもないと考える。
「滝壺、大丈夫か?まだ痛むとこあるか?」
浜面は傍に倒れていた滝壺の元へ歩み寄り話しかける。
「私は大丈夫。むしろはまづらの方が心配。早く手当てしないと」
言われた浜面は自分は刺されたのだと改めて気付いた。そう意識してしまうと傷口が段々傷んでくるのが自覚できる。
滝壺はジャージを脱ぎ、ジャージの袖を破って浜面の止血に使う。その手際は良く、こういった経験が過去に何度かあったのだろうか、と浜面は漠然と考えていた。
そんな二人の様子をうんうん、と頷きながら見ていた削板はおもむろに口を開く。
「惚れた女を守る為に自らの命すらも投げ出してまで戦う、か。お前、中々の根性してるな」
「ブ!?ばっ―!お、お前、そんな事さらりと言うんじゃねーよ!」
浜面は思わず絶叫してしまったが、直後傷口から激痛が走りこれ以上反論する事はできなかった。
滝壺は滝壺でちょっと俯き加減になって黙々と手当てを続けている。
「(こ、こいつ…!何か気まずい雰囲気になっちまったじゃねーかよ!)」
至近距離にいる滝壺との微妙な雰囲気に痛みから来る油汗とは違う嫌な汗を出している浜面をよそに削板はこう言った。
「よし、お前気に入った。とりあえずそれが終わったら俺と一緒に来い」
「は?どこに?」
浜面が呆けた顔で返すと、削板は倒れてる男達を指指して、
「あいつらのお宅だよ」
緊張感の欠片もなく言い切った。

859ルッシー:2009/12/23(水) 22:41:34 ID:8eZlANIs
以上です。
今回はちょっと長くなったので2話とも分割しました。

860■■■■:2009/12/23(水) 23:58:35 ID:H3Fka1IA
乙!!

861■■■■:2009/12/24(木) 00:21:49 ID:59tI7AL2
乙です!
気付いたらイブになってるな…
他のSSも大量投稿の予感……期待してます!!

862上琴クリスマス小ネタ1/7:2009/12/24(木) 10:55:52 ID:g4Hx8W72
 灰色の空に、今にも雪が降り出しそうな学園都市の道を、上条当麻はくたびれた顔で歩いていた。
 補習、されど補習。何が悲しくてこんな日に補習をしなくてはならんのだ、上条は今日何度目かの溜め息を吐いた。
 12月25日。聖なるクリスマス。少し見渡せば視界には溢れんばかりのカップルの群。寄り添い歩いている二人が選り取り見取り。どうやって仲を引き裂いてやろうか、などと言った残忍なことを上条は考えてやめた。

「虚しい……。虚しすぎるぞ俺のクリスマス……」

 何時ものように不幸だ、と叫ぶのも億劫だった。学生寮に帰っても、今日は同居人のシスターはレッツパーリィと言うことで、担任の小萌先生の所にお泊まりもひっくるめて外出。よって、一人の夜を過ごさなくてはならない。

「あー、いたいた。ちょっと、ねえ。……ねえ!」

 右肩に掛けていた薄っぺらい鞄を、左手に持ち替えて、後ろに向け空いた右手を動かした。
 直後、青白い閃光が辺りを照らした。

「聖なる夜も一人の俺を笑いにでも来たのか? 笑え、笑えよ……」
「うげっ……。アンタ、地獄でも見たの?」

863上琴クリスマス小ネタ2/7:2009/12/24(木) 10:56:11 ID:g4Hx8W72
 上条に声を掛けて電撃をぶっ放したのは、常盤台中学の第三位『超電磁砲』、御坂美琴。面倒そうに、上条は振り返ってそちらを見る。

「この戦場は……地獄だ!」
「…ははーん、アンタ、もしかして一人?」
「悪いかよ。……そういうお前はどうなんだよ」
「うぐっ…そ、それは…!」

 跳ね返された言葉に、美琴は狼狽えた。
 二人の周囲は相も変わらずリア充の群がクリスマスムード一色の街を歩いている。

「べっ、別に私が一人だってアンタには関係無いでしょ!?」
「あー、はいはい。そうですね」
「イラッ☆」

 ノーモーション電撃が上条を狙うが、右手の『幻想殺し』を避雷針代わりにして打ち消した。それを三回程繰り返し、美琴は観念した様子で、

「ホント、アンタの右手は何なの? バカなの?」
「死なねえからな!」
「何もそこまで……」

 人通りの往来で大声で死なない発言。思い出してみよう、今日はクリスマス。だがそこいら全てがカップルというわけでもなく、上条や美琴と同じように一人ふらふら歩いている者や忌み妬む者、熱々の肉まんをカップルにぶつけようと虎視眈々と狙う者等様々な者がいる。そこに上条の言葉が行き渡れば、完璧に注目の的になるのは容易かった。

864上琴クリスマス小ネタ3/7:2009/12/24(木) 10:56:29 ID:g4Hx8W72
 ざわ…ざわ……

「ちょ! そんなこと大声で言わんでいい!」
「は? なんでだよ……って、注目されてるぞお前」
「このバカ! ずらかるわよ!」

 わけもわからないまま、上条は美琴に手を引かれてその場から走り去った。周囲では何やらロマンチックだの素敵だのバリバリ! やめて!だのそれぞれ違う反応をしていたが、たかが数十秒くらいで、また人々は今日の日を楽しみだした。

865上琴クリスマス小ネタ4/7:2009/12/24(木) 10:56:47 ID:g4Hx8W72
 人気の無い近くの公園まで走ってきた上条と美琴。冷たい風が頬に非情に吹き付ける。
 指先も冷たく、暖まりきらない体を暖めようと手近な自販機でホットの飲み物を購入する。

「寒いだろ、飲めよ」
「へ?…いいの?」
「寒い中、生足出してる女の子に何もしてやらないなんてこと出来ません」
「ーーっ! …ありがと」

 女の子、という単語に美琴は、判るか判らないかレベルの反応をした。このバカからもちゃんとそう認識されているのは正直驚いた。頬に熱がこもるのに時間は掛からなかった。

「どうした? 顔赤いぞ? ……まさか熱でもあるんじゃねえか!?」
「な、無いわよ!」
「そうか? 無理するなよ? あと少しで年明けなのに寝込んで過ごす正月は嫌だろ?」
「そんな大袈裟な……」

 冷えたベンチに、二人は並んで座る。まるで、あの夏の日のように。

「………、」
「確か、あの時もこの公園で、このベンチだったわよね」
「…あん?」
「あの子とアンタが初めて会った日のことよ」
「…ああ」

 あの日、命に灯火を受けたその前から、既に決められていた『妹達』の運命。その幻想をぶち壊したのは他でも無い上条である。

866上琴クリスマス小ネタ5/7:2009/12/24(木) 10:57:10 ID:g4Hx8W72
 美琴が、もう自分の手ではどうしようも無いことを知り、自己犠牲で終わらせようとした『計画』を、悲劇ではないが、最良でもない、普遍的な、それでもまだ救済の余地のあるエンディングへと誘った。

「もう冬か……」
「…そろそろ記憶のこと、話してくれてもいいんじゃないかしら」

 二人は視線を合わさず、ベンチに座ったままただ灰色の空を見上げる。
 記憶喪失。いつ、どの様にそうなったのか、美琴は知らない。上条も判らない。

「話せ、って言われてもわからないものはわからない、としか言えねえよ……」
「どういうことよ、それ」
「記憶を失う前のことを覚えてたらこんな話はしてないって」
「あ…そっか……」

 開封して、それ程時間が経っていないにも関わらず、飲み物は段々と冷えてきた。上条は一口、それを飲んで次の言葉を探す。

「俺は別に、記憶喪失だからって困ったことは無いんだけどな」

 自分が記憶喪失だ、と公言すれば大変なことになるのは間違いないが、関係ない美琴に知られているけれども。

「記憶喪失と」
「『妹達』、か……」

 それぞれがそれぞれに、大切な者達に言えないものがある。隠し通すのは簡単なように見えても心が傷付く。

867上琴クリスマス小ネタ6/7:2009/12/24(木) 10:57:37 ID:g4Hx8W72
「……雪だ」
「ホワイトクリスマスね」

 辛辣な空気を、静かな雪が隠すように埋めるように舞い散る。柔らかな氷の結晶は、地面に触れ、溶けて無くなる。
 手のひらを差し出し、そこに落ちた雪は、体温で水に戻る。

「夜明け過ぎに雪に変わる、そんなことは無かったな」
「でもホワイトクリスマスって定番だけど滅多に無いわよね」
「ロマンチック、だな」
「アンタがそういうこと言うの、似合わないわよ」
「わ、笑うなよ!」
「笑え、って言ったり笑うなって言ったり、私も忙しいわ」

 気兼ねなく話せる相手。
 いつか白井黒子が言っていたあの言葉を上条は思い出していた。

(俺も居心地が良いのかもしれないな)

 隣で安心して笑みを浮かべる美琴を見た。それに気付いた美琴はきょとんとした表情をする。そんな折、上条にひとつの考えが浮かんだ。

「な、なあ御坂」
「んー、何?」

 言葉に詰まる。

「その、なんだ……」
「どうしたの?」

 なかなか言い出せずに口ごもってしまい、自分に苛立ちを覚えたが、なんとか勇気を振り絞って言い切った。

「う、ウチに来ないか? …クリスマスだし、なんか小さいパーティーでもやりたいなあ、って思ってさ……」

868上琴クリスマス小ネタ7/7:2009/12/24(木) 10:57:56 ID:g4Hx8W72
 黙って聞いていた美琴は、唖然とした表情から驚愕の表情に移り、寒さで赤く染まりかけた頬を違う朱に染めた。

「ダメか…?」
「ダメじゃない」

 今回は即答してしまった。雪に合わせて、イルミネーションも点灯しだして、よりクリスマスらしくなってきた。

「二人だけのクリスマス、か」
「そ、そう。予定とか無かったの?」
「合ったらこんな誘いはしねえって」

 学生寮に向かい、歩を進める二人。やはりクリスマスなので、手を繋いで歩くカップルや腕を組み歩くカップル達とすれ違った。

「…なあ御坂、俺達もやってみるか?」
「今日のアンタ、どうしちゃったの?」
「そう言いつつもちゃっかりやってるお前はなんだよ」
「い、良いじゃない! 寒いんだし、スペースも取らないし」

 スペースは関係無いだろ、と野暮なツッコミをしようか迷う上条であったが、それは飲み込んだ。

「メリークリスマス」
「サンタさんには何をお願いしようかしらね」
「まだ信じてるのかよ」
「まだまだ子供なの!」
「はいはいわかったわかった。せめて胸でもごめんなさいごめんなさい」
「腕組んでるのが右側で命拾いしたわね」

 笑顔が怖い。平身低頭で上条は謝罪を述べたが、美琴はすぐにやめさせた。

869上琴クリスマス小ネタ8/7:2009/12/24(木) 10:59:09 ID:g4Hx8W72

「雪に雷は合わないでしょ?」
「黄色と青色の勇者は氷と雷だったな」
「あれは水寄りじゃない?」
「言われてみればそうだなー」

 他愛ない話をしていると、結構すんなりと寮に着いてしまった。

(サンタさんには勇気をお願いしようかしら)
(あとは勇気だけ、か)

「なあ、」
「ねえ、」

 タイミングが被る。お互い顔を見合わせて、きょとんとする。どうぞどうぞは日本人の悪い癖だと、二人は思い、せーので言おうじゃないかということになった。

「それじゃあ……せーの!」

「「ベリーメリークリスマス!」」

 今日の学園都市の夜は長いだろう。



ー糸冬ー


分割ミス俺pgrw
ただ最後の言葉を使いたかっただけなんです

870■■■■:2009/12/24(木) 11:03:01 ID:m7dx0QsI
乙!
15903/8ぐらいまで行っちゃってもよかったんだよ!

871■■■■:2009/12/24(木) 11:07:39 ID:vd1YYXys
ID:g4Hx8W72
乙 8/7 になった時、
もっと続くのかとオモタ

872■■■■:2009/12/24(木) 15:16:04 ID:3UzwW49U
GJ
ここからお楽しみタイムですね、
分かります。

873■■■■:2009/12/24(木) 23:15:10 ID:urc8aJCo
帰宅すると禁書に食われるのでは・・・?

874上黒クリスマス小ネタ1/7:2009/12/24(木) 23:19:26 ID:g4Hx8W72
>>873
ちゃんと読んで欲しいなぁ…投下主としては

上黒クリスマス小ネタ投下します


 今日はクリスマス。そこらにはリア充が盛り沢山に歩いている。そんな中、白井黒子は『風紀委員』の仕事で呼び出され、一段落着いて街をふらついていた所であった。

「連絡さえ無ければ今頃お姉様と二人で今日という日を楽しんでいた筈ですのに……おのれ初春!」

 叫んでもただ虚しさが込み上げてくるだけ。
 周囲のカップル達はそんな黒子など、見向きもせずに二人の世界を築いていた。

「あら…あれは確か……」


 落胆の表情のまま、黒子はクリスマスムード一色に染まる街並みをとぼとぼ歩いていると、ふと何かを見つけた。

「うあー、寒い寒いぞ寒いんだよコノヤローの三段活用」

 視線の先には、気だるげに薄っぺらい学生鞄を右肩に掛けて歩いているツンツン頭の男子高校生がいた。尊敬するお姉様の想い人でもあり、自分の恋路を邪魔する人物だと、黒子は記憶している。

「クリスマスにお一人ですの?」

 特にすることも行く宛ても無いので、背後からその人物に声を掛けてみると、突然の出来事に、肩をビクッと震わせて振り返ってこちらに見向いた。

「余計なお世話だ! …って、白井か。そういうお前こそどうなんだよ」

875上黒クリスマス小ネタ2/7:2009/12/24(木) 23:20:12 ID:g4Hx8W72
 同じように一人でいる黒子を見て、少年が言った。

「わ、わたくしは風紀委員の仕事から帰宅途中ですの」
「待ってる奴とか居なかったのかよ」
「うっ……それは」
「はぁ…、クリスマスなのに補習なんて嫌になっちまうよ」

 空いている片方の手のひらをひらひらと動かしながら、上条が零した。それを黒子は聞き逃さず、ツッコミを入れる。

「…それは日頃からしっかりしていない殿方さんが悪いのではありませんの?」
「核心を突いちゃいけません! 知り合いはしっと団の活動とか義妹とにゃんにゃんするとかふざけたことぬかしやがって……」
「…誰かしらにも誘われてないんですの?」

 思わずジト目で黒子が訊ねると、乾いた遠くを見る瞳で上条は、

「旗男はすっこんでろ、だとさ。一体何のことやらわからねえよ」
「…もしそれが本気で言っているとしたら貴方にわたくしからのクリスマスプレゼントを与えてもよろしいですわよ?」

 太もものホルスターから金属矢を抜き放ち、それが厚い雲の隙間から僅かに零れる太陽の光を受けて鈍く輝きを生む。金属矢=クリスマスプレゼント。

「いやいやいやいや! そんなプレゼントは遠慮する!」
「問答無用ですの! 覚悟なさい!」

876上黒クリスマス小ネタ3/7:2009/12/24(木) 23:20:32 ID:g4Hx8W72
 ついでながら、自分の恋路を阻む上条を消す良い機会かもしれない、そう考えた黒子は、以前目の前の上条には自分の『空間移動』が効かなかったのを思い出して、より確実な金属矢を構えた突進攻撃を繰り出した。

 が、

「あうっ…!」
「っ、おい…!」

 踏み出した黒子の足の先に、やや小さいながらも存在する石ころがあった。それを踏んでしまった黒子は、足首を捻りバランスを崩して真横に倒れそうになる。
 というか倒れた。

「…っ、そおぉおい!」
「きゃっ!」

 何も持っていない方の左側の腕をフル活用して、上条はなんとか倒れつつある黒子を抱きかかえて難を逃れ

「ちょっと、殿方さん」
「……はい」
「…あの、その……む、胸に…」

 なかった。

 左腕全てと若干の上半身で受け抱える上条は、不可抗力で黒子の慎ましやかな、それでも尚、存在する柔らかいソレ……いわば『おっぱい』に触れて、いや、鷲掴みしていた。

「や、柔らかい……」
「なっ…!? ちょ、えぇ!?」

 上条のその手がガッチリとおっぱいをホールドして離さない。掴んでいるのは左手なのだが、揉まれる感覚で演算に集中出来ない為、能力を使えずに、黒子は悶え続ける。

877上黒クリスマス小ネタ4/7:2009/12/24(木) 23:20:58 ID:g4Hx8W72
「はっ! 俺は何を……白井、ごめん!」
「はぁ…はぁ…。い、いきなり何をなさるんですの…」
「不可抗力だって!」

 頬を朱に染める黒子に対して、冷たい地べたに、上条のヘディングが決まる。その速さは、立ち姿から移行モーションが見えない程だった。

「…人通りの往来で土下座はやめてくださいな!」

 黒子も黒子で、発生を確認してから予備動作無し余裕でした。
 そんなこんなでしゃがみこんで、未だ冷えピタ(地面)をおでこにくっつけている上条を立たせようとする。

「お、おう……ぶっ!?」
「? どうなさいましたの?」

 無防備に上条の頭上にしゃがんでいる黒子。少しだけ顔を上げた上条の目の前に映ったのは、太ももの奥に見える秘密の花園。黒のレースで布地が極端に少ない下着。

(な、なんつー大人な下着履いてんだよ……)

 下半身に熱が籠もり、別の意味で上条は立った。否、勃ち上がった。

「何時までもそうしてますと、本当にプレゼントしますわよ」
「ごめんなさい」
「全く。……どうして下半身押さえて前かがみなんです?」
「気にしないでください」

 他愛のない話。
 道端でたまたま出会っただけなのに、話し込んでしまった。

878上黒クリスマス小ネタ5/7:2009/12/24(木) 23:21:19 ID:g4Hx8W72
「帰らなくていいのか?」
「もう少しだけ話しません? お姉様に釣り合う人柄かどうか判断したいので」
「ははは、勘弁してくれ……」

 笑いながら目の幅涙をぶわーっ、と流す上条は気持ち悪かった。
 再度ジト目になり、その表情を見つめる黒子の頬に、ひんやりとしたものが触れた。

「雪ですわ」
「おいちょっと大福持ってこい」
「おーい」
「お茶」
「伊藤園」
「天然麦茶」

 連想ゲームかと小一時間問い詰めたくなるようなやり取りを幾度か繰り返し、

「そろそろ帰りますわ」
「おう。…寮まで一緒してもいいか?」
「ええ、構いませんが」

 立ち話も程ほどに、帰路につく。
 並んで歩く二人は、道すがらで多くのカップル達とすれ違う。手を繋ぎ、腕を組み、ひとつの長いマフラーを二人で巻いて、雪の寒さに負けぬ暖かい雰囲気を醸し出している街並み。そんな中を上条と黒子は常盤台の寮に向けて歩を進める。

「どうした?」

 周りをきょろきょろと見回す黒子を見て、上条が疑問を口にした。

「わたくしもあんな風にお姉様と出来たら良いですのに……」
「…………、」

 この場にいない人物のことを、つい黒子は言ってしまう。

879上黒クリスマス小ネタ6/7:2009/12/24(木) 23:21:38 ID:g4Hx8W72
 二人で過ごすクリスマス。ささやかなお祝い事のように盛り上がって、その後はくんずほぐれつして燃えるような夜を送りだい。憧れのお姉様との絵空事を思っては悩む。
 実現しえそうにない事を聞いた上条は、特に何も思うことは無かったが。

「何やってるんだ?」
「お構いなく」
「…そう言われてもなぁ」

 自分の腕に、不意に感じる人肌の温もり。空いている腕に黒子が自分の腕を絡ませてきたようで、上条は純情少年らしく、胸の鼓動が高まる。

「一度はやってみたいと思ってましたの」
「…後に取っておけよ」
「嫌では無いのでしょう?」
「返す言葉がありません。大体御坂に言えばやらせてくれるんじゃないのか?」
「今ここにおりませんでしょうに」

 それに、と黒子は付け足すように、

「殿方さんとなら安心出来ますの」
「なんだかなぁ…」

 しかし、上条も満更でもない様子で体を密着させる。

「暖かいな」
「ええ」

 暫くして、黒子の寮に着いた。寮の手前、窓から見えない位置まで来て、二人は離れた。

「寮監が厳しいんですの」
「そうか。……こうして見ると一昔前の恋愛漫画みたいだよな」

880上黒クリスマス小ネタ7/7:2009/12/24(木) 23:22:29 ID:g4Hx8W72
 言った直後、上条はしまった、と思って右手の用意をしたが、脅威はなかった。むしろ、きょとんとする黒子を見れた。
 唖然、驚愕、頬染めと忙しくコロコロ変わる黒子の表情が上条は面白かった。

「それじゃ、いいクリスマスを楽しめよ!」
「あ、貴方に言われなくてもそうしますわ」
「そうだな」

 二人は互いに背を向けて、それぞれの道を向く。一歩ずつ離れて、やがてその距離は大きくなっていった。

「…不幸だ」
「何でしょうね…」

 ふと、振り返って互いに目が合った。目を見開いて驚いたのは一瞬で、自然に笑みがこぼれだした。

「なんだよ」
「どうなさいましたの?」

 少しだけ離れた距離を縮めて、今度は楽しそうに笑い合った。

「そうだ、言い忘れていたことがあった」
「奇遇ですわ、わたくしもですの」

「「思いっ切り聖夜おめでとう(ベリーメリークリスマス)!」」

 白髭の爺がトナカイに似たメカを使って、反重力装置を持ったソリを操縦して、世界の空を舞っているのを確認したのは、学園都市では一握りだけだった。

ー糸冬ー

今回はミスらなかったんだっぜ

それじゃあ皆さん、ベリーメリークリスマス!

881■■■■:2009/12/25(金) 00:16:13 ID:mUustNPc
GJ!
しっと団に、入りたい


ベリーメリークリスマス

882■■■■:2009/12/25(金) 01:34:16 ID:OrV/BzZk
ここに投稿しようと書いていたら80kb近くなったので
アルカディアの方に投稿したけど、実際一気に投下するときは、
どれぐらいまでが許容量なのかな?
今後の参考のためにちょっと聞いてみたい。

883■■■■:2009/12/25(金) 02:37:32 ID:PfPNbjKY
>>882
6〜8レスに区切った方が見やすい

個人の意見だが

だが現スレに投下するならばちょっと待って欲しい。分割量が多くなった場合、途中で途切れるかもしれんぞい?

感想レスや他の投下も含めて、

884■■■■:2009/12/25(金) 10:16:15 ID:DmyRqAiA
>>882
直リン貼ってくれると助かります

885882:2009/12/25(金) 10:21:45 ID:K8sa2SL6
>>883
ありがとうございます。
全部で35,000字ぐらいあるので、1,000字ぐらいにわけると
板を長く占有状態にしてしまうのはやはり問題ですね。
今後SSを書いた時は、ある程度たまった時点で小分けに投下いたします。

投下予定だったSSは、アルカディアの方に「とある聖夜の中止命令」って
タイトルで投稿しているので、お暇な時にでもお読みいただければ嬉しいです。

886882:2009/12/25(金) 18:39:10 ID:OrV/BzZk
>>884
すいません、直リン貼ったと思いこんでいましたが、
こちらの板は直リン禁止で、エラーがでていたことに気づきませんでした。

ttp://mai-net.ath.cx/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=14941&n=0&count=1

887カンナギ:2009/12/25(金) 21:44:23 ID:e76wAv4Q
ども。
クリスマスですねー。そのせいかクリスマスを題材にしたSSが投下されてますが
私のまったくクリスマス関係なくてなんかすみません(汗

「とある二人の恋愛物語」番外編が書きあがったのでとりあえず

ではどうぞ

888カンナギ:2009/12/25(金) 21:46:45 ID:e76wAv4Q
番外編
女だらけの焼肉パーティ−The roasted meat party where is full of women−

1.
ここは賃貸アパートの一室、ある事件のせいでここの天井には大きな穴が開いていた。実は
ここで起こった事件でここ学園都市の衛星が打ち落とされたのだが、その事実を知るものは
もはや誰もいない。その穴だがようやく先日修理業者が来て綺麗に直っていた。天井だけす
ごく綺麗になっていてなんだか部屋と不釣合いだと感じたがもう一つの懸念事項の方が問題
だった。当然莫大な修理代金の請求がくると身構えていた月詠小萌だったが、なぜか請求が
来なかったのだ。
少し不思議に思ったので業者に問い合わせたところ、なにやら身元不明の煙草を咥えた大男
が直接修理代金だけポンと置いて行ったとの事だった。身に覚えが全くないので事情を知っ
ているであろう上条に何回も訊ねたのだが幾度となくはぐらかされてなんだかうやむやにな
っていた。今日はそれを問いただす意味でも上条を呼んだのだが、 

「上条ちゃんは今日は来れなかったのですか?」

月詠小萌は慣れた手つきでビール瓶を栓抜きで開け、ジョッキにビールを注ぎながら目の前
にいるなぜか安全ピンで所々留めてある白い修道服を纏い、長い銀髪と碧眼が特徴的な自称
シスター(小萌は半信半疑)ことインデックスに話しかける。

「こもえに食費をだしてもらうのが忍びないからいいんだって、せっかくのやきにくなのに
とうまはやせ我慢するなんてもったいないんだよ」

インデックスは箸をわし掴みにして目の前に焼かれている肉に今にも飛びつきそうな勢いで
ある。彼女が連れてきた三毛猫は先ほど姫神秋沙が皿に出した牛乳を飲んでいる。本当は市
販の牛乳を猫に飲ませるのはあまり良くないのだが、手持ちがないので我慢してもらう。

「姫神ちゃんがここにくるのも久しぶりですねー、先生姫神ちゃんが寮に入ってからちょっ
とさみしかったんですよー?」

「それは嬉しいけど………私の紹介を軽くスルーされたあたり、私の存在って……フッ、私
って救われない」

「? どうかしたの?あいさ」

「うん、なんでもない。私の下の名前を覚えていてくれている人がいるだけでも満足」

「?? なにがあったかはしらないけど私の完全記憶能力はどんなゴミ記憶でも忘れること
はないからそんな心配なんてしなくても大丈夫なんだよ?あいさ」

「……ミ、…ゴミ…ふぅ…私ってしょせんそんな存在…ふっ」

良かれと思って言った言葉が姫神の心に快心の一撃で止めを刺してしまったようだ。予想外
の姫神の反応にインデックスは動揺する。

「あ、あれ?私なんか言っちゃったかな、こもえーっ」

悪気がないだけに性質が悪いなと小萌は苦笑しつつ、インデックスに助け舟を出す。

「大丈夫ですよーシスターちゃん。こうなったときの姫神ちゃんは上条ちゃんの話でもして
あげたら元に戻っちゃいますから、姫神ちゃーん、上条ちゃんがこっち見てますよー」

「……どこ?」

放心状態になっていた姫神が正気を取り戻し、きょろきょろとここにいるはずのない上条を
探し始める。

「…とうま、もはやその場にいなくても女の子をたぶらかせるんだね……」

「上条ちゃんは昔からやんちゃですからねー、先生たまに出張に行くときも上条ちゃんの名
前はよく耳にするんですよー。この間常盤台中学にたまたま用があったので行ったんですけ
どね、そこのレベル5に手を出したって噂が構内で広まってたんですよ。その話を先生に聞
いたとき思わず出されたコーヒー吹き出しそうになっちゃいました」

その話を聞いたインデックスと姫神が「またかあの野郎」と思ったのは言うまでもない。彼
は一体どれだけ女の子のフラグを増やせば気が済むのだろうかと少々考えたが、もはや体質
と言っていいだろうと小萌は結論づける。

「それはそうと焼けてきたのでそろそろカンパイしましょう」

『かんぱーい!』

889カンナギ:2009/12/25(金) 21:50:26 ID:e76wAv4Q
〜30分後〜



「…あ、あいかわらずの食欲ですねーシスターちゃん」

「……私もびっくり」

けっこう多めに肉を買ってきたつもりだったが、完全にこのシスターの胃袋のキャパを見誤
っていたようだ。食事開始30分で3分の2も食べられるとは本当に予想外だった。カンパイの
次の瞬間にはトレイに乗っていた肉はほぼ全部(比喩表現ではなく)この小柄な体に収まって
いたくらいだ。


「シスターちゃん、生焼けまで食べたらお腹壊しちゃいますよ?」

「ふっふーん、私の胃袋は頑丈だからこれくらいどうってことないんだよ」

「世の中にはア○リカ産牛肉やサイコロステーキの――」

「わわっ!そ、それ以上はNGワードなんですよ姫神ちゃん!」

インデックスは二人の会話の意味が理解できないのできょとんとしていた。

「小萌、これじゃ私達の分が殆どない」

「じゃあいまからスーパーで調達して…」

「あ、それなら私もってきたんだよ」

インデックスは脇に置いていたスーパーの袋らしきものを卓袱台に置くと、中からパックの
肉をいくらか取り出す。

「シ、シスターちゃん?こんなにいっぱいどうしたんですか」

「家から持ってきたんだよ?台所に出しっぱなしになってたのをもってきたんだよ」

「それは上条君が解凍してたんじゃ……」

本日の彼の食卓は寂しいものになってることだろうと姫神が適当に想像していると、

「別にいいもん、とうまの家の食べ物はわたしの食べ物でもあるんだから。さ、食べよ!」

「まだたべるんですかー?シスターちゃん」

そう言いつつも、三人は彼女の持ってきた肉に手を付け始める。その後、どんな災厄が待ち
うけているかなんてこの時は想像もしていなかったのである。

2.
PM9:42
上条は美琴を寮に送り届けた後、まっすぐ帰宅していた。玄関を開けると同時に部屋の熱気
がむわっと彼を襲う。もう日が沈んでいるとはいえ何時間も締め切っていたせいか、部屋の
中はサウナのなかにいるような熱気に支配されていた。

「あっつー、ただいま…ってインデックスいないんだっけ。ということは久しぶりにベット
で寝られるのか」

彼の本来の寝床は普段は居候の支配下に置かれていて、バスタブのなかで眠る生活が続いて
いた。そのせいか、時々へんな寝違いを起こして首を痛めることが多々あった。かといって
ベットをもう一つ置く場所もなければ金もない。貧乏学生の苦悩というやつだ。

「今日の出費結構響いたな、まあ何とか持つだろう」

冷蔵庫の中には冷凍食品の買い置きもあったし、野菜も肉も間に合っている。米もまだ余っ
ていたはずだ。最悪非常食のカンパンでもかじればなんとかなるだろう。こういうとき買い
だめは便利だ。たまに買いすぎて使うのを忘れて消費期限を過ぎてしまい、捨てる羽目にな
ったことも何回かあったが。

「しっかし後風呂沸かして寝るだけっていうのは結構魅力的だよな。今日は特に課題もない
はずだし…あ、そうだ。明日の弁当と朝食の準備。明日は一人分でいいのか」

いつもはインデックスにまだかまだかと逆切れされることも多々あったが、明日はその心配
もない。昼も適当に作り置きしておけば大丈夫だろうと上条は考えていると、ある異変に気
付く。

「あれ?ここに捨てようと思って出しておいた消費期限切れの肉はどこいった?」

ある三人の女性がそれを気付かずに食べてしまい、病院送りになったのは別の話である。

END

890カンナギ:2009/12/25(金) 21:58:37 ID:e76wAv4Q
終了です。

後で投下するシナリオは美琴中心です。それでとりあえず一日目終了ですね。

インデックス、姫神、小萌先生ファンの方、ホントにすみません(汗

しかし、投下済みのシナリオでも加筆、修正したいところが多々あってこまる(笑

891■■■■:2009/12/26(土) 16:58:18 ID:dCwk1GwA
>>890
お疲れ様です!続き楽しみにしてますね。

892■■■■:2009/12/26(土) 17:48:32 ID:MC8MGJzM
(バチーンと気持ち悪いウィンクを一発かまして)
sageようZE!!

893りゅう:2009/12/28(月) 01:00:33 ID:4Dt/4MeE
誰か平行世界をwikiにあげないんですか
一応2日目15時26分まで整理して手元に
まとめたんですけどどうすればいいかわかりません
必要なら乗せますけど

894■■■:2009/12/28(月) 01:03:36 ID:4.ENN422
あれ一応toto氏直々の修正版が載ることになってるんじゃなかったっけ?

895りゅう:2009/12/28(月) 01:08:35 ID:4Dt/4MeE
そうですか情報ありがとうございます
初心者の私より直々のほうが良いと思うので
気長に待ちます

896■■■■:2009/12/28(月) 02:19:12 ID:MyzjoaGo
>>893>>892が見えないのか
ほんと意味わからん

897■■■■:2009/12/28(月) 03:08:22 ID:PTpm/IP2
>>896
冬休みだからな

あと>>900も近いことだし、次スレテンプレ案が欲しいな

898■■■■:2009/12/28(月) 15:10:56 ID:JslRxJpQ
ってかいつぐらいのタイミングでスレテンプレ作ってるんすかね?

899■■■■:2009/12/28(月) 23:14:57 ID:0Rxv2i8U
冬休みじゃなくてもsageない人多くなってきたから
sageに関することも追加しときたいところだよな

900■■■■:2009/12/28(月) 23:51:47 ID:PTpm/IP2
ここは鎌池和馬氏著作、『とある魔術の禁書目録』のSSスレです
カップリングやシチュエーションを問わずSSは常時大歓迎。
ただし、特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合やBL、鬼畜や死にネタ等)。
投下前にカップリングの表記があるとなお良いです。
このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
次スレは要領が480KBを越えるか、レス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
荒らし煽りはスルー。
ルールを守って、気持ち良く楽しみましょう。

GJや乙は出来るだけ送って差し上げましょう。書き手は萌え製造機ではありませんよ?
自分の望むカップリングのSSが無くても騒がない。上条さんのように謙虚な心がけを。



向こうのを改変したよ
まあ、厨房工房がテンプレ見る確率なんざ皆無に近いけどな

901■■■■:2009/12/29(火) 01:20:32 ID:EICqfvR.
>>900
こっちの場合容量に制限はないはずだよね

言及するべきは
・基本sage進行
・作者は投下宣言&終了宣言(カオス投稿防止)
・書き溜め推奨(クオリティアップのために)
・読者はある程度の返事
あたりだよな
つけるとすると、誤字や書き方に厳しい人がいます ってところか?
禁書の呼び方とか、小萌先生とか一方さんの台詞とか特に
SSまとめ@wikiの…メモページだったっけ?禁書風味の書き方について載ってるの

まあ、スレ住民がどれほど頑張ろうと、読まねー奴は本当読まないのがorz

902>>900の人:2009/12/29(火) 01:46:18 ID:AamraoZQ
ここは鎌池和馬氏著作『とある魔術の禁書目録』のSSスレです。
カップリングやシチュエーションを問わずSSは常時大歓迎。
※特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合やBL、鬼畜や死にネタ等)。
投下前にカップリングの表記、宣言があるとなお良いです(投下終了時にも宣言をお忘れなく。たまにカオスになります)。

このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
次スレはレス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
荒らし煽りはスルー。

GJや乙は出来るだけ送って差し上げましょう。書き手は萌え製造機ではありませんよ?
自分の望むカップリングのSSが無くても騒がない。上条さんのように謙虚な心がけを。

投下はメモ帳なりwordなりに書き留め推奨。推敲すると間違いに気付いたり、意外なところの文法ミス・誤字脱字が見つかることも。
キャラの口調、原文はWiki又は原作参照。

上記ルールを守って、気持ち良く楽しみましょう。

以上テンプレ案

903■■■■:2009/12/29(火) 04:06:11 ID:96lsDuRw
3月の新刊予定(2009年3月10日発売)
◆とある魔術の禁書目録(20)
著/鎌池和馬 イラスト/灰村キヨタカ
上条当麻はインデックスを解き放つため、一方通行は打ち止め(ラストオーダー)を
救うため、浜面仕上は滝壺理后を治療するため。三者三様の想いが渦巻く、緊迫のロ
シア編開幕!

904■■■■:2009/12/29(火) 08:01:08 ID:FphgVzkk
>>903
うおおおお!!!!
その情報待ってたよーーーーーっ!!!!

905■■■■:2009/12/29(火) 08:15:06 ID:MkRLq1F6
2009年・・・だと!?

906■■■■:2009/12/29(火) 09:20:34 ID:FphgVzkk
>>905
言われてはじめて気がついた

いやー2010でしょ。

某ラノベよろしく数年間予告のままはありえんから2011ではない。
と、俺は信じてるっ!

907■■■■:2009/12/29(火) 13:05:57 ID:00VVzmds
来たーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!
待ってましたその情報!!!
>903さんありがとっ!!!

908■■■■:2009/12/29(火) 15:12:14 ID:AamraoZQ
つくづく思う
リアが多いな、と

安価も上手く出来ない
sageも知らない
意味も無いHN
自分で動かない
記号の連打
落ち着きがない

909■■■■:2009/12/29(火) 15:36:44 ID:OJmSy5.2
>>903
よくある感じの嘘予告ではないよな?

910■■■■:2009/12/29(火) 21:03:14 ID:00VVzmds
情報源が知りたいとこだな

911■■■■:2009/12/29(火) 21:06:36 ID:kNjoAk12
電撃文庫bootleg
3ヶ月先までの刊行予定を教えてくれる

912■■■■:2009/12/29(火) 21:42:08 ID:00VVzmds
そんなのあんの!(驚)

913■■■■:2009/12/29(火) 21:45:52 ID:kNjoAk12
ほい
ttp://dengekibunko.dengeki.com/i/bunko.html

914■■■■:2009/12/29(火) 21:49:57 ID:00VVzmds
聞きたい事があるのですが、ステイルが主人公として出る

電撃文庫SSがあったらしいのですが

どのようなものか、どなたか教えてくれませんか?

バードウェイという人物が出てきたらしいですが、もう読む事ができないので(悲)

マニアとして知りたいんです!(燃)

915■■■■:2009/12/29(火) 22:21:21 ID:AamraoZQ
とりあえずググれ

916■■■■:2009/12/29(火) 22:29:28 ID:nuRhToZ6
「ミサカ、巫女と美琴」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」の続きを4レス分
投下します。
この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
本物語は「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天
使のささやき)」の設定を流用しており、姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』では
なく『癒之御使(エンゼルフェザー)』を持っています。そして学園都市の小学生からは『カ
ナミンマスター』と呼ばれ使い魔(アガシオン)である『超機動少女カナミン』を使役す
ることで魔法を使うことができます。
上記の2作品を読んでおられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思
っていただけると幸いです。

917■■■■:2009/12/29(火) 22:30:35 ID:nuRhToZ6
(3−21)
ブラックキャットが現れてから姫神秋沙はずっと探っていた。
もちろん一番格好良い登場のタイミングを窺っていた訳ではない。
舞台から感じる違和感の正体を探っていたのだ。

突如舞台に現れたブラックキャットの第一印象は(変態!?)の一言に尽きた。
不覚にもそのコスチュームのエロさに唖然となった。
町中を巫女装束で歩いても平気な姫神秋沙ですら流石にアレを着る度胸はない。

(あんなモノを人前で着るだなんて…………一体どんな神経してるのかしら?)

しかし外見とは裏腹にブラックキャットの戦闘力は想像以上だった。
流石に一人で超能力者(レベル5)に喧嘩を売るだけのことはある。
その動きはとても人間のものとは思えない。

(能力者でもないのに御坂さんを圧倒するなんて…………凄い女(ひと)。
 実はあのコスチュームが筋力を強化している…………って訳無いわね。
 エロさは十二分に強化しているみたいだけど…………
 それに薬を使っているようにも改造人間にも見えない…………でもあの胸。
 あの巨乳だけは改造手術のおかげかも。
 多分そう。きっとそう。そうじゃなきゃいけない!!)

妙に乳に対して対抗意識を燃やす姫神秋沙であった。
実は、近頃Bカップのブラが少し窮屈に感じ始めたことが、姫神秋沙は嬉しくて堪らなかった。
(ふふっ。順調ならもうすぐ私もCカップ。
 これでバスト勝負なら御坂さんに圧勝。
 まあ所詮相手は発育途上前の中学生。
 御坂さんには悪いけど年上のアドバンテージは有効に利用しないとね。
 上条君にアピールするならやっぱり私もセクシーなスーツに替えた方が良いかしら?)
などと一人ほくそ笑んでいたのだ。
それなのに目の前に現れたのが巨乳&露出女である。
下には下(A、AA)がいるように上にも上(D、E、F)がいるのだった。

最初ブラックキャットのエロさに唖然とし、次にその戦闘力の高さに驚いた姫神秋沙だったが
最後はこの女に巨乳を与えやがったエコ贔屓な神様に思いつく限りの暴言を吐きかけてしまった。
暴言の弾切れでようやく冷静になると、いつの間にか舞台を包む空気が一変していたこと
に気付いた。

(あれっ!?おかしい。
 あの露出女の放つプレッシャーは確かに凄いけど…………
 それ以外の強いプレッシャーも感じる。これは一体…………何?)

それはこの場に居る学園都市の住人の中で唯一姫神秋沙だけが感知できたものだった。
舞台ではブラックキャットが学園都市製バトルスーツを着た御坂美琴を圧倒している。
相手が魔術師だとうすうす感づいているからこそ姫神秋沙は不思議だった。

以前、姫神秋沙はインデックスから魔術について話を聞いたことがある。
魔術師はそもそも能力を持たない普通の人間だということ。
魔術に必要な魔力は体内で様々な術的作業を行って初めて生まれること。
そして強力な魔術ほど莫大な魔力が必要であり、その魔力精製作業が魔術師の身体を圧迫
するために強力な魔術師ほど運動機能としての持久力が少ないこと。

ブラックキャットが強力な魔術によって戦闘力を飛躍的にあげているのならば、超能力者
(レベル5)を圧倒し続けるには100m走のペースでフルマラソンを走りきるほどのスタミナか
外からのサポートが必要なハズだ。
姫神秋沙は何かしらの魔術がある種の力場を形成しているのだろうと考えたが、いくら
神経を研ぎ澄ましてもその正体が判らない。

姫神秋沙が判らないのは当然である。
魔術に精通した人間であったならばカナミンショーを見に来るとは思えない年齢の人間が
観客席にチラホラと混じっている不自然さに気付いたかもしれない。
しかし彼らは天草式十字凄教の精鋭10名である。
風景に溶け込むように巧妙に群衆に紛れ込む彼らは自分の隣に座っている学生にすらその
存在を認識させていない。

姫神秋沙はカナミンを介してではあるが世界で唯一魔術を扱える能力者である。
それに魔術を指南した人物が10万3000冊の魔導書を持つ禁書目録(インデックス)
なのだから科学サイドでは魔術に詳しい人間だと言える。
しかし膨大な魔力を持ち強力な魔法を使えても魔術に関する知識と経験は魔術サイドに
おいては初級者レベルに過ぎなかった。
対する天草式十字凄教の実戦部隊は少人数ながらもその実力は今や魔術サイドにおいて
トップクラスと言われている。
例えるなら才能溢れる素人ボクサーと世界チャンピオンとの一戦だろう。

918■■■■:2009/12/29(火) 22:31:21 ID:nuRhToZ6
(3−22)
天草式のメンバーの内5人は舞台を取り囲むように観客席のみならず通路やスタッフルーム
にまで入り込んでいる。
彼らを線で結べば陰陽道における魔除けの呪符『五芒星』になるのだが、存在感を際だた
せることなくそこに存在する彼らに誰も気付かない。

また五芒星の内にできる五角形の頂点には前もって緑、紅、黄、白、黒のビニールテープ
で舞台の床に×マークが描いていた。
緑、紅、黄、白、黒はそれぞれ陰陽五行説の木・火・土・金・水の5元素を表す。
五和の登場に合わせて彼らが所定の位置に動いたことで五芒星が完成し五和への防御術式が発動したのだ。
姫神秋沙が感じた違和感の正体はこれであった。

五和は常にこの五角形の内側に身を置きつつフリウリスピアのリーチを最大限利用し闘っていた。
だから緒戦において下手へ後退する御坂妹を追撃しなかった。

5人が五芒星を構築し、残り5人が五芒星を介して戦闘によって消耗していく各種術式を
補強していた。
一見すると彼らは舞台に向かってただ声援を送っているようにしか見えない。
しかし彼らは声援の中に五和をアシストする言霊を組み込んでいた。
超能力者と対峙している五和は一瞬たりとも気を抜くことなどできない。
だから天草式のメンバーは反射速度や筋力を増強する術式や防御魔術・回復魔術などを
五和に替わって常に上書きしていた。
つまり御坂美琴は11人の魔術師を相手に闘いを繰り広げていたのだ。

天草式の精鋭が相手では姫神秋沙がどんなに神経を研ぎ澄まそうが相手の術が何なのか、
どこに何人潜んでいるのかを探り当てることなどできない。
ようやく姫神秋沙は相手が魔術師の集団であり、その実力が今の自分では太刀打ちできな
いほど高いことに気付く。

だが姫神秋沙は諦めなかった。
姫神秋沙の使い魔(アガシオン)はカナミンの容姿をしているが、元々は大地を走る竜脈
からテレズマを吸い上げ姫神秋沙に集める式神のような存在だ。
もし今強力な魔術が発動しているならその影響は水面に伝わる波紋のように竜脈に乱れを
生じさせるはずである。
姫神秋沙はカナミンを介して僅かな竜脈の乱れを読み取り波紋の中心にある術式の起点を
探し出そうとした。
そして目を閉じて意識を地下の竜脈に向ける。

(クラウンパレスって不思議な所。
 たくさんの竜脈が地下で交差してる。まるで人体の経絡。
 地表近くに3本、それに地下深くに5本の大きな流れがある。
 それに細かい支流が100本以上。
 あれっ?……………………
 表層の3本からテレズマが渦を巻くように地上に吸い上げられている。
 それだけじゃない。渦はもっと下まで伸びて全部の竜脈に繋がっているみたい。
 あからさまに不自然なんだけど……………………
 ここから100mも離れてるから…………こことは関係ない…………のかな???)
 
姫神秋沙は改めてこの会場の真下を流れる2本の大きな竜脈とその12本の支流に意識を集中させる。
確かにそれらの竜脈の流れが時々わずかに揺らぐのを感じる。

(この揺らぎを生む波紋の中心がこの魔術の起点となる魔術師か霊装のはず)

しかしその作業は砂浜に落ちた米粒を探すようなものであり、とてつもない集中力を必要とした。
姫神秋沙の額に珠のように噴き出す汗はこの陽気のせいだけではない。
集中すること十数分ようやく波紋の中心を探り出した。

(見つけた!
 舞台の上。しかも1カ所じゃない。5カ所!
 あれかしら!舞台の床にビニールテープで描かれた×印。
 あそこに何かしらの霊装が隠されているハズ。
 よーし。あそこに魔法を叩き込めば…………)

しかしその時、鳩尾を押さえる御坂美琴に槍が叩き付けられようとしている様子が目に入る。

(あっ。危ない!御坂さん!!)

姫神秋沙は魔法攻撃を後回しにして急いでカナミンを御坂美琴のもとに向かわせる。
舞台上手に建つ塔の先端から一直線に御坂美琴の後ろに舞い降りた。
そしてイージスフィールドをまとわせた薄紫色に輝くマジカルステッキを頭上高く掲げる。

「バキッ」

マジカルステッキが振り下ろされたフリウリスピアを受け止めると低い打撃音が舞台に鳴り響いた。

919■■■■:2009/12/29(火) 22:32:04 ID:nuRhToZ6
(2−23)
カナミンの体内を「ズゥーン」というとてつもなく重い衝撃が通り抜けた。
それはまるで打撃の瞬間に穂先が変質しその質量を何千倍にも増やしたような一撃だった。
その瞬間カナミンの両腕にノイズのようなさざ波が走りその肌にパズルのような線が浮びあがった。

『運動量保存則』を無視した攻撃は学園都市製耐爆スーツであっても防ぐことはできなかっただろう。
もし御坂美琴がこの一撃を食らっていたら一瞬で意識を刈りとられていたに違いない。

渾身の打撃を受け止められたブラックキャットがカナミンを睨み付けてくる。
少し遅れてダメージの抜けきらない御坂美琴が不思議そうに後ろを振り返ってきた。
御坂美琴と視線を合わせるとカナミンはニッコリと微笑みウインクしてみせた。
その表情は(大丈夫!私に任せて)と言っているようだ。

カナミンがグリップを握る右手の人差し指を立てると指先に白い羽毛のような『癒之御使
(エンゼルフェザー)』が現れる。
そして『癒之御使(エンゼルフェザー)』を御坂美琴に届けようとするが、その直前にブラック
キャットに先手を打たれてしまう。
(御坂美琴が回復して2対1となれば勝機はない)そう判断した五和は先手を取って攻撃
魔術を2人にぶつけることにしたのだ。

五和は大きく後方に飛び退き2人から距離を取る。
跳躍中にフリウリスピアを脇に挟み左手の円形盾の裏から青い紙切れと鉛筆を取り出し、
着地と同時に床に青い紙切れを叩き付け鉛筆で青紙に点を穿つ。
水を象徴する青紙に点を穿つことで氷の術式を発動させる。
すると青紙から1mもある鋭い氷柱が「ジャキン!」と突き出る。
そして次々と現れる尖った氷柱がその鋭い先端をミサカ美琴達に向け襲いかかる。

カナミンはマジカルステッキを握る右手に力を込め前方へ先端を振り出す。

「シュプリームフレア」

赤く輝くマジカルステッキから火炎がほとばしり押し寄せる氷柱をことごとく溶かしていく。
だがその拍子に御坂美琴に向かうはずだった『癒之御使(エンゼルフェザー)』はヒラヒラと
舞い上がってしまう。

一方、五和は「チッ!」と舌打ちすると今度は両掌を身体の前で打ち合わせる。
五和の両掌にはそれぞれ『火』の文字が書かれていた。
二つの『火』を重ねることで炎の術式が発動し炎の龍が解き放たれる。
五和の両手からこぼれ出た炎が瞬く間に全長5mもの炎の龍へと成長する。
そして炎の龍は鉄傘近くまで舞い上がるとそれ自身がまるで意思を持つかのようにその炎
の瞳で御坂美琴達を睨み付ける。
近くの照明用ライトが炎の龍の放つ高熱で次々と砕け散り、粉々になったガラスがさらに
溶かされ、まさにガラスの雨となって舞台に降り注ぐ。
炎の龍は炎が溢れ出す口を大きく開けると御坂美琴達に炎の牙を突き立てようと襲いかかる。

「スプラッシュ・ウイップ」

マジカルステッキから大量の水が吹き出すと水の鞭となって炎の龍を迎撃する。
水の鞭が炎の龍に何重にも巻き付きその身体を締め上げていく。
しかし炎の龍の熱量は巻き付いた水の鞭を蒸発させ水蒸気を激しく噴きあがらせる。
炎の龍が水の鞭を焼き千切ろうと身をくねらせる度に水の鞭からさらに激しい水蒸気が吹き上がる。
しかし炎の龍は徐々にその動きを鈍らせ始め僅ではあったがその身体を萎ませ始めた。

劣勢となった五和は円形盾から細長い赤紙を取り出しフリウリスピアに貼り付ける。
するとフリウリスピアの穂先が真っ赤に輝き出す。
その赤光を放つ穂先を五和が炎の龍にかざすと炎の龍は再び火勢を強めていく。

五和はフリウリスピアの三つ又の穂先と柄を「火」という漢字の3画に対応させ、貼り付
けた赤い紙を4画目とすることでフリウリスピアに火の象徴を与えていた。
それを炎の龍にかざし三重に火を重ねることで炎の龍はその火勢を一気に倍増させたのだ。
一気に膨れあがった炎の龍は今にも水の鞭を引き千切りそうだ。

御坂美琴は目の前で繰り広げられる魔術師の闘いを何もできずに眺めていた。
一度弱まったはずの炎の龍が再び火勢を増し迫ってきているのに身体はまだ動かない。
「炎の龍の額にある核を潰して!」という声を聞いた気もするが、ブラックキャットから
受けたダメージが抜けきっていない身体はまだ言うことを聞いてくれない。
そんな御坂美琴の頭に一度は舞い上がってしまった『癒之御使(エンゼルフェザー)』が
静かに舞い降りてきた。

920■■■■:2009/12/29(火) 22:33:07 ID:nuRhToZ6
(3−24)
時間を遡ること5分、ミサカ10032号こと御坂妹は暴徒鎮圧用の非致死性ゴム弾を
装填したライアットガンを構えていた。
先ほど舞台において五和に軽くあしらわれてしまった御坂妹は武器を持ち替え観客席の左
後方にある照明灯の基部に移動していた。
攻撃をロングレンジからの銃撃に切り替えたのだ。

とはいえ標的までは僅か40m、ライアットガンであっても確実に仕留められる距離である。
照準を女幹部の背中に合わせた時、彼女のオリジナルである御坂美琴にフリウリスピアが
振り下ろされようとしていた。
御坂妹は迷わず引き金を引き絞る。

「ダァン!バキッ!」

しかし外れるはずのないゴム弾は標的に命中しなかった。
ゴム弾は舞台の床で跳弾し奥の書き割りを破壊しただけだった。
狙撃に気付いた標的が回避した訳ではない。
それなのに弾は標的をかすりもしなかった。
表情の変化に乏しい御坂妹ではあるがその顔には明らかな戸惑いの色が浮かんでいる。

「ナゼ???とミサカは戸惑います。ミサカの射撃手順にミスはありませんでした。
 この銃に不具合が生じた形跡も見あたりません。一体何が起こったのでしょう?」

御坂妹は気付かないが天草式が展開した魔法陣には弾丸よけの術式も組み込まれていた。
五和達が今回の闘いにおいて御坂美琴の次に警戒していたのは遠距離からの狙撃であった。
その弾丸よけの術式は光学操作系の能力に酷似しているが、防御対象にむけて遠距離から
殺気を集中させる者に対してのみ作用しその視覚情報を攪乱する。
御坂妹が標的に集中するほど照準は少しずつ狂わされていくのだ。

(標的は何らかの方法で照準を狂わせている模様。
 光学操作系能力の可能性が高いと思われるもののその原理は不明。
 現状のままではミサカの銃弾が標的を捉える可能性は0.01%以下です、
 とミサカ10032号は現状を報告します)

(大丈夫です。私達がついています、とミサカ10039号は声高らかに宣言します。
 ようやくミサカ達の出番がやって来ました。全員先ほどの狙撃を観測しましたか?」
(ギリギリ間に合いました、
 とミサカ17255号は左側階段後方より息を整えつつ報告します)
(10分も前に到着し5列目左端の座席を確保済みです、
 とミサカ19090号は余裕の表情で報告します)

(4分前から待機中のミサカも正面階段の中段からしっかり観測しました、
 とミサカ15678号は申告します)
(7分前から座席『ほ−43』にて観戦中です
 とミサカ10100号は途中売店でジュースを買わなければもっと早かったのにという
 事実は秘匿しつつ報告します)
(正面最前列『最終信号』の左横を確保しました、
 とミサカ19961号は上位個体とポップコーン争奪戦を繰り広げつつ仕事はちゃんと
 していますよと報告します)

(右後方照明灯基部からは観客席の妹達(シスターズ)の配置まで良く判ります
 とミサカ16483号は報告します。しかしミサカ13577号の姿が確認できません。
 どうしたのでしょう?)
(上手側舞台袖に潜伏中です、
 とミサカ13577号は侵入に使った段ボール箱の中から舞台を覗き見つつ『どこかの
 段ボール箱を被った工作員』気分を満喫しています)

「ミサカ10032号の視覚に何らかの欺瞞情報が上書きされた可能性が94%以上、
 とミサカ10039号は共有された視覚情報から判断します」
「お姉様に視覚を操作されている様子がないことからこの能力の作用範囲は特定の条件を
 満たすものに限定されていると考えられます、とミサカ19090号は推測します」
「ミサカ10032号の視覚に何らかの細工がされているなら、9人の視覚情報から標的
 の3次元像を再構成すれば特定パターンのノイズが現れるはず
 とミサカ15678号は提案します」

「ミサカ達9人から任意にピックアップした視覚情報から1510通りの3次元像を再構築し
 比較すればミサカ10032号の視覚に上書きされた欺瞞情報を割り出すことは可能です
 とミサカ16483号は補足します」
「妹達(シスターズ)9968名で演算すれば47秒で結果が出るはずです
 とミサカ10039号は演算開始の号令を全ミサカに発信します」

────────────────────────────────

921■■■■:2009/12/29(火) 22:34:00 ID:nuRhToZ6
以上です。
残り4レスで「ミサカ、巫女と美琴」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」
はお終いです。年内(2,3日中)には投下する予定です。

922■■■■:2009/12/29(火) 22:55:58 ID:96lsDuRw
>>914

電撃文庫MAGAZINEに付録としてついてました。
禁書が表紙のやつです。

923■■■■:2009/12/29(火) 23:03:38 ID:00VVzmds
>922さん!
どういう感じでしたか? 内容を少し教えて頂くと嬉しいです

924■■■■:2009/12/29(火) 23:26:12 ID:wnHJCYP6
>>921
GJ
ショーが水面下で魔術と科学の戦争になりかかっている件。
どっちもそんな気はないんだろうけどねwww

>>923
空気嫁
スレタイも嫁

925■■■■:2009/12/30(水) 01:03:08 ID:oo6aF5I2
>>924
まぁそう言わずに。
>>923
ステイルがメインで
「明け色の陽射し」という魔術結社のボスの妹が
イギリス清教から派遣されたエージェントに追われ
それに手を貸す、という感じです。
付録はMAGAZINEに短期連載されていたもの(小説と漫画の二つ)のまとめで
本体に最終話が載っています。

926■■■■:2009/12/30(水) 01:21:02 ID:2g7gBa.U
そろそろ次スレだな。

927■■■■:2009/12/30(水) 11:57:02 ID:IWVHtJsE
>925さん ご解説どうもありがとうございました

928■■■■:2009/12/30(水) 21:30:55 ID:IWVHtJsE
並行世界まだかなぁ〜

929■■■■:2009/12/30(水) 23:32:42 ID:mDLsUKz6
ここはてめーのTwitterでもサイトでも何でも無いぞ

いい加減黙れ

930■■■■:2009/12/30(水) 23:58:19 ID:0a3O7ZEs
ただの荒らしだ放っておけ
構う奴も荒らしだ放っておけ

931■■■■:2009/12/31(木) 00:02:39 ID:wOLgnGuE
気分を変えてssを投下します。
「ミサカ、巫女と美琴」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」の「最後の4レス」
+「おまけ」で5レス分です。
この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
本物語は「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天
使のささやき)」の設定を流用しており、姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』では
なく『癒之御使(エンゼルフェザー)』を持っています。そして学園都市の小学生からは『カ
ナミンマスター』と呼ばれ使い魔(アガシオン)である『超機動少女カナミン』を使役す
ることで魔法を使うことができます。
上記の2作品を読んでおられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思
っていただけると幸いです。

932■■■■:2009/12/31(木) 00:03:32 ID:wOLgnGuE
(3−25)
「演算終了。
 ミサカ10032号の照準誤差が発射直前の3.2秒間に指数関数的に増加したことを
 確認。標的への集中によって視野が狭くなることに乗じて狙撃者の視覚を撹乱したもの
 と結論づけます、とミサカ19090号は演算結果を報告します」
「ではミサカ10032号は照準後ミサカ達のナビゲートに従って照準を修正して下さい。
 敵能力の影響が少ないミサカ10100号、13577号、19090号、19961
 号が3次元像を構築し、残りのミサカがナビゲートします
 とミサカ10039号は射撃手順を懇切丁寧に説明します」
「「「「「「「「 了解 」」」」」」」」

その時舞台では一度弱まった炎の龍が再び火勢を強めてカナミンを圧倒しつつあった。

「お姉様がピンチです、とミサカ10032号は簡潔に報告します。
 能力の起点と思われる赤光を放つ槍の穂先に照準をセットしました。
 以後のナビゲートをお願いします」
「では照準を現在より右に1度23分、下に0度14分修正して下さい
 とミサカ10039号はナビゲートします」
「了解。発射します!」

打ち出された御坂妹の弾丸はフリウリスピアの穂先を捉えた。
穂先にヘビー級プロボクサーのパンチ並みの衝撃を受け、五和はフリウリスピアを炎の龍
から大きく逸らしてしまう。
術式を破られた炎の龍はその火勢を急速に減じていく。
五和は弾かれたフリウリスピアを引き戻して術式の再構築を図るが、その火勢が戻ることはなかった。
五和の目の前で炎の龍が薄れると、そこには砂鉄の剣で炎の龍の額を貫き炎の核を切り
裂いた御坂美琴の姿が現れた。

御坂美琴はさらに五和に斬りかかろうとするが、カナミンにスーツの襟を掴まれに空中へ
釣り上げられてしまう。

「ちょっ、ちょっと!」

文句を言う御坂美琴に構わずに空中に飛び上がったカナミンはマジカルステッキを白く輝かせる。

「クリスタルダイヤモンド!」

カナミンを取り巻くように空中に5つの氷の槍が現れる。
カナミンがマジカルステッキを振るうとそれらは矢のように飛んで舞台に描かれた5つの
×マークを同時に射抜いた。

その結果、五芒星に注がれていた大量の魔力が行き場を失い暴走する。
うっすらと燐光を放つ五芒星が浮き出たと思った瞬間、眩いほどの閃光を伴い周囲に電磁
波を撒き散らし会場内のいくつかの電子機器を故障させた。
それは意外な所にまで作用してしまう。
自爆機能など付いているハズの大型スピーカーシステムがなぜか大爆発したのだった。
周囲に大量の部品を撒き散らし、部品の一つが天井にまで届いた程だ。
当然のことながらそのスピーカーの横には世界一不幸な高校生上条当麻がいた。

上条当麻は舞台でバトルを続けている美少女達のことを皆良く知っている。
だからこそどちらに肩入れする訳にも行かず、戦闘開始以来目立たぬように舞台の片隅にいたのだ。
そんな上条を爆風が舞台中央へ押し出した。
さらに天井まで吹き飛んだ部品が照明用ライトを上条目がけて落下させる。

「おっわったった!」

上条はとっさに身体を捻って落下してきたライトを避けたが更にバランスを崩す結果と
なり上条は顔から舞台に倒れ込む。
しかし上条が顔面を叩き付けたのは硬い床板ではなく柔らかい物体だった。
それは天草式の術式が破られたことに気を取られた五和の無防備な胸だった。
上条は不幸(?)にもそんな五和の胸の谷間に顔をすっぽり埋めていた。
1.3秒後その正体に気付いた上条は慌てて五和から離れる。
先に口を開いたのは狼狽える上条ではなく五和だった。

「だ、大丈夫ですか?当麻さん」
「わっ、悪りぃ。五和」
「いえ、気になさらないで下さい。当麻さんのお役に立てたのなら嬉しいです」

そして顔を赤らめて見つめ合う五和と上条。

「「ビッシィィッ!!」」

上条と五和は気付かなかったが、この時舞台奥と舞台袖にいた二人の美少女のこめかみに
浮かんだ青筋がブチ切れていた。

その一人、御坂美琴は既視感(デジャヴ)に囚われていた。
(なによ!アイツったらデレデレしちゃって!巨乳がなんだっていうのよ!!
 でも、さっきの光景ってどこかで見たことがある…………どこだったかしら?…………)

もう一人の姫神秋沙も上条が口にした名前に聞き覚えがあった。
(上条君ったら。もう!なんで私じゃないのよ!私だってそれなりに大きいのに…………
 でも。さっきの名前はどこかで聞いたことがある…………どこだったかしら?…………)

(( …………、あーっ!思い出した!! ))

933■■■■:2009/12/31(木) 00:04:16 ID:wOLgnGuE
(3−26)
御坂美琴は思い出した。
(そうだ、街でサッカーボールがアイツの頭に当たって隣の女の胸に倒れこんだ時だ。
 それにあの巨乳はスパリゾート安泰泉の湯船でチラッと見えたあの胸)

姫神秋沙も思い出した。
(そうだ。インデックスさんが『たまに上条君の下宿に来る』って言っていた女の名前。
 そしてこの露出狂の名前も五和) 

((ということは…………この巨乳女(露出女)は私の敵!))

御坂美琴と姫神秋沙。二人の心が一つになった瞬間であった。

「いくわよ、秋沙!」
「任せなさい。御坂さん!」

「いっけえぇぇ────────────!」

超電磁砲(レールガン)が咆吼を響かせ観客席を背にする五和に放たれる。
「ひッ!!」その迫力に思わず五和は上半身を捻ってその一撃を回避してしまった。
(しまった)と五和が観客席へ振り向いたとき、観客席に直撃すると思われたのレールガンが
魔法障壁(イージスフィールド)に弾かれ斜め上方に飛び出すのが見えた。

「ほら、どんどん行くわよ!」

続けて御坂美琴からレールガンが3連射される。

一撃目。なんとか素早い足裁きで身体を横に滑らせて避けることができた。
しかし天草式からのサポートが途切れた状態での無理な体重移動は五和をふらつかせる。

二撃目。回避を諦めフリウリスピアを両手できつく握りしめ身構える。
レールガンが直撃すれば魔術的補強を施したフリウリスピアとはいえタダでは済まない。
だから弾き返すのではなく斜め後方に弾いて逸らす必要があった。

五和は音速の3倍で飛来するコインをフリウリスピアの柄に当て後方に弾き飛ばすという
神業を完璧にやってのけた。
同時にフリウリスピアが砕けないようにレールガンの衝撃を手首、肘、肩、腰、膝、足首
全てを使って受け流す。
それでも獰猛な衝撃は五和の身体の中で荒れ狂い骨・筋肉・関節構わず容赦なく軋ませる。
しかも一瞬遅れでやってきた衝撃波が身体の外から追い討ちをかける。

三撃目。最後の一撃もフリウリスピアで弾いた。
しかし二撃目のダメージが残る五和の身体はもはやその衝撃を受け流すことができない。
もろにレールガンの衝撃を受けたフリウリスピアは粉々に砕け散り、衝撃波は五和を大きくよろめかせる。

「これでお終いよ!」

フリウリスピアを失いバランスを崩した五和にトドメのレールガンが放たれた。

しかし激しい閃光が舞台を満たしたもののその後に続くハズの爆音と衝撃波はなぜか起こらなかった
閃光がおさまった舞台では御坂美琴と五和の間に割って入った怪人(上条)が御坂美琴へ向け右手を突き出していた

「なっ、なんで?」

戸惑う御坂美琴。そして呆然と立ちつくす五和。
怪人(上条)は彼女たちには構わず、とってつけたようなセリフを吐き出す。

「ブラックキャット様!我々ではとても敵いません。
 ここはひとまず撤退しましょう。
 憶えていろ!カナミン。それに雷光の双子(ジェミニ)。
 次こそは叩きのめしてやるからなああぁぁぁ!」

怪人(上条)は捨てぜりふを吐きながらブラックキャットの手を引いて舞台上手へと脱兎
のごとく走り去ってしまった。

あまりの急展開に御坂美琴は舞台上で呆気にとられて身動きできないでいる。

「こうしてカナミンと『雷光の双子(ジェミニ)』によって学園都市の平和は守られた。
 しかし学園都市を狙う悪の組織が滅んだ訳ではない。
 超機動少女(マジカルパワード)カナミンの闘いはまだ終わらない! 
 頑張れカナミン!学園都市の平和を守れるものは君達しかいない!」

舞台のスピーカーからとってつけたようなナレーションが流されると、舞台下手から進行
係のお姉さんが登場する。

「みなさ〜ん。どうでしたか〜〜?」

お姉さんは今回の騒動があたかも脚本通りだったかのように、にこやかな表情で観客席に
手を振ると、めくれ上がった床板を軽やかなステップで避けて歩き、砕け散ったガラス片
は軽く跳び越えて舞台中央までやって来た。
プロ根性が為せる業である。

「これをもちまして『超機動少女カナミン=ダイバージェンス=』ショーは終演で〜す。
 では皆さん!学園都市の平和を守ってくれたカナミンさんと本日の特別ゲスト『雷光の
 双子(ジェミニ)』さんに大きな拍手を!」

「「「わあ──────!」」」

観客席から割れんばかりの大きな拍手と歓声が沸き上がる。

934■■■■:2009/12/31(木) 00:05:33 ID:wOLgnGuE
(3−27)
一方舞台をはけた上条と五和は舞台袖の荷物搬入口まで逃げてきた。

「はあ、はあ、ここまでくれば一安心だ」
「あっ、あのー、当麻さん。先ほどは助けて頂きありがとうございました」
「気にするなって。
 御坂のヤツも何考えてんだ!小学生にスプラッターを見せる気だったのか、全く。
 そんなことより一体どうしたんだ。五和!?」
「はい。まさか弾丸よけの魔法陣が破られるとは思ってなかったもので焦っちゃいました。
 それに天草式の皆で張った結界まで破っちゃうなんて、やっぱり皆さんすごいですね」

「そうじゃなくて、五和。この茶番は一体何なんだ!?」
「えーっと、どういうことかと尋ねられましても……………………ハハッ、アハハッ」

笑って誤魔化そうとする五和に上条は詰め寄る。

「そもそも天草式は一体学園都市(ここ)で何してやがる!?」
「それはですねぇー、そのーっ、私達は学園都市からの依頼で動いて…………」
「何!学園都市からの依頼だぁあ?」
「わっ、わっ、ゴメンナサイ。今のは内緒の話なんです。
 お願いです!今のは聞かなかったことにしてもらえません?」
「バカ野郎!そこまで話を聞いて、簡単にハイそうですかって言えるか!」
「じゃあ後で必ずお話しますからそれまで内緒にしてもらえませんか?」
「後っていつだよ?」
「では火曜日の夕刻、当麻さんの下宿でよろしいですか?」
「それまで黙ってりゃ良いんだな。ああ、わかったよ」
「ありがとうございます。では火曜日に」

そう言うと五和は荷物搬入口からスルリと外へ抜け出した。
あんな格好のまま外へ出て大丈夫か?と心配した上条が搬入口から顔を出した時には五和
の姿はどこにも見えなかった。
どこかで人払いの術式を掛けたのだろう。引き際の速さも天草式らしかった。

「(ようやく終わったな)ふーっ」と一息ついた上条上条であったが「当麻さん」と突然
背後から掛けられた呼びかけにビクッと身体を震わせる。

「当麻さん、とミサカは再度呼びかけます。ひょっとしてお邪魔でしたか?」
「み、御坂妹。えーっと、お前いつからそこに?」
「確か『私達は学園都市からの依頼で動いて』という辺りからです、とミサカは正直に応えます。
 あの人が当麻さんのお知り合いだったということは、ミサカがあの人の槍を狙撃した
 ことは当麻さんにとって余計なお世話だったのでしょうか?
 とミサカは当麻さんの反応を探るように問いかけます」
「そんなこと無いぞ!お前は良くやった。
 五和のヤツもまさか弾丸よけの魔法陣が破られるとは思わなかったってビックリしてたぞ」

「ではミサカは当麻さんのお役に立ったのですね?
 とミサカはまだ少し不安げな表情を残したまま尋ねます」
「当たり前だ!」
「では、ミサカは当麻さんにご褒美を要求します
 とミサカは少し頬を赤らめながらもここぞとばかりに当然の対価を請求します」
「えっ?えーっと、ご褒美?
 ちょっと待て!(貧乏)学生の俺に余裕(お金)なんてないぞ!」

「当麻さんに経済的余裕がない、端的に言えば貧乏だ、ということぐらい承知しています
 とミサカは無理難題を押しつけるつもりはありませんと予め断っておきます。
 その代わり当麻さんのお時間を少しミサカに頂けませんか?
 とミサカは当麻さんにとってもリーズナブルな提案をしてみます」
「時間?」
「はい。水曜日の放課後をミサカのために空けてもらえませんか?
 とミサカはこれぐらいならOKでしょという口調でお願いしてみます」
「(ホッ、それくらいなら問題ないよな)そんなことならおやすいご用だ!まかせとけ」

「「「「「「「「「 約束しましたよ 」」」」」」」」」

突如響いたサラウンド音声に上条は狼狽える。
なぜだか背中に冷たい汗が流れ出した上条は恐る恐る後ろを振り返る。

「げっ、御坂妹がいっぱい!!」

そこには常盤台中学校の制服に身を包み頭にNVゴーグルを着けた全く同じ顔の美少女達
がズラリと並んでいた。
妹達は一斉に顔を赤らめるとサラウンド放送を再開した。

「「「「「「「「「 水曜日が楽しみです、とミサカは満面の笑みを浮かべます 」」」」」」」」」
「「「「「「「「「 確かに約束しましたからね、とミサカは再度念を押します 」」」」」」」」」

サラウンド放送を終了した妹達は嬉々として三々五々に帰っていった。
呆気にとられて暫く真っ白になっていた上条が正気に戻ると既に妹達の姿はなかった。
上条は「ふ──────っ」と盛大なため息を漏らした。

935■■■■:2009/12/31(木) 00:06:32 ID:wOLgnGuE
(3−28)
しかし「上条君」と再び掛けられた声にまたしても上条はビクッと身体を震わせる。

「そ、その声は姫神さんでしょうか?と上条さんは少しオドオドしながら問いかけます」
「どうしたの?上条君。口調が変。何かやましいことでもあるのかな?」
「いや、そんなことは決してありません。上条さんは清廉潔白です」

上条は振り返りつつ不自然なほどのオーバーアクションで否定してみせた。

「そんなことより。上条君。ほっぺから血が出てる」
「えっ、そうなの?」

上条が左手の甲で右頬をこすると手の甲に赤い血がついていた。
どうやら先ほどの爆発の際破片が頬をかすったようだ。

「早く治療しないといけない」

そう言いながら上条ににじり寄ってくる姫神秋沙を上条は両掌で牽制する。

「いや。大丈夫だって、姫神。こんなかすり傷、唾でも付けてりゃ治るって!」
「上条君!!」

姫神秋沙のしかりつけるような声に上条は言葉を詰まらせてしまった。
これ以上抵抗してもどうにもならないようだ。

「傷を見せなさい!」
「…………はい」

姫神秋沙は右手を上条の顎に当てると左手で右耳を引っ張って上条の右頬を引き寄せた。

「ホラよく見てみろ!大したこと無いだろ…………」

そう言いかけた上条は右頬に暖かい吐息がかかったと思うと姫神秋沙の濡れた唇が右頬に吸い付くのを感じた。
軟体動物が蠢くような感触に上条の脊髄をゾクゾクゾクと電流が突き抜ける。
それは不快なものではなかった、というより不快とは正反対の感覚だった。

顔を真っ赤にする上条であったが姫神秋沙に耳をつままれているため身動きできない。
そして上条の頬に吸い付いた姫神秋沙が唇を離すと今度はたっぷりと唾液を含んだ舌が
その舌腹で上条の傷を優しく舐めあげる。
そして再び唇を押しつけると少し開いた唇の隙間を舌先が触れるか触れないかの強さで
チロチロと上条の傷を愛撫するように何度も往復する。
その身体の芯まで痺れてしまうような感触に上条は耳たぶまで真っ赤にしてしまう。

「ちょっ、ちょっと姫神!なにやって…………」

上条の傷を舐めていた姫神秋沙は頬に付いた唾液を吸い取るように「チューッ」という
音を立てるとようやく唇を離した。

「はい。治療お終い!」
「ちっ、治療?」
「君が唾でも治るからって言った。でも君の舌は君の頬には届かない。だから私の出番」

そう言う姫神秋沙の顔は真っ赤に染まっていた。
そしてどこからか絆創膏を取り出すと上条の頬にペタっと貼り付けた。

「でも化膿しないか心配だから明日の放課後上条君の下宿に様子を見に行ってあげる」
「いや、大丈夫だって!こんなの傷のうちにも入らないからさ。別に明日来なくてもさ」
「だって、火曜日と水曜日はダメなんでしょ?」
「うっ!(バレてる。全部バレてる。五和のことも、妹達のことも…………)」

上条は言葉を詰まらせた。
どうやら先ほどまでの会話は全て姫神秋沙に聞かれていたようだ。
ここにいたって上条は無条件降伏を受け入れるしか選択肢が無くなっていた。

「…………よっ、よろしくお願いします…………」
「どういたしまして。上条君。お大事にね」

そう言う姫神秋沙の顔は満面の笑みで溢れていた。
まるでワルツのステップを踏むような軽やかさで姫神秋沙がクルッと回転するとルンルン
とスキップしながら舞台側の出口へと出て行った。
一人残された上条当麻はそこで今日一番の大きなため息をついた。
どうやらこの一週間は大変な目に遭いそうだ。

「ふっ、ふっ、不幸だああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

to be continued.

「ミサカ、巫女と美琴」第3話「宿敵。その名はブラックキャット!」お終い。

936■■■■:2009/12/31(木) 00:07:47 ID:wOLgnGuE
(第3話 おまけ)
その一週間に何があったのかを上条当麻が他人に語ることは生涯なかった。
しかし後年発見された上条当麻の日記には以下の記述が残されていた。
『上条当麻の日記』より抜粋

○月○日(月)
 姫神が治療と称してやって来た。
 インデックスはアレが不満らしいが治療だって姫神が言うんだからアレは治療なんだよ。
 そしてその後、なぜか夕食と翌日の弁当作りを一緒に行うことに。
 やっぱり姫神って料理が上手いよな。
 幸せも束の間、ご立腹モードのインデックスに体中噛み付かれる。…………不幸だ。
 結局、姫神を下宿まで送り届けて帰って来たときには日付が変わっていた。
 でも姫神の下宿で姫神が噛み傷を治療してくれたことはインデックスには内緒にしとこう。

○月○日(火)
 なぜかインデックスだけが天草式の夕食会に招待された。
 羨ましくねえからな!すき焼きなんて…………
 かわりに五和が大量の食材を持参してやって来る。相変わらずの絶品の味に感動する。
 夕食後「最近お疲れでしょう」と言われ全身をマッサージしてくれた。
 どこか中東の国のマッサージ方法らしいがあんなに全身を使ってマッサージすれば五和
 の方が疲れるんじゃねえのか?顔も真っ赤だったし息使いも荒かったし。
 でもまあ、いろいろ気持ち良かったのは確かだ。

○月○日(水):
 なぜかインデックスが出してもいない懸賞に当選した。
 自分の完全記憶能力よりも眼前の中華フルコース招待券を信じるとは…………少しは疑え!
 インデックスが出払ったのを見計らったように御坂妹&8人の妹達が押しかけて来た。
 なぜだか一人最低1時間のノルマを課せられる。
 でも上条さんの体力はこれ以上持ちません。許して下さい!
 どうやら残りは翌日に持ち越しだそうだ。はあ────っ

○月○日(木):
 またしてもインデックスが懸賞に当選した。
 だから消印のない手書きの当選葉書なんかを信じるんじゃない!
 残りの妹達だけやって来るはずがなぜかまたもや全員やって来た。
 だから上条さんの体力は持ちませんって!
 ご奉仕しますだの言ってたけど、結局自分たちが愉しんだだけじゃねえのか。全く!

○月○日(金):
 今日インデックスは小萌先生の家にお泊まり(お食事付き)だ。
 夕方やって来た御坂美琴はなぜか私服姿だった。おーっ、新鮮だ!
 早速特性スポーツドリンクの作り方を教えて貰う。
 途中少しうたた寝したのがいけなかった。
 目が覚ますと御坂が顔を真っ赤にして食って掛かってきた。
 で、結局なんだかんだとなだめるのに時間がかかっちまった。
 でもまさか御坂に朝飯を作ってもらうことになるとは夢にも思わなかった。
 あと新発見が一つ、『寝顔は可愛いんだな、あいつ』

937■■■■:2009/12/31(木) 00:08:40 ID:wOLgnGuE
以上です。
ふーっ、途中でいろいろ話を脱線させたせいで「第3話」が随分長くなってしまいました。
これだけで「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の一本分を超えたかもしれません。
もっと文章を簡潔にまとめるスキルを身に着けないとダメだなあと反省してます。
「第3話おまけ」に関しては余裕があれば文章にしていきたいと思いますが、その前に第
4話というか「ミサカ、巫女と美琴」本編を完結させなきゃいけないですね。
しばらくは第4話のプロット作りに励みたいと思います。
「第4話」を投下するのは来年の次スレになってからだと思います。ではまた。

938■■■■:2009/12/31(木) 00:12:58 ID:wLdZs68U
>>937
お疲れさまでした&GJ
いろいろカオスな5日間を過ごした上条少年に祝福という名の拳を(笑)

誤字見つけてしまったのでご報告
>自爆機能など付いているハズの大型スピーカーシステムがなぜか大爆発したのだった。
→付いているハズの「ない」大型スピーカー ですよね
スピーカーに自爆機能は困りますよ(笑)

939■■■■:2009/12/31(木) 00:41:59 ID:U9uL0osM
お疲れ様です―

940■■■■:2009/12/31(木) 02:00:40 ID:tEOKCWQU
>>937
お疲れ様です

禁書の13巻の終章を読んでて思いつきで書いてみました
もし美琴が一方通行の立場にあったらというIF物です
短めですので小ネタ程度に考えてください

設定が無茶なので矛盾している部分が結構あると思います

941■■■■:2009/12/31(木) 02:02:20 ID:tEOKCWQU
1/3
学園都市の暗部組織『スキップ』のアジトにレベル5がいる。
彼女は『スキップ』のリーダーだ。
彼女は打ち止めを守るために9月30日に戦った。そして打ち止めを守り抜いた。
しかし戦闘で破壊したものなどの修復費などを払うことになってしまった。
8兆円
「貴方は8兆円を払えますか?無理ならば私が仕事を紹介しますが」
「8兆円なんて...流石に無理よっ!」
「では貴方には『スキップ』のリーダーになってもらいます」
最初はかなりの抵抗があったもののやってみれば意外にいいところもある。
(悪党にも美学ってものがあるのね)
そうして学園都市第3位『超電磁砲』御坂美琴は暗部組織の一員になった。

942■■■■:2009/12/31(木) 02:03:08 ID:tEOKCWQU
2/3
美琴はいざという時のために銃持ち歩いている。
以前はそんなもの物騒だし必要も無かったためもっていなかったが暗部組織の一員だったら話が違う。
「はぁ。仕事が無いって暇ね」
美琴は暇なので暗部に関わって以来ずっと連絡していない番号に電話をかける。
あの9月30日に登録した番号だ。
そう上条当麻に。
「なにかご用事ですか?御坂様」
「なんで割り込んでくるのよっ」
「仕事の依頼なのですが。嫌ならば『スクール』あたりにでも回しますが」
「やるわよっ。こんな所もう御免だし」
久し振りに上条と話せると思ったのに『上』に入られて気分は悪かったが受ける。
「でっ、何をすればいいの?重役の護衛?」
「いやいや。そんなことではありません。ただ『幻想殺し』上条当麻を殺害していただければよろしいのです」
「!!・・・なんでそんな話を私に回すのよ」
「他でもいいんですが貴方はそれなりに親しいようですし油断した隙を狙えばこちらも後処理が楽でいいのですが。それに上条当麻を殺せなければまた妹達が危険に晒されることになります。1人と1万人。貴方はどちらをとりますか?」
「くっ。仕方ないわ。・・・やるわよ」
「有難うございます。では作戦の詳細ですけど・・・・・・・・・」

943■■■■:2009/12/31(木) 02:04:27 ID:tEOKCWQU
3/3上条当麻はスーパーに向けて走っていた。今日は肉の特売の日なのだ。
(昼寝してたら遅くなっちまった。買えなかったらインデックスに殺されちまう)
走っていると上条は最近見ていなかったが見慣れている顔を見つけた。
「おす!御坂。久しぶりだな」
「そうね」
「元気ないけどどうかしたのか?」
「いや。なんでも・・・」
「じゃあ行くぞ。特売が俺を呼んでいるっ」
「ちょっと待って!!話があるの。ちょっとこっちに来て」
「手短にたのみますよ〜」
そうして上条と美琴は路地裏に行った。
「どうしたんだよっってうわっ!なんだよいきなり」
美琴は電撃を放ってみる。
しかし案の定右手で掻き消されてしまう。
(しかたないわね...嫌だけど)
急に悲しくなってくる。
しかしここでやらなければまた1万人近い妹達が危険な目にあうかもしれない。
美琴は迷っていたがポケットの銃に手をかける。
「ほんとどうしたんだ??具合でも悪いか」
美琴は涙を流しながら拳銃を制服から抜き出した。



944■■■■:2009/12/31(木) 02:05:55 ID:tEOKCWQU
投下終了です

なんか完全にキャラが崩壊しています

945■■■■:2009/12/31(木) 09:49:05 ID:U9uL0osM
いちゃいちゃさせろやー!(噴)

946toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/31(木) 22:46:04 ID:mVqBZRf2
『並行世界(リアルワールド)』を投下します。

947『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/31(木) 22:48:01 ID:mVqBZRf2
神と人の拳が交わる時、
空間が歪む。
時間が歪む。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が激突した。
深紅の瞳が上条当麻を見つめる。
ドラゴンの背中から生えている『竜王の翼(ドラゴンウイング)』が、上条当麻を囲い込むように迫りつつあった。
神すら殺せる能力を持つ少年も、右手以外はごく一般的な男子生徒と変わらない。
「やべっ!」
地面が削れ、周囲の物体と共に消滅させる一歩手前で、上条当麻は一〇メートル以上の高さを跳び上がった。
ドラゴンは、上条当麻の浮遊が『魔王』のベクトル操作によるものだと一瞬で理解した。事実、上条当麻の肉体は、触れた時から『魔王』の支配下にある。ドラゴンは『竜王の脚(ドラゴンソニック)』によって、瞬時に座標を変更した。
再び、二人の上条当麻は拳を交えた。
ドラゴンは上条当麻の鋭い右ストレートを回避し、重い膝蹴りを胸部に叩き込んだ。
「がはッ!」
肋骨が軋む。
口から嗚咽が零れた。
反動を受け流し、空中で一回転した上条当麻は、二発目の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を放つ。ドラゴンの左足に神殺しの拳が突き刺さった。
「GuYaaaaaaHHHHHHHHHataevokeokoth…!!」
ガラスを割るほどの振動数を持った叫びが轟いた。
(これで…ドラゴンソニックは使えないっ!)
上条当麻は、最大の問題を払拭した。
『時間転移(タイム・テレポート)』をされてしまえば、ドラゴンを滅ぼせる唯一の奇跡は潰え、作戦は失敗に終わってしまう。
痛みに耐えかねたドラゴンは、『竜王の顎(ドラゴンストライク)』で上条当麻の頭部を噛み砕こうとするが、勢いよく空を切った。紐に引かれる凧のように、少年の身体は後退した。
上条当麻に狙いを定め、『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』が発射される。
刹那、
(アプリケーション〇〇九一。検体番号(シリアルナンバー)二〇〇〇一号。個体名、ラストオーダーより起動の申請。
検体名、アクセラレータ以外の申請は、パスワード――クラス『A』の入力が必要。
入力確認、開始―――――――――――――――――――――――『レッドE.M.』と判定。
『受理』
〇〇九一。アプリケーションコードネーム、『ドラゴンウイング』を確認。『マザー』による検体名、アクセラレータの存在を確認。
『三次元空間』演算による座標指定。――――――――――――――――――――完了。
アプリケーションコードネーム、『ドラゴンウイング』。
起動―――――――――――――――――――――――――――――――――――開始)
『打ち止め(ラストオーダー)』の無機質な声が、白髪の少年の脳内に響き渡る。
だが、白髪の少年には届かなかった。心の内に鳴り響く轟音に、全てが掻き消されていく。
AIM拡散力場――――――――――――――――class;9,99。Level『S』と断定。
ヴァルハラとのアクセスによる『共振』を感知。
IFM振動数を空間周波数から逆算―――――――――――――――――――――成功。
248,91[Dz/s] 。SLF;9861,000[BQ/s]。 
エマージェンシーモードのレッドアクセスのため、カウント00.00
『竜王の翼(ドラゴンウイング)』に関するステータスを確認。
ヴァルハラとのシンクロ率―――――――――――――――――――――――2.00%
ゴッドマターの出力量――――――――――――――――――――――――グリーン
アプリケーション〇〇九一。正常動作―――――――――――――――――――確認
『接続(アクセス)』―――――――――――――――――『完了(コンプリート)』)
『一方通行(アクセラレータ)』の背中から噴出した黒翼は、光線の軌道を捻じ曲げる。
ブバァアッッ!と。
屈折した閃光は空を突きぬけ、立ち込める雲を吹き飛ばし、ドロドロとした暗黒の翼が光を遮った。
「同じ手は何度も喰らわねェンだよッ!」
白髪の少年は叫ぶ。
「当麻!走れ!」
「言われなくても分かってるぜ!シンラ!」
大地を踏みしめ、少年は突き進む。

948『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/31(木) 22:53:02 ID:mVqBZRf2
「早く行きなさい!当麻!」
少年の道を阻む『闇』を、一七億ボルトの雷撃が吹き飛ばした。
黒マントを羽織った御坂美琴は叫ぶ。恋人と目を合わせることなく、彼女の意思は通じ合った。
「愛してるぜ!美琴!」
「私も愛してるわよ!当麻!」
地下水路が剥き出し、舗装された道路は見る影すら無い。至る所に漂う『闇』は、駆け抜ける少年を見つめた。

『ドラゴンウイング(竜王の翼)』の余波で、傾いていた高層ビルがついに崩壊を始めた。大小問わず、幾多の瓦礫が少年の頭上に降り注ぐ。
「おおぅ!?」
だが、
「行け。世界の英雄よ」
バゴォッ!と。
一人の聖人がガラティーンを振るい、薙ぎ払った。
シャツが斬り裂かれ真っ赤に染まっていたが、インデックスの『神々の楽園(ヴァルハラ・ディ・リューベヌ)』の魔術によって完全に治癒している。
「ウィリアム!『騎士団長(ナイトリーダー)』!」
『騎士団長(ナイトリーダー)』は剣多風水が生み出した双剣で、『闇』を次々と葬り去っていた。動きを最小限にとどめ、両腕を小刻みに揺らし致命的な斬撃を随所に与えていく。
「我々の役目はこれで終わりだ。頼むぞ。英国の救世主」
背中越しに語る姿は、騎士そのものだった。

「当麻くーん!」
「ベイロープ!?」
銀髪の少女が上条に大きく手を振る。ドロシー、フロリス、ランシスの『新たなる光』のメンバーが『闇』と交戦していた。北欧神話の雷神トールを基とした礼装を用いる魔術結社であったが、今では正式に神上派閥の一派として属している。
「負けたりなんかしたら許さないからな!」
「ど、どこにいるの!?トーマは!」
上条当麻を視認できていない金髪碧眼のフロリスが、うろうろと辺りを見回していた。声をかけたかったが、背後に迫る、槍を持った『闇』を見て、上条は息を呑んだ。
間に合わない!と、上条が思ったとき、一発の九ミリパラベラム弾が、『闇』を撃ち抜いた。
銃声が鳴る方角を見ると、硝煙を上げるベレッタW78を持ったミサカ『〇〇〇〇〇号(フルチューニン)』が、
「ゼロ!お前も来てたのか!?」
「ひどいなー。こんなにワクワクする場所には居るに決まってんじゃん!ブーブー…あっ!それとフロリス!一つ貸しだからね!」
髑髏マークの帽子を深くかぶり、にこやかに叫んだ。
『当麻様!』
今度は周囲に散らばる『妹達(シスターズ)』の叫び声が重なる。
アサルトライフルの残弾は底を突き、今は電撃の槍による攻撃を行っていた。一年前では、統一性が見られた少女たちも、周囲の環境や摂取する食糧、生活習慣から、一人ひとりに個性が出始めている。今では髪型や性格、体系にも変化が見受けられる。
「ミサカ達…お前らも愛してるぜ!」
「っ!!」
だが、変化しないものもある。
「任務の完遂は最優先事項だとミサカ一九〇九〇号は、ネットワークを通じ、全シスターズに厳命します!」
上条当麻の笑顔を間近で見てしまったミサカは頬を赤く染めた。
『…我々の、誰一人が、欠けても、当麻様は…喜びませんと、ミサカ一〇〇三二号は…重要事項、を再確認させます』
肉体を喪失した『打ち止め(ラストオーダー)』に変わり、司令塔であるミサカ一〇〇三二号は、ドラゴンの波動に当てられ戦線離脱しているが、戦況を逐一集め、戦略を練る役割を担っていた。
全シスターズが声を上げる。
『了解(ラジャー)!!』
突如として、少年の進むべき道の縁側が、五〇〇〇度を超える炎で赤く彩られた。

「期待しててくれよ!バードウェイ!」
「…ふん」
ベロアパンツに付着していた土を取りながら、頭に巻いていた包帯を捨て去り、火の魔術で燃やしていた。普段から高飛車な性格を演じている彼女にとって、格好悪い姿は見せたくなかった。それが意中の相手なら尚更である。
彼女の複雑な心中をお構いなしに、上条は笑顔を見せた。
バードウェイは腕を組み、そっぽを向く。

949『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/31(木) 22:55:02 ID:mVqBZRf2
「オッレルス!オリビア!」
中央に群れる『闇』が、空高く吹き飛ばされた。
オッレルスの『北欧王座(フリズスキャルヴ)』が起こした現象であり、聖人であるシルビアが片っ端から『闇』を捌いていた。イギリスの片隅に住んでいる二人だが、一人は『魔神』に成り損ねた魔術師であり、もう一人は世界に二〇人といない聖人。その戦闘力は凄まじさは、かつて刃を向け合った者同士だからこそ分かる。
「ミスタ、カミジョー!世界を救ってくれ!」
「こいつに会う前にお前と会ってたら、惚れてたかもね、私♪」
「俺もそうかもしれなかったな」
「…がははっ!その年で甘い冗談も言えるようになったか!ますます末恐ろしいな!お前は!」
シルビアは豪快に笑う。
ドパァン!と『北欧王座(フリズスキャルヴ)』により空気が圧縮され、闇の軍勢は一瞬で消え去った。
「…さっきのは冗談だよな?」
「さあ?」
オッレルスの答えは、軽く受け流された。ふらりと立ち寄ったミラノで人身売買を行っていた組織を潰せても、長年付き添ったパートナーの心情を未だに掌握できない、ヘたれ男だった。

「ステイル?」
「さっさと行け。あの子を悲しませるような事をしたら、僕は許さないぞ。地の果てまでも追いかけてやる」
『魔女狩りの王(インノケンティウス)』の炎で、『闇』は一向に近寄れない。知能が低いのか、『闇』の兵隊は次々に特攻し、火の海へと消えていく。上条当麻と幾多の戦場を共にしてきたステイル=マグヌスだが、彼とは未だに相容れない。インデックスの事が絡むと、彼に理屈や常識は通じない。仮にこの二人が違う形で出会っていれば、無二の戦友になれたのかもしれない。

上条当麻のすぐ横を、ロングソードが物凄いスピードで通過した。『闇』を貫き、コンクリートで出来た柱に突き刺さる。冷や汗をかいた上条が後ろを振り返ると、
「久蘭お姉様を誑かした罪で、貴方を八つ裂きにしてやりたいところですが…」
元から無表情な彼女だが、今はその三倍ほど冷え切った瞳で、『大能力者(レベル4)』の『金属使い(メタルオブオーナー)』、剣多風水は彼を見ていた。
至宝院久蘭との一件で彼女と知り合った。一人の男性として認めつつも、愛しのお姉様に並び立つには相応しくない、というのが剣多風水の評価だった。この点に置いては白井黒子と共通した感情があるようだ。
だが、今だけは認めなければならない。
彼だけが、この戦いを勝利に導く男なのだと。
剣多風水は深く頭を下げた。
「久蘭お姉様を悲しませるような事だけは、しないでください…」
「当たり前だろ!」
上条当麻は即答する。
「行ってらっしゃいませ。ご主人様」
栗色の髪が揺れる。スカートの両端を摘まみ、黒のメイド服に身を包んだ少女の姿は、まごうこと無きメイドそのものだった。
両手に精製されたカットラスを握る。
華麗なる剣舞が再開した。

「七閃!」
銃弾よりも速い鉄線が、『闇』の軍勢を屠る。
「上条当麻!神戮が第四章を終えると、世界は破滅します!急いでください!」
ビンテージの青ジャケットを羽織り、血で染まったシャツを隠している神裂火織は叫んだ。
「言われなくても分かってるさ!」
天草式の人々も、
「任せたぞ!当麻君!」
「当麻の兄ちゃん!頑張れよ!」
「五和の事は感謝する!私たちの事は気にせず突っ走るんだ!」
彼らの言葉を聞いて、上条の心は熱くなった。
皆を守りたい。
それだけが上条当麻の願いだった。

950『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/31(木) 22:55:51 ID:mVqBZRf2
「人の為に善いこと」と書いて『偽善』。

誰かに言われたことがある。
自分が行っている正義はただの偽善であると。
上条当麻は「偽善使い(フォックスワード)」だと。
だが、それでもいいと、彼は思った。
自分の身を犠牲にしてでも、救われる誰かがいるならば、
自分が血を流す分だけ、涙を零す人が少なくなるならば、
上条当麻は突き進む。
正義を貫き、一人の少女の運命を変えた。
正義を貫き、一人の少女の命を救った。
正義を貫き、一〇〇〇〇人の少女の命を救った。
正義を貫き、死ぬべき運命を背負った人々を救った。
正義を貫き、国を救った。
正義を貫き、世界を救った。

だからこそ、人々は彼を『英雄』と称える。

『希望』と言う名の重荷を彼は背負っていた。一人の青年の背中には重すぎる代物だ。色々な伝説を作り上げた人物とはいえ、特異な右手を持っていることを除けば、ごく一般的な高校生にすぎない。大事は一人では成しえない。人一人の出来る事には限界がある。自身の力量を知っている。
だからこそ、英雄は仲間を求める。
人々は強烈な指向性に惹かれる。一つの目的の為に人々が集まり、行動するからこそ大事を成す。
『竜王(ドラゴン)』は強大だ。
単体で世界に匹敵する強さを持つ。
だからこそ、ドラゴンを倒す、という目的を成す為に上条当麻は仲間を頼った。
彼を慕う雲川芹亜が中心となってプランを立て、
彼を慕うインデックスが助言し、
彼を畏怖するイギリス清教が協力し、
彼を崇拝するローマ正教が従い、
彼と契約した魔術結社が手を貸し、
彼が住む「学園都市」が同意した。
奇跡は一人では起こらない。奇跡は人々が作り上げる。

951『並行世界(リアルワールド)』:2009/12/31(木) 22:56:19 ID:mVqBZRf2
上条当麻は右手を握りしめたまま走った。多くの仲間が作った一つの道をひたすら走った。
時を越え、危機を乗り越え、ここまで辿りついた。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』をドラゴンにぶつける。それだけのために上条当麻は走った。
瓦礫を蹴り飛ばし、もう一人の上条当麻は目の前だった。
少年は右手に力を込める。
その時だった。
「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆」


『竜王(ドラゴン)』が顕在化する。


上条当麻の拳が空を切った。
「なっっ…!?」
もう一人の上条当麻は『闇』に呑み込まれた。
空を覆う漆黒の翼。
大地を踏みしめる片足の凶悪な爪。
地を這う竜尾。
金剛の鱗で覆われた蛇のような胴体。
そして、鈍く輝く深紅の瞳。
封印を解かれた『竜王(ドラゴン)』は真の姿を現す。
禍々しい雄叫びが、人間の心を凍りつかせた。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
そして、その姿は夜空に溶け込む。
「ドラゴンが…世界と、同化した?」
神裂の呟きが木霊する。
声では無い。
人間が反応できる言語では無い。
ただ理解する。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
(滅――)
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
(セ――)
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
(ヨ――)
「滅セヨ」という意味を持っている事だけが、人間には分かった。
雲を突き抜け、青く染まる闇夜から「何か」が迫りつつある。
だが、人々は迫る危機が大きすぎるがゆえに感知できなかった。


グシャァアアアアアアアッッッ!!!


巨大な竜王の腕が、学園都市を押し潰した。

952toto ◆N7P8AZajuI:2009/12/31(木) 23:04:43 ID:mVqBZRf2
申し訳ありません。
年内にこの作品、書き上げることができませんでした。
エピローグは既に書き終えているのですが、戦いの決着が書き終えていません。
今から、初詣と母の実家に帰るので、今日はここまでです。紅白見てませんwww
ですが、明日は午後から時間があるので、明日の今頃には書き終えるつもりです。

では、皆さん。良いお年を。

953■■■■:2009/12/31(木) 23:09:36 ID:U9uL0osM
GJです!
お待ちしております。

954■■■■:2010/01/01(金) 01:29:16 ID:4ngmKZuk
あけおめ。今年も良いSS期待してるぜ

955■■■■:2010/01/01(金) 08:53:47 ID:2i.TxJ2w
GJです!楽しみにしてます!

956■■■■:2010/01/01(金) 21:32:14 ID:u8hkd5lo
>>952 toto氏
GJ以外の表現が見当たらないんだぜ

で、そろそろ新スレが近いな
テンプレは>>902案でおk?
改定案があったら示してくれ(ついでにageておく)

957■■■■:2010/01/02(土) 00:02:24 ID:bIh38VGQ
>>956
>ここは鎌池和馬氏著作『とある魔術の禁書目録』のSSスレです。
現行と違いSSスレと明記されているけど、SS一本化でOK?
あと、ヘヴィオブジェクトはスレ違いで良かったよね?

>※特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合やBL、鬼畜や死にネタ等)。
別途記載でもいいかもしれないけど、18禁(と思われるものも含む)はスレ違いということを明記したほうがいいかも。

>投下前にカップリングの表記、宣言があるとなお良いです(投下終了時にも宣言をお忘れなく。たまにカオスになります)。
>このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
>キャラの口調、原文はWiki又は原作参照。
この辺りの内容は、箇条書きのほうが多少見てもらいやすいかも。

>次スレはレス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
現行どおり980で良くないか?
外部板だから、仮に間に合わなくても難民は出ないだろうし。

958957:2010/01/02(土) 00:05:30 ID:bIh38VGQ
で、一応修正案。(現行,part5>>82を参考にしてます)
----
ここは「とある魔術の禁書目録」のSSを書いたり読んだり原作の予想外の展開にテンパってみたりするスレッドです。

【全般的な注意事項】
1.このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
2.ネタバレ注意。ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。
3.基本マターリ進行で。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁。
4.レスする際はスレの流れを確認してからにしましょう。

【投稿時の注意】
1.まずは原作を読み込む。最低でも登場人物の口調や性格は把握しておきましょう。
2.オリジナル設定や妄想はほどほどに。ここは『とある魔術の禁書目録』の二次創作を投稿する場です。
3.書いた作品はテキストファイル等で保存。投稿ミスによる文章消去を防ぎましょう。
4.投稿前に深呼吸して保存したテキストを読み返す。誤字脱字はありませんか?分量は十分ですか?
5.投稿時には作品タイトルを、投稿後には終了宣言を。共有の場なので始めと終わりは明確にしましょう。
6.特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合,BL,鬼畜,死にネタ等)。
7.18禁(と思われるもの含む)はスレ違い。

※ 参 考 ※
禁書風味SSの書き方
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html

【次スレについて】
次スレは原則として>>980の人にお願いします。
立てる前には宣言を、立てられない場合は代わりの番号指定をお願いします。

【まとめ】
とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/284.html

959■■■■:2010/01/02(土) 18:41:13 ID:mnH9q6Ms
並行世界まだかなぁ〜

960■■■■:2010/01/02(土) 20:28:54 ID:wpflvMVU
ついこないだ投下されたばっかじゃん!
気ィ短っ!!Σ(゜Д゜;)

961■■■■:2010/01/02(土) 22:53:24 ID:EhEFdxUg
まぁ、気持は分からなくもない

962■■■■:2010/01/02(土) 23:05:51 ID:wpflvMVU
そりゃそうだけどさァ・・・

963■■■■:2010/01/02(土) 23:07:23 ID:WBq1QObI
リアだろ、どうせ

964■■■■:2010/01/04(月) 01:29:48 ID:DlMsJ6KM
香ばしいスレですね

965■■■■:2010/01/04(月) 07:30:00 ID:33v3REXo
香ばしい!?
どゆーこと(驚)!

966■■■■:2010/01/04(月) 12:58:57 ID:z4tRZKuQ
本編と同じ世界観でかつ別の時間軸で展開されたっていう設定で登場人物能力ほぼオリジナルのSSって投下可ですか?

967■■■■:2010/01/04(月) 13:09:52 ID:U1XKZ4rk
>>966
以前そういう作品はどうかって荒れたことがあった気がする
やらない方が無難だとは思う

968■■■■:2010/01/04(月) 14:39:22 ID:z4tRZKuQ
>>967
やっぱり作品のイメージを壊しかねないからですかね・・・;
一応その辺りに神経質になりつつ書いてはみたんですが

969■■■■:2010/01/04(月) 15:05:45 ID:zgYpx/Mg
いいからごちゃごちゃ言う前に投下しろよ

970■■■■:2010/01/04(月) 16:28:33 ID:z4tRZKuQ
>>969
そうですね。とりあえず投下してみます。
初書きな上素人の文章なので矛盾点や文章表現の変なところがあればその辺り生暖かい目線で見守っていただけると嬉しいです;
それではどうぞ。

971とある次元の幻影燈機 ◆QonowfcQtQ:2010/01/04(月) 16:28:48 ID:z4tRZKuQ

第一章 前日 Jumming_Hertz_Level1.



「あーめんどくせー」
 7月11日p.m.5時37分、第7学区鶴来浦(つるぎうら)高等学校校門前。
 そこの生徒である辻霧単(つじぎり ひとえ)はちょっとしたトラブルに頭を抱えていた。橙色の夕日に照らされて長く伸びた影は、ただでさえ育ちすぎたもやしの様に細身な彼の体をさらに引き延ばして路上に投げかけている。その隣にもう一人分の影があった。辻霧よりかは幾分健康そうなシルエットである。
「今日という今日こそ吐いてもらうからね。アンタの能力」
 辻霧の前で仁王立ちしてるのは同じくらいの歳の少女だった。ボブカットの髪型から若干ボーイッシュな印象を受ける。
 少女は名を明日原早苗(あすはら さなえ)という。
 尋問を受けている辻霧が主に気にしているのは彼女の背負っている身長の約三分の二くらいの長さの黒いソフトケースだった。
 金属バット。
 こいつの神経なら迷うことなく自分の頭でホームランを叩き出しそうだから恐い。
「だーから別に良いじゃん? そんな些末なこと気にするとかさー……めんどくさいだろ」
 話はごく単純で、まあ要するに辻霧はとある事情でこの間うっかり自分の能力の一端をこのお節介なソフトボール部の少女に見られてしまったのである。極力
他人との距離を測り、目立たないでいることを日々の目標に掲げている辻霧にとっては致命的なミスだった。ましてや見られた相手がこの若干16歳にして好奇心
だけは幼稚園児並みという明日原早苗とあっては。
(最悪だ………)
 この明日原という少女、五体を以て「青春」の二字を表現しているような人間である。いや、一人で青臭い思い出作りに励んでくれているだけならまだ良い。
辻霧にとって最優先で懸念すべき事項は、彼女がお節介にもその勝手に謳歌するに留めておけば良いであろう「青春」を叩けば増えるビスケットを与えるが如く周りにも散布していることだった。例えばクラスで孤立している人間に救いの手を差し伸べるとか。
 そういった押しつけがましい善意に対する回避の策として、ぎりぎり孤立しているわけではないように見える立場を辻霧が築き上げるのにどれほどの月日を要したか。その努力があの日水の泡と化したのだった。
「ありえねー、本当……」
「ちょっとねえ! 話を聞きなさいってば」
「あ、UFO」
「ウソ!」
「ダーッシュ!」
 興味本位で何にでも手を出す相手なら別な物に興味を向かせれば良い。まさかあそこまで古典的な手に引っかかるとは仕掛けた辻霧本人さえ予想だにしなかったのもまた事実だが……
「だーっはっは!」
 とりあえず、逃げる。
 無いはずのUFOを探し出すべくあらぬ方向の夕焼け空を凝視し始めた明日原を置いて、辻霧は反対方向の人混みの多い通りに向かって時速30キロで駆けだした。
 ところが十秒で二つ妙なことに気付いた。まず駆け出す瞬間に見た通りまでの距離感と今現在見ている通りまでの距離感が全く変わっていない――――――まるで録画した映像が知らぬ間に巻き戻されていたかのように。そしてもう一つ。制服のセーターの襟首を万力のような握力で掴んで離さない感覚が。
 首をギチギチと鳴らしながらゆっくり振り返ると、予想通り。
 明日原が左手で辻霧のセーターを掴んで獰猛な笑みを浮かべていた。
「その程度の速さであたしの『強制移動(アポーテーション)』から逃げ切る算段付けられてたとしたら、随分ナメられたものね」
 「あーそんな能力だったなー」と重ね重ね露見する己の迂闊さに改めて内心舌打ちする辻霧。
 『強制移動』。
 十一次元上の絶対座標の理論に基づき、指定した物体を強制的に自身の元へ「引き寄せる」能力。
 が、
「……とは言ってるけどお前のそれって実質レベル2判定なんだろ?」
「あんもううっさいわね!」
 キーッと歯噛みすると同時に空いている右手で道路に金属バットをケースごと叩きつける明日原。情けないことに「ひっ」という悲鳴が微かに辻霧の喉から漏
れた。
 とは言っても『強制移動』は実質自分自身の座標を基点としなければ発動できない未完成の能力であることは否定できない事実である。校内での成績に関して
は他の追随を許さない領域であるにも関わらず、記録術(かいはつ)に関しては芳しくない明日原さんなのであった。
「これでも身体検査(システムスキャン)では『発展途上(エクスペクタブル)』って呼ばれてるんだから!」
 あーそーですかばーかばーか。
 耳元でぎゃーぎゃー言われながら辻霧はもうどーでもいいやと半ば達しては行けない方向性で悟りの境地に達していた。
 そこに、
「あーすはらァ」
 妙に間延びした女性の声が飛び込んできた。

972とある次元の幻影燈機 ◆QonowfcQtQ:2010/01/04(月) 16:40:27 ID:z4tRZKuQ
 新河刃々斬(あらかわ はばき)という名なら人間関係にある程度距離を置いている辻霧でも何度か聞いたことがあった。パッキパキの金髪に染めたロングヘアと方耳にアンバランスにぶら下がった大量のクロムハーツなピアスから彼女の素行の悪さが10キロ離れていてもぷんと匂ってきそうだった。度重なる生活指導の陽和田(ひわだ)からの注意に対しても馬耳東風の姿勢を貫き通し、それでかつ停学を免れているのは彼女の記録術の好成績によるものだと辻霧は聞いたことがある。
 そしてこんな不良でも自らのネットワークに取り入れてしまっている明日原の顔の広さは最早驚異的であると言える。
「記録術の筋垣(すじがき)がまだ校内に残ってんなら呼んでこいとサ」
 まさに辻霧にとっては青天の霹靂、天から降って湧いた幸運だった。金髪ピアスの天使がいるよおかーさん。
「ええええ……くっ……この好機を棒に振るなんて………」
 が、いかに他人へのいらぬお節介に日々身を尽くす明日原といえども教師の命令には逆らえないようだった。
 肩越しに小物の悪党がヒーローに吐くような捨て台詞を辻霧に向かってひとしきりぽんぽん投げつけながら、明日原は足音も荒く立ち去った。あそこまで己の欲望に忠実だと、逆に尊敬に値するような気がしてきて恐い。
 これが畏怖の念ってやつか……と妙に間違った解釈に納得しつつ胸をなで下ろしていた辻霧に、服装違反の塊が声をかけてきた。
「まーあアンタも難儀なもんだナ」
「あら? もしかして貴女もかつてはアレに巻き込まれたクチでせう?」
「似たようなもン」
 放っといたらタバコでも一服しそうな雰囲気で答える新河。
「まあ突発的なもんだしいつものことだから大目に見てやってくれヨ。いっそ流されちまうのも一興かもナ。付き合い始めたら割と良いヤツだったぜ、アイツ」
「……俺は俺のスタイルで初志貫徹するつもりなんで」
「あ、ソ」
 んじゃあばヨ、と軽く手を振って歩み去る新河の背中をちょっと見てから、辻霧は学校を後にした。
 辻霧の住む学生寮は第18学区にある。あえて学区外の高校に進学したのも彼なりにクラスメイトとの距離感を調節するためだった。
 一週間ほぼ毎日この調子だった。
 日常を「自分自身をより大衆に埋没させるために必要なルーチンワーク」としてしかとらえていない辻霧にとって、迷惑ではないと言えば嘘になる。基本的に何でも「めんどくさい」の一言で済ませようとする性格からしてみれば面倒極まりなかった。
 それなら引きこもるなり学校やめるなりすれば良いという見方もあるだろうが、それは避けたかった。社会問題的な意味で。
 辻霧が学校に通っている理由なんて精々「学歴が欲しいから」ぐらいだった。
 他人の事情に深入りするとロクなことにならないという経験は嫌と言うほどあったから。
 (その点、明日原はどうなんだろうなー)
 自分の事情と相手の事情を共有する輪を広げるという行為が辻霧にはあまりよく理解できない。

973とある次元の幻影燈機 ◆QonowfcQtQ:2010/01/04(月) 17:04:46 ID:z4tRZKuQ

 第18学区で下車し、駅を出てからも考え事をしながら歩いていると、反対側から歩いてきた十代後半くらいの不良のグループにぶつかってしまった。
「……ッて」
「どこ見て歩いてやがるブロッコリー頭がァ!! 」
 どうやらぶつかった時に不良が持っていたアイスクリーム(笑)を盛大に不良の服の前側にべったりぶちまけてしまったらしかった。激昂した不良を前に危機感が麻痺しているのか冷静に分析してしまう辻霧。
 しかしブロッコリー頭、か。確かに辻霧は割と自分の身だしなみには気を使わない方だし、髪を切ったのも今では何年も昔のことのような気がする。よくボサい、と人に言われるし。
 出会って十秒くらいでよくも的確に愉快なニックネームを付けたもんだーわっはっはと辻霧が路上に尻餅を付きながら素直に感心していると、ぶつかった連中の視線にこもる殺気が炭酸飲料にラムネを一粒落としたときと同じくらいの激しさでもってぐんと増したような気がした。
 て言うかやばい。どう考えても学生の格好には見えないわけですが。
「なああァァにニヤニヤしクサッとんじゃいワレうたるッぞぬしゃああァァ!!!!!! 」
 何これ何弁ですかつか言ってること分かんないつば飛んでくる巻き舌多い恐い。
 一瞬で軽い恐慌状態に陥った辻霧の襟首を掴んで立たせると畳みかけるような怒濤の方言ラッシュ。ていうかつば汚い。汚いっつーに。
「おい妹綴(まいとじ)」
 後ろの方にいた痩せた背の高い男が声をかける。辻霧の胸ぐらを掴んで絶賛クレーム中の男は妹綴という名前らしい。
 あ? と鼻息荒く振り返った妹綴にぼそぼそと何か耳打ちする男。辻霧には会話の内容は聞こえないのだが、それを聞いた妹綴がいやーな笑みを浮かべていたところからしてどうやら少なくともつばが飛んでいるから自重しろといった内容ではないようだ。
「そォかァ……お前どうやら能力者らしいなァ。悪ィがオレらも一応『スキルアウト』に縁があるもんだからよォ……ちょッと落とし前の付け方も派手にヤらせて貰うぜ」
 あれ? 俺路地裏に連行されてね?

974とある次元の幻影燈機 ◆QonowfcQtQ:2010/01/04(月) 17:09:33 ID:z4tRZKuQ




 それから二十分後の話である。
 通行人から「高校生が不良に路地裏に連行された」との通報を受けて駆けつけた風紀委員、終通曲羽(ついどおり まがはね)の報告によれば、現場には既に明
らかに返り討ちにされたらしき不良の男が七人転がっていた。
 全員極度の興奮、混乱状態に陥っているらしく、詳しい事情調査に関しては困難を極めたが、七人とも口走った証言の内容は概ね一致していた。

  、、、、、、、、、、、、、、、、、
 何をされたのか全く理解できなかった、と。




 鏡大路蒔風(かがみおおじ まきかぜ)は第18学区のコンビニにいた。
 本来彼女の属する常盤台中学校は第7学区にあるはずなのだが、わざわざ彼女が電車代をかけてここまで足を運んで来たのには理由がある。
 1270ページの分厚い雑誌の立ち読みを終え、三冊目の週刊誌に手を伸ばしかけたときに、コンビニのウインドウ越しにその「理由」が歩いて来るのが見えた。
 平均的な身長の男子中学生だ。しかし全体的に「男らしさ」とは無縁の外見をしている。耳を覆うくらいの柔らかい黒髪と、「小学校中学年です」と主張して
も納得できてしまいそうな童顔。
 鏡大路がアイスを買ってからコンビニを出て声をかけると、伏し目がちに歩いていた少年は顔を上げて軽く笑みを浮かべた。
「蒔ちゃん」
「駄目だろ透通。この時間に一人でふらふら歩いてたら」
 透通と呼ばれた少年――――――逆浦透通(さかうら すきとお)は、左腕にピンで留めてある緑色の腕章を引っ張りながら口を尖らせた。
「これから風紀委員(ジャッジメント)の詰め所に寄ってから帰るから大丈夫だよ」
 人口にして230万人の学生が日々超能力の開発に勤める学園都市。そこで度々起こる能力を駆使した少年犯罪を取り締まり、治安維持に奔走する選抜された生徒
の集団である風紀委員は、透通の様なお世辞にも強靱とは言い難い一介の少年には重すぎる任ではないのか、と時折鏡大路は危惧する。
 それよりも現在鏡大路が心配しているのは最近第18学区で多発している能力者による通り魔事件だ。今日鏡大路が逆浦の下校に付き添おうと第18学区まで足を
のばしたのもこれが理由だった。
 夕方頃に人気のない道を歩いている生徒を路地裏に引きずり込んで襲うという悪質な手口で、五日間ですでに犠牲者の数は二桁に上るという。
「それなら別に良いが……寧ろお前が風紀委員だからという理由で襲われないか心配だな」
 アイスのパッケージを開けながらなおも三歳年下の従弟の身を案じる鏡大路の言葉に逆浦は若干不機嫌そうな表情になった。
「大丈夫だよ。と言うより僕が蒔ちゃんを心配してるんだ」
「?」
 怪訝そうな顔をした鏡大路に逆浦は疲れた様な顔で言った。


「一連の通り魔事件なんだけどね、被害者は全員レベル3以上の高位能力者なんだ」


「…………不自然だな……」
 思わず鏡大路がぽつりとつぶやいた。
 能力者が無能力者(レベル0)を襲う「狩り」が一部の学区の裏で横行しているという反吐が出るような話ならたまに聞くことがある。
 しかし今回の事件における被害者は全員高位能力者だ。
 一応鏡大路も常盤台中学が擁する47人の大能力者(レベル4)の一人である。逆浦の話が本当ならば確かにこの場において犯人に狙われるのは自分の可能性が高
い。
 逆浦は続ける。
「それだけでも変なんだけどね……全員手口が違う、というのか」
「手口が違う?」

975とある次元の幻影燈機 ◆QonowfcQtQ:2010/01/04(月) 18:44:05 ID:z4tRZKuQ
      、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「その……被害者は全員自分自身の能力で傷付けられたような痕跡があるんだよね」
 それを聞いて鏡大路は自然と歩調を落とした。
 自分自身の能力で傷付けられた。
 発火能力者(パイロキネシスト)が火傷を負うようなものだろうか。
 鏡大路が眉間に皺を寄せて黙り込んだのを見て、逆浦は心配そうに顔をのぞき込んだ。
「蒔ちゃん?」
「ああ、すまん」
 鏡大路は顎に添えていた手を離すと、何でもないよと言う風に苦笑して見せた。
「……てことは犯人の能力は自分が受けた能力をそのまま相手に返す能力、か?」
「にしてもおかしいんだ」
 逆浦の表情は冴えない。
「それならもっと集中的で大きなダメージが被害者の身体にあるはずなんだ。でもどっちかというと何か当てずっぽうに跳ね返した能力が分散して何発か偶然当たったみたいな……」
「…………腑に落ちないな……それじゃ書庫(バンク)に検索をかけることもままならないじゃないか」
 それを聞いて逆浦が思い出したように言った。
「そういえば二週間前に第18学区内のデータベースに誰かが侵入した形跡があったな……」
「通り魔か?」
「いや……うまく痕跡を消してたから明確には誰とは断定できないけど……僕はその線が濃いと思ってる。実際警備員(アンチスキル)もその方向性である程度調査してみるって方針になったみたいだし」
 学区内の学生のデータベースさえ手に入れば性格に標的を絞ることができるからだろう。犯人は今もデータベースから抽出したリストの被害者の欄に舌なめず
りしながら撃墜マークを付けているかもしれないのだ。
 その時、不意に逆浦が目を見開いた。
「どうした?」
 鏡大路が声をかけると、逆浦は視線を固定したまま答えた。
  、、、、、、
「何か聞こえた」
 鏡大路の体に一気に緊張が走る。彼のこの何気ない言葉が緊急を意味していることを鏡大路はよく知っていた。
 『妨害聴覚(ジャミングヘルツ)』。レベル1でありながら彼が風紀委員に選抜された理由はこの能力による影響が大きい。大気中に存在する波と名の付くもの
全てから指定したものにのみ干渉し、雑踏の中で交わされる会話を盗聴したり電波によるやりとりを妨害したりと、要は情報戦に役立つ能力ということで重宝さ
れたのだ。逆浦本人は「盗聴能力なんてイヤだよ」と度々鏡大路に愚痴をこぼしていた。
 目を見開いたままの逆浦の口から、読みにくい筆跡の文字を解読するような機械的な声が切れ切れに紡ぎ出される。
「別働tイカr……n絡ヲ確認、Ch……ATM取…外s…作業ヲ終エタ後別m…ルマ…ランデ……ポイントニt…機。武装班…三人毎ニ分ケ、アシ確hヲ終……A班、r……デ…ーp…………マデ移動ch…ノC班ニ随行サセ……」
「また随分と平和的でない内容だな」
 緊張した面もちに引きつった笑みを浮かべる鏡大路。
 その時、


 ゴバッ!! と音を立てて通りの向こうの銀行の壁が吹き飛んだ。


 まばらな通行人たちが悲鳴を上げて逃げ出す中、粉塵の中から武装した覆面の強盗が数人飛び出してくる。
「やれやれだな……警備員もしばらく来ないだろうし。逆浦、下がってて良いぞ。あ、あとこれ持ってて」
 冷静にそう指示を出し、食べかけの「ガリゴリ君メロンソーダ味(おみくじ棒付き)」を預ける鏡大路。
「え? あ、ちょっと待って……」
 逆浦が止めようとするのも聞かず、鏡大路は逃げ出す大衆の動きとは逆方向に歩き始めた。
 強盗達としては予想外の動きだったようだが、一人が鏡大路を高位能力者と判断したのか、隣の仲間が制止するのも聞かずあろうことか肩に担いでいたミサイ
ルランチャーをぶっ放してきた。
 HsMR-64。学園都市では約5年前に生産されたモデルだが、一介の強盗が所持するにしては莫大すぎる破壊力と殺傷力を秘めている。
「おい冗談だろ……」
                 、、、、、、
 それを見て鏡大路はぎょっとして前に一歩出た。
 次の瞬間すさまじい速度で飛んできたミサイルを鏡大路は片手で受け止めていた。慣性の法則に従ってミサイルの発射と共に吹いた風が鏡大路の前髪をわずかに揺らした以外は特に何か反動があったわけでもない。少女が触れた瞬間、まるでビデオの一時停止のボタンを押したようにピタリとミサイルの動きが「停止」した。
「……こんな前時代的な武装で私に立ち向かうなんて」
 警備員は何をしているんだ、と鏡大路は呆れたように呟く。その右手が受け止めているミサイルがバキッ!! という音と同時に真っ白になった。より正確に言うならば、突然摩擦弾頭(フレイムクラッシュ)によって2500度まで熱されていたミサイル全体が霜に覆われたのだ。

976■■■■:2010/01/04(月) 21:46:27 ID:eOvzrbNM
>>975

投稿終了宣言しような

他の人が困るから

977■■■■:2010/01/04(月) 22:19:40 ID:6RKiJCZw
前々から思ってたんだけど入れ替わりネタってあるじゃん?
あれってどういう理屈なんだろうか・・・
人間は脳で考えるんだから、ぶつかったりしても脳が入れ替わる訳ないよなァ・・・

978■■■■:2010/01/04(月) 23:08:50 ID:IHmXNXME
GJ

979■■■■:2010/01/05(火) 00:07:42 ID:UhXqD8ac
なんていうか設定だけ拝借してあとはひたすらオリキャラって言うのは禁書SSと言えるのか?
原作キャラ全く出ないとか出ても申し訳程度とかそれもう禁書である必要性が無いじゃんって言う
別にオリキャラを使って話を進めるのは良いと思うけど流石にほとんど全部っていうのは…
あとは原作本編の展開に自分の分身みたいなオリキャラ入れるみたいなやつ
ああいうのなんていうんだっけ?
ああいうの見てるとすごい気持ち悪いと思ってしまう
オリキャラ使うんだったらやっぱり本編から派生させて別の話を作ってもらいたいところ
まあ俺は読ん出るだけで投下されたSSを読むだけの豚野郎なんだけどさ

980■■■■:2010/01/05(火) 00:20:15 ID:bJ2rcG4o
>>975
なかなか読み応えのある作品でした

指摘
・終了宣言
 >>976でも言われているが、読み手・時間待ちの書き手が困るので一言欲しい。
 ついでに>>958の次スレテンプレ案も参照しといてくれ。
 投稿間隔を見る限りTXTファイルにまとめず直書きしていると思えるしな。
・名前
 かまちーもなかなかアレな名前付けているけど、君のはそれ以上
・これは禁書SSなのか?
 禁書世界っぽいのは確か。
 だが、禁書SSじゃなくてもよくね?という印象を受けてしまうという事実。
 (これこのままオリジナルにしてもパクリ臭いなーという印象は喰らうかもしれんが)

>>979
たぶん「メアリー・スー」。

981980:2010/01/05(火) 00:33:53 ID:bJ2rcG4o
>>980踏んだんで次スレ立てたついでに告知age
(テンプレは>>958案で)

Part7
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262619009/

982toto ◆N7P8AZajuI:2010/01/05(火) 00:40:43 ID:PajQMFWo
予告から大幅に遅れてすみません!
totoです。
今回は一年以上続いた『並行世界』の最終回ということもあり、見直しと修正に大変時間がかかってしまいました!
今回はエピローグも含めて20スレ以上もあります。
どうすればよいでしょうか?

983■■■■:2010/01/05(火) 01:00:52 ID:AMsIa7B.
>>toto氏
981氏が立てたpart7に投下されると良いのでは。

984toto ◆N7P8AZajuI:2010/01/05(火) 01:02:18 ID:PajQMFWo
了解しました。

985■■■■:2010/01/05(火) 01:11:23 ID:UhXqD8ac
あんまり投下された作品にケチ付けたくはないが改めて>>975のSS読むと結構酷いなw
わざわざオリキャラ出したのにキャラの喋り方ややりとりは上条さんや美琴一方通行さんのパクりだし
名前が中二臭いのは別に良いけどオリキャラ大量に出して原作キャラは全く出てこない
まあ常盤台やジャッジメントが出てきてるあたりこの後原作キャラとクロスオーバー(?)して
結構な大作になる可能性が無きにしもあらずなのかもしれないけど
これじゃ禁書の設定だけ拝借してるただのパクリSSだなw
とある魔術の禁書目録のSSなんてとても言えない

986■■■■:2010/01/05(火) 02:25:10 ID:swh/dEnA
縦くらい仕込め

987 ◆QonowfcQtQ:2010/01/05(火) 09:48:56 ID:3YOdnxjQ
>>976
ローカルルール把握してなくてすいません;
以後気をつけます
>>979
>あとは原作本編の展開に自分の分身みたいなオリキャラ入れるみたいなやつ
>ああいうのなんていうんだっけ?
>ああいうの見てるとすごい気持ち悪いと思ってしまう
>オリキャラ使うんだったらやっぱり本編から派生させて別の話を作ってもらいたいところ
自分も下手に本編の展開にオリキャラ混ぜて雰囲気ぶち壊すのは嫌いな方です
なので本編中別視点で起きてた出来事・・・というイメージで書いてます
一応先日投下したものも本編開始(七月十九日)の一週間前に起きた事件、というコンセプトで書きました
これなら実際にあっても本編の展開に影響しないかなと思ったので
>>980
細かいご指摘ありがとうございます
> 投稿間隔を見る限りTXTファイルにまとめず直書きしていると思えるしな
一応終章直前までは書き終えていますが、PCが家族共用のため投下間隔が不自然になってしまいました
終了宣言については今後その都度していくよう気をつけます
>・これは禁書SSなのか?
> 禁書世界っぽいのは確か。
> だが、禁書SSじゃなくてもよくね?という印象を受けてしまうという事実。
 (これこのままオリジナルにしてもパクリ臭いなーという印象は喰らうかもしれんが)
上記の言い訳の通りです。あくまで禁書本編の脇であった出来事として書こうと思っています
ただ筆者に今の所直接的に本編と絡ませる技量が無かったため本編の一週間前という安易な時系列設定で書き始めてしまいました

988■■■■:2010/01/05(火) 12:23:58 ID:Jsl4nsbs
別スレでやれ

あとオリキャラ無双に関してのはメアリー・スーってやつだな

989 ◆QonowfcQtQ:2010/01/05(火) 12:34:10 ID:3YOdnxjQ
>>988
気になったのでググってみました。メアリー・スー。
なるほど・・・一応メアリー・スー度採点っていうのあったのでやってみましたが
>あなたの小説のMary Sue度は18点です。 このくらいは問題ないでしょう。誰の小説でも多少はあるものです。
でした。

ともあれ快く思われないようなので打ち切ります。
お目汚し失礼いたしました。

990■■■■:2010/01/05(火) 16:43:07 ID:K5O3rWWI
私はいいけど他の人はどうですか?

991■■■■:2010/01/05(火) 17:34:39 ID:PHuMpqRY
やっぱりスレ違いじゃね?

992■■■■:2010/01/05(火) 21:06:32 ID:BRJftRMs
キツイこと言われてもいいなら続けても構わないと思う。
ただ、出来れば本編キャラとの絡み、もしくは本編へのリンクがあったほうがいいかな。
世界観を使うこと自体は問題ないから、本編との繋がりができれば二次創作らしくなると思う。

993■■■■:2010/01/05(火) 23:20:06 ID:Jsl4nsbs
門矢士を使ってW光太郎的なことにすればおk

もしくは時空オーロラ

994■■■■:2010/01/06(水) 19:23:35 ID:rvY11clw
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995■■■■:2010/01/06(水) 19:24:36 ID:rvY11clw
すまん…
AA失敗した…
スレ汚してすいません

996 ◆QonowfcQtQ:2010/01/06(水) 20:16:46 ID:0Ux1X3VE
>>992
一応本編との繋がりはあります・・・微妙に、ですが;
ちょっと考えてみます

997■■■■:2010/01/07(木) 02:01:07 ID:bAF3JBmE
>>997
専用スレ建ててやれば誰も困らない


さて、2010年
フルメタ最終巻来るし、ギアス新作ということもあって、

上条さんはギアスorラムダ・ドライバを打ち消すことは可能なのだろうか?

という疑問埋め

998 ◆QonowfcQtQ:2010/01/07(木) 07:38:33 ID:MNMadd8g
>>997
そうですね。とりあえず立てて再投下してみます
オリジナルキャラに嫌悪感催さない人は暇なときにでも見てやって下さい;
それではノシ

・・・・・・ギアスも異能の力なのでは

999■■■■:2010/01/07(木) 08:52:13 ID:jRUlVF.o
もう1000いくな。
埋めとくぞw

1000■■■■:2010/01/07(木) 08:52:42 ID:jRUlVF.o
1000獲りー。

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