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艦これスレ

589TEA:2015/02/28(土) 10:22:18
◆ ◆ ◆

戦艦榛名と名乗る少女は亡霊などではなかった。
彼女は、代々榛名の名を冠する艦に安置されていた艦内神社の御神体そのものであり、いかなる理由によってか人の姿に具現化
したものだったのだ。

深海棲艦との戦いが始まった当初「護衛艦はるな」はすでに退役しており、彼女もまた故郷の榛名神社に安置されていた。
終戦の日もそうしていたように再びお役目の日が来ることを待っていたのだ。

太平洋戦争終結時、艦内神社の御神体を無事に元の場所に返すことができた例は少ない。元より戦中に艦とともに海の底へ没した
ものがほとんどだったが、無事だった御神体も呉の空襲時には多くが損壊してしまっていたのだ。
運よく榛名は大破着低するも艦内への浸水を免れ、終戦時には艦長自らの手によって榛名山へと帰ることができた。

「こうして生き残ったからには再びお国のために頑張ります」

榛名は「はるな」となってからも大戦時の記憶を保ったまま、現代まで艦内の御神体としてありつづけた。
退役後も次の役目を待ちながら海の見えない榛名山から日本の平和を祈っていたのだ。

そして、今日この日を迎えるまで、新型自衛艦の名称に再び「はるな」の名が使用されることは無く、海上自衛隊は壊滅した。

米国の戦艦が深海棲艦にダメージを与えたという情報が日本に舞い込んできたとき、再び榛名は立ち上がる日が来たのだと悟った。
在りし日の亡霊が人々に害を及ぼすのならば、その脅威から人々を守るのは当時を生き抜いてきた自分の役目に違いないと。

太平洋戦争を戦った海軍軍人なら誰もが聞いたことのある噂話がある。
軍艦には、夜になると甲板を歩く和装の女の幽霊が出ることがある。しかし、それは幽霊などではなく、艦を守る御神体の船魂が
人の姿を取って艦内を見回っているだけなのだから心配する必要はない、と。

九十九神というものが実際の現象として起こりえるのかどうか定かではない。
だが、奇しくもこの年は巡洋戦艦榛名に御神体が安置されてから数えて99年目にあたった。


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