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勝手に小説っぽいモノを書く

1coldsnap:2004/10/03(日) 10:12
相も変わらず。
書きたい者が書きたいように書く。

要するに私が突発的に書きたくなる訳だが。

2coldsnap:2004/10/03(日) 10:21
思いついた異能使いのキャラクター設定。
というかプレストーリー?
思いついたし書いてみたが、多分しばらくは作らない。

生命の異能者で、夜族。
真名“魔性喰らい”



注.以下の文章には、多少猟奇的な表現が含まれます。
読んでから後悔すると、筆者が喜ぶ恐れがありますのでご注意下さい。
後、無駄に改行多い。








少女の父は異能者だった。
少女の母は夜族の血を引く異能者だった。

ある夜。
少女はふと目を覚ました。
のどが渇いたので何か飲もうと、台所へ行く途中。
両親の寝室の前を通ると物音がする。
何かを舐めるような音と食べるような音。

ぴちゃぴちゃ、くちゃくちゃ、と。

気になってドアを開けると、















父だった物を食べている、母に似た姿をしたモノがいた。















その後、何があったのかはよく覚えていない。
気が付くと、赤い液体に塗れた両手で母の頭を抱えていた。
ぼんやりと考えた。
何があったのか、よく分からなかった。















そういえば。

母が父を食べていた。
おいしいのだろうか。

あまりおいしくなかった。
母だったモノを食べてみた。















おいしかった。

3B-LUCK:2005/01/31(月) 23:12:28
Nani・KaGMのナイトウィザード(?)キャラを掘り下げる為に、ちょいと数シーンを・・・。

・ナイトメアの試験終了直後、ナイトメアとシェスカのアイコンタクト
「中々に学校というものも侮れんぞ、情報源としてもな。では、さらばだ!」
(私には私の情報源というものがあるのよ、ナイトメア・・・フフフッ)

虚城町の子供達に昔からある一つの噂。それは子供達にしか広まらない。
「あの山の麓の広場に、くもりの日に遊びにいくと肌の白い女の子が遊びに混ぜてくれと言ってくる」
談1「っつーかなんだよあのオンナ、チョースゲーよ!ホームランだよ!」
談2「カワイイっていうよりビジンよね。ウラヤマシイなぁ・・・」
談3「黒髪だから目立たないけど、肌とか顔立ちとかからするとガイジンさんよね?あれ?名前聞いた気がしたんだけど・・・?」

子供達にしか広まらない、大人になる前に「忘れてしまう」、そんなちょっとした噂の女の子・・・。


・お嬢様はエレガントに・・・
「シェスカお嬢様」
「・・・なぁに?朔蘭」
朔蘭が私を名前で呼ぶ事はそれ程多くはない。重要な用事か、朔蘭からのお願いのようなものか・・・今回はどちらだろうか?
「お嬢様。あの事件以降、戦闘の機会が増えております」
「えぇ、そうね」
「お嬢様、武装なされては如何かと・・・」「朔蘭。」
私は朔蘭が言い終える前に止めた。朔蘭も私の反応は予想していたのだろう。すぐに口を噤んだ。
「私がこういう事に対して心がけている言葉、あなたは知っているでしょう?貴族(吸血鬼)は、」
「常に優雅に」
「女の子(お嬢様)は」「エレガントに」
「戦闘は」「生死を賭けた中にも余裕を」
何に影響を受けたのか私自身も覚えていないが、戦闘において私はこれらを心がけるようにしている。無様に倒れ付すなど持っての

外、立ったのだが。
「・・・最近は、無様な様を見せたものだわ。他人に助けられるなんてね。確かに鎧を着込んでいればそうはならなかったかもしれ

ない。でも鉄の塊を着込むのはゴメンだわ。エレガント以前の問題よ。そうね、噂にきく、フェルミオンレイという鎧なら、いいか

もね」
「お嬢様・・・」
「別に武器を持つのはかまわないのよ。ロッド持ってるしね。私に似合う武器といったらレイピアかしら?接近戦は嫌だけれど」
「お嬢様、私はお嬢様の身を案じて言っているのです。お嬢様がお強いのは存じておりますが・・・」
確かにここ数日の戦闘で、何度も危うい目にあっている。朔蘭の心配も決して杞憂などではない事はわかっているのだが・・・私は思

わず久しぶりの溜息をついた。
「はぁ・・・朔蘭にそこまで心配かけちゃうなんてね。私は強くはないものね、ナイトメアにはっきり『弱い』って言われるくらいだ

もの」
「・・・申し訳ございません」
「朔蘭が謝る事ではないわ。でも、そうね、私も憂鬱になる時くらいあってもいいのかもね」
「・・・わかりました。不詳、十七夜朔蘭、お嬢様のお目に適うお召し物(防具)を必ずや見繕いましょう!」
代々我が家に仕えてくれているが、主人としてこの従者は本当にありがたい時がある。だから、私もこう言った。
「そうね、朔蘭が私に似合う、というものなら、着てみようかしら」
「ありがとうございます」
「あら、お礼は『着る』と言ってからのほうがいいのではなくて?」
そうですね、と朔蘭と私は笑いあった。

朔蘭の目指すはクリスタル装備であろうか。

4B-LUCK:2005/01/31(月) 23:46:43
もういっこ投下

・たとえばそんなへるしんぐ
「朔蘭〜」
「はい、お嬢様。なんでしょう?」
「私はスラッシュやスラストより、スマートにシュートやスナイプの方が好きよ」
「はい、存じております」
「ドレスも汚れないしね。で、魔法を好む訳だけど、私の理想には程遠いレンジなの」
「はい、時折書庫にこもられては魔法の研究をなされておられますね。メインは射程を延ばす事なのですか?」
「それもある、というくらいよ。でも、長いに越したことはないわ。それでね、こんなものを手に入れてみたのだけれど・・・」
「・・・御門家が陰陽師用に開発したという破魔弓ですね。たしか、符に魔力を込めて撃ち出す事により射程を伸ばす事に成功したと

か」
「ええ、さすが朔蘭ね、よく知っていたわ」
「お褒めに預かり光栄です」
「で、ね。私(吸血鬼)としては、こんなもの(破魔弓)は使いたくないの。でも、符のシステムは面白いわ」
「わかりました。これを、お嬢様好みに改造せよ、と」
「そうよ。お願いね、朔蘭。最近は何かと物騒だから、出来れば早くね。」
「はい、承りました。朔蘭、超特急で製作しましょう」


・・・数日後
「朔蘭〜」
「紅茶のおかわり。あとギーガーからもらったクッキーも開けて頂戴。ん、なに?そのケース」
「はい、丁度今お持ちしようと思っていたのですが・・・」
大き目のケースをバカンッとあけるとそこには漆黒に光る拳銃が入れられていた。
「っ!ははっ・・・これは・・・」
「対エミュレーター戦闘用9mm拳銃『ウルフェン』。全長30cm、重量10kg、装弾数60。反動はそれ程でもないので人類
でも頑張れば使えるかもしれません」
「専用弾符術加工式9m」
「弾殻は?」「絶滅社製ヒヒイロカネ加工弾殻」
「弾頭は?」「オクタヘドロン製水晶弾頭」
「装薬は?魔術協会か?背教者会議か?」「お嬢様の魔力のみでございます」
「パーフェクトよ、朔蘭」「感謝の極み」
「これならば上級下僕すらも倒せるだろう・・・」

つかいてぇ〜w

5B-LUCK:2005/02/14(月) 23:01:00
時間の前後とか結構いいかげんだが、一応前回いなかった人へのあらすじみたいなもの。


虚城町の虚塞〜第五夜〜白き神、黒き悪魔
シェスカ・B・ニヒライゼンの視点

・雨の夜、朔蘭(さくら)の瞳(ひとみ)
(あの男・・・朔蘭とは一体どういった関係なのかしら)
雨の降りしきる夜、館の結界に違和感を感じた私は朔蘭とあゆみ達に見回りを命じた。
胸騒ぎがして少ししてから私も後を追ったが・・・そこには朔蘭と見知らぬ男が雨の中、
濡れながらただならぬ雰囲気で立ち尽くしていた。
私が近づくと朔蘭は目の前の男と同じ目をして、私を振り返った。そう・・・
「私の嫌いな神の使途を名乗る者達の目」
朔蘭は「道に迷ったそうです」と言った。男はその間に去っていった。
その言葉は直ぐに嘘だとわかった。男は町ではなく、「森の奥へ去っていったのだから」。
私はそれは言及せず、こう言った。
「朔蘭・・・何時から主(私)をそんな目で見るようになったの?」

・猜疑心
喪夜元(もよもと)とキュリエが尋ねて来た。
この町の町長であり、朔蘭の父親でもある十七夜十兵衛(かなぎじゅうべえ)が昨夜から行方不明らしい。
朔蘭から先に知らせは受けていたが、どうやら私の館に出向く途中で行方がわからなくなったという事で、
とりあえず私に事情を聞きに来たらしい。ご苦労な事だ。私の方でも探している、と答えた。
十兵衛と私の付き合いは長い。彼が二十歳前後の頃から、いや、子供の頃から私は知っている。
先日も朔蘭の見合いが云々と、私への定期報告ついでに話していった。
十兵衛は、人間で言えば達人である。
段数の合計は10を上回る。並みの人間では太刀打ち出来まい。昔は私と戯れた程だ。
だが、「人間でない相手」なら、彼の手並みでもどうしようもあるまい。・・・少々、心配だった。
そうそう、喪夜元の服に聖水が付けられていた。どうやら館に来る途中であった男に付けられたようだ。
明らかに私への布告である。容姿を聞くとあの雨の中、朔蘭と話していた男の姿が被った。
やっぱり、聖職者。でも、なら、それと知り合いの朔蘭は・・・?

・神の言
十兵衛が行方不明になって数日。以前手がかりは無し。代わりに新たな事件が勃発していた。
立入禁止区域、工場地帯、館。そのどれにも位置しない少ない土地。館のぎりぎり外。
そこで人が「化物に襲われる」という事件が頻発していた。
時を同じくして町でインフルエンザが流行る。・・・が、喪夜元の調べではただのインフルエンザではないようだ。
町中や病院で「あの男」を見かけたという情報も入っている。化物、奇病、あの男は関連しているのだろうか?
調査の中、一つの噂が持ち上がる。
「人を襲われるのも、奇病が流行るのも、『山に棲む悪魔』の所為だ」
奇病に倒れ、復帰してきた者達は一様に神の信奉者になっていた・・・。
館の周りで騒がれるのは非常に不愉快だ。朔蘭は館で待機させ、配下の3人を引き連れて山狩りを実行した。
気配がしたので近づくと、そこには居酒屋のおばさんがパジャマ姿で倒れていた。
トレントのまつ(母)はどうやら解毒が出来るらしい。やらせてみるとまつはあっさりと解毒してみせた。
(やるじゃない。ちょっと、悔しいわね・・・)まぁ、それはいい。
まつに詳細を聞くと、毒と言うよりは魔法。呪いの類に近いらしい。
さらに、最近同じ成分が町の水源から流れている川に含まれていたと言うのだ。
何故報告しない!と一瞬激昂しそうになるが、解毒したのもまつなので今回は不問とする。急ぐことでもあるし。
あゆみに居酒屋のあばさんを任せると、私は館へと戻った。
そこに、神取から電話が入った。なんと、十兵衛を保護しているというのだ。挙句、引き取りにこいと。
直ぐに朔蘭を向わせると、電話で今度はこちらが言った。奇病は水源が原因だから、町に水に気をつけるように計らえ、と。
神取は「初めから判っていたように」返事をした。・・・きっと何かが起こるくらいは『知っていた』のだろう。
未来を知っていて、それにそって動くことは出来ない。ややこしい立場の奴だ・・・。

6B-LUCK:2005/02/14(月) 23:04:47
続き

・お嬢様は朝に弱い
昨夜の事でわかった事がある。
まず、頻発している山での襲撃事件。本来これだけ続けば山に近づくものなど居なくなるはずなのに、一向に件数が減らない。
昨夜の居酒屋のおばさんがパジャマ姿で倒れていた事をあわせて考えると、被害者はおびき出されたのだろう。
これはもう、間違いない。そして、わざわざそんな手間をかけて、私の山で事件を起す・・・。
町に流れる噂。さらに、奇病から復帰した者の言動。・・・これは、最初から私がターゲットとされた事件。
私に恨みを持つなんて、サッカーで負かしてやったガキ大将か、今まで狩ってきたエミュレーターか・・・。
聖職者は敵だが、恨みとは違う。それに、さすがにこんな大事にはしないだろう。仮にも神の使途を名乗る連中だ。
とすると・・・やはり、エミュレーターか。
神取から引き取った十兵衛は殆ど意識が無い。どうやら奇病にやられたようだが、病気自体はもう治りかけているようだ。
あとは衰弱してしまった体の問題だと思う。一応まつに解毒をやらせ、朔蘭には十兵衛につくように言った。
喪夜元が再び訪れた。今回は私が昨夜の内にメールしておいたのだ。病気の原因が特定できたので明朝こい、と。
私は昨夜の出来事と神取に聞いた話をした。
隣町にも被害が出ていて、水源の元は隣町のダムという事。話した上で、喪夜元達にダムを調べて来い、と命じた。
私は彼らを見送ると、朝日を恨みがましく睨みながら寝床についた・・・sss。

まだ終わってない、終わってないのだが、俺の時間が終わった。
今日はここまで俺も寝床に付くとする・・・sss

7B-LUCK:2005/02/15(火) 23:12:35
若干の脚色とかもあるでよー。とりあえずまだ終わってないけど今日の分(爆

・その薬は誰が為か
珍しく昼下がりといえる時間に起きだした私に、朔蘭は「薬を買いにいく」と言い出した。
十兵衛に使う薬だろう。私はあゆみにでも頼んで、朔蘭は十兵衛を見てろと言ったのだが、
「少々特殊な薬なので、顔見知りの私でないと処方してもらえないかもしれませんから」
と返してきた。
なんだか様子がおかしい・・・と感じた私は
「では、あゆみも連れて行きなさい。あれも少しは使えるように仕込まなくてはね」
と、あゆみを同行させる事にする。まぁ彼女がいたから何が変わるとも思えないが・・・。
朔蘭は渋々といった感じで(これ自体おかしいのだ)あゆみを伴って出かけていった。
暫くすると、ダムを調べにいっていた喪夜元達から連絡が入った。
てっきり調査報告だと思っていたのだが、彼の口からでた言葉は、少々私を驚かせた。
「あんたん所のメイドさんが、例の男と教会に入っていったんだが・・・」
予想していなかった訳ではない。むしろそうだろうと睨んでいたのだが、それでも私は一瞬言葉を失った。
直ぐに気を持ち直すと、詳細を聞くべく喪夜元に話し掛けようとした矢先、電話口から破壊音が響いた。
「ちょっちょっとモヨモト!今の音は何!?」
「教会の窓が吹っ飛んだ。これかr・・・」
はたして電話は向うが切れたのか私が切ったのか、とにかく私はガレージから自分用にチューンされたポルシェを駆っ

て教会に走り出していた。
『ギョキャキャキャキャッキーーーッ!』
私が激しいブレーキ音と共に教会についた時には、既に場は一段落しているようだった。
朔蘭は自分の足で立っていたが、服が多少破けたりと何かがあったことは一目瞭然だったので、私の第一声はこうなっ

た。
「朔蘭、怪我は?」
自分では冷静に言ったつもりだったが、多分かなり焦っていただろうその一言に、朔蘭自身は冷静というより沈んだ声

で大丈夫だということを言った。
喪夜元とキュリエ、何時の間に合流したのか天神 龍火(てんじんりゅうか)を加えた三人は、教会を調べたり朔蘭を看

ていたりとこの場でまだ何かするようだ。
朔蘭に大した怪我が無い事を確かめると、私は車に乗り込んだ。
「さっさと買い物を済ませて館に戻ってきなさい。事情は帰ってから聴きます」
「・・・はい」
走り出す車の窓越しに、あゆみの能天気な声が聞こえてきた。
「朔蘭さ〜ん、お薬買ってきましたよ〜!・・・あれ?」
あゆみは、もう少し教育が必要そうだ。

8B-LUCK:2005/02/16(水) 11:11:23
・神に操られし人々
私に送れて数十分、朔蘭とあゆみ、喪夜元達が帰ってきた。時間は既に夕刻。
私が問いただすまでも無く、朔蘭は事の経緯を話し始めた。
あの男とはかつてとある機関で先輩後輩の中だったらしい。彼は最初、あの雨の中、朔蘭を誘いに館を訪れたという事だ。
朔蘭はその申し出を断った。直後から頻発する奇病、事件、噂。
何か関係があると思った朔蘭は自ら男を問いただす為に教会を訪れたという事だ。そして、判明した。
「先輩は、ほぼ確実に今回の事に関わっています・・・」
さて、これからどうするか・・・という所で、魔力の弾ける気配がした。
大きい。この大きさはただ事ではない!
館の窓から町を見下ろすと、そこには手に手に今時松明を掲げて、人々がこちらに大挙してきていた。
あとから判った事だが、この日町の郵便受けには、学校の体育館で開かれる「説明会」の参加を呼びかけるビラが入っていた。
内容は最近の病気や山での事件への対策という事になってはいたが、その実病気から復帰して異常な信仰心に
目覚めたやからを使って、とある儀式を行う事だった。
儀式の内容はどういったものだったかはわからないが、とにかくこの時は、
「白く輝く光の騎士」と松明を持った人々が大挙して押し寄せてくる。という現状が目の前にあった。
「お嬢様、ここはお任せ下さい!」
朔蘭が声を上げる。従者を置いて主人が逃げるなど・・・と思ったが、『アレ』は『私』にとってヤバイものだ、
と私の何処かが認識する。
数瞬の迷いの後、ここは任せる事にする。朔蘭もあの男の「後輩」。只者ではないはず・・・と思ったのがいけなかった
のか、客室のドアを蹴り開けくだんの彼が姿を現した。
「パーティへのお誘いに来たぞ、お嬢様」「お嬢様!早くお逃げ下さい!」
パーティ?あの集団の贄となれという事か。『アレ』に近づくだけでも相当不愉快だというのに、一緒にパーティなぞ
したら耐えられるモノではない。多分、身体の方が。
「残念。きっと私はお招きに預かっていないわ」
「いやいや、そんな事は無い。・・・ここであっさりと死んでもらう訳にもいかないのでね。会場までご同行願うよ」
朔蘭の方を覗き見る。かつての同僚と相対した朔蘭は、十分に戦闘訓練を積み上げた構えをしていた。
一度任せることにしたのだ、任せよう。状況は少々変わったが、根本的な事は何一つ変わってない。
「もう決めたのよ。『アレ』からも、あなたからも、ここは逃げおおせるってね。
 朔蘭、暫くしたら帰ってくるから、ちゃんとあなたは館で待っていなさい。
 あなた(下僕)達も、町民を館に近づかせないようにね。それくらいは働きなさい。」
マッドファザーこと、大地のサムアップに送られて、私は喪夜元達を伴ってポルシェに飛び乗りガレージを急発進・・・
直後、車は何時の間にか消え去り、そこは赤い月の昇る異世界と化していた。

・失念(微々たる問題。もしくは大いなる世界の意思)
「既に、館ごと取り込まれていたようね」
館の右手から飛び出した私達は武装して先を目指す。逃げたのだから行き先としては後ろに向うべきなのだが、そこは
異世界、進める方向は決められている。癪だが、進める道を進むしかないようだ。
直ぐに町民がワラワラと押し寄せてきた。容赦なく攻撃を叩き込む天神。何人も一瞬で倒れ付す「人々」。
最近の若者はケンカのしかたも知らないのかしら?
「テンジン、人殺しになりたいのなら止めはしないけれど?」
「・・・っく!じゃぁどーしろっていうんだよっ!」
(あなた、今なにも考えずに攻撃したでしょう・・・)
口を突いて出そうになった言葉を飲み込む。私とて、飛んで逃げるくらいしか咄嗟には出てこない。
加減して戦うようなマネは面倒なのでしたくない。けして、出来なくは無い、とだけ言っておこう。
そこに、意外(?)な人物から声がかかった。
「私に任せろ・・・」
キュリエの構えたウィッチブレードは普段とは返した構えをしていた。どうやら「逆刃装備」らしい。
これなら行き過ぎた攻撃で死に追いやる事もない。
「これくらいなら私一人で十分。先にいけ」
「わかった、任せるわ」
この時、私は一つ失念していた。
喪夜元から聞いていたが、キュリエは超ド級の方向音痴だという事だ。もちろん、事件解決まで彼女と再び合流する事
は出来なかった・・・。

9B-LUCK:2005/02/16(水) 12:47:46
・道中平穏之良事哉
さて、気を取り直して探索の準備をする。
各自魔法を唱えたり改めて装備の確認をしたり・・・。こちらの戦力は3。私、喪夜元、天神。
あかりは前回の後遺症か本調子では無い為ここ数日は休んでいる。鬼頭は組織から出頭命令が出たらしい。
ギーガーは会社の内部調査をしているらしい。まぁいきなり神取とか出張ってきたので組織洗いをしているのだろう。
よって、この三人な訳だが・・・
「モヨモト、さっそく調べなさい」
「あぁ、わかってる」
今までも探索中は探知任務が多かった為か、すんなりと喪夜元が請け負った。しかも、
「おっと・・・罠があるようだ」
この後も次々と罠を探知する喪夜元。言われなければ絶対に気が付かないような物まで見つけ出していく。
はっきり言って頼もしかった。罠の中にはもしかかっていたら大変な損失になっていただろうものもあった。
(神は罠発見も得意なのか。神は何でもお見通し、と言うしね)
探索の緊張からか、変な思考が頭をよぎる。
実際には偶々運がよかっただけだろう。そうでなければ今までだって見つけていたはずだ。
それとも探知能力があがったのだろうか?まぁ今はありがたい。この調子で最後までいってくれればいいのだが・・・。

・・・。・・・。・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・いった。最後まで。
私達はただの一度も罠にかからず、最初の町民意外に敵にも遭わず、最深部と思わしき場所・・・パーティ会場、学園体
育館までたどり着いた。
(この件が片付いたら、夕食に招待してあげましょう)
少ない戦力を消耗することなく本敵とやりあえるのは幸運だ。私はそれくらいに考えていた。
今思えば、あの時もし彼とやりあう前に消耗していたらと思うと背筋が寒くなる・・・。
とにかく、ここまで私達は「無事」にたどり着いていた。

10B-LUCK:2005/02/16(水) 12:48:39
・男と朔蘭とエミュレーター
時々聞いた「男(神父)と一緒にいる白い服の少女」を引き連れて、朔蘭と戦っていたはずのその男、シャカールは立っ
ていた。
喪夜元達の調査によれば、少女と話したときは普通に感じたと言う。キュリエは危険視していたように聴いたが。
「ようこそパーティ会場へ」
外から急速に接近してきた白い光を吸収し、少女は確かにそう言った。しわがれた声で・・・。
どうやらキュリエの勘は正しかったようだ。
急激な威圧感を受け、私の横で喪夜元と天神が膝をついた。この程度で情けない。それでも一柱神の一人と勇者か。
一人威圧に耐えた私は「結局、お招きにあがってしまったわ」と悠然と答える。
一瞬驚愕の表情を浮かべるが、ぐだぐだと昔の事を語りだす。「おまえの所為でひどい目にあったんだぞ!」程度だ。
別に聴きたくもなかったのだが、その何者かは思い出話がしたいらしい。
先ほどの威圧もゆっくりと話をする時間が欲しかったからだろうか?と思ってしまう。
仕方が無いので聞いてやることにした。私は気だるげに腕を組み、言ってやった。
「ほら、聞いてあげるからさっさと喋りなさい」
何者かは憤慨したようだったが、結局はべらべらと喋りだした。
要約すれば、こうなるのだろうか?

何者か、改めエミュレーターは、20年ほど前に私にやられたエミュレーターが生き長らえたものらしい。
20年前、エミュレーターはこの町で事件を起していたが、私が調査に乗り出したので始末しようとした。
当時、「悪魔に町の実権を握られているなんてゴメンだ!悪魔はこの町から出て行け!」等々言って私に絡んでいた
町長の息子、十兵衛に「悪魔を追い出すべく、汝に力を貸してやろう」とエミュレーターは『朔蘭』を十兵衛に貸し与
えた。
十兵衛は、父親からは私は悪い奴ではないといった言い方をされていたので、まずはその真偽を確かめる為に朔蘭を私
の下にやって「観察しろ。倒すべきだと思ったら殺せ」と命じた。
結局朔蘭と十兵衛が私を殺すか決めかねている間に私はエミュレーターを退治してしまう。
以来、朔蘭と十兵衛は私を延々と監視し続け今にいたる。
生き延びたエミュレーターは逃げた先で一人の娘に取り付いた。
そしてその父親であるシャカールを良いように利用し始める。
シャカールに古代神(人狼)の力を授け、使いこなせるようになるまで各地で事件を起し続けていた。
そして、なんの理由があったか知らないが再びこの虚城町へ舞い戻った・・・。

今度は邪魔されないよう、まずは私から排除しようとしたのかしら。
まぁいいわ。これから消し去るエミュレーターの事を考えても意味はないのだから。
さぁ、長々と付き合ってあげたおしゃべりもここでおしまい。
「始めましょうか」
と言おうとした矢先、白い少女=エミュレーターを狙う一本の投げナイフ!
シャカールが投擲した黒鍵が即座にこれを弾き飛ばす。
ナイフが飛んできた場所には、朔蘭が沈痛な面持ちで立っていた。
私の自惚れでなければ、朔蘭は今の話を私に聞かれたくはなかったのだろう。
ずっと、それこそ20年も私(あるじ)を騙していたのだから。
今の表情と行動を信じるならば、朔蘭は私(主人)の味方(従者)ということね。
「あら朔蘭、館で待っていろといったのに・・・。いいわ、そんな所にいないでこっちにきなさい」
十数メートルを一気に飛んで、私の傍に降り立った。
朔蘭は何か言いたそうだったが、私は遮るように開戦を宣言した。
「面子は揃ったようね。そろそろ、始めましょうか」
ややこしい話は、闘争の後でいい。

11B-LUCK:2005/02/16(水) 15:03:17
・ここからは戦闘説明(爆 さすがにうろ覚えなんで間違ってる所も一杯あると思われ。まぁ気にするな。
1r目
敵はシャカールしか動かないらしい。でも、そのシャカールは人狼。
ごっついイニシアで能力発動。ブーストしていく。
なにをやられるか分かったものではないので、喪夜元と天神はここぞとばかりに攻撃。
喪夜元はプラーナと「大いなる怒り」×3を使い、100を余裕で超える超打撃を叩き込む!
天神もプラーナを使い駄目押しで一気に重症値へ。重症系能力発動?
シェスカはシーン転換で切れてしまったパープルヘイズをかけ直そうとしてファンブル・・・。
シャカールの2回目はリジェネで終了。
喪夜元と天神は攻撃したがハズレ。

2r目
シャカールはまたしても異常なイニシアで行動。でもリジェネ。そりゃ重症までいったしねぇ。
「ウォークライ」を使い必死にイニシアに付いていく天神勇者様だが、攻撃が当たらない。
喪夜元はまたもプラーナを使い一度当てていいダメージを加えたが、既に回復していた敵はまたも重症でねばる。
そこから更にリジェネを繰り返す。
ここらで大体の目分が判ってきた。割と絶望する数値。30前半程度では、当てられないかわせない!!
敵が攻勢に乗り出す。命中38、攻撃力50、範囲で接近した二人に・・・。
さすがに二人とも倒れはしないがプラーナを削られた模様。
すでに最大出力で一発分くらいしか残っていなかったと思われる。
二人は果敢に攻撃するが異常なブーストの人狼には当たらない。プラーナもすでに「決め」しか放てない残量だ。
シェスカ(というか俺)は一人決意する。こいつに引導を渡すには、最早アレしかない!
タイミングを見計らうが、さすがに中々見つからない。相手が近接攻撃だからどうしても味方を巻き込んでしまう。
狙い通りの使いの悪さだった(爆
まごまごしている内に、味方を突破してシェスカ自身に攻撃が向いてしまった。
命中38。プラーナ使ってもよけられん。食らう。
シェスカは「霧散化」ダメージ0にする。の使用を宣言するが、聖職者の「ホーリーワード」対抗特殊を打ち消す。
でけされてしまう。ここまでも何度か喪夜元の能力も消されていた。どうやら回数は余らしているらしい。で、
攻撃71。・・・クリスタル装備で蝶助かった(爆 防御ジャッジを振ると・・・聖職者「宣誓」防御をファンブルに!?
ちなみに出目はクリティカル(泣 幸運の宝石でなんとかならんか、ということでファンブルは免れた。
だが重症値、不覚にも気絶してしまう。
プラーナはあと一発分しかなく、とどめにとって起きたかったが倒れてしまうとは・・・!
プラーナを使わなくては当てられない避けられない。でもプラーナは殆ど尽きている。
絶望的な戦況だった。

12B-LUCK:2005/02/16(水) 15:04:32
3r目
イニシア40台20台と喪夜元、天神に一回づつ。70の物理と80の魔法攻撃扱い。80を食らった天神はさすがに勇者
、プラーナで乗り切ったらしい。すげぇ、普通なら一発で死ねるぽ。・・・覚醒だったかな?
敵の攻撃の間に喪夜元がシェスカにいい感じの回復。ほぼ全快。
ここまで一緒に戦っていた朔蘭、攻撃してもかわされるので特殊能力を使ってサポートしてたのだが、行動を余らした
らしく何かしてほしいことは?と聞いてくる。
シ「奴の動きを止められたら・・・」
朔「止める・・・それなら出来ます!」
朔蘭の天使剣技「影縫い」成功。2rの間敵は移動できなくなった。兆しが見えた。
このラウンド、2回行動できたシェスカは今度こそパープルヘイズ発動。
(GM「まず最初にやっておかなければいけなかった行動だね」)
ファンブッたんだYO!こんちくしょう!!と思いつつも無言で戦況を見守る。
このラウンド最後のシャカールの攻撃。
ここまで50、70と食らっている喪夜元にダメ押し70魔法ダメージ!
いくら硬いといってもそれは物理の話。TEAの顔に絶望的な色が浮かぶ。
シェスカは一発の為にとっておきたかったMPを「ダークバリア」抗魔+10を喪夜元に。
最大出力で撃ちたかったが仲間が倒れてはしょうがない。喪夜元はダークバリアのおかげでプラーナ内包値を削らずに
生死判定に成功。意識も繋ぎ止めた。
喪夜元と敵をその場に残し、シェスカは隣のSqへ移動しながら、失点2のHPをヒーリングPを使い回復。
少しでも出力を上げようとする。

4r目
シャカールはリジェネ。どうやらシェスカの攻撃に備えているらしい。
瀕死の喪夜元はこの隙にSq移動。移動した先をみてGMが「そこでいいのかいw」
計算に没頭してタイルから目を離していた俺が目を向けると、そこは見事に魔砲の射線上だった。
(B「バカー!死ぬぞー!そこじゃだめー!w」)
天神も喪夜元もHP,MP,プラーナとも尽きかけ。というか尽きてた?
ということで手出しなし。
一方私はプラーナ:一発分。HP:全快、MP:失点6(ダークバリア分)
・・・・・・ん?パープルヘイズ分減ってない?(汗 どうやら減らし忘れていたようだ(爆
まぁ、結果は変わらんかったみたいだからよしとする。ぎりぎりだったら嫌だったが。

■少女:エミュレーター ◆シャカール:人狼◇味方▽喪夜元

□▽□□
■□◆◇
□□□□

シェスカはカウントを1まで下げてブースターロッドでブースト。
その後◇から左に向けて取って置きの必殺技をとうとうぶちかました。
「試作中の魔砲・・・これなら奴にも!・・・冥界の闇に飲まれ、無へと還りなさい。ダークバニッシャー!」
魔導:32 
消費MP:26 「魔力転化」HPをMPのように消費する。HP消費25 ソーサルクリスタル消費:10
全消費合計:61 61−20=41 魔砲攻撃力:41
32+41=73
「ドレインパワー」「永生者」でジャッジに+4(CL)。残りプラーナ全開で+12
73+4+12=89スタートのジャッジ!(おや?記憶の数値より2点低い。まぁ記憶だけで計算してっからそれく
らい差分でるか・・・。で、ここでブースターを入れ忘れてるからパープルヘイズと差し引き0)
で・・・攻撃力ジャッジファンブル・・・やはり試作の初撃ちは上手くいかなかった(泣
だが、それでも80前後の魔法ダメージ。敵を倒しきることが出来た。
ついでに儀式途中だった少女:エミュレーターも巻き込んで、シェスカの魔砲が無へと還してゆく・・・・・・

13B-LUCK:2005/02/16(水) 16:39:37
・決着、大岡裁き
「グォァァァァッ!」「うぉぉっ!?なんだと、私までぇぇ」
獣のような叫びはシャカール、しわがれた声はエミュレーター。
今まで我関せずでなにやらやっていたようだが、まとめて射線にいれてやった。
高みの見物を自分がするのはいいが、他がやるのはいけ好かない。
「ぅっくそぅ!シャカール!貴様、この身体が、娘がどうなってもいいのか!?早く立ってこいつらをやっつけろ!」
「グッグゥゥァァァッ・・・」
シャカールは強靭な再生能力で回復してはいるが、とても直ぐに立ち上がることなど出来そうになかった。
私達はゆっくりとエミュレーターに近づいていく。
「うぬぅぅっ!この娘が、ロザリアがどうなってもいいというのか!?この悪魔め!」
「えぇ、私は吸血鬼。悪魔と呼ばれる事もあるわよ?だから、あなたを消し去るの。『あなただけ』ね。
 そう、あなたが言った『神の力』でね」
「な、にぃ?」
私はそういうと喪夜元を振り返った。
「力を認識したあなたにならできるはずよ、モヨモト。ね、神様?」
「・・・神様だとかはどーでもいい。このちからでそれが出来るなら、使ってやろーじゃないか」
「・・・・・・あ、あれ?痛い・・・お父さん、何処・・・?」
エミュレーターめ、往生際の悪い奴だ。意識を娘に返せば無茶はしないと踏んだか・・・だが。
「大丈夫、直ぐにすむから、目を閉じてじっとしていなさい・・・」
一度は手を止めた喪夜元は、少女の頭をガッチリと掴み直し・・・いや、ゆっくりと手が中に吸い込まれていく。
彼には見えたはずだ。少女の中に渦巻く、エミュレーターの影が。
「うわっこの汚ぇのか?ばっちぃなぁ」
余程はっきりと見えたらしい。言いながら少女の身体から何かを引きずり出した。
それはしわがれた声に相応しい、しわがれたエミュレーターだった。
それに剣を突きつけ、天神は言った。
「貴様のように、人の心を操り誰かを陥れるような卑怯な奴は許さん。今度こそ消えて無くなれぇっ!」
天神の剣が眩く発光する。私の目には少々痛・・・というかイタッアツツッ!・・・私はすすすっと距離をとった。
光の中にエミュレーターの絶叫が消えていった。
それがすむ頃には、シャカールは動けはせずとも意識を回復させていた。
「・・・・・・」
「・・・先輩」
「私は、娘のためとはいえ多くの人を殺めた。多くの罪を犯した。殺してくれ。だが、娘は操られていただけだ。娘は
、どうか・・・」
私は座り込んでいるシャカールを上から見下ろすように立っていた。
周りには朔蘭、喪夜元、天神。みな私とシャカールを不安そうに見つめていた。
「この土地の管理者よ、頼む」
「そうね・・・確かにあなたは多くの罪を重ねてきたようね。でも、それは人間の世界の話、私には関係ないわ」
「しかし、それでは私の償いは出来ない。人の世界の法で、私は既に裁くことの出来ないものになってしまっている」
「なぁに貴方、死にたいの?そんなに死にたいのなら・・・」
私が発言していると言うのに、横合いから口を挟む者達がいた。
「ま、まぁまぁ、えぇっと、娘さんもいることだしここは穏便に・・・」
「死ぬ事が償いな訳じゃない。償いたいなら、生きてちゃんと償うんだ!」
黙ってなさい!と視線に意思を含めて二人を睨む。朔蘭は、自分には意見する権利がないとばかりに押し黙っている。
「そんなに償いがしたいなら、そうね・・・・・・貴方が壊した教会。あそこには神父がいなかったわね。
 貴方、あそこで神父をしなさい。」
周り中、「えっ?」といった表情で私を見る。
喪夜元など口にしてはっきりと
「なに大岡裁きやってんだお嬢様(笑」
と言い切った。心象点数マイナス1だ。
「管理者として、少しは懐の広い所を見せなくてはね」
「(少しかよ)」
天神の声が聞こえた気がした。これ以上私を怒らせるな、ヒューマン。
私は表面上は涼しげに
「では、そろそろ館に引き上げましょうか。」
と言った。
「(きっと一生コキ使うんだぜ?可哀想にw)」
天神、心象点数マイナス2、だ。
でも、これで、決着だった。

14B-LUCK:2005/02/16(水) 17:26:43
・エピローグ
館に戻ってきた一行は、とりあえず腹ごなしに食事を取った。もちろん料理は朔蘭作である。
十兵衛と下僕3人が帰りを待っていた。
「私が朔蘭をお嬢様の所に使わせたのです!私が責任をおいますから、朔蘭はどうか!」
ついさっき、とても似たような台詞を聞いたと思うのですけれど・・・。
でも、そうね、朔蘭の処断がまだだったわ。思いついたことはあるけれど・・・それは今言うタイミングでは無いわね。
今度にしておきましょう・・・そう、今度二人きりの時に・・・。だから、今は話を流しましょう。
「貴方(十兵衛)を今更どうこうしたってツマラナイわ。それに今回は、朔蘭自身の問題でもあった。
 この件についての処断はおって決めます。いいわね?十兵衛、朔蘭」
『はい・・・』
「さぁ、料理を頂きましょう。冷めてしまうわ」
倒したエミュレーターは事件を各地で事件を起していた為、賞金首になっていた。
賞金を分配しても結構な額になった。喪夜元と天神には、私から今回の件に関していくらか払ってやろうと思っていた
のだけれど、これだけあれば子供の小遣いにしては多すぎる位ね。
今度多少の融通くらいはしてあげましょう。

・エピローグ2(セッション未収録)
「お嬢様、失礼します」
浴室のドアを開けて、朔蘭が私の身体を洗いにきた。
事件の数日後、既に日常を取り戻した館のある日だった。
「ねぇ朔蘭」「はい、なんですかお嬢様」
私の四肢を洗う朔蘭に、声をかける。
「貴方の処断、まだ決まってないわよね?」
「(ピクッ)」
流石は朔蘭、動揺はしたものの私の肌に傷をつけるような動きは抑えた。
さて、ここからだ。
「私ねぇ、考えたの。貴方が普通の人間ではないのなら、貴方を完全に私のモノにしても構わないかなって。
 十兵衛は嫌がる、というか反対するかもしれないけど、それなら十兵衛への処断にしちゃうわ。
 だから、『貴方は私のモノになりなさい・・・』」
そう言いながら、ゆっくりと朔蘭の首筋に唇を寄せて、「カプッ」「(ビクッ!)」
朔蘭の身体が硬直したのが感じられる。・・・微動だにしない・・・牙は立てていないのだが?
ゆっくりと唇を離すと、朔蘭は目を見開きながらもどこか恍惚とした表情で・・・って朔蘭?噛んでないってば!
「朔蘭ー。お〜いさくらー。」
目の前で手を振ってやる。
「あ・・・は、ぁ・・・あ?」
「冗談だって。そんな甘い声だしてると、本当に噛んでしまうわよ朔蘭。」
「じょ、う・だ・・ん。じょう・・・だん・・・ハッ!」
見る見る正気を取り戻す瞳。見る見る朱がさす顔。
「ぉ、ぉお嬢様!じょ、冗談が、過ぎます!」
「フフフッこれを今回の朔蘭の処断にするわ。アハハハハッ!」
真っ赤になって、照れ隠しのように身体を洗うのを再開する。
「でもね朔蘭。貴方がツマラナイ男とくっつくようなら、本当に貴方を奪ってしまうわよ。
 相手の人選は気を付けなさい?」
「はぃ・・・」
まだ頭に血が昇っているようだ。イマイチな返答だったがまぁ良いでしょう。
私はゆったりと身体を洗われるに任せた。

・・・もう随分と長い間、朔蘭と一緒にいる気がする。
たかだか20年程なのだが、それ以上に濃密な時間を過ごしてきた、そんな感覚。
朔蘭がいなくなれば、私は一人、この館に住むのだろうか。
実際は直ぐに別の人間が来るのだろうが、朔蘭ではないその違和感に、私は耐えられるだろうか。
多分、こなくていい。というだろう。
吸血鬼とは、永生者とは元来孤独なもの。孤独自体なら耐えられる。でも、その違和感には耐えられそうにない。

・・・浴室のドアを開けて、朔蘭が出て行った。
私は再び浴槽に浸かり、一人そんな事を考えていた。
今夜はもう少し、浸かっていよう。偶にはこんな風に考え事をするのもいい。
時間はたっぷりとあるのだから・・・。

15B-LUCK:2005/02/16(水) 18:03:47
後書きとか書いてみる。

長かった。
多分、都合10時間以上かかってる。なにやってんの?俺。
途中、若干の脚色、変更点とかある。まぁ大筋には関係ない所のはずなんで気にするな。
あ〜、ほんとはもっとかくことあるんだけど疲れたからいじょー。

16Nani・Ka:2005/02/16(水) 18:34:04
読み終わったがよう書いたのぉ〜この長さw
とりあえずおつ〜

17B-LUCK:2005/02/16(水) 19:48:41
なんか忘れてるような説明とかあったら頼む。
ボクハモウツカレタヨ。

18coldsnap:2006/05/14(日) 11:38:56
相も変わらず唐突に短い文章を書き綴る私。
最後の書き込みは一年以上前かw


『**年 *月**日

 防崎さんが行方不明になりました。
 最後の連絡は、すおう製薬本社の前にいるという連絡だったそうです。

 内閣調査室第83号室は室長が変わり、構成員もそう入れ替えになるそうです。
 現在の内閣調査室第83号室の仕事は、次の仕事で最後になるそうです。
 最後の仕事は防崎さんの行方をさがす事です。

 この仕事が終わったらみんな元の生活にもどれるようにすると言っていましたが、
 私はどうなるのでしょうか。
 EMP研究所に戻ることになるのでしょうか。
 高倉さんに聞いてみましたが、よくわかりませんでした。
 こどもにならないかと言われましたが、どういう意味なのでしょうか。
 私は現在こどもであり、こどもに対してこどもにならないかと言うのはおかしな
 質問です。

 その後、すぐに解散になってしまって、どういう意味なのか聞くことが出来ません
 でした。
 明日、高倉さんにきいてみることにします。』


とある日の忌(いみ)の日記より抜粋

19B-LUCK:2006/05/15(月) 20:49:19
触発されたので俺も書いてみる。
いや、無口系だったんでキャラわかり辛かったしネ!(爆

『録音。20XX年**月**日

 室長である防崎氏が行方不明になった。
 最終連絡は、す凰製薬本社前にいる、というものだったそうだ。
 
 内閣調査室第83号室は室長変更となり、構成員も総入れ替えだそうだ。
 現83号室メンバーでの仕事は、次で最後になるという。
 防崎氏の捜索だ。

 最後の仕事が終了したら、全員元の生活に戻れるようにすると副長は言っていたが、
 元の生活と言っても「カンゴク(牢屋、軍監獄、研究所、死体安置所)」戻りばかりだ。
 ありがたくも無い。それ以外も、一般の生活に戻れるとは到底思えない。
 民間協力者である小山氏を不憫に思うが、彼女は見た目で判断できない何かがある。
 きっと自分で何とかするだろう。だいだらぼっち様のお力でもなんでも使って。

 「元の生活」に戻る事は、私には出来ない。
 家族は無く、死体安置所にいてもしょうがない。
 第一、私にはやるべきことがある。止められては困る。
 (「主(あるじ)よ。確かに主は覚醒した。使命がある。しかしその使命、今の主が良しとせぬなら・・・己の運命に背くとしても、私は主に従おう」)
 ありがとうヘルメス。でも、他にする事もないしね。
 (「主よ。主には確かに転生者としての記憶がある。しかし、今世では13才の子供なのだ。私はいま少し、主の覚醒が遅ければよかったと度々思うぞ。」)
 でも、目覚めた。
 (「そうだ。だが、所詮は記憶だ。精神は子供なのだ。なれば、もう少し子供らしくしても、記憶の中の同士達は主を責めはしないだろう。無理に昔(転生前)の自分を装う必要はないのだ」)
 ・・・・・うん。そうだね、ヘルメス。
 心が決まった気がするよ。このまま最後のお仕事が終わったら、多分私はどこかに閉じ込められると思うの。
 (「うむ。残念だが、それが現世の理のようだな」)
 だから、次のお仕事は』ブツッ

 ・・・・・・こんな時期もあったわね、ヘルメス。

20coldsnap:2009/10/25(日) 20:46:37
3年半ぶりくらいの書き込み。
今回はちょっと長め。


寺門 秋那の心情


 私はただ逃げていた。

 星見学園での事件のときから自分が“何”なのかうすうす気付いていた筈なのに、ただ考えるのが怖かったから、見ない振り、気付かない振りをしていた。
 神社で、あの早苗さんという巫女さんに全て言い当てられたときも、その後の風音ちゃんの逃亡で忘れた振りをして、黒子ちゃんに渡されたデータを確認するのが先だと自分に言い聞かせて、黒子ちゃんと宮ちゃんの様子がおかしかったことにも気付かなかった。
 店で、伊達くんと東郷くんの話を聞いたとき、東郷くんはあっさりと自分が“偽者”だと認めてしまった。何でそんなに簡単に認められるのか、私には理解できず、彼に問いかけることも出来ずに、また、私は逃げた。目の前の状況に、それどころではないと自分に言い聞かせて。

 東郷くんが怖かった。あの巫女さんのように私が“何”なのかを指摘されるのが怖かった。
 伊達くんは東郷くんを否定した。きっと私も否定される、そう思った。
 他の皆も伊達くんのように私を否定するかもしれない。
 だけど朱羽は、私だけは殺さないと言っていた。だから朱羽にすがった。朱羽を探した。朱羽なら、私を否定しない。そう自分に言い聞かせて、必死に朱羽を探した。

 そこに辿り着いたとき、朱羽は見当たらなかった。黒子ちゃんが倒れていたけれど、そんなことはどうでも良かった。朱羽がメルオースだと知った。今までのメルオースの行動にも納得はいった。けれど、そんなことはどうでも良かった。

 つまり朱羽は、“私”のことを、はじめから全て知っていたのだ。

 朱羽が自分を否定した。“偽者”は壊すべきだと言って。壊すべきものが違う。だって、壊されるべきなのは私だ。“偽者”は私だ。私は元々どこにもいなかったのだ。朱羽には宮ちゃんがいる。彼が朱羽を認めてくれている。壊されるべきものは、“偽者”なのは、“作り物”の私だ。そう言いたかったけれど、その前に宮ちゃんが動いた。朱羽が宮ちゃんを動かして、死のうとした。駄目だ。全てを知っていて、それでも私を、私だけは殺さないと言っていた朱羽を死なせたくない。私は2人の間に割り込んだ。

 朱羽と宮ちゃんと黒子ちゃん。3人の間に何があったのか何も知ることなく、“寺門 秋那”は死んだ。



 目を覚ますと、私は“暁 夕日”になっていた。

 訳がわからなかったが、ただ“寺門 秋那”は死んで“暁 夕日”はもういない、ということだけはわかった。もう、“私”には“本物”は何一つ残っていないことだけはわかった。
 何故かスペルビアがそばにいるような気がした。少し暖かかった。

 相変わらず自分が何なのかはわからなかったけれど、芦谷さんもクーシャちゃんも優しかった。

 芦谷さんが朱羽と話をさせてくれた。朱羽は落ち込んでいた。自暴自棄になっているように見えた。朱羽を助けたかった。朱羽と会って話をしたかった。
 芦谷さんが朱羽に会いに行くと言ったので、私も連れて行ってくれるように頼んだ。
 呼び名がないのは不便なので、とりあえずは“アキナ”と名乗った。朱羽に会いに行くのなら、その名前がいいだろうと思ったから。

 朱羽に会いに行く途中で皆と合流してしまった。
 “寺門 秋那”はもういない。皆と話すのが怖かった。
 朱羽の兄の宮太郎がいるのなら、私が行かなくても朱羽は立ち直れるんじゃないかと思ったけれど、結局、私も朱羽に会いに行った。
 ……風音ちゃんが、本当に何も変わっていないように見えて、とても怖かった。彼女にとっては“寺門 秋那”はいてもいなくても何も変わらない、どうでもいい存在だったのだろうか。

 私は、朱羽に会っても何も言えなかった。何を話せばいいのかわからなかった。

 皆が“寺門 秋那”を肯定する。もう、どこにもいないのに。私はもう、違うのに。

 プローディティオと一緒に夕日とスペルビアが消えてしまった。プローディティオが夕日の姿をしているのを見たとき、もしかしたらまだ夕日も残っているのかもしれないと思ったのに。夕日を小四郎に返せるかもしれないと思ったのに。

 結局、宮太郎が朱羽を説得し、外にいた最後の1人を倒して一連の事件は終わった。



 “寺門 秋那”はもういない。もう“寺門 秋那”には戻れない。
 ……でも、朱羽がいるのなら、もうしばらくこの町にいよう。
 せめて、自分が誰なのか納得できるようになるまでは。

21B-LUCK:2010/02/16(火) 00:12:40
なんだかキャンペーン続けるようで何よりな女神転生。

NPC浦姫紅の立ち位置が微妙になりつつある(当然である。なんといっても俺もGMも決めてなかったw)
ので、こっちで勝手に補足したり。

浦姫 紅 第一回:魔界にて
・地下世界/セフィロトの魔界
気のあった仲間と悪い敵を倒したり、意に沿わない(むかつく)相手に単身挑んだり、
村を救ったり街を滅ぼしたりしていたそんなある日・・・。
地上通のモノに、最近地上で大きな動きがあるらしい事を聞いた。
地下世界での傭兵家業は中々にスリリングで楽しいが、家族の居る地上が災厄に見舞われるかもしれないという話は
流石に聞き捨てならない。
唯一ここ(地下世界)からでも連絡の取れる頼れる親友に話をしてみる事にする。
電波?状況がよければここからでも繋がるはずだが・・・
地下への別れ際に受け取った「レイフォン」という端末でコールしてみる。
「−−−−−−はい。こちら魔王探偵シアン。久しぶりね、紅。『そろそろだと思ったわ』」
「その名乗りは何とかならないのか空峰。はっきり言ってにあわないぞ。お前のイメージが崩れる」
「魔王というのはこういう風に名乗るものなのよ。突っ込まれると恥ずかしいのだから軽く受け流して。
 …私に聞きたい事があるのでしょう?」
「相変わらず聡いな。実は…」
こちらの状況と知りえた情報を流す。直ぐに要領を得たようで、空峰は納得の声を漏らした。
「・・・なるほど。あんなに秘密裏に、あんなに大胆に、どこに『繋いで』いるのかと思ったら。
 紅、地上の災厄を止めたいのなら直ぐに戻ってらっしゃい。相手は大きいわ。私一人で相手するのは面倒よ」
面倒でも、おまえなら一人で、もしくは『平和を願う手頃な人員』を使ってどうにでもなるだろう、と言いかけたが止めた。
以前似たような事を言ったら『私は別に、こんな世界滅びても構わない』などとのたまったからだ。
言葉に一瞬詰まると、「帰還ルートはこちらで調べて連絡するから」と言って切られてしまった。

まぁ、数年ぶりに家に帰ってみるのもいいだろう。


自分、どこまで極められるかな?的な修行というか、自己鍛錬大好き人間。
普段自分から口を開くこともあまり無く、みているだけなら物静かな印象すらある。
しかしてその実態は「クールなバトルマニア」で、状況が許せば大概戦いたがる。
無茶な作戦や無謀な敵と戦おうとはしないが、各下相手に戦闘でけりがつくならさっさとそうするし、
自分の意に沿わない相手には断固として対立する我の強い所もある。ピンポイントに我侭。
今回は「地上を変貌させられる」事が彼女の意に沿わなかったという事。

次回に続く

22B-LUCK:2010/02/16(火) 23:48:04
浦姫紅 第二回:地上編

・自宅からの帰り
・・・少々、がっかりした。
いや、「がっかりした」などと言っては緋(ひい)が可哀想だろう。
単に、私が自分が思っていたより人間離れしてしまっていただけの事だ。
人の身でどこまで往けるかと、人外の力には頼らずにここまで来たつもりだったが十分に「人」を「超」えていたようだ。
地上に出た私は昔の知り合いから、妹が私を追っている事を聞いていた。
私を追うという事はつまり、人知を超えた領域に踏み入るという事だ。
ならば、それに見合うだけの力をつけなければならない。せめて私の相手になるくらいには・・・
と思ってしまったのだが。
あまりの力の無さに不安になった私は愛銃の片方を預けた。
緋…それを撃てるようになれ。もしくは、悪魔や異界の事など忘れてしまう事だ。


・空峰探偵事務所 新宿支部(仮)
「ひさしぶりね、紅」 「あぁ、久しぶりだな、空峰」
数年ぶりの親友との会合は思っていた通りそっけないものだった。
お互いこの距離感が心地よいからこそ、長く付き合っていられるのだろう。
しかもこいつは・・・
「君は大丈夫なんだな、空峰」 「何がよ?…あぁ、妹さんに振られちゃった?」
相変わらず頭の回転が早いな。
「少々怯えていたようだ。無理も無いのかもしれないが、寂しくもあり不甲斐なくもある」
「不甲斐ないってのは気配をコントロールできない自分が?それともひーちゃんが?」
「どっちも、さ。気配を殺す事はできるが、それではまともに話もできないしな。
 で…君は大丈夫なんだな。妹すら怯えるこの私が」
「誰に向かって何言ってるの。私、これでも『魔王』よ?貴方こそ少しは私を恐れなさい」
肩をすくめながら軽くそんな事を言ってのける、少しも怖くない魔王空峰。
地下でも(私が倒して回った事もあって)中々みない胆力の持ち主だ。
「・・・今度の一件が片付いたら、是非『やろう』」
「やめてよね。私が貴方に勝てる訳ないでしょう」
微笑みすら浮かべてそう返してきた。そこには微塵の驕りも恐れも無い。
『本気』でやれば貴方(私)にすら負けはしない。そう言っている様に見えた。
「さて、では作戦概要を説明するわ」
・・・・・・今度、本気で襲ってみよう。
屈みこんだ空峰の頭を後ろから見下ろしながら、漠然とそんな事を考えた。

==================================================================
人外の力:マガタマ、サイバー、合体 とか

24B-LUCK:2010/09/14(火) 21:20:57
アリアン・ロッド 第一部 最終回前編?前

死ぬ覚悟をしていたら未練が一杯出てきたw
行動指針を決めようと纏めていたらこうなった。

************
『こんなもので君の涙に釣り合うなどとは露ほどにも思ってはいないが、
 私の謝罪の気持ちとしてどうか受け取って欲しい。
 なにより、あの服装より鎧姿より、これに載っているドレスの方が君には数段似合うと私は思っているから、君にこれを贈る
                       By ジョン・プロード』

っと、では店主。
これを先程のものと一緒にこの部屋番に届けてくれ。
彼女と話す機会はあまり無かったが、あの振る舞いにはとても心満たされた。
是非今後良好な関係を築く為にも、まずは非礼と自らの至らなさを謝罪しておくべきだろう。
気に入ってくれればよいが・・・

…さて、あとはサイの話を聞くかどうかの問題か。
彼は少々私とユルペノ君との関係を見誤っているようだったな。
私自身は確かにユルペノ君を知っているし、彼女の純真さに惹かれて時期がきたなら告白しようとすら思っている…いや、思っていた、か。
だが、悲しいかな、多分彼女は私をわからないだろう。
彼女にとってはただの両親の店の顧客の一人。あぁ、なんという「遠さ」だろうか。
仮に覚えていてくれたとしても、その関係が変わる訳ではない。
私はそこから親しくなるつもりでいたのだが・・・どうやら彼女の環境は激変してしまったようだ。
そんな彼女の力になってあげたいとは思うものの、知らない者が踏み込んでいいものでもないように思う。
ライコー、ウォルス、私と入れ違いになった彼、そしてユルペノ君。
彼ら4人が大きな波に囚われてしまったのは明白だ。
ユルペノ君は誰より早く、何かを決断したからこそ、いなくなったのかもしれない。
そして彼女の力になれるのは、「何か」を共有した者達だけだろう。
残念ながら、後から話を聞いただけの、見ず知らずの私ではない。
ない、とは思うものの、すでに彼女をというより、囚われの彼等を手助けしたいと思っている。
しかしライコーの野望、ウォルスの目標、どちらも大きな力や権力や流れの中にある。
錬金術師として研究の徒として、そんなものにあまり関わらずに研究していたいというのも間違いなく真実の本音。なにより煩わしい事が私は嫌いだ。
さぁて…どうしたものやら。
ウサコ君に意見を聞いてみるのも面白いかもしれないな。
彼女は随分と尖った思考をしている。話をしていると実に面白い。
彼女自身がそう望んでいるように感じて、泣かしてもまるで悪気を感じない。
弱気なペットに話しかけているような気さえしてくる。
学園祭の時もつい話し込んでしまった時があったが・・・
待てよ?これはもしや、『私が飼い慣らされている』のでは?
ナーブ教諭も彼女には気を付けろと・・・いやいやいや、イヤイヤ・・・いや?
現状不都合がないのなら、それでもいいのではないか?ふむ。
***************

こうして書くと随分浮気者というか、気の多い奴だなこいつ。

25B-LUCK:2014/07/16(水) 18:18:09
グランクレスト 新キャンペーン 
使用キャラクター背景紹介?

〜起〜
「(-CONVICTER-起動 メンタルパート復旧)
 俺は・・・停止していたのか?通常運用で機能を停止する事は無いはずだが。
 レイン・・・?居ないのかレイン?グリップに感圧無し。周囲知覚の為感圧範囲の拡大とスコー・・・プ・・・
 エラー、エラー、エラー。なんだこれはっ!?」
森の中、うつ伏せに倒れていた人物はガバリと起き上がった。
膝立ちのまま自分の両手をしげしげと見下ろす。
浅黒い肌、黒いロングコート、後ろだけ長い銀髪、整った顔立ちの男。男はゆっくりと立ち上がった。
人間の基準で言えば大きい。190近くあるだろうか。
首を巡らせ、腕を振り、中段キック、上段キック、静止。
「計算上の可能性はほぼ無い。が、今持ちえる情報から導きだされる答え、その中で可能性の高いものは、
 この人間体の自我、精神、意識と言われるいわばゴーストは、俺であるところの、
 CONVICTER-No013(コンヴィクターナンバーサーティーン)である・・・そんなばかな」
さらにワキワキシャバダバと身体を動かす。長身の男が奇妙なダンスを踊っているのは滑稽ですらあった。
暫くしてまた静止。
「CPUが少々過負荷気味だ。処理タスクを減らそう。まずは自己管理が基本。
 まず俺の知る俺自身は・・・!?」
 ゴトンッ!
男の姿は消え、そこには一丁の大型拳銃があった。

〜承〜
深夜、とある村の外れにある家で、凶行が行われていた。
「へへっマジで女一人だぜ」「あの男、命欲しさに本気で村娘を売ったか」「俺らが人の事言えるか?」
違ぇねぇ!ゲハハ!と笑う3人の男達。
小屋のような質素な家。男3人が入れば一杯の部屋の壁に、少女が押さえつけられている。
3人組は武装しており、兵士崩れか山賊かに見える。
一方、少女は寝巻きのまま口元を押さえつけられ声も上げられない。
目には涙を滲ませ、押さえた手の下からは絶えず、恐怖とも怒りとも取れるくぐもった声が聞こえていた。
「しっかしこのガキうるせぇな。これじゃ一瞬でも手ぇ話したら叫びだすぞ。他に気づかれるのは面倒だ」
少女を押さえつけていた男が言うと、後ろにいた痩身の男が身を乗り出してきた。
「おっし、んじゃひとつ試してみるわ。ちゃんと押さえとけよ?」
ナイフを抜き、少女の首元にあてる。見開かれる少女の瞳とは逆に痩身の男は目を細め−
シュビッ!
「オ”っ!ガバっ!」
少女の喉が切られ、血を吐く。手に吐かれた血に驚いたのか、押さえていた男は少女を放したが、
少女は自分の首を押さえ、泣きながら血を吐き咳き込んでいた。
「おいおい、何してくれてんだよ!」と、様子を見ていた男が言うと、痩身の男は
「大丈夫だって。前に拷問官がさ、奴隷商人から聞いたって言ってたんだが、
 奴隷はときどき、こーやってしゃべれなくするんだってさ。余計な事言えないように。
 まぁやった事あるわけじゃねぇからこのまま死んじまうかもしんねーけど、止血すれば今夜中は持つだろ。
 どーせ朝にはオサラバだ。それに・・・処女じゃなくても血が出てれば興奮するだろ?」
別の血だろーが。出すぎだっつーの。そんな事を口々に、少女に群がる3人。
そこで突然、ガタン!と小さな木枠の窓が空き、投げ込まれる物体。
物体は一番先頭にいた、少女の喉を切った痩身の男の頭に当たった。
ぐぉっ!と呻いてうずくまる痩身の男。そこそこの重量物であったようだ。
残りの二人が窓から外をみると、村人と思われる男がほうほうの呈で逃げていくのが見えた。
「あの野郎、さっきのヤツじゃねぇか!今更自分の行為を償いにきたのかねぇ。ま、無駄なことだけどな」
頭を押さえていた男がゆっくりと起き上がる。
「いってぇー。あ、血ぃでてるじゃねぇかっ!ちっくしょうめっ!・・・・・あっ?なんだそれ?」

〜転〜
(喉が痛い。息が苦しい。男達が怖い)
色々な思考と感情が渦巻き何がなんだかわからない。そんな中突然飛来した物体。
急な事態に今までパンク寸前だった思考が完全に停止した。それが良かったのだろうか、
寸前の状態まででは絶対に聞こえなかったであろうささやき声が、少女の耳を打った。
「(俺を・・・いや、『それ』を手に取るんだ。グリップを握れ、銃口を上げろ、引き金を引け。
 生き残りたいのなら戦うんだ。戦う力はここにある)」
少女はわからなかった。無心、という状態だった。
グリップも、銃口も、引き金も、少女は理解できなかった。
ただ、声の言いたい事は理解できた。「生きたいなら戦え」と。その為の力をくれると。
黒く鈍く光る『それ』を少女は手にし、男達に向けた。
使い方は握っただけで銃が教えてくれた。
断罪の名を冠する銃、-CONVICTER-が。


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