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1プロ会議室<6>

8小山田:2004/06/09(水) 14:49
 感想の書きこみが大変遅くなりました、申し訳ありません。
 
 今回投稿された作品を読んで、まず、「あれ?」と思いました。お題のプロットの解釈が微妙にずれているように感じたからです。もう一度お題を読んでみました。
――主人公は海と山が見える風光明媚(ふるさとならどこでも良い)な、ところに住んでいた。――
うっかりしていたのですが、この部分、過去形なのですね。
純粋に過去形として理解すると、主人公は今現在はここに住んでいないことになります。伶人さん、にゃんこさん、くろさんはこちらの解釈ですね。ただ、ですね、この郷里に帰ってくるのが主人公AでなくBという人物であったらAは主人公ではなくなるだろうから、選択肢としては帰ってくるのは主人公Aしかあり得ないのではないか、と思うのです(伶人さんは「帰ってきた人物」を主人公と浩介の二人にしていますね)。
 日本語は同じ時間軸の中で現在形と過去形を使うことがままありますので、私はこの部分は現在も継続して、という風に解釈しました。たぶんセタンタさんも同じかと思います。そこに帰ってくるのは「主人公にとって」元恋人、生き別れの親、なんでも良い、ということかと思ったんですが……

 それでは、お粗末ながら感想を述べさせていただきます。

●伶人さん『廃校綺譚』
主人公の記憶の歪み、というひねった内容の作品ですね。深刻だし、小説に書くのはとても難しいテーマだと感じました。自分の記憶を歪めてしまう、というのはよほどの辛い経験だと思います。そんな人間を主人公にした場合、最初は自然に描いていきながらも、よほど綿密な伏線やら複雑な心理やらを醸し出しておかないと、最後のオチで読者を「そうだったのか!」と納得させられないような。「いじめられていたのは、僕の方だったのだ。」と確かにはっきりと書かれてはいます。しかし、読者がそこで驚きの感動を感じるかどうかは、その文章のもっとずっと前からの導きがあるかどうか、にかかっていると思うのです。この主人公は言ってみれば正確ではない語り手なわけですから、正しいことを知っている人物を登場させるとか(墓参りの最中に地元のおばあさんに会うとか)、冒頭の幻覚――わざわざ読み手の視点を、学校―墓―学校としているのですから――をもっと象徴的にするとか、実は普通でない主人公の心理を書く(例えば決まって悪夢をみるとか身体に深層の記憶がもたらす異変がおこる、とか)ことが必要になるような気がします。む、難しい!!
また、正しい記憶が蘇ってきた時の僕についてですが、どうでしょう、当時の恐怖、絶望(「死ねよ」と幻覚の僕が言っているのは実は自分自身に対してなんでしょうか? ちょっとこの辺がわかりにくかった)、みじめさ、怒り、などに襲われてものすごいパニックになるのではないでしょうか? 一人称の作品ですし、そこはもっと感情をぶちまけることも出来るのではないかと思いました。


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