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文章鍛錬企画【コラボ即興文】4/22〜

14ガストロンジャー:2004/04/26(月) 22:26
<<つづき>>

お母さんに相談した。お母さんは「千佳ちゃんのお母さんは夜働いてるから、多分寂しいんじゃない」と言った。
それをメイちゃんに言ったら、「あたしの家も両親が遅くまでいないから気持ちが分かるなぁ。あたしはおねぇちゃんがいるからそれほど寂しくはないけど」緑色のトレーナーの腕をまくり「おかげで料理もできるもんね」とガッツポーズを作って。どう? とウインクをした。私はそのメイちゃんの誇らしげな顔をかっこいいと思った。
二人で相談したところしばらくは‘オトモダチ’でいようとなった。

「じゃ、最後の手品」砂場から私たちに向かって走ってきて、両手を握り私の目の前二十センチの所に拳を突き出し「さて、何が出るでしょう?」夕日を背にした千佳ちゃんは逆光で表情が読めなかったけれど、声が寂しそうだった。
私は「分からない」とぶっきらぼうに答えた。オトモダチごっこも限界だと思った。
千佳ちゃんは右手を開いて「お母さん」何も出てこないのを確認すると、あれぇ?左手を開いて「友達」あれぇ? 開いた両手の平を相撲の猫だましの様に私の目の前でパンッ!と叩いた。少し間をおいて「本当はアタシは何ももってないんだ。お金があるだけ」相変わらず逆光で表情は分からなかったけれど声は泣いていた。赤みがかったオレンジ色の夕日が千佳ちゃんのうぶ毛を金色に変え、その影は涙を隠した。鼻を啜る音がおっぱい公園で遊ぶ他の子供達の喚声に紛れた。
「あのさぁ。お母さんは千佳ちゃんの為に働いてるんだし、友達だって作れるんだよ。甘ったれるなぁ」私の右隣にいたメイちゃんはそう言って千佳ちゃんの目の前で‘猫だまし’をして、右手をきょとんとした千佳ちゃんの額に移動してデコピンをした。
「イタッ」大げさに千佳ちゃんが屈むのを見て「ね? 痛いでしょ? 誰でも‘されたら困る事’ってあるんだよ。それが分かれば友達なんて幾らでもできるよ」メイちゃんはぴーんと背中を伸ばて言った。メイちゃんはかっこいいと思った。
空は赤く染まり、夕日は家々の影で赤と黒の切り絵を見せた。雲からは金色の筋が何本も降ってくる。時間を作り出す太陽が沈んでも私たちは家に帰らなかった。西の空が燃え尽きても、夜がきても私とメイちゃんと千佳ちゃんは話を続けた。私たちのお腹を爆発させたのはシブヤでもメイクでもスタバでもなく、担任の緒方の話だった。千佳ちゃんは笑いすぎて泣いていた。本気で笑った千佳ちゃんを見たのは多分初めてだ。
ケータイ時計は八時を過ぎていることをつげ、私はおそるおそる家の玄関のドアーを開けた。「アンタ、着信拒否して何してたのよっ!」玄関でずっと待っていたお母さんに怒鳴られ、少しびっくりした。だけど、変だけど嬉しくなって怒っているお母さんに抱きついた。
「ちょっ。何?」天ぷらの匂いがした。今日は天ぷらか―嬉しくなってもっと強く抱いた。ふわっとお母さんの匂いがした。
「お母さん、あのね私の友達のメイちゃんは魔法が使えるんだ。今日も魔法で友達作ってくれたんだ」わたしはさらに強い力でぎゅっとお母さんを捕まえた。

<了>
多分これは男の子の友情の話だなぁ。女の子ではこうは行かないよね?っと半疑問系で書きました。
あと、‘大貧民(大富豪とも…)’は関東と関西でルールが全然違うので、ルールを決めておかないと喧嘩になります(^^;後はラウンジに書き込みます。

【感想】
>セドナさん
 初めまして。ええと。作品を読む前に自分の作品を書いたので、読ませて貰った時に「こんな上手い人の後に俺の作品かよぉ。だせねぇ〜」と思ってしまいました。数カ所『?』と思う部分もあるのですが、おそらく効果を狙ったのでしょうから(そこも含めて面白いと僕は判断したので)短編でこれだけ世界へ持っていけるのは凄いとしかいいようないです。僕はこの時代の文体を読んだことが無いので、ろくな感想も書けません。申し訳ない。
話も動いているし、主人公にも共感できちゃうなぁ。ラスト‘最愛’でぐっとキました

【次回のタイトルと書き出し】
タイトル:『月に向かって』

 書き出し:
今まで何度この感覚に襲われたのだろう。

で、いいのかな? (本文よか難しいですね。書き出しは)お願いします。


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