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コラボ SIDE-B <1>
35
:
サンスティール
:2004/05/18(火) 11:54
なんと。オバケだったんですか。わからなかった……。
えらくアッサリと死を描くんだなぁ、チラリとは思ったんですが。
死は突然で不可解だ、という死生観が出ているのかなと、
そこに好感も感じてたのかもしれない。
それから、彼女が生贄。これ言葉の選び方が悪かったですね。申し訳ない。
俺が言いたかったのは、彼女の存在のありかたが、
あまりにも「僕」にとって都合が良すぎると思えた、という事です。
彼女が目の前で自殺した、という読み方をした場合、死が軽すぎると思ったんですね。
しかし、亡霊となって出てくるという、非現実の世界が描かれているのですから、
こういうのもアリだと思います。だって亡霊が出ること自体が都合がよいのですから。
つまり、なにもかもの原因は、結局俺が読み方を間違っていたわけで、
ともかく「生贄」ってのは撤回しますです。ゴメンなさい。
では、もう一回キッチリ読み直してみます。
『僕は自分を律している最後の枷を毀してしまいそうだった。』
●「僕」の自殺願望の暗示ですね。
『「いつまでも」という言葉は、ないのと同じだという事に気付く方が早かった。
そうさ、ただ、それだけの事だったんだ。』
●リンの命が失われたことの暗示。
『「出来る。リンと一緒なら、ずっとサボったって構わない」
僕は一気に言った。ずっと言いたかった言葉だった。
言ってしまえば何の事はない、簡単な言葉だった。』
●なるほど。”ずっとサボる”は死ぬって意味で言ってるんですね。暗示的・比喩的。
『僕の決意は変わらない。今、決めたことじゃないからだ。
ずっとずっと、言葉の形にしていなかっただけで、僕の中に巣食っていた事だった。』
●もともと自殺願望があったということですね。それをはっきり決意した、と。
ン……違和感ありませんか。死を言葉にしていましたっけ。
『白線の内側にいるのは』
●自殺一歩手前。危険を示す事実。読み飛ばしてましたね。
近づいてくる電車の描写はありますが、そこから危険は感じなかった。
死の予感が希薄なんじゃないのかなと思った。
『「そんな事、言ってほしくなかった」
リンは大きな瞳を見開き、悔しそうな表情を浮かべる。』
●ここにも違和感があると思うんです。上手く書けないけれど、
”そんな事”が指す言葉が「ずっとサボる」だからではないだろうか。
最初に読んだときには、たったその程度で死を選ぶところに、若い心の不安定さ、
死の理不尽さを見ていたんですね。彼女は生きている人間だと思っていたから。
勝手な思い込みだけど(笑)
『「そんなつもりで側にいたんじゃない」』
●「僕」の傍に亡霊が出たのは最近ではないという暗示。
『目を開けた時、リンの姿は消えていた。』
●死の暗示……かと思ったが、亡霊が消えたという事実。
『高校最後の冬休みに、たった一人で逝ってしまったリン。
僕はリンの死を受け止められいまま、受験に失敗した。
何の気力も目標もないまま予備校に通い始め、いつの頃からか、
リンが側にいてくれるようになった。』
●なるほど。ここ、正直読み飛ばしてました。リンが消えるという山場のあとだったので、
俺の心はすでにオチを期待していて、説明が頭に入ってこなかったのかなぁ。
ここが重要だったんですねえ。反省。
でも同時に、読者ってそういうものじゃないかなとも思います。
作者が思ってるほど、読みこんでくれないよね。
俺、いつもこれで悩みますね。なんでここをしっかり読んでくれないかナァ、
としょっちゅう思う(笑)だけど読んでくれない。読者はワガママだよねぇ。
自己弁護で話がそれた。ここでも彼女が亡霊であるとは書かれていない。
ここで、リンは亡霊だと上手くばらしてくれたら、なにかもうワンカット書いてくれたら、
俺みたいなウッカリさんも判ったかも。
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